JP2007302981A - 円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法 - Google Patents
円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007302981A JP2007302981A JP2006135230A JP2006135230A JP2007302981A JP 2007302981 A JP2007302981 A JP 2007302981A JP 2006135230 A JP2006135230 A JP 2006135230A JP 2006135230 A JP2006135230 A JP 2006135230A JP 2007302981 A JP2007302981 A JP 2007302981A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- target material
- cylindrical
- sputtering target
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】 生産性に優れ、且つ、ターゲット層の厚みを厚くできる新規な、円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法を提供する。
【解決手段】 (V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有し、残部はMo及び不可避的不純物からなる板状のMo合金素材を、スピニング加工により円筒形状とする円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法である。(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素のうち、最も好ましく元素はNbである。
【選択図】 図1
【解決手段】 (V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有し、残部はMo及び不可避的不純物からなる板状のMo合金素材を、スピニング加工により円筒形状とする円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法である。(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素のうち、最も好ましく元素はNbである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、円筒型のMo合金スパッタリングターゲット材の製造方法に関するものである。
現在、平面表示装置の一種である液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下LCDという)等の薄膜電極および薄膜配線等には、電気抵抗の小さいMo等の高融点金属膜が広く利用されている。そして、これらの薄膜は、同一組成のターゲット材を母材としてスパッタリングによって形成する方法が一般的に利用されている。
上述したターゲット材としては、プレナー型(円板状もしくは角板状)のターゲット材が広く利用されているが、ターゲット材の使用効率を高めるために、円筒型ターゲット材が用いられつつある。
この円筒型ターゲットを製造するには、例えばターゲット用素材を削り出す方法や、特開平5−171428号公報(特許文献1参照)に示されるようなバッキングチューブの外周面にプラズマ溶射による溶射素材を吹付けて、ターゲット層を形成する方法により円筒型のターゲット材を得る方法がある。
特開平5−171428号公報
上述したターゲット材としては、プレナー型(円板状もしくは角板状)のターゲット材が広く利用されているが、ターゲット材の使用効率を高めるために、円筒型ターゲット材が用いられつつある。
この円筒型ターゲットを製造するには、例えばターゲット用素材を削り出す方法や、特開平5−171428号公報(特許文献1参照)に示されるようなバッキングチューブの外周面にプラズマ溶射による溶射素材を吹付けて、ターゲット層を形成する方法により円筒型のターゲット材を得る方法がある。
例えば、高価なMoを主成分とするMo合金ターゲット材を製造する場合、ターゲット用素材を円筒形状に削り出す方法を適用すると、歩留まりが悪く、生産性にも問題がある。
また、上述した特許文献1に示されるプラズマ溶射による溶射素材を吹付け形成する方法では、ターゲット層(Mo合金層)の厚みを厚くすることが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、生産性に優れ、且つ、ターゲット層の厚みを厚くできる新規な、円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法を提供することである。
また、上述した特許文献1に示されるプラズマ溶射による溶射素材を吹付け形成する方法では、ターゲット層(Mo合金層)の厚みを厚くすることが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、生産性に優れ、且つ、ターゲット層の厚みを厚くできる新規な、円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法を提供することである。
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有し、残部はMo及び不可避的不純物からなる板状のMo合金素材を、スピニング加工により円筒形状とする円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法である。
すなわち本発明は、(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有し、残部はMo及び不可避的不純物からなる板状のMo合金素材を、スピニング加工により円筒形状とする円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法である。
本発明の円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法を適用すれば、ターゲット層の厚みを厚くできる円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材を生産性良く得ることができる。
以下に本発明を詳しく説明する。
先ず、本発明で用いるMo合金の化学組成について説明する。
本発明では(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有し、残部はMo及び不可避的不純物からなるMo合金素材と規定した。
本発明において、(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有の範囲で含有すると規定した理由は、これらの元素がMoの加工性を改善する効果があるためである。本発明の場合、強加工のスピニング加工を施すため、加工性改善元素を積極添加してMo合金とすることは必須である。
この加工性改善効果を得るには、(V、Nb、Cr)の1種または2種以上の元素の総量が0.5原子%以上が必要となる。また、50原子%を超えて含有してもより一層の加工性改善効果は得られない。よって、本発明では(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有の範囲で含有するとした。
なお、V、Nb、Crのうち、最も加工性改善効果の高い元素はNbであり、Nbを単独で含有させるのが好ましい。
先ず、本発明で用いるMo合金の化学組成について説明する。
本発明では(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有し、残部はMo及び不可避的不純物からなるMo合金素材と規定した。
本発明において、(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有の範囲で含有すると規定した理由は、これらの元素がMoの加工性を改善する効果があるためである。本発明の場合、強加工のスピニング加工を施すため、加工性改善元素を積極添加してMo合金とすることは必須である。
この加工性改善効果を得るには、(V、Nb、Cr)の1種または2種以上の元素の総量が0.5原子%以上が必要となる。また、50原子%を超えて含有してもより一層の加工性改善効果は得られない。よって、本発明では(V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有の範囲で含有するとした。
なお、V、Nb、Crのうち、最も加工性改善効果の高い元素はNbであり、Nbを単独で含有させるのが好ましい。
本発明では、上述した組成を有する板状のMo合金素材を準備する。
板状素材は例えば焼結材、溶製材、或いはEB溶解等の特殊溶解で板状としたもの、或いは、プレスや圧延等の塑性加工を加えて板状としたものであっても良い。
以下に、図1を用いて円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法を説明する。
図1(a)に示すような板状のMo合金素材(1)を用意する。この時、スピニング加工に備えて予め円形に切断しておくことが好ましい。
また、スピニング加工する板状のMo合金素材(1)はターゲット層となる。そのため、製品となった時のターゲット層厚みを考慮して板状のMo合金素材の厚みを調整しておけることが本発明の特徴の一つである。これにより、ターゲット層の厚いターゲット材も製造可能となる。
なお、例えば、製品となった時のターゲット層厚みの110〜300%の厚みを有する板状のMo合金素材(1)を用意すれば十分である。
板状素材は例えば焼結材、溶製材、或いはEB溶解等の特殊溶解で板状としたもの、或いは、プレスや圧延等の塑性加工を加えて板状としたものであっても良い。
以下に、図1を用いて円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法を説明する。
図1(a)に示すような板状のMo合金素材(1)を用意する。この時、スピニング加工に備えて予め円形に切断しておくことが好ましい。
また、スピニング加工する板状のMo合金素材(1)はターゲット層となる。そのため、製品となった時のターゲット層厚みを考慮して板状のMo合金素材の厚みを調整しておけることが本発明の特徴の一つである。これにより、ターゲット層の厚いターゲット材も製造可能となる。
なお、例えば、製品となった時のターゲット層厚みの110〜300%の厚みを有する板状のMo合金素材(1)を用意すれば十分である。
次に、図1(b)に示すように、板状のMo合金素材(1)を、回転する金型(2)に押し当てながら、押込みローラー(3)で板状のMo合金素材(1)を回転する金型(2)の形状にあわせて扱き込むスピニング加工を施す。これにより、図1(C)に示すようなMo合金の円筒型形状素材(3)とする。なお、スピニング加工中に板状のMo合金素材が硬化して割れやシワが発生するおそれのある時は、MoNb合金の焼結体の硬度を下げる熱処理を行っても良い。
そして最後にMo合金の円筒型形状素材(4)の端部を切断(図1(C)中の矢印で示した破線部分)して、図1(d)に示すような円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材(5)とすることができる。
そして最後にMo合金の円筒型形状素材(4)の端部を切断(図1(C)中の矢印で示した破線部分)して、図1(d)に示すような円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材(5)とすることができる。
なお、図1(d)に示すような円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材を用いて、更に例えばリング圧延を施して、厚みを均一に調整することも可能である。
以上、説明する本発明の円筒型のMo合金スパッタリングターゲット材の製造方法によれば、素材から円筒状に削り出すといった、生産性と歩留まりが悪い工程を適用することなく、しかも、製品となった時のターゲット層厚みを考慮して板状のMo合金素材の厚みを調整することで、ターゲット層の厚いターゲット材を生産性良く製造可能となる。
以上、説明する本発明の円筒型のMo合金スパッタリングターゲット材の製造方法によれば、素材から円筒状に削り出すといった、生産性と歩留まりが悪い工程を適用することなく、しかも、製品となった時のターゲット層厚みを考慮して板状のMo合金素材の厚みを調整することで、ターゲット層の厚いターゲット材を生産性良く製造可能となる。
本発明の円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法は、加工性に優れた純金属、或いは合金であれば、本発明と同様の効果が期待できる。
1. 板状のMo合金素材
2. 金型
3. 押込みローラー
4. Mo合金の円筒型形状素材
5. 円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材
2. 金型
3. 押込みローラー
4. Mo合金の円筒型形状素材
5. 円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材
Claims (1)
- (V、Nb、Cr)の1種以上から選択される金属元素を0.5〜50原子%含有し、残部はMo及び不可避的不純物からなる板状のMo合金素材を、スピニング加工により円筒形状とすることを特徴とする円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006135230A JP2007302981A (ja) | 2006-05-15 | 2006-05-15 | 円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006135230A JP2007302981A (ja) | 2006-05-15 | 2006-05-15 | 円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007302981A true JP2007302981A (ja) | 2007-11-22 |
Family
ID=38837157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006135230A Pending JP2007302981A (ja) | 2006-05-15 | 2006-05-15 | 円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007302981A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100945047B1 (ko) | 2009-08-18 | 2010-03-05 | (주) 티에스솔루션 | 스퍼터링 타겟 어셈블리 제조 장치 |
EP2233604A1 (de) * | 2009-03-24 | 2010-09-29 | Wieland Dental + Technik GmbH & Co. KG | Rohrförmiges Sputtertarget und Verfahren zu seiner Herstellung |
CN102513401A (zh) * | 2011-12-21 | 2012-06-27 | 济源豫光新材料科技有限公司 | 一种管状靶材的粘接方法 |
WO2014087926A1 (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-12 | 株式会社アライドマテリアル | モリブデン円筒体及びモリブデン円筒体の製造方法 |
JP2014514449A (ja) * | 2011-04-08 | 2014-06-19 | プランゼー エスエー | 保護装置付き管状ターゲット |
JP2014141722A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 円筒形Cu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-05-15 JP JP2006135230A patent/JP2007302981A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2233604A1 (de) * | 2009-03-24 | 2010-09-29 | Wieland Dental + Technik GmbH & Co. KG | Rohrförmiges Sputtertarget und Verfahren zu seiner Herstellung |
KR100945047B1 (ko) | 2009-08-18 | 2010-03-05 | (주) 티에스솔루션 | 스퍼터링 타겟 어셈블리 제조 장치 |
JP2014514449A (ja) * | 2011-04-08 | 2014-06-19 | プランゼー エスエー | 保護装置付き管状ターゲット |
US10978279B2 (en) | 2011-04-08 | 2021-04-13 | Plansee Se | Tubular target having a protective device |
CN102513401A (zh) * | 2011-12-21 | 2012-06-27 | 济源豫光新材料科技有限公司 | 一种管状靶材的粘接方法 |
WO2014087926A1 (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-12 | 株式会社アライドマテリアル | モリブデン円筒体及びモリブデン円筒体の製造方法 |
JP2014141722A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 円筒形Cu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI558833B (zh) | Sputtering target and its manufacturing method | |
JP2007302981A (ja) | 円筒型Mo合金スパッタリングターゲット材の製造方法 | |
JP5766870B2 (ja) | インジウム製円筒型スパッタリングターゲット及びその製造方法 | |
JP6727749B2 (ja) | 高純度銅スパッタリングターゲット用銅素材及び高純度銅スパッタリングターゲット | |
JP2016194159A (ja) | モリブデンを含有したターゲット | |
JP5140169B2 (ja) | インジウムターゲット及びその製造方法 | |
JP4948633B2 (ja) | インジウムターゲット及びその製造方法 | |
CN110484886B (zh) | 一种含微量稀土元素的镍铼合金旋转管状靶材及制备方法 | |
JP6681019B2 (ja) | 電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材 | |
CN102686074A (zh) | 电子装置外壳及其制造方法 | |
JP2005029862A (ja) | 薄膜形成用スパッタリングターゲット | |
JP2006225190A (ja) | 光学ガラス素子成形用金型及びその製造方法 | |
TWI593807B (zh) | 靶材 | |
JP6043413B1 (ja) | アルミニウムスパッタリングターゲット | |
JP4605494B2 (ja) | Ag合金スパッタリングターゲット材 | |
JP4569863B2 (ja) | Ag合金スパッタリングターゲット材およびAg合金膜 | |
CN102400073A (zh) | 镍靶坯及靶材的制造方法 | |
JP2008263191A (ja) | 金属薄膜配線 | |
JP2008156694A (ja) | スパッタリングターゲット材およびその製造方法 | |
TWI605131B (zh) | Sputter target material | |
JP2010018836A (ja) | すぐれた水素透過分離性能を発揮する水素透過分離薄膜 | |
KR20210019170A (ko) | 몰리브덴 합금 스퍼터링 타깃 및 이의 제조 방법 | |
JP2019065383A (ja) | MoNbターゲット材 | |
JP2011162828A (ja) | Al基合金スパッタリングターゲットおよびその製造方法 | |
JP4719174B2 (ja) | スパッタリングターゲットの製造方法 |