JP2007301906A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体残量を適切に管理し、液体を有効に消費することができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ノズルに連通する圧力室を含む液体流路を有し圧力室内の液体に圧力を付与してノズルから液滴を吐出する記録ヘッド10と、該記録ヘッド10に液体を供給する液体供給手段と、ノズルから圧力室内を所定の吸引力で吸引して圧力室内の液体を排出させる吸引動作を実行するクリーニング装置40と、吸引動作に対応して予め設定された設定消費量を液体供給手段に収容された全液体量から累積的に減算することで液体供給手段の液体残量を算出する算出手段55とを具備し、且つ使用場所の少なくとも環境気圧に応じて前記設定消費量を調整する調整手段56を具備し、所定の液体残量となった時点でユーザに交換を促す。
【選択図】図6

Description

本発明は、圧力室内の液体に圧力を付与してノズルから液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置に関する。
ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置があり、具体的には、例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写機等が挙げられる。インクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、発熱素子等によって液体を沸騰させ、そのときに生じる気泡圧で液滴を吐出させるものや、液滴が充填された圧力室の容積を、圧電素子の変位によって膨張又は収縮させることでノズルから液滴を吐出させるものなどがある。さらに、例えば、静電気力を利用して圧力室の容積を変化させることで、ノズルから液滴を吐出させるようにしたものがある。
例えば、静電駆動方式のインクジェット式記録ヘッドとしては、複数のノズルが形成されたノズルプレートと、ノズルに連通するインクキャビティ(圧力室)及びインクリザーバ(共通液室)が形成され、インクキャビティの底面に可撓性電極が設けられたキャビティプレートと、可撓性電極に一定間隔で対向配置された個別電極(固定電極)が設けられた電極基板とが貼り付けられて構成され、上記インクキャビティとインクリザーバとが、ノズルプレートに形成されたインク供給路(供給口)を介して連通させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このようなインクジェット式記録ヘッドは、ノズルからインク滴を記録媒体上に吐出しているため、例えば、ノズル近傍のインクが増粘したり、インク内に気泡が存在したりすること等により、吐出不良が発生するという問題がある。このため、インクジェット式記録装置では、一般に、ノズルプレートの表面にキャップ部材を押しつけた状態で、キャップ内を吸引することで、すなわちインクキャビティ内を吸引することで、ノズルからインクを排出する吸引動作が実施されている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、インクカートリッジ等のインク供給手段のインクの残量は、一般的に、計算によって求められている。例えば、吸引動作を実施する場合、1回の吸引動作に対応して予め設定されたインク消費量(設定消費量)を、インク供給手段の全液体量から累積的に減算することによってインク残量が算出されている。そして、例えば、この計算上のインク残量に基づいてインク供給手段の交換が要求される。
また、上述した吸引動作では、実施条件を一定にした場合でも、使用場所の環境気圧、あるいは環境温度によってインクの流速が変化するため、使用場所によって吸引動作におけるインク消費量が変化してしまう。例えば、環境気圧が高くなると流速が速くなるため消費量は多くなり、逆に、環境気圧が低くなると流速が遅くなるため消費量は少なくなる。さらに、吸引動作においては、一定値以上の流速でインクをノズルから排出させる必要があるため、吸引動作の条件は、インク消費量が少ない場合、具体的には、低気圧、低温環境での使用に合わせて設定される。また、インク残量の計算に用いられる上記設定消費量は、消費量が最大となる場合、具体的には、高気圧、高温環境での使用に合わせて設定される。
このため、例えば、低気圧、低温環境で記録装置を使用すると、設定消費量が実際の消費量よりもかなり多くなり、インク供給手段の計算上のインクの残量と実際のインクの残量とが一致しないという問題が生じる。具体的には、インク供給手段内に使用できるインクがまだ残っているにも拘わらずインク供給手段を交換しなければならなくなり、インクを無駄に廃棄しなければならず、ランニングコストも増加してしまうという問題がある。
勿論、このような問題は、インク滴以外の液滴を吐出する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置においても同様に存在する。
特開平11−198386号公報(特許請求の範囲、第1図等) 特開2004−330750号公報(段落[0040]等)
本発明は、このような事情に鑑み、液体を有効に消費することができ、ランニングコストを抑えることができる液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズルに連通する圧力室を含む液体流路を有し前記圧力室内の液体に圧力を付与して前記ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドを有するヘッドユニットと、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給手段と、前記ノズルから前記圧力室内を所定の吸引力で吸引して当該圧力室内の液体を排出させる吸引動作を実行する吸引手段と、前記吸引動作に対応して予め設定された設定消費量を前記液体供給手段に収容された全液体量から累積的に減算することで前記液体供給手段の液体残量を算出する算出手段とを具備し、且つ使用場所の少なくとも環境気圧に応じて前記設定消費量を調整する調整手段を具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第1の態様では、使用場所の環境気圧に拘わらず、吸引動作における計算上の液体消費量(設定消費量)と実際の液体消費量との差が極めて小さくなる。これにより、液体供給手段の計算上の液体残量と実際の液体残量との差が小さくなるため、液体供給手段内の液体を効率的に使用することができる。
本発明の第2の態様は、使用環境の環境気圧を検出する気圧検出手段をさらに具備し、前記調整手段が、前記気圧検出手段が検出した環境気圧に応じて、前記設定消費量を調整することを特徴とする第1の態様の液体噴射装置にある。
かかる第2の態様では、使用場所の環境気圧が記録装置に設けられた気圧検出手段によって検出されるため、設定消費量が手間なくより正確に調整される。したがって、液体供給手段の計算上の液体残量と実際の液体残量との差がより確実に小さくなる。
本発明の第3の態様は、使用環境の標高を入力する入力手段と、該入力手段により入力された標高から環境気圧を算出する気圧算出手段とをさらに具備し、前記調整手段が、前記気圧算出手段によって算出された環境気圧に応じて前記設定消費量を調整することを特徴とする第1の態様の液体噴射装置にある。
かかる第3の態様では、正確な標高が入力されることで、使用場所の環境気圧が比較的容易且つ正確に算出され、設定消費量が手間なくより正確に調整される。
本発明の第4の態様は、液体噴射ヘッドが、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極との間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させるアクチュエータを具備するものであり、且つ前記アクチュエータの静電容量から環境気圧を算出する気圧算出手段をさらに具備し、前記調整手段が、前記気圧算出手段によって算出された環境気圧に応じて前記設定消費量を調整することを特徴とする第1の態様の液体噴射装置にある。
かかる第4の態様では、使用場所の環境気圧が記録装置のアクチュエータの静電容量から算出されることで、設定消費量が手間なくより正確に調整される。
本発明の第5の態様は、液体噴射ヘッドが、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極との間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させるアクチュエータを具備するものであり、且つ前記可撓性電極の残留振動波形から環境気圧を算出する気圧算出手段をさらに具備し、前記調整手段が、前記気圧算出手段によって算出された環境気圧に応じて前記設定消費量を調整することを特徴とする第1の態様の液体噴射装置にある。
かかる第5の態様では、使用場所の環境気圧が記録装置のアクチュエータの残留振動波形から算出されることで、設定消費量が手間なくより正確に調整される。
本発明の第6の態様は、前記調整手段が、前記吸引動作を実行した際に前記圧力室内が定圧で吸引される環境温度の範囲では、使用場所の環境気圧に応じて前記設定消費量を調整し、前記吸引動作を実行した際に前記圧力室内が定量で吸引される環境温度の範囲では、使用場所の環境温度に応じて前記設定消費量を調整することを特徴とする第1〜5の何れかの態様の液体噴射装置にある。
かかる第6の態様では、吸引動作における設定消費量が、記録装置の使用環境に極めて適した状態に調整される。したがって、液体供給手段の計算上の液体残量と実際の液体残量との差がより確実に小さくなる。
本発明の第7の態様は、使用場所の環境温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、前記調整手段が、使用場所の環境気圧と共に前記温度検出手段が検出した使用場所の環境温度に応じて、前記設定消費量を調整することを特徴とする第6の態様の液体噴射装置にある。
かかる第7の態様では、吸引手段の吸引力がより使用環境に適した状態に且つより手間無く調整される。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の概略斜視図である。
本実施形態の液体噴射装置は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を有するインクジェット式記録装置(以下、記録装置)1であり、図1に示すように、記録ヘッドを有するヘッドユニット2(2A及び2B)は、インク供給手段を構成するインクカートリッジ3(3A及び3B)が着脱可能に設けられ、このヘッドユニット2を搭載したキャリッジ4は、装置本体5に取り付けられたキャリッジ軸6に軸方向移動自在に設けられている。なお、ヘッドユニット2A及び2Bは、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
また、キャリッジ軸6の一端部近傍には、駆動モータ7が設けられており、駆動モータ7の軸の先端部には外周に溝を有する第1のプーリ7aが設けられている。さらに、キャリッジ軸6の他端部近傍には、駆動モータ7の第1のプーリ7aに対応する第2のプーリ7bが回転自在に設けられており、これら第1のプーリ7aと第2のプーリ7bとの間には環状でゴム等の弾性部材からなるタイミングベルト8が掛けられている。
そして、駆動モータ7の駆動力がタイミングベルト8を介してキャリッジ4に伝達されることで、ヘッドユニット2を搭載したキャリッジ4はキャリッジ軸6に沿って移動される。一方、装置本体5にはキャリッジ4に沿ってプラテン9が設けられている。このプラテン9は図示しない紙送りモータの駆動力により回転できるようになっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン9に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、キャリッジ4の移動方向の端部であるプラテン9の側方の非印字領域には、詳しくは後述するが、記録ヘッドのノズル近傍のインクを吸引する吸引動作を実行する吸引手段であるクリーニング装置40が設けられている。
次に、実施形態1に係る記録ヘッドの構成について説明する。図2は、記録ヘッドの概略斜視図であり、図3は、その断面図である。本実施形態に係る記録ヘッド10は、いわゆる静電駆動方式の記録ヘッドであり、キャビティ基板11と、このキャビティ基板11の両面にそれぞれ接合されるノズルプレート20及び電極基板30とで構成されている。
キャビティ基板11は、例えば、面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面側に開口する圧力室(キャビティ)12がその幅方向に複数並設されている。また、本実施形態では、図3に示すように、キャビティ基板11には、複数の圧力室12が並設された列が2列形成されている。さらに、キャビティ基板11には、各列の圧力室12に共通するインク室(貯留部)となる共通インク室13が形成されており、この共通インク室13は、後述するインク供給路を介して各圧力室12に連通されている。また、共通インク室13の底壁には、共通インク室13にインクを供給するためのインク供給孔14が形成されている。また、キャビティ基板11には、共通インク室13の外側に、後述する個別電極に接続される個別端子部を露出させるための貫通孔15が形成されている。なお、この貫通孔15は、キャビティ基板11の共通インク室13とは反対側の端面まで連続的に形成されていてもよい。
なお、各圧力室12の底壁は、圧力室12内に圧力を付与するための振動板16として機能し、且つこの振動板16を変位させる静電気力を発生させるための共通電極としての役割を兼ねている。すなわち、この振動板16は、圧力室12に圧力を付与するためのアクチュエータを構成する可撓性電極として機能するものである。そして、キャビティ基板11の貫通孔15近傍には、ノズルプレート20の後述する露出孔内に露出されて図示しない駆動配線が接続される共通端子部17が形成されている。
ノズルプレート20は、例えば、面方位(100)のシリコン単結晶基板からなり、各圧力室12に連通する複数のノズル21が形成されている。そして、このノズルプレート20は、キャビティ基板11の開口面側に接合され、圧力室12及び共通インク室13の一方の面を形成している。また、ノズルプレート20のキャビティ基板11とは反対側の面には、ノズル21に対応する領域に亘って厚さ方向の一部を除去したノズル段差部22が形成されている。
ここで、各ノズル21は、インク滴が吐出される側に設けられてノズル段差部22内に開口する略円形の小径部21aと、小径部21aよりも大きい径を有し小径部21aと圧力室12とを連通する大径部21bとからなる。そして、全てのノズル21(小径部21a)は、このノズル段差部22内に開口しており、本実施形態では、このノズル段差部22内のノズルプレート20の表面がノズル面となる。
また、このノズルプレート20のキャビティ基板11との接合面には、圧力室12と共通インク室13との境界に対応する領域に、これら各圧力室12と共通インク室13とを連通するインク供給路23が形成されている。また、ノズルプレート20には、共通インク室13の外側に対応する位置に、キャビティ基板11の貫通孔15に連通し、後述する個別端子部と共に共通端子部17を露出させる露出孔24が形成されている。なお、この露出孔24は、貫通孔15と同様に、共通インク室13とは反対側の端面まで連続的に形成されていてもよい。
また、このノズルプレート20の表面、本実施形態では、ノズル段差部22内には、例えば、フッ素含有シランカップリング化合物等からなる撥水撥油性材料からなる撥液膜25が形成されている。これにより、ノズルプレート20の表面(ノズル面)へのインク滴の付着を抑えている。
一方、電極基板30は、シリコン単結晶基板に近い熱膨張率を有する、例えば、ホウ珪酸ガラス等のガラス基板からなり、キャビティ基板11の振動板16側の面に接合されている。この電極基板30の振動板16に対向する領域には、各圧力室12に対応して溝31が形成されている。また、電極基板30には、キャビティ基板11のインク供給孔14に対応する位置には、このインク供給孔14に連通するインク導入孔32が形成されている。そして、図示しないインクカートリッジ等のインク供給手段からこのインク導入孔32及びインク供給孔14を介して共通インク室13にインクが充填されるようになっている。
また、各溝31には、振動板16を変位させる静電気力を発生させるための固定電極である個別電極33が、振動板16との間に所定の間隔を確保した状態でそれぞれ配置されている。また、溝31内には、キャビティ基板11の貫通孔15に対向する領域に、図示しない駆動配線が接続される個別端子部34が形成されており、この個別端子部34と各個別電極33とはリード電極35によって接続されている。なお、図示しないが、これら各個別電極33及びリード電極35は絶縁膜によって封止され、また個別端子部34と共通端子部17との間には、接続配線を介して駆動電圧パルスを印加するための発振回路が接続されている。
そして、このような記録ヘッド10では、発振回路によって個別電極33と振動板16(キャビティ基板11)とで構成されるアクチュエータに駆動電圧パルスを印加すると、これら個別電極33と振動板16との隙間に発生する静電気力によって振動板16が個別電極33側に撓み変形して、圧力室12の容積が拡大し、駆動電圧の印加を解除すると、振動板16が元の状態に復帰し、圧力室12の容積が収縮する。そして、このとき発生する圧力室12内の圧力変化によって、圧力室12内のインクの一部が、ノズル21からインク滴として吐出される。
また、上述したように、このような記録ヘッド10を有するヘッドユニット2が搭載された記録装置1には、吸引手段であるクリーニング装置40が非印字領域に設けられており(図1参照)、このクリーニング装置40によって所定のタイミングで吸引動作が実行される。なお、吸引動作とは、ノズル21から圧力室12内を所定の吸引力で吸引して圧力室12内のインクをノズル21から排出させる動作であり、これにより印刷不良の発生を防止している。
図4に示すように、本実施形態に係るクリーニング装置40を構成する吸引キャップ41は、記録ヘッド10のノズルプレート20に対向して、ノズルプレート20に穿設された複数のノズル21の全てを覆うように設けられている。具体的には、吸引キャップ41は、ノズルプレート20に対向する側の面に吸引口41aを有し、この吸引口41aの縁部がノズルプレート20の表面に当接することでノズル21の全てを覆うようになっている。また、吸引キャップ41には、吸引口41aと反対側の面に吸引口41aと連通する連通口41bが設けられ、この連通口41bには吸引装置42が吸引管43を介して接続されている。
この吸引装置42としては、吸引動作時に、所定の流速が得られる程度の吸引力で圧力室12内を吸引できるものであれば、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、チューブポンプを用いている。このチューブポンプである吸引装置42は、例えば、図5に示すように、可撓性チューブ44の外形を円弧状に規制するチューブ支持面45aを有するポンプフレーム45と、ステッピングモータ等の図示しない駆動手段に接続された駆動軸46によって回動されるポンプホイル47と、このポンプホイル47の周縁部に回転可能に取り付けられた2つのローラ48とを有する。そして、このような吸引装置42では、ポンプホイル47を、駆動軸46を中心として回転させることにより、可撓性チューブ44が各ローラ48によって順次押し潰され、これにより圧力室12内が吸引されるようになっている。
そして、このようなクリーニング装置40の動作が後述する吸引制御手段等によって制御されることで、例えば、電源投入時あるいは印刷の合間等の所定のタイミングで上述した吸引動作が実行される。具体的には、吸引キャップ41をノズルプレート20に密着させた状態で、チューブポンプである吸引装置42によって吸引口41a内を負圧にして圧力室12内を所定の吸引力で吸引することにより、ノズル21から圧力室12内のインクを排出させる。これにより、圧力室12内のノズル21近傍の増粘したインクや、インクに混入している気泡等をノズル21から排出することができ、印刷不良の発生を防止することができる。
図6は、記録装置1の機能ブロック図である。図6に示すように、本実施形態に係る記録装置1は、実際に印刷を行う機構部となる記録ヘッド10と、記録ヘッド10のノズル21近傍のインクを吸引する吸引装置42を含むクリーニング装置40と、これら記録ヘッド10及びクリーニング装置40の動作を制御する制御部50とを有し、さらに、本発明では、記録装置1の使用場所の環境気圧を検出する気圧検出手段60を有する。また、制御部50は、印刷制御手段51、記録ヘッド駆動回路52、印刷位置制御手段53、吸引制御手段54と、算出手段55と、調整手段56とを有する。
吸引制御手段54は、クリーニング装置40の動作を制御して記録ヘッド10のノズル21近傍のインクを吸引する吸引動作を行わせる。詳しくは、吸引制御手段54は、印刷位置制御手段53を介して記録ヘッド10を吸引キャップ41に対向する位置に移動し、記録ヘッド10を吸引キャップ41でキャッピングする。吸引制御手段54は、制御部50等に設けられる記憶部57に記憶された駆動条件に基づいて吸引装置42を駆動することで圧力室12内を所定の吸引力で吸引する吸引動作を行わせる。
印刷制御手段51は、記録ヘッド10の印刷動作を制御し、例えば、印刷信号の入力に伴って記録ヘッド駆動回路52を介して記録ヘッド10の駆動を制御してノズル21からインク滴を吐出させる。印刷位置制御手段53は、印刷時等に、記録ヘッド10の主走査方向及び副走査方向の位置決めを行う。詳しくは、印刷位置制御手段53は、駆動モータ7を駆動してキャリッジ4を主走査方向に移動することで記録ヘッド10の主走査方向の位置決めを行い、図示しない紙送りモータを駆動してプラテン9を回転させて記録シートSを副走査方向に移動することで記録シートSに対する記録ヘッド10の副走査方向の位置決めを行う。
また、算出手段55は、印刷時のインク滴の吐出回数や、吸引動作の実施回数等の条件に基づいてインク供給手段(インクカートリッジ)のインク残量を算出する。例えば、吸引動作の場合、1回の吸引動作で消費する計算上のインク消費量が予め設定されている。そして、算出手段55は、吸引動作を実施する際に、この計算上のインク消費量(以下、「設定消費量」という)を、吸引動作の回数に応じてインク供給手段の全インク量から累積的に減算することによってインク供給手段のインク残量を算出する。また、例えば、インク供給手段が所定のインク残量となった時点で、例えば、インク交換ランプを点灯させる等により、ユーザにインク供給手段の交換を促す。
調整手段56は、気圧検出手段60が検出した使用場所の環境気圧に応じて、上記「設定消費量」を調整する。気圧検出手段60は、例えば、電源ON時等、所定のタイミングで使用場所の環境気圧を検出し、気圧検出手段60が環境気圧を検出すると、調整手段56は、この環境気圧に応じて「設定消費量」を調整する。すなわち、環境気圧に応じた「設定消費量」を記憶部57に書き込む。そして、上述したように算出手段55が、この記憶部57に記憶された調整された「設定消費量」に基づいてインク供給手段のインク残量を算出する。なお、気圧検出手段60は、環境気圧を検出することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、半導体圧力センサ等を用いた気圧計が好適に用いられる。
以下、このようなインクジェット式記録装置の動作、特に、「設定消費量」の調整動作について説明する。
まず、記録装置1の電源を投入すると、気圧検出手段60が、記録装置1の使用場所の環境気圧を検出する。例えば、海抜0(m)の場所では、環境気圧は約1060(hPa)となり、例えば、海抜2000(m)の場所では、環境気圧は約770(hPa)となる。なお、気圧検出手段60が環境気圧を検出するタイミングは、特に限定されず、例えば、電源を投入する度に検出するようにしてもよいが、例えば、インクカートリッジを交換する際等、ある程度の間隔をおいて実施するのが好ましい。
そして、このように気圧検出手段60が環境気圧を検出すると、調整手段56がこの環境気圧に基づいて「設定消費量」を調整する。具体的には、下記表1に示すような環境気圧と「設定消費量」とが関連付けられたテーブルが、例えば、記憶部57に記憶されている。そして、気圧検出手段60が環境気圧を検出すると、調整手段56が、このテーブルに基づいて「設定消費量」を選択(算出)して、制御部50の記憶部57に書き込む。
Figure 2007301906
ここで、本実施形態では、上記表1に示すように、テーブルには、「設定消費量」の基準値、例えば、「pa_a」が設定されている。また、環境気圧がその数値範囲に応じて複数のランクA〜E(A:高気圧側)に分けられており、各ランク毎に設定消費量の係数が設定されている。なお、使用頻度の高い気圧領域、あるいはインク消費量の変化が大きい気圧領域では、環境気圧の各ランクにおける数値範囲を狭くするのが好ましい。そして、気圧検出手段60が環境気圧を検出すると、調整手段56は、このようなテーブルから、気圧検出手段60が検出した環境気圧のランクに対応する設定消費量の係数を選択し、選択した係数と設定消費量の基準値とから算出された「設定消費量」を制御部50の記憶部57に書き込む。例えば、環境気圧がランクCである場合、pa_a×0.71を、「設定消費量」として制御部50の記憶部57に書き込む。なお、テーブルとしては、環境気圧と、各ランクの環境気圧に対応する「設定消費量」がそれぞれ関連づけられたもの等であってもよいことは言うまでもない。
そして、吸引動作が実施されると、算出手段55は、この記憶部57に記憶された設定消費量に基づいて、インク供給手段のインク残量を算出する。
図7に点線で示すように、吸引動作における実際のインク消費量は、ランクEからランクAに向かうほど、すなわち、環境気圧の増加に伴って増加する。そして、従来の記録装置では、「設定消費量」は、実際のインク消費量の最大値C1(ランクA:a−bに対応)に設定されるため、環境気圧がランクE(e−f)に近いほど「設定消費量」と実際のインク消費量との差は拡大する。
一方、本発明では、上述したように環境気圧に基づいて、例えば、本実施形態では、環境気圧のランクに基づいて「設定消費量」を変化させるようにしている。すなわち「設定消費量」は、図7に実線で示すように、ランクA〜Eのそれぞれにおける実際のインク消費量の最大値C1a〜C1eに設定される。したがって、環境気圧のランクに拘わらず、実際のインク消費量との差が極めて小さくなる。例えば、環境気圧のランクがEである場合、従来の記録装置では「設定消費量」C1と実際のインク消費量Crとの差d1はかなり大きくなるが、本発明の記録装置では「設定消費量」C1eと実際のインク消費量Crとの差d2は極めて小さくなる。
これにより、インク供給手段の計算上のインク残量と実際のインク残量との差が極めて小さくなる。したがって、インク供給手段(インクカートリッジ)内のインクを効率的に使用することができる。すなわち、インク供給手段内のインクをほぼ完全に使用することができるようになる。よって、ランニングコストを抑えた液体噴射装置を実現することができる。
なお、本実施形態では、環境気圧に基づいて、吸引手段の吸引速度の調整として吸引装置42の回転速度の調整を行うようにしたが、吸引手段の吸引時間の調整として吸引装置42の回転数(回転時間)の調整をさら行うようにしてもよい。これにより、インク供給手段内のインクをさらに有効に利用することができる。
(実施形態2)
図8は、本実施形態に係る記録装置の機能ブロック図である。実施形態1では、記録装置1に設けられた気圧検出手段60が環境気圧を検出するようにしたが、本実施形態では、ユーザによって入力された使用場所の標高に基づいて環境気圧を算出するようにした例である。すなわち、図8に示すように、本実施形態に係る記録装置は、気圧検出手段の替わりに、ユーザが記録装置の使用場所の標高を入力する入力手段70を具備すると共に、制御部50が使用場所の環境気圧を算出する気圧算出手段58を有する以外は、実施形態1と同様である。
入力手段70は、例えば、装置本体の前面に設けられ、例えば、各種パラメータの設定や、印刷開始を指示する各種キー等を備えた操作部であり、本実施形態では、使用場所の標高を入力することができるようになっている。また、気圧算出手段58は、例えば、このような入力手段70から入力された標高に基づいて使用場所の環境気圧を算出する。具体的には、制御部50の記憶部57に、標高と環境気圧とを関連付けたテーブル、あるいは数式を予め記憶させておく。そして、ユーザによって入力手段70から標高が入力されると、気圧算出手段58が、記憶部57に記憶されている上記テーブルあるいは数式を参照して、使用場所の環境気圧を算出する。
そして、調整手段56が、上述した気圧検出手段60が検出した環境気圧の替わりに、この気圧算出手段58によって算出された環境気圧に応じて「設定消費量」を調整する。
このような構成としても、実施形態1と同様の効果が得られることは言うまでもない。また、ユーザによって入力された標高に基づいて環境気圧を検出することで、正しい標高が入力されれば、環境気圧を正確に算出することができる。したがって、吸引装置42の駆動条件を、環境気圧に最適な状態に比較的容易に調整することができる。
なお、本実施形態では、装置本体に標高を入力するための入力手段を設けるようにしたが、このような入力手段は設けずに、記録装置1に接続されるコンピュータ側で標高を入力できるようにしてもよい。すなわち、コンピュータの制御プログラム(プリンタドライバ)などによる設定項目として「標高」を設けるようにしてもよい。
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る記録装置の機能ブロック図である。実施形態2では、気圧算出手段58が、入力手段70等から入力された標高に基づいて使用場所の環境気圧を算出するようにしたが、本実施形態では、気圧算出手段58が、記録ヘッドを構成するアクチュエータの静電容量から環境気圧を算出するようにした例であり、それ以外の構成は、実施形態2と同様である。
具体的には、図9に示すように、入力手段の替わりに、アクチュエータの静電容量、すなわち、可撓性電極である振動板16と個別電極33との間の静電容量を検出する容量検出手段80を有する。また、気圧算出手段58が、この容量検出手段80によって検出されたアクチュエータの静電容量から環境気圧を算出する。例えば、本実施形態に係る気圧算出手段58は、容量検出手段80が検出したアクチュエータの静電容量から、振動板16と個別電極33との間の距離(ギャップ)を算出し、記憶部57に記憶されているこの距離と環境気圧とが関連付けられたテーブル、あるいは所定の数式とに基づいて、使用場所の環境気圧を算出する。そして、調整手段56は、この気圧算出手段58が静電容量から算出した環境気圧に応じて「設定消費量」を調整する。
ここで、振動板16は、電圧が印加されていない状態で環境気圧に起因して変形する。例えば、環境気圧が比較的高い場合、図10(a)に示すように、振動板16は個別電極33側が凸となるように撓んだ状態となり、一方、環境気圧が比較的低い場合には、図10(b)に示すように、個別電極33側が凹となるように撓んだ状態となる。このため、これら振動板16と個別電極33との間の静電容量は、環境気圧に応じて変化する。したがって、振動板16と個別電極33との間の静電容量から、環境気圧を算出することができる。
このような構成としても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。また、アクチュエータの静電容量から環境気圧を算出することで、比較的容易に正確な環境気圧を求めることができる。
また、本実施形態では、アクチュエータの静電容量から環境気圧を算出するようにしたが、例えば、記録ヘッドの振動板16(圧力室)のインク滴吐出後の残留振動波形から環境気圧を算出するようにしてもよい。すなわち、容量検出手段80の替わりに、振動板16の残留振動波形を検出する振動検出手段を設け、気圧算出手段58が、この振動検出手段によって検出された振動板16の残留振動波形から環境気圧を算出するようにしてもよい。この振動板16の残留振動も、上述した振動板16の変形に伴って変化するため、この振動板16の残留振動波形からも環境気圧を正確に算出することができる。
(実施形態4)
図11は、実施形態4に係る記録装置の機能ブロックを示す図である。本実施形態は、調整手段56が、使用場所の環境気圧と共に、使用場所の環境温度に応じて「設定消費量」を調整するようにした例である。
本実施形態では、図11に示すように、使用場所の環境温度を検出する、例えば、サーミスタ等からなる温度検出手段90をさらに具備し、調整手段56が、以下に説明する条件に基づいて、気圧検出手段60が検出した環境気圧又は温度検出手段90が検出した環境温度の何れかに応じて「設定消費量」を調整するようにした以外は、実施形態1と同様である。
ここで、例えば、チューブポンプ等からなる吸引装置42によって吸引動作を実施すると、環境温度が高くインクの粘度が低い状態では、実質的に定量ポンプとして機能し、一方、環境温度が低くインクの粘度が高い状態では、実質的に定圧ポンプとして機能する場合がある。勿論、定圧ポンプあるいは定量ポンプとして機能する境界温度は、インクの種類や、インク流路の流路抵抗によって変化する。
そして、本実施形態では、調整手段56が、使用場所の環境温度によって、環境気圧又は環境温度の何れか一方に応じて「設定消費量」を調整するようにした。これにより、さらなるインクの有効利用が可能となる。
具体的には、本実施形態では、温度検出手段90が、電源投入時等の所定のタイミングで使用場所の環境温度を検出し、温度検出手段90が検出した環境温度が、吸引動作を実行した際に圧力室12内が定圧で吸引される範囲である場合には、実施形態1で説明したように、調整手段56が、気圧検出手段60が検出した環境気圧に応じて「設定消費量」を調整する。一方、温度検出手段90が検出した環境温度が、吸引動作を実行した際に圧力室12内が定量で吸引される範囲となった場合には、調整手段56は温度検出手段90が検出した環境温度に応じて「設定消費量」を調整する。
以下、温度検出手段90が検出した環境温度が、吸引動作を実行した際に圧力室12内が定量で吸引される範囲である場合の「設定消費量」の調整動作について説明する。なお、環境温度が吸引動作を実行した際に圧力室12内が定圧で吸引される範囲である場合は、実施形態1で説明しているため、ここでの説明は省略する。
本実施形態では、実施形態1で説明した環境気圧と設定消費量の係数等とが関連づけられたテーブルと共に、下記表2に示すような環境温度と「設定消費量」を決定する設定消費量の基準値、設定消費量の係数等が関連付けられたテーブルが記憶部57に記憶されている。
そして、温度検出手段90が環境気温を検出すると、調整手段56が、このテーブルに基づいて環境温度に適した「設定消費量」を選択(算出)して、制御部50の記憶部57に書き込む。なお、このようなテーブルとしては、環境温度と、各ランクの環境温度に対応する「設定消費量」がそれぞれ関連づけられたもの等であってもよい。
Figure 2007301906
ここで、上記表2に示すように、テーブルには「設定消費量」の基準値、例えば、「pt_a」が設定されている。また、環境温度がその数値範囲に応じて複数のランクA〜F(A:高温側)に分けられており、各ランク毎に設定消費量の係数が設定されている。なお、使用頻度の高い温度領域、あるいはインク消費量の変化が大きい温度領域では、特に、環境温度の各ランクにおける数値範囲を狭くするのが好ましく、本実施形態では、ランクF側ほど数値範囲を狭くするようにしている。そして、温度検出手段90が環境温度を検出すると、調整手段56は、このようなテーブルから、温度検出手段90が検出した環境温度のランクに対応する設定消費量の係数を選択し、選択した係数と設定消費量の基準値とから算出された「設定消費量」を制御部50の記憶部57に書き込む。例えば、環境温度がランクBである場合、pt_a×1.3を「設定消費量」として制御部50の記憶部57に書き込む。
そして、吸引動作が実施されると、算出手段55は、この記憶部57に記憶された設定消費量に基づいて、インク供給手段のインク残量を算出する。
図12に点線で示すように、吸引動作における実際のインク消費量は、ランクF(e−g)からランクA(a−b)に向かうほど、すなわち、環境温度の増加(インク粘度の減少)に伴って徐々に増加する。そして、従来の記録装置では「設定消費量」は、実際のインク消費量の最大値C1(ランクA:a−bに対応)に設定されるため、環境温度がランクFに近いほど「設定消費量」と実際のインク消費量との差は拡大する。
一方、本発明では、上述したように環境温度に基づいて、例えば、本実施形態では、環境温度のランクに基づいて「設定消費量」を調整している。すなわち「設定消費量」は、図12に実線で示すように、ランクA〜Fのそれぞれにおける実際のインク消費量の最大値C1a〜C1fに設定される。したがって、環境温度のランクに拘わらず、「設定消費量」と実際のインク消費量との差が極めて小さくなる。例えば、環境温度のランクがFである場合、従来の記録装置では「設定消費量」C1と実際のインク消費量Crとの差d1はかなり大きくなるが、本発明の記録装置では「設定消費量」C1fと実際のインク消費量Crとの差d2は極めて小さくなる。
これにより、インク供給手段の計算上のインク残量と実際のインク残量との差が極めて小さくなる。したがって、インク供給手段(インクカートリッジ)内のインクを効率的に使用することができる。すなわち、インク供給手段内のインクをほぼ完全に使用することができるようになる。よって、ランニングコストを抑えた液体噴射装置を実現することができる。
そして本実施形態のように、環境温度に応じて、調整手段56が環境気圧又は環境温度の何れか一方に応じて「設定消費量」を設定することで、「設定消費量」を記録装置の使用環境に最適な値に設定することができ、インクを極めて有効に消費することができるようになる。
なお、本実施形態では、気圧検出手段60によって検出された環境気圧、又は温度検出手段90によって検出された環境温度に応じて調整手段56が「設定消費量」を調整するようにしたが、勿論、実施形態2のように、調整手段56がユーザによって入力される環境温度、又は環境気温によって「設定消費量」を調整するようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態では、例えば、表1、表2に示したようなテーブルに基づいて、環境気圧、環境温度に応じた「設定消費量」を設定するようにしたが、これに限定されず、例えば、所定の計算式に基づいて環境気圧等に応じた「設定消費量」を設定するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、インクジェット式記録ヘッドとして、静電駆動方式の記録ヘッドを例示したが、実施形態1,2及び4の構成においては、インクジェット式記録ヘッドの駆動方式は、特に限定されるものではない。
さらに、上述した実施形態では、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置を挙げて本発明を説明したが、本発明は広く液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にも勿論適用することができる。具体的には、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を具備する液体噴射装置が挙げられる。
実施形態1に係る記録装置の概略斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの概略斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 実施形態1に係るクリーニング装置の概略図である。 実施形態1に係る吸引装置の概略平面図である。 実施形態1に係る記録装置の機能ブロック図である。 環境気圧とインク消費量及び設定消費量との関係を示すグラフである。 実施形態2に係る記録装置の機能ブロック図である。 実施形態3に係る記録装置の機能ブロック図である。 振動板の環境気圧に起因する変形状態を示す図である。 実施形態4に係る記録装置の機能ブロック図である。 環境温度とインク消費量及び設定消費量との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 記録装置、 2 ヘッドユニット、 3 インクカートリッジ、 4 キャリッジ、 5 装置本体、 6 キャリッジ軸、 7 駆動モータ、 8 タイミングベルト、 9 プラテン、 10 記録ヘッド、 11 キャビティ基板、 12 圧力室、 13 共通インク室、 14 インク供給孔、 15 貫通孔、 16 振動板、 17 共通端子部、 20 ノズルプレート、 21 ノズル、 22 ノズル段差部、 23 インク供給路、 24 露出孔、 25 撥液膜、 30 電極基板、 31 溝、 32 インク導入孔、 33 個別電極、 34 個別端子部、 35 リード電極、 40 クリーニング装置、 42 吸引装置

Claims (7)

  1. ノズルに連通する圧力室を含む液体流路を有し前記圧力室内の液体に圧力を付与して前記ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドを有するヘッドユニットと、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給手段と、前記ノズルから前記圧力室内を所定の吸引力で吸引して当該圧力室内の液体を排出させる吸引動作を実行する吸引手段と、前記吸引動作に対応して予め設定された設定消費量を前記液体供給手段に収容された全液体量から累積的に減算することで前記液体供給手段の液体残量を算出する算出手段とを具備し、且つ使用場所の少なくとも環境気圧に応じて前記設定消費量を調整する調整手段を具備することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 使用環境の環境気圧を検出する気圧検出手段をさらに具備し、前記調整手段が、前記気圧検出手段が検出した環境気圧に応じて、前記設定消費量を調整することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 使用環境の標高を入力する入力手段と、該入力手段により入力された標高から環境気圧を算出する気圧算出手段とをさらに具備し、前記調整手段が、前記気圧算出手段によって算出された環境気圧に応じて前記設定消費量を調整することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 液体噴射ヘッドが、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極との間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させるアクチュエータを具備するものであり、且つ前記アクチュエータの静電容量から環境気圧を算出する気圧算出手段をさらに具備し、前記調整手段が、前記気圧算出手段によって算出された環境気圧に応じて前記設定消費量を調整することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  5. 液体噴射ヘッドが、前記圧力室の一方面に設けられた可撓性電極と、該可撓性電極に一定間隔で対向配置された固定電極との間に駆動電圧パルスを印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を振動させるアクチュエータを具備するものであり、且つ前記可撓性電極の残留振動波形から環境気圧を算出する気圧算出手段をさらに具備し、前記調整手段が、前記気圧算出手段によって算出された環境気圧に応じて前記設定消費量を調整することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  6. 前記調整手段が、前記吸引動作を実行した際に前記圧力室内が定圧で吸引される環境温度の範囲では、使用場所の環境気圧に応じて前記設定消費量を調整し、前記吸引動作を実行した際に前記圧力室内が定量で吸引される環境温度の範囲では、使用場所の環境温度に応じて前記設定消費量を調整することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体噴射装置。
  7. 使用場所の環境温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、前記調整手段が、使用場所の環境気圧と共に前記温度検出手段が検出した使用場所の環境温度に応じて、前記設定消費量を調整することを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。
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