JP2007301804A - アルデヒド類捕集剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】木質材料中或いは接着剤中に添加、分散して使用するアルデヒド類捕集剤において、パラフィンワックスのような撥水性化合物を含有させると、該撥水性化合物の性質上、製造及び使用時にベタついて、その取り扱いが難しくなる。
【解決手段】1種若しくは2種以上のアルデヒド類捕集用化合物、1種若しくは2種以上の撥水性化合物、及び1種若しくは2種以上の固着防止化合物を少なくとも含有する常温で粉末のアルデヒド類捕集剤とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホルムアルデヒド系接着剤を用いて木質材料を接着して木質板を製造する際に、アルデヒド類を除去するために用いるアルデヒド類捕集剤及びその製造方法に関する。
パーティクルボード、合板、木質繊維板等の木質板の製造には、ホルムアルデヒド系接着剤(フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂)などを接着剤として使用する場合がある。この場合、木質板から、前記ホルムアルデヒド系接着剤に起因する遊離したホルムアルデヒドが大気中に放出され、環境や健康に害を与える問題がある。
従来、この問題の解決手段として、ホルムアルデヒドと反応してこれを捕集するいわゆるホルムアルデヒド捕集剤として、尿素、亜硫酸塩、ヒドラジド類を木質材料表面に塗布することが行われている(特許文献1、特許文献2参照)。この場合、ホルムアルデヒド捕集剤は通常水等に希釈し、液体の状態にした上で、スプレー塗工、ロール塗工等にて塗布される。木質板は、ホルムアルデヒド捕集剤を塗布後、積み重ねて保管され、出荷される。
特開平11−240002号公報 特開2002−331504号公報
ところで、木質板は美観向上の為、アルデヒド捕集剤を塗布後、表面美観を向上する為及び所要の寸法とする為に表面を薄く研磨して出荷されるのが通常であるが、表面研磨を行った場合、特に研磨厚が大きい場合、上記のような木質板表面への塗布によるホルムアルデヒド類除去方法では、木質板表面に存在するアルデヒド類捕集剤も少なくなり、その結果、上記手段ではホルムアルデヒド捕集能が低下或いはなくなってしまうという問題が生じる。この問題を解決する手段として、木質材料中に亜硫酸ナトリウムや尿素をホルムアルデヒド捕集成分として添加してホルムアルデヒド放散量を低減する方法が提案されている(特許文献3)。
特開平10−119010号公報
ただし、アルデヒド類捕集剤に含まれるアルデヒド類捕集成分はホルムアルデヒドと反応して吸収するのであるから、熱圧成型前、すなわち接着剤が未硬化で木質材料中に存在する状態でアルデヒド類捕集剤を添加した場合、接着剤中のホルムアルデヒドと反応してしまい、熱圧による硬化が阻害され、木質板の強度が低下する。また、熱圧成型前にアルデヒド類捕集用化合物の多くが消失し、熱圧成型後の木質板からのホルムアルデヒド捕集能が低下してしまう。
そこで、アルデヒド類捕集用化合物とともにパラフィンワックスのような撥水性化合物を添加することで、硬化前には、アルデヒド類捕集用化合物と接着剤成分との接触を抑制し、熱圧工程にて撥水性化合物が溶解した時点で、接着剤から遊離したホルムアルデヒド類とアルデヒド捕集用化合物が接触可能になる状態にすることができる。この方法により、ホルムアルデヒド系接着剤の接着力を維持しつつ、最大のアルデヒド類捕集効果を発揮させることができるようになる。
しかしながら、上記のようなパラフィンワックスのような撥水性化合物は、熱や圧力により粒子同士が固着する性質を有し、また粉末状若しくは粒状のアルデヒド類捕集剤全体の性質としても安息角が大きくなる傾向にあるので、製造及び使用時にベタついて取り扱いが難しくなるだけでなく、複数の粒子が固着して粗大粒子となったアルデヒド類捕集剤が木質材料に添加されると、硬化後の木質板の表面にその固着粒子跡が白斑として残留し、外観上の問題が生じる。
そこで本発明では、撥水性化合物の添加によって、ホルムアルデヒド系接着剤の接着性とアルデヒド類捕集能を両立させるという上記特徴を維持しつつ、製造及び取り扱いが容易で、木質板の外観上の問題を発生させることなく使用できるアルデヒド類捕集剤及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、木質材料中或いは接着剤中に添加、分散して使用するアルデヒド類捕集剤について、
前記アルデヒド類捕集剤は、常温で粉末であり、
1種若しくは2種以上のアルデヒド類捕集用化合物、
1種若しくは2種以上の撥水性化合物、
及び1種若しくは2種以上の固着防止化合物
を少なくとも含有ることを最も主要な特徴とする。
また、前記アルデヒド類捕集剤の製造方法としては、
(1) 撥水性化合物を溶融する工程と
(2) 前記(1)工程後、アルデヒド類捕集用化合物を攪拌混合しながら、溶融した前記撥水性化合物を該撥水性化合物の融点よりも1〜20℃高い温度の状態にて、滴下或いは噴霧する工程と
(3) 前記(2)工程にて得られた混合物を、攪拌混合しながら冷却する工程と
(4) 前記(3)工程にて、前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも10〜50℃低い温度まで冷却された時点で、更に固着防止化合物を添加する工程と
(5) 前記(4)工程にて得られた混合物を篩い分けして粉末状アルデヒド類捕集剤を得る整粒工程とを少なくとも有することを最も主要な特徴とする。
本発明のアルデヒド類捕集剤によれば、ホルムアルデヒド系接着剤の接着能を低下させることなく、高いアルデヒド類捕集能を維持できるので、これを使用して製造された木質板は、F☆☆☆☆評価の高い評価を得ることができる。また、本発明のアルデヒド類捕集剤粉末は、安息角も小さいので、ベタつくことなく、取り扱いも容易である。
また本発明のアルデヒド類捕集剤には、油性の撥水性化合物が用いられているので、アルデヒド類捕集用化合物として親水性の高い化合物を用いた場合でも、木質材料の吸水膨張を抑制でき、その結果、これ用いて製造された木質板の品質低下を防止できる。
更に本発明のアルデヒド類捕集剤を用いた木質板では、その表面への残留白斑の発生が抑制される。特に、前記粉末状アルデヒド類捕集剤に含まれる粒子の70重量%以上が、粒子径2mm以下という細かい粒子で構成することで、残留白斑の発生はほぼ完全に抑えられる。
また本発明のアルデヒド類捕集剤の製造方法によれば、ほとんどの粒子が粒子径2mm以下という細かい粒子の集合体である粉末状アルデヒド類捕集剤をワンパスで得ることができるので、収率よく含まれる粒子の70重量%以上を粒子径2mm以下にすることができる。
更に本発明のアルデヒド類捕集剤の製造方法によれば、製造されたアルデヒド類捕集剤粉末が、製造装置内にベタついて残留することもほとんどなく、装置のメンテナンスも容易であるので、上記収率改善効果と併せて、ランニングコスト上のメリットが大きい。
(アルデヒド類捕集剤)
本発明のアルデヒド類捕集剤は、木質材料中或いは接着剤中に添加、分散して使用するアルデヒド類捕集剤である。本発明のアルデヒド類捕集剤に含まれる粒子は、それぞれ常温で固体であるので、アルデヒド類捕集剤全体としても、常温で粉末状である。
本発明のアルデヒド類捕集剤には、アルデヒド類捕集用化合物、撥水性化合物及び固着防止化合物の3つの成分が少なくとも含まれている。これらそれぞれ成分は、1種類の化合物で構成することもできるし、2種類以上の化合物で構成することもできる。粉末状のアルデヒド類捕集剤を構成する粒子は、アルデヒド類捕集用化合物、撥水性化合物及び固着防止化合物のそれぞれの成分が単独で1の粒子を構成しているものでも良いし、例えば、アルデヒド類捕集用化合物の粒子表面に撥水性化合物が被覆された状態で1の粒子を形成するような、一の成分が他の成分と結合した複合体の様態で粒子化しているのものであっても良い。
本発明のアルデヒド類捕集剤は粉末であって、また該アルデヒド類捕集剤粉末に含まれる粒子の70重量%以上が、粒子径2mm以下であることが好ましい。液状のアルデヒド類捕集剤では、木質材料の熱圧成型前に添加すると、木質材料間に隙間なく入り込み、木質チップ−接着剤−木質チップの接着ポイントが少なくなって接着阻害が発生する。加えて液状のアルデヒド捕集剤を添加した後熱圧すると、木質板内部の蒸気圧が増加して破裂し、目的とする木質板に成型できない。また粉末に含まれる粒子の70%を超えて粒子径2mm以上の粒子が存在する粉末状のアルデヒド類捕集剤を用いて木質板を製造すると、製品表面に粒子跡が白斑となって表れやすくなる。
このような含まれる粒子の70重量%以上を、粒子径2mm以下の粒子で構成された粉末にするには、例えば、粉末状のアルデヒド類捕集剤を篩い目2mmの篩いにかけて、その篩い下粒子で、70重量%以上構成することにより行うことができる。粉末全体のうち、どの程度の割合の粒子が粒子径2mm以下であるかを判定するには、例えば音波振動式全自動フルイ分け測定器「RPS-85C」(セイシン企業製)などの粒度分布測定装置により、判断することができる。
本発明のアルデヒド類捕集剤粉末は、安息角が小さいほうが好ましい。安息角は粉末の性質を知る指標の一つであり、積み上げた粉末が、崩れないで安定しているときの斜面と水平面とのなす最大角度のことをいう。本発明のアルデヒド類捕集剤においては、安息角が小さいとその粉末はさらさらであり、安息角が大きいとその粉末はベタつくという指標になる。具体的には本発明のアルデヒド類捕集剤粉末では、安息角が65°以下であることが好ましく、60°以下であることが更に好ましい。安息角が大きすぎると、上述のとおりその粉末はベタつきやすく、取り扱いが困難になるだけでなく、造粒過程において、該粉末が造粒装置にこびりつきやすくなり、生産性に問題が生じる。前記安息角の具体的な測定方法は、後述の実施例において記載した。
(アルデヒド類捕集用化合物)
アルデヒド類捕集用化合物としては、アルデヒド類と反応する公知のアルデヒド類捕集能を有する化合物であれば足りる。好ましいアルデヒド類捕集化合物の例としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、尿素類、ヒドラジド類等を挙げることができる。
亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属塩や、モノエタノールアミン等のアミン塩、アンモニウム塩及びこれらの複塩等が挙げられるが、なかでも、アルデヒド類捕集性能をもち、低コストである点より、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウムが好適である。
重亜硫酸塩類としては、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、次亜硫酸塩が挙げられる。前記塩の種類は、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、等の金属塩や、モノエタノールアミン等のアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。このうち、ナトリウム塩、カリウム塩などが好ましい。
尿素類としては、尿素及び尿素結合を有する化合物が例示され、例えば、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、グアニル尿素、アセチル尿素、チオ尿素、の他、エチレン尿素、アラントイン等の環状尿素縮合体や、ビウレットなどの尿素二量体などの非環状尿素縮合体などが挙げられる。本発明ではこれら尿素類のうち1種或いは2種以上を併用して使用することもできる。これらのうち好ましい例としては、尿素、エチレン尿素、チオ尿素が挙げられ、なかでも価格等から尿素が好ましい。
ヒドラジド類としては、分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、分子中に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物を挙げることができる。モノヒドラジド化合物の具体例としては、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド等のアルキルヒドラジド化合物が挙げられる。ジヒドラジド化合物の具体例としては、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジド等の2塩基酸ジヒドラジドが挙げられる。ポリヒドラジド化合物の具体例としては、ポリアクリル酸ヒドラジド等を例示できる。これらのなかでも、2塩基酸ジヒドラジド化合物が好ましく、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジドがより好ましく、価格や入手のし易さからアジピン酸ジヒドラジドがさらに好ましい。本発明ではこれらヒドラジド類のうち1種或いは2種以上を併用して使用することもできる。
かかるアルデヒド類捕集用化合物のなかでも、常温では固体であるが、加温により亜硫酸ガスを発生する性質を有するものが好ましい。このような性質を有する化合物であれば、熱圧成型工程において、アルデヒド類捕集能を有する亜硫酸ガスが発生し、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類と気体−気体反応を生じることによりアルデヒド類を除去するため、固体−気体反応でアルデヒド類を除去する他のアルデヒド類捕集能を有する化合物を用いた場合よりも高いアルデヒド類捕集能を発揮できるからである。
前記加温より亜硫酸ガスを発生する化合物が、アルデヒド類を捕集する機構は、次のような化学反応をたどることによるものと推測される。アルデヒド類としてホルムアルデヒド、アルデヒド類捕集用化合物として亜硫酸水素ナトリウムの場合を例にとって説明する。
2NaHSO →(加熱)→ NaSO+HO+SO
HCHO+SO+HO → HOCHSOH・・・不安定な酸を生成
HOCHSOH+NaSO → HOCHSONa+NaHSO
上記のような性質を有するアルデヒド類捕集用化合物の例としては、上記の亜硫酸水素ナトリウムのような重亜硫酸塩類を挙げることができる。重亜硫酸塩類のうちでも、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩などが好ましい。前記塩の種類の例として考えられるものは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩や、モノエタノールアミン等のアミン塩、アンモニウム塩等がある。また、亜硫酸塩類であっても亜硫酸マグネシウム,亜硫酸亜鉛、亜硫酸アルミニウム等の塩は、常温で固体であって、加温より亜硫酸ガスを発生させる性質を有するものである。
(撥水性化合物)
本発明で用いる撥水性化合物は、撥水性を有する化合物のうち、常温で固体状であれば公知のものが使用できる。好ましい撥水性化合物の具体例としては、ワックス類やシリコーン類、ろう、高級脂肪酸の金属塩、油脂硬化油等が挙げられる。
ワックス類としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セシレン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックスに代表される天然ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、α―オレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、及び誘導体、酸化パラフィン、酸化マイクロクリスタリンワックス、カスターワックスや、これらをベースにした酸ワックス及びエステルワックス及び誘導体、ラノリン誘導体、石油系オレフィンベースのオレフィンと無水マレイン酸あるいはアクリル酸、又は酢酸ビニルからなるワックス、合成脂肪酸エステル等に代表される合成ワックス、油脂、高級アルコール、油脂硬化油、脂肪酸アマイド、ポリエーテルに代表されるワックスが挙げられる。
シリコーン類としては、例えばジメチルシリコーンオイルの変性体が挙げられ、高級脂肪酸の金属塩としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムが挙げられる。また、油脂硬化油としては、例えば牛脂硬化油が挙げられる。
これらの中でも、融点が40℃〜140℃の撥水性化合物が好ましく、融点が50℃〜120℃の撥水性化合物がより好ましい。木質板製造時の熱圧により溶融して木質材料全体に分散した後硬化するため、防水効果が得やすい為である。好ましい具体例としては、パラフィンワックス、カスターワックス、ポリエチレンワックス、油脂硬化油が挙げられる。これら化合物は、上記のとおり単独でも使用できるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
前記撥水性化合物の含有割合は、アルデヒド類捕集剤全体量に対し5〜80重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましい。含有割合が小さすぎると、接着剤の接着性低下を効果的に防ぐことができず、また木質材料の吸水膨張も効果的に防止できない。一方、割合が多すぎるとアルデヒド類捕集剤本来の効果であるアルデヒド類捕集能を低下させてしまう。
前記撥水性化合物は、アルデヒド類捕集剤粉末の中で、アルデヒド類捕集用化合物とは別個の粒子として存在しても、接着性低下防止効果及び木質板吸水膨張防止効果は発揮されるものであるが、アルデヒド類捕集用化合物粒子表面上に撥水性化合物が被覆された複合粒子としたほうが、接着性低下防止効果が大きいものとなる。また撥水性化合物が別個の粒子と前記複合粒子とが混在している場合でも、前記複合粒子の割合が多くなるについて、前記効果も大きくなる。
(固着防止化合物)
本発明アルデヒド類捕集剤には、生産時及び製品保管時における前記撥水性化合物粒子同士の固着防止、及び粉末としての安息角低下、すなわち製品使用時の製品流動性向上のため、固着防止化合物が含有される。具体的な固着防止化合物としては、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウムやケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩や非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、天然及び合成ゼオライト等のアルミノケイ酸塩を挙げることができる。なかでもホワイトカーボン、ゼオライト或いはベントナイトが好ましい。より効果的に固着防止効果が得られるからである。これら化合物は、上記のとおり単独でも使用できるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
前記固着防止化合物の含有割合は、アルデヒド類捕集剤全体量に対し、0.1〜10重量であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5重量%である。含有割合が小さすぎると、粒子同士の固着を効果的に防ぐことができず、また木質材料の吸水膨張も効果的に防止できない。一方、割合が多すぎても、目的とする効果は向上せず、かえって高コストとなる。
(その他の添加剤)
本発明のアルデヒド類捕集剤中には、上記化合物の他に、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、着色剤、防錆剤等の他、製造工程上必要な薬剤、例えば粉塵の発生を抑制する添加剤などを含有させることもできる。中でも熱圧成型工程において、亜硫酸ガスにてアルデヒド類を捕集する重亜硫酸塩類のような化合物を有する場合には、未反応の亜硫酸ガスを除去するために、熱圧成型工程でアンモニアなどの塩基性ガスを発生させる尿素のような化合物を含有させることが好ましい。ただしこれら添加剤は、それぞれが粉末であるか、または他の粉末の成分に吸収させて、アルデヒド類捕集剤全体としては、粉末状を維持しているものであることが求められる。
(製造方法)
上記本発明のアルデヒド類捕集剤は、以下の(1)〜(5)の工程を少なくとも経ることで、収率良く製造することができる。
(1) 撥水性化合物を溶融する工程
(2) 前記(1)工程後、アルデヒド類捕集用化合物を攪拌混合しながら、溶融した前記撥水性化合物を該撥水性化合物の融点よりも1〜20℃高い温度の状態にて、滴下或いは噴霧する工程
(3) 前記(2)工程にて得られた混合物を、攪拌混合しながら冷却する工程
(4) 前記(3)工程にて、前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも10〜50℃低い温度まで冷却された時点で、更に固着防止化合物を添加する工程
(5) 前記(4)工程にて得られた混合物を篩い分けして粉末状アルデヒド類捕集剤を得る整粒工程
((1)
工程)
本発明の(1)工程は、アルデヒド類捕集用化合物に撥水性化合物を滴下或いは噴霧するために、該撥水性化合物を溶融する工程である。溶融に用いるヒーターは公知のヒーターを用いることができる。
((2)
工程)
本発明の製造方法の(2)工程は、前記(1)工程で溶融した撥水性化合物をアルデヒド類捕集用化合物に滴下或いは噴霧する工程であるが、このときの滴下或いは噴霧温度は、該撥水性化合物の融点よりも1〜20℃高い温度とする。例えば、撥水性化合物として融点55℃のパラフィンワックスを用いた場合の滴下或いは噴霧する温度は、56〜75℃とする。更に、撥水性化合物の融点よりも5〜10℃高い温度で滴下或いは噴霧を行うことがより好ましい。滴下或いは噴霧時の温度が低すぎると、撥水性化合物が固化して配管詰まりを起こしやすくなる。一方、滴下或いは噴霧時の温度が低すぎると、造粒機内の温度が上昇するので冷却時間が長くなり余分なエネルギーロスになるとともに、製造機の壁への付着が多くなる。
なお、上記のように滴下或いは噴霧する際、温度を一定範囲に制御するためには、滴下或いは噴霧する撥水性化合物の貯蔵されたタンクから溶融した撥水性化合物を噴霧或いは滴下する噴霧ノズル或いは滴下口までの系統部の温度を制御することが好ましい。本工程で該撥水性化合物の滴下或いは噴霧時の温度範囲をコントロールしつつ、該撥水性化合物をアルデヒド類捕集用化合物に滴下或いは噴霧、なかでも噴霧することで、アルデヒド類捕集用化合物粒子表面に前記撥水性化合物が被覆された複合粒子の発生する確率が増え、接着性低下防止効果のより大きい粉末状アルデヒド類捕集剤とすることができる。成分の偏りが少ないアルデヒド類捕集剤とするため、被添加・噴霧成分であるアルデヒド類捕集用化合物を攪拌しながら滴下或いは噴霧を行うことが好ましい。
((3)
工程)
本発明の製造方法の(3) 工程は、前記(2)工程にて得られた混合物を、攪拌混合しながら冷却する工程である。冷却により、溶融していた撥水性化合物は再び固化する。
(攪拌)
前記(2) 工程及び(3) 工程における攪拌の処理条件としては、下記式(i)で定義される攪拌フルード数Frが0.1以上5.0未満となる条件で行うことが好ましい。
Fr=V/[(R×g)0.5] (i)
なお、(i)式中、Vは攪拌翼の先端の周速[m/s]を、Rは攪拌翼の回転半径[m]を、gは重力加速度[m/s2])を表す。攪拌フルード数Frを上記範囲に制御することで、粘性のある撥水性化合物を選択した場合でも、アルデヒド類捕集用化合物に均一に添加できる。撥水性化合物噴霧時のフルード数Frが小さすぎると、粒子の凝集を起こし、粗大粒子を生成しやすくなる。また造粒機の壁への付着が生じ、負荷が過大となり易くなり、好ましくない。一方、フルード数Frが大きすぎる、すなわち攪拌速度が速すぎると、攪拌による摩擦熱により造粒機の内温が上昇するため、冷却時間が長くなり、エネルギーロスとなるので好ましくない。
((4)
工程)
本発明の製造方法の(4) 工程は、前記(3)工程にて、前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも10〜50℃低い温度まで冷却された時点で、固着防止化合物を添加する工程である。例えば、撥水性化合物として融点55℃のパラフィンワックスを用いた場合は、前記混合物が、5〜45℃まで冷却された時点で固着防止化合物を添加する。更に前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも20〜30℃低い温度まで冷却された時点で、固着防止化合物を添加することが、より好ましい。
固着防止化合物の添加を前記(3)工程による冷却前に添加してしまうと、固着防止化合物が前記混合物内部に取り込まれ、流動性と固着防止性の向上に寄与しなくなる。従って、固着防止化合物は、前記混合物中の撥水性化合物が固化する(3)工程後に添加する。更に固着防止化合物を添加する温度範囲を一定の範囲に限定することで、粒子径の小さい粒子をワンパスで得やすくなる。
((5)
工程)
本発明の製造方法の(5)工程は、前記(4)工程にて得られた混合物を篩い分けして粉末状アルデヒド類捕集剤を得る整粒工程である。本発明のアルデヒド類捕集剤では、該アルデヒド類捕集剤粉末に含まれる粒子の70重量%以上が、粒子径2mm以下であることが好ましいため、篩い分けも開き目が2mmの篩いを用いて行うことが好ましいが、他の篩い目の大きさの篩いにて篩い分けることももちろん可能であり、目的とする木質板の品質、特に外観上の品質と本発明のアルデヒド類捕集剤の生産効率とのバランスより、適宜決定することができる。篩い分けの前に(4)工程で得られたアルデヒド類捕集剤を粉砕し、または篩い分け上に残った粉末を粉砕して、再び篩い分けすることも可能であるが、上記(1)〜(4)工程の条件を経て得られたアルデヒド類捕集剤粉末であれば、粉砕工程を経なくても、ワンパスで含まれる粒子の70重量%以上が、粒子径2mm以下のものを収率よく得られることが多い。
(造粒方法、装置)
上記(1)〜(4)の工程は、攪拌型造粒法、転動造粒法、押し出し造粒法、破砕型造粒法、噴霧乾燥造粒法にて行うことができ、具体的な装置としては、ハイスピードミキサー、ヘンシェルミキサー、ニューグラマシン、シュギミキサー、レディーゲミキサー、プロシェアミキサー、リボンミキサー、スパルタンミキサー、パグミキサー、タービュライザー(以上、攪拌造粒法)水平円筒型混合機(転動造粒法)、混練押出機、横型連続式のニーダー、密閉式の圧密化処理装置(以上、混練押出法)、向流式噴霧乾燥塔(噴霧乾燥造粒法)などを用いて行うとことができる。
上記(5)工程の整粒(篩い分け)は、オシレーター、振動ふるいなどを用いて行うことができる。また粉末の粉砕を行う際には、パワーミル、ハンマーミル、ピンミルなどを用いて行うことができる。
(使用方法)
本発明のアルデヒド類捕集剤を使用して木質板を製造する方法として、ホルムアルデヒド系接着剤が塗布された、或いは塗布前の木質材料に添加することができる。具体的な製造例の一例を挙げると、例えばパーティクルボード(PB)を製造する場合、比較的細かく粉砕した木質材料を表裏層用として使用し、比較的粗く粉砕した木質材料を芯層用として使用する。表裏層用木質材料中にホルムアルデヒド系接着剤をスプレー塗布した後、本発明の粉末状アルデヒド類捕集剤を添加して分散させる。芯層用も同様に接着剤を塗布し、本発明のアルデヒド類捕集剤を添加する。表裏層に添加するアルデヒド類捕集剤と芯層に添加するアルデヒド捕集剤は、表裏層用と芯層用は同一であっても異なっていてもよいが、表裏層に使用するアルデヒド類捕集剤は木質板の表面美観を損なわないものが好ましい。一方、芯層用に使用するアルデヒド類捕集剤にはアルデヒド類の捕集能が高いものが好ましい。アルデヒド類捕集剤の添加順序は、接着剤に直接添加することもできるが、木質材料中に添加するのが好ましい。この場合、添加順序は接着剤を添加する前でも後でも或いは同時でもよく、特に限定はない。
その後、表層−芯層−裏層に積層して熱圧する(熱圧成型)。熱圧により木質材料は接着され、木質板となる。熱圧成型の段階で、ホルムアルデヒド系接着剤は、接着能を発揮しつつ、遊離ホルムアルデヒドなどアルデヒド類を多量に放出することになるが、アルデヒド類捕集剤は加熱により、撥水性化合物が溶解し、アルデヒド類捕集用化合物とアルデヒド類との接触確率が増加することで、効果的なアルデヒド類捕集能を発揮するものである。本発明の一般的な加熱温度は200℃程度であるが、この温度に限られるものではない。なお木質繊維板(MDF)を製造する場合も同様にして本発明のアルデヒド類接着剤を添加して木質板を製造することができる。
木質板製造におけるアルデヒド類捕集剤の木質材料中への添加量は0.1〜20.0重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1.0〜7.0重量%である。添加量が0.1重量%より少ないと、目的とする捕集能が得られず、20.0重量%より多くてもアルデヒド補修能は大きくは変わらず、かえって接着性能を阻害しかねないからである。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。各例中、特に言及しない限り、部および%は質量基準である。
(アルデヒド類捕集剤の製造)
(実施例1)
ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)に粉末の無水重亜硫酸ナトリウム(大東化学(株)製 平均粒子径173μm)79部を入れ、融点55℃のパラフィンワックス パーバン1320(エクソンモービル社製)20部を溶融して、前記無水重亜硫酸ナトリウムに65℃の状態において噴霧し、攪拌フルード数Frが1.1の造粒条件にて造粒を行った。このとき粉体温度は、48℃まで上昇した。次に、前記粉体の温度が40℃になるまで、攪拌フルード数Frが1.1の攪拌条件を維持したままで冷却し、製造装置内のアルデヒド類捕集剤を採取し、採取したサンプルの温度が冷却温度(40℃)に達したことを確認後、シリカ カープレックス#67(DLS
JAPAN製)1部を添加した。最後に、パワーミル((株)ダルトン製)において、最大粒子径を最大3mmに設定し、これを超えるものは整粒機に戻すことで粉砕、整粒を行い、実施例1のアルデヒド類捕集剤を得た。
(実施例2〜8)
原料の種類、配合比を表1記載のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順で実施例2〜8のアルデヒド類捕集剤を得た。
Figure 2007301804
(比較例1〜5)
原料の種類、配合比を表2のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順で比較例1〜5のアルデヒド類捕集剤を得た。
(評価:安息角の測定)
上記で得られた実施例1〜8及び比較例1〜5のアルデヒド類捕集剤について、安息角の測定を行った。測定には、図1に示したような上部に開放口、短辺側側面に側面蓋を有する長方形容器を用いた。なお容器外形は3cm(短辺)×10cm(長辺)×10cm(高さ)であり、側面蓋は、底辺部分から開放でき、その大きさは3cm(横)×8cm(高さ)である。まず前記側面蓋を閉めた状態で、容器上部の前記開放口から静かに粉末試料を約280cm入れる。次に容器を下図の如く水平にした状態で容器側面の蓋を静かに開け、粉末試料が流れ出した後、該粉末試料の流れが止まった時の粉体面の角度を測定し、該角度θをその試料を安息角とした。
Figure 2007301804
(実施例6〜10:木質板試験)
木片等の木質原料をフレーカーで粉砕し、目開き寸法1.7mmの篩で篩い分けをして、篩下の木質材料を表裏層用木質材料、篩上の木質材料を芯層用木質材料とした。篩い分けした木質材料は90℃の熱風乾燥機中で乾燥し、水分を3%以下とした。次に尿素樹脂(不揮発分65%、尿素:ホルムアルデヒド=1:1.2mol)を接着剤として用い、これに55%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ20部、0.5部、0.5部、2部の割合で混合した(以下混合物Aと称す)。
一方、実施例1で作製したアルデヒド類捕集剤は、目開き3mm,2mm,1mm及び0.5mmの篩いで各大きさの粒子径ごとに篩い分けし、実施例9〜13のアルデヒド類捕集剤とした。実施例番号と篩い分けされた粉末との対応については、表3に示した。
表裏層用木質材料100部に対して前記混合物Aを25部スプレー塗工し、均一混合した。その後更に、上記篩い分けされたアルデヒド類捕集剤を5部添加して混合し、表裏層用材料とした。同様にして芯層用木質材料100部に対し混合物Aを15部、実施例1で作製したアルデヒド類捕集剤を3部添加して芯層用材料とした。次に、30cm角の型枠に裏層用材料250部、芯層用材料650部、表層用材料250部を順次敷き詰め、200℃の熱板に挟み40kgf/cmの圧力で90秒間熱圧し、厚み15.2mm、密度0.77g/cm2の木質板を得た。
上記により作製した木質板について、曲げ強度、剥離強度、吸水膨張、ホルムアルデヒド放散量及び外観試験を行った。ホルムアルデヒド放散量及び曲げ強度、剥離強度、吸水厚さ膨張率はパーティクルボード(JIS
A 5908:2003)及び、建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(JIS
A 1460:2001)に準じて測定した。また、外観試験は、熱圧成形後に得られた木質板の表面を目視で観察し、白斑の有無、大きさ、量などを調べて評価判断を行った。評価基準は次のとおりである。
◎:良好(白斑発見できず)
○:微細白斑僅かにあり
△:微細白斑多量にあり又は大き目の白斑わずかにあり
×:大きめの白斑多量にあり
上記木質板試験とその結果を表3に示す。
Figure 2007301804
本発明のアルデヒド類捕集剤は、木質材料をホルムアルデヒド系接着剤で接着する際に木質材料や接着剤に添加する添加剤として産業上利用価値の大きいものである。また本発明のアルデヒド類捕集剤製造方法は、上記アルデヒド類捕集剤を効率よく製造できる方法として産業上利用できる。また本発明の木質板は、ホルムアルデヒド放出の少なく、吸水膨張の少ないパーティクルボード、合板、木質繊維板として産業上の利用価値が高い。
粉末試料の安息角を測定する器具を示した概略図である。

Claims (6)

  1. 木質材料中或いは接着剤中に添加、分散して使用するアルデヒド類捕集剤であって、
    前記アルデヒド類捕集剤は、常温で粉末であり、
    1種若しくは2種以上のアルデヒド類捕集用化合物、
    1種若しくは2種以上の撥水性化合物、
    及び1種若しくは2種以上の固着防止化合物
    を少なくとも含有するものであることを特徴とするアルデヒド類捕集剤。
  2. 前記固着防止化合物が、炭酸塩化合物、ケイ酸塩化合物及びアルミノケイ酸塩化合物からなる群から選ばれる化合物である請求項1記載のアルデヒド類捕集剤。
  3. 前記粉末状アルデヒド類捕集剤に含まれる粒子の70重量%以上が、粒子径2mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のアルデヒド類捕集剤。
  4. 請求項1〜3記載いずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤を製造する方法であって、
    (1) 撥水性化合物を溶融する工程と
    (2) 前記(1)工程後、アルデヒド類捕集用化合物を攪拌混合しながら、溶融した前記撥水性化合物を該撥水性化合物の融点よりも1〜20℃高い温度の状態にて、滴下或いは噴霧する工程と
    (3) 前記(2)工程にて得られた混合物を、攪拌混合しながら冷却する工程と
    (4) 前記(3)工程にて、前記混合物が、前記撥水性化合物の融点よりも10〜50℃低い温度まで冷却された時点で、更に固着防止化合物を添加する工程と
    (5) 前記(4)工程にて得られた混合物を篩い分けして粉末状アルデヒド類捕集剤を得る整粒工程とを少なくとも有するアルデヒド類捕集剤の製造方法。
  5. 前記(2)及び(3)工程の攪拌混合において、下記式(i)で定義される攪拌フルード数Frが0.1以上5.0未満の条件で攪拌処理を行うものである請求項4記載のアルデヒド類捕集剤の製造方法。
    Fr=V/[(R×g)0.5] (i)
    ((i)式中、Vは攪拌翼の先端の周速[m/s]を、Rは攪拌翼の回転半径[m]を、gは重力加速度[m/s2])を現す。)
  6. 木質材料に、ホルムアルデヒド系接着剤及び請求項1〜3のいずれかの項に記載されたアルデヒド類捕集剤を少なくとも添加した後、該木質材料を熱圧成型して得られる木質板。
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