外線からの着信にて、複数の多機能電話機に収容されている回線釦(外線を識別するための釦)に対して着信表示および着信鳴動を行いたい場合、予め登録されている着信鳴動対象の多機能電話機個々に対して着信鳴動指示をライン回路経由で行っている。
ライン回路は、接続されている多機能電話機間で着信鳴動のタイミングがずれないように制御されている。
しかし、近年、構内交換機は、多機能電話機に対して着信通知を行う場合に、着信鳴動指示以外にも発信者を特定するため、発信者の電話番号および発信者の名称等の情報通知を行い、通知された情報によって着信鳴動を制御する動作や、多機能電話機の表示器に発信者を特定するための表示内容を通知する機能などライン回路経由で多機能電話機に通知する情報が増加している。
そのことにより、従来では、ライン回路にて着信鳴動のタイミングがずれないように制御されているため、多機能電話機が着信鳴動指示を受け取った時点から着信鳴動を開始しても着信鳴動パターンがずれることはなかったが、通知する情報量が増加したことにより、構内交換機の制御装置からライン回路に対して着信鳴動指示を行うタイミングがライン回路単位でずれが生じ、多機能電話機個々に届く着信鳴動指示がずれてしまう。
例えば、図9に従来の内線端末の着信鳴動の例を示す。図9において、端末Aは、着信鳴動指示を受信したタイミングで、着信鳴動パターンに従って鳴動を開始するが、端末Bは、着信鳴動指示のタイミングがずれていることにより、端末Aと着信鳴動パターンのタイミングが同期できなくなる。端末Cも同様に着信鳴動パターンのタイミングが同期できなくなる。
このような、着信鳴動パターンのタイミングのずれにより、端末A、端末Bおよび端末Cが着信鳴動すると、周囲にいるユーザに耳障りな着信音が聞こえ、違和感を与える課題がある。
この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は内線端末(例えば、多機能電話機)相互間で、着信鳴動指示のタイミングがずれても、着信鳴動の開始と終了を同期させ、着信鳴動が違和感なく聞こえる電話交換システムを提供することにある。
前記課題を解決するためこの発明に係る電話交換システムは、構内交換機と、構内交換機が収容する複数の内線端末とから構成され、構内交換機が受信した着信呼を内線端末から着信鳴動させ、着信を報知する電話交換システムにおいて、構内交換機は、定期的に内線端末の着信鳴動の鳴動および鳴動停止のインターを同期させるための同期情報を出力するとともに、着信呼を受信した場合、該当する前記内線端末に、着信鳴動指示を出力する制御装置を備え、複数の内線端末は、構内交換機から供給される同期情報に着信音の鳴動開始タイミングを合わせ、着信鳴動を実行する着信鳴動同期手段を備えたことを特徴とする。
この発明に係る電話交換システムにおいて、構内交換機は、定期的に内線端末の着信鳴動の鳴動および鳴動停止のインターを同期させるための同期情報を出力するとともに、着信呼を受信した場合、該当する内線端末に、着信鳴動指示を出力する制御装置を備え、複数の内線端末は、構内交換機から供給される同期情報に着信音の鳴動開始タイミングを合わせ、着信鳴動を実行する着信鳴動同期手段を備えたので、同期情報に基づいて複数の内線端末の着信鳴動に関する同期を取り、着信鳴動指示を受信するタイミングが異なっても、着信鳴動の鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔)を着信鳴動している全ての内線端末で一致させることができる。
また、この発明に係る着信鳴動同期手段は、基準クロックを発生する基準クロック発生手段、基準クロックを分周して一定タイミングクロックを発生する分周手段、分周手段からの一定タイミングクロックをカウントして所定周期の周期性タイミングをカウントする周期性タイミングカウンタ、着信鳴動指示に基づいて周期性タイミングに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングをカウントする鳴動周期カウンタ、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンを発生する着信鳴動パターン発生手段、構内交換機からの同期情報に基づいて周期性タイミングカウンタをリセットするリセット手段を備えたことを特徴とする。
この発明に係る着信鳴動同期手段は、基準クロックを発生する基準クロック発生手段、基準クロックを分周して一定タイミングクロックを発生する分周手段、分周手段からの一定タイミングクロックをカウントして所定周期の周期性タイミングをカウントする周期性タイミングカウンタ、着信鳴動指示に基づいて周期性タイミングに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングをカウントする鳴動周期カウンタ、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンを発生する着信鳴動パターン発生手段、構内交換機からの同期情報に基づいて周期性タイミングカウンタをリセットするリセット手段を備えたので、構内交換機から供給される同期情報で周期性タイミングカウンタをリセットすることにより、内線端末相互間の同期を取り、構内交換機から供給される着信鳴動指示に基づいて内線端末相互間の着信鳴動パターンを一致することができる。
さらに、この発明に係る周期性タイミングカウンタは、周期性タイミング周期を変更可能なことを特徴とする。
また、この発明に係る鳴動周期カウンタは、鳴動周期タイミング周期を変更可能なことを特徴とする。
この発明に係る周期性タイミングカウンタは、周期性タイミング周期を変更可能であり、鳴動周期カウンタは、鳴動周期タイミング周期を変更可能なので、着信鳴動パターンを任意に設定することができる。
さらに、この発明に係る電話交換システムの着信鳴動同期方法は、構内交換機と、構内交換機が収容する複数の内線端末と、から構成され、構内交換機が受信した着信呼を内線端末から着信鳴動させる電話交換システムの着信鳴動同期方法であって、構内交換機から同期情報を受信するステップS1と、同期情報に基づいて全内線端末が周期性タイミングカウンタをリセットし、周期性タイミングの同期を取るステップS2と、周期性タイミングに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングを発生するステップS3と、構内交換機から着信鳴動指示を受信するステップS4と、着信鳴動指示の開始タイミングが鳴動周期タイミングに一致するか否かを判定するステップS5と、一致する場合には、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生するステップS6と、一致しない場合には、鳴動周期タイミングの初期値まで待機させ、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生するステップS7と、着信呼に応答すると、着信鳴動を停止するステップS8とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る電話交換システムの着信鳴動同期方法は、構内交換機から同期情報を受信するステップS1と、同期情報に基づいて全内線端末が周期性タイミングカウンタをリセットし、周期性タイミングの同期を取るステップS2と、周期性タイミングに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングを発生するステップS3と、構内交換機から着信鳴動指示を受信するステップS4と、着信鳴動指示の開始タイミングが鳴動周期タイミングに一致するか否かを判定するステップS5と、一致する場合には、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生するステップS6と、一致しない場合には、鳴動周期タイミングの初期値まで待機させ、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生するステップS7と、着信呼に応答すると、着信鳴動を停止するステップS8とを備えたので、同期情報に基づいて複数の内線端末の着信鳴動に関する同期を取り、着信鳴動指示を受信するタイミングが異なっても、着信鳴動の鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔)を着信鳴動している全ての内線端末で一致させることができる。
この発明に係る電話交換システムにおいて、構内交換機は、定期的に内線端末の着信鳴動の鳴動および鳴動停止のインターを同期させるための同期情報を出力するとともに、着信呼を受信した場合、該当する内線端末に、着信鳴動指示を出力する制御装置を備え、複数の内線端末は、構内交換機から供給される同期情報に着信音の鳴動開始タイミングを合わせ、着信鳴動を実行する着信鳴動同期手段を備えたので、同期情報に基づいて複数の内線端末の着信鳴動に関する同期を取り、着信鳴動指示を受信するタイミングが異なっても、着信鳴動の鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔)を着信鳴動している全ての内線端末で一致させることができ、着信鳴動の鳴動(着信音)と鳴動停止(着信音停止)の区別が明確になり、違和感のない着信鳴動を聞くことが可能になる。
また、この発明に係る着信鳴動同期手段は、基準クロックを発生する基準クロック発生手段、基準クロックを分周して一定タイミングクロックを発生する分周手段、分周手段からの一定タイミングクロックをカウントして所定周期の周期性タイミングをカウントする周期性タイミングカウンタ、着信鳴動指示に基づいて周期性タイミングに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングをカウントする鳴動周期カウンタ、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンを発生する着信鳴動パターン発生手段、構内交換機からの同期情報に基づいて周期性タイミングカウンタをリセットするリセット手段を備えたので、構内交換機から供給される同期情報で周期性タイミングカウンタをリセットすることにより、内線端末相互間の同期を取り、構内交換機から供給される着信鳴動指示に基づいて内線端末相互間の着信鳴動パターンを一致することができ、内線端末相互間で着信鳴動指示を受信するタイミングが異なっても、着信鳴動を一致させることができる。
さらに、この発明に係る周期性タイミングカウンタは、周期性タイミング周期を変更可能であり、鳴動周期カウンタは、鳴動周期タイミング周期を変更可能なので、着信鳴動パターンを任意に設定することができ、着信鳴動の自由度を広げることができる。
また、この発明に係る電話交換システムの着信鳴動同期方法は、構内交換機から同期情報を受信するステップS1と、同期情報に基づいて全内線端末が周期性タイミングカウンタをリセットし、周期性タイミングの同期を取るステップS2と、周期性タイミングに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングを発生するステップS3と、構内交換機から着信鳴動指示を受信するステップS4と、着信鳴動指示の開始タイミングが鳴動周期タイミングに一致するか否かを判定するステップS5と、一致する場合には、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生するステップS6と、一致しない場合には、鳴動周期タイミングの初期値まで待機させ、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生するステップS7と、着信呼に応答すると、着信鳴動を停止するステップS8とを備えたので、同期情報に基づいて複数の内線端末の着信鳴動に関する同期を取り、着信鳴動指示を受信するタイミングが異なっても、着信鳴動の鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔)を着信鳴動している全ての内線端末で一致させることができ、着信鳴動の鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)の区別が明確になり、違和感のない着信鳴動を聞くことが可能になる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る電話交換システムの一実施の形態システム構成図である。図1において、電話交換システム1は、構内交換機2と、内線端末としての複数の多機能電話機TEL11〜TELpnと、構内交換機2が接続される公衆網NTとから構成されている。
構内交換機2は、通話路スイッチ3、記憶装置4、制御装置5、多機能電話機TEL11〜TELpnを収容するディジタルライン回路DL1〜DLP、公衆網NT(公衆回線)を収容する局線トランクCOTおよびディジタル局線トランクBRIを備える。なお、通話路スイッチ3、記憶装置4および制御装置5は、制御バスBUを介して接続されている。
通話路スイッチ3は、記憶装置4の制御により、ディジタルライン回路DL1〜DLP相互間の内線通話路、ディジタルライン回路DL1〜DLPと局線トランクCOTおよびディジタル局線トランクBRIとの間の外線通話路を形成する。
記憶装置4は、EEPROMやフラッシュROMなどの固定および書換え可能なメモリで構成し、各種局データ、データテーブル、シーケンスプログラムなどを記憶し、制御装置5の制御により、各種データを出力し、格納する。
制御装置5は、マイクロプロセッサを基本に構成し、システム全体の動作を制御する。
また、制御装置5は、定期的に着信鳴動の鳴動および鳴動停止のインターを同期させるための同期情報JSをディジタルライン回路DL1〜DLPを介して多機能電話機TEL11〜TELpnに送信する制御を実行する。
さらに、制御装置5は、局線トランクCOTまたはディジタル局線トランクBRIが公衆網NTからの外線着信呼を検出して、着信呼を通知してくると、着信先の多機能電話機TEL11〜TELpnと、多機能電話機TEL11〜TELpnが収容されているディジタルライン回路DL1〜DLPの対応テーブルを記憶装置4から検索し、ディジタルライン回路DL1〜DLPを介して該当する多機能電話機TEL11〜TELpnに着信鳴動指示MRを送信し、該当する多機能電話機TEL11〜TELpnの着信鳴動を制御する。
また、制御装置5は、着信呼に含まれる発信元電話番号、発信者の名前、該当する多機能電話機TEL11〜TELpnを呼び出すため、着信色などの情報を対応するディジタルライン回路DL1〜DLPを介して送信する。
ディジタルライン回路DL1〜DLPは、それぞれ多機能電話機TEL11〜TEL1n、…、TELK1〜TELKn、…、TELP1〜TELPnを収容する。
内線端末を構成する多機能電話機TEL11〜TELpnは、構内交換機2からディジタルライン回路DL1〜DLPを介して定期的に送信されてくる同期情報JSを受信すると、着信鳴動の鳴動(着信音発生)および鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔:後述する着信鳴動パターンPR)を同期させ、多機能電話機毎に構内交換機2からの着信鳴動指示MRを受信するタイミングが異なっても、着信鳴動の鳴動(着信音発生)および鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔)を同じにする。
例えば、ディジタルライン回路DL1に収容される多機能電話機TEL11〜TEL1nの多機能電話機TEL11が着信鳴動指示MRを受信して着信鳴動を開始した後、遅れたタイミングで多機能電話機TEL12が着信鳴動指示MRを受信して着信鳴動を開始し、さらに遅れたタイミングで多機能電話機TEL1nが着信鳴動指示MRを受信して着信鳴動を開始したようなケースでも、着信鳴動の鳴動(着信音発生)および鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔:着信鳴動パターンPR)が3者間で同期しているため、3者の鳴動(着信音発生)が共通する期間があっても、例えば1秒鳴動して1秒鳴動停止することになるように構成する。
このようにするため、多機能電話機TEL11〜TELpnは、それぞれ構内交換機2から供給される同期情報JSに同期するとともに、着信鳴動指示MRを受信するタイミングが異なっても、鳴動(着信音発生)および鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔)を同期させた着信鳴動を実行する着信鳴動同期手段を備える。以下、多機能電話機について説明する。
図2はこの発明に係る多機能電話機の一実施の形表面外観図である。なお、多機能電話機TEL11〜TELpnは、同一構成、同一機能なので、多機能電話機TEL11について説明する。図2において、多機能電話機TEL11は、通話を行うためのハンドセットHS、着信呼の相手電話番号や名前などを表示する表示器DY、着信があるとランプが所定の色で点滅するランプ付き回線釦BL、着信の鳴動(着信音)を発生するスピーカSPなどから構成されている。
図3はこの発明に係る多機能電話機の着信鳴動同期手段の一実施の形態要部ブロック構成図である。なお、多機能電話機の電話機制御装置ならびに電話機記憶措置などは、省略する。図3において、着信鳴動同期手段6は、基準クロック発生手段7、分周手段8、周期性タイミングカウンタ9、鳴動周期カウンタ10、着信鳴動パターン発生手段11およびリセット手段12を備える。
基準クロック発生手段7は、水晶発振回路などで構成し、比較的高周波の基準クロックCLKを発生し、基準クロックCLKを分周手段8に供給する。
分周手段8は、分周回路で構成し、基準クロック発生手段7から供給される基準クロックCLKを分周して、比較的低周波の一定タイミングクロックCLT(例えば、デューティ比50%、一周期64ms)を発生し、タイミングクロックCLTを周期性タイミングカウンタ9に提供する。
周期性タイミングカウンタ9は、分周手段8から提供される一定タイミングクロックCLTをカウントし、例えば一周期6s(0〜95カウント:64ms×96=6.144s)の周期性タイミングTSを繰り返しカウントする。
なお、周期性タイミングカウンタ9は、周期性タイミングTSの一周期を96カウントの6s(秒)に設定したが、この設定は、着信鳴動の鳴動(発信音発生)が1s(1秒)、鳴動停止(発信音停止)が1s(1秒)のインターが2s(秒)のものと、着信鳴動の鳴動が1s(1秒)、鳴動停止が2s(2秒)のインター(着信鳴動パターンPR)が3s(秒)のものの最小公倍数6s(秒)としたもので、周期性タイミングTSの周期を任意に設定してもよい。
また、周期性タイミングカウンタ9は、構内交換機2から受信した同期情報JSに基づいてリセット手段12からリセット情報JRが供給された場合には、カウントをリセットし、再度0から周期性タイミングTSのカウントを開始する。
なお、多機能電話機TEL11〜TELpnの全てにおいて、同期情報JSによって周期性タイミングカウンタ9をリセットし、再度0から周期性タイミングTSのカウントを開始することにより、多機能電話機TEL11〜TELpnの同期を取ることができる。
鳴動周期カウンタ10は、構内交換機2から受信した着信鳴動指示MRに基づいて周期性タイミングTSに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングTR(例えば、0〜31カウント)をカウントし、鳴動周期タイミングTRを着信鳴動パターン発生手段11に提供する。
なお、鳴動周期カウンタ10は、鳴動周期タイミングTRの一周期を32カウントの2s(秒)に設定したが、周期性タイミングTSの整数分の1(1/n)周期である限り、鳴動周期タイミングTRの周期を任意に設定してもよい。
着信鳴動パターン発生手段11は、鳴動周期カウンタ10から提供される鳴動周期タイミングTR(0〜31カウント)を一周期として、1/2周期が鳴動(着信音発生)および1/2周期が鳴動停止(着信音停止)の着信鳴動パターンPRを発生し、この着信鳴動パターンPRで着信音発生器(図示せず)の着信音の発生をコントロールする。
リセット手段12は、構内交換機2からの同期情報JSを受信すると、リセット情報JRを周期性タイミングカウンタ9に提供し、周期性タイミングカウンタ9をリセットさせる。
このように、この発明に係る着信鳴動同期手段6は、基準クロックCLKを発生する基準クロック発生手段7、基準クロックCLKを分周して一定タイミングクロックCLTを発生する分周手段8、分周手段8からの一定タイミングクロックCLTをカウントして所定周期の周期性タイミングTSをカウントする周期性タイミングカウンタ9、着信鳴動指示MRに基づいて周期性タイミングTSに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングTRをカウントする鳴動周期カウンタ10、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンPRを発生する着信鳴動パターン発生手段11、構内交換機2からの同期情報JSに基づいて周期性タイミングカウンタ9をリセットするリセット手段12を備えたので、構内交換機2から供給される同期情報JSで周期性タイミングカウンタ9をリセットすることにより、内線端末(多機能電話機TEL11〜TELpn)相互間の同期を取り、構内交換機2から供給される着信鳴動指示MRに基づいて内線端末(多機能電話機TEL11〜TELpn)相互間の着信鳴動パターンPRを一致することができ、内線端末相互間で着信鳴動指示MRを受信するタイミングが異なっても、着信鳴動を一致させることができる。
また、この発明に係る周期性タイミングカウンタ9は、周期性タイミングTS周期を変更可能であり、鳴動周期カウンタ10は、鳴動周期タイミングTR周期を変更可能なので、着信鳴動パターンPRを任意に設定することができ、着信鳴動の自由度を広げることができる。
図4はこの発明に係る多機能電話機が着信鳴動指示を受信するまでの一実施の形態シーケンス図である。図4において、公衆網NT(公衆回線)からの着信呼を局線トランクCOTまたはディジタル局線トランクBRIが検出すると、制御装置5に着信呼が通知される。
着信呼を認識した制御装置5は、着信鳴動指示MRを、例えばそれぞれディジタルライン回路DL1およびディジタルライン回路DLKを介して多機能電話機TEL11および多機能電話機TELK1に送信する。
ディジタルライン回路DL1およびディジタルライン回路DLKは、着信鳴動指示MRの確認を実行し、それぞれ収容されている多機能電話機TEL11および多機能電話機TELK1に着信鳴動指示MRの通知を行う。
また、制御装置5は、多機能電話機TEL11および多機能電話機TELK1に対して、着信呼の発信者を識別するための相手先電話番号、名前、着信表示を行うためのランプ情報などの情報を着信検出時に、ディジタルライン回路DL1およびディジタルライン回路DLKを介して通知する。
図5はこの発明に係る周期性タイミングカウンタの同期を取得するための一実施の形態シーケンス図である。図5において、制御装置5は、定期的に同期情報JSをそれぞれディジタルライン回路DL1およびディジタルライン回路DLKを介して多機能電話機TEL11および多機能電話機TELK1に通知する。
多機能電話機TEL11および多機能電話機TELK1は、それぞれ同期情報JSを受信したタイミングで周期性タイミングカウンタ9をリセットすることにより、多機能電話機相互間の同期を取ることができる。
なお、図4および図5では、ディジタルライン回路DL1と多機能電話機TEL11、およびディジタルライン回路DLKと多機能電話機TELK1について説明したが、ディジタルライン回路DL1〜DLPおよび多機能電話機TEL12〜TELpnについても同様である。
図6はこの発明に係る周期性タイミングの一実施の形態同期取得説明図である。図6において、例えば多機能電話機TEL11の周期性タイミングTSが3カウントにある場合、多機能電話機TELK1の周期性タイミングTSが4カウントにあり、多機能電話機TELP1の周期性タイミングTSが5カウントにあって、同様に他の多機能電話機TEL12〜TELpnもそれぞれ周期性タイミングTSのカウントがずれているものと想定する。
この時点で、構内交換機2から同期情報JSが供給されると、多機能電話機TEL11〜TELpnの周期性タイミングカウンタ9は、全てリセットされ、周期性タイミングTSが0カウントから再度カウントを開始することにより、多機能電話機TEL11〜TELpnの全ての周期性タイミングカウンタ9の同期が取れることになる。
図7はこの発明に係る着信鳴動一致の一実施の形態動作説明図である。図7において、同期情報JSを受信して多機能電話機TEL11〜TELpnの周期性タイミングカウンタ9の同期が確立するので、周期性タイミングTSの同期が取れることになる。
周期性タイミングTSの同期が取れると、周期性タイミングTSに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングTR(例えば、0〜31カウント)も多機能電話機TEL11〜TELpnで一致し、着信鳴動パターンPR(破線表示)も全ての多機能電話機で一致することになる。ただし、着信鳴動パターンPRは、鳴動周期タイミングTRの0カウントから鳴動(着信音発生)を開始して、例えば1s(秒)間鳴動し、その後1s(秒)間(31カウントまで)鳴動停止するパターンを繰り返す。
なお、着信鳴動パターンPRは、各多機能電話機が構内交換機2から着信鳴動指示MRを受信してから鳴動周期タイミングTRが31カウントまで待機し、0カウントから鳴動を開始することである。
多機能電話機TEL11は、鳴動周期タイミングTRの30カウントの時間t1で着信(着信鳴動指示MRを受信)すると、2カウント待機して着信鳴動パターンPRを実行する。
多機能電話機TELK1は、多機能電話機TEL11より遅れて、多機能電話機TEL11の鳴動(着信音発生)中の鳴動周期タイミングTRが2カウントの時間t2で着信(着信鳴動指示MRを受信)すると、鳴動周期タイミングTRの31カウントまで待機し、鳴動周期タイミングTRの次の0カウントから鳴動を開始する。
多機能電話機TELP1は、多機能電話機TELK1より遅れて、多機能電話機TELK1の鳴動開始(鳴動周期タイミングTRの0カウント)の時間t3で着信(着信鳴動指示MRを受信)すると、時間t3から直ちに鳴動を開始する。
したがって、多機能電話機TELK1と多機能電話機TELP1は、着信鳴動指示MRを受信するタイミングがずれていても、鳴動開始は同じになる。
また、多機能電話機TEL11、多機能電話機TELK1および多機能電話機TELP1は、着信鳴動パターンPRの鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)が同じタイミングになるので、時間t3以降の鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)が一致することになる。
以上説明したように、この発明に係る電話交換システム1において、構内交換機2は、定期的に内線端末(多機能電話機TEL11〜TELpn)の着信鳴動の鳴動および鳴動停止のインターを同期させるための同期情報JSを出力するとともに、着信呼を受信した場合、該当する内線端末(多機能電話機TEL11〜TELpn)に、着信鳴動指示MRを出力する制御装置5を備え、複数の内線端末(多機能電話機TEL11〜TELpn)は、構内交換機2から供給される同期情報JSに着信音の鳴動開始タイミングを合わせ、着信鳴動を実行する着信鳴動同期手段6を備えたので、同期情報JSに基づいて複数の内線端末(多機能電話機TEL11〜TELpn)の着信鳴動に関する同期を取り、着信鳴動指示MRを受信するタイミングが異なっても、着信鳴動の鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔)を着信鳴動している全ての内線端末で一致させることができ、着信鳴動の鳴動(着信音)と鳴動停止(着信音停止)の区別が明確になり、違和感のない着信鳴動を聞くことが可能になる。
次に、電話交換システムの着信鳴動同期方法について説明する。図8はこの発明に係る電話交換システムの着信鳴動同期方法の一実施の形態要部動作フロー図である。なお、動作フローは、図3を参照にして説明する。
図8において、ステップS1では、構内交換機から同期情報を受信する。なお、ステップS1の動作は、リセット手段12が実行する。
ステップS2では、同期情報に基づいて全内線端末が周期性タイミングカウンタをリセットし、周期性タイミングの同期を取る。なお、ステップS2の動作は、周期性タイミングカウンタ9が実行する。
ステップS3では、周期性タイミングに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングを発生する。なお、ステップS3の動作は、鳴動周期カウンタ10が実行する。
ステップS4では、構内交換機から着信鳴動指示を受信する。なお、ステップSの動作は、鳴動周期カウンタ10が実行する。
ステップS5では、着信鳴動指示の開始タイミングが鳴動周期タイミングに一致するか否かを判定する。なお、ステップS5の動作は、着信鳴動パターン発生手段11が実行する。
ステップS6では、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生する。なお、ステップS6の動作は、着信鳴動パターン発生手段11が実行する。
ステップS7では、鳴動周期タイミングの初期値まで待機させ、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生する。なお、ステップS7の動作は、着信鳴動パターン発生手段11が実行する。
ステップS8では、着信呼に応答すると、着信鳴動を停止する。なお、ステップS8の動作は、多機能電話機TEL11〜TELpnのハンドセットHS(図2参照)や電話機制御手段(図示せず)で実行する。
このように、この発明に係る電話交換システムの着信鳴動同期方法は、構内交換機から同期情報を受信するステップS1と、同期情報に基づいて全内線端末が周期性タイミングカウンタをリセットし、周期性タイミングの同期を取るステップS2と、周期性タイミングに対応させた整数分の1(1/n)周期の鳴動周期タイミングを発生するステップS3と、構内交換機から着信鳴動指示を受信するステップS4と、着信鳴動指示の開始タイミングが鳴動周期タイミングに一致するか否かを判定するステップS5と、一致する場合には、鳴動周期を鳴動および鳴動停止のインターにして、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生するステップS6と、一致しない場合には、鳴動周期タイミングの初期値まで待機させ、着信鳴動パターンで着信鳴動を発生するステップS7と、着信呼に応答すると、着信鳴動を停止するステップS8とを備えたので、同期情報に基づいて複数の内線端末の着信鳴動に関する同期を取り、着信鳴動指示を受信するタイミングが異なっても、着信鳴動の鳴動(着信音発生)と鳴動停止(着信音停止)のインター(時間間隔)を着信鳴動している全ての内線端末で一致させることができ、着信鳴動の鳴動(着信音)と鳴動停止(着信音停止)の区別が明確になり、違和感のない着信鳴動を聞くことが可能になる。