JP2007306657A - 車両の異常判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない部品点数で駆動用モータが異常であるか電流センサが異常であるかを判定する。
【解決手段】ECUは、三相交流モータである駆動用モータのV相コイルの電流I(V)とW相コイルの電流I(W)とが120度だけ位相が異なる状態でないことにより、駆動用モータおよび電流センサのうちのいずれかが異常であると仮判定された場合において、停車時であって、かつパワートレーンの出力軸をロックするパーキングロック機構が作動した状態になると、V相コイルおよびW相コイルのみに通電するステップ(S600)と、電流I(V)と電流I(W)とが同じであると(S800にてYES)、駆動用モータが異常であると判定するステップ(S900)と、電流I(V)と電流I(W)とが異なっていると(S800にてNO)、電流センサが異常であると判定するステップ(S902)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図3
【解決手段】ECUは、三相交流モータである駆動用モータのV相コイルの電流I(V)とW相コイルの電流I(W)とが120度だけ位相が異なる状態でないことにより、駆動用モータおよび電流センサのうちのいずれかが異常であると仮判定された場合において、停車時であって、かつパワートレーンの出力軸をロックするパーキングロック機構が作動した状態になると、V相コイルおよびW相コイルのみに通電するステップ(S600)と、電流I(V)と電流I(W)とが同じであると(S800にてYES)、駆動用モータが異常であると判定するステップ(S900)と、電流I(V)と電流I(W)とが異なっていると(S800にてNO)、電流センサが異常であると判定するステップ(S902)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両の異常判定装置に関し、特に、第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルを有する三相交流回転電機の駆動力を用いて走行可能な車両の異常を判定する技術に関する。
近年、環境問題対策の一環として、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等、回転電機の駆動力を用いて走行可能な車両が注目されている。このような車両の回転電機には、PWM(Pulse Width Modulation)制御が行なわれる三相交流回転電機が用いられる。このような三相交流回転電機においては、三相のうちの二相の電流が検出されて、異常の有無が判定される。ところが、検出された電流が異常値を示す場合、三相交流回転電機が異常である場合と、電流を検出するセンサ自体が異常である場合とが考えられる。そのため、三相交流回転電機の異常とセンサの異常とを区別する必要がある。
特開2001−112295号公報(特許文献1)は、三相交流電流のうちの任意の二相の交流電流を用いて故障の有無を判定する電流センサの故障検出方法を開示する。特許文献1に記載の電流センサの故障検出方法は、三相交流電流にて駆動される電動機における三相交流電流の任意の2相の交流電流をそれぞれ検出して、検出される各相の交流電流値を、三相交流電流が平衡状態である場合にそれぞれの差が所定値になるように、それぞれ座標変換し、座標変換された各相の交流電流値の差を演算してその演算結果に基づいて三相交流電流の平衡状態を判定し、演算結果のいずれか一方のみが、三相の交流電流の不平衡を示し、しかも、各相の交流電流を検出する一対の電流センサの検出結果をそれぞれ比較して両者の検出結果が不一致であれば、不平衡状態を示す演算にかかわる電流センサを故障と判定する。
この公報に記載の電流センサの故障検出方法によれば、三相交流電流における任意の一対の交流電流を座標変換してその差を検出することによって、三相交流電流の平衡状態を判定するようになっている。そのため、三相交流電流の平衡状態を正確に検出することができる。また、三相交流電流における任意の一対の交流電流を、各一対の電流センサによって検出する際に、いずれの電流センサが故障しているかを判定することができる。
特開2001−112295号公報
しかしながら、特開2001−112295号公報に記載の電流センサの故障検出方法においては、電流センサの故障を判定するために1つの交流電流に対して、一対の電流センサが用いられているために、電流センサが合計で4つ必要となる。そのため、部品点数の削減という観点においてはさらなる改善の余地がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数を抑制しつつ、異常を判定することができる車両の異常判定装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の異常判定装置は、第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルを有する三相交流回転電機の駆動力を用いて走行可能な車両の異常を判定する。この異常判定装置は、第1のコイルの電流および第2のコイルの電流を検出する2つの電流センサと、第1のコイルの電流、第2のコイルの電流および第3のコイルの電流が、互いに予め定められた位相だけ異なるように、第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルに通電するための第1の通電手段と、第1の通電手段による通電が行なわれた状態において電流センサにより検出された各電流に基づいて、三相交流回転電機および電流センサのうちのいずれかが異常であると判定するための第1の判定手段と、第1の判定手段により三相交流回転電機および電流センサのうちのいずれかが異常であると判定された場合、停車時において第1のコイルおよび第2のコイルのみに通電するための第2の通電手段と、第2の通電手段による通電が行なわれた状態において電流センサにより検出された電流に基づいて、三相交流回転電機が異常であるか電流センサが異常であるかを判定するための第2の判定手段とを含む。
第1の発明によると、第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルには、第1のコイルの電流、第2のコイルの電流および第3のコイルの電流が互いに予め定められた位相だけ異なるように通電される。コイルの断線等、三相交流回転電機において何らかの異常があると、各コイルの電流は予め定められた位相だけ異なった状態ではなくなる。また、各コイルの電流が予め定められた位相だけ異なった状態であるか否かは、2つのコイルの電流を比較すれば判別可能である。したがって、第1のコイルの電流および第2のコイルの電流が電流センサにより検出される。ところが、第1のコイルの電流および第2のコイルの電流が異常な値として検出される場合、電流センサ自体が異常であることも考えられる。そこで、電流センサにより検出された各電流に基づいて、三相交流回転電機および電流センサのうちのいずれかが異常であると判定される。三相交流回転電機および電流センサのうちのいずれかが異常であると判定された場合、第2の通電手段により、停車時において第1のコイルおよび第2のコイルのみに通電される。停車時、すなわち三相交流回転電機の回転軸が回転しない状態において、三相交流回転電機における3つのコイルのうち、2つのコイルのみに通電した場合、理論上、通電された二相のコイルの電流は同じになる。したがって、電流センサにより検出される各電流が同じであれば、電流センサが正常であって、三相交流回転電機が異常であるといえる。一方、電流センサにより検出される各電流が異なれば、電流センサが異常であるといえる。したがって、第2の通電手段による通電が行なわれた状態において電流センサにより検出された電流に基づいて、三相交流回転電機が異常であるか電流センサが異常であるかが判定される。これにより、電流が検出されるコイルのそれぞれに対して1対の電流センサを設けなくても、各コイルに対して1つ、合計2つの電流センサにより検出された電流を用いて三相交流回転電機が異常であるか電流センサが異常であるかを判定することができる。そのため、部品点数を抑制しつつ、異常を判定することができる車両の異常判定装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の異常判定装置においては、第1の発明の構成に加え、第2の判定手段は、電流センサにより検出された各電流が同じである場合、三相交流回転電機が異常であると判定するための手段を含む。
第2の発明によると、三相交流回転電機における3つのコイルのうち、2つのコイルのみに通電した場合、理論上、通電された二相のコイルの電流は同じになることから、電流センサにより検出された各電流が同じである場合、電流センサは正常であるといえ、三相交流回転電機が異常であると判定される。これにより、三相交流回転電機が異常であることを判定することができる。
第3の発明に係る車両の異常判定装置においては、第1の発明の構成に加え、第2の判定手段は、電流センサにより検出された各電流が異なる場合、電流センサが異常であると判定するための手段を含む。
第3の発明によると、三相交流回転電機の三相のコイルのうちの二相のコイルのみに通電した場合、理論上、通電された二相のコイルの電流は同じになることから、電流センサにより検出された各電流が異なる場合、電流センサが異常であるといえ、電流センサが異常であると判定される。これにより、電流センサが異常であることを判定することができる。
第4の発明に係る車両の異常判定装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加え、第1の判定手段は、第1の通電手段による通電が行なわれた状態において電流センサにより検出された各電流が予め定められた位相だけ異なる状態ではない場合、三相交流回転電機および電流センサのうちのいずれかが異常であると判定するための手段を含む。
第4の発明によると、三相交流回転電機や電流センサ自体に異常があると、電流センサにより検出される各コイルの電流は予め定められた位相だけ異なった状態ではなくなることから、電流センサにより検出された各電流が予め定められた位相だけ異なる状態ではない場合、三相交流回転電機および電流センサのうちのいずれかが異常であると判定される。これにより、3つのコイルのうちの2つのコイルの電流を検出して、三相交流回転電機および電流センサのうちのいずれかが異常であると判定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る異常判定装置を搭載した車両について説明する。この車両は、駆動用バッテリ100と、コンデンサ200と、インバータ300と、駆動用モータ400を含むパワートレーン500と、インバータ300およびパワートレーン500を制御するECU(Electronic Control Unit)700とを含む。本実施の形態に係る異常判定装置は、たとえば、ECU700により実行されるプログラムにより実現される。
駆動用バッテリ100は、複数のセルを直列に接続した電池モジュールを、さらに複数に接続した組電池である。駆動用バッテリ100の電圧値は、たとえば300V程度である。なお、駆動用バッテリ100の代わりにキャパシタ(コンデンサ)や燃料電池等を用いるようにしてもよい。
コンデンサ200は、駆動用バッテリ100に並列に接続されている。コンデンサ200は、電荷を一旦蓄積し、駆動用バッテリ100から供給された電力を平滑化する。コンデンサ200により平滑化された電力は、インバータ300に供給される。
インバータ300は、6つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)310〜360と、IGBTのエミッタ側からコレクタ側に電流を流すように、各IGBTにそれぞれ並列に接続された6つのダイオード311〜361と、各IGBTにそれぞれ接続され、ECU700が出力した信号に基づいて、IGBTを駆動させる6つのIGBT駆動回路312〜362とを含む。
各相(U相、V相、W相)と対応するように、IGBT310とIGBT320とが、IGBT330とIGBT340とが、IGBT350とIGBT360とが、それぞれ直列に接続されている。インバータ300は、各IGBTをオン/オフすることにより、駆動用バッテリ100から供給された電流を、交流電流から直流電流に変換し、駆動用モータ400に供給する。なお、駆動用バッテリ100の電圧をコンバータにより昇圧して、インバータ300に電力を供給してもよい。
駆動用モータ400は、三相交流モータである。駆動用モータ400の回転軸は、ギヤ等を介して最終的にはパワートレーン500の出力軸600に接続される。パワートレーン500の出力軸600は、最終的には駆動輪602に接続される。車両は、駆動用モータ400からの駆動力を用いて走行可能である。
駆動用モータ400は、U相コイル401、V相コイル402およびW相コイル403の3つのコイルを有する。車両の走行時においては、120度(2π/3)だけ位相をずらした交流電流が、各コイルに通電される。これにより、駆動用モータ400の回転軸が回転し、駆動輪602が回転せしめられる。なお、120度以外の電位角だけ位相をずらすようにしてもよい。
車両の停止時において、シフトレバー(図示せず)がP(パーキング)ポジションに位置している場合は、パーキングロック機構800が作動することにより、パワートレーン500の出力軸600がロックされる。すなわち、駆動用モータ400の回転軸がロックされる。この状態では、駆動用モータ400の回転軸の回転が防止される。なお、シフトレバーとは別にパーキングスイッチを設けて、パーキングスイッチが操作された場合に、パーキングロック機構800を作動させて、パワートレーン500の出力軸600をロックするようにしてもよい。
3つのコイルのうち、V相コイル402に供給される電流がV相電流センサ902により検出される。W相コイル403に供給される電流がW相電流センサ903により検出される。各電流センサにより検出された電流を表わす信号は、ECU700に送信される。
ECU700は、車速センサ910により検出される車速、アクセルペダル(図示せず)の踏込み量などに基づいて、各IGBTオン/オフ比(デューティー比)を算出する。ECU700は、算出されたオン/オフ比に基づいて、IGBTをオン/オフする信号を出力する。
駆動用モータ400の回転軸を回転させて車両を走行させる際、ECU700は、PWM制御により、各IGBTのオン/オフを制御する。このとき、V相コイル402の電流I(V)がI(V)=I×sinωtとなり、W相コイル403の電流I(W)がI(W)=I×sin(ωt+2π/3)となり、U相の電流I(U)がI(U)=I×sin(ωt−2π/3)となるように、各IGBTがオン/オフされる。ここで、「ωt」は、V相の電気角である。「ω」は角速度、「t」は時間、「I」は電流のピーク値(振幅)である。
図2および図3を参照して、本実施の形態に係る異常判定装置であるECU700が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、予め定められた周期で繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU700は、駆動用モータ400の3つのコイルの電流の位相が120度だけ異なるように各IGBTを制御しているか否かを判別する。すなわち、ECU700は、V相コイル402の電流I(V)がI(V)=I×sinωtとなり、W相コイル403の電流I(W)がI(W)=I×sin(ωt+2π/3)となり、U相の電流I(U)がI(U)=I×sin(ωt−2π/3)となるように、各IGBTを制御しているか否かを判別する。
なお、IGBTをどのように制御するかはECU700自体が決定しているため、駆動用モータ400の3つのコイルの電流の位相が120度だけ異なるように各IGBTを制御しているか否かは、ECU700の内部で判別される。
駆動用モータ400の3つのコイルの電流の位相が120度だけ異なるように各IGBTを制御していると(S100にてYES)、処理はS200に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S200にて、ECU700は、V相電流センサ902およびW相電流センサ903から送信された信号に基づいて、V相コイル402の電流I(V)およびW相コイル403の電流I(W)を検出する。
S300にて、ECU700は、V相コイル402の電流I(V)およびW相コイル403の電流I(W)が、I(V)=I(W)×sinωt/sin(ωt+2π/3)という関係を満たしているか否かを判別する。
V相コイル402の電流I(V)およびW相コイル403の電流I(W)が、I(V)=I(W)×sinωt/sin(ωt+2π/3)という関係を満たしていると(S300にてYES)、V相コイル402の電流I(V)とW相コイル403の電流I(W)とが、120度だけ位相が異なる状態であるといえ、処理はS402に移される。もしそうでないと(S300にてNO)、V相コイル402の電流I(V)とW相コイル403の電流I(W)とが、120度だけ位相が異なる状態ではないといえ、処理はS302に移される。
S302にて、ECU700は、V相コイル402の電流I(V)およびW相コイル403の電流I(W)が、I(V)=I(W)×sinωt/sin(ωt+2π/3)という関係を満たしていない状態が、予め定められた時間以上継続したか否かを判別する。
V相コイル402の電流I(V)およびW相コイル403の電流I(W)が、I(V)=I(W)×sinωt/sin(ωt+2π/3)という関係を満たしていない状態が、予め定められた時間以上継続すると(S302にてYES)、処理はS400に移される。もしそうでないと(S302にてNO)、処理はS200に戻される。
S400にて、ECU700は、駆動用モータ400および電流センサのうちのいずれかが異常であると仮判定する。このとき、警告灯(図示せず)が点灯される。ここで、電流センサが異常であるとは、V相電流センサ902およびW相電流センサ903のうちの少なくともいずれか一方が異常であることを意味する。
S402にて、ECU700は、駆動用モータ400および電流センサの両方が正常であると判定する。ここで、電流センサが正常であるとは、V相電流センサ902およびW相電流センサ903の両方が正常であることを意味する。その後、この処理は終了する。
S500にて、ECU700は、停車時であって、かつパーキングロック機構800が作動しているか否かを判別する。停車時であるか否かは、車速が予め定められた速度より低いか否かにより判別される。パーキングロック機構800を作動させるか否かはECU600自体が決定しているため、パーキングロック機構800が作動しているか否かはECU700の内部において判別される。
停車時であって、かつパーキングロック機構800が作動していると(S500にてYES)、処理はS600に移される。もしそうでないと(S500にてNO)、処理はS500に戻される。
S600にて、ECU700は、U相コイル401、V相コイル402およびW相コイル403の3つのコイルのうち、V相コイル402およびW相コイル403の2つのコイルのみに通電するように、各IGBTを制御する。
たとえば、IGBT310、IGBT320、IGBT340、IGBT350をオフにし、IGBT330およびIGBT360をオンにすることにより、V相コイル402およびW相コイル403のみが通電される。
S700にて、ECU700は、V相電流センサ902およびW相電流センサ903から送信された信号に基づいて、V相コイル402の電流I(V)およびW相コイル403の電流I(W)を検出する。
S800にて、ECU700は、V相コイル402の電流I(V)とW相コイル403の電流I(W)とが同じであるか否かを判別する。V相コイル402の電流I(V)とW相コイル403の電流I(W)とが同じであると(S800にてYES)、処理はS900に移される。もしそうでないと(S800にてNO)、処理はS902に移される。
S900にて、ECU700は、駆動用モータ400が異常であると判定する。その後、この処理は終了する。S902にて、ECU700は、電流センサが異常であると判定する。電流センサが異常であるとは、V相電流センサ902およびW相電流センサ903のうちの少なくともいずれか一方が異常であることを意味する。その後、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る異常判定装置であるECU700の動作について説明する。
駆動用モータ400を駆動させて車両を走行させるために、駆動用モータ400の3つのコイルの電流の位相が120度だけ異なるように各IGBTを制御していると(S100にてYES)、V相コイル402の電流I(V)がI(V)=I×sinωtとなり、W相コイル403の電流I(W)がI(W)=I×sin(ωt+2π/3)となり、U相の電流I(U)がI(U)=I×sin(ωt−2π/3)となる。
ここで、V相コイル402の電流I(V)がI(V)=I×sinωtであり、W相コイル403の電流I(W)がI(W)=I×sin(ωt+2π/3)であることから、理論上、I(V)=I(W)×sinωt/sin(ωt+2π/3)という関係が成立する。
そのため、V相電流センサ902により検出された電流I(V)とW相電流センサ903により検出された電流I(W)とが、I(V)=I(W)×sinωt/sin(ωt+2π/3)という関係を満たす場合(S300にてYES)、駆動用モータ400および電流センサの両方が正常であると判定される(S402)。
一方、I(V)=I(W)×sinωt/sin(ωt+2π/3)という関係が満たされておらず(S300にてNO)、その状態が予め定められた時間以上継続すると(S302にてYES)、駆動用モータ400および電流センサのうちのいずれかが異常であると考えられる。
すなわち、位相が120度だけ異なるようにV相コイル402およびW相コイル403が通電されているにも関わらず、V相コイル402の電流I(V)とW相コイル403の電流I(W)とが、120度だけ位相が異なる状態ではない場合、駆動用モータ400および電流センサのうちのいずれかが異常であると考えられる。
したがって、この場合、駆動用モータ400および電流センサのうちのいずれかが異常であると仮判定される(S400)。
その後、停車時であって、かつパーキングロック機構800が作動した状態になると(S500にてYES)、駆動用モータ400および電流センサのいずれが異常であるかを判定するために、図4に示すように、V相コイル402およびW相コイル403の2つのコイルのみに通電される(S600)。
ここで、パーキングロック機構800が作動した状態で通電するのは、停車状態が維持された状態、すなわち通電しても駆動用モータ400の回転軸が回転しない状態で、通電を行なうためである。これは、駆動用モータ400の回転軸が回転すると、V相コイル402およびW相コイル403のインピーダンスが変化して、V相コイル402の電流I(V)およびW相コイル403の電流I(W)が不安定になるからである。
駆動用モータ400の回転軸が回転しない状態で、V相コイル402およびW相コイル403の2つのコイルのみに通電すると、理論上、V相コイル402の電流I(V)およびW相コイル403の電流I(W)は同じ値になる。
したがって、V相電流センサ902により検出されたV相コイル402の電流I(V)とW相電流センサ903により検出されたW相コイル403の電流I(W)とが同じであると(S800にてYES)、V相電流センサ902およびW相電流センサ903の両方が正常であるといえる。そのため、この場合、駆動用モータ400が異常であると判定される(S900)。
一方、V相電流センサ902により検出されたV相コイル402の電流I(V)とW相電流センサ903により検出されたW相コイル403の電流I(W)とが異なっていると(S800にてNO)、V相電流センサ902およびW相電流センサ903のうちの少なくともいずれか一方のセンサが異常であるといえる。そのため、この場合、電流センサ(V相電流センサ902およびW相電流センサ903のうちの少なくともいずれか一方のセンサ)が異常であると判定される(S902)。
以上のように、本実施の形態に係る異常判定装置であるECUによれば、駆動用モータの3つのコイルの電流の位相が120度だけ異なるように各IGBTを制御している状態において、V相コイルの電流I(V)がV相電流センサにより検出される。W相コイルの電流I(W)がW相電流センサにより検出される。V相コイルの電流I(V)とW相コイルの電流I(W)との間に、I(V)=I(W)×sinωt/sin(ωt+2π/3)という関係が成立しない状態が、予め定められた時間以上継続すると、駆動用モータおよび電流センサのうちのいずれかが異常であると判定される。駆動用モータおよび電流センサのうちのいずれかが異常であると判定されると、停車時であって、かつパーキングロック機構が作動している状態で、3つのコイルのうちのV相コイルおよびW相コイルのみに通電される。V相コイルの電流I(V)およびW相コイルの電流I(W)が同じである場合、駆動用モータが異常であると判定される。V相コイルの電流I(V)およびW相コイルの電流I(W)が異なる場合、電流センサが異常であると判定される。これにより、V相電流センサおよびW相電流センサのどちらが異常であるかは特定できないものの、2つの電流センサを用いて、駆動用モータが異常であるか、電流センサが異常であるかを判定することができる。そのため、電流を検出する2つのコイルに対してそれぞれ一対の電流センサを設ける場合に比べて、部品点数を抑制することができる。その結果、機器の搭載レイアウトの自由度が向上したり、コストを削減したりすることができる。
なお、本実施の形態においては、V相とW相の電流を検出したが、U相とV相の電流を検出したり、U相とW相の電流を検出するようにしたりしてもよい。
また、駆動用モータ400の回転軸が回転しない状態を維持できるのであれば、パーキングロック機構が作動していない状態で、V相コイルおよびW相コイルのみに通電して、駆動用モータ400が異常であるか電流センサが異常であるかを判定するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 駆動用バッテリ、200 コンデンサ、300 インバータ、400 駆動用モータ、401 U相コイル、402 V相コイル、403 W相コイル、500 パワートレーン、600 出力軸、602 駆動輪、700 ECU、800 パーキングロック機構、902 V相電流センサ、903 W相電流センサ、910 車速センサ。
Claims (4)
- 第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルを有する三相交流回転電機の駆動力を用いて走行可能な車両の異常判定装置であって、
前記第1のコイルの電流および前記第2のコイルの電流を検出する2つの電流センサと、
前記第1のコイルの電流、前記第2のコイルの電流および前記第3のコイルの電流が、互いに予め定められた位相だけ異なるように、前記第1のコイル、前記第2のコイルおよび前記第3のコイルに通電するための第1の通電手段と、
前記第1の通電手段による通電が行なわれた状態において前記電流センサにより検出された各電流に基づいて、前記三相交流回転電機および前記電流センサのうちのいずれかが異常であると判定するための第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により前記三相交流回転電機および前記電流センサのうちのいずれかが異常であると判定された場合、停車時において前記第1のコイルおよび前記第2のコイルのみに通電するための第2の通電手段と、
前記第2の通電手段による通電が行なわれた状態において前記電流センサにより検出された電流に基づいて、前記三相交流回転電機が異常であるか前記電流センサが異常であるかを判定するための第2の判定手段とを含む、車両の異常判定装置。 - 前記第2の判定手段は、前記電流センサにより検出された各電流が同じである場合、前記三相交流回転電機が異常であると判定するための手段を含む、請求項1に記載の車両の異常判定装置。
- 前記第2の判定手段は、前記電流センサにより検出された各電流が異なる場合、前記電流センサが異常であると判定するための手段を含む、請求項1に記載の車両の異常判定装置。
- 前記第1の判定手段は、前記第1の通電手段による通電が行なわれた状態において前記電流センサにより検出された各電流が前記予め定められた位相だけ異なる状態ではない場合、前記三相交流回転電機および前記電流センサのうちのいずれかが異常であると判定するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の異常判定装置。
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---|---|---|---|
JP2006130204A JP2007306657A (ja) | 2006-05-09 | 2006-05-09 | 車両の異常判定装置 |
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JP2006130204A JP2007306657A (ja) | 2006-05-09 | 2006-05-09 | 車両の異常判定装置 |
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Cited By (1)
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-
2006
- 2006-05-09 JP JP2006130204A patent/JP2007306657A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021182192A1 (ja) * | 2020-03-10 | 2021-09-16 | 株式会社デンソー | 異常診断システム |
JP2021144266A (ja) * | 2020-03-10 | 2021-09-24 | 株式会社デンソー | 異常診断システム |
JP7226376B2 (ja) | 2020-03-10 | 2023-02-21 | 株式会社デンソー | 異常診断システム |
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