JP2007303225A - 窓枠撤去方法並びに窓枠撤去用の楔駆動装置 - Google Patents
窓枠撤去方法並びに窓枠撤去用の楔駆動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007303225A JP2007303225A JP2006134578A JP2006134578A JP2007303225A JP 2007303225 A JP2007303225 A JP 2007303225A JP 2006134578 A JP2006134578 A JP 2006134578A JP 2006134578 A JP2006134578 A JP 2006134578A JP 2007303225 A JP2007303225 A JP 2007303225A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wedge
- window frame
- guide
- wedge means
- support
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Door And Window Frames Mounted To Openings (AREA)
- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
Abstract
【課題】油圧を用いて、振動や騒音、粉塵の発生しない方法で、コンクリート造建物の窓枠周りのモルタルと窓枠を一緒に躯体から分離し撤去する方法と装置を実現する。
【解決手段】窓枠周りのモルタルと躯体との境位置に楔手段を油圧で圧入して、モルタルと窓枠を一緒に躯体から剥離し、分離除去することを特徴とする窓枠の撤去方法である。この方法によると、窓枠の各部を分離することによって、窓枠の全周を分離撤去できる。また、油圧で楔を圧入するので、短時間にしかも騒音や振動、粉塵を伴うことなしに、窓枠の撤去が可能となる。楔駆動専用の装置を用いると、分離撤去作業は容易である。
【選択図】 図2
【解決手段】窓枠周りのモルタルと躯体との境位置に楔手段を油圧で圧入して、モルタルと窓枠を一緒に躯体から剥離し、分離除去することを特徴とする窓枠の撤去方法である。この方法によると、窓枠の各部を分離することによって、窓枠の全周を分離撤去できる。また、油圧で楔を圧入するので、短時間にしかも騒音や振動、粉塵を伴うことなしに、窓枠の撤去が可能となる。楔駆動専用の装置を用いると、分離撤去作業は容易である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、コンクリート造建物における窓枠を、低騒音・低振動下で粉塵の発生無しに撤去可能とする工法並びに撤去用の楔駆動装置に関する。
コンクリート造建物における窓枠の交換などに際して窓枠を撤去するには、削岩機を用いて窓枠周辺のモルタルを破壊する手法が多いが、騒音や振動が激しいため、騒音や振動の少ない方法が模索されている。例えば、特開平11−107636号公報に記載のように、窓枠周りのモルタルに屋内側又は屋外側に開放する開口を形成した後、この開口から膨張剤を充填して、膨張剤の体積膨張を利用してモルタルの破砕を生じさせる方法が提案されている。膨張剤注入用の開口は、超音波切削加工によって開ける。
特開平11−107636号
ところが、膨張剤の体積膨張を利用してモルタルのみを破壊する方法をテストしてみたところ、円滑かつ確実に破壊することは困難で、また破壊に長時間を要するなど、実用上の問題がある。本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、短時間で確実に窓枠を撤去可能とするために、油圧を用いて、振動や騒音、粉塵の発生しない方法で、窓枠周りのモルタルと窓枠を一緒に躯体から剥離し分離除去する方法と装置を実現することにある。
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、コンクリート造の建物において、窓枠周りのモルタルと躯体との境位置に楔手段を油圧で圧入して、モルタルと窓枠を一緒に躯体から剥離し、分離除去することを特徴とする窓枠の撤去方法である。このように、コンクリート造の建物において、窓枠周りのモルタルと躯体との境位置に楔手段を油圧で圧入して、モルタル部と窓枠を一緒に躯体から剥離し、分離除去する工法を採っているため、窓枠の各部を分離することによって、窓枠の全周を分離撤去できる。加えて、油圧で楔を圧入するので、短時間にしかも騒音や振動、粉塵を伴うことなしに、窓枠の撤去が可能となる。
請求項2は、前記の楔手段を室内側から圧入する際に、前記楔手段と対向する外壁外面に圧力受け手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の窓枠の撤去方法である。このように、前記の楔手段を室内側から油圧手段で圧入する際に、前記楔手段と対向する外壁外面に圧力受け手段を設けるため、楔手段圧入部位のみのモルタルや窓枠のみを剥離でき、その他の部分を破壊したりする恐れがない。
請求項3は、前記の楔手段は、躯体側は壁面と直角をなし、モルタル又は窓枠側が傾斜していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窓枠の撤去方法である。このように、前記の楔手段は、躯体側は壁面と直角をなし、モルタル又は窓枠側が傾斜しているので、油圧手段で楔手段を前進させると、躯体側は損傷せずに、楔手段の傾斜面によってモルタル又は窓枠のみを躯体側から剥離方向に移動でき、確実に分離可能となる。
請求項4は、L字状の長辺がガイド兼支持体となり、短辺が受圧部となる本体を有し、前記ガイド兼支持体の所定の位置に固定支持された基体に対し、前記の受圧部に向けた楔手段が前記ガイド兼支持体と平行に往復動する構造としてなることを特徴とする楔手段駆動装置である。このように、L字状の長辺がガイド兼支持体となり、短辺が受圧部となる本体を有し、前記ガイド兼支持体の所定の位置に固定支持された基体に対し、前記の受圧部に向けた楔手段を前記ガイド兼支持体と平行に往復動する構造としてあるため、楔手段を油圧で前進させることによって、楔手段を躯体とモルタルや窓枠との間に圧入し、分離できる。また、壁面の外側には、前記のガイド兼支持体と一体の受圧部が位置していて、この受圧部と楔手段との間に壁体を挟む格好になるので、構造が簡素で堅牢となり、かつ壁体などを破損することなしに、モルタルや窓枠のみを確実に分離し撤去できる。
請求項5は、前記基体の背面に油圧シリンダーを配設し、該油圧シリンダーで前記楔手段を駆動することを特徴とする請求項4に記載の楔手段駆動装置である。このように、前記基体の背面に油圧シリンダーを配設し、該油圧シリンダーで前記楔手段を駆動する構造となっているので、騒音や振動、粉塵発生を伴うことなしに、かつ迅速に楔手段を駆動して、モルタルや窓枠を剥離撤去できる。
請求項6は、前記基体と前記油圧シリンダーとの間に、楔手段の前後動位置調節手段を有していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の楔手段駆動装置である。このように、前記基体と前記油圧シリンダーとの間に、楔手段の前後動位置調節手段を有しているので、工事現場の壁体の厚み寸法や形状などに応じて、楔手段の前後動位置を調節してから、現場にセットできる。その後は、調整なしに、油圧シリンダーで楔手段の駆動を繰り返すだけであるから、作業性がよく、効率的に短時間に窓枠を撤去できる。
請求項7は、前記のガイド兼支持体の内側はT字状の両突部を有していて、前記両突部にガイドされるスライダーに楔ホルダーが固定されていることを特徴とする請求項4、請求項5または請求項6に記載の楔手段駆動装置である。このように、前記のガイド兼支持体の内側はT字状の両突部を有していて、前記両突部にガイドされるスライダーに楔ホルダーが固定されているため、楔手段はガイド兼支持体に正確にガイドされながら前進して圧入されるので、目的とする部位のモルタルと窓枠を確実に分離できる。また、ガイド部分は、前記のガイド兼支持体の内側をT字状の両突部を設けた形状であるため、ガイド機能に加えて、ガイド兼支持体の補強も兼ねている。したがって、楔圧入時に、装置全体が変形したり破損したりする恐れはない。
請求項8は、前記のガイド兼支持体の背部に一定間隔に凹凸を設けて位置決め手段とし、前記の基体は、前記凹凸と嵌合して所定位置にロック可能な構造としたことを特徴とする請求項4から請求項7までのいずれかの項に記載の楔手段駆動装置である。このように、前記のガイド兼支持体の背部に一定間隔に凹凸を設けて位置決め手段とし、前記の基体は、前記凹凸と嵌合して所定位置にロック可能な構造としてあるため、壁体の厚み寸法や周辺の形状などに応じて、楔手段や油圧シリンダーを保持している基体の前後位置を調節できる。したがって、前記の楔位置調節手段と相まって楔位置の調節が一層自由になる。
請求項9は、前記の楔手段の先端は、前記のガイド兼支持体側が傾斜し、その背部側は前記ガイド兼支持体と平行になっていることを特徴とする請求項4から請求項8までのいずれかの項に記載の楔手段駆動装置である。このように、前記の楔手段の先端は、前記のガイド兼支持体側が傾斜し、その背部側は前記ガイド兼支持体と平行になっているため、躯体側は損傷したりしないで、モルタルや窓枠のみを剥離し除去できる。
請求項10は、前記ガイド兼支持体と前記の受圧部との成す隅部内に、前記ガイド兼支持体と平行な受け面を有するストッパーを有し、前記ガイド兼支持体と受け面との間隔を調節可能となっていることを特徴とする請求項4から請求項9までのいずれかの項に記載の楔手段駆動装置である。このように、前記ガイド兼支持体と前記受圧部との成す隅部内に、前記ガイド兼支持体と平行な受け面を有する当て手段を有しているので、この当て手段を建物の壁面に当てることによって、楔駆動装置を所定の位置に安定良く位置決めセットできる。また、このストッパーの受け面と前記ガイド兼支持体との間隔を調節可能となっているので、現場の状況に応じて当て手段の位置を調節し、対応できる。
請求項1のように、コンクリート造の建物において、窓枠周りのモルタルと躯体との境位置に楔を油圧で圧入して、モルタル部と窓枠を一緒に躯体から剥離し、分離除去する工法を採っているため、窓枠の各部を分離することによって、窓枠の全周を分離撤去できる。加えて、油圧で楔を圧入するので、短時間にしかも騒音や振動、粉塵を伴うことなしに、窓枠の撤去が可能となる。
請求項2のように、前記の楔手段を室内側から油圧手段で圧入する際に、前記楔手段と対向する外壁外面に圧力受け手段を設けるため、楔手段圧入部位のみのモルタルや窓枠のみを剥離でき、その他の部分を破壊したりする恐れがない。
請求項3のように、前記の楔手段は、躯体側は壁面と直角をなし、モルタル又は窓枠側が傾斜しているので、油圧手段で楔手段を前進させると、躯体側は損傷せずに、楔手段の傾斜面によってモルタル又は窓枠のみを躯体側から剥離方向に移動でき、確実に分離可能となる。
請求項4のように、L字状の長辺がガイド兼支持体となり、短辺が受圧部となる本体を有し、前記ガイド兼支持体の所定の位置に固定支持された基体に対し、前記の受圧部に向けた楔手段を前記ガイド兼支持体と平行に往復動する構造としてあるため、楔手段を油圧で前進させることによって、楔手段を躯体とモルタルや窓枠との間に圧入し、分離できる。また、壁面の外側には、前記のガイド兼支持体と一体の受圧部が位置していて、この受圧部と楔手段との間に壁体を挟む格好になるので、構造が簡素で堅牢となり、かつ壁体などを破損することなしに、モルタルや窓枠のみを確実に分離し撤去できる。
請求項5のように、前記基体の背面に油圧シリンダーを配設し、該油圧シリンダーで前記楔手段を駆動する構造となっているので、騒音や振動、粉塵発生を伴うことなしに、かつ迅速に楔手段を駆動して、モルタルや窓枠を剥離撤去できる。
請求項6のように、前記基体と前記油圧シリンダーとの間に、楔手段の前後動位置調節手段を有しているので、工事現場の壁体の厚み寸法や形状などに応じて、楔手段の前後動位置を調節してから、現場にセットできる。その後は、調整なしに、油圧シリンダーで楔手段の駆動を繰り返すだけであるから、作業性がよく、効率的に短時間に窓枠を撤去できる。
請求項7のように、前記のガイド兼支持体の内側はT字状の両突部を有していて、前記両突部にガイドされるスライダーに楔ホルダーが固定されているため、楔手段はガイド兼支持体に正確にガイドされながら前進して圧入されるので、目的とする部位のモルタルと窓枠を確実に分離できる。また、ガイド部分は、前記のガイド兼支持体の内側をT字状の両突部を設けた形状であるため、ガイド機能に加えて、ガイド兼支持体の補強も兼ねている。したがって、楔圧入時に、装置全体が変形したり破損したりする恐れはない。
請求項8のように、前記のガイド兼支持体の背部に一定間隔に凹凸を設けて位置決め手段とし、前記の基体は、前記凹凸と嵌合して所定位置にロック可能な構造としてあるため、壁体の厚み寸法や周辺の形状などに応じて、楔手段や油圧シリンダーを保持している基体の前後位置を調節できる。したがって、前記の楔位置調節手段と相まって楔位置の調節が一層自由になる。
請求項9のように、前記の楔手段の先端は、前記のガイド兼支持体側が傾斜し、その背部側は前記ガイド兼支持体と平行になっているため、躯体側は損傷したりしないで、モルタルや窓枠のみを剥離し除去できる。
請求項10のように、前記ガイド兼支持体と前記受圧部との成す隅部内に、前記ガイド兼支持体と平行な受け面を有する当て手段を有しているので、この当て手段を建物の壁面に当てることによって、楔駆動装置を所定の位置に安定良く位置決めセットできる。また、このストッパーの受け面と前記ガイド兼支持体との間隔を調節可能となっているので、現場の状況に応じて当て手段の位置を調節し、対応できる。
次に本発明による窓枠撤去方法並びに窓枠撤去用の楔駆動装置が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は、コンクリート造における既存の窓枠設置状態を示す縦断面図で、コンクリート壁aに開けた開口の天井部にアルミサッシュ(以下「窓枠」と呼ぶ)の上枠bがモルタルcで固定されている。同様に、窓枠の下枠dもモルタルeでコンクリート壁aに固定されている。左右の縦方向の窓枠も同様にして、モルタルでコンクリート開口の内部に固定されている。
本発明による窓枠撤去方法では、上枠側はコンクリート躯体aとモルタルcとの境部B1に楔を圧入することによって、モルタルcと上窓枠bとを一緒に躯体aから剥離し分離する。このような分離操作を、上枠全長において例えば30cm間隔に行なう。下枠d側も同様にして、コンクリート躯体aとモルタルeとの境部B2に楔を圧入することによって、モルタルeと下側枠dとを一緒に躯体aから剥離し分離する。左右の縦方向の枠についても、同様にして例えば30cm間隔に楔を圧入して分離することによって、窓枠全長に渡って躯体から分離し、撤去する。なお、分離・撤去作業の邪魔にならないように、内装部を予め除去しておくことは言うまでもない。
図2は、前記の境部B1に楔1を圧入すべく、楔駆動装置をセットした状態で、楔1のホルダー2が油圧シリンダー3で前後方向に駆動される。ガイド兼支持体4のL字状の先端5が受圧部となっていて、コンクリート壁体aの外面に当接している。L字状の隅部内に固定されたストッパー6をコンクリート壁開口の下面に当てて、装置を位置決めしている。楔1や油圧シリンダー3を保持している基体7は、ガイド兼支持体4と連結固定されており、ガイド兼支持体4の背部に一定間隔で形成された連続凹凸8によって、楔1の進退位置を位置決めしている。楔1のホルダー2は、ガイド兼支持体の内側の断面T字状の両突部Gにガイドされながら、前進・後退する。油圧シリンダー3は、楔位置調節筒9を介して基体7に連結されており、油圧シリンダー3中のピストンロッドは、楔位置調節筒9および基体7の内部を貫通して、楔ホルダー2と連結されている。
したがって、図示のようにセットした状態で、油圧シリンダー3の右側のポートP1から給油し、左側のポートP2から排油してピストンロッドを左側に前進させると、楔1とホルダー2がガイド兼支持体の両突部Gにガイドされながら前進して、楔1が、コンクリート躯体aとモルタルc間の境部B1に圧入される。楔1は、ガイド兼支持体4側が傾斜しており、背面がガイド兼支持体4と平行になっているため、楔1が油圧シリンダーで前進すると、モルタルcと窓枠bがガイド兼支持体4側に剥離され、次いで分離する。そして、図3のように、モルタルcの終端まで楔1の先端が前進すると、楔1の厚さ分だけ、モルタルcと窓枠bが下側にずれて分離する。このような操作を窓枠の全周にわたって例えば30cm置きに行なうと、窓枠全体がコンクリート開口から分離するので、そのまま撤去可能となる。
次に、楔駆動装置の詳細を図4以下において詳述する。楔駆動装置はL字状の本体を有していて、L字状の長辺側がガイド兼支持体4となり、短辺側が受圧部5となっている。そして、アーム状に延びたガイド兼支持体4の所定の位置に基体7が連結固定されている。前記の受圧部5と対向するように設けた楔1は、ホルダー2に取付け固定されており、図5で示すように、前記ガイド兼支持体4と平行方向に往復動する構造になっている。すなわち、ガイド兼支持体4は断面T字状をしていて、楔1側が両側に突出している。この両突部G・Gを抱くようにスライダー10をホルダー2に連結固定してある。したがって、図の後方も同様なガイド構造になっている。したがって、楔1は、両突部G・Gを抱いて移動するスライダー10及びホルダー2と共に往復移動するので、楔1はガイド兼支持体に正確にガイドされながら往復動する。ガイド兼支持体4及び受圧部5は、前記のように断面T字状をしているため、補強上も好都合で、堅牢となる。
前記基体7の背面、すなわち楔1とは反対側の面に楔位置調節筒9を回転可能に取付けてあり、その背部に油圧シリンダー3を連結してある。そして、図6のように、楔位置調節筒9の中を貫通しているピストンロッド11が基体7を貫通して楔ホルダー2と連結しているので、油圧シリンダー3が作動してピストンロッド11が前進すると、楔1が前進して、窓枠bとモルタルcをコンクリート躯体aから剥離し分離できる。楔位置調節筒9は、基体7に対しては、ピストンロッド11を中心にして回転するだけであるが、楔位置調節筒9と油圧シリンダー3との間は、ネジ手段によって、相対的に前後動できる。
油圧シリンダー3を固定した状態で、楔位置調節筒9を回転すると、ネジ手段の向きに応じて、楔位置調節筒9中に油圧シリンダー3が入ったり出たりする。楔位置調節筒9中に、矢印a1方向に油圧シリンダー3が入り込むと、受圧部5寄りの位置で楔1が前後動する。逆に、楔位置調節筒9中から、矢印a2方向に油圧シリンダー3が後退すると、基体7寄りの位置で楔1が前後動する。したがって、剥離・分離すべきモルタルや窓枠の位置に応じて、あるいはコンクリート躯体aの厚さに応じて、楔1を前後動させるべき最適位置を微調節し設定できる。なお、楔位置調節筒9を回転させないで、楔位置調節筒9の側壁に間欠孔を開けておき、内部の油圧シリンダー3に挿入固定するピンの孔位置を選定することによって、楔1の前後動位置を間欠的に設定することもできる。
楔位置調節筒9を介在させない場合は、連続凹凸8と基体7とのロック位置の調節だけに頼ることになる。そのために、図7のように、基体7中でスライド可能な前記ガイド兼支持体4の背部に凹凸8を多数連続的に設けて位置決め手段とし、前記基体4には、前記凹凸8と噛み合う着脱凹凸体12を図4のように内蔵してある。したがって、着脱凹凸体12を抜いてフリーにしてから、ガイド兼支持体4を矢印a1・a2方向にスライドして位置決めしてから、着脱凹凸体12を基体7中に挿入して所望位置の連続凹凸8と噛み合わせた状態で、蝶ナット17で締め付け固定しておくと、ガイド兼支持体4と基体7がロックされる。このように、楔1の大まかな前後動位置を選択し設定できるので、前記の微調節用の楔位置調節筒9と相まって、楔1の前後動位置の設定がより自由にできる。
図2のように、モルタルcと窓枠bのみを躯体a側から剥離し分離できるように、前記楔1の先端の形状は、前記ガイド兼支持体側4のみが傾斜し、その背部側は前記ガイド兼支持体4と平行となっていることが望ましい。このように片側のみ傾斜していると、躯体a側には影響を与えないで、モルタルcと窓枠bだけを分離できる。楔1の幅方向のサイズは特に限定されないが、効率的に分離作業を進める上では、広い方が好ましい。例えば3〜5cm程度が適している。また、9〜11cm程度の広幅楔もそろえておくと、きれいに剥離除去されずに部分的に残っているモルタルなどを除去するはつり用として便利である。楔1の先端は磨耗損傷するので、楔1とホルダー2とは凹凸形状の部分で連結し、横からピンやビス13を挿入して着脱式に連結してある。
楔1の先端形状は、現場の状況などに応じてV字形の断面形状なども使用できる。また、窓枠の縦枠と横枠との成すコーナー部は、現場によっては、前記の平楔1だけでは完全に分離できない場合も有りうる。そのような現場も想定して、平楔1を直角に一体化した形状の直角楔も用意しておく必要がある。この場合は、傾斜していない、ガイド兼支持体4と平行なストレート背面がコンクリート躯体側に位置するように使うことは言うまでもない。楔ホルダー2との連結部に関しては、凹凸式連結部以外だけを直角形状にすれば足りる。
前記ガイド兼支持体4と前記受圧部5との成す隅部内に、前記ガイド兼支持体4と平行な受け面fを有するストッパー6を配置し固定してある。そして、受圧部5の断面T字部の両側に設けたスリット14、14に挿入したガイドネジ15、15をストッパー6に螺入固定してあり、ガイド兼支持体4の断面T字部の両側に螺入した調節ネジ16、16の先端をストッパー6に突き当ててある。その結果、ガイドネジ15、15を緩めて調節ネジ16、16を出し入れして位置調節してから、ガイドネジ15、15で受圧部5と締め付け固定すると、ストッパー6を所定位置に固定できる。このように、前記ガイド兼支持体4とストッパー6の受け面fとの間隔を調節できるため、現場の状況に応じて位置調節しておくと、図2のように、ストッパー受け面fをコンクリート壁体aの開口内面に押し当てた状態で、楔駆動装置をセットすると、楔1の先端を境部B1位置に高精度に位置決めでき、作業効率も向上する。
図4の楔駆動装置を上方から見ると図8の通りであり、下方から見ると図9の通りである。また、右側から見ると図10の通りであり、左側から見ると図11の通りである。
以上のように、本発明による楔駆動装置を用いて窓枠の撤去を行なうと、油圧シリンダーによって楔を1度分離部に圧入するだけで分離できるので、窓枠全周の分離も短時間に可能で、迅速かつ確実に窓枠周りのモルタルと窓枠を一緒に躯体から剥離し分離除去することができる。また、油圧を用いた、振動や騒音、粉塵の発生しない作業法となるため、公害を発生したり、環境悪化を来すような恐れはない。
1 楔
2 ホルダー
3 油圧シリンダー
4 ガイド兼支持体
5 受圧部
6 ストッパー
7 基体
8 連続凹凸
G ガイド用の両突部
9 楔位置調節筒
10 スライダー
11 ピストンロッド
12 着脱凹凸体
13 ビス
14 ガイドスリット
15 ガイドネジ
16 調節ネジ
17 蝶ナット
2 ホルダー
3 油圧シリンダー
4 ガイド兼支持体
5 受圧部
6 ストッパー
7 基体
8 連続凹凸
G ガイド用の両突部
9 楔位置調節筒
10 スライダー
11 ピストンロッド
12 着脱凹凸体
13 ビス
14 ガイドスリット
15 ガイドネジ
16 調節ネジ
17 蝶ナット
Claims (10)
- コンクリート造の建物において、窓枠周りのモルタルと躯体との境位置に楔手段を油圧で圧入して、モルタルと窓枠を一緒に躯体から剥離し、分離除去することを特徴とする窓枠の撤去方法。
- 前記の楔手段を室内側から圧入する際に、前記楔手段と対向する外壁外面に圧力受け手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の窓枠の撤去方法。
- 前記の楔手段は、躯体側は壁面と直角をなし、モルタル又は窓枠側が傾斜していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窓枠の撤去方法。
- L字状の長辺がガイド兼支持体となり、短辺が受圧部となる本体を有し、前記ガイド兼支持体の所定の位置に固定支持された基体に対し、前記の受圧部に向けた楔手段が前記ガイド兼支持体と平行に往復動する構造としたことを特徴とする楔手段駆動装置。
- 前記基体の背面に油圧シリンダーを配設し、該油圧シリンダーで前記楔手段を駆動することを特徴とする請求項4に記載の楔手段駆動装置。
- 前記基体と前記油圧シリンダーとの間に、楔手段の前後動位置調節手段を有していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の楔手段駆動装置。
- 前記のガイド兼支持体の内側はT字状の両突部を有していて、前記両突部にガイドされるスライダーに、前記楔手段のホルダーが固定されていることを特徴とする請求項4、請求項5または請求項6に記載の楔手段駆動装置。
- 前記のガイド兼支持体の背部に一定間隔に凹凸を設けて位置決め手段とし、前記の基体は、前記凹凸と嵌合して所定位置にロック可能な構造としたことを特徴とする請求項4から請求項7までのいずれかの項に記載の楔手段駆動装置。
- 前記の楔手段の先端は、前記のガイド兼支持体側が傾斜し、その背部側は前記ガイド兼支持体と平行になっていることを特徴とする請求項4から請求項8までのいずれかの項に記載の楔手段駆動装置。
- 前記ガイド兼支持体と前記の受圧部との成す隅部内に、前記ガイド兼支持体と平行な受け面を有するストッパーを有し、前記ガイド兼支持体と受け面との間隔を調節可能となっていることを特徴とする請求項4から請求項9までのいずれかの項に記載の楔手段駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006134578A JP2007303225A (ja) | 2006-05-13 | 2006-05-13 | 窓枠撤去方法並びに窓枠撤去用の楔駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006134578A JP2007303225A (ja) | 2006-05-13 | 2006-05-13 | 窓枠撤去方法並びに窓枠撤去用の楔駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007303225A true JP2007303225A (ja) | 2007-11-22 |
Family
ID=38837386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006134578A Pending JP2007303225A (ja) | 2006-05-13 | 2006-05-13 | 窓枠撤去方法並びに窓枠撤去用の楔駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007303225A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002306977A (ja) * | 2001-04-16 | 2002-10-22 | Izumi Products Co | 破砕工具 |
JP2004027673A (ja) * | 2002-06-26 | 2004-01-29 | Kyodo Kizai Kk | 2段階剥離の既設ドア枠除去方法及びその拡開装置 |
-
2006
- 2006-05-13 JP JP2006134578A patent/JP2007303225A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002306977A (ja) * | 2001-04-16 | 2002-10-22 | Izumi Products Co | 破砕工具 |
JP2004027673A (ja) * | 2002-06-26 | 2004-01-29 | Kyodo Kizai Kk | 2段階剥離の既設ドア枠除去方法及びその拡開装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1318250A3 (de) | Dübel und Verfahren zur Montage von Dämmstoffplatten | |
CN1196778A (zh) | 自钻孔锚固装置 | |
US8839852B2 (en) | Excavator | |
JP2007303225A (ja) | 窓枠撤去方法並びに窓枠撤去用の楔駆動装置 | |
AU2014237854B2 (en) | Welding type power supply having four sides, a top and a base, with one of these parts made of extruded material | |
JP4481213B2 (ja) | 穿孔方法及びこの穿孔方法に使用する連結部材 | |
JP2005336928A (ja) | 破損ボルトの除去方法及び破損ボルト除去用治具 | |
AU2014227526B2 (en) | A tool | |
JP4552186B2 (ja) | 建材剥ぎ取り用スクレーパ装置 | |
KR100981679B1 (ko) | 타공장치 | |
JP5702417B2 (ja) | あと施工アンカーボルトの設置具及び設置方法 | |
CN212793188U (zh) | 一种土木工程用的钻孔设备 | |
CN211758679U (zh) | 一种用于风力发电机组建设的锚栓快速安装装置 | |
KR200317939Y1 (ko) | 암반 균열장치 | |
CN211331451U (zh) | 一种便捷式开孔器 | |
CN211959680U (zh) | 降低pcb板边槽行刺的钻锣加工装置 | |
JP2008291549A (ja) | 荷重受支持ブラケット | |
JP2010053667A (ja) | 先受材設置方法及び先受材設置装置 | |
JP2010216160A (ja) | 除去方法 | |
JP2008012569A (ja) | 薄板鋼板等に対する孔開け方法 | |
JP2007118501A (ja) | 穿孔ビット装置及び穿孔機 | |
JP2604627B2 (ja) | 軽量気泡コンクリートパネルの穴あけ加工方法及びその装置 | |
JPS586580Y2 (ja) | 角パイプ材の穴明け装置 | |
JP6236230B2 (ja) | 石綿管の撤去方法 | |
JP2004098196A (ja) | 長穴用加工治具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20090512 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20110428 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20111201 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120321 |