JP2007303122A - 油圧ショベルの油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油圧ショベル1では、メインリリーフ弁21f,22fにおけるリリーフ圧の設定値が、ポートリリーフ弁に相当するブーム駆動弁(Lo)22cにおけるリリーフ圧の高圧側の設定値よりも大きくなるように設定されている。コントローラ30が、油圧センサ24a,24bから受信した油圧ポンプ23a,23bにおけるポンプ圧が120kg/cm2以上となっており、かつオペレータによってブーム下げ操作の意思表示(タッチパネルスイッチ8a内のスイッチ8aa〜8acの選択)を受信した場合には、ブーム駆動弁(Lo)22cのリリーフ圧を、低圧側の150kg/cm2から高圧側の300kg/cm2へと切り換えるように制御を行う。
【選択図】図2
Description
この油圧ショベルには、一般的に主要な構成として、下部走行体と、下部走行体上に旋回可能な状態で取り付けられた旋回台と、旋回台上に固定配置されたオペレータが搭乗するための運転室(キャブ)と、同じく旋回台上に配置された作業機と、が設けられている。
この油圧ショベルの油圧回路は、ブームシリンダのブーム下げ動作時の最高圧力を設定するポートリリーフ弁と、ブームシリンダを含む複数の油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプの最高圧を設定するメインリリーフ弁を備えており、これらメイン・ポートの両リリーフ弁が、設定圧が高圧と低圧とに切換可能な二段リリーフ弁として構成されている。そして、車体持ち上げ時に信号を発する信号発生手段が設けられており、車体持ち上げ時に上記信号発生手段からの信号に基づいて上記メイン・ポートの両リリーフ弁の設定圧が低圧側から高圧側に切り換えられるように構成されている。
すなわち、上記公報に開示された油圧ショベルの油圧回路では、ブーム圧力の切換え制御時には、メインリリーフ弁を低圧側の圧力350kg/cm2から高圧側の圧力380kg/cm2へと切り換えるとともに、ポートリリーフ弁を低圧側の圧力385kg/cm2から高圧側の圧力405kg/cm2へと切り換えており、メインリリーフ弁およびポートリリーフ弁のそれぞれの圧力を2段階で高圧側に切り換える必要があるために、制御が複雑化するという問題がある。
通常、油圧ショベルによる砕石作業等においては、より大きな駆動力をブームに与えて作業することをオペレータが要求する場合がある。このため、従来の油圧ショベルの油圧回路では、ブーム下げ動作時に油圧ポンプが所定値以上の圧力になったことが分かると、メインリリーフ弁およびポートリリーフ弁の双方の圧力を高圧側へ切り換えるように油圧制御することで、ブームの駆動力を増大させていた。しかし、このような制御では、ブームの駆動力を増大させるために、メインおよびポートの両リリーフ弁を制御する必要があり、制御が複雑化してしまう。
これにより、第1圧力弁の設定値が、第2圧力弁の切り換え後における高圧側の圧力と比較して十分高く設定されているため、第2圧力弁を高圧側に切り換えた場合でも、第1圧力弁の圧力を切り換える必要はない。この結果、ブーム下げ動作時に油圧ポンプが所定値以上の圧力になったことが分かると、第1圧力弁および第2圧力弁の双方の圧力を高圧側へ切り換える従来の油圧制御と比較して、制御対象を第2圧力弁だけに限定できるため、ブーム下げ動作時における油圧制御を単純化することができる。
ここでは、油圧ポンプの圧力が所定値以上になる状態が所定時間以上継続することを、第2圧力弁を高圧側に切り換える際の条件として加えている。
これにより、オペレータによるブーム下げ動作の意思表示とともに、油圧ポンプの圧力が所定時間以上所定値以上で継続されることを検知してから上記油圧制御に移行することで、オペレータが確実にブームの駆動力を必要としているときにブームシリンダの圧力が大きくなるように制御することができる。
これにより、切り換え制御が行われた後、上記所定の条件の1つ以上が満たされなくなった場合でも、切り換え制御が自動的に解除されてしまうことを回避することができる。この結果、オペレータがブームの駆動力を大きくした状態で作業を継続して行うことができるとともに、ブームの駆動力を通常の大きさに戻したい場合には手動操作によって切り換え制御を解除することで、オペレータの要求通りのブームの駆動力によって作業を行うことが可能になる。
これにより、所定の条件を満たすことにより、自動的にブームの駆動力を増大させることができるため、オペレータからのブームの駆動力を上げるための意思表示を確実に受け取って、必要な油圧制御を自動的に行うことができる。
ここでは、上述した、ブームの下げ操作の検知、および油圧ポンプの圧力が所定値以上となったことの検知により、自動的に、ブームシリンダにおける圧力が所定値以上になるように前記第2圧力弁を切り換えるオートモードの設定が可能な油圧制御装置において、このオートモード選択中に再度オートモードの選択が行われた場合に、上記切り換え制御が解除される。
を用いて説明すれば以下の通りである。
[油圧ショベル1全体の構成]
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1および図2に示すように、下部走行体2と、旋回台3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジン6と、機器室9と、キャブ10と、油圧回路20と、コントローラ(油圧制御装置)30(図3参照)とを備えている。
旋回台3は、下部走行体2上において、任意の方向に旋回可能であって、上面に作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジン6と、キャブ10とを搭載している。
エンジン6は、下部走行体2や作業機4を駆動するための駆動源であって、カウンタウェイト5に隣接する位置に配置されている。
キャブ10は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する運転室であって、作業機4の先端部を見通せるように、旋回台3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。
本実施形態の油圧ショベル1は、図2に示すように、エンジン6と、モニタ8と、左5連操作弁21と、右4連操作弁22と、油圧ポンプ23a,23bと、油圧センサ(圧力検知部)24a,24bと、コントロールポンプ25と、を含むように構成された油圧回路20を備えている。
モニタ8は、油圧ショベル1のオペレータが乗降するキャブ10内に設置されており、タッチパネル式の入力端末として機能する。
油圧ポンプ23a,23bは、それぞれがフロント・リヤーの2つのポンプを有しており、これらのポンプから供出される圧油によって、ブーム11、アーム12およびバケット13等を駆動する。
コントロールポンプ25は、エンジン6およびソレノイドバルブ26に接続されている調整用のポンプである。
コントローラ30は、油圧センサ24a,24bから油圧ポンプ23a,23bのポンプ圧信号を受信するとともに、モニタ8に表示されたタッチパネルスイッチ8aからの入力信号を受信する。そして、コントローラ30では、油圧センサ24a,24bから受信した検出信号が圧力値120kg/cm2以上を示しており、かつオペレータのブーム11を下げる意思表示に相当するブーム下げ動作の入力を受信してから、0.5秒以上継続すると、自動的に、後述するブーム駆動力の高圧側に切り換える制御を行う。また、コントローラ30は、図3に示すように、オートモードスイッチ選択手段31、ポンプ圧力信号入力手段32、ブーム下げ信号入力手段33およびブームリリーフ圧力の設定手段34と接続されており、内部に、圧力制御部としての制御ブロックを形成している。
ブームリリーフ圧力の設定手段34は、後述するブーム駆動力切換え制御を行う前後におけるメインリリーフ弁21f,22fおよびポートリリーフ弁に相当するブーム駆動弁(Lo)22cにそれぞれ設定されているリリーフ圧を認識する。なお、本実施形態では、メインリリーフ弁21f,22fは350kg/cm2、ポートリリーフ弁に相当するブーム駆動弁(Lo)22cは低圧側として150kg/cm2、高圧側として300kg/cm2が、予め設定されているものとする。
本実施形態の油圧ショベル1では、オペレータからの必要に応じてブーム11の下げる側への駆動力(押付け力)を増大させて作業を行いたいという要望に応えるために、以下の条件を満たすことにより、図5に示すフローチャートに従って、コントローラ30によってブーム駆動弁(Lo)22cを制御して、ブーム駆動力(ブーム下げ駆動力)を増大させるような制御を行う。
そして、リリーフ圧を低圧側の150kg/cm2から高圧側の300kg/cm2へと切り換えた後には、ポンプ圧が120kg/cm2未満に低下した場合でも、ブーム駆動弁(Lo)22cにおけるリリーフ圧は、低圧側へ切り換わることなく維持される。
(1)
本実施形態の油圧ショベル1では、メインリリーフ弁21f,22fにおけるリリーフ圧の設定値(350kg/cm2)が、ポートリリーフ弁に相当するブーム駆動弁(Lo)22cにおけるリリーフ圧の高圧側の設定値(300kg/cm2)よりも大きくなるように設定されている。そして、図2に示すように、コントローラ30が、油圧センサ24a,24bから受信した油圧ポンプ23a,23bにおけるポンプ圧が120kg/cm2以上となっており、かつオペレータによってブーム下げ操作の意思表示(タッチパネルスイッチ8a内のスイッチ8aa〜8acの選択)を受信した場合には、ブーム駆動弁(Lo)22cのリリーフ圧を、低圧側の150kg/cm2から高圧側の300kg/cm2へと切り換えるように制御を行う。
(2)
本実施形態の油圧ショベル1では、上述したブーム駆動力の切換え制御を行う際において、コントローラ30が、油圧ポンプ23a,23bにおけるポンプ圧が120kg/cm2以上となっており、かつオペレータによってブーム下げ操作の意思表示を受信してから0.5秒以上経過した場合に、上記ブーム駆動力切換え制御を開始する。
(3)
本実施形態の油圧ショベル1では、上述したブーム駆動力切換え制御を解除する際には、オペレータが図4に示すモニタ8のタッチパネルスイッチ8aを選択することで、手動で解除される。
本実施形態の油圧ショベル1では、上述したオートモード選択中においては、図4に示すオートモードスイッチ8aaが再度選択されることで、ブーム駆動力の切換え制御が解除される。
これにより、オペレータからの具体的な解除の意思表示を受け付けてからブーム駆動力切換え制御を解除することができるため、ブーム駆動力切換え制御中にポンプ圧が低下して120kg/cm2未満となったことにより、自動的にブーム駆動弁(Lo)22cが低圧側へ切り換えられてしまうことを回避することができる。この結果、オペレータの意思に反して、ブーム駆動力が通常の大きさに戻ってしまうことを防止して、ブーム駆動力を増大させたままの状態で作業を継続することができる。
本実施形態の油圧ショベル1では、図4に示すように、モニタ8におけるオートモードスイッチ8aaが選択されることで、油圧ポンプ23a,23bにおけるポンプ圧が120kg/cm2以上となっており、かつオペレータによってブーム下げ操作の意思表示を受信してから0.5秒以上経過すると自動的にブーム駆動力切換え制御を開始するオートモードを有している。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、ブーム駆動力の切換え制御の一条件として、モニタ8のタッチパネルスイッチ8aを介して、オペレータからのブーム下げ操作の意思表示を認識する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、タッチパネルスイッチ8a以外にも、ブームの上げ下げを行う操作レバーがブーム下げ方向に操作されたことを検知するセンサ等のような他の手段によって、オペレータのブーム下げ操作の意思を確認するようにしてもよい。
上記実施形態では、ブーム下げ操作時には、油圧ポンプ23a,23bの圧力を調整するメインリリーフ弁21f,22fの圧力を350kg/cm2のまま一定とし、ブームシリンダ11aへ供給される圧油の圧力を調整するブーム駆動弁(Lo)22cの圧力を150kg/cm2から300kg/cm2へと切り換えることで、ブーム駆動力の切換え制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(C)
上記実施形態では、コントローラ30において、油圧ポンプ23a,23bの圧力が所定値(120kg/cm2)以上となっている状態が0.5秒間継続したことが検知されると、上述したブーム駆動弁(Lo)22cの圧力を高圧側へ切り換えてブーム駆動力の切換え制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
この場合でも、簡易な制御によってブーム圧力を、その時の作業に必要な大きさに制御することができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
この場合でも、簡易な制御によってブーム圧力を、その時の作業に必要な大きさに制御することができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
(D)
上記実施形態では、ブーム駆動力の切換え制御の一条件として、油圧ポンプ23a,23bのポンプ圧が120kg/cm2以上となったことを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(E)
上記実施形態では、オペレータがモニタ8のタッチパネルスイッチ8aを介して、オートモード8aaを再度選択した場合に、上述したブーム圧力の高圧側への切換え制御を解除する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(F)
上記実施形態では、本発明の油圧制御回路を、油圧ショベルに搭載した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
2 下部走行体
3 旋回台
4 作業機
5 カウンタウェイト
6 エンジン
8 モニタ
8a タッチパネルスイッチ
8aa オートモードスイッチ
8ab ブーム押付け力高スイッチ
8ac ブーム押付け力低スイッチ
9 機器室
10 キャブ
11 ブーム
11a ブームシリンダ
12 アーム
12a アームシリンダ
13 バケット
13a バケットシリンダ
20 油圧回路
21 左5連操作弁
21a 左走行用弁
21b パケット駆動弁(Hi)
21c アーム駆動弁(Lo)
21d ブーム駆動弁(Hi)
21e 旋回弁
21f メインリリーフ弁(第1圧力弁)
22 右4連操作弁
22a アーム駆動弁(Hi)
22b パケット駆動弁(Lo)
22c ブーム駆動弁(Lo)(第2圧力弁)
22d 右走行弁
22e 走行直進弁
22f メインリリーフ弁(第1圧力弁)
23a,23b 圧力ポンプ(油圧ポンプ)
24a,24b 油圧センサ(圧力検知部)
25 コントロールポンプ
26 ソレノイドバルブ
30 コントローラ(油圧制御装置、圧力制御部)
31 オートモードスイッチ選択手段
32 ポンプ圧力信号入力手段
33 ブーム下げ信号入力手段
34 ブームリリーフ圧力の設定手段(圧力設定部)
Claims (5)
- ブームを駆動するブームシリンダと、前記ブームシリンダに対して圧油を供給する油圧ポンプと、前記油圧ポンプの最高圧力を設定するための第1圧力弁と、前記ブームシリンダのブーム下げ動作時における最高圧力を設定するための第2圧力弁と、を備えた油圧ショベルに搭載された油圧制御装置であって、
オペレータによる前記ブームの下げ操作を検知する操作検知部と、
前記油圧ポンプの圧力を検知する圧力検知部と、
前記操作検知部において前記ブームの下げ操作が検知され、さらに前記圧力検知部において前記油圧ポンプの圧力が所定値以上となったことが検知されると、前記ブームシリンダにおける圧力が所定値以上になるように前記第2圧力弁を切り換える圧力制御部と、
前記第1圧力弁の圧力を、前記第2圧力弁における前記切り換え後の前記第2圧力弁における前記所定値以上の圧力よりも高く設定する圧力設定部と、
を備えている油圧ショベルの油圧制御装置。 - 前記圧力制御部は、前記圧力検知部において検知される前記油圧ポンプの圧力が所定値以上となっている状態が所定時間以上継続すると、前記ブームシリンダにおける圧力が所定値以上になるように前記第2圧力弁を切り換える、
請求項1に記載の油圧ショベルの油圧制御装置。 - 前記圧力制御部による前記第2圧力弁を高圧側へ切り換える制御は、オペレータの手動操作によって解除される、
請求項1または2に記載の油圧ショベルの油圧制御装置。 - 前記圧力制御部は、前記操作検知部において前記ブームの下げ操作が検知され、さらに前記圧力検知部において前記油圧ポンプの圧力が所定値以上となったことが検知されると、自動的に、前記ブームシリンダにおける圧力が所定値以上になるように前記第2圧力弁を切り換えるオートモードを有している、
請求項1から3のいずれか1項に記載の油圧ショベルの油圧制御装置。 - 前記圧力制御部による前記第2圧力弁を高圧側へ切り換える制御は、前記オートモードが再度選択されることにより解除される、
請求項4に記載の油圧ショベルの油圧制御装置。
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