JP2007304238A - 電子写真用トナーとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着トナーにおける高離型性と、トナー低消費時においても外添剤の埋没によるトナーの凝集や弱帯電などに起因するハーフトーンの画像荒れやカブリを防止することにより、長期にわたって安定に高画質のフルカラー画像を得ることのできる電子写真用トナー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも着色粒子及び無機微粒子を含有する電子写真用トナーであって、該電子写真用トナーのガラス転移温度が20〜40℃であり、かつポリテトラフルオロエチレンとの界面付着力が1.0〜3.5Nであり、さらに該無機微粒子の少なくとも一種は数平均一次粒径が50〜300nmであり、BET比表面積が15〜50m2/gであることを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用トナーとその製造方法に関する。詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式による画像形成方法において用いられるトナー及びその製造方法に関する。
複写機の低消費電力化に伴い、低温定着可能な電子写真用トナー(以下、単に「トナー」という。)の開発が進められている。この低温定着化のための技術手段として、トナーのガラス転移温度(Tg)を低下させることにより、より低温でのトナーの融解・定着を可能にすることができる。しかしながらトナーの熱物性を低くすることにより凝集性・保存性が悪化し、機内での流動性の悪化や現像性の低下等、様々な副作用を引き起こすことが考えられるため、低Tg化と同時に高離型性との両立が求められる。
一方、トナーは流動性の付与などトナーとして必要な機能を持たせるために外添剤を付与することが必須である。そのような外添剤として、例えば小径のシリカ、チタニアなどが用いられる。
現在、画像のフルカラー化が進んでおり、それに伴って多種多様な印字パターンに対応することが望まれている。例えばオフィスでは全色を用いる写真画像のようなものより、黒の文字画像に少量のカラー部分が入るというような画像ニーズが高い。このような場合には、ある色は高印字率でトナーが多量消費されていくのに対し、印字率の低い色はトナーが低消費の状態で現像機内で長時間撹拌されることにより、外添剤の埋没による現像剤の劣化が生じる。特に低Tg化したトナーにおいては樹脂の柔らかさゆえに外添剤の埋没が発生しやすく、その結果トナーの凝集や弱帯電などが生じ、ハーフトーンの画像荒れやカブリといった画像欠陥を引き起こす。
この外添剤埋没防止手段としては、大径外添剤の添加や高Tgシェルのコア−シェルトナーのような検討がなされている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、上記トナーにおいても低Tgトナーにおける高離型性、トナーの低印字率時の外添剤埋没抑制の問題はいまだ解決されていない。
特開平11−174732号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温定着トナーにおける高離型性と、トナー低消費時においても外添剤の埋没によるトナーの凝集や弱帯電などに起因するハーフトーンの画像荒れやカブリを防止することにより、長期にわたって安定に高画質のフルカラー画像を得ることのできる電子写真用トナー及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
1.少なくとも着色粒子及び無機微粒子を含有する電子写真用トナーであって、該電子写真用トナーのガラス転移温度が20〜40℃であり、かつポリテトラフルオロエチレンとの界面付着力が1.0〜3.5Nであり、さらに該無機微粒子の少なくとも一種は数平均一次粒径が50〜300nmであり、BET比表面積が15〜50m2/gであることを特徴とする電子写真用トナー。
2.前記数平均一次粒径が50〜300nmの無機微粒子がシリカであることを特徴とする前記1に記載の電子写真用トナー。
3.前記数平均一次粒径が50〜300nmの無機微粒子の形状係数SF1が100〜120であることを特徴とする前記1又は2に記載の電子写真用トナー。
4.数平均一次粒径が50〜300nmの無機微粒子が湿式法で製造された無機粒子であることを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
5.少なくとも着色粒子及び無機微粒子を含有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用トナーを製造することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
本発明の上記構成により、低温定着トナーにおける高離型性と、トナー低消費時においても外添剤の埋没によるトナーの凝集や弱帯電などに起因するハーフトーンの画像荒れやカブリを防止することにより、長期にわたって安定に高画質のフルカラー画像を得ることのできる電子写真用トナー及びその製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも着色粒子及び無機微粒子を含有する電子写真用トナーであって、該電子写真用トナーのガラス転移温度が10〜40℃であり、かつポリテトラフルオロエチレンとの界面付着力が1.0〜3.5Nであり、さらに該無機微粒子の少なくとも一種は数平均一次粒径が50〜300nmであり、BET比表面積が15〜50m2/gであることを特徴とする。
トナー表面での小径外添剤の埋没抑制には、大径外添剤の存在が効果的である。しかしながら大径外添剤は、トナーとの付着力が小径外添剤に比べて弱くなるため、トナー表面から遊離しやすくなり、本来の目的の効果が得られにくいという問題があった。
そこで、本発明では、大径外添剤として用いる無機微粒子の粒径50〜300nm及びBET値15〜50m2/gのものを採用することによって上記課題を解決した。
以下、本発明とその構成要素について詳細な説明をする。
〔無機微粒子〕
本発明においては、大径外添剤として用いる無機微粒子の少なくとも一種は数平均一次粒径が50〜300nmであり、BET値は15〜50m2/gであることを要する。
大径外添剤の粒径は、50nm以下では他の外添剤とほぼ同じ大きさとなってしまうため、トナー同士の接触を妨げるスペーサーとして働かなくなり、目的の効果をあげることができない。また、300nm以上ではトナーとの付着力が弱くなり、トナー表面からの遊離が避けられなくなることから、スペーサー効果とトナーとの付着力との両立のため、大径外添剤の粒径は50〜300nmであり、好ましくは70〜120nmである。また、スペーサーとしての効果をばらつきなく発揮するためには、粒径分布が狭いことが好ましい。
本発明に係る「BET比表面積」とは、粒子表面への窒素付着量で表れる粒子の比表面積の指標であり、表面のミクロな凹凸度を表す数値である。数値が低いほど表面は平滑であり、数値が高いほどミクロな凹凸を形成している。本発明に係る外添剤としては、ある程度の凹凸を形成させることにより、トナー表面との接触点を増やすことによって付着力を高めて遊離しにくくするとともに、外部から受けるストレスを複数の接触点により分散させて大径外添剤自体のトナー表面への埋没も防止できるのである。ただし、BET値が大きすぎると小径外添剤が大径外添剤に付着しやすくなり、トナーの流動性が悪くなるという影響があるため、BET比表面積値が15〜50m2/gのものを使用する。
なお、当該BET比表面積は、自動比表面積測定装置 GEMINI 2360(島津−マイクロメリティックス社製)を用いて、窒素ガスを吸着させてBET多点法により測定した値である。
本発明に係る無機微粒子(外添剤)の形状は真球に近い球状であることが望ましい。形状が真球に近いほど、スペーサーとしてトナー同士の距離を常に一定に保持できることから、本発明で使用される無機微粒子は形状係数SF1が100〜120であることが好ましい。なお、粒子の形状を表す指標である形状係数SF1は、真球を100として、数値が100より大きいほど異形であることを表している。なお、形状係数SF1は下記の方法で測定できる。
〈形状係数SF1〉
本発明に係る形状係数SF1(以下において、「SF−1」とも記す。)は、走査型電子顕微鏡により、ランダムに100個以上の対象となる無機微粒子の写真を拡大率30000倍にて撮影し、スキャナーにより取り込んだ写真画像を、画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ製)を用いて測定した。形状係数SF1は下記式により算出されたものである。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
ここで、ML:無機微粒子の絶対最大長、A:無機微粒子の投影面積
本発明に係る無機微粒子としては、表面に疎水化処理をしたシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ等が挙げられるが、中でもシリカが好ましい。さらにそのシリカは、湿式法で製造されることが好ましい。湿式法としては特に限定されるものではなく、沈降法またはゾルゲル法が挙げられる。湿式法で製造されるシリカは粒径分布が狭く、さらに形状が真球に近い球状のものが得られる。また湿式法の特徴として、従来の乾式法で得られるものに比べて比表面積が大きくなることから、前述のトナーとの付着力向上と外添剤埋没防止の効果を得ることができる。また、該無機微粒子の表面処理法としては、ヘキサメチルシロキサンおよびメキサメチルジシラザンにより表面を疎水化したものが好ましい。
(本発明に使用されるトナー)
本発明に係るトナーとしては、ガラス転移温度が20〜40℃、より好ましくは30〜40℃、であり、かつPTFEとの界面付着力(Fr)が1.0〜3.5N、より好ましくは1.5〜3.0Nのものである。
トナーとPTFEとの界面付着力(Fr)とは、任意の温度下で溶融させたトナ−にPTFEで表面コートした部材を付着させた後、トナーより引き剥がすのに要する力のことをいうものである。
界面付着力が請求項に記載の範囲にあると、Tgが20〜40℃の低Tgトナーにおいても、トナーの引っ張りに対する強度を向上させることができ、感光体へのトナーのフィルミング防止、中間転写体からの画像支持体への転写性の向上、画像支持体上のトナー像のオフセット防止につなげることができるのである。
(ガラス転移温度の測定)
本発明に係るトナーのガラス転移温度は、DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。
測定手順としては、トナー4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤しアルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行った。
ガラス転移温度は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
(界面付着力の測定)
図1は、界面付着力(Fr)と内部凝集力(Ft)を測定する測定装置の一例を示す模式図である。
図1において、11xは昇降軸、12xはロードセル、13xは断熱部材、14xは加熱部材(パネルヒーター)、15xはヘッド部、17xは保持部材、18xはトナーのペレット、19xは当接面、20xは取り付け部材、21xはバネ、22xは基台、23xはデータ入力装置、24xはデータ解析装置を示す。
《界面付着力》
トナーとPTFEとの界面付着力の測定は、図1に記載の装置のヘッド部15xに、図2に記載のヘッド部を取り付けて行った。
図2は、界面付着力(Fr)を測定するヘッドの模式図である。
図2において、31xはFr測定用ヘッド部、32xは円柱型ヘッド、33xは熱電対、34xは耐熱性両面テープ、35xはPTFEでコートした部材を示す。尚、PTFEでコートした部材とは、層厚0.5mmのシリコンゴムに層厚20〜30μmのPTFEをコートした部材である。
測定装置は、例えば、図1に示すようなトナーペレット固定部材、引っ張り及び押圧部材(ヘッド)と、圧力及び温度をコントロールする制御装置という構成をとる。引っ張り強度試験機或いは伸長粘度測定装置に類する。
測定に使用するトナーは、ペレット状にプレス成型したものを使用する。トナーペレットはプレス時変形するので、上面と下面の平行は保証されていないため、トナーペレット上面が装置の基準面に当接するようトナーペレットを下から押し上げる構成にしてある。又、圧力センサー(ロードセル)は熱に弱いため、3段階の断熱手段を施した。ヘッドの加熱には、パネルヒーターを用い、ヘッド内部に設置する熱電対で温度コントロールする。
測定の準備としてまず、ヘッド部の円柱型ヘッド(径8mm、材質アルミニウムA5052)に耐熱性両面テープで、表面をPTFEでコートした部材を貼り付けた。次に、断熱材に設けたねじ部に、加熱部材(パネルヒータ)を挟んで、上記ヘッドをねじ込み固定する。ヘッド部に設けた穴に熱電対を奧まで差し込み温度調節器「E5CN−RTC」(オムロン社製)をONにし、測定温度に設定する。測定前に、テトラヒドロフランでPTFE表面を拭き取り、トナーペレットを取り付ける。トナーペレットの作製は、内径34.5mmの円形の塩化ビニルリングに、温度24±1℃、湿度50±5%RHで24時間放置したトナー2gを入れ、粉体圧縮装置で150kgの圧力で10秒間圧縮させて行った。
設定温度に到達した時点で、下記条件にて測定を開始し、ロードセルの電圧が最大となった値を読み、圧力換算した数値を界面付着力とする。
ヘッド降下速度:1mm/sec
ヘッド押圧:0.1N
ヘッド押圧保持時間:1sec
ヘッド引き上げ速度:50mm/sec
測定環境:24±1℃、50±5%RH
なお、本発明では、測定温度160℃、170℃、180℃の3点で各々界面付着力測定を行い、その平均値を界面付着力(Fr)とした。
界面付着力の調整方法としては、ワックスの種類、ワックスの量、トナーを構成する結着樹脂の組成・分子量設計、トナー内部の構造設計などがあり、中でもトナーを構成する結着樹脂の組成・分子量設計、トナー内部の構造設計が因子として重要である。
ここで、トナー内部の構造設計とは、樹脂特性の異なる樹脂をトナー内部でどのように存在させるのか、その存在状態を設計することを意味するものである。例えば、ガラス転移温度がトナー全体よりも高い樹脂粒子を、トナー表面近傍に存在させ、コア・シェル構造としたり、Tgの高い樹脂をトナー内部に分散状態で存在させたりする手法が考えられる。
トナー製法としては、ガラス転移温度が20〜40℃、PTFEとトナーとの界面付着力が1.0〜3.5Nになるトナーが得られれば特に限定されるものではなく、例えば、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融法、混練粉砕法等を挙げることができる。中でも、トナー内部の構造設計がしやすいという点で、乳化会合法が好ましく用いられる。乳化凝集法における、具体的なトナー内部の構造設計方法としては、(a)コア粒子形成後にシェル用樹脂粒子を付着融着させて、コア・シェル構造を取らせる手法や、(b)結着樹脂に疎水性樹脂と親水性樹脂を存在させて凝集融着させることにより、疎水性樹脂をトナー内部に親水性樹脂をトナー表面付近に存在させることによりコア・シェル構造とする手法、(c)樹脂粒子の凝集工程において、樹脂粒子Aが成長している過程で、特性の異なる樹脂粒子Bを添加し、さらに粒子成長を継続させ、樹脂粒子Bを分散状態で樹脂粒子A中に取り込む手法が挙げられる。
以下に、乳化凝集法にて上記(b)、(c)の手法を取り入れて本発明に係るトナーを製造する一例について説明する。
(1)離型剤をラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)親水性樹脂と疎水性樹脂とを有する樹脂粒子Aの分散液を調製するための重合工程(3)水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて凝集粒子を得る凝集工程
(4)凝集した凝集粒子を熱エネルギーにより融着させるとともに熟成して、親水性樹脂をトナー母体の表面に、疎水性樹脂を内部に配向させてコア・シェル構造のトナー母体を作製するとともに、樹脂粒子Bを樹脂粒子Aの成長過程において添加し、凝集を継続後、完結させる凝集工程
(5)凝集粒子を熱エネルギーで融着してトナー母体(会合粒子)を得る融着工程
(6)トナー母体の分散液を冷却する冷却工程
(7)冷却されたトナー母体の分散液から当該トナー母体を固液分離し、当該トナー母体から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー母体を乾燥する乾燥工程
(9)乾燥処理されたトナー母体に外添剤を添加する工程
以下、各工程について詳細に説明する。
〔溶解/分散工程〕
この工程は、ラジカル重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散させて、当該離型剤のラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
〔重合工程〕
この重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記離型剤を溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記水系媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良いし、重合反応を数段行っても良い。
この重合工程により、離型剤と親水性樹脂と疎水性樹脂とを有する樹脂粒子が得られる。かかる樹脂粒子は、着色された粒子であってもよく、着色されていない粒子であってもよい。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。又、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する融着工程において、樹脂粒子の分散液に、着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを融着させることでトナー母体とすることができる。
〔凝集・融着工程〕
樹脂粒子と、必要に応じ着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し凝集粒子を形成する。また、当該凝集工程においては、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、離型剤粒子や荷電制御剤、熱特性の異なる樹脂粒子などの内添剤粒子なども凝集させることができる。
具体的には、樹脂粒子Aの凝集を開始し、目標の粒径まで粒子の成長を進める。
例えば、体積基準におけるメディアン粒径(D50)6μmのトナーを作製する場合には
凝集粒子Aの粒径がトナー粒径の30〜70%に成長するまで凝集を進め、この段階で、樹脂粒子Bの分散液を添加する。樹脂粒子Bは樹脂粒子AよりTgが高いものが好ましく、樹脂粒子Bの添加量は、樹脂粒子Aに対して10〜80質量%添加することが好ましい。
樹脂粒子Bの分散液を添加した後、凝集をさらに進め、最終粒径まで粒子の成長を行う。凝集終了後、樹脂粒子Aの凝集体中に樹脂粒子Bが取り込まれる。
尚、この工程において、樹脂粒子A中に親水性樹脂と疎水性樹脂が存在する場合には、親水性樹脂を粒子の表面に、疎水性樹脂を内部へ配向させ、コア・シェル構造を有するトナー母体を形成することができるのである。
〔熟成工程〕
熟成とは、上記凝集・融着したトナーを、適正な円形度まで形状を調製することである。熟成は、熱エネルギー(加熱)により行う方法が好ましい。
〔冷却工程〕
この工程は、前記トナー母体の分散液を冷却処理する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
〔固液分離・洗浄工程〕
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー母体の分散液から当該トナー母体を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー母体をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー母体を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー母体の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー母体同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥されたトナー母体に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
本発明のトナーにおいては、前述の大径外添剤(無機微粒子)のスペーサー効果による外添剤埋防止の効果を得るためには、トナー母粒子は球形に近いことが望ましく、さらにクリーニング性も両立するためには、FPIA2100で測定される円形度が0.950〜0.980であることが好ましい。なお、トナーの円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。
〈円形度の測定〉
具体的には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散を1分行い分散した後、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある同一測定値が得られる。下記式にて定義された円形度を測定した。
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、全粒子数で割り算して算出した値である。
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、上述したトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
次に、トナーを構成する化合物(結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤、外部添加剤)について説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂を構成する樹脂粒子A及び樹脂粒子Bを形成する重合性単量体としては、公知のものを使用することができる。具体的には、スチレンとアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体と、イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。
樹脂粒子を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
尚、樹脂粒子Bの形成には、樹脂粒子Aよりガラス転移温度(Tg)が高くなるような重合性単量体を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明に係るガラス転移温度(Tg)の測定は、示差走査カロリーメーター「DSC−7」(パーキンエルマー社製)、熱分析装置コントローラー「TAC7/DX」(パーコンエルマー社製)を用いて行うことができる。
操作手順としては、測定サンプル4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(KitNo.0219−0041)に封入し、「DSC−7サンプルホルダー」にセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−Cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行った。
ガラス転移温度は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間の最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
又、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
又、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
又、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。又、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明に用いられる離型剤は、公知の化合物を用いることができる。
このようなものとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、取りメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
トナーに含有される離型剤の量は、トナー全体に対し1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
(荷電制御剤)
本発明に係るトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
(外添剤)
本発明のトナーには、本発明に係る上記の特定物性の無機微粒子の他に、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤(「外部添加剤」ともいう。)を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
この無機微粒子としては、本発明に係る上記の特定物性の無機微粒子の他に、シリカ、チタニア、アルミナなどの種々の無機酸化物粒子を使用することが好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形のものを使用することができる。この有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。
これらの外添剤の添加割合は、トナーにおいて0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%となる割合である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
(現像剤)
本発明に係るトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、或いはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの粒子径は、20〜100μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
キャリアの粒子径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂によりコートされているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コート用の樹脂としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらの中では、スチレン−アクリル樹脂でコートしたコートキャリアが外部添加剤の離脱防止や耐久性を確保できより好ましい。
本発明のトナーにおいては、前述の大径外添剤(無機微粒子)のスペーサー効果による外添剤埋防止の効果を得るためには、トナー母粒子は球形に近いことが望ましく、さらにクリーニング性も両立するためには、FPIA2100で測定される円形度が0.950〜0.980であることが好ましい。なお、トナーの円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。
〈円形度の測定〉
具体的には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散を1分行い分散した後、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある同一測定値が得られる。下記式にて定義された円形度を測定した。
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、全粒子数で割り算して算出した値である。
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は 、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、上述したトナーの製造方法におい て、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成 によって制御することができる。
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
〔画像形成方法〕
本発明のトナーは、特に、トナー像が形成された転写材を、接触加熱方式の定着装置において定着させる画像形成方法に好適に使用することができる。
図3は、本発明のトナーによる画像形成方法に用いられる画像形成装置の一例を示す説明図である。
この画像形成装置は、4組の画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Bkが中間転写体である中間ベルト14aに沿って設けられた構成のタンデム方式のカラー画像形成装置である。
各画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Bkは、円筒状の基体の外周面上に導電層および有機感光体(OPC)よりなる光導電体層が形成されたものであって、図示しない駆動源からの動力により、あるいは中間ベルト14aに従動し、導電層が接地された状態で反時計方向に回転される感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bkと、スコロトロン帯電器よりなる、感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bkの移動方向に対して直交する方向に配設されてトナーと同極性のコロナ放電によって、当該感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bkの表面に一様な電位を与える帯電手段11Y、11M、11C、11Bkと、例えばポリゴンミラーなどによって感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bkの回転軸と平行に走査を行い、一様に帯電された感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bkの表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより潜像を形成させる露光手段12Y、12M、12C、12Bkと、回転する現像スリーブ131Y、131M、131C、131Bkを備え、この上に保持されたトナーを感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bkの表面に搬送する現像手段13Y、13M、13C、13Bkとを有する構成とされている。
ここで、画像形成ユニット100Yによれば黄色のトナー像が形成され、画像形成ユニット100Mによればマゼンタ色のトナー像が形成され、画像形成ユニット100Cによればシアン色のトナー像が形成され、画像形成ユニット100Bkによれば黒色のトナー像が形成される。
このような画像形成装置においては、各画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Bkの感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bk上に形成された各色のトナー像が、タイミングを合わせて搬送される転写材P上に転写手段14Y、14M、14C、14Bkにより順次転写して重ね合わせられることにより、カラートナー像が形成され、2次転写手段14bにおいて転写材P上に一括して転写され、分離手段16によって中間ベルト14aから分離されて定着装置17において定着され、最終的に、排出口18から機外に排出される。
〔定着装置〕
以上の画像形成方法に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式を挙げることができ、接触加熱方式としては、例えば、熱圧定着方式、熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を好適に挙げることができる。
図4は、本発明のトナーが使用される画像形成装置における定着装置の構成の一例を示す断面図である。
この定着装置30は、加熱ローラ31と、これに当接する加圧ローラ32とを備えるものである。なお、図4において、Tは転写材P上に形成されたトナー像であり、33は、分離爪である。
加熱ローラ31は、芯金31bの表面にフッ素樹脂または弾性体からなる被覆層31cが形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材31aを内包している。
芯金31bは、金属あるいはこれらの合金から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金31bを構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅などの金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
芯金31bの肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同などの強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層31cがフッ素樹脂からなる場合は、このフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
フッ素樹脂からなる被覆層31cの厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつき易く、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
また、被覆層31cが弾性体からなる場合は、この弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
弾性体からなる被覆層31cの厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
また、被覆層31cを構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
加熱部材31aとしては、例えばハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラ32は、弾性体からなる被覆層32bが芯金32aの表面に形成されてなる。被覆層32bを構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げることができ、加熱ローラ31の被覆層31cを構成するものとして例示したシリコーンゴム及びシリコーンスポンジゴムを用いることが好ましい。
また、芯金32aを構成する材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金をあげることができる。
また、被覆層32bの厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
図4に示した定着装置による定着条件の一例を示せば、定着温度(加熱ローラ31の表面温度)が70〜210℃とされ、定着線速が80〜640mm/secとされる。また、加熱ローラ31および加圧ローラ32により形成される定着ニップNのニップ幅が8〜40mm、好ましくは11〜30mmとされる。さらに、加熱ローラ31と加圧ローラ32との当接荷重が40〜350Nとされ、好ましくは50〜300Nとされる。
図5は、本発明のトナーが使用される画像形成装置における定着装置の構成の別の一例を示す説明図である。
この定着装置40は、ハロゲンランプよりなる加熱源41aを有する加熱ローラ41と、当該加熱ローラ41と平行な状態において離間して配設される支持ローラ42と、加熱ローラ41および支持ローラ42に張架された無端状の定着ベルト43と、当該定着ベルト43を介して支持ローラ42に押圧して定着ニップ部Nを形成する対向ローラ44とを有するものである。
定着ベルト43は、例えば、肉厚約40μmのNi電鋳基体または肉厚50〜100μmのポリイミド製基体の外周面上に、肉厚約200μmのSiゴム層が形成され、このSiゴム層の外周面上に肉厚約30μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)よりなる被覆層が形成されたものであることが好ましい。
〔定着温度〕
本発明の画像形成方法においては、定着装置の定着温度(定着部材の表面温度)が離型剤の融点よりも好ましくは10〜50℃、さらに好ましくは20〜40℃高い温度とされる。なお、融点ピークが複数存在する場合においては、その中で最も高い融点ピーク温度よりも上記範囲だけ高い温度とされる。
〔転写材〕
本発明のトナーによる画像が形成される転写材は、トナー像を保持する支持体であって、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以上のトナーによれば、トナーに含有される離型剤が特定の第1の離型剤成分および第2の離型剤成分よりなるために、離型剤が全体として低融点でありながら気化成分を発生させにくい構造のものとなり、基本的に低温の定着温度においても十分な分離性が得られ、しかも、形成される定着画像において帯状やスジ状の画像欠陥を発生させず、良好な定着画像を得ることができる。
具体的には、第1の離型剤成分である直鎖状炭化水素化合物、および、第2の離型剤成分である分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物の両方が低融点であり、さらに前記直鎖状炭化水素化合物はそれ自体の単純な構造により極めて溶融しやすい物質であるため、低温の定着温度による定着が行われても離型剤全体として十分な分離性が発揮される。しかも、前記分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物は気化成分を発生させにくい物質であることにより、離型剤が全体として気化成分の発生が抑制される。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
(トナー用母体粒子1の作製)
(樹脂粒子Aの製造)
第一段重合
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8gをイオン交換水3Lを仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子(1H)」とする。
スチレン 480g
n−ブチルアクリレート 250g
メタクリル酸 68.0g
n−オクタンチオール 16.0g
第二段重合
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7gをイオン交換水800mlに溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、前記樹脂粒子(1H)を260gと、下記単量体溶液を90℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機CLEARMIX(エム・テクニック(株)製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
スチレン 223g
n−ブチルアクリレート 142g
n−オクタンチオール 1.5g
ポリエチレンワックス(融点70℃) 190g
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(1HM)」とする。
第三段重合
さらに、過硫酸カリウム11gをイオン交換水400mlに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、
スチレン 405g
n−ブチルアクリレート 162g
メタクリル酸 33g
n−オクタンチオール 8g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子A」とする。
樹脂粒子Aを一部採取し洗浄乾燥後測定したところTgは21℃であった。
(樹脂粒子Bの製造)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム2.3gをイオン交換水3Lを仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子B」の分散液とする。
スチレン 520g
n−ブチルアクリレート 210g
メタクリル酸 68.0g
n−オクタンチオール 16.0g
樹脂粒子Bの分散液を一部採取し洗浄乾燥後測定したところTgは48℃であった。
(着色剤分散液の作製)
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、C.I.ピグメントブルー15:3を420g徐々に添加し、次いで、攪拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。これを、「着色剤分散液1」とする。この着色剤分散液1における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(凝集・融着工程)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、樹脂粒子Aを固形分換算で300gと、イオン交換水1400gと、「着色剤分散液1」120gと、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水120mlに溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35gをイオン交換水35mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が3.1μmになった時点で、樹脂粒子Bの分散液を260g添加し、さらに粒子成長反応を継続させた。所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温度98℃にて加熱攪拌することにより、FPIA−2100による測定で円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、攪拌を停止した。
(洗浄・乾燥工程)
凝集・融着工程にて生成した粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー用母体粒子1を作製した。
(トナー用母体粒子2の作製)
トナー用母体粒子1の作製において、樹脂粒子Aの第2段重合の重合単量体質量をスチレン245g、n−ブチルアクリレートを120gに、第3段重合の重合単量体質量をスチレン423g、n−ブチルアクリレートを144g、メタクリル酸を33gに変更した以外は同様にしてトナー用母体粒子2を作製した。
(トナー用母体粒子3の作製)
トナー用母体粒子1の作製において、樹脂粒子Aの第2段重合の重合単量体質量をスチレン263g、n−ブチルアクリレートを102gに、第3段重合の重合単量体質量をスチレン423g、n−ブチルアクリレートを144g、メタクリル酸を33gに変更した以外は同様にしてトナー用母体粒子3を作製した。
(トナー用母体粒子4の作製)
トナー用母体粒子1の作製において、樹脂粒子Aの第2段重合の重合単量体質量をスチレン274g、n−ブチルアクリレートを91gに変更し、(凝集・融着工程)において樹脂粒子Bを添加せずに作製した以外は同様にしてトナー用母体粒子4を作製した。
(50〜300nmの無機微粒子の作製)
湿式法および乾式法における反応時間および製造時間などにより、表1に示した無機微粒子1〜7を作製した。
(トナー1〜10の作製)
上記で得られたトナー用母体粒子1に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1質量%、疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)を0.3質量%および表1に記載の50〜300nmの無機微粒子を1質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、トナー1を作製した。
(トナー2〜10の作製)
トナー1において、トナー用母体粒子および50〜300nmの無機微粒子を表1に記載のように変更するほかは同様にしてトナー2〜10を作製した。
Figure 2007304238
(現像剤の作製)
表1に記載のトナー粒子の各々に対してシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の現像剤を調製した。
<評価>
画像評価は、プリント画像電子写真方式を採用する市販の複合機「bizhub Pro C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を使用してシアントナー単色にて画像を出し評価を行った。
(低温定着性評価)
低温定着性は、画像評価装置の加熱ローラの表面温度(ローラの中心部で測定)を90〜130℃の範囲で5℃刻みで変化させ、それぞれの表面温度の際に、搬送方向に対して垂直方向に5mm幅のべた黒帯状画像と20mm幅のハーフトーン画像を有するA4画像を横送りで搬送し、定着オフセットに起因する画像汚れが発生しない温度領域(非オフセット領域)により判定を行った。
評価基準
◎:非オフセット領域の下限温度が110℃以下であり、かつ温度領域が15℃以上。
○:非オフセット領域の下限温度が120℃以下であり、かつ温度領域が15℃未満。
×:非オフセット領域の下限温度が125℃以上。
尚、下記の評価項目における判定としては、◎〜△が合格レベルであり、×が不合格レベルとする。
(ハーフトーン画像荒れ評価)
フルカラー用トナーにおいて低消費状態となるトナーを想定して、強制的にトナーにストレスをかけた評価として下記の評価を実施した。
現像機内に20℃/湿度50%の環境中で2時間以上調湿した現像剤を投入し、ハーフトーン画像を出力する。続いてその現像器を55℃/湿度35%の環境中で1時間調湿後、1時間撹拌することで現像剤に熱的および物理的なストレスを与える。そして現像器を再度複写機に投入してハーフトーン画像の出力を行い、ストレスを加えた後の画像を得る。このストレスを加えた後の画像のざらつき感を、目視により10段階に分別し、数値が高いものほどざらつきなくきめ細かなハーフトーン画像であるとして評価した。
◎:10〜9点(ほとんどざらつきがなく、きめ細かなハーフトーン画像)
○:8〜6点(ややざらつき感じるが、問題ないレベル)
△:5〜4点(ざらつき感を感じ、むらが気になるレベル)
×:3〜1点(ざらつき感がひどく、容認できないレベル)
(カブリ評価)
上記ハーフトーン画像荒れ評価に用いたハーフトーン画像を用いて、カブリ評価を行った。カブリ濃度の測定は、まず印字されていない白紙について、マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、白紙濃度とする。次に評価形成画像の白地部分について、同様に20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。カブリ濃度が0.010以下であれば、カブリは実用的に問題ないといえる。
◎:0.003未満
○:0.003〜0.006未満
△:0.006〜0.010以下
×:0.010より大きい値
上記評価結果を表2に示す。
Figure 2007304238
表2から明らかなように、本発明のトナーは、低温定着性、ハーフトーン部の画像荒れ防止性及びカブリ防止性に優れていることが分かる。
界面付着力(Fr)と内部凝集力(Ft)の測定装置の一例を示す模式図 界面付着力(Fr)を測定するヘッドの模式図 本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を示す説明図 画像形成装置における定着装置の構成の一例を示す断面図 画像形成装置における定着装置の構成の別の一例を示す断面図
符号の説明
11x 昇降軸
12x ロードセル
13x 断熱部材
14x 加熱部材(パネルヒーター)
15x ヘッド部
17x 保持部材
18x トナーのペレット当接面
19x 当接面
20x 取り付け部材
21x バネ
22x 基台
23x データ入力装置
24x 解析装置
31x Fr測定用ヘッド部
32x 円柱型ヘッド
33x 熱電対
34x 耐熱性両面テープ
35x PTFEフィルム
10Y、10M、10C、10Bk 感光体ドラム
11Y、11M、11C、11Bk 帯電手段
12Y、12M、12C、12Bk 露光手段
13Y、13M、13C、13Bk 現像手段
131Y、131M、131C、131Bk 現像スリーブ
14a 中間ベルト
14Y、14M、14C、14Bk 転写手段
14b 2次転写手段
16 分離手段
17 定着装置
18 排出口
30 定着装置
31 加熱ローラ
31a 加熱部材
31b 芯金
31c 被覆層
32 加圧ローラ
32a 芯金
32b 被覆層
33 分離爪
40 定着装置
41 加熱ローラ
41a 加熱源
42 支持ローラ
43 定着ベルト
44 対向ローラ
100Y、100M、100C、100Bk 画像形成ユニット
T トナー像
N 定着ニップ部
P 転写材

Claims (5)

  1. 少なくとも着色粒子及び無機微粒子を含有する電子写真用トナーであって、該電子写真用トナーのガラス転移温度が20〜40℃であり、かつポリテトラフルオロエチレンとの界面付着力が1.0〜3.5Nであり、さらに該無機微粒子の少なくとも一種は数平均一次粒径が50〜300nmであり、BET比表面積が15〜50m2/gであることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記数平均一次粒径が50〜300nmの無機微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記数平均一次粒径が50〜300nmの無機微粒子の形状係数SF1が100〜120であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 数平均一次粒径が50〜300nmの無機微粒子が湿式法で製造された無機粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  5. 少なくとも着色粒子及び無機微粒子を含有する電子写真用トナーの製造方法であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用トナーを製造することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014149480A (ja) * 2013-02-04 2014-08-21 Konica Minolta Inc 静電潜像現像用現像剤及び電子写真画像形成方法

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