JP2007302146A - トランスミッション - Google Patents

トランスミッション Download PDF

Info

Publication number
JP2007302146A
JP2007302146A JP2006133740A JP2006133740A JP2007302146A JP 2007302146 A JP2007302146 A JP 2007302146A JP 2006133740 A JP2006133740 A JP 2006133740A JP 2006133740 A JP2006133740 A JP 2006133740A JP 2007302146 A JP2007302146 A JP 2007302146A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
shaft
transmission
hst
oil passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006133740A
Other languages
English (en)
Inventor
Kengo Sasahara
謙悟 笹原
Akifumi Yasuda
紀史 安田
Yasuhisa Mochizuki
安久 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd filed Critical Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2006133740A priority Critical patent/JP2007302146A/ja
Publication of JP2007302146A publication Critical patent/JP2007302146A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】駆動源との間に自由空間を確保でき、さらに、HSTの上下幅を可及的に狭小化しつつ、該HSTの容積調整機構を変更操作する油圧サーボ機構への作動油供給構造及び前記HSTへのチャージ油供給構造の簡素化を図り得るトランスミッションを提供する。
【解決手段】駆動源に対して離間するように一対のメインフレームに連結されたミッションケースにHSTを支持させ、HST油路のうちポンプ軸に対応した部分を垂直部分とし、容積調整機構を操作する油圧サーボ機構を前記ポンプ軸を基準にしてモータ軸とは車輌幅方向反対側に設け、前記油圧サーボ機構へ作動油を供給する為のサーボ油路から前記HST油路へのチャージ油を取り出すように構成する。
【選択図】図14

Description

本発明は、トラクタ等の作業車輌に適用されるトランスミッションに関する。
車輌前後方向に延びる一対のメインフレームを車輌幅方向に並設し、該一対のメインフレームの前後方向一方側及び他方側にそれぞれ駆動源及びミッションケースを連結させて、前記駆動源及び前記ミッションケースの間に自由空間を設けることは、従来から公知である(例えば、特許文献1参照)。
詳しくは、前記特許文献1には、駆動源に連結されたフライホイールハウジング内に、HSTを形成する油圧ポンプ本体及び油圧モータ本体を収容し、前記ミッションケースを前記フライホイールハウジングから車輌後方側へ離間配置させると共に、該ミッションケース内に他の伝動機構を収容させた構成が開示されている。
しかしながら、前記特許文献1に記載の構成は、前記HSTを形成する前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体が前記ミッションケース内に収容された他の伝動機構と離間される為に、前記HSTにおける可動斜板等の容積調整機構を油圧サーボ機構によって変更操作するように構成し且つ前記他の伝動機構として油圧伝動機構を採用する場合には、前記油圧サーボ機構及び前記油圧伝動機構への作動油供給構造が複雑になるという問題がある。
ところで、HSTにおける可動斜板を油圧サーボ機構によって変更操作する構成として、駆動源,主クラッチを収容するクラッチハウジング,前記HSTを構成する油圧ポンプ本体及び油圧モータ本体を収容する変速ケース並びに他の伝動機構を収容するミッションケースが車輌フレームを構成するように直列連結された作業車輌において、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を前記変速ケース内において車輌幅方向に並設させると共に、前記油圧ポンプ本体の給排油量を変更する為の可動斜板を前記油圧ポンプ本体よりも前記変速ケースの横側面がわに配置した油圧サーボ機構によって変更操作する構成が提案されている(下記特許文献2参照)。
この従来構成は、車輌フレームの一部を構成する前記変速ケースの上下幅を狭めることができ、従って、該変速ケースの底部高さを極力高くしつつ、該変速ケースの上方に設置されるステップ台の下方設置が可能になる点で有効であるが、前記油圧サーボ機構への作動油供給及びHSTへのチャージ油供給をどのように行うかについては全く記載されていない。
特開2003−118405号公報 特許第3568373号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、車輌幅方向に並列されるように車輌前後方向に延びる一対のメインフレームと、該一対のメインフレームの前後方向一方側に支持された駆動源とを備えた作業車輌に適用されるトランスミッションであって、車輌前後方向中間部分に自由空間を確保でき、さらに、HSTの上下幅を可及的に狭小化しつつ、該HSTの容積調整機構を変更操作する油圧サーボ機構への作動油供給構造及び前記HSTへのチャージ油供給構造の簡素化を図り得るトランスミッションの提供を一の目的とする。
又、本発明は、前記目的を達成しつつ、ミッションケース内に収容される走行系油圧伝動機構への作動油供給構造の簡素化を図ることを、他の目的とする。
本発明は前記目的を達成する為に、車輌前後方向に延びる一対のメインフレームが車輌幅方向に並列され、該一対のメインフレームの前後方向一方側に駆動源が支持されている作業車輌に適用されるトランスミッションであって、前記駆動源とは前後方向他方側へ離間されるように前記一対のメインフレームに連結されるミッションケースと、前記駆動源から主駆動輪へ至る走行系伝動経路に介挿されるHSTであって、前記ミッションケースの前後方向一方側の第1端壁に連結されるHSTとを備えたトランスミッションを提供する。
前記HSTは、前記駆動源に作動連結されるように車輌前後方向に延びるポンプ軸と、前記ポンプ軸に相対回転不能に支持される油圧ポンプ本体と、前記ポンプ軸に対して略平行とされたモータ軸と、前記モータ軸に相対回転不能に支持された油圧モータ本体と、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を収容し且つ前記ポンプ軸及びモータ軸を軸線回り相対回転自在に支持するHSTケースであって、該ポンプ軸及びモータ軸が車輌幅方向に並設されるように前記ミッションケースの第1端壁に連結されるHSTケースと、前記油圧ポンプ本体の給排油量を変更させる容積調整機構と、前記容積調整機構を操作する油圧サーボ機構であって、前記油圧ポンプ本体を基準にして前記油圧モータ本体とは車輌幅方向反対側に配設された油圧サーボ機構とを有する。
前記HSTケースには、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を流体接続させる一対のHST油路であって、前記ポンプ軸を挟んで略上下方向に延びる一対の垂直部分と前記モータ軸を挟んで略水平方向に延びる一対の水平部分とを含む一対のHST油路と、一端部が入力ポートを形成するように外表面に開口され且つ他端部が前記油圧サーボ機構に流体接続されたサーボ油路と、前記一対のHST油路に作動油を補給する為のチャージ油路とが形成されており、前記チャージ油路は、一端部が直接又は間接的に前記サーボ油路に流体接続され且つ他端部が前記HST油路に流体接続されている。
好ましくは、前記チャージ油路には前記サーボ油路の油圧を設定するサーボ用リリーフ弁が介挿され、前記サーボ用リリーフ弁からの余剰油が前記HST油路への補給油として利用されるように構成され得る。
好ましくは、前記HSTケースには、一端部が前記チャージ油路に流体接続されたチャージ圧設定油路が形成されており、該チャージ圧設定油路には前記チャージ油路の油圧を設定するチャージ用リリーフ弁が介挿される。
前記種々の構成において、前記ミッションケースに、前記モータ軸に作動連結される走行系油圧伝動機構が収容されている場合には、好ましくは、前記HSTケースには、一端部が前記サーボ油路に流体接続され且つ他端部が前記走行系油圧伝動機構へ向けて作動油を供給し得るように外表面に開口された供給油路が形成され得る。
より好ましくは、前記サーボ油路には前記供給油路の油圧を設定し得るようにメインリリーフ弁が介挿され、前記メインリリーフ弁からの余剰油が前記油圧サーボ機構の作動油として利用されるように構成され得る。
又、本発明は、前記目的を達成する為に、車輌前後方向に延びる一対のメインフレームが車輌幅方向に並列され、該一対のメインフレームの前後方向一方側に駆動源が支持されている作業車輌に適用されるトランスミッションであって、前記駆動源とは前後方向他方側へ離間されるように前記一対のメインフレームに連結されるミッションケースと、前記駆動源から主駆動輪へ至る走行系伝動経路に介挿されるHSTであって、前記ミッションケースの前後方向一方側の第1端壁に連結されるHSTとを備えたトランスミッションを提供する。
前記HSTは、前記駆動源に作動連結されるように車輌前後方向に延びるポンプ軸と、前記ポンプ軸に相対回転不能に支持される油圧ポンプ本体と、前記ポンプ軸に対して略平行とされたモータ軸と、前記モータ軸に相対回転不能に支持された油圧モータ本体と、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を収容し且つ前記ポンプ軸及びモータ軸を軸線回り相対回転自在に支持するHSTケースであって、該ポンプ軸及びモータ軸が車輌幅方向に並設されるように前記ミッションケースの第1端壁に連結されるHSTケースと、前記油圧ポンプ本体の給排油量を変更させる容積調整機構と、前記容積調整機構を操作する油圧サーボ機構であって、前記油圧ポンプ本体を基準にして前記油圧モータ本体とは車輌幅方向反対側に配設された油圧サーボ機構とを有する。
前記HSTケースには、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を流体接続させる一対のHST油路であって、前記ポンプ軸を挟んで略上下方向に延びる一対の垂直部分と前記モータ軸を挟んで略水平方向に延びる一対の水平部分とを含む一対のHST油路と、チャージポートを形成する一端部が外表面に開口し且つ他端部が前記HST油路に流体接続されたチャージ油路と、入力ポートを形成する一端部が外表面に開口し且つ他端部が前記油圧サーボ機構に流体接続されたサーボ油路とが形成されており、前記入力ポートは、前記ポンプ軸を基準にして前記モータ軸とは車輌幅方向に関し反対側に配置され、且つ、前記チャージポートは、前記モータ軸を基準にしてポンプ軸とは車輌幅方向に関し反対側に配置されている。
好ましくは、前記HSTケースには、一次側が前記サーボ油路又は前記チャージ油路に流体接続されたリリーフ弁が備えられる。
前記種々の構成において、前記ミッションケースには、前記ポンプ軸に対して車輌幅方向に関し略同一位置で且つ該ポンプ軸より下方において、前後方向一方側の端部が前記第1端壁から外方へ延在されるように副駆動輪用出力軸が支持され、前記HSTケースは、前記第1端壁のうち前記副駆動輪用出力軸より上方に位置する部分に連結される。
斯かる構成において、前記第1端壁のうち前記副駆動輪用出力軸の車輌幅方向一方側又は他方側の少なくとも何れか一方が、前記走行系油圧伝動機構への作動油の給排を制御する為の切換弁を含むバルブの設置領域とされ得る。
前記ミッションケースに、前記モータ軸に対して同軸上で軸線回り相対回転不能とされた変速伝動軸と、前記ポンプ軸に対して同軸上で軸線回り相対回転不能とされた定速伝動軸と、第1要素が前記変速伝動軸に作動連結され且つ第2要素が前記定速伝動軸に作動連結された遊星ギヤ機構の第3要素に作動連結された走行系変速軸と、前記走行系油圧伝動機構を介して前記走行系変速軸に作動連結された走行系出力軸と、前記走行系出力軸に作動連結されたディファレンシャル機構と、前記走行系出力軸に作動連結された副駆動輪用伝動軸と、副駆動輪用油圧伝動機構を介して前記副駆動輪用伝動軸に作動連結された前記副駆動輪用出力軸と、前記定速伝動軸に作動連結されたPTO系伝動軸と、PTO系油圧伝動機構を介して前記PTO系伝動軸に作動連結されたPTO軸とが支持されている態様においては、好ましくは、前記走行系変速軸は、前記ポンプ軸及び前記モータ軸より下方で且つ前記ポンプ軸を基準にして車輌幅方向に関し前記モータ軸と同一側に配置され、前記副駆動輪用伝動軸は、前記ポンプ軸より下方で且つ車輌幅方向に関し前記副駆動輪用出力軸と前記モータ軸及び前記走行系変速軸との間に配置され、前記PTO系伝動軸は、前記ポンプ軸及び前記モータ軸より下方で且つ前記ポンプ軸を基準にして車輌幅方向に関し前記モータ軸とは反対側に配置され得る。
本発明の一態様に係るトランスミッションによれば、駆動源に対して離間するように一対のメインフレームに連結されたミッションケースにHSTを支持させ、油圧ポンプ本体及び油圧モータ本体を流体接続させる一対のHST油路のうちポンプ軸に対応した部分を一対の垂直部分とし、前記油圧ポンプ本体の給排油量を変更させる容積調整機構を操作する油圧サーボ機構を前記ポンプ軸を基準にしてモータ軸とは車輌幅方向反対側に設けると共に、前記油圧サーボ機構へ作動油を供給する為のサーボ油路から前記HST油路へのチャージ油を取り出すように構成したので、車輌前後方向中間部分に自由空間を確保し且つHSTの上下幅を可及的に狭小化しつつ、前記油圧サーボ機構への作動油供給構造及び前記HSTへのチャージ油供給構造の簡素化を図ることができる。
チャージ油路に前記サーボ油路の油圧を設定するサーボ用リリーフ弁を介挿し、該サーボ用リリーフ弁からの余剰油が前記HST油路への補給油として利用されるように構成すれば、前記油圧サーボ機構の作動圧を設定しつつ、前記サーボ油路へ供給された圧油を効率的に利用することができる。
前記サーボ用リリーフ弁の二次側において前記チャージ油路に流体接続されたチャージ圧設定油路を設け、該チャージ圧設定油路にチャージ用リリーフ弁を介挿すれば、前記HST油路へのチャージ圧を前記油圧サーボ機構の作動圧とは独立して設定することができる。
前記ミッションケースに前記モータ軸に作動連結される走行系油圧伝動機構が収容されている場合において、前記HSTケースに、一端部が前記サーボ油路に流体接続され且つ他端部が外表面に開口された供給油路を設ければ、前記走行系油圧伝動機構への作動油供給構造の簡略化を図ることができる。
前記サーボ油路に前記供給油路の油圧を設定するメインリリーフ弁を介挿し、前記メインリリーフ弁からの余剰油が前記油圧サーボ機構の作動油として利用されるように構成すれば、前記走行系油圧伝動機構の作動油圧を独立して設定しつつ、前記サーボ油路に供給される圧油を有効利用することができる。
本発明の他態様に係るトランスミッションによれば、駆動源に対して離間するように一対のメインフレームに連結されたミッションケースにHSTを支持させ、油圧ポンプ本体及び油圧モータ本体を流体接続させる一対のHST油路のうちポンプ軸に対応した部分を一対の垂直部分とし、前記油圧ポンプ本体の給排油量を変更させる容積調整機構を操作する油圧サーボ機構を前記ポンプ軸を基準にしてモータ軸とは車輌幅方向反対側に設けると共に、前記HSTケースに、前記油圧サーボ機構へ作動油を供給する為のサーボ油路と前記HST油路へチャージ油を供給する為のチャージ油路とを設け、前記サーボ油路の入力ポートは前記ポンプ軸を基準にして前記モータ軸とは車輌幅方向に関し反対側に配置し、且つ、前記チャージポートは前記モータ軸を基準にしてポンプ軸とは車輌幅方向に関し反対側に配置したので、車輌前後方向中間部分に自由空間を確保し且つHSTの上下幅を可及的に狭小化しつつ、前記油圧サーボ機構への作動油供給構造及び前記HSTへのチャージ油供給構造の簡素化を図ることができる。
一次側が前記サーボ油路又は前記チャージ油路に流体接続されたリリーフ弁を設ければ、前記入力ポート及び前記チャージポートに共通油圧源からの圧油を分岐入力させる際に、前記リリーフ弁によって前記油圧サーボ機構の作動油圧及び前記HST油路のチャージ圧の双方を設定することができる。
実施の形態1
以下に、本発明に係るトランスミッションの一実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に、それぞれ、本実施の形態に係るトランスミッション100が適用された作業車輌1の模式側面図及び油圧回路図を示す。
又、図3に、前記トランスミッション100の展開断面図を示す。
図1に示すように、前記作業車輌1は、車輌幅方向に並列された状態で車輌前後方向に延びる一対のメインフレーム10(図1においては、進行方向に向かって左側のメインフレームを省略している)と、車輌前後方向に振り分け配置された一対の主駆動輪20(図示の形態のおいては後輪)及び一対の副駆動輪30(図示の形態においては前輪)と、車輌前後方向一方側(図示の形態においては前方側)に位置するように前記一対のメインフレーム10に支持された駆動源40と、本実施の形態に係るトランスミッション100とを備えている。
前記駆動源40は、図1に示すように、前後左右に配置された防振ゴム45を介して、前記一対のメインフレーム10に振動可能に支持されており、これにより、該駆動源40の振動が前記メインフレーム10に伝播することを有効に防止している。
本実施の形態においては、前記作業車輌1は、前記駆動源40に作動連結されたフライホイールユニット50を有しており、該フライホイールユニット50及び両端部に自在継ぎ手が備えられた伝動軸60を介して前記駆動源40の動力が前記トランスミッション100に伝達されるようになっている。
前記フライホイールユニット50は、前記駆動源40の出力軸に作動連結されるフライホイール本体(図示せず)と、該フライホイール本体を囲繞するように前記駆動源40に連結されるフライホイールハウジング52とを有している。
前記フライホイールハウジング52は、前記メインフレーム10に対してフリーな状態で前記駆動源40に連結されており、これにより、前記駆動源40及び前記フライホイールユニット50が一体的に前記メインフレーム10に対して振動し得るようになっている。
前記トランスミッション100は、図1に示すように、車輌前後方向に関し前記駆動源40との間に自由空間Sが存するように前記一対のメインフレーム10の車輌前後方向他方側(図示の形態においては後方側)に支持されている。
該トランスミッション100は、図3に示すように、前記一対のメインフレーム10に連結されるミッションケース110と、前記駆動源40から前記主駆動輪20へ至る走行系伝動経路に介挿されるように前記ミッションケース110に収容された油圧伝動機構を含む走行系伝動機構と、前記走行系伝動機構より伝動方向上流側において前記走行系伝動経路に介挿されるHST200とを備えている。
前記ミッションケース110は、図3に示すように、車輌前後方向一方側において略垂直に延びる第1端壁120と、前記第1端壁120から車輌前後方向他方側に離間された位置において略垂直に延びる第2端壁130と、前記第1及び第2端壁120,130の周縁部の間に延びる周壁140とを有する中空箱形とされている。
なお、該ミッションケース110の詳細構成については後述する。
図4に、前記HST200近傍の横断平面図を示す。
又、図5に、図4におけるV-V線に沿った前記HST200の縦断正面図を示す。
さらに、図6に、図4におけるVI-VI線に沿った断面図を示す。
前記HST200は、図1,図3及び図4に示すように、前記ミッションケース110の第1端壁120に連結されている。
詳しくは、該HST200は、前記ミッションケース110の第1端壁120に連結されるHSTケース210と、前記駆動源40に作動連結されるように車輌前後方向に延びるポンプ軸240と、前記ポンプ軸240に相対回転不能に支持される油圧ポンプ本体250と、前記ポンプ軸240に対して略平行とされたモータ軸260と、前記モータ軸260に相対回転不能に支持された油圧モータ本体270と、前記油圧ポンプ本体250の給排油量を変更させる容積調整機構280と、前記容積調整機構280を操作する油圧サーボ機構300とを備えている。
前記HSTケース210は、前記油圧ポンプ本体250及び前記油圧モータ本体270を収容すると共に、互いに車輌幅方向に並設された状態で前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260を軸線回り相対回転自在に支持するように構成されている。
詳しくは、該HSTケース210は、図3及び図4に示すように、前記油圧ポンプ本体250及び前記油圧モータ本体270を囲繞するケース本体220であって、該油圧ポンプ本体250及び油圧モータ本体270が挿通し得る開口が設けられたケース本体220と、前記開口を液密に閉塞するように前記ケース本体220に連結されるポートブロック230とを備えている。
前記ケース本体220は、前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260の軸線方向と略直交する方向に延びる端壁221と、該端壁221の周縁部から前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260の軸線方向に延びる周壁222とを有しており、該周壁222の前記端壁221とは反対側の端部に前記開口が設けられている。
前記ポートブロック230は、図6に示すように、一対のHST油路400を有しており、該一対のHST油路400を介して前記油圧ポンプ本体250及び前記油圧モータ本体270を流体接続させた状態で前記開口を閉塞するように前記ケース本体220に連結されている。
即ち、前記油圧ポンプ本体250及び前記油圧モータ本体270は、前記ケース本体220と前記ポートブロック230とによって画される収容空間内に収容されている。
本実施の形態においては、前記HSTケース210は、前記ポートブロック230が前記第1端壁120に当接された状態で前記ミッションケース110に連結されている。
好ましくは、図3及び図4に示すように、前記第1端壁120のうち前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260に対応した部分に、軸線方向一方側へ膨出した中空のボス部124を一体形成し、前記ポートブロック230を前記ボス部124に当接させた状態で、前記HSTケース210を前記ミッションケース110に連結させることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記HSTケース210と前記ミッションケース110との間に通風スペースCを設けることができ、前記HSTケース210及び前記ミッションケース110内の作動油の冷却効率を向上させることができる。
なお、斯かる構成に代えて、前記ボス部124を前記第1端壁120に形成することも可能である。
図6に示すように、前記一対のHST油路400は、前記ポンプ軸240を挟んで略上下方向に延びる一対の垂直部分401と、前記モータ軸260を挟んで略水平方向に延びる一対の水平部分402とを含んでいる。
そして、前記一対の垂直部分401がキドニーポートを介して前記油圧ポンプ本体250に流体接続され、且つ、前記一対の水平部分402がキドニーポートを介して前記油圧モータ本体270に流体接続されるようになっている。
なお、該ポートブロック230には前記HST油路400に加えて種々の油路が形成されているが、これらの油路については後述する。
前記ポンプ軸240は、前記駆動源40に作動連結され得る状態で前記HSTケース210に支持されている。
本実施の形態においては、図3及び図4に示すように、該ポンプ軸240は、入力端部を形成する一端部が車輌前後方向一方側へ延在された状態で、前記HSTケース210に支持されている。
該ポンプ軸240は、前記伝動軸60(図1参照)を介して前記フライホイールユニット50の出力部に作動連結されている。
なお、本実施の形態においては、該ポンプ軸240は、図3及び図4に示すように、前記一端部とは反対側の他端部が前記HSTケース210から車輌前後方向他方側へ延在されており、該他端部は、前記ミッションケース110内に突入されており、後述する定速伝動軸601に軸線回り回転不能に連結されている。
前記モータ軸260は、図3及び図4に示すように、車輌前後方向他方側の端部が車輌前後方向他方側へ延在された状態で、前記HSTケース210に支持されている。
該モータ軸260の他端部は、前記ミッションケース110内に突入されており、後述する変速伝動軸602に軸線回り回転不能に連結されている。
前記油圧ポンプ本体250及び前記油圧モータ本体270は、前記ポートブロック230に形成された一対のHST油路400によって互いに流体接続された状態で、前記HSTケース210によって画される収容空間内に位置するように、それぞれ、前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260に相対回転不能に支持されている。
詳しくは、前記油圧ポンプ本体250は、図4に示すように、前記収容空間内において前記ポンプ軸240に相対回転不能に支持されたシリンダブロック251と、該シリンダブロック251に相対回転不能且つ軸線方向往復動可能に収容されたピストンユニット252とを備えている。
前記油圧モータ本体270は、図4に示すように、前記モータ軸260に相対回転不能に支持されたシリンダブロック271と、該シリンダブロック271に相対回転不能且つ軸線方向往復動可能に収容されたピストンユニット272とを備えている。
前記容積調整機構280は、図3〜図5に示すように、傾転位置によって前記油圧ポンプ本体250における前記ピストンユニット252の往復動範囲を変更する出力調整部材281と、基端部が該出力調整部材281に作動連結された制御軸282とを備えている。
前述の通り、本実施の形態においては、前記HST油路400は、前記ポンプ軸240に対応した部分が、該ポンプ軸240を挟んで略上下方向に延びる一対の垂直部分401とされている。
従って、前記出力調整部材281は、傾転中心軸線が車輌幅方向に沿った水平となるように構成されている。
本実施の形態においては、前記出力調整部材281は、図3〜図5に示すように、クレイドル型可動斜板とされている。
即ち、前記ケース本体220の前記端壁221の内面(前記油圧ポンプ本体250と対向する面)には、水平な傾転中心軸線を中心とした凹状の弓状斜板受け面285(図4参照)が設けられている。そして、前記クレイドル型可動斜板281は、一端面が前記ピストンユニット252の自由端部とシューを介して係合し且つ他端面が前記弓状斜板受け面285に同形状のスラストメタルを介して係合しており、前記制御軸282を操作することで水平な傾転中心軸線回りに傾転し得るように構成されている。
前記制御軸282は、前記傾転中心軸線と略平行に配置される。
本実施の形態においては、前述の通り、前記傾転中心軸線が車輌幅方向に沿った水平とされている。従って、前記制御軸282も、図4〜図6に示すように、車輌幅方向に沿った水平に配置される。
詳しくは、前記制御軸282は、図4〜図6に示すように、前記ポンプ軸240を基準にして前記モータ軸260とは車輌幅方向に関し反対側において、車輌幅方向に沿うように水平に配置されている。
即ち、本実施の形態においては、図4〜図6に示すように、前記モータ軸260は前記ポンプ軸240より車輌幅方向一方側(W1方向)に位置し、且つ、前記制御軸282は前記ポンプ軸240より車輌幅方向他方側(W2方向)に位置している。
具体的には、該制御軸282は、基端部が、前記可動斜板281のうち,前記ポンプ軸240よりも車輌幅方向他方側に位置する部分に連結され、且つ、先端部が、前記基端部から車輌幅方向他方側へ水平に延びている。
本実施の形態においては、前記制御軸282は、前記先端部に上下方向に沿った操作力が付加されることで前記可動斜板281を水平な前記傾転中心軸線回りに傾転させる。
前記油圧サーボ機構300は、前記制御軸282を介して前記可動斜板281を傾転させ得るように構成されている。
該油圧サーボ機構300は、前記油圧ポンプ本体250を基準にして前記油圧モータ本体270とは車輌幅方向反対側に配設されている。
即ち、本実施の形態においては、前述の通り、前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260が車輌幅方向に並設された構成において、前記HST油路400のうち前記ポンプ軸240に対応した部分を前記一対の垂直部分401とすることにより、前記可動斜板281の傾転中心軸線を車輌幅方向に沿った水平としている。
従って、前記制御軸282を操作する前記油圧サーボ機構300を、前記油圧ポンプ本体250を基準にして前記油圧モータ本体270とは車輌幅方向反対側に無理なく配設させることができ、これにより、前記HST200の上下幅を可及的に狭小化させている。
具体的には、図5に示すように、前記油圧サーボ機構300は、前記容積調整機構280に作動連結された状態で、略上下方向に往復動自在とされたサーボピストン310と、外部操作に基づき該サーボピストン310に対する作動油の油路を切り替える方向切替弁320とを有している。
図7に、図5におけるVII-VII線に沿った断面図を示す。
本実施の形態においては、図5及び図7に示すように、前記HSTケース210の前記ケース本体220のうち,前記油圧ポンプ本体250より車輌幅方向他方側に位置する部分に、上下方向に延びる設置孔225が形成されており、該設置孔225に前記サーボピストン310が往復動自在に収容されている。
詳しくは、前記設置孔225は上端部又は下端部の一方が開口とされており、該開口を介して前記サーボピストン310が収容されるようになっている。
本実施の形態においては、前記設置孔225は上端部が開口とされており、該開口は蓋部材226(図5及び図7参照)によって液密に閉塞されている。
好ましくは、図5及び図7に示すように、前記設置孔225に中空ライナー229を挿入させ、該中空ライナー229の内部に前記サーボピストン310を収容させることができる。
即ち、前記設置孔225に挿入される前記中空ライナー229の内部空間を、前記サーボピストン310の収容空間とすることができ、これにより、前記ケース本体220の鋳造時に厳格な精度を要することなく、前記サーボピストン収容室を形成することができる。
前記サーボピストン310は、図5及び図7に示すように、前記サーボピストン収容室内に第1油室301a及び第2油室301bを画するように、該サーボピストン収容室に復動自在に収容されている。
即ち、前記サーボピストン収容室は、前記サーボピストン310を挟んで軸線方向一方側及び他方側がそれぞれ前記第1油室301a及び第2油室301bとされている。
前記サーボピストン310は、前記サーボピストン収容室に往復動自在に収容された状態で、前記制御軸282の先端部に作動連結されている。
詳しくは、前記サーボピストン310の外周面には径方向外方へ開く係合溝が設けられており、該係合溝に前記制御軸282の先端部が係入されている。
斯かる構成により、前記サーボピストン310が軸線方向一方側へ押動されると、前記係合溝に係入された前記制御軸282が上下方向一方側へ移動し、これにより、前記可動斜板281が傾転方向一方側へ傾転するようになっている。
これに対し、前記サーボピストン310が軸線方向他方側へ押動されると、前記制御軸282が上下方向他方側へ移動し、これにより、前記可動斜板281が傾転方向他方側へ傾転するようになっている。
本実施の形態においては、前記可動斜板281は、前記モータ軸260の出力回転数を実質的にゼロとする中立位置と該モータ軸260の出力回転数を正転方向へ最大とする最大出力位置との間で傾転し得るように構成されている。
つまり、本実施の形態においては、前記サーボピストン310が軸線方向一方側の移動端に位置する際には前記可動斜板281が中立位置に位置し、該サーボピストン310が軸線方向一方側の移動端から軸線方向他方側へ移動するに従って前記可動斜板281が増速方向へ傾転し、且つ、該サーボピストン310が軸線方向他方側の移動端に位置する際に前記可動斜板281が最大出力位置に位置するようになっている。
当然ながら、前記可動斜板281が、前記モータ軸260の出力回転数を正転方向へ最大とする正転方向最大出力位置と該モータ軸260の出力回転数を逆転方向へ最大とする逆転方向最高最大位置との間で傾転し得るように構成することも可能である。
斯かる場合には、前記サーボピストン310が軸線方向一方側の移動端まで移動すると前記可動斜板281が逆転方向最大出力位置に位置し、且つ、前記サーボピストン310が軸線方向他方側の移動端まで移動すると前記可動斜板281が正転方向最大出力位置に位置するように構成される。
図5及び図7に示すように、前記サーボピストン310には、軸線方向に沿った中央孔315であって、前記方向切替弁320を軸線方向往復動自在に収容した状態で軸線方向両端部が閉塞された中央孔315と、一端部が外周面に開口してサーボピストン側入力ポート350aを形成し且つ他端部が前記中央孔315に開口してサーボピストン側出力ポート350bを形成するサーボピストン側サーボ油路350と、一端部が前記中央孔315に開口して第1油室側ポート351aを形成し且つ他端部が前記第1油室301aに流体接続された第1油室用油路351と、一端部が前記中央孔315に開口して第2油室側ポート352aを形成し且つ他端部が前記第2油室301bに流体接続された第2油室用油路352とが備えられている。
前記サーボピストン側入力ポート350aは、前記サーボピストン310の軸線方向位置に拘わらず、前記HSTケース210に形成された後述するサーボ油路410に流体接続され得るように、該サーボピストン310の軸線方向に延びる長溝とされている。
前記第1油室側ポート351a及び前記第2油室側ポート352aは、前記方向切替弁320の前記サーボピストン310に対する相対位置に応じて、前記中央孔315に選択的に流体接続されるように配置されている。
具体的には、前記方向切替弁320は、前記サーボピストン310に対する初期位置(中立位置)においては、前記第1油室側ポート351a及び前記第2油室側ポート352aの双方を前記中央孔315に対して遮断すると共に、前記初期位置から軸線方向に沿って増速側(図5及び図7においては上方)へ移動されると前記第2油室側ポート352aを前記中央孔315に対して遮断した状態で前記第1油室側ポート351aを前記中央孔315に流体接続させ、且つ、前記初期位置から軸線方向に沿って減速側(図5及び図7においては下方)へ移動されると前記第1油室側ポート351aを前記中央孔315に対して遮断した状態で前記第2油室側ポート352aを前記中央孔315に流体接続させるように構成されている。
さらに、該油圧サーボ機構300には、前記方向切替弁320の前記サーボピストン310に対する相対位置に応じて、前記第1油室側ポート351a又は前記第2油室側ポート352aを選択的に油タンク(本実施の形態においては、前記HSTケース210の内部空間)に流体接続するサーボドレン油路355が設けられている。
該サーボドレン油路355は、図5に示すように、前記方向切換弁320が中立位置に位置する際には前記第1油室側ポート351a及び前記第2油室側ポート352aの双方に対して遮断され、前記方向切換弁320が増速側へ移動すると前記第2油室側ポート352aと流体接続し、且つ、前記方向切換弁320が減速側へ移動すると前記第1油室側ポート351aと流体接続するように構成されている。
斯かる構成により、前記方向切替弁320が前記中立位置から軸線方向に沿って減速側へ移動すると、前記第2油室側ポート352aが前記サーボ油路410に流体接続され、且つ、前記第1油室側ポート351aが前記サーボドレン油路355に流体接続され、これにより、前記サーボピストン310が前記第2油室301bの油圧によって減速方向(前記可動斜板281を中立位置へ向けて傾転させる方向)へ移動するようになっている。
これに対し、前記方向切替弁320が前記中立位置から増速側へ移動すると、前記第1油室側ポート351aが前記サーボ油路410に流体接続され、且つ、前記第2油室側ポート352aが前記サーボドレン油路355に流体接続され、これにより、前記サーボピストン310が前記第1油室301aの油圧によって増速方向(前記可動斜板281を最大出力位置へ向けて傾転させる方向)へ移動するようになっている。
なお、図中の符号305は、前記方向切換弁320を減速側へ付勢する為のバネであり、前記可動斜板281を中立位置へ向けて付勢する戻しバネとして作用している。
前記方向切替弁320は、外部操作に基づき、前記サーボピストン310に対する軸線方向位置が変化されるように構成されている。
本実施の形態においては、該方向切替弁320は、油圧によって位置制御されるようになっている。
具体的には、前記HST200は、さらに、前記方向切替弁320を軸線方向に沿って移動させる油圧操作機構500を備えている。
図8に、図5におけるVIII-VIII線に沿った該油圧操作機構500の縦断側面図を示す。
該油圧操作機構500は、図5及び図8に示すように、前記方向切替弁320に連動連結された状態で操作ピストン収容室に軸線方向移動可能に収容された操作ピストン510と、前記操作ピストン510に対する作動油の給排制御を司る油圧切替手段520とを備えている。
前記操作ピストン収容室は、図5及び図8に示すように、前記操作ピストン510の軸線方向が前記方向切換弁320の軸線方向と平行となるように該操作ピストン510を収容している。
本実施の形態においては、該操作ピストン収容室は、前記ケース本体220に着脱可能に連結されるピストンケース530によって形成されている。
前記操作ピストン510は、該操作ピストン510の軸線方向一方側及び他方側に第1室501a及び第2室501bが画されるように前記操作ピストン収容室に軸線方向移動可能で且つ液密に収容されている。
本実施の形態においては、前記操作ピストン510を軸線方向一方側へ付勢するように前記第2室501bにバネ540が配設されており、前記第1室501aに前記油圧切替手段520を介して作動油が供給されると前記バネ540の付勢力に抗して前記操作ピストン510が軸線方向他方側へ移動するようになっている。
なお、前記バネ540は、前記方向切換弁520を軸線方向一方側へ付勢する前記バネ305と共に、前記可動斜板281を中立位置へ向けて付勢する戻しバネとして作用する。
図5に示すように、本実施の形態においては、前記操作ピストン510は連結ピン515によって前記方向切換弁320に作動連結されている。
従って、前記操作ピストン510が軸線方向に沿って減速側へ押動されると、前記連結ピン515を介して前記方向切替弁320も軸線方向に沿って減速側へ移動し、且つ、前記操作ピン510が軸線方向に沿って増速側へ押動されると、前記連結ピン515を介して前記方向切替弁320も軸線方向に沿って増速側へ移動するようになっている。
前記油圧切替手段520は、外部操作に基づき、補助ポンプ等の油圧源からの作動油を前記第1室501aに流入させる供給位置と、前記作動油の前記第1室501aへの流入を遮断させる遮断位置とをとり得るように構成されている。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記油圧切替手段520として電磁弁が採用されている。
さらに、本実施の形態においては、前記操作ピストン510に対する作動油を、前記サーボピストン310に対して作動油を供給する前記サーボ油路410から取り出すように構成されており、これにより、前記サーボピストン310に対する作動油圧及び前記操作ピストン510に対する作動油圧の双方を単一の油圧設定手段によって設定可能としている。
即ち、図2に示すように、前記HSTケース210には、一端部が外表面に開口して入力ポート410aを形成し且つ他端部が前記方向切替弁320を介して前記サーボピストン310に流体接続されたサーボ油路410と、一端部が前記サーボ油路410に直接又は間接的に流体接続され且つ他端部が前記油圧切替手段520を介して前記操作ピストン510に流体接続されたサーボ操作油路420とが形成されている。
さらに、前記HST200には、前記サーボ油路410又は前記サーボ操作油路420の何れか一方(図示の形態においては前記サーボ油路410)に一次側が流体接続された単一のサーボ用リリーフ弁430が備えられており、該サーボ用リリーフ弁430によって前記サーボ油路410及び前記サーボ操作油路420の双方の油圧が設定され得るようになっている。
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、前記サーボ用リリーフ弁430は前記HSTケース210に装着されている。該サーボ用リリーフ弁430の詳細については後述する。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記サーボ油路410には、油圧源として作用する第1補助ポンプ71からの圧油が供給されるようになっている。
詳しくは、前記作業車輌1には、図2に示すように、前記駆動源40によって駆動される第1補助ポンプ71と、一端部が前記第1補助ポンプ71の吐出側に直接的又は間接的に流体接続されたメイン作動油供給ライン75と、前記メイン作動油供給ライン75の油圧を設定し得るように一次側が該メイン作動油供給ラインに流体接続されたメインリリーフ弁80と、一端部が前記メインリリーフ弁80の二次側に流体接続されたHST側作動油供給ライン85とが備えられており、前記HST側作動油供給ライン85を介して前記メインリリーフ弁80から排出される前記メイン作動油供給ライン75の余剰油が前記サーボ油路410に供給されるようになっている。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記HST側作動油供給ライン85は、他端部がサーボ用出力端部86及びチャージ用出力端部87に分岐されており、前記サーボ用出力端部86が前記入力ポート410aに流体接続され、且つ、前記チャージ用出力端部87が後述するチャージポート450aに流体接続されるようになっている。
又、本実施の形態においては、図2に示すように、前記第1補助ポンプ71と前記メイン作動油供給ライン75との間にはパワーステアリング用油圧回路90が介挿されており、前記メイン作動油供給ライン75には該パワーステアリング用油圧回路90からの戻り油が供給されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、前記容積調整機構280によって給排油量が変更操作可能とされた前記油圧ポンプ本体250と給排油量が固定とされた前記油圧モータ本体270とを備え、前記容積調整機構280が前記油圧サーボ機構300によって操作されるように構成され且つ前記油圧サーボ機構300が前記油圧操作機構500によって操作されるように構成されたHST100を例に説明したが、前記操作ピストン510に対する作動油を前記サーボピストン310への作動油供給油路(サーボ油路410)から取り出すように構成し、これにより、前記操作ピストン510に対する作動油圧及び前記サーボピストン310に対する作動油圧を単一の油圧設定手段(サーボ用リリーフ弁430)によって設定可能に構成することは、アキシャルピストン本体と、前記アキシャルピストン本体の給排油量を変更させる可動斜板と、前記アキシャルピストン本体及び前記可動斜板を収容するアキシャルピストンケースと、方向切替弁の位置操作によってサーボピストンに対する作動油の給排制御を行うことで該サーボピストンに連動連結された前記可動斜板の傾転制御を行う油圧サーボ機構と、操作ピストン収容室に軸線方向移動可能な状態で前記方向切替弁に連動連結された操作ピストン及び前記操作ピストンに対する作動油の給排制御を行う電磁弁を有する油圧操作機構と、を備えた種々のアキシャルピストン装置に適用可能である。
斯かるアキシャルピストン装置としては、少なくとも一方が可変容積型とされた油圧ポンプ本体及び油圧モータ本体を有するHSTや、一又は複数の可変容積型油圧ポンプ本体を備えた油圧ポンプ装置、又は一又は複数の可変容積型油圧モータ本体を備えた油圧モータ装置が例示される。
又、本実施の形態においては、前述の通り、前記第2室501bに前記操作ピストン510を減速側(中立方向)へ付勢する前記バネ540を備え、前記第1室501aへの作動油の給排を前記電磁弁520によって制御することで、前記操作ピストン510の位置変更を行うように構成したが、これに代えて、前記第1室501a及び前記第2室501bへの作動油給排をそれぞれ第1電磁弁及び第2電磁弁によって制御することで前記操作ピストン510の位置変更を行うように構成することも可能である。
本実施の形態においては、前記方向切替弁320は、前記油圧操作機構500による油圧制御に加えて、人為操作によっても操作可能とされる。
即ち、前記HST100は、前記構成に加えて、人為操作に基づき前記方向切替弁320を軸線方向に沿って移動させる人為操作機構550を備えている。
前記人為操作機構550は、図3,図4及び図8に示すように、人為操作可能な状態で前記HSTケース210に直接又は間接的に支持された人為操作軸560と、該人為操作軸560及び前記連結ピン515を連結する連結アーム570とを有している。
本実施の形態においては、前記人為操作軸560は、前記連結ピン515と略平行に配設されており、一端部が外方へ延在された状態で前記ピストンケース530に軸線回り回転自在に支持されている。
前記連結アーム570は、一端部が前記人為操作軸560に相対回転不能に連結され且つ他端部が前記連結ピン515に相対回転不能に連結されている。
斯かる人為操作機構550を備えることにより、前記油圧操作機構500を介することなく、前記方向切替弁320を軸線方向に移動させることができる。
ここで、前記HSTケース210における油路について説明する。
前述の通り、前記HSTケース210には、前記一対のHST油路400と、前記サーボ油路410と、前記サーボ操作油路420とが設けられている。
前記一対のHST油路400は、前述の通り、前記ポンプ軸240を挟んで略垂直に延びる前記一対の垂直部分401と、前記モータ軸260を挟んで略水平に延びる前記一対の水平部分402とを有している。
本実施の形態においては、図6に示すように、該一対のHST油路400は前記ポートブロック230に形成されている。
前記サーボ油路410は、図6及び図7に示すように、前記ポートブロック230に形成されたポートブロック側サーボ油路411と、前記ケース本体220に形成されたケース本体側サーボ油路415と、前記サーボピストン310に形成された前記サーボピストン側入力油路350とを有している。
前記ポートブロック側サーボ油路411は、前記入力ポート410aを形成するように一端部が外表面に開口し且つ他端部が前記ケース本体220との当接面に開口している。
本実施の形態においては、前記入力ポート410aは、図4及び図6に示すように、前記ポンプ軸240よりも車輌幅方向他方側、即ち、前記ポンプ軸240を基準にして前記油圧サーボ機構300と車輌幅方向同一側に配置されており、これにより、前記入力ポート410aから前記油圧サーボ機構300への油路長さを可及的に短縮化させている。
前記ケース本体側サーボ油路415は、図7に示すように、一端部が前記ポートブロック側サーボ油路411の他端部に流体接続されるように前記ポートブロック230との当接面に開口し且つ他端部が前記サーボピストン側サーボ油路351に流体接続されている。
前記サーボ操作油路420は、前述の通り、前記サーボ油路410から作動油を取り出すように構成されている。
本実施の形態においては、前記サーボ操作油路420は、前記サーボピストン側サーボ油路351から作動油を取り出すようになっている。
詳しくは、図4,図7及び図8に示すように、該サーボ操作油路420は、前記ケース本体220に形成されたケース本体側サーボ操作油路421と、前記ピストンケース530に形成されたピストンケース側サーボ操作油路425とを有している。
前記ケース本体側サーボ操作油路421は、図4に示すように、一端部が前記サーボピストン側サーボ油路351に流体接続し且つ他端部が前記ピストンケース530との当接面に開口している。
本実施の形態においては、前記サーボピストン側サーボ油路351は、図7に示すように、前記サーボピストン側入力ポート350aを形成する前記一端部が前記サーボピストン310の全周に亘って径方向外方へ開いている。
斯かる構成において、前記ケース本体側サーボ操作油路421は、前記サーボピストン310を挟んで前記ケース本体側サーボ油路415とは反対側において、前記サーボピストン側サーボ油路351に流体接続されている。
なお、図4及び図7等における符号228は、前記中空ライナー229及び前記サーボピストン310が軸線回りに回転することを防止する為の規制ピンであり、前記ケース本体側サーボ操作油路421は、該規制ピン228に形成された軸線孔を介して、前記サーボピストン側サーボ油路351に流体接続されている。
前記ピストンケース側サーボ操作油路425は、図4及び図8に示すように、一端部が前記ケース本体側サーボ操作油路421に流体接続されるように前記ケース本体220との当接面に開口し且つ他端部が前記サーボ操作用電磁弁520を介して前記第1室501aに流体接続されている。
前記サーボ操作用電磁弁520は、図2及び図8に示すように、前記ピストンケース側サーボ操作油路425の一次側及び二次側を流体接続させる供給位置と、前記ピストンケース側サーボ操作油路425の一次側を遮断し且つ二次側をドレン油路440を介して油タンク(本実施の形態においては、前記HSTケース210の内部空間)に流体接続させる排出位置とをとり得るように構成されている。
さらに、前記HSTケース210には、図2,図4及び図6に示すように、前記一対のHST油路400に作動油を補給する為のチャージ油路450が形成されている。
前記チャージ油路450は、一端部が外表面に開口してチャージポート450aを形成し且つ他端部がチェック弁459を介して前記一対のHST油路400に流体接続されている。
前記チャージポート450aには、図2に示すように、前記HST側作動油供給ライン85の前記チャージ用出力端部87が流体接続されている。
前記チャージポート450aは、図4及び図6に示すように、前記モータ軸260よりも車輌幅方向一方側、即ち、前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260を基準にして前記入力ポート410aとは車輌幅方向反対側に配置されている。
このように、前記入力ポート410a及び前記チャージポート450aを車輌幅方向に振り分け配置させることにより、前記HSTケース210の大型化を招くことなく、前記油圧サーボ機構300への作動油供給及び前記HST油路400へのチャージ油供給を行うことができる。
本実施の形態においては、前記チャージ油路450の前記他端部は、図6に示すように、前記モータ軸260より車輌幅方向一方側(前記モータ軸260を基準にして車輌幅方向に関し前記ポンプ軸240とは反対側)において前記一対の水平部分に402に前記チェック弁459を介して流体接続されている。
斯かる構成を備えることにより、前記チャージ油路450の短縮化を図ることができる。
なお、図2及び図6に示すように、本実施の形態においては、前記チェック弁459はリリーフ弁を備えた複合弁とされており、対応するHST油路400が異常高圧となった際に該HST油路400から作動油をリリーフし得るようになっている。
本実施の形態においては、前記チャージ油路450の油圧は、前記サーボ用リリーフ弁に430よって設定されるようになっている。
即ち、前述の通り、前記チャージ油路450及び前記サーボ油路410は共に前記HST側作動油供給ライン85から作動油が供給されるようになっている(図2参照)。
従って、前記サーボ油路410の油圧を設定する前記サーボ用リリーフ弁430は、前記チャージ油路450の油圧を設定するチャージ用リリーフ弁としても作用するようになっている。
具体的には、前記HSTケース210には、図4に示すように、一端部が前記チャージ油路450に流体接続され且つ他端部が油タンク(本実施の形態においては、該HSTケース210の内部空間)に流体接続された油圧設定用油路460が形成されており、一次側が前記チャージ油路450に流体接続されるように前記サーボ用リリーフ弁430が該油圧設定用油路460に介挿されている。
なお、本実施の形態においては、図4に示すように、前記サーボ用リリーフ弁430は一次側が前記油圧設定用油路460の他端部に流体接続された状態で、前記HSTケース210の内部空間内に配置されている。
さらに、本実施の形態においては、図2及び図4に示すように、前記HSTケース210には、一端部が前記HSTケース210の内部空間に開口され且つ他端部が外表面に開口された潤滑油供給油路470が設けられている。
前記潤滑油供給油路470は、後述する走行系油圧伝動機構630へ向けて潤滑油を供給する為に備えられ、好ましくは、前記ミッションケース110の第1端壁120との対向面に開口される。
このように、前記HSTケース210内の貯留油を前記走行系油圧伝動機構630の潤滑油として利用することで、前記HSTケース210内の貯留油の循環が促進され、これにより、該HSTケース210内の貯留油の温度上昇を有効に防止することができる。
次に、前記ミッションケース110及び該ミッションケース110に収容された前記走行系伝動機構について説明する。
図9に、前記ミッションケースの正面図を示す。又、図10に、図3におけるX-X線に沿った断面図を示す。
図3に示すように、前記ミッションケース110は、略垂直に延びる仕切壁150によって内部空間が前後方向一方側の第1室110aと前後方向他方側の第2室110bとに区画されている。
即ち、該ミッションケース110は、前記第1端壁120及び前記仕切壁150によって前記第1室110aが区画され、且つ、前記仕切壁150及び前記第2端壁130によって前記第2室110bが区画されるようになっている。
本実施の形態においては、図3に示すように、前記ミッションケース110は、前記第1端壁120を有する第1ミッションケース本体111と、前記第2端壁130を有する第2ミッションケース本体112と、前記仕切壁150を形成するプレート部材113とを備えている。
前記第1ミッションケース本体111は、前記第1端壁120と対向する端面が開口とされている。前記第2ミッションケース本体112は、前記第2端壁130と対向する端面が開口とされている。そして、前記第1及び第2ミッションケース本体111,112は、互いの開口端面によって前記プレート部材113を挟持するように連結されている。
前記走行系伝動機構は、図2,図3,図9及び10に示すように、前記ポンプ軸240に作動連結された定速伝動軸601と、前記モータ軸260に作動連結された変速伝動軸602と、第1要素が前記変速伝動軸602に作動連結され且つ第2要素が前記定速伝動軸601に作動連結される遊星ギヤ機構610と、前記遊星ギヤ機構610の第3要素に作動連結された走行系変速軸620と、前記走行系油圧伝動機構630として作用する油圧リバーサ機構と、前記油圧リバーサ機構630の従動側に作動連結された走行系出力軸640と、前記走行系出力軸640に作動連結されたディファレンシャル機構650と、前記走行系出力軸640に作動連結された副駆動輪用伝動軸660と、前記副駆動輪30に向けて動力を出力する副駆動輪用出力軸670と、前記副駆動輪用出力軸からの出力をON/OFFする副駆動輪用油圧伝動機構680とを備えている。
前記定速伝動軸601は、前記ポンプ軸240と同軸上に位置し且つ該ポンプ軸240に対して軸線回り相対回転不能とされている。
本実施の形態においては、前記定速伝動軸601は、前記第1端壁120及び前記仕切壁150によって軸線回り回転自在に支持されている。
前記変速伝動軸602は、前記モータ軸260と同軸上に位置し且つ該モータ軸260に対して軸線回り相対回転不能とされている。
本実施の形態においては、該変速伝動軸602は、前記第1端壁120及び前記仕切壁150によって軸線回り回転自在に支持されている。
前記遊星ギヤ機構610は、図3に示すように、サンギヤ611と、前記サンギヤ611の回りを公転するように該サンギヤ611と噛合する遊星ギヤと、前記遊星ギヤを枢支するキャリア612と、前記遊星ギヤと噛合するインターナルギヤ613とを有している。
前記サンギヤ611は、前記変速伝動軸602に相対回転不能に支持されており、前記第1要素として作用している。
前記インターナルギヤ613は、ギヤトレーンを介して前記定速伝動軸601に作動連結されており、前記第2要素として作用している。本実施の形態においては、該インターナルギヤ613は、前記変速伝動軸602に相対回転自在に支持されている。
前記キャリア612は、前記第3要素として作用している。本実施の形態においては、該キャリア612の前記サンギヤ611回りの回転を取り出すように、該キャリア612に連結された駆動側ギヤ612aが前記変速伝動軸602に相対回転自在に支持されている。
本実施の形態においては、前記遊星ギヤ機構610は、前記第1室に収容されている。
前記走行系変速軸620は、図3に示すように、前後方向他方側の端部(本実施の形態においては後端部)が前記仕切壁150を貫通して前記第2室内に延在された状態で、前記第1端壁120及び前記仕切壁150によって軸線回り回転自在に支持されている。
なお、本実施の形態においては、図3に示すように、前記ミッションケース110には、前記仕切壁150より車輌前後方向他方側(図示の形態においては後方側)において略垂直に延びる軸受壁160が設けられており、前記走行系変速軸620は、前記第1端壁120及び前記仕切壁150に加えて、前記軸受壁160によっても支持されている。
本実施の形態においては、該走行系変速軸620には前記駆動側ギヤ612aと噛合する従動側ギヤ612bが相対回転不能に支持されており、これにより、該走行系変速軸620に前記遊星ギヤ機構610の出力が入力されるようになっている。
前記油圧リバーサ機構630は、図3に示すように、前記第2室内に位置するように前記走行系変速軸620に支持されている。
詳しくは、前記油圧リバーサ機構630は、前記仕切壁150及び前記軸受壁160の間に位置するように、前記走行系変速軸620に支持されている。
前記油圧リバーサ機構630は、図2に示すように、前記走行系変速軸620に相対回転不能に支持された駆動側部材631と、前記走行系変速軸620に相対回転自在に支持された第1従動側部材632a及び第2従動側部材632bと、前記駆動側部材631の回転を前記第1従動側部材632aに伝達し得る第1油圧クラッチ633aと、前記駆動側部材631の回転を前記第2従動側部材632bに伝達し得る第2油圧クラッチ633bとを備えている。
前記第1及び第2油圧クラッチ633a,633bは、前記走行系変速軸620に形成された走行系軸線孔623(図9及び図10参照)を介して給排される作動油によって作動制御されるようになっている。
本実施の形態においては、前記走行系軸線孔623は、一端部が前記第1端壁120における軸受部において前記走行系変速軸620の外表面に開口し且つ他端部が前記第1油圧クラッチ633aの作動油室に流体接続された第1走行系軸線孔623aと、一端部が前記第1端壁120における軸受部において前記走行系変速軸620の外表面に開口し且つ他端部が前記第2油圧クラッチ633bの作動油室に流体接続された第2走行系軸線孔623bとを含んでいる。
なお、図9及び図10中の符号624は、前記第1及び第2油圧クラッチ633a,633bに対して潤滑油を供給する為の潤滑用走行系軸線孔である。
該潤滑用走行系軸線孔624は、一端部が前記第1端壁120における軸受部において前記走行系変速軸620の外表面に開口し且つ他端部が前記第1及び第2油圧クラッチ633a,633bに向けて開口されている。
前記走行系出力軸640は、図3に示すように、前記第1及び第2従動側部材632a,632bにそれぞれ作動連結された状態で、前記仕切壁150及び前記軸受壁160によって軸線回り回転自在に支持されている。
本実施の形態においては、前記走行系出力軸640は、正転用ギヤトレーンを介して前記第1従動側部材632aに作動連結され、且つ、逆転用ギヤトレーンを介して前記第2従動側部材632bに作動連結されている。
前記ディファレンシャルギヤ機構650は、図3に示すように、前記走行系出力軸640の回転を前記一対の主駆動輪20に差動的に伝達するように構成されている。
本実施の形態においては、該ディファレンシャルギヤ機構650は、前記走行系出力軸640より車輌前後方向後方側に配置されている。
前記副駆動輪用伝動軸660は、図3に示すように、前記走行系出力軸640に作動連結された状態で、前記第1端壁120及び前記仕切壁150に軸線回り回転自在に支持されている。
前記副駆動輪用出力軸670は、図3に示すように、一端部が前記第1端壁120から外方へ延在された状態で、該第1端壁120及び前記仕切壁150によって軸線回り回転自在に支持されている。
前記副駆動輪用油圧伝動機構680は、前記副駆動輪用伝動軸660の回転を前記副駆動輪用出力軸680に選択的に伝達又は遮断させるように構成されている。
詳しくは、該副駆動輪用油圧伝動機構680は、前記副駆動輪用伝動軸660に作動連結された状態で前記副駆動輪用出力軸670に相対回転自在に支持された駆動側部材681と、前記副駆動輪用出力軸670に相対回転不能に支持された従動側部材682と、前記駆動側部材681の回転を前記従動側部材682に選択的に伝達又は遮断する油圧クラッチ683とを有しており、前記油圧クラッチ683は前記副駆動輪用出力軸670に形成された副駆動輪用軸線孔673を介して給排される作動油によって作動制御されるようになっている。
本実施の形態においては、図2及び図3に示すように、前記副駆動輪用油圧伝動機構680は、前記副駆動輪用出力軸670への動力伝達を遮断する遮断状態と、前記走行系出力軸640の回転速度と同期した回転速度を前記副駆動輪用出力軸670に伝達する等速伝達状態と、前記走行系出力軸640の回転速度よりも高速回転を前記副駆動輪用出力軸670に伝達する増速伝達状態とをとり得るように構成されている。
詳しくは、前記副駆動輪用油圧伝動機構680は、図2及び図3に示すように、等速用ギヤトレーン680aを介して前記副駆動輪用伝動軸660に作動連結された状態で前記副駆動輪用出力軸670に相対回転自在に支持された等速用駆動側部材681aと、増速用ギヤトレーン680bを介して前記副駆動輪用伝動軸660に作動連結された状態で前記副駆動輪用出力軸670に相対回転自在に支持された増速用駆動側部材681bと、前記副駆動輪用出力軸670に相対回転不能に支持された従動側部材682と、前記等速用駆動側部材681aの回転を前記従動側部材682に選択的に伝達し得る等速用油圧クラッチ683aと、前記増速用駆動側部材681bの回転を前記従動側部材682に選択的に伝達し得る増速用油圧クラッチ683bとを備えている。
そして、前記副駆動輪用軸線孔673は、図3,図9及び図10に示すように、一端部が前記第1端壁120における軸受部において前記副駆動輪用出力軸670の外表面に開口し且つ他端部が前記等速用油圧クラッチ683aの作動油室に流体接続された等速用軸線孔673aと、一端部が前記第1端壁120における軸受部において前記副駆動輪用出力軸670の外表面に開口し且つ他端部が前記増速用油圧クラッチ683bの作動油室に流体接続された増速用軸線孔673bとを含んでいる。
本実施の形態においては、前記トランスミッション100は、さらに、前記駆動源40からの動力を外部に出力する為のPTO系伝動機構を備えている。
該PTO系伝動機構は、図2及び図3に示すように、車輌前後方向に沿うように前記仕切壁150及び前記軸受壁160とによって軸線回り回転自在に支持されたPTO系伝動軸710と、前記定速伝動軸601の回転を前記PTO伝動軸710に選択的に伝達又は遮断させるPTO系油圧伝動機構720と、前記PTO系油圧伝動軸710に作動連結されたPTO軸730とを備えている。
なお、本実施の形態においては、前記PTO系伝動機構は、さらに、前記PTO伝動軸710の回転を前記PTO軸730に変速伝達する為のPTO系変速機構740を備えている。
図11に、図3におけるXI部の拡大図を示す。
前記PTO系油圧伝動機構720は、図3に示すように、前記PTO伝動軸710に支持されており、該PTO系伝動軸710に形成されたPTO系軸線孔713(図11参照)を介して給排される作動油によって前記定速伝動軸601の回転を前記PTO伝動軸710に選択的に伝達又は遮断させるように構成されている。
詳しくは、該PTO系油圧伝動機構720は、図2及び図3に示すように、ギヤトレーンを介して前記定速伝動軸601に作動連結された状態で前記PTO系伝動軸710に相対回転自在に支持されたPTO系駆動側部材721と、前記PTO系伝動軸710に相対回転不能に支持されたPTO系従動側部材722と、前記PTO系駆動側部材721の回転を前記PTO系従動側部材722に選択的に伝達するPTO系油圧クラッチ723とを有している。
前記PTO系軸線孔713は、図11に示すように、一端部が前記軸受壁160における軸受部において前記PTO系伝動軸710の外表面に開口し且つ他端部が前記PTO系油圧クラッチ723の作動油室に流体接続されている。
なお、図11中の符号724は、前記PTO系油圧クラッチ723に対して潤滑油を供給する為の潤滑用PTO系軸線孔である。
該潤滑用PTO系軸線孔724は、一端部が前記軸受壁160における軸受部において前記PTO系伝動軸710の外表面に開口し且つ他端部が前記PTO系油圧クラッチ723に向けて開口されている。
本実施の形態においては、前記PTO系油圧伝動機構720には、前記定速伝動軸601から前記PTO系伝動軸710への動力遮断時に、該PTO系伝動軸710に作動的に制動力を付加するブレーキ装置750が付設されている。
ここで、前記種々の軸のレイアウトについて説明する。
前記定速伝動軸601及び前記変速伝動軸602は、図3,図9及び図10に示すように、それぞれ、前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260と同軸上に配置されている。
即ち、前記定速伝動軸601は前記ミッションケース110の車輌幅方向略中央に配置されており、前記変速伝動軸602は前記定速伝動軸601と上下方向に関し略同一位置で且つ車輌幅方向に関し一方側(前記ポンプ軸240を基準にして前記油圧サーボ機構300とは反対側)に配置されている。
前記副駆動輪用出力軸670は、図5,図9及び図10に示すように、前記ポンプ軸240と車輌幅方向略同一位置において該ポンプ軸240の下方に配置されている。
詳しくは、本実施の形態においては、前記HSTケース210は、図5に示すように、前記ミッションケース110の第1端壁120のうち前記副駆動輪用出力軸670より上方に位置する部分に連結されており、該第1端壁120のうち前記HSTケース210が連結される部分より下方の領域において前記副駆動輪用出力軸670の出力端部が前記ミッションケース110から外方へ延在されている。
斯かる構成において、前記ミッションケース110内に収容される種々の伝動軸は、図9及び図10に示すように、上下方向に関し、前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260と前記副駆動輪用出力軸670との間に位置されており、これにより、前記トランスミッション100の上下幅を可及的に狭小化している。
具体的には、前記走行系変速軸620は、図9及び図10に示すように、上下方向に関し前記ポンプ軸240及び前記副駆動輪用出力軸670の間で、且つ、車輌幅方向に関し前記ポンプ軸240及び前記副駆動輪用出力軸670より車輌幅方向一方側(前記ポンプ軸240を基準にして前記モータ軸260と車輌幅方向同一側)に配置されている。
前記副駆動輪用伝動軸660は、図10に示すように、上下方向に関し前記ポンプ軸240及び前記副駆動輪用出力軸670の間で、且つ、車輌幅方向に関し前記副駆動輪用出力軸670及び前記走行系変速軸620の間に配置されている。
そして、前記PTO系伝動軸710は、図10に示すように、上下方向に関し前記ポンプ軸240及び前記副駆動輪用出力軸670の間で、且つ、車輌幅方向に関し前記ポンプ軸240及び前記副駆動輪用出力軸670よりも車輌幅方向他方側(前記ポンプ軸240を基準にして前記モータ軸260とは車輌幅方向反対側)に配置されている。
このように、本実施の形態においては、前記ポンプ軸240及び前記モータ軸260を車輌幅方向に並設し、且つ、前記油圧ポンプ本体250の給排油量を変更操作する為の前記油圧サーボ機構300を前記ポンプ軸240よりも車輌幅方向他方側に配置させた構成において、前記ミッションケース110に支持される種々の伝動軸を、上下方向に関し前記ポンプ軸240及び前記副駆動輪用出力軸670の間に配置させており、これにより、前記トランスミッション100全体の上下高さの縮小化を図っている。
さらに、本実施の形態においては、前述の通り、走行系伝動経路を形成する前記走行系変速軸620及び前記副駆動輪用伝動軸660を前記ポンプ軸240及び前記副駆動輪用出力軸670よりも車輌幅方向一方側に配置させ、且つ、PTO系伝動経路を形成する前記PTO系伝動軸710を前記ポンプ軸240及び前記副駆動輪用出力軸670よりも車輌幅方向他方側に配置させている。
即ち、走行系伝動経路を形成する軸を、前記ポンプ軸240を基準にして前記モータ軸260と車輌幅方向に関し同一側に集約させ、且つ、PTO系伝動経路を形成する軸を、前記ポンプ軸240を基準にして前記モータ軸260とは車輌幅方向に関し反対側に配置させており、これにより、前記ミッションケース110の大型化を招くことなく、走行系伝動経路及びPTO系伝動経路を効率的に形成し得るようになっている。
本実施の形態においては、前記種々の油圧伝動機構に対する作動油の給排制御を司る切換弁を、前記副駆動輪用出力軸670の車輌幅方向両側に位置するデッドスペースを利用して装着させるように構成している。
即ち、図5及び図9に示すように、前記第1端壁120のうち前記HSTケース210より下方に位置する部分は、前記副駆動輪用出力軸670を挟んで車輌幅方向両側がバルブ設置領域とされている。
さらに、本実施の形態においては、前記切換弁を前記バルブ接地領域に車輌前後方向一方側(前方側)から脱着可能としており、これにより、デッドスペースの有効利用に加えて、前記切換弁の組み付け作業及びメンテナンス作業の容易化を図っている。
前記ミッションケース110には、図2に示すように、一端部が外表面(好ましくは、前記第1端壁120における前記HSTケース210との対向面)に開口されて入力ポート811を形成する入力油路810と、一端部が前記ミッションケースの内部空間に開口されたドレン油路820と、一端部が前記走行系軸線孔623にロータリージョイントを介して流体接続される走行系作動油路830と、前記走行系作動油路830を選択的に前記入力油路820又は前記ドレン油路820に流体接続させるように前記バルブ設置領域に装着される走行系切換弁840と、一端部が前記副駆動輪用軸線孔673にロータリージョイントを介して流体接続される副駆動輪用作動油路850と、前記副駆動輪用作動油路850を選択的に前記入力油路810又は前記ドレン油路820に流体接続させるように前記バルブ設置領域に装着される副駆動輪用切換弁860とが設けられている。
前記入力油路810は、油圧源から直接又は間接的に供給される圧油を受け入れるようになっている。
図2及び図7に示すように、本実施の形態においては、前記入力ポート811には、前記メイン作動油供給ライン75の他端部が流体接続されており、前記入力油路810には、前記メインリリーフ弁80によって設定される圧油が供給されるようになっている。
本実施の形態においては、前記走行系作動油路830は、前記第1走行系軸線孔623aに対応した第1走行系作動油路830aと、前記第2走行系軸線孔623bに対応した第2走行系作動油路830bとを含んでいる。
前記走行系切換弁840は、前記第1走行系作動油路830aを選択的に前記入力油路810又は前記ドレン油路820に流体接続させる第1走行系切換弁840aと、前記第2走行系作動油路830bを選択的に前記入力油路810又は前記ドレン油路820に流体接続させる第2走行系切換弁840bとを含んでいる。
本実施の形態においては、前記副駆動輪用作動油路850は、前記等速用軸線孔673aに対応した等速側作動油路850aと、前記増速用軸線孔673bに対応した増速側作動油路850bとを含んでいる。
前記副駆動輪用切換弁860は、前記等速側作動油路850aを選択的に前記入力油路810又は前記ドレン油路820に流体接続させる等速側切換弁860aと、前記増速側作動油路850bを選択的に前記入力油路810又は前記ドレン油路820に流体接続させる増速側切換弁860bとを含んでいる。
なお、本実施の形態においては、図3,図9及び図10等に示すように、前記第1端壁120の内表面に油路プレート125が接合されており、前記各油路は、該第1端壁120及び該油路プレート125の当接面に設けられた溝を利用して形成されている。
ここで、前記各切換弁による油路の切り換え動作について説明する。
図12に、図9におけるXII-XII線に沿った展開断面図を示す。
本実施の形態においては、図9及び図12に示すように、前記バルブ設置領域には、車輌前後方向一方側へ開く凹部121が形成されており、前記第1走行系切換弁840a,前記第2走行系切換弁840b,前記等速側切換弁860a及び前記増速側切換弁860bは、前記凹部内121において油路の切り換えを行うようになっている。
図5及び図9に示すように、前記第1端壁120には、前記副駆動輪用出力軸670を基準にして車輌幅方向一方側の前記バルブ設置領域及び他方側の前記バルブ設置領域に、それぞれ、第1凹部121a及び第2凹部121bが形成されている。
前記第1凹部121aには前記第1走行系切換弁840a,前記第2走行系切換弁840b及び前記増速側切換弁860bが装着され、且つ、前記第2凹部121bには前記等速側切換弁860aが装着されている。
詳しくは、前記第1凹部121aには、前記第1走行系切換弁840a,前記第2走行系切換弁840b及び前記増速側切換弁860bに対応した油路が開口されており、一方、前記第2凹部121bには前記等速側切換弁860aに対応した油路が開口されている。
即ち、図2に示すように、前記入力油路810は、他端部が第1走行系出力端部810a,第2走行系出力端部810b,等速用出力端部810c及び増速用出力端部810dに分岐されている。
前記第1凹部121aには、図9,図10及び図12に示すように、前記入力油路810の他端部のうちの前記第1走行系出力端部810a,前記第2走行系出力端部810b及び前記増速用出力端部810dが互いに離間された状態で開口され、且つ、前記第1走行系作動油路830aの他端部831a,前記第2走行系作動油路830bの他端部831b及び前記増速側作動油路850bの他端部851bが、それぞれの対応する前記出力端部の近傍において開口されている。
さらに、前記第1凹部121aには、図9,図10及び図12に示すように、前記第1走行系切換弁840a,前記第2走行系切換弁840b及び前記増速側切換弁860bに対応したドレン油路820が開口されている。
そして、前記第1走行系切換弁840aは、前記第1走行系作動油路830aの他端部831aを前記第1走行系出力端部810aに流体接続させる供給位置と前記第1走行系作動油路830aの他端部831aを前記ドレン油路820に流体接続させる排出位置とをとり得るように、前記第1凹部121a内に装着されている。
前記第2走行系切換弁840bは、前記第2走行系作動油路830bの他端部831bを前記第2走行系出力端部810bに流体接続させる供給位置と前記第2走行系作動油路830bの他端部831bを前記ドレン油路820に流体接続させる排出位置とをとり得るように、前記第1凹部121a内に装着されている。
前記増速側切換弁860bは、前記増速側作動油路850bの他端部851bを前記増速用出力端部810dに流体接続させる供給位置と前記増速側作動油路850bの他端部851bを前記ドレン油路820に流体接続させる排出位置とをとり得るように、前記第1凹部121a内に装着されている。
同様に、前記第2凹部121bには、前記入力油路810の前記等速用出力端部810cと、前記等速側作動油路850aの他端部851aと、前記等速側切換弁860aに対応したドレン油路820とが開口されている。
そして、前記等速側切換弁860aは、前記等速側作動油路850aの他端部851aを前記等速用出力端部810cに流体接続させる供給位置と前記等速側作動油路850aの他端部851aを前記ドレン油路820に流体接続させる排出位置とをとり得るように、前記第2凹部121b内に装着されている。
なお、前記第1及び第2凹部121a,121bは、対応する前記切換弁が装着された状態で蓋部材122によって閉塞されている(図5及び図12参照)。
さらに、前記ミッションケース110には、図2,図9及び図10に示すように、一端部が前記潤滑用走行系軸線孔624にロータリージョイントを介して流体接続され且つ他端部が外表面に開口して走行系潤滑ポート871を形成する走行系潤滑油路870が形成されている。
本実施の形態においては、図4,図9及び図10に示すように、前記走行系潤滑ポート871は、前記第1端壁120における前記HSTケース210との対向面に設けられており、適宜の配管475を介して前記潤滑油供給油路470に流体接続されている。
なお、図2及び図4における符号875は、前記走行系潤滑油路870の油圧を設定する為のリリーフ弁である。
さらに、本実施の形態においては、前記ミッションケース110には、図2に示すように、一端部が外表面に開口してPTO系入力ポート881を形成するPTO系入力油路880と、一端部891が前記PTO系軸線孔713にロータリージョイントを介して流体接続されるPTO系作動油路890(図11参照)と、前記PTO系作動油路890を選択的に前記PTO系入力油路880又は前記ドレン油路820に流体接続させるように前記バルブ設置領域に装着されるPTO系切換弁900とが設けられている。
本実施の形態においては、前記作業車輌1は、油圧源として、前記第1補助ポンプ71に加えて、第2補助ポンプ72を有している(図2参照)。
前記PTO系入力油路880は、前記第2補助ポンプ72からの圧油を受け入れるようになっている。
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、前記第2補助ポンプ72の吐出油は、分流器95を介してフロントローダ等の第1作業機96と油圧リフト装置等の第2作業機97とに分岐されており、前記第2作業機94からの戻り油が前記PTO系入力ポート881に供給されるようになっている。
好ましくは、前記PTO系入力ポート881は、図10に示すように、前記ポンプ軸240の基準にして車輌幅方向他方側の側面に開口される。
斯かる構成を備えることにより、前記PTO系入力油路880及び前記PTO系作動油路890を含むPTO油圧ラインの長さを短縮化させることができる。
前記PTO切換弁900は、前記各切換弁と同様に、前記第1端壁120に対して車輌前後方向一方側から装着されるようになっている。
本実施の形態においては、該PTO切換弁900は、図9に示すように、前記第2凹部121b内に装着されている。
即ち、図9〜図11に示すように、前記PTO系入力油路880の他端部882及び前記PTO系作動油路890の他端部892は前記第2凹部121b内に開口しており、前記PTO系切換弁900は、前記PTO系作動油路890を前記PTO系入力油路880に流体接続させる伝動位置と前記PTO系作動油路890を前記ドレン油路820に流体接続させる遮断位置とをとり得るように、前記第2凹部121b内に装着されている。
なお、前記PTO系作動油路890は、図11に示すように、前記仕切壁160に形成された前記一端部891を含む油路と、前記第1端壁120及び前記油路プレート125に形成された前記他端部892を含む油路と、前記両油路の間に延びる内部配管とを有している。
図2及び図11中の符号910は、前記PTO系入力油路880の油圧を設定する為のPTO用リリーフ弁911(図2参照)と前記PTO系油圧クラッチ723に対する潤滑油の油圧を設定する為のPTO潤滑用リリーフ弁912(図2参照)とが内装されたバルブブロックであり、前記PTO潤滑用リリーフ弁911の二次側が適宜の配管を介して前記潤滑用PTO系軸線孔721に流体接続されるようになっている。
なお、前記PTO用リリーフ弁911は、前記PTO系作動油路890に流体接続された油路893(図2及び図10参照)の油圧をパイロット圧として作動する可変リリーフ弁とされている。
さらに、前記ミッションケース110には、前記作業車輌1に備えられた走行系油圧ブレーキ機構25への作動油の給排制御を行うブレーキ用切換弁920と、該ブレーキ用切換弁920によって給排制御されるブレーキ用作動油路930とが設けられている。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記作業車輌1は、左右一対の駆動車軸にそれぞれ独立して制動力を付加し得る第1及び第2走行系油圧ブレーキ機構25a,25bを備えている。
従って、前記ミッションケース110には、前記第1走行系油圧ブレーキ機構25aへ作動油を供給する為の第1ブレーキ用作動油路930aと、前記第1ブレーキ用作動油路930aの給排制御を行う第1ブレーキ用切換弁920aと、前記第2走行系油圧ブレーキ機構25bへ作動油の供給する為の第2ブレーキ用作動油路930bと、前記第2ブレーキ用作動油路930bの給排制御を行う第2ブレーキ用切換弁920bとが設けられている。
前記第1及び第2ブレーキ用切換弁920a,920bは、前記種々の切換弁と同様に、車輌前後方向一方側から装着されるようになっている。
詳しくは、前記第1及び第2ブレーキ用切換弁920a,920bは、前記第2凹部121b内に装着されている。
本実施の形態においては、前記第1及び第2走行系ブレーキ機構25a,25bは前記入力油路810から供給される作動油によって作動するように構成されており、これにより、該ブレーキ機構25a,25bへの作動油供給構造の簡略化を図っている。
具体的には、前記入力油路810は、図2,図9及び図10に示すように、前記種々の出力端部810a〜810dに加えて、前記第2凹部121b内において開口する第1ブレーキ用出力端部810e及び第2ブレーキ用出力端部810fを有している。
前記第1ブレーキ用作動油路930aは、一端部931aが前記第2凹部121b内において開口し且つ他端部932aが前記ミッションケース110の外表面に開口して第1ブレーキ用出力ポートを形成している。
同様に、前記第2ブレーキ作動油路930bは、一端部931bが前記第2凹部121b内において開口し且つ他端部932bが前記ミッションケース110の外表面に開口して第2ブレーキ用出力ポートを形成している。
そして、前記第1ブレーキ用切換弁920aは、前記第1ブレーキ用作動油路930aの一端部931aを前記第1ブレーキ用出力端部810eに流体接続させる第1ブレーキ作動位置と前記第1ブレーキ用作動油路930aの一端部931aを前記ドレン油路820に流体接続させる第1ブレーキ解除位置とをとり得るように、前記第2凹部121b内に装着されている。
同様に、前記第2ブレーキ用切換920bは、前記第2ブレーキ用作動油路930bの一端部931bを前記第2ブレーキ用出力端部810fに流体接続させる第2ブレーキ作動位置と前記第2ブレーキ用作動油路930bの一端部931bを前記ドレン油路820に流体接続させる第2ブレーキ解除位置とをとり得るように、前記第2凹部121b内に装着されている。
なお、本実施の形態においては、前記切換弁として電磁弁が採用されている。
斯かる場合には、好ましくは、前記電磁弁は電気的に接地される。
例えば、前記蓋部材122を導電性部材によって形成すると共に、該蓋部材122の内面にアース線35を電気的に接続させることができる。
前記アース線35は、前記電磁弁の制御線36と共に貫通孔を介して前記ミッションケース110の外方へ延在される。前記貫通孔は、適宜のシール部材によって液密にシールされる。
又、本実施の形態においては、前記HST200は、前記ポートブロック230が前記第1端壁120と対向する状態で前記ミッションケース110に連結されているが(図3等参照)、これに代えて、前記ケース本体220が前記第1端壁120と対向するように配置させることも可能である。
このように、前記ケース本体220を前記第1端壁120に対向させる態様(即ち、前記油圧ポンプ本体250及び前記油圧モータ本体270を挟んで前記ポートブロック230が前記ミッションケース110とは反対側に配置する態様)においては、好ましくは、前記ケース本体220と前記第1端壁120とを一体形成することができる(図13参照)。
実施の形態2
以下、本発明に係るトランスミッションの他の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図14に、本実施の形態に係るトランスミッション100Bが適用された作業車輌1Bの油圧回路図を示す。
又、図15に、前記トランスミッション100BにおけるHST200Bの横断平面図を示す。
さらに、図16に、図15におけるXVI-XVI線に沿った前記HST200Bの縦断側面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施の形態に係るトランスミッション100Bは、前記チャージポート450aが省略されている点において、前記実施の形態1に係るトランスミッション100と相違している。
即ち、前記実施の形態1においては、前記HSTケース210に、前記入力ポート410a及び前記チャージポート450aが設けられていたが、本実施の形態に係るトランスミッション100Bにおいては、HSTケース210Bに前記入力ポート410aのみが設けられている。
詳しくは、本実施の形態に係るトランスミッション100Bは、前記実施の形態1に係るトランスミッション100において、前記HST200の代わりにHST200Bを備えている。
前記HST200Bは、前記実施の形態1におけるHST200において、前記HSTケース210の代わりにHSTケース210Bを有している。
図14に示すように、前記HSTケース210Bには、前記一対のHST油路400と、前記サーボ油路410と、前記サーボ操作油路420と、前記一対のHST油路400に作動油を補給する為のチャージ油路1450と、前記走行系油圧伝動機構630へ向けて作動油を供給する為の作動油供給油路1480とが設けられている。
本実施の形態においては、図14に示すように、前記サーボ油路410には、前記メイン作動油供給ライン75の圧油が直接供給されるようになっている。
前記作動油供給油路1480は、一端部が前記サーボ油路410に流体接続され且つ他端部が前記HSTケース210Bの外表面に開口されている。
本実施の形態においては、図14に示すように、前記サーボ油路410に前記メインリリーフ弁80が介挿されており、前記作動油供給油路1480の前記一端部は前記メインリリーフ弁80の一次側において前記サーボ油路410に流体接続されている。
斯かる構成により、前記走行系油圧伝動機構630の作動油圧は前記メインリリーフ弁80によって設定され、且つ、該メインリリーフ弁80からの余剰油が前記油圧サーボ機構300及び前記油圧操作機構500へ供給される。
前記チャージ油路1450は、前記サーボ油路410又は前記サーボ操作油路420から作動油を取り出すように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記HSTケース210Bに単一のポート(前記入力ポート410a)を備えるだけで、前記油圧サーボ機構300及び前記油圧操作機構500へ作動油を供給でき且つ前記HST油路400にチャージ油を供給することができる。
好ましくは、図14に示すように、一次側が前記サーボ油路410又は前記サーボ操作油路420に流体接続されるように前記サーボ用リリーフ弁430を前記チャージ油路1450に介挿すると共に、前記HSTケース210Bに、一端部が前記サーボ用リリーフ弁430の二次側において前記チャージ油路1450に流体接続され且つ他端部が油タンク(図示の形態においてはHSTケース210Bの内部空間)に流体接続されるチャージ圧設定油路1460を形成し、該チャージ圧設定油路1460に、一次側が前記チャージ油路1450を向くようにチャージ用リリーフ弁1465を介挿させることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記単一のポート(前記入力ポート410a)に導入される圧油を有効利用しつつ、前記油圧サーボ機構300及び前記油圧操作機構500の作動圧を前記サーボ用リリーフ弁430によって設定し且つ前記HST油路400へのチャージ圧を前記チャージ用リリーフ弁1460によって独立して設定することができる。
ここで、前記油路の詳細構成について説明する。
前記HSTケース210Bは、図15及び図16に示すように、前記ケース本体220と、前記開口を閉塞するように前記ケース本体220に連結される第1ポートブロック230Bと、前記第1ポートブロック230Bにおける前記ケース本体220とは反対側の端面に連結される第2ポートブロック235Bとを含んでいる。
図17及び図18に、それぞれ、図15におけるXVII-XVII線及びXVIII-XVIII線に沿った前記第1及び第2ポートブロックの縦断面図を示す。
図17に示すように、本実施の形態においては、前記一対の垂直部分401及び前記一対の水平部分402を含む前記一対のHST油路400は、前記第1ポートブロック230Bに形成されている。
前記サーボ油路410は、図16及び図18に示すように、前記第2ポートブロック235Bに形成された第2ポートブロック側サーボ油路412と、前記第1ポートブロック230Bに形成された第1ポートブロック側サーボ油路413と、前記ケース本体220に形成された前記ケース本体側サーボ油路415と、前記サーボピストン310に形成された前記サーボピストン側入力油路350とを有している。
前記第2ポートブロック側サーボ油路412は、前記入力ポート410aを形成するように一端部が外表面に開口し且つ他端部が前記第1ポートブロック230Bとの当接面に開口している。
図18に示すように、本実施の形態においては、前記メインリリーフ弁80は該第2ポートブロック側サーボ油路235Bに介挿されている。
前記第1ポートブロック側サーボ油路413は、図16に示すように、一端部が前記第2ポートブロック側サーボ油路412の他端部に流体接続されるように前記第2ポートブロック235Bとの当接面に開口し且つ他端部が前記ケース本体220との当接面に開口している。
前記作動油供給油路1480は、図16及び図18に示すように、一端部が前記メインリリーフ弁80の一次側において前記第2ポートブロック側サーボ油路412に流体接続され且つ他端部が前記第1端壁120との対向面に開口するように、前記第2ポートブロック235Bに形成されている。
本実施の形態においては、前記作動油供給油路1480は、配管1485を介して前記ミッションケース110の前記入力油路810に流体接続されている(図16参照)。
前記チャージ油路1450は、図17及び図18に示すように、前記第2ポートブロック235Bに形成された第2ポートブロック側チャージ油路1452と、前記第1ポートブロック203Bに形成された第1ポートブロック側チャージ油路1453とを有している。
前記第2ポートブロック側チャージ油路1452は、図18に示すように、一端部が前記メインリリーフ弁80の二次側において前記第2ポートブロック側サーボ油路412に流体接続され且つ他端部が前記第1ポートブロック230Bとの当接面に開口している。
前記第1ポートブロック側チャージ油路1453は、図15及び図17に示すように、一端部が前記第2ポートブロック側チャージ油路1452に流体接続されるように前記第2ポートブロック235Bとの当接面に開口し且つ他端部が前記チェック弁459を介して前記一対のHST油路410のそれぞれに流体接続されている。
なお、図18に示すように、本実施の形態においては、前記サーボ用リリーフ弁430は前記第2ポートブロック側チャージ油路1452に介挿されており、該サーボ用リリーフ弁430からの余剰油が前記HST油路410へのチャージ油として利用されるようになっている。
前記チャージ圧設定油路1460は、図15及び図17に示すように、一端部が前記第2ポートブロック側チャージ油路1453に流体接続され且つ他端部が前記HSTケース210Bの内部空間に開口されるように、前記第2ポートブロック230Bに形成されている。
前記チャージ用リリーフ弁1465は、図15に示すように、一次側が前記チャージ圧設定油路1460の他端部に流体接続された状態で、前記HSTケース210Bの内部空間に配置されている。
斯かる構成の前記トランスミッション100Bは、前記実施の形態1における効果に加えて、以下の効果を奏する。
即ち、前記HST200Bに単一のポート410aを備えるだけで、前記油圧サーボ機構300及び前記油圧操作機構500への作動油供給に加えて、前記HST油路400へのチャージ油供給を行うことができる。従って、油圧源71と前記HST200Bとの間の配管構造をより簡略化することができる。
又、前記ミッションケース110内に収容された前記走行系油圧伝動機構630の作動油を、前記サーボ油路410に流体接続された前記作動油供給油路1480を介して取り出すように構成しているので、前記ミッションケース110に前記走行系油圧伝動機構630への作動油供給ポートを別途備える必要が無い。従って、前記走行系油圧伝動機構630への作動油供給構造をより簡略化することができる。
さらに、前記メインリリーフ弁80を前記サーボ油路410に介挿させ、前記サーボ用リリーフ弁430を前記チャージ油路1450に介挿させ、且つ、前記チャージ用リリーフ弁1465を前記HSTケース210Bに形成された前記チャージ圧設定油路1460に介挿させているので、油圧源から単一の入力ポート410aに供給された圧油を前記走行系油圧伝動機構630、前記油圧サーボ機構300、前記油圧操作機構500及び前記HST油路400のそれぞれに適した油圧で供給することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るトランスミッションが適用された作業車輌の模式側面図である。 図2は、図1に示す作業車輌の油圧回路図である。 図3は、本発明の一実施の形態の係るトランスミッションの展開断面図である。 図4は、図3に示すトランスミッションにおけるHST近傍の横断平面図である。 図5は、図4におけるV-V線に沿った前記HSTの縦断正面図である。 図6は、図4におけるVI-VI線に沿った断面図である。 図7は、図5におけるVII-VII線に沿った断面図である。 図8は、図5におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。 図9は、図3に示すトランスミッションにおけるミッションケースの正面図である。 図10は、図3におけるX-X線に沿った断面図である。 図11は、図3におけるXI部の拡大図である。 図12は、図9におけるXII-XII線に沿った展開断面図である。 図13は、前記HSTの変形例の横断平面図である。 図14は、本発明の他の実施の形態に係るトランスミッションが適用された作業車輌の油圧回路図である。 図15は、図14に示すトランスミッションにおけるHSTの横断平面図である。 図16は、図15におけるXVI-XVI線に沿った断面図である。 図17は、図15におけるXVII-XVII線に沿った断面図である。 図18は、図15におけるXVIII-XVIII線に沿った断面図である。
符号の説明
1,1B 作業車輌
10 メインフレーム
40 駆動源
80 メインリリーフ弁
100 トランスミッション
110 ミッションケース
200,200B HST
210 HSTケース
240 ポンプ軸
250 油圧ポンプ本体
260 モータ軸
270 油圧モータ本体
280 容積調整機構
300 油圧サーボ機構
400 HST油路
401 垂直部分
402 水平部分
410 サーボ油路
410a 入力ポート
430 サーボ用リリーフ弁
450 チャージ油路
450a チャージポート
601 定速伝動軸
602 変速伝動軸
610 遊星ギヤ機構
620 走行系変速軸
630 走行系油圧伝動機構
640 走行系出力軸
650 ディファレンシャル機構
660 副駆動輪用伝動軸
670 副駆動輪用出力軸
680 副駆動輪用油圧伝動機構
710 PTO系伝動軸
720 PTO系油圧伝動機構
730 PTO軸
1460 チャージ圧設定油路
1465 チャージ用リリーフ弁
1480 作動油供給油路

Claims (9)

  1. 車輌前後方向に延びる一対のメインフレームが車輌幅方向に並列され、該一対のメインフレームの前後方向一方側に駆動源が支持されている作業車輌に適用されるトランスミッションであって、
    前記駆動源とは前後方向他方側へ離間されるように前記一対のメインフレームに連結されるミッションケースと、前記駆動源から主駆動輪へ至る走行系伝動経路に介挿されるHSTであって、前記ミッションケースの前後方向一方側の第1端壁に連結されるHSTとを備え、
    前記HSTは、前記駆動源に作動連結されるように車輌前後方向に延びるポンプ軸と、前記ポンプ軸に相対回転不能に支持される油圧ポンプ本体と、前記ポンプ軸に対して略平行とされたモータ軸と、前記モータ軸に相対回転不能に支持された油圧モータ本体と、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を収容し且つ前記ポンプ軸及びモータ軸を軸線回り相対回転自在に支持するHSTケースであって、該ポンプ軸及びモータ軸が車輌幅方向に並設されるように前記ミッションケースの第1端壁に連結されるHSTケースと、前記油圧ポンプ本体の給排油量を変更させる容積調整機構と、前記容積調整機構を操作する油圧サーボ機構であって、前記油圧ポンプ本体を基準にして前記油圧モータ本体とは車輌幅方向反対側に配設された油圧サーボ機構とを有しており、
    前記HSTケースには、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を流体接続させる一対のHST油路であって、前記ポンプ軸を挟んで略上下方向に延びる一対の垂直部分と前記モータ軸を挟んで略水平方向に延びる一対の水平部分とを含む一対のHST油路と、一端部が入力ポートを形成するように外表面に開口され且つ他端部が前記油圧サーボ機構に流体接続されたサーボ油路と、前記一対のHST油路に作動油を補給する為のチャージ油路とが形成されており、
    前記チャージ油路は、一端部が直接又は間接的に前記サーボ油路に流体接続され且つ他端部が前記HST油路に流体接続されていることを特徴とするトランスミッション。
  2. 前記チャージ油路には前記サーボ油路の油圧を設定するサーボ用リリーフ弁が介挿されており、
    前記サーボ用リリーフ弁からの余剰油が前記HST油路への補給油として利用されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトランスミッション。
  3. 前記HSTケースには、一端部が前記チャージ油路に流体接続されたチャージ圧設定油路が形成されており、該チャージ圧設定油路には前記チャージ油路の油圧を設定するチャージ用リリーフ弁が介挿されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトランスミッション。
  4. 前記ミッションケースには、前記モータ軸に作動連結される走行系油圧伝動機構が収容されており、
    前記HSTケースには、一端部が前記サーボ油路に流体接続され且つ他端部が前記走行系油圧伝動機構へ向けて作動油を供給し得るように外表面に開口された供給油路が形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のトランスミッション。
  5. 前記サーボ油路には、前記供給油路の油圧を設定し得るようにメインリリーフ弁が介挿されており、
    前記メインリリーフ弁からの余剰油が前記油圧サーボ機構の作動油として利用されるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のトランスミッション。
  6. 車輌前後方向に延びる一対のメインフレームが車輌幅方向に並列され、該一対のメインフレームの前後方向一方側に駆動源が支持されている作業車輌に適用されるトランスミッションであって、
    前記駆動源とは前後方向他方側へ離間されるように前記一対のメインフレームに連結されるミッションケースと、前記駆動源から主駆動輪へ至る走行系伝動経路に介挿されるHSTであって、前記ミッションケースの前後方向一方側の第1端壁に連結されるHSTとを備え、
    前記HSTは、前記駆動源に作動連結されるように車輌前後方向に延びるポンプ軸と、前記ポンプ軸に相対回転不能に支持される油圧ポンプ本体と、前記ポンプ軸に対して略平行とされたモータ軸と、前記モータ軸に相対回転不能に支持された油圧モータ本体と、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を収容し且つ前記ポンプ軸及びモータ軸を軸線回り相対回転自在に支持するHSTケースであって、該ポンプ軸及びモータ軸が車輌幅方向に並設されるように前記ミッションケースの第1端壁に連結されるHSTケースと、前記油圧ポンプ本体の給排油量を変更させる容積調整機構と、前記容積調整機構を操作する油圧サーボ機構であって、前記油圧ポンプ本体を基準にして前記油圧モータ本体とは車輌幅方向反対側に配設された油圧サーボ機構とを有しており、
    前記HSTケースには、前記油圧ポンプ本体及び前記油圧モータ本体を流体接続させる一対のHST油路であって、前記ポンプ軸を挟んで略上下方向に延びる一対の垂直部分と前記モータ軸を挟んで略水平方向に延びる一対の水平部分とを含む一対のHST油路と、チャージポートを形成する一端部が外表面に開口し且つ他端部が前記HST油路に流体接続されたチャージ油路と、入力ポートを形成する一端部が外表面に開口し且つ他端部が前記油圧サーボ機構に流体接続されたサーボ油路とが形成されており、
    前記入力ポートは、前記ポンプ軸を基準にして前記モータ軸とは車輌幅方向に関し反対側に配置され、
    前記チャージポートは、前記モータ軸を基準にしてポンプ軸とは車輌幅方向に関し反対側に配置されていることを特徴とするトランスミッション。
  7. 前記HSTケースには、一次側が前記サーボ油路又は前記チャージ油路に流体接続されたリリーフ弁が備えられていることを特徴とする請求項6に記載のトランスミッション。
  8. 前記ミッションケースには、前記ポンプ軸に対して車輌幅方向に関し略同一位置で且つ該ポンプ軸より下方において、前後方向一方側の端部が前記第1端壁から外方へ延在されるように副駆動輪用出力軸が支持されており、
    前記HSTケースは、前記第1端壁のうち前記副駆動輪用出力軸より上方に位置する部分に連結されており、
    前記第1端壁のうち前記副駆動輪用出力軸の車輌幅方向一方側又は他方側の少なくとも何れか一方が、前記走行系油圧伝動機構への作動油の給排を制御する為の切換弁を含むバルブの設置領域とされていることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のトランスミッション。
  9. 前記ミッションケースには、前記モータ軸に対して同軸上で軸線回り相対回転不能とされた変速伝動軸と、前記ポンプ軸に対して同軸上で軸線回り相対回転不能とされた定速伝動軸と、第1要素が前記変速伝動軸に作動連結され且つ第2要素が前記定速伝動軸に作動連結された遊星ギヤ機構の第3要素に作動連結された走行系変速軸と、前記走行系油圧伝動機構を介して前記走行系変速軸に作動連結された走行系出力軸と、前記走行系出力軸に作動連結されたディファレンシャル機構と、前記走行系出力軸に作動連結された副駆動輪用伝動軸と、副駆動輪用油圧伝動機構を介して前記副駆動輪用伝動軸に作動連結された前記副駆動輪用出力軸と、前記定速伝動軸に作動連結されたPTO系伝動軸と、PTO系油圧伝動機構を介して前記PTO系伝動軸に作動連結されたPTO軸とが支持されており、
    前記走行系変速軸は、前記ポンプ軸及び前記モータ軸より下方で且つ前記ポンプ軸を基準にして車輌幅方向に関し前記モータ軸と同一側に配置され、
    前記副駆動輪用伝動軸は、前記ポンプ軸より下方で且つ車輌幅方向に関し前記副駆動輪用出力軸と前記モータ軸及び前記走行系変速軸との間に配置され、
    前記PTO系伝動軸は、前記ポンプ軸及び前記モータ軸より下方で且つ前記ポンプ軸を基準にして車輌幅方向に関し前記モータ軸とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のトランスミッション。
JP2006133740A 2006-05-12 2006-05-12 トランスミッション Pending JP2007302146A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006133740A JP2007302146A (ja) 2006-05-12 2006-05-12 トランスミッション

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006133740A JP2007302146A (ja) 2006-05-12 2006-05-12 トランスミッション

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007302146A true JP2007302146A (ja) 2007-11-22

Family

ID=38836455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006133740A Pending JP2007302146A (ja) 2006-05-12 2006-05-12 トランスミッション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007302146A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009243649A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Kayaba Ind Co Ltd 静油圧伝達装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63258219A (ja) * 1987-04-16 1988-10-25 Kubota Ltd 車輌の伝動構造
JPH1191379A (ja) * 1997-09-18 1999-04-06 Kubota Corp 作業車
JP2006096329A (ja) * 2004-09-01 2006-04-13 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 油圧伝動装置を搭載した作業車輌

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63258219A (ja) * 1987-04-16 1988-10-25 Kubota Ltd 車輌の伝動構造
JPH1191379A (ja) * 1997-09-18 1999-04-06 Kubota Corp 作業車
JP2006096329A (ja) * 2004-09-01 2006-04-13 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 油圧伝動装置を搭載した作業車輌

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009243649A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Kayaba Ind Co Ltd 静油圧伝達装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6988580B2 (en) Pump unit and working vehicle
US7237642B2 (en) Frame structure of a vehicle
US7775309B2 (en) Pump unit
EP1170164B1 (en) Axle driving apparatus
JP2015054578A (ja) 作業車両の走行伝動装置
JP2009227082A (ja) 作業車輌及びhstユニット
JP4132926B2 (ja) ポンプユニット及び作業車
US20080053736A1 (en) Wheel Motor Device, Working Vehicle, and Hydraulic Drive Working Vehicle
JP2008105573A (ja) ホイールモータ装置
JP2009196517A (ja) 油圧四輪駆動型作業車輌
JP2008202721A (ja) トランスミッション
JP2007302146A (ja) トランスミッション
JP2008201303A (ja) トランスミッション
JP2007303580A (ja) アキシャルピストン装置
JP2008202712A (ja) トランスミッション
JP4714926B2 (ja) ポンプユニット
JP3678665B2 (ja) 作業車
JP2010052555A (ja) 車軸駆動装置
JP2008201285A (ja) トランスミッション
JP2006168541A (ja) ホイールモータ装置
JP4568805B2 (ja) 車輌におけるpto装置
JP2003306052A (ja) ポンプユニット及び作業車
JP3341062B2 (ja) 作業車両のトランスミッション装置
JP2008202711A (ja) トランスミッション
JP2008201283A (ja) トランスミッション

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120316

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120706