JP2007306650A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽負荷時の電源電圧値の上昇に対して、三端子レギュレータなどを備えることなく安定化が図られるようにして、重負荷時の電力損失の著しい増加を抑制する。
【解決手段】電圧制限機能付電源供給コントロール部23において、電圧Vo1が一定値を越えると、その上昇分に応じて、電圧Vo1のラインに直列に挿入したスイッチ用素子Q11に流れる電流量を制限し、電圧Vo1が一定以内となるようにして安定化制御する。この構成では、重負荷で電圧Vo1が一定以下の状態では電流量の制限動作は生じない。なお、スイッチ用素子Q11は、本来は、メイン電源のオン/オフに応じて電圧Vo1の供給をオン/オフするために設けられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、各種電子機器に電源として備えられるスイッチング電源回路に関するものである。
特開2002−84753号公報
電源回路として、スイッチング電源回路が知られている。スイッチング電源回路は、例えば、それ以前の電源回路と比較して、小型であり、また、電力変換効率も高いことから、今日では広く普及している。しかしながら、近年では、電子機器の低消費電力化が推し進められていることで、これらの電子機器に搭載される電源回路としても、さらなる高効率化、低消費電力化が要求されている状況にある。
本願発明としても、スイッチング電源回路について、これまでよりも消費電力の低減が図られるようにすることを目的とするものである。
そこで、本願発明としては、上記した課題を考慮してスイッチング電源回路として次のように構成する。
つまり、直流電圧を入力してスイッチングを行うスイッチング手段と、一次巻線と二次巻線とを備え、一次巻線に得られる上記スイッチング手段の出力を二次巻線に対して伝送するトランスと、上記二次巻線に得られる交流を整流平滑化することで直流電圧を得るように構成される直流電圧生成手段と、上記直流電圧が所定値を越える場合において、この直流電圧を元として負荷側に供給される電源電圧の値が所定値に抑制されるようにして、上記直流電圧が上記電源電圧として負荷に至るまでの電源ラインの電流量を可変制御する電流制御手段とを備えることとした。
上記構成によるスイッチング電源回路は、その基本構成として、一次側において直流をスイッチングすることにより得られるスイッチング出力(交流)を、トランスにより二次側に伝送するようにされる。そして、二次側においては、二次巻線に得られる交流から直流電圧を生成して、この直流電圧を、電源電圧として負荷に供給するようにされる。
そのうえで、本願発明にあっては、上記直流電圧が所定値を越える状態では、この直流電圧が電源電圧として負荷に供給されるまでの電源ラインに流れる電流量を可変制御し、これにより、電源電圧の値(レベル)が所定値で抑制されるようにしている。
このような構成により電源電圧値が所定値となるように抑制することは、例えば、電源電圧値の抑制のために、熱変換作用により電圧値を抑制する三端子レギュレータや抵抗などの部品素子を用いる必要がない、ということを意味する。
上記のようにして、電源電圧値の抑制について、三端子レギュレータや抵抗などを使用せずに済むことで、例えば、スイッチング電源回路における電力損失、消費電力量が低減されることになる。また、三端子レギュレータや抵抗などの場合のようにして発熱対策を採る必要もなくなることから、電源回路の基板サイズ、実装サイズなどを小さくすることが可能となり、例えば、電源回路を実装可能な機器の範囲も拡がることになる。
図1は、本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)としてのスイッチング電源回路を有して成るスイッチング電源部1と、このスイッチング電源部1からの電源供給を受けて動作する部位の一例を示している。なお、この図に示す構成は、ここでは、例えばテレビジョン受像器に備えられるものとする。
スイッチング電源部1は、例えば商用交流電源を整流平滑化して得られる直流、あるいはバッテリなどから供給される直流を入力して、所定形式によりスイッチングを行い、所要レベルの直流電源電圧を生成して出力するDC−DCコンバータとされる。
この場合のスイッチング電源部1から出力される直流電源電圧としては、音声系電源電圧Vo1、及びスタンバイ電源電圧Vo2の二系統が示されている。
音声系電源電圧Vo1は、音声信号出力系2が動作するための電源として供給され、スタンバイ電源電圧Vo2は、少なくとも、マイクロコンピュータ3が動作するための電源として供給される。
音声信号出力系2は、例えば実際には、テレビジョンチューナ部による受信選局動作によって得られたビデオ/オーディオ信号のうち、オーディオ信号を入力して、最終的に音声としてスピーカなどから出力させるための回路部位とされる。つまり、例えば入力されたオーディオ信号について、出力時間調整のための遅延処理、音質調整などの所要の信号処理を施すと共に、この後に増幅を行ってスピーカー等から音声として出力させるための回路部から成るものとされる。
また、マイクロコンピュータ3は、テレビジョン受像器の各部を制御するための部分であり、例えばCPU、RAM、ROM、不揮発性メモリなどを備えて構成される。また、この場合のマイクロコンピュータ3は、スイッチング電源部1に対する制御も行うようにされ、このために、スイッチング電源部1に対してオン/オフコントロール信号VCTを出力するようにされている。
ここで、上記のようにして、マイクロコンピュータ3に対して供給されるスタンバイ電源電圧Vo2は、いわゆるスタンバイ電源ともいわれるものに相当する。つまり、一般にいわれるメイン電源がオフの状態とされても、動作を停止せずに、マイクロコンピュータ3に対して電源を供給して、マイクロコンピュータ3は起動させた状態とすることで、いわゆるスタンバイ状態を維持させるものである。ちなみに、スタンバイ状態は、例えばテレビジョン受像機の場合であれば、メイン電源がオフとされることで、画像表示や音声出力などは停止されているが、マイクロコンピュータと、リモートコントローラの受信部などは電源供給が継続されて動作している状態である。この状態において、例えばリモートコントローラからのメイン電源をオンとするためのコマンドを受信部により受信され、マイクロコンピュータに伝えられると、マイクロコンピュータは、メイン電源をオンとするための制御を実行するようにされる。
なお、この図に示される電源回路が搭載される電子機器におけるメイン電源としては、例えばここでは図示していない、テレビジョンチューナ、画像表示駆動系、映像信号処理系などに供給すべき、別の電源などとされる。
そして、この図に示される構成においては、上記メイン電源のオン/オフとともに、音声系電源電圧Vo1を音声信号出力系2に供給することについてのオン/オフコントロールも、マイクロコンピュータ3により行われるものとされる。マイクロコンピュータ3からスイッチング電源部1に対して出力されるオン/オフコントロール信号VCTは、メイン電源である音声系電源電圧Vo1を負荷回路としての音声信号出力系2に対して供給することについてのオン/オフを制御するためのものとされる。
続いて、図2により、スイッチング電源部1として採り得る回路構成例を示すこととする。
この図に示すスイッチング電源部1としては、先ず、直流電圧VINの正極ラインに対して、トランスの一次巻線Np1の巻始め端部が接続され、巻き終わり端部が、スイッチング素子Q1のドレインに対して接続されている。この場合、スイッチング素子Q1には、NチャネルのMOS−FETが選定される。また、スイッチング素子Q1のソースは、抵抗R6を介してグランドライン(GND)と接続される。
また、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間には、ゲート−ソース間抵抗R4が接続され、さらにスイッチング素子Q1のゲートは、抵抗R3−R2を介するようにしてスイッチング駆動部11としてのICのOUT端子と接続される。抵抗R2に対しては並列にダイオードD1が接続されている。ダイオードD1はアノードが、抵抗R2−R3の接続点に接続され、カソードがOUT端子側と接続される。
スイッチング駆動部11は、例えば後述するようにして疑似共振形によりスイッチング素子をスイッチング駆動可能なように構成される部位であり、例えば1石のIC(Integrated Circuit )とされる。ここでは、このスイッチング駆動用ICとしてのスイッチング駆動部の端子として、VCC端子、OUT端子、ZCD端子、FB端子、IS端子、及びグランド(GND)端子が示されている。
VCC端子には、このスイッチング駆動部11を動作させるための電源電圧が入力される。このスイッチング駆動部11のための電源電圧は、図示もしているように、トランスの一次側において、一次巻線Np1とともに巻装される三次巻線Np2に誘起される交流をダイオードD4、抵抗R7、及びコンデンサC5から成る半波整流回路により整流することで、コンデンサC5の両端電圧として得られるものである。
OUT端子は、スイッチング素子Q1をオン/オフ駆動(スイッチング駆動)するための駆動信号を出力するための端子である。上述のようにして、OUT端子は、抵抗R2−R3を介してスイッチング素子Q1のゲートに対して接続されており、従って、OUT端子から駆動信号が出力されるのに応じて、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧としては、オン/オフに応じた変化を生じることになる。つまり、駆動信号の波形に応じたタイミングで、スイッチング素子Q1はオン/オフを繰り返すようにしてスイッチングすることになる。
ZCD端子は、抵抗R8を介して三次巻線Np2の一端と接続されることで、三次巻線Np2に生じる電圧に応じた波形(電圧)が入力される。そして、スイッチング駆動部11では、ZCD端子から入力される電圧が0レベルとなる、いわゆるゼロクロスを検出するようにされる。このゼロクロス検出は、後述するようにして、疑似共振形のスイッチング動作を得るために必要となる。
FB端子には、フォトカプラPHにおけるフォトトランジスタのコレクタ出力が入力される。スイッチング駆動部11は、FB端子から入力されるコレクタ出力を利用して、後述するようにして、定電圧制御動作を実行する。
IS端子は、過電流保護のために設けられるもので、抵抗R5を介して、スイッチング素子Q1のソースと抵抗R6の接続点に対して接続される。抵抗R6の両端電圧としては、スイッチングQ1に流れる電流量に応じた電圧値が得られるが、IS端子には、この抵抗R6の両端電圧に応じた変化を示す電圧値が入力される。スイッチング駆動部11は、このIS端子に入力される電圧値が一定以上になったとされると、過電流の状態であると判断して、例えばスイッチング素子Q1のスイッチング駆動を停止させるなどの過電流保護動作を実行するようにされる。
GND端子は、スイッチング駆動部11としてのIC部品のグランド部分を、一次側のグランドラインと接続するためのものである。
なお、コンデンサC2,C3,C4などは、例えばノイズ除去などのために挿入されるものとされる。
また、トランスT1は、後述するスイッチング素子Q1のスイッチング動作により得られるスイッチング出力を、一次側と二次側とで直流的に絶縁した状態を確保して、二次側に伝送するためのものとされ、この場合には、図示するようにして、一次巻線Np1と、2組の二次巻線Ns1、Ns2が巻装される。なお、一次側には、先に説明したようにして、スイッチング駆動部11の電源を得るために、三次巻線Np2も巻装される。
そして、この場合においては、図に示される一次巻線Np1と二次巻線Np2の巻方向は、互いに逆方向となっており、フライバック形式に対応したものとなっている。
ここで、スイッチング素子Q1のスイッチング動作について説明しておくこととする。
前述もしたように、スイッチング素子Q1は、スイッチング駆動部11のOUT端子から出力される駆動信号によりオン/オフするようにしてスイッチングを行う。
ここで、スイッチング素子Q1がオンのときには、一次巻線Np1の巻始めから巻き終わり方向に電流が流れるが、後述する二次巻線Ns1、Ns2においては、それぞれ、その巻き終わり端部に接続される整流ダイオードD11、D13に対して逆方向電圧が誘起されることになるために、二次巻線Ns1、Ns2においては電流は流れない。つまり、一次側から二次側への電力伝送は行われず、その電磁エネルギーが二次巻線Ns1、Ns2に蓄積されることになる。そして、スイッチング素子Q1がオフになると、オン期間において蓄積されていた電磁エネルギーにより生じる逆起電力で一次巻線Np1には、オン期間とは逆極性の電圧が発生し、これに応じて、二次巻線Ns1、Ns2にもオン期間とは逆極性の電圧が発生し、それぞれ整流ダイオードD11、D12が導通し、二次巻線Ns1、Ns2に電流が流れるようにされる。つまり、スイッチング素子Q1がオフとなる期間に対応して一次側から二次側への電力伝送が行われる、フライバックとしての動作となっている。
上記のようにして、この図に示すスイッチングコンバータとしては、1石のスイッチング素子Q1によるフライバック方式の動作となるが、そのうえで、スイッチング素子Q1のドレイン電圧の最下点(ゼロボルト)でターンオンするように制御される。つまり、疑似共振形としてのスイッチング動作が得られるようにされている。
つまり、前述もしたように、スイッチング駆動部11のZCD端子には、三次巻線Np2に生じる電圧と同じ波形の電圧が入力される。また、三次巻線Np2に得られる電圧は、実際には、スイッチング素子Q1のドレイン電圧と同等の波形となる。従って、ZCD端子から入力される電圧についての最下点(ゼロクロス)を検出するということは、即ち、スイッチング素子Q1のドレイン電圧の最下点(ゼロクロス)を検出しているということになる。そして、スイッチング駆動部11は、このようにして最下点を検出したタイミングで、スイッチング素子Q1がターンオンするようにして、OUT端子から出力させる駆動信号を生成して出力させる。これにより、スイッチング素子Q1は、ドレイン電圧がゼロクロスするタイミングでターンオンするようにしてスイッチング動作を行う。つまり、疑似共振の動作が得られることになる。
続いて、トランスT1の二次側の構成について説明する。トランスT1の二次側には、二次巻線Ns1、Ns2の2組の巻線が巻装される。
先ず、二次巻線Ns1に対しては、その巻き終わり端部に対して整流ダイオードD11のアノードが接続され、カソードに対して平滑コンデンサC11の正極端子が接続される。平滑コンデンサC11の負極端子は、二次巻線Ns1の巻始め端部と接続される。
この接続態様により、整流ダイオードD11及び平滑コンデンサC11によっては、二次巻線Ns2に得られる交流を入力して直流電圧Vc1を生成する半波整流回路が形成されることになる。また、この直流電圧Vc1の後段に対しては、インダクタL11及びコンデンサC12から成るフィルタが接続されており、このフィルタにより、例えば直流電圧Vc1に重畳しているとされる、スイッチング動作に応じて発生する高周波のノイズを除去するようにされる。
そして、上記フィルタを通過した直流電圧Vc1は、音声系電源電圧Vo1として、負荷である音声信号出力系2としての回路部位に対して供給されるのであるが、ここでは、フィルタ通過後の直流電圧Vc1が音声系電源電圧Vo1として負荷に供給されるまでのラインに対して、電源供給コントロール部21としての回路部位と、この電源供給コントロール部21の後段の三端子レギュレータ22が備えられる。電源供給コントロール部21の回路構成と、その動作については、後述する。三端子レギュレータ22は、直流電圧Vc1 の上昇に対して、音声系電源電圧Vo1を所定レベルで安定化するために設けられる。なお、あくまでも一例であるが、音声系電源電圧Vo1の安定化目標電圧値としては、15Vが設定される。
また、二次巻線Ns2に対しては、二次巻線Ns1側の整流ダイオードD11、平滑コンデンサC11、インダクタL11、コンデンサC12と同様の接続態様により、整流ダイオードD13、平滑コンデンサC13、インダクタL12、コンデンサC14が接続されることで、二次巻線Ns2に誘起される交流は、高周波ノイズが除去された直流電圧として生成されることになる。そして、二次巻線Ns2側では、この直流電圧を、そのままスタンバイ電源電圧Vo2として出力するようにされる。
上記のようにして、図2の電源回路では、負荷(音声信号出力系2及びマイクロコンピュータ3)に供給すべき電力源として、音声系電源電圧Vo1とスタンバイ電源電圧Vo2を生成して出力するようにされている。そして、この図2の電源回路では、スタンバイ電源電圧Vo2について、一次側のスイッチング動作を可変させることにより安定化するようにされた定電圧制御系が形成される。
上記定電圧制御系の回路的な構成としては、次のようになる。
先ず、スタンバイ電源電圧Vo2の正極ラインと二次側のグランドライン間に分圧抵抗R17−R18の直列接続を挿入し、この分圧点に対してシャントレギュレータQ3の制御端子が接続される。このシャントレギュレータのアノードは二次側のグランドラインに対して接続され、カソードは、フォトカプラPHにおけるフォトダイオードのカソードと接続される。シャントレギュレータQ3の制御端子とカソードとの間には、コンデンサC15−抵抗R19による例えば位相補償のための直列回路が接続される。また、フォトダイオードのアノードには、抵抗R15を介して、二次巻線Ns2から得られる直流電圧(平滑コンデンサc11の両端電圧)が印加されるようになっている。また、この場合には、抵抗R15−フォトダイオードの直列接続に対して並列に抵抗R16が接続されて、上記直流電圧からフォトダイオードに流れる電流の分流経路を形成している。
またフォトカプラPHのフォトトランジスタのコレクタは、一次側にあるスイッチング駆動部11のFB端子と接続され、エミッタは、一次側のグランドラインに接続される。
このような定電圧制御系の回路構成では、スタンバイ電源電圧Vo2の値に応じた分圧抵抗R17−R18の分圧点の電位により、シャントレギュレータQ3を流れる電流量が可変されることになる。そして、シャントレギュレータQ3は、フォトカプラPHのフォトダイオードと接続されていることから、フォトカプラPHのフォトトランジスタには、シャントレギュレータQ3に流れる電流に応じたコレクタ電流が得られ、このコレクタ電流に応じた電圧値がFB端子に入力されることになる。つまり、端子FBには、スタンバイ電源電圧Vo2の変動に応じた電圧値が入力されることになる。そして、スイッチング駆動部11においては、FB端子にて検出される電圧値の変動に応じて、例えばPWM制御を行って駆動信号のパルス幅を可変させ、OUT端子から出力させる。これにより、スイッチング素子Q1のオン/オフタイミングが可変されることになるのであるが、このオン/オフタイミングが変更されることで、一次側から二次側への電力伝送量が可変されることになる。そして、この結果、スタンバイ電源電圧Vo2が或る定められた規定値よりも高ければその上昇を抑制し、低ければ、その分上昇させるという動作が得られる。つまり、スタンバイ電源電圧Vo2の安定化が図られることになる。
例えば、マイクロコンピュータ3の電源として要求される電圧値の誤差は、例えば音声信号出力系2の回路の場合と比較すると厳しく、従って、音声系電源電圧Vo1とスタンバイ電源電圧Vo2のうちで、より精度の高い安定化が求められるのも、スタンバイ電源電圧Vo2であることになる。そこで、図2の電源回路としては、スイッチング動作の可変による安定化制御については、スタンバイ電源電圧Vo2に適用することとしているものである。なお、本実施の形態では、スタンバイ電源電圧Vo2についての、安定化目標電圧値は18V、定格電流は2Aとされる。
続いて、図2の電源回路における電源供給コントロール部21について説明する。
先に図1により説明したように、本実施の形態としては、メイン電源のオン/オフとともに、音声系電源電圧Vo1のオン/オフも行うようにされる。例えばメイン電源がオフの状態にあれば、音声系電源電圧Vo1がそのまま音声信号出力系2の回路に供給されたままの状態であるとしても、メイン電源により動作するチューナ側などから音声信号が入力されなくなるので、特に音声信号についての増幅などは行われず、無音状態が維持される。このことからすれば、実使用上の観点では、音声系電源電圧Vo1の出力を継続させても特に問題は生じない。しかしながら、このようにして、特に音声として有効な音声信号についての増幅を行わない状態であっても、音声信号出力系2の回路では、相応の電力が消費されている。このために、メイン電源がオフのときには、音声信号出力系2の回路に対する音声系電源電圧Vo1の供給もオフとなる(遮断される)ようにすることが好ましい、ということになる。そこで、図1においても説明したように、マイクロコンピュータ3は、スイッチング電源部1に対してオン/オフコントロール信号VCTを出力して、この音声系電源電圧Vo1についてのオン/オフコントロールを行うようにされているものである。そして、電源供給コントロール部21は、このオン/オフコントロール信号VCTに応じて、音声系電源電圧Vo1のオン/オフを行うための回路部位とされるものである。
電源供給コントロール部21の回路構成としては下記のようになる。
先ず、マイクロコンピュータ3から出力されるオン/オフコントロール信号VCTは、抵抗R14を介して、ダイオードD12のアノードと、抵抗R13の一端の接続点に対して接続される。抵抗R13の他端は二次側グランドラインに対して接続される。ダイオードD12のカソードは、トランジスタQ12のベースと接続される。
トランジスタQ12はエミッタ接地されており、コレクタは抵抗R12を介して、スイッチ用素子Q11のゲートに対して接続される。
この場合のスイッチ用素子Q11には、PチャネルのMOS−FET(Field Effect Transistor)が選定される。ゲートは、上記のようにして、抵抗R12を介してトランジスタQ12のコレクタと接続される。また、ソースはコンデンサC12の正極端子と接続され、ドレインは三端子レギュレータ22の入力と接続される。つまり、スイッチ用素子Q11は、直流電圧Vc1が音声系電源電圧Vo1として負荷に供給されるべきラインにおいて、直列に挿入される。スイッチ用素子Q11のゲート−ソース間には、ゲート−ソース間抵抗R11が接続される。
続いて、上記回路構成による電源供給コントロール部21の動作について説明する。
マイクロコンピュータ3は、メイン電源がオンとされている状態のときには、オン/オフコントロール信号VCTとして、所定の正の電圧値によるHレベルを継続して出力するようにされている。
オン/オフコントロール信号VCTがHレベルのときには、オン/オフコントロール信号VCTを抵抗R14−R13により分圧した電圧値がダイオードD12を介するようにして、トランジスタQ12のベースに印加され、これに応じたベース電流が流される。これにより、トランジスタQ12はオンとなって、そのコレクタには、ほぼ飽和状態の電流が流されることになる。そして、このコレクタ電流が流されることに応じては、コンデンサC12の正極端子と二次側グランドラインとの間に対して、抵抗R1−R2の直列回路が挿入されることと等価になる。これにより、スイッチ用素子Q11のゲート電位として、直流電圧Vc1を抵抗R1−R2により分圧した値が得られることになるが、このときのスイッチ用素子Q11のゲート−ソース間電位としては、ソース電位に対して、ゲート電位のほうが、例えば6V程度低くなるようにされている。つまり、PチャネルのMOS−FETとしては、ほぼ飽和状態でドレイン−ソース間に電流を流すことのできる、いわゆるオン状態に対応した電位となる。
このようにして、スイッチ用素子Q11がオン状態となることによっては、通常に、直流電圧Vc1が、スイッチ用素子Q11から三端子レギュレータ22を介して、音声系電源電圧Vo1として負荷に供給されることになる。
このようにして、オン/オフコントロール信号VCTがHレベルのときには、音声系電源電圧Vo1が音声信号出力系2としての回路に供給される状態となるように制御される。
一方、マイクロコンピュータ3は、メイン電源をオフとしているときには、オン/オフコントロール信号VCTとして、Lレベルを継続して出力する。
オン/オフコントロール信号VCTがLレベルとされた場合、トランジスタQ12に対して電圧が印加されなくなり、トランジスタQ12はオフの状態となる。そして、トランジスタQ12がオフとなれば、抵抗R12の端部はグランドラインから切り離されたことと等価となるので、スイッチ用素子Q11のゲート−ソース間の電位差は0となって、スイッチ用素子Q11は、完全に電流を導通させないオフ状態となる。
つまり、オン/オフコントロール信号VCTがLレベルのときには、音声信号出力系2としての回路に対する音声系電源電圧Vo1の供給が停止されるように制御されることとなる。
このようにして、電源供給コントロール部21を備えることで、メイン電源のオン/オフに応じて、音声系電源電圧Vo1の供給動作もオン/オフされることになる。
ところで、上記図2に示した構成の電源回路では、スイッチング電圧波形にスパイクノイズが発生する場合がある。このスパイクノイズは、例えば図2の電源回路の基本的なスイッチングコンバータの形式がフライバック方式であることとされたうえで、トランスに巻装される巻線によるリーケージインダクタンスが存在することなどが主要因となって発生するもので、特に軽負荷の条件となるほど顕著になる。
例えば、図3、図4は、それぞれ、重負荷、軽負荷とされる所定条件を設定したときの、トランスT1の二次巻線Ns1に得られる電圧(二次巻線電圧Vs1)と、直流電圧Vc1の波形を示している。なお、これらの図に示される特性は、直流電圧Vc1を元とする音声系電源電圧Vo1の目標電圧値について15Vと設定しており、この設定に応じた二次巻線Ns1の巻数などが選定した構成での実験結果とされる。
先ず、図3(a)には、重負荷の条件として、負荷電流を2Aとした場合の、二次巻線電圧Vs1の波形が示される。この図に示される波形は、後に説明する図4(a)と比較して明確であるが、スパイクノイズが重畳されていないとみてよい状態である。このようにしてスパイクノイズが重畳されない場合、その正極性のピークレベルとしては、例えば図示するようにして、15.4Vとなる結果が得られており、この値は、矩形波における平坦な波形部分にほぼ一致したものとなる。そして、この二次巻線電圧Vs1を整流平滑化して得られる直流電圧Vc1としては、図3(b)に示すようにして、二次巻線電圧Vs1のピーク値をホールドするようにして、ほぼ同等に、15.4V程度が得られることになる。
一方、図4(a)には、 軽負荷の条件として、負荷電流を20mAとした場合の二次巻線電圧Vs1の波形を示している。この図に示す波形では、交流波形が反転するエッジ部分(破線部Aとして示す)において、瞬発的に突出した波形部分が得られている。これがスパイクノイズとされる。この場合の二次巻線電圧Vs1は、スパイクノイズとしての電圧成分の重畳分により、例えば18.6V程度のピークレベルを持つことになる。なお、この波形における矩形波の平坦部分が、図3(a)のピークレベルとほぼ同等になるものであり、15.4V程度になる。
そして、このようにして二次巻線電圧Vs1にスパイクノイズが重畳されたときの直流電圧Vc1は、図4(b)に示すようにして、ほぼ18.6Vとなる。つまり、直流電圧Vc1としては、このスパイクノイズにより増加した二次巻線電圧Vs1のピークレベルをホールドするようにして生成されることになる。
ここでは、音声系電源電圧Vo1の目標電圧値を15Vとしているが、これは、音声信号出力系2として実際に設けられる回路部に設定される、入力電源電圧値についての定格が15Vとされていることによる。
この音声信号出力系2の回路部に設定される電源電圧値についての定格は、例えばマイクロコンピュータと比較すれば、より広い許容誤差を有するが、それでも、現実の上限は、15Vに対して+1Vとなる16V程度までとされている。従って、図4に示したような軽負荷の条件において得られる値の直流電圧Vc1が、音声系電源電圧Vo1としてそのままま供給されると、音声信号出力系2の回路には、許容誤差を明らかに超えた電圧がかかることになり、動作信頼性を欠くことになる。
図2における三端子レギュレータ22は、上記のようにして、軽負荷の傾向となるのに応じて、例えば15V〜16Vを越えて上昇する直流電圧Vc1を、15V程度に抑制して安定化を図るために設けられているものである。
なお、三端子レギュレータを備えることの他に、例えば、直流電圧Vc1のライン間に対してブリーダ抵抗などの素子を挿入しても、同様にして、軽負荷時の電圧上昇を抑制できる。
また、確認のために述べておくと、スパイクノイズは、トランスT1におけるもう一方の二次巻線Ns2においても、二次巻線Ns 1と同様にして発生するものである。しかしながら、二次巻線Ns2の交流を元として生成されるスタンバイ電源電圧Vo2は、スイッチング動作制御により、所定の目標値で安定化されるようになっているものであり、従って、上記のような三端子レギュレータは不要となっている。
しかしながら、上記のようにして、音声系電源電圧Vo1の系に備えられる三端子レギュレータ(及びブリーダ抵抗など)は、電圧値の余剰な上昇分を熱に変換することにより、安定化を図るように構成されるものであり、従って、電力損失が比較的大きい部品素子であることが知られている。このために、図2の電源回路にとしても、三端子レギュレータ22を備えたことで、音声系電源電圧Vo1を生成して出力する系の電力損失の増加が問題になる。
例えば、先の図3,図4による説明の通りに音声系電源電圧Vo1の目標電圧値を15Vとし、負荷電流が20mAとされる軽負荷の条件での直流電圧Vc1が18.6Vとなる場合において、15Vに安定化しようとすれば、このときの電力損失は、(18.6V−15V)×20mA=72mWとなる。また、例えば測定結果によると、負荷電流が100mAとされる負荷条件では、直流電圧Vc1は16Vとなるので、このときの電力損失は、(16V−15V)×100mA=100mWとなる。このようにして、負荷が比較的軽い条件では、電力損失は或る程度にまで抑制されているものとしてみてよいのではあるが、三端子レギュレータを備える場合には、下記のような事情で、重負荷時における電力損失が著しく増加する。
三端子レギュレータは、その仕様上、入力電圧は、出力電圧の目標電圧値よりも高い値を入力すべきことになっており、入力電圧と出力電圧の電圧値の差の最小が、例えば0.6Vと定められている。なお、例えば、先の図3の測定結果では、直流電圧Vc1として、15.4Vを得ていたのであるが、この電圧を入力して実際に三端子レギュレータ22を備えて安定化したとすると、音声系電源電圧Vo1としては、14.8Vとして出力される。あるいは、より正確に15Vで安定化しようとすれば、直流電圧Vc1が15.6V以上で生成されるように構成することになる。
いずれにせよ、三端子レギュレータが上記のような仕様である以上、図4により説明した負荷電流2Aの条件では、少なくとも0.6V×2A=1.2Wの電力損失を生じることになる。例えばこの程度にまで電力損失が増加すると、三端子レギュレータにおける発熱は相当なものになる。すると、発熱対策として、かなり大型のヒートシンクが必要になってくることになり、電源回路としての物理的な実装サイズも著しく大型化してしまうという不都合も生じることになる。
そこで、本実施の形態としては、図2に示す電源回路の構成を基とする場合として、図5に示す構成による電源回路を提案するものである。なお、図5において、図2と同一部分については、同一符号を付すこととして、その説明についても、主としては、図2の回路との相違点について行っていくこととする。
図5においては、図2に示されていた電源供給コントロール部21に代えて、電圧制限機能付電源供給コントロール部23が備えられている。この電圧制限機能付電源供給コントロール部23の回路構成としては、電源供給コントロール部21の構成に対して、ダイオードD14、ツェナーダイオードD15、抵抗R21、R20、及びトランジスタ(NPN)Q31を追加し、これらの素子を下記のようにして接続して形成される。
先ず、スイッチ用素子Q11のドレイン側となる音声系電源電圧Vo1の正極ラインとグランドラインとの間に対して、ダイオードD14、ツェナーダイオードD15、抵抗R21、R20から成る直列回路が挿入される。この直列回路において、ダイオードD14のアノードが、音声系電源電圧Vo1の正極ラインと接続され、カソードがツェナーダイオードD15のカソードと接続される。ツェナーダイオードD15のアノードに対して抵抗R21が接続され、抵抗R21と、グランドラインとの間に抵抗R20が接続される。
抵抗R20−R21の接続点に対しては、トランジスタQ13のベースが接続される。トランジスタQ13のコレクタは、ダイオードD12のアノードと接続され、エミッタは二次側グランドラインと接続される。
上記のようにして形成される電圧制限機能付電源供給コントロール部23は、次のようにして動作する。
先ず、オン/オフコントロール信号VCTに応じてスイッチ用素子Q11がオンあるいはオフの状態となるように制御されることで、メイン電源のオン/オフに応じて、負荷に対する音声系電源電圧Vo1の供給についてのオン/オフ制御が行われることについては、先の図2と同様である。そのうえで、この図5の場合においては、Hレベルのオン/オフコントロール信号VCTによりスイッチ用素子Q11をオン状態に制御して、音声系電源電圧Vo1の供給を有効に実行させているときに、下記のような安定化動作が得られるようにされる。
ここで、ダイオードD14、ツェナーダイオードD15、抵抗R21、R20から成る直列回路は、その順方向電圧、逆方向電圧、および抵抗値の選定などにより、ダイオードD14−ツェナーダイオードD15について、音声系電源電圧Vo1として現れる電圧値が一定以下とされる条件では導通しないが、一定値を越えたとされる条件では導通するようにして設定されている。この条件に対応した上記一定値は、これまでの説明であれば15Vとなるが、ここでは、マージンを取ることとして16Vを設定しているものとする。
すると、音声系電源電圧Vo1が16V以下となっている状態では、ダイオードD14−ツェナーダイオードD15が導通しないことで、トランジスタQ13はオフ状態となるようにされる。このときには、電圧制限機能付電源供給コントロール部23は、図2の電源供給コントロール部21と同等の回路を形成することになる。つまり、通常に、スイッチ用素子Q11を、ドレイン電流が飽和するオン状態に制御して、音声系電源電圧Vo1としての電力供給をオンとしているものである。
これに対して、音声系電源電圧Vo1が16Vを越えたとしてダイオードD14−ツェナーダイオードD15が導通したとされると、その16Vより高い領域での音声系電源電圧Vo1の上昇変動に応じて、トランジスタQ13に対してベース電流が流れるようにされる。これにより、トランジスタQ13としては、16Vより高い領域での音声系電源電圧Vo1の上昇変動に応じて、コレクタに流す電流量を変化させるという増幅動作を行うことになる。
このトランジスタQ13の動作によっては、Hレベルのオン/オフコントロール信号VCTに応じて本来はトランジスタQ12のベースに流れるべき電流が、トランジスタQ12のコレクタからエミッタを介してグランドラインに分流して流れることになる。これにより、トランジスタQ12のベース電流が低減し、コレクタ電流量も低減することになる。そして、このようにしてトランジスタQ12のコレクタ電流量が低減するようにして変化することとなると、スイッチ用素子Q11のゲート−ソース間電圧としても、その電位差が縮小していき、スイッチ用素子Q11としてのMOS−FETは、ゲート−ソース間電圧に応じてドレイン電流量を可変する、いわゆるリニア領域での動作を生じることになる。即ち、スイッチ用素子Q11は、本来は、オン/オフコントロール信号VCTに応じてオン/オフするスイッチとしての機能が与えられるものなのであるが、音声系電源電圧Vo1が16Vを越えるとされる状態では、導通制御素子として機能するようにされているものである。
この場合において、音声系電源電圧Vo1が16Vより高い領域で上昇していくのに応じては、スイッチ用素子Q11のゲート−ソース間の電位差が縮小することになり、これに応じて、ドレイン電流量も低減することになる。つまり、音声系電源電圧Vo1が16Vより高い領域で上昇するのに応じて、スイッチ用素子Q11のソースからドレインに流れる電流量が少なくなるようにして制御されることになる。これにより、音声系電源電圧Vo1が16Vを越えてに上昇したときには、その上昇分に応じて音声系電源電圧Vo1のラインに流れる電流量を少なくするという動作が生じることとなり、この結果、音声系電源電圧Vo1は、16V以下にまで抑制されるようにして制御されることになる。このようして、本実施の形態では、音声系電源電圧Vo1の上昇を抑制して安定化を図るようにされる。
そして、このような安定化のための構成とすれば、図2の回路におけるような、重負荷時における電力損失の著しい増加の問題が解消される。
つまり、直流電圧Vc1が16V以下となるような負荷条件は、例えば負荷電流2A程度の重負荷とした条件を含むことになるのであるが、図5の回路の場合、このような負荷条件範囲では、スイッチ用素子Q11は、オン状態にあるスイッチとして機能しており、電流量を制限していない。従って、スイッチ用素子Q11における電力損失は、ほぼ存在しないものとしてみてよいことになる。厳密には、MOS−FETのオン抵抗による損失が存在するが、例えば、図2においては、1.2Wの損失を生じていたこととの比較では、オン抵抗による損失はほとんど無視して考えてよい。
ところで、上記実施の形態では、音声系電源電圧Vo1としての本来の目標出力電圧値が15Vであることに応じて、電圧制限機能付電源供給コントロール部23における電圧制限機能が有効になる音声系電源電圧Vo1の閾値を16Vに対応して設定している。しかしながら、音声系電源電圧Vo1の目標出力電圧値は、実際の音声信号出力系2としての回路の仕様等に応じて変更される可能性があるものであり、従って、上記閾値の設定についても、上記目標出力電圧値の変更などに応じて適宜変更設定されるべきものである。
また、これまでの説明の流れによると、本実施の形態としての電圧制限機能付電源供給コントロール部23は、図2に示した電源供給コントロール部21に対して、電圧制限機能を組み合わせるようにして構成されるものとしている。そして、このような構成としていることで、例えば、電源供給コントロール用のスイッチ用素子Q11を含む一部回路を、電圧制限のための回路としても共用可能としているものである。これにより、例えば電源供給コントロール用の回路と、電圧制限のための回路とを、それぞれ個別に設けることとした場合よりも、部品点数の削減が図られる。
しかしながら、本願発明の概念の下では、必須とされるのは、電圧制限機能のための回路構成であり、電源供給コントロールのための構成は省略されてかまわないものである。
また、図5の構成では、二次側から出力させる電源電圧としては、音声系電源電圧Vo1とスタンバイ電源電圧Vo2とされている。つまり、導通制御素子により安定化される電源電圧と、スイッチング動作制御により安定化される電源電圧とが、各1つ備えられているが、本願発明では、これ以外の電源電圧の出力構成とされてもよいものである。
例えば、本願発明の下であれば、導通制御素子により安定化される電源電圧のみを出力し、スイッチング動作制御により安定化される電源電圧は出力させないような構成とすることも考えられる。また、スイッチング動作制御により安定化される電源電圧の有無にかかわらず、導通制御素子により安定化される電源電圧については、2以上とするような構成とすることも考えられる。また、このようなバリエーションが在ることに応じて、導通制御素子により安定化される電源電圧と、スイッチング動作制御により安定化される電源電圧の負荷としても、それぞれ、音声信号出力のための回路系や、マイクロコンピュータなどのロジック回路系に限定されるべきものではない。
さらに、実施の形態の電源回路では、スイッチングコンバータの形式を疑似共振形としているが、これは、あくまでも、スイッチング動作に応じてスパイクノイズが発生するスイッチングコンバータの一例を示しているに過ぎないものであって、他の形式のスイッチングコンバータが採用されてもよいものである。
また、実施の形態のスイッチング電源回路部は、テレビジョン受像機に備えられるものとしているが、これに限定されるものではなく、本発明に基づく電源回路は、他の各種の電子機器に備えられてよい。
本発明の実施の形態のスイッチング電源回路を有して成る電子機器の構成例を示す図である。 スイッチング電源部として採り得る一回路構成例を示す回路図である。 音声系電源電圧の元となる、二次巻線の電圧、及びこの二次巻線の電圧から生成される直流電圧を示す、重負荷時の波形図である。 音声系電源電圧の元となる、二次巻線の電圧、及びこの二次巻線の電圧から生成される直流電圧を示す、軽負荷時の波形図である。 実施の形態としてのスイッチング電源部の回路構成例を示す回路図である
符号の説明
1 スイッチング電源部、2 音声信号出力系、3 マイクロコンピュータ、T1 絶縁コンバータトランス、Np1 一次巻線、Ns1・Ns2 二次巻線、Np2 三次巻線、D11 整流ダイオード、C11・C12 平滑コンデンサ、L11 インダクタ、Q11 スイッチ用素子、R11・R12・R13・R20・R21 抵抗、D14 ダイオード、D15 ツェナーダイオード、Q12・Q13 トランジスタ、D12 ダイオード

Claims (3)

  1. 直流電圧を入力してスイッチングを行うスイッチング手段と、
    一次巻線と二次巻線とを備え、一次巻線に得られる上記スイッチング手段の出力を二次巻線に対して伝送するトランスと、
    上記二次巻線に得られる交流を整流平滑化することで直流電圧を得るように構成される直流電圧生成手段と、
    上記直流電圧が所定値を越える場合において、この直流電圧を元として負荷側に供給される電源電圧の値が所定値に抑制されるようにして、上記直流電圧が上記電源電圧として負荷に至るまでの電源ラインの電流量を可変制御する電流制御手段と、
    を備えることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 上記電流制御手段は、
    上記電源ラインに挿入され、二次側においてスイッチとして動作する導通制御素子と、
    上記直流電圧が所定値を越えた状態において動作し、上記直流電圧の値が上昇するのに応じて、上記導通制御素子に流すべき電流量を低減させる制御回路部とを備えて形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記直流電圧から上記電源電圧に至るまでの電源ラインに挿入されて、少なくともオンとオフの2つの状態の間で遷移するようにされるスイッチ手段と、
    外部より供給されるスイッチオン/オフ制御信号に応じて、上記スイッチ手段をオン状態とオフ状態とでの切り換えるようにされたスイッチ駆動回路とを備えに流すべき電流量を低減させるるものとしたうえで、
    上記スイッチ手段に、上記導通制御素子を用いると共に、
    上記制御回路部は、上記スイッチ駆動回路が上記導通制御素子のオン状態を維持させるように動作している状態において、上記導通制御素子に流すべき電流量を低減させるように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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