JP2007306871A - 封入体可溶化方法及び精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大腸菌に発現させたエビルシフェラーゼ19kDa蛋白質を、発光活性を保ったまま可溶化させる方法を提供すること。
【解決手段】19kDa蛋白質を大腸菌内で発現させて得られる封入体を、グアニジンを使用しないで、2M尿素を含む緩衝液に懸濁し、遠心沈殿後、不溶性沈殿物を6M尿素を含む緩衝液に懸濁することにより、19kDa蛋白質を可溶化させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、エビルシフェラーゼ19kDa蛋白質を大腸菌で発現させた時に生じる封入体を可溶化する方法に関する。
ヒメヒオドシエビ(Oplophorus gracilorostris)が有する分子量19kDa及び35kDaの蛋白質からなる分泌型発光酵素(本明細書ではエビルシフェラーゼと呼ぶ)は、セレンテラジンを発光基質とする(例えば、非特許文献1参照)。一般に、19kDa蛋白質は、発光基質であるセレンテラジン(ルシフェリン)を基質として発光し、35kDa蛋白質は、直接的に発光反応に関与しないが、19kDa蛋白質の発光活性の安定化に寄与していると考えられている。
現在まで、大腸菌を使用して19kDa蛋白質を生産する試みがなされてきたが(例えば、非特許文献1参照)、大腸菌で発現させた蛋白質は、インクルージョンボディ(inclusion body, 封入体)と呼ばれる不溶で不活性な凝集体を形成するので、活性蛋白質を効率よく生産することは困難であった。
上記の問題点を解決すべく、凝集体を塩酸グアニジン及び8M尿素などの可溶化剤で可溶化させる方法が用いられたが、この方法によって得られた19kDa蛋白質は、全く発光活性を有しなかった(例えば、特許文献1参照)。しかし、この蛋白質を高濃度(50〜60%)のグリセロールに懸濁させれば、その発光活性は回復した(例えば、特許文献1参照)。
Inouye,S, Watanabe, K., Nakamura, H., Shimomura, O.(2000)FEBS Lett.481:19-25. 特開2002-320482号公報
しかしながら、グリセロール内で19kDa蛋白質の発光活性が得られても、グリセロール存在下では19kDa蛋白質の使用範囲は限られているので、グリセロール非存在下において、19kDa蛋白質の発光系を開発する必要があった。
そこで、本発明は、大腸菌で発現させた19kDa蛋白質を、発光活性を保ったまま可溶化させる方法、及び精製する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、エビルシフェラーゼ19kDa蛋白質を大腸菌で発現させることにより生じる封入体を様々な条件で可溶化させたところ、グアニジンを使用しないで、尿素を用いて可溶化させることにより、19kDa蛋白質が発光活性を保ったまま精製できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]以下(a)又は(b)のペプチドを大腸菌で発現させることにより生じる封入体を可溶化する方法であって、該封入体を、グアニジンを使用しないで、6M尿素を用いて可溶化することを特徴とする方法。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド
[2]前記封入体を2M尿素に懸濁し、不溶性沈殿物を6M尿素で可溶化することを特徴とする前記[1]に記載の方法。
本発明により、大腸菌に発現させた19kDa蛋白質を、発光活性を保ったまま可溶化させることができ、かつ効率よく19kDa蛋白質を精製することができる。
実施の形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いる場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
===19kDa蛋白質の生産===
本発明で使用される蛋白質は、以下の(a)又は(b)のペプチドである。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド。
ここで、ペプチド(a)は、ヒメヒオドシエビルシフェラーゼを構成する19kDaのサブユニット(以下、「19k0Lase」ともいう)であって、大腸菌内で発現させることによって生産することができる。すなわち、19k0LaseをコードするKAZ遺伝子を単離し、この遺伝子を含む発現ベクターを構築し、この発現ベクターを大腸菌などに導入し、所定の目的に合わせて発現させることによって、19k0Laseを生産できる。なお、19k0LaseにHisタグやmycタグなどのタグ配列を付加した融合蛋白質を大腸菌内で発現させることにより、各タグに対応した吸着物を用いたアフィニティークロマト法によって、融合蛋白質を容易に精製することができるようになる。
===19kDa蛋白質の可溶化===
上記のように19kDa蛋白質を大腸菌内で発現させると、19kDa蛋白質は菌内で封入体を形成する。この封入体を可溶化するため、単離した封入体を尿素溶液に懸濁させる。この時、グアニジン(グアニジン塩酸塩を含む)を使用すると、19kDa蛋白質の発光活性が失活するので、グアニジン(グアニジン塩酸塩を含む)を使用してはならない。また、使用する尿素の濃度は、2〜6Mの範囲であることが好ましい。通常、封入体になった蛋白質あるいはその画分には、他の多く蛋白が含まれている。2Mの濃度の尿素で懸濁することにより、これら不溶性ルシフェラーゼ以外の他の夾雑物を除くことができる。特に、2M尿素から6M尿素に濃度を濃くしていくなど、尿素の濃度を段階的に濃くしていくことが好ましい。また、可溶化させるために、濃度を段階的に濃くせずに、5.5〜6.4M、好ましくは6Mの濃度の尿素を用いることもできる。なお、この時、pHは6〜9、処理温度は0℃〜37℃であることが好ましく、特に、pHは7〜8、処理温度は4℃〜10℃であることが好ましい。
上記の方法を用いれば、19kDa蛋白質を変性させることなく可溶化させることができる。
なお、本発明は、グアニジン塩酸塩を使用していないため、精製段階で陽イオン交換カラムを使用する場合には、グアニジン塩酸塩の持つ正電荷の影響を考慮に入れる必要はない。
===19kDa蛋白質の精製===
こうして可溶化させた蛋白質は、常法によって精製することができる。精製する場合は、公知の任意の方法から適宜選択することができるが、タグ配列を用いることが好ましい。例えば、ヒスチジンタグ、S−グルタチオントランスフェラーゼ、その他のタグ配列を19k0Laseに融合させた融合蛋白質を発現させれば、それぞれ、ニッケルキレートアフィニティークロマト法(例えば、バッチ法とグラジエント法による金属キレートカラムを用いたクロマトグラフィー)、グルタチオン結合ゲルによるアフィニティークロマト法、その他の方法を用いて、融合蛋白質を精製することができる。
以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、これは例示であって、本発明をこの実施例に限定するものではない。
===エビ由来の天然発光酵素の調製===
エビ由来の天然発光酵素の調製法は、すでにShimomura らが報告している文献(Shimomura, O., Masugi, T., Johnson, F.H. & Haneda, Y. (1978) Biochemistry 17: 994-998)に記載のイオン交換クロマト法、ゲルろ過クロマト法の組み合せ、及び上述の非特許文献1(Inouye,S, Watanabe, K., Nakamura, H., Shimomura, O.(2000)FEBS Lett.481:19-25.)の疎水性クロマト法、ゲルろ過方法に従い精製した。
===KAZ遺伝子発現ベクターの構築===
本実施例では、以下に記載の通り、常温発現ベクター又は低温発現ベクターを用いて19kOLaseを作製した。
(1)常温発現ベクターを用いたKAZ遺伝子発現ベクターの構築
ここでは、大腸菌内で、大腸菌生育の至適温度である37℃で組換え蛋白質を発現させる発現ベクター系(以下、この至適温度での発現系を「常温発現系」ともいう)を用いた。
まず、19k0Laseをコードする KAZ遺伝子DNA断片を、PCR法を用いて調製し、このDNA断片を、市販のヒスチジンタグを有する常温発現ベクターpTrcHis−Bベクター(インビトロゲン社製)に挿入することによって、KAZ遺伝子発現ベクターを作製した。具体的には、pKAZ−412(上述の非特許文献1(Inouye,S, Watanabe, K., Nakamura, H., Shimomura, O.(2000)FEBS Lett.481:19-25.))を鋳型としてPCRプライマーペア:KAZ−3(5’ ccgGCTAGCTTTACGTTGGCAGATTTCGTTGGA 3’)(配列番号2)及びT7−BcaBEST(5’ TAATACGACTCACTATAGGG 3’)(配列番号3)を用いて、PCRキット(日本ジーン社製)にてPCR(サイクル条件:25サイクル;1分/94℃、1分/50℃、1分/72℃)を行った。得られたDNA断片をPCR精製キット(キアゲン社製)で精製し、制限酵素NheI/XhoIで消化した後、pTrcHis−Bの制限酵素NheI/XhoI部位に挿入することによって、発現ベクターpHis−KAZを構築した。なお、DNA シークエンサー(ABI社製)により配列を決定することにより、塩基配列の確認を行った。
(2)低温発現ベクターを用いたKAZ遺伝子発現ベクターの構築
ここでは、低温で機能するcsp (cold shock protein)プロモーターを有する低温発現ベクターpCold II(タカラバイオ株式会社)を用いて、10〜15℃で発現誘導できるベクターを構築した(以下、「低温発現系」ともいう)。
具体的には、前述のpTricHisB を用いたKAZ遺伝子発現ベクターpHis-KAZをテンプレートとし、N末端にNdeI(KAZ-17N/NedI:5’ gcgCATATGTTTACGTTGGCAGATTTCGTT 3’)(配列番号4)及びC末端にEcoR Iサイトを付加させるようプライマー (KAZ-12C/EcoRI: 5’ cgcGAATTCTTAGGCAAGAATGTTCTCGCAAAGCCT 3’)(配列番号5)を設計しPCR(サイクル条件:25サイクル;1分/94℃、1分/50℃、1分/72℃)を行って得られたKAZ遺伝子断片を、PCR精製キット(キアゲン社製)で精製し、Nde I及びEcoR Iで消化後、pCold II(タカラバイオ株式会社)のNde I/EcoR I部位に挿入し、発現ベクターpCold-KAZを作成した。なお、DNA シークエンサー(ABI社製)により配列を決定することにより、塩基配列の確認を行った。なお、pCold-KAZがコードする蛋白質は、アミノ末端に6個のヒスチジン配列を有するため、ニッケルキレートゲルによるアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる。
===低温発現ベクターによる組換え19k0Laseの調製===
(1)大腸菌において組換え19k0Laseを発現させるために、KAZ遺伝子が挿入された低温発現ベクターpCold-KAZを用いた。まず、pCold-KAZで大腸菌BL21(アマシャムバイオサイエンス社)を形質転換し、得られた形質転換体を固形培地上でシングルコロニーにして37℃で一晩培養後、アンピシリン(50μg/ml)を含有する10mlのLB液体培地(水1リットルあたり、バクトトリプトン10g、イーストイクストラクト5g、塩化ナトリウム5g、pH 7.2)に植菌し、さらに37℃で18時間培養を行った。次いで、その培養菌を新たなLB液体培地400mlに添加し、さらにクレット測定計での菌体濁度が200クレットになるまで培養し、15℃に冷却した。冷却培養液に、ラクトースオペロン誘導剤IPTGを、最終濃度が0.1mMになるように添加し、15℃で18時間培養した。培養後、菌体を遠心回収(5,000rpm×5分間、3,000×g)し、19k0Laseの抽出出発材料とした。
(2)培養菌体からの組換え19k0Laseの抽出
本条件では、大腸菌の中で発現した19k0Lase蛋白質は封入体となるため、得られた封入体を6M尿素によって以下のように可溶化した。
まず、集菌した菌体を50mM Tris-HCl(pH 7.6)100mlに懸濁し、氷冷下で超音波破砕処理 (ブランソン社製、モデル 250)を3分間、3回行い、その菌体破砕液を10,000rpm (12,300×g)で20分間遠心し、不溶性沈澱物を得た。得られた不溶性沈澱物を、2M尿素を含む20mM Tris-HCl (pH 7.6)20mlに懸濁し、この懸濁液を超音波で破砕処理し、10,000rpm (12,300×g)で10分間遠心した。この作業を再度繰り返し、最終的に得られた2M尿素不溶性沈澱物を、6M尿素を含む20mM Tris-HCl (pH 7.6) 30mlに懸濁し、Voltex及び超音波破砕処理で溶解させた。この溶液を一晩4℃におき、−20℃にて保存した。これを19k0Laseの精製出発材料とした。
(3)尿素溶解画分からの組換え19k0Laseの精製
組換え蛋白質はアミノ末端に6個のヒスチジン配列を有しているので、ニッケルキレートゲルによるアフィニティークロマト法により組換え蛋白質を精製した。
まず、6M尿素溶液30mlを、6M 尿素を含む20mM Tris-HCl (pH 7.6)で平衡化したニッケルキレートカラム(アマシャムバイオサイエンス社、カラムサイズ:直径1.5×5 cm)に注入して19k0Lase蛋白質を吸着させた。6M 尿素を含む20mM Tris-HCl (pH 7.6)でカラムを洗浄後、19k0Laseを、6M尿素を含む0.3 Mイミダゾール(和光純薬工業社製)で溶出し、溶出液を分画した。各画分の発光活性を測定し、発光活性を有する画分を集め、この50mlの発光活性画分を5Lの0.1M炭酸アンモニウム溶液(pH 8.0)に対して、一晩4℃で透析した。
透析した発光活性画分50mlに最終濃度6Mになるように尿素を溶解させ、再度ニッケルキレートカラム(アマシャムバイオサイエンス社、カラムサイズ:直径1.5×5 cm)に注入し、6M 尿素を含む20mM Tris-HCl (pH 7.6)でカラムを洗浄後、イミダゾール濃度0〜0.3Mまで直線濃度勾配で溶出させたところ、イミダゾール濃度0.08〜0.12Mの画分15mlに発光活性が溶出した。最後に、12%SDS-ポリアクリルアミド電気泳動法で、その画分が、純度は95%以上の16mgの19k0Laseを含んでいることを確認した。表1に精製収率(%)等をまとめた。
表1:低温発現ベクターを用いた、400mlの培養菌体からの組換え19kOLaseの精製
Figure 2007306871
===常温発現ベクターによる組換え19k0Laseの調製===
pTricHis Bから構築したKAZ遺伝子発現ベクターpHis-KAZを、常温発現ベクターとして用いた。なお、菌体培養温度以外の条件は、低温発現ベクターpCold IIを用いたKAZ遺伝子発現精製法と同様であった。端的に言うと、常温(37℃)において、組換え19k0Laseを大腸菌で発現させ、得られた封入体を尿素処理(6M尿素)により可溶化し、ニッケルキレートカラム(アマシャムバイオサイエンス社、カラムサイズ:直径1.5×5 cm)に2回流すことにより19k0Lase蛋白質を精製した。この蛋白質の収率及び純度は、上記「低温発現ベクターでの組換え19kOLaseの調製法」によって得られたものと同等であった。
===エビ由来の天然発光酵素及び19k0Laseの基質特異性===
上記のように調製したエビ由来の天然発光酵素(エビルシフェラーゼ)及び19k0Laseを用い、発光反応を測定し、各酵素の基質特異性を調べた。
すなわち、10mM EDTA−30mM Tris-HCl (pH 7.6)溶液(200μl)を反応測定用溶液とし、エビルシフェラーゼ又は精製19k0Lase(1μg)及び市販のセレンテラジン(チッソ株式会社)又はその類縁体化合物(h-セレンテラジン(チッソ株式会社)、hcp-セレンテラジン(和光純薬工業社製)、f-セレンテラジン(和光純薬工業社製)、n-セレンテラジン(和光純薬工業社製)、Bis-セレンテラジン(チッソ株式会社)、e-セレンテラジン(和光純薬工業社製)を1μg加えて撹拌し、発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200 (アトー社製)で60秒間発光活性の測定を行い、最大発光強度(Imax)で表記した。得られた結果を表2に示す。なお、ここで用いたセレンテラジン又はその誘導体の構造は、図1に示す通りである。
表2:組換え19kOLase及びエビルシフェラーゼの基質特異性の比較
Figure 2007306871
このように、組換え19kOLaseは、エビルシフェラーゼと同様に、幅広い基質特異性を示した。特にBis-セレンテラジン及びe-セレンテラジンを用いた時、これらの酵素は、セレンテラジンを用いた時と同等の活性を示し、Bis-セレンテラジン及びe-セレンテラジンが、これらの酵素にとって好ましい基質類縁体であることがわかった。
===エビルシフェラーゼ及び組換え19k0Laseの酵素反応速度定数===
上記のように調製したエビルシフェラーゼ及び組換え19k0Laseを用い、セレンテラジン及びBis-セレンテラジンを基質として測定した発光反応開始後5秒での発光値に基づき、ラインナ-ウエーバーバーグプロット法によって酵素反応速度定数(Km、Vmax)を決定した。結果を表3に示す。
表3:組換え19kOLase及びエビルシフェラーゼの反応速度定数の比較
Figure 2007306871
Km:ミカエリス定数(反応初速度V=Vmax/2となる時の基質の濃度)
Vmax:最大速度
セレンテラジン及びBis-セレンテラジンを基質とする場合、エビルシフェラーゼと組換え19k0LaseのKm値の比は、それぞれ1/26.6、1/32.5である。一方、組換え19k0LaseとエビルシフェラーゼのVmaxは、セレンテラジンを基質とした場合、組換え19k0Laseはエビルシフェラーゼの約20%の活性であり、Bis-セレンテラジンを基質とした場合、組換え19k0Laseはエビルシフェラーゼと同等の活性であった。
セレンテラジン及びセレンテラジン類縁化合物の構造を示す図である。

Claims (2)

  1. 以下(a)又は(b)のペプチドを大腸菌で発現させることにより生じる封入体を可溶化する方法であって、該封入体を、グアニジンを使用しないで、6M尿素を用いて可溶化することを特徴とする方法。
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
    (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ発光活性を有するペプチド
  2. 前記封入体を2M尿素に懸濁し、不溶性沈殿物を6M尿素で可溶化することを特徴とする請求項1に記載の方法。

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