JP2963116B2 - プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、プラズマCVDやプラズマエッチング等のプ
ラズマ処理方法およびプラズマ処理装置に関し、特に大
面積のプラズマ処理が可能なプラズマ処理方法およびプ
ラズマ処理装置に関する。
<従来の技術> ダイヤモンド薄膜やアモルファスSi薄膜の形成には、
プラズマCVDが用いられている。
また、半導体素子等の製造に必要とされる微細パター
ンの形成にも、プラズマを用いたエッチングが用いられ
ている。
プラズマCVDやプラズマエッチングなどのプラズマ処
理におけるプラズマ発生源としては、例えば特開昭64−
65843号公報に開示されているようなエレクトロン・サ
イクロトロン・レゾナンス(ECR)を利用したプラズマ
生成手段や高周波誘導加熱を利用したプラズマ生成手段
等が挙げられる。これらのうち、高密度の電子が得られ
て処理速度が高いことから、ECRを用いるものが注目さ
れている。
ECR型プラズマ生成装置は、電界と磁界の相互作用に
より共鳴的に電子を加速し、この電子の衝突によりガス
をプラズマ化するものである。また、このように生成し
たプラズマから、イオン引き出し電極等の制御電極によ
り所望のイオンを取り出す方法も知られている(特開昭
60−103099号公報)。
プラズマCVDは、このようにして生成されたプラズマ
中のイオン、ラジカル等を基板上に堆積させることによ
り成膜を行なうものである。また、特開昭64−65843号
公報に示されるように、このプラズマから電子を引き出
し、引き出された電子を原料ガスに衝突させてプラズマ
化し、発生したイオン、ラジカル等を基板上に堆積させ
ることもできる。
プラズマエッチングは、上記のようにして得られたプ
ラズマから、イオンラジカル等を被処理体に衝突させて
エッチングを行なうものである。
ECRを利用したプラズマ生成手段では、生成したプラ
ズマ中の電子やイオンの平均自由行程を確保するため
に、動作圧力は通常10-4Torr付近とされる。このため、
プラズマCVDおよびプラズマエッチングのいずれにおい
ても、処理速度の向上には限界がある。
また、高周波誘導加熱等の他のプラズマ生成手段で
は、動作圧力はECRプラズマより高いが得られる電子密
度および電子温度が低いために、結果として得られるイ
オン、ラジカル等の密度がより低くなり、処理速度がか
えって低下する。
さらに、プラズマ処理においては、電子、イオン、ラ
ジカルのうち必要とされるものだけを選択的に被処理体
に到達させることが必要である。例えば、プラズマCVD
では、不用な電子およびイオンが被処理基板にダメージ
を与え、膜の欠陥が生じることがある。また、膜表面で
不用な反応が生じてラジカルやイオンの反応が抑制さ
れ、成膜速度が低下してしまうこともある。さらに、プ
ラズマ生成室で得られる活性種は電子のエネルギー分布
が広がりをもつため、多種類の解離状態のイオンが生成
されてしまう。このため、このような活性種を例えば引
き出し電極により処理室内に引き出しても、不用もしく
は反応を抑制するイオンも同時に引き出すことになり、
所望の良質な膜が得られない。
<発明が解決しようとする課題> 上記したような問題を解決するために、本発明者は特
願平1−191181号において、処理速度が向上し、しかも
被処理体のダメージ等を防止できるプラズマ処理方法お
よびプラズマ処理装置を提案している。
この提案では、好ましくはECR型プラズマ生成手段に
より生成されたプラズマから、プラズマ反応室内に電子
ビームを引き出す。このとき、プラズマ反応室内には反
応ガスの高密度領域が形成されているため、発生するイ
オンや活性種の量が多くなり処理速度が向上するもので
ある。
しかし、ECRプラズマ生成手段では、プラズマ生成室
の形状、寸法等がECR条件を満たすように限定される。
引き出される電子ビームの断面積はプラズマ生成室の断
面積に依存するため、ECRプラズマ生成手段を用いる場
合、処理面積の向上は困難である。
本発明はこのような事情からなされたものであり、処
理速度が高く、被処理体のダメージおよびその表面での
不用な反応を防げ、しかも大面積の処理が可能なプラズ
マ処理方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、このようなプラズマ処理を実現するプラズマ処理装
置を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> このような目的は下記(1)〜(13)の本発明によっ
て達成される。
(1)プラズマ生成手段を有するプラズマ生成室と、 このプラズマ生成室から電子ビームを引き出す電子引
き出し電極と、 周囲に磁石を有し、前記電子引き出し電極により引き
出された電子ビームを拡径する電子ビーム拡径室と、 拡径された電子ビームをほぼ平行な電子ビームとして
引き出す電子ビーム平行化電極と、 この電子ビーム平行化電極から引き出された電子ビー
ムにより反応ガスの活性化が行なわれるプラズマ反応室
と、 このプラズマ反応室に連通し、被処理体のプラズマ処
理が行なわれるプラズマ処理室とを有するプラズマ処理
装置を用いてプラズマ処理を行なう方法であって、 前記プラズマ反応室内において、前記電子引き出し電
極から引き出された電子ビームに対してほぼ垂直方向に
反応ガスの高密度領域を形成することを特徴とするプラ
ズマ処理方法。
(2)プラズマ生成手段を有するプラズマ生成室と、 このプラズマ生成室から電子ビームを引き出す電子引
き出し電極と、 この電子引き出し電極から引き出された電子ビームに
より反応ガスの活性化が行なわれるプラズマ反応室と、 このプラズマ反応室からイオンビームを引き出すイオ
ン引き出し電極と、 周囲に磁石を有し、前記イオン引き出し電極により引
き出されたイオンビームを拡径するイオンビーム拡径室
と、 拡径されたイオンビームをほぼ平行なイオンビームと
して引き出すイオンビーム平行化電極と、 このイオンビーム平行化電極により引き出されたイオ
ンビームによって被処理体のプラズマ処理が行なわれる
プラズマ処理室とを有するプラズマ処理装置を用いてプ
ラズマ処理を行なう方法であって、 前記プラズマ反応室内において、前記電子引き出し電
極から引き出された電子ビームに対してほぼ垂直方向に
反応ガスの高密度領域を形成することを特徴とするプラ
ズマ処理方法。
(3)前記プラズマ生成手段が、エレクトロン・サイク
ロトロン・レゾナンス型のプラズマ生成手段である上記
(1)または(2)に記載のプラズマ処理方法。
(4)前記プラズマ処理がプラズマCVDである上記
(1)ないし(3)のいずれかに記載のプラズマ処理方
法。
(5)前記プラズマ処理がプラズマエッチングである上
記(1)ないし(3)のいずれかに記載のプラズマ処理
方法。
(6)プラズマ生成手段を有するプラズマ生成室と、 このプラズマ生成室から電子ビームを引き出す電子引
き出し電極と、 周囲に磁石を有し、前記電子引き出し電極により引き
出された電子ビームを拡径する電子ビーム拡径室と、 拡径された電子ビームをほぼ平行な電子ビームとして
引き出す電子ビーム平行化電極と、 この電子ビーム平行化電極から引き出された電子ビー
ムにより反応ガスの活性化が行なわれるプラズマ反応室
と、 このプラズマ反応室に連通し、被処理体のプラズマ処
理が行なわれるプラズマ処理室と、 前記プラズマ反応室に連通する反応ガス導入路とを有
し、 この反応ガス導入路と前記プラズマ反応室との間に、
反応ガスに指向性を付与する指向性付与手段を有するこ
とを特徴とするプラズマ処理装置。
(7)前記プラズマ反応室と前記プラズマ処理室との境
界に、イオン引き出し電極および/またはイオン阻止電
極を有する上記(6)に記載のプラズマ処理装置。
(8)プラズマ生成手段を有するプラズマ生成室と、 このプラズマ生成室から電子ビームを引き出す電子引
き出し電極と、 この電子引き出し電極から引き出された電子ビームに
より反応ガスの活性化が行なわれるプラズマ反応室と、 このプラズマ反応室からイオンビームを引き出すイオ
ン引き出し電極と、 周囲に磁石を有し、前記イオン引き出し電極により引
き出されたイオンビームを拡径するイオンビーム拡径室
と、 拡径されたイオンビームをほぼ平行なイオンビームと
して引き出すイオンビーム平行化電極と、 このイオンビーム平行化電極により引き出されたイオ
ンビームによって被処理体のプラズマ処理が行なわれる
プラズマ処理室と、 前記プラズマ反応室に連通する反応ガス導入路とを有
し、 この反応ガス導入路と前記プラズマ反応室との間に、
反応ガスに指向性を付与する指向性付与手段を有するこ
とを特徴とするプラズマ処理装置。
(9)前記プラズマ生成手段が、エレクトロン・サイク
ロトロン・レゾナンス型のプラズマ生成手段である上記
(6)ないし(8)のいずれかに記載のプラズマ処理装
置。
(10)前記指向性付与手段が、複数の貫通孔を有する薄
板である上記(6)ないし(9)のいずれかに記載のプ
ラズマ処理装置。
(11)前記複数の貫通孔が、前記電子引き出し電極から
引き出された電子ビームに対してほぼ垂直方向に前記薄
板を貫通するものであり、前記貫通孔の長さおよび半径
をそれぞれlおよびrとしたとき、l/r=1〜500である
上記(10)に記載のプラズマ処理装置。
(12)前記プラズマ反応室の前記指向性付与手段と対向
する壁面に、高真空排気口を有する上記(6)ないし
(11)のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
(13)前記プラズマ生成室にガス導入口を有する上記
(6)ないし(12)のいずれかに記載のプラズマ処理装
置。
<作用> 本発明の第1の態様では、プラズマ生成室から引き出
された電子ビームを、磁界の作用により拡径する。この
ため、電子ビームの断面積はプラズマ生成室の断面積よ
り大きくなり、大面積処理が可能となる。
そして、拡径された電子ビームは、ほぼ平行なビーム
とされた後、プラズマ反応室内にて反応ガスを活性化す
る。このときプラズマ反応室内には前記電子ビームに対
してほぼ垂直方向に反応ガスの高密度領域が形成されて
いるため、活性化される反応ガスの密度を高くすること
ができ、処理速度が向上する。
この態様において、プラズマ反応室とプラズマ処理室
との境界にイオン阻止電極および/またはイオン引き出
し電極を有する場合、電子やイオンを選択的に引き出し
てプラズマ処理室内の被処理体に到達させることができ
るので、被処理体のダメージを防止することができ、ま
た、被処理体表面での不用な反応が防げるため処理速度
も向上し、さらにこのため良好な膜が得られる。
また、本発明の第2の態様では、プラズマ生成室から
引き出された電子ビームにより、上記のような高密度領
域にて反応ガスを活性化し、活性化された反応ガスから
イオンビームを引き出す。引き出されたイオンビームを
磁界の作用により拡径し、次いでほぼ平行なビームとし
てプラズマ処理室内に引き出し、プラズマ処理を行な
う。
上記各態様において、反応ガスの高密度領域は、反応
ガスがプラズマ反応室内へ流入する際に指向性付与手段
を通過することにより形成される。
本発明によれば、反応ガスの高密度領域を形成しない
場合と比べ、処理速度を2倍以上、特に3倍以上とする
ことができる。
そして、プラズマ反応室の指向性付与手段と対向する
壁面に高真空排気口を有する構成とする場合、指向性付
与手段から導入された反応ガスの壁面によるバックスキ
ャッタリングが防止されるため反応ガスの流れが乱され
ることがなく、高密度領域を安定に保つことができる。
<具体的構成> 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の第1の態様におけるプラズマ処理装置を、第
1図に示す好適実施例の構成図により説明する。
第1図に示すプラズマ処理装置1は、プラズマ生成室
2と、電子引き出し電極3と、電子ビーム拡径室32と、
電子ビーム平行化電極31と、プラズマ反応室41と、プラ
ズマ処理室42とを連続して有し、プラズマ反応室41に連
通して反応ガス導入路5を有する。
プラズマ生成室2には、マイクロ波電源(図示せず)
と接続された導波管21がマイクロ波導入窓22を介して設
けられており、また、プラズマ生成室の外周には磁石23
が設けられており、これらがエレクトロン・サイクロト
ロン・レゾナンス(以下、ECRと略称する。)型プラズ
マ生成手段を構成している。
プラズマ拡径室32の周囲には、磁石33が設けられる。
プラズマ反応室41とプラズマ処理室42との境界には、
イオン引き出し電極8およびイオン阻止電極9が設けら
れる。
プラズマ反応室41は高真空排気口7を有し、反応ガス
導入路5とプラズマ反応室41との間には、プラズマ反応
室41内に導入される反応ガスに指向性を付与する指向性
付与手段6が設けられる。
プラズマ処理室42には、低真空排気口10および被処理
体ホルダ100が設けられ、被処理体ホルダ100上に被処理
体101が載置されている。
プラズマ処理装置1によりプラズマ処理を行なうに際
しては、図示しない油回転ポンプ等に接続されている低
真空排気口10から装置内の気体を排気して低真空状態と
し、さらに、図示しないターボ分子ポンプ等に接続され
ている高真空排気口7から排気を行なって、装置内を10
-6〜10-7Torr程度の高真空に維持する。
次いで、反応ガス導入路5からプラズマ反応室41内に
反応ガスを導入する。この反応ガスは、拡散によりプラ
ズマ生成室2内に流入する。
プラズマ生成室2では、マイクロ波導入窓22からマイ
クロ波が導入される。このとき、プラズマ生成室内部に
は磁石23によりECR条件を満たす磁界が付与されている
ため、プラズマ生成室2内の電子は、この磁界とマイク
ロ波の電界とにより加速されて反応ガスに衝突し、プラ
ズマが生成する。なお、磁石23はECR条件を満足する磁
界を印加できればよく、永久磁石等、いずれの磁界発生
手段を用いてもよい。
生成したプラズマから、電子引き出し電極3によりプ
ラズマ拡径室32内に電子ビームが引き出される。引き出
された電子ビームは、図中右方向に進行するほぼ平行な
ビームであり、プラズマ生成室2とほぼ同等の断面積を
有する。
この電子ビームは、磁石33が発生する磁界により拡径
され、断面積が増大する。
磁石33は、電子ビーム拡径室32内に、電子ビーム平行
化電極31に向かって強度が漸減する磁界を形成するもの
であり、電子ビームは、このような磁界により電子ビー
ム拡径室の壁面方向に力をうけ、その径が拡がる。
磁石33としては、電子ビームにこのような力を及ぼす
ものであれば制限はないが、例えば、第1図に示すよう
に、S極が電子ビーム平行化電極31側でN極が電子引き
出し電極3側である環状磁石を用いることが好ましい。
また、この場合、環状の磁石33のN極側に接して、補助
磁石を設けることが好ましい。この補助磁石は、磁石33
より小さい内径を有し、内周側がN極で外周側がS極で
ある環状とされる。このような補助磁石を設けることに
より、電子ビーム拡径室内において電子ビーム平行化電
極31に向かって強度が漸減する磁界の存在範囲が増加
し、より有効な拡径を行なうことができる。
なお、本発明では、第4図に示すように、内周側がN
極で外周側がS極である環状磁石を用いることもでき
る。
なお、磁石33は電子ビーム拡径室32内に上記のような
磁界を形成できればよく、その構成に特に制限はない。
例えば、複数の磁石を環状に配列してもよく、また、各
種セグメント磁石を用いてもよい。
電子引き出し電極3は、プラズマ生成室2内に生成さ
れたプラズマから電子を選択的に引き出す作用を有す
る。また、電子ビーム平行化電極31は、磁石33により拡
がった電子ビームを加速する。従って、電子ビーム平行
化電極31を通過した電子ビームは図中右方向の速度成分
が増大し、ほぼ平行なビームとなる。
電子引き出し電極3および電子ビーム平行化電極31
は、対向する2枚の電極板から構成され、プラズマ反応
室41側の電極板がプラズマ生成室2側の電極板より高い
電位を有する。なお、これらの電極および後述する各電
極の電極板は、メッシュ状金属板等の通常の電極板であ
ってもよい。
電子ビームの拡径率は、電子引き出し電極3への印加
電圧、磁石33の長さおよび磁力、電子ビーム拡径室32の
長さ等に依存する。
また、電子ビーム平行化電極31を通過した電子ビーム
の平行度およびエネルギーは、電子ビーム平行化電極31
への印加電圧に依存する。
従って、所望の断面積、エネルギー等を有する電子ビ
ームを得るために、これらの電極は、印加電圧を変更可
能に構成することが好ましい。
なお、磁石33の構成に特に制限はなく、目的に応じて
適当な寸法、磁力等を有するものを選択すればよい。ま
た、構造が簡単になることから、磁石33には永久磁石を
用いることが好ましい。
電子ビーム平行化電極31により引き出された指向性を
有する電子ビームは、プラズマ反応室41内に流入する。
本発明では、プラズマ反応室41内に、この電子ビーム
に対してほぼ垂直方向に反応ガスの高密度領域を形成す
る。電子ビームは、この高密度領域において反応ガスの
活性化を行ない、高密度の活性種を生成する。
なお、この態様では、プラズマ反応室41内において反
応ガスを必ずしもプラズマ状態とする必要はなく、少な
くとも活性種が生成されていればよい。
このような高密度領域の形成方法に特に制限はない
が、反応ガス導入路5とプラズマ反応室41との間に、電
子ビームの進行方向に対してほぼ垂直方向の指向性を反
応ガスに与える指向性付与手段6を設けることにより、
上記のような高密度領域を容易に形成することができ
る。
指向性付与手段6としては、複数の貫通孔を有する薄
板を用いることが好ましい。
そして、反応ガスに上記のような指向性を与えるため
に、薄板に設けられた複数の貫通孔は、電子ビーム平行
化電極31から引き出された電子ビームの進行方向に対し
てほぼ垂直方向に薄板を貫通することが好ましい。
このような指向性付与手段を用いる場合、反応ガスは
低真空の反応ガス導入路5内から薄板の貫通孔を通過し
て高真空のプラズマ反応室41内に流入する際に上記のよ
うな指向性を付与され、プラズマ反応室41内に高密度領
域を形成する。
より詳述すると、上記したような貫通孔を通過したガ
ス分子は、貫通孔の軸方向にビーム状分子流を形成し、
これが上記高密度領域となる。
このビーム状分子流の形状は、貫通孔の長さと半径と
の比、すなわち、貫通孔の長さおよび半径をそれぞれl
およびrとしたとき、l/rの値により決定される。
第2a図、第2b図および第2c図に、それぞれl/rが1、
4および40である場合のガス分子の等濃度曲線を示す。
この曲線は、ビーム状分子流の形状を示すものである。
なお、これらの図において、貫通孔の左側が低真空、す
なわち反応ガス導入路5であり、右側が高真空、すなわ
ちプラズマ反応室41であって、ガス分子は図中矢印方向
に流れる。
本発明では、これらの図に示されるような結果から、
好ましくはl/r=1〜500、より好ましくはl/r=5〜400
とする。
l/rが上記範囲未満であると反応ガスに十分な指向性
を与えることが困難であり、上記範囲を超えると反応ガ
スの流量が極度に減少し、プラズマ反応室41内に高濃度
の反応ガス流を形成することが困難となる。
また、貫通孔の直径は0.01〜5000μm、特に0.03〜50
0μmであることが好ましい。直径が上記範囲未満であ
ると反応ガスの流量が極度に減少し、プラズマ反応室41
内に高濃度の反応ガス流を形成することが困難となる。
直径が上記範囲を超えると、反応ガス分子間の相互作用
により反応ガス流の散乱が生じ、第2a図〜第2c図に示す
ような反応ガスの流れを実現することが困難となる。
また、貫通孔の好ましい配設密度はその直径によって
も異なるが、通常、できるだけ高くすることが好まし
く、例えば102個/cm2以上とすることが好ましい。貫通
孔の配設密度が高ければ、高密度領域の形成が容易とな
る。
薄板の貫通孔が設けられている部分の幅(電子ビーム
進行方向の長さ)に特に制限はないが、処理速度を向上
させるためには、3mm以上、特に5mm以上とすることが好
ましい。また、この幅の上限は特にないが、発生活性種
を制御したい場合には、50mm以下、特に20mm以下とする
ことが好ましい。
そして、プラズマ生成量を増加させて処理速度を向上
させるために、これらの貫通孔はプラズマ反応室41の幅
方向(電子ビーム進行方向に対し直角方向)のほぼ全域
に亙って設けられることが好ましい。
なお、薄板の厚さは貫通孔の長さlと同じであり強度
が十分ではないため、メッシュ状の支持板上に薄板を載
置して用いることが好ましい。
薄板の材質に特に制限はなく、ポリカーボネート、ポ
リエステル等の各種樹脂、各種ガラス、各種金属等を用
いることができる。貫通孔の形成は、例えば各種樹脂で
は、中性子線等の高エネルギー粒子を照射した後、化学
エッチングを施すことにより行なえばよく、各種金属で
はエッチング等を利用すればよい。また、ガラスを用い
る場合、例えばガラスチューブの集合体などを用いるこ
とができる。
また、指向性付与手段として、市販の各種メンブレン
フィルタを用いることもできる。
本発明に好適なメンブレンフィルタとしては、ニュク
リポアー・メンブレンフィルター(ニュクリポアー社
製)が挙げられる。
なお、指向性付与手段とプラズマ反応室との間にイオ
ン阻止電極を設け、指向性付与手段へのイオンの流入を
防止することもできる。
このような指向性付与手段の複数の貫通孔から噴出し
たビーム状分子流は、全体としてカーテン状の分子流と
なり、この分子流が上記高密度領域を構成する。
この高密度領域内における圧力は、処理速度を向上さ
せ、しかも高密度領域以外の圧力を適当に保つためには
10-3〜1Torr程度であることが好ましい。高密度領域に
おける圧力を測定することは困難であるが、本発明によ
り実現する処理速度の向上から考えると、本発明によれ
ばこのような圧力が実現していると考えられる。
プラズマ生成室2内および高密度領域を除くプラズマ
反応室41内の圧力は、10-5〜10-3Torr、特に10-5〜10-4
Torrであることが好ましい。この範囲未満であると高い
電子密度を得ることが困難となり、この範囲を超えると
高密度領域のガス分子と残留ガス分子との衝突が無視で
きなくなり、良好なイオンビームを得ることが困難とな
る。
反応ガスの高密度領域内において上記のような圧力を
実現するために必要とされる反応ガス導入路5内とプラ
ズマ反応室41内の差圧および指向性付与手段6を通過す
る反応ガスの流量は、実験的に決定することができる。
なお、反応ガス導入路5への反応ガスの供給は、図示し
ないマスフローコントローラにより調整され、複数のマ
スフローコントローラを設けることにより、2種以上の
ガスを混合して反応ガスとすることができる。
イオン引き出し電極8とイオン阻止電極9とは平行な
3枚の電極板から構成され、中央の1枚の電極板を共用
する。
イオン引き出し電極8を作動させるためには、中央の
電極板に対しプラズマ反応室41側の電極板が正の電位と
なるように電圧を印加する。このとき、処理ガスのプラ
ズマ中のイオンは電極内で加速され、逆に電子は速度を
失う。
一方、イオン阻止電極9を作動させるためには、中央
の電極板に対しプラズマ処理室42側の電極板が正の電位
となるように電圧を印加する。このとき、処理ガスのプ
ラズマ中のイオンは電極板間で速度を失い、逆に電子は
加速される。
また、イオン引き出し電極およびイオン阻止電極の両
方を作動させた場合、電子およびイオンの双方が速度を
失い、これらの電極を通過して被処理体101側へ移動す
ることが阻止される。この場合、これらの電極を通過す
るのは主としてプラズマ中の中性種だけとなる。
なお、中性種だけをプラズマ処理室42に流入させる場
合、プラズマ処理室42にフロー調整用排気口11を設け、
ここから排気を行なうことにより室内に流れを生じさせ
て流入量を増加させることもできる。この場合、フロー
調整用排気口11は高真空排気口7と同様にターボ分子ポ
ンプ等の高真空用ポンプに接続される。
上記各電極のどれを設けるか、あるいはどれを作動さ
せるかは、目的とするプラズマ処理に応じて決定すれば
よく、特に制限はない。
なお、これらの電極は、印加電圧を変更可能に構成す
ることが好ましい。印加電圧を変更することにより引き
出されるイオンのエネルギーを制御することが可能とな
り、特に200V以下の低加速条件では、高エネルギーイオ
ンによる膜へのダメージが軽減され、良好な膜を得るこ
とができる。
指向性付与手段6は、これらの電極の近傍に設けるこ
とが好ましい。このように構成することにより、反応ガ
スのプラズマからの電子やイオンが効率的に電極内に流
入し、処理速度が向上する。
高真空排気口7はプラズマ処理中に装置内を所定の圧
力に保つ作用を有する。本発明ではこの高真空排気口7
が、プラズマ反応室41の指向性付与手段6と対向する壁
面に設けられることが好ましい。このような構成によ
り、指向性付与手段6から流入した反応ガスのうちプラ
ズマ化しない励起されていないガス分子のプラズマ反応
室壁面でのバックスキャッタリングを低減でき、被処理
体101へこのようなガス分子が到達する割合を抑えるこ
とができる。このため、プラズマCVDにおいては、目的
とする合成反応を阻害する反応を防止でき、良好な膜を
得ることができる。また、プラズマエッチングにおいて
は、上記と同様な理由により、方向性を有する活性種に
より良好な異方性エッチングを高速に行なうことができ
る。
被処理体ホルダ100には加熱手段102およびバイアス電
源103が接続されている。
加熱手段102は、例えばプラズマCVDの際に被処理体10
1を加熱するためのものであり、必要に応じて設ければ
よい。
また、バイアス電源103は、被処理体101にバイアス電
圧を印加するためのものである。バイアス電圧は、交流
または直流のいずれであってもよく、目的に応じて設定
すればよい。
さらに、被処理体ホルダ101は、目的とする処理条件
に応じて分子の平均自由行程内に被処理体を設置するた
めに、前後に移動可能に構成してもよい。
電子ビーム拡径室32、プラズマ反応室41およびプラズ
マ処理室42の形状に特に制限はなく、直方体状、円筒状
等のいずれであってもよい。
また、これらの寸法にも特に制限はないが、例えば、
電子引き出し電極3と電子ビーム平行化電極31との距離
は20〜150mm程度、電子ビーム平行化電極31とイオン引
き出し電極8との距離は30〜200mm程度、イオン阻止電
極9と被処理体101との距離は100〜500mm程度である。
また、この態様における電子ビームの拡径率は150%
以上とすることができる。
次に、本発明の第2の態様におけるプラズマ処理装置
を、第3図に示す好適実施例の構成図により説明する。
プラズマ処理装置1は、プラズマ生成室2と、電子引
き出し電極3と、プラズマ反応室41と、イオン引き出し
電極8と、イオンビーム拡径室82と、イオンビーム平行
化電極81と、プラズマ処理室42とを連続して有し、前記
プラズマ反応室41に連通する反応ガス導入路5を有す
る。
プラズマ生成室2、プラズマ反応室41およびプラズマ
処理室42の構成および作用は、上記第1の態様と同じで
ある。
そして、この態様では、イオンビーム拡径室81の周囲
に、磁石83が設けられる。
この態様では、プラズマ反応室41内において上記第1
の態様と同様にして高密度のプラズマを生成させ、イオ
ン引き出し電極8によりこのプラズマからイオンビーム
を引き出す。引き出されたイオンビームは、図中右方向
に進行するほぼ平行なビームであり、プラズマ反応室41
とほぼ同等、従ってプラズマ生成室2とほぼ同等の断面
積を有する。
磁石83は、イオンビーム拡径室82内に、イオンビーム
平行化電極81に向かって漸減する磁界を形成するもので
あり、イオンビームは、このような磁界によりイオンビ
ーム拡径室の壁面方向に力をうけ、その径が拡がる。
磁石83の構成は、上記のような磁界を発生するもので
あれば特に制限はなく、例えば前記した磁石33に準じる
構成とすればよい。ただし、陽イオンを拡径する場合、
第3図に示すようにイオン引き出し電極8側がS極でイ
オンビーム平行化電極81側がN極である環状磁石を用い
る。また、S極が内周側でN極が外周側である環状磁石
を用いてもよい。なお、陰イオンを拡径する場合は、磁
極の向きを逆にすればよい。また、この場合、イオン引
き出し電極8およびイオンビーム平行化電極81の極性
は、陽イオン拡径の場合の極性と逆極性とされる。
イオンビーム平行化電極81は、磁石83により拡がった
イオンビームを加速する。従って、イオンビーム平行化
電極81を通過したイオンビームは図中右方向の速度成分
が増大し、ほぼ平行なビームとなる。プラズマ処理室42
では、このイオンビームにより被処理体101のプラズマ
処理が行なわれる。
イオン引き出し電極8およびイオンビーム平行化電極
81は、対向する2枚の電極板から構成され、プラズマ反
応室41側の電極板がプラズマ処理室42側の電極板より高
い電位を有する。
イオンビームの拡径率は、イオン引き出し電極8への
印加電圧、磁石83の長さおよび磁力、イオンビーム拡径
室82の長さ等に依存する。
また、イオンビーム平行化電極81を通過したイオンビ
ームの平行度およびエネルギーは、イオンビーム平行化
電極81への印加電圧に依存する。
従って、所望の断面積、エネルギー等を有するイオン
ビームを得るために、これらの電極は、印加電圧を変更
可能に構成することが好ましい。
なお、イオンビーム拡径室82の周囲に設けられる磁石
83の構成に特に制限はなく、目的に応じて適当な寸法、
磁力等を有するものを選択すればよい。また、構造が簡
単になることから、磁石83には永久磁石を用いることが
好ましい。
この態様におけるプラズマ処理装置各部の寸法に特に
制限はなく、処理面積等の目的に応じて適当な寸法を選
択すればよいが、例えば、電子引き出し電極3とイオン
引き出し電極8との距離は30〜200mm程度、イオン引き
出し電極8とイオンビーム平行化電極81との距離は20〜
300mm程度、イオンビーム平行化電極81と被処理体101と
の距離は100〜500mm程度である。
また、この態様におけるイオンビームの拡径率は150
%以上とすることができる。
なお、上記各態様において、プラズマ生成手段に特に
制限はなく、上記したECR型のプラズマ生成手段の他、
磁場に平行にマイクロ波を伝播することにより高電子密
度を得る方法等、他の手段を用いてもよい。ただし、高
い電子密度が得られることから、ECR型プラズマ生成手
段または磁場に平行にマイクロ波を伝播する方法を用い
ることが好ましい。
本発明のプラズマ処理装置は、プラズマCVDおよびプ
ラズマエッチングに特に好適である。
本発明が適用されるプラズマCVDに制限はなく、アモ
ルファス状のシリコン、SiC、カーボン、SiNX、SiO
X等、多結晶状のシリコン、SiC、ダイヤモンド等、単結
晶状態のシリコン、SiC、ダイヤモンド等のいずれの成
膜にも本発明は有効である。これらの成膜に際して、基
板温度等の各種条件に特に制限はなく、目的に応じて適
宜決定すればよい。
これらのプラズマCVDにおいて用いる反応ガスは、ア
モルファスSi成膜に用いるシランガス、ダイヤモンド成
膜に用いる炭化水素等、通常の反応性ガスであってよ
く、特に制限はない。
また、本発明が適用されるプラズマエッチングにも制
限はなく、本発明はいずれのプラズマエッチングにおい
ても効果を発揮する。プラズマエッチングに用いる反応
ガスとしては、例えば、塩素ガス等のハロゲンガス、あ
るいは塩化物ガス、フッ化物ガス等のハロゲン化物ガス
などの反応性ガスであってよく、特に制限はない。
また、上記の各反応性ガスに加え、必要に応じて水
素、不活性ガス等を適宜用いることもできる。
なお、本発明では、プラズマ生成室2にガス導入口を
設けてもよい。
指向性付与手段6からだけ反応ガスを導入した場合、
プラズマ反応室41には上記したような反応ガスの高密度
領域が形成され、プラズマ反応室41の他の領域、プラズ
マ処理室42およびプラズマ生成室2における圧力は、こ
の高密度領域からの拡散によって維持される。このた
め、指向性付与手段6からの反応ガスの流入は、プラズ
マ生成室2内の反応ガスの圧力がプラズマ生成に好適な
値となるように制御される必要がある。
一方、プラズマ生成室2にガス導入口を設け、ここか
らも反応ガスを導入する場合、指向性付与手段6からは
プラズマ生成室の圧力維持に関係なく反応ガスを導入す
ることができるため、高密度領域形成が容易となる。
また、指向性付与手段6からだけ反応ガスを導入する
構成では、プラズマ生成室2内の反応ガスがプラズマ化
することによりマイクロ波導入窓22および電子引き出し
電極3にデポジションが生じるため、頻繁なクリーニン
グが必要となる。
一方、指向性付与手段6からは反応性ガスだけを導入
し、かつプラズマ生成室2のガス導入口から不活性ガス
や水素などの反応性ガス以外のガスを導入するように構
成すれば、プラズマ生成室2内の反応性ガスの圧力を低
下させることができるので、マイクロ波導入窓22および
電子引き出し電極3へのデポジションが減少する。しか
もこの場合、高密度領域での反応性ガスの圧力は変わら
ないため、処理速度が低下することもない。
なお、本発明は、上記のプラズマ処理の他、イオン打
ち込みにも適用することができる。
<実施例> 以下、具体的実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説
明する。
[実施例1] 第1図に示すようなプラズマ処理装置1を用いて、プ
ラズマCVDによりダイヤモンド薄膜の成膜を行なった。
プラズマ生成室2は直径100mm、電子ビーム拡径室32
は直径170mmとし、電子引き出し電極3と電子ビーム平
行化電極31との距離は70mm、電子ビーム平行化電極31と
イオン引き出し電極8との距離70mm、イオン阻止電極9
と基板(被処理体101)との距離は150mmとした。
また、磁石33には、長さ40mmの環状永久磁石を用い
た。
指向性付与手段6としては貫通孔を有するポリカーボ
ネート薄板をメッシュ状の支持板上に載置して用いた。
貫通孔の形成部分の寸法は、電子ビーム方向を10mm、
電子ビームに対し直角方向を160mmとし、貫通孔の配設
密度は2×107個/cm2とした。
また、貫通孔の長さ(l)は11μm、半径(r)は1
μmであり、l/r=11であった。
まず、低真空排気口10からプラズマ処理装置内の気体
を排気して低真空状態とし、さらに、高真空排気口7か
ら排気を行なって、装置内の圧力を10-6Torrとした。
次いで、指向性付与手段6を介して、反応ガス導入路
5からプラズマ反応室41内に反応ガスを導入した。反応
ガスには、CH4:H2=1:100の混合ガスを用い、その流量
は150SCCMとした。
なお、反応ガス導入の際、プラズマ生成室2およびプ
ラズマ処理室42の圧力が4×10-4Torrとなるように、高
真空排気口から排気を続けた。
次いで、プラズマ生成室2においてECRプラズマを発
生させ、また、電子引き出し電極3、電子ビーム平行化
電極31およびイオン引き出し電極8に電圧を印加し、プ
ラズマCVDを行なった。
基板には900℃に加熱した直径6インチのシリコンウ
エハーを用い、この基板上に1μm厚の膜を成膜した。
なお、基板の表面のチャージアップ防止のために、バ
イアス電源103により交流バイアス電流を印加した。
得られた膜に対してX線回折およびラマン分光分析を
行なったところ、ダイヤモンドであることが確認され
た。また、走査型電子顕微鏡により観察したところ、自
形面が殆ど観察されず、基板表面の全面にムラなく均一
に成膜されていることが確認された。
なお、比較のために指向性付与手段を外してプラズマ
CVDを行なった。このときのプラズマ反応室、プラズマ
処理室およびプラズマ生成室の圧力は、上記したプラズ
マ生成室の圧力と同じとした。
指向性付与手段を用いた場合と外した場合のそれぞれ
について、イオン引き出し電極8の近傍におけるイオン
濃度を、発光分光分析で測定した。この結果、指向性付
与手段を用いた場合、イオン濃度が80倍に向上している
ことが確認された。
また、これらのそれぞれについて成膜レートを比較し
たところ、指向性付与手段を用いた場合は成膜レートが
3倍に向上した。
[実施例2] 実施例1と同じ装置を用い、プラズマCVDによりアモ
ルファスシリコン膜を成膜した。
反応ガスとしてSiH4:H2=1:50の混合ガスを流量150SC
CMにて用い、基板温度を200℃とした他は、実施例1と
同様の条件とした。
得られた膜は、X線回折およびラマン分光分析によ
り、アモルファスシリコンであることが確認された。ま
た、走査型電子顕微鏡により、基板表面の全面にムラな
く均一に成膜されていることが確認された。
さらに、指向性付与手段を用いた場合と外した場合の
それぞれについて、イオン引き出し電極8の近傍におけ
るイオン濃度を測定したところ、実施例1と同等以上の
結果が得られた。
さらに、これらの成膜レートの比率も、実施例1と同
等以上であった。
[実施例3] 実施例1と同じ装置を用い、プラズマエッチングを行
なった。
反応ガスには、SF6を用いた。
なお、反応ガス導入の際、プラズマ生成室2およびプ
ラズマ処理室42の圧力が4×10-4Torrとなるように、高
真空排気口から排気を続けた。
被処理体には、石英基板上の1μm厚のアモルファス
シリコン膜上にレジストで線幅1μmのパターニングを
施したものを用いた。アモルファス膜の直径は、実施例
1の基板直径と同じとした。
エッチング後の被処理体は、サイドエッチングがなく
良好な断面形状が得られていることが確認された。ま
た、走査型電子顕微鏡により、膜表面の全面がムラなく
均一にエッチングされていることが確認された。
さらに、指向性付与手段を用いた場合と外した場合の
それぞれについて、イオン引き出し電極8の近傍におけ
るイオン濃度を測定したところ、実施例1と同様な結果
であった。さらに、これらについてエッチングレート比
較したところ、指向性付与手段を用いた場合はエッチン
グレートが6倍に向上した。
[実施例4] 第3図に示すようなプラズマ処理装置1を用いて、実
施例1〜3と同様なプラズマ処理を行なった。
プラズマ生成室2の寸法、プラズマ反応室41の長さお
よびプラズマ処理室42の寸法は上記各実施例と同じと
し、イオンビーム拡径室82の外径は上記各実施例の電子
ビーム拡径室32の外径と同じとした。また、イオン引き
出し電極8とイオンビーム平行化電極81との距離は、15
0mmとした。指向性付与手段6等の他の構成は、上記実
施例と同様とした。
この結果、上記各実施例と同様に、ムラなく均一なプ
ラズマ処理が実現した。
以上の実施例の結果から、本発明の効果が明らかであ
る。
<発明の効果> 本発明によれば、処理速度が極めて速く、しかも大面
積のプラズマ処理が可能なプラズマ処理装置が実現す
る。
また、プラズマ処理の際に被処理体のダメージを防止
でき、特にプラズマCVDを行なう場合に、ダメージが少
なくしかも純度の高い膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図および第4図は、本発明のプラズマ処理
装置の好適実施例を表わす構成図である。 第2a図、第2b図および第2c図は、それぞれ指向性付与手
段により形成されるビーム状分子流の説明図である。 符号の説明 1……プラズマ処理装置 2……プラズマ生成室 21……導波管 22……マイクロ波導入窓 23……磁石 3……電子引き出し電極 31……電子ビーム平行化電極 32……電子ビーム拡径室 33……磁石 41……プラズマ反応室 42……プラズマ処理室 5……反応ガス導入路 6……指向性付与手段 7……高真空排気口 8……イオン引き出し電極 81……イオンビーム平行化電極 82……イオンビーム拡径室 83……磁石 9……イオン阻止電極 10……低真空排気口 11……フロー調整用排気口 100……被処理体ホルダ 101……被処理体 102……加熱手段 103……バイアス電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05H 1/46 H01L 21/302 B (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 16/50 H01L 21/205 C23F 4/00 H01L 21/302 H01J 37/08 H05H 1/46

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ生成手段を有するプラズマ生成室
    と、 このプラズマ生成室から電子ビームを引き出す電子引き
    出し電極と、 周囲に磁石を有し、前記電子引き出し電極により引き出
    された電子ビームを拡径する電子ビーム拡径室と、 拡径された電子ビームをほぼ平行な電子ビームとして引
    き出す電子ビーム平行化電極と、 この電子ビーム平行化電極から引き出された電子ビーム
    により反応ガスの活性化が行なわれるプラズマ反応室
    と、 このプラズマ反応室に連通し、被処理体のプラズマ処理
    が行なわれるプラズマ処理室とを有するプラズマ処理装
    置を用いてプラズマ処理を行なう方法であって、 前記プラズマ反応室内において、前記電子引き出し電極
    から引き出された電子ビームに対してほぼ垂直方向に反
    応ガスの高密度領域を形成することを特徴とするプラズ
    マ処理方法。
  2. 【請求項2】プラズマ生成手段を有するプラズマ生成室
    と、 このプラズマ生成室から電子ビームを引き出す電子引き
    出し電極と、 この電子引き出し電極から引き出された電子ビームによ
    り反応ガスの活性化が行なわれるプラズマ反応室と、 このプラズマ反応室からイオンビームを引き出すイオン
    引き出し電極と、 周囲に磁石を有し、前記イオン引き出し電極により引き
    出されたイオンビームを拡径するイオンビーム拡径室
    と、 拡径されたイオンビームをほぼ平行なイオンビームとし
    て引き出すイオンビーム平行化電極と、 このイオンビーム平行化電極により引き出されたイオン
    ビームによって被処理体のプラズマ処理が行なわれるプ
    ラズマ処理室とを有するプラズマ処理装置を用いてプラ
    ズマ処理を行なう方法であって、 前記プラズマ反応室内において、前記電子引き出し電極
    から引き出された電子ビームに対してほぼ垂直方向に反
    応ガスの高密度領域を形成することを特徴とするプラズ
    マ処理方法。
  3. 【請求項3】前記プラズマ生成手段が、エレクトロン・
    サイクロトロン・レゾナンス型のプラズマ生成手段であ
    る請求項1または2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】前記プラズマ処理がプラズマCVDである請
    求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  5. 【請求項5】前記プラズマ処理がプラズマエッチングで
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマ処理
    方法。
  6. 【請求項6】プラズマ生成手段を有するプラズマ生成室
    と、 このプラズマ生成室から電子ビームを引き出す電子引き
    出し電極と、 周囲に磁石を有し、前記電子引き出し電極により引き出
    された電子ビームを拡径する電子ビーム拡径室と、 拡径された電子ビームをほぼ平行な電子ビームとして引
    き出す電子ビーム平行化電極と、 この電子ビーム平行化電極から引き出された電子ビーム
    により反応ガスの活性化が行なわれるプラズマ反応室
    と、 このプラズマ反応室に連通し、被処理体のプラズマ処理
    が行なわれるプラズマ処理室と、 前記プラズマ反応室に連通する反応ガス導入路とを有
    し、 この反応ガス導入路と前記プラズマ反応室との間に、反
    応ガスに指向性を付与する指向性付与手段を有すること
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】前記プラズマ反応室と前記プラズマ処理室
    との境界に、イオン引き出し電極および/またはイオン
    阻止電極を有する請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】プラズマ生成手段を有するプラズマ生成室
    と、 このプラズマ生成室から電子ビームを引き出す電子引き
    出し電極と、 この電子引き出し電極から引き出された電子ビームによ
    り反応ガスの活性化が行なわれるプラズマ反応室と、 このプラズマ反応室からイオンビームを引き出すイオン
    引き出し電極と、 周囲に磁石を有し、前記イオン引き出し電極により引き
    出されたイオンビームを拡径するイオンビーム拡径室
    と、 拡径されたイオンビームをほぼ平行なイオンビームとし
    て引き出すイオンビーム平行化電極と、 このイオンビーム平行化電極により引き出されたイオン
    ビームによって被処理体のプラズマ処理が行なわれるプ
    ラズマ処理室と、 前記プラズマ反応室に連通する反応ガス導入路とを有
    し、 この反応ガス導入路と前記プラズマ反応室との間に、反
    応ガスに指向性を付与する指向性付与手段を有すること
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】前記プラズマ生成手段が、エレクトロン・
    サイクロトロン・レゾナンス型のプラズマ生成手段であ
    る請求項6ないし8のいずれかに記載のプラズマ処理装
    置。
  10. 【請求項10】前記指向性付与手段が、複数の貫通孔を
    有する薄板である請求項6ないし9のいずれかに記載の
    プラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】前記複数の貫通孔が、前記電子引き出し
    電極から引き出された電子ビームに対してほぼ垂直方向
    に前記薄板を貫通するものであり、前記貫通孔の長さお
    よび半径をそれぞれlおよびrとしたとき、l/r=1〜5
    00である請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】前記プラズマ反応室の前記指向性付与手
    段と対向する壁面に、高真空排気口を有する請求項6な
    いし11のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  13. 【請求項13】前記プラズマ生成室にガス導入口を有す
    る請求項6ないし12のいずれかに記載のプラズマ処理装
    置。
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