JP2007301639A - 研磨布及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼鏡フレーム、装飾品(指輪、ペンダントなど)などの小物プラスチック製品及びトイレ(便座)や洗面化粧台などのプラスチック製品のキズ除去と仕上げ(つや出し)に好適に用いられる研磨布及びこれを用いた研磨方法を提供する。
【解決手段】動植物繊維及び合成樹脂繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維の織布又は不織布からなる基材に、砥粒を接着剤にて固定してなる一次処理研磨クロスと、この一次処理研磨クロスに脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させてなる二次処理研磨クロスとを組み合わせたもの、或いは上記一次処理研磨クロスの全面積の1/4〜3/4の部分に、脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させて、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着していない一次処理研磨クロス部と、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着した二次処理研磨クロス部とを備えた研磨クロス。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック製品等の被研磨物のキズ除去と仕上げ(つや出し)に用いる研磨布及びこれを用いたプラスチック製品表面等の被研磨物の研磨方法に関する。
装飾品(ネックレス、指輪等の金、銀、プラチナ、ホワイトゴールド、錫、チタン等)、眼鏡フレーム(金属、樹脂等)、食器(銀製品等)、ゴルフ用品(ステンレス、樹脂)、時計(ステンレス、チタン等)、水洗金具(めっき品)、鏡、ガラス、塗装面などの手入れは、一般に専用と称される研磨剤と布を用いて行われる。研磨剤と布を用いた研磨方法は、汚れやキズの除去、そして仕上げ(つや出し)のために、工業用としても家庭用としても多用されているが、工業的には上記の品物、特に小物品である装飾品、眼鏡フレーム、時計ケースなどの最終研磨後の目視検査において、未研磨部分やキズ、汚れが発見された際に、それらの除去や修正などに用いられている。
また、めっき加工(多くはクロムめっき)においては、最終工程での水洗不良により水垢やシミなどが付着したりする場合がある。これらの水垢やシミはめっき表面に固着しており、比較的油脂の少ない研磨剤と布を用いて手作業により除去される。
ここで用いられる研磨剤は、油脂類と研磨成分を練り合わせた半固形状の油性ワックスや、O/WあるいはW/Oの油脂エマルジョンに砥粒を分散させたペースト状あるいは液状のものであり、用途(加工物の材質や仕上げ目的)に応じて様々な成分のものがある。また、工具となる布としては、比較的柔軟性のあるネルや綿、合成繊維などの織布又は不織布などが用いられている。
上述のように従来の研磨方式では研磨剤と布の2つの材料を用いているが、この方法には3つの問題点がある。第一に研磨剤を布に塗りつける手間がかかること、第二に布に研磨剤が多量に付いていた場合、加工物や手あるいはその付近が汚れること、第三にこの種の研磨剤は遊離砥粒のため、研磨力が弱いことである。更に、研磨剤自体が保存中に変質して使えない状態になることもしばしばある。
この問題を解決するために、布に研磨剤を含浸させた製品も既に提案されている。例えば特公昭56−15896号公報(特許文献1)には、O/Wエマルジョンタイプの液体研磨剤とゴム系接着剤とを適宜混合した溶液に布を浸漬し、脱水、乾燥、裁断工程を経て製品とした研磨艶出し布が提案されている。しかし、上記発明は、油脂と接着剤を混合使用していることから油脂を含有しているため、研磨剤(砥粒)の繊維に対する固着性が劣る欠点がある。また、含有する油脂は加工物や手を汚す原因となり、加工物の溝などに付着した際にはクリーニングを困難にしていた。更に、O/Wエマルジョンの油脂の一部は脂肪酸であるため、銀製品や銅合金などに使用した場合、加工物を短期間で変色させてしまう欠点もあった。
上記のように、従来の研磨クロスでは既に油脂が含有されているため、樹脂、塗装面、ガラス、鏡(セラミックスなど)に用いた場合、研磨クロス中の油脂が表面に再転移して加工物を汚染する欠点が著しかった。更に、樹脂に対しては、含有される油脂によって研磨力が弱くキズが取れにくいため、研磨後の光沢も劣るものとなった。特に従来の研磨クロスには脂肪酸が含まれており、研磨砥粒の条痕が深く加工物に形成されることにより、研磨ムラを生じる欠点があった。そのため、得られる製品はキズの除去が不十分で研磨の均一性に欠けるため、研磨後の表面と未研磨部分の外観が異なってしまい、全体の調和に欠けるものとなった。この欠点は樹脂製の眼鏡フレームなどの小物であれば目立たないが、便座などのような広い表面積のプラスチック製品になるほど研磨面と未研磨面の外観の差が著しかった。
最近、研磨物として、金属以外の材質で樹脂、塗装面、ガラス、鏡などの汚れやキズの除去などのメンテナンス用として、前述のペースト状研磨剤と布で処理する方法と繊維基材に研磨剤(油脂と砥粒と接着剤)が被覆された研磨クロスが用いられている。しかし、前述の2種類の方法は、ペースト状研磨剤にも研磨クロスにも既に油脂が含まれており、この油脂によって手や加工物が汚染されたり、特に硬度が小さいプラスチックにはキズが入るなどの外観不良が起きやすかったため利用しにくかった。
特公昭56−15896号公報
従って、本発明は、眼鏡フレーム、装飾品(指輪、ペンダントなど)などの小物プラスチック製品及びトイレ(便座)や洗面化粧台などのプラスチック製品等のキズ除去と仕上げ(つや出し)に好適に用いられる研磨布及びこれを用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した従来の研磨クロスの欠点を解消し、樹脂、塗装面、ガラス、鏡などの研磨、特に樹脂の研磨加工に最適な研磨クロスを得るため鋭意検討を行った結果、繊維基材に接着剤によって砥粒だけ、又はこれに帯電防止剤を添加して固定した一次処理研磨クロスを作製した場合、この研磨クロスは、一次処理用としてキズなどが除去できる高い研磨力を有するものであること、そしてこのように一次処理した研磨クロスに対し、更に脂肪酸石けん又はシリコーンを付着した、繊維基材及び砥粒が同じである二次処理(仕上げ用)研磨クロスを作製することにより、これら一次処理及び二次処理研磨クロスを用いて、ポリプロピレン等の樹脂製品のキズ除去とつや出し処理をそれぞれ行った結果、キズが容易に除去できると共に、つや出しによって樹脂製品の元の外観と同じ光沢が得られること、また、一次処理研磨クロスに帯電防止剤を付着させた場合、研磨クロスの粉塵や繊維くずが樹脂製品に付着しないことを確認したものである。
即ち、一次処理研磨クロスと二次処理研磨クロスとを組み合わせることにより、一次処理研磨クロスはキズ除去に使用でき、二次処理によって光沢力の高い樹脂用の仕上げ用研磨クロスを得ることができたものである。具体的には、天然あるいは合成繊維の基材を天然あるいは合成接着剤単独又はその混合物に砥粒を加えた研磨塗料に基材を浸漬し、これを脱水、乾燥して研磨塗料を固着した一次処理研磨クロスと、この一次処理研磨クロスを潤滑剤、例えば脂肪酸石けん水溶液、シリコーンエマルジョンの単独あるいは混合水溶液に浸漬し、ロールで脱水後乾燥してなる潤滑剤を含有した二次処理研磨クロスとを組み合わせることで、同じ材料(同一繊維と砥粒及び接着剤)で合成樹脂製品を下磨きから二次処理をすることによって光沢を出す仕上げ処理が可能な研磨布が得られることを見出し、本発明をなすにいたった。
従って、本発明は下記研磨布及び研磨方法を提供する。
〔1〕動植物繊維及び合成繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維の織布又は不織布からなる基材に、砥粒を接着剤にて固定してなる一次処理研磨クロスと、この一次処理研磨クロスに脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させてなる二次処理研磨クロスとの組み合わせからなる研磨布。
〔2〕動植物繊維及び合成繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維の織布又は不織布からなる基材に、砥粒を接着剤にて固定してなる一次処理研磨クロスの全面積の1/4〜3/4の部分に、脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させて、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着していない一次処理研磨クロス部と、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着した二次処理研磨クロス部を備えてなる研磨布。
〔3〕一次処理研磨クロス及び/又は二次処理研磨クロスに帯電防止剤が付着されてなる〔1〕又は〔2〕記載の研磨布。
〔4〕基材の面密度が10〜1,000g/m2である〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の研磨布。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の研磨布を用いて被研磨物を研磨する方法であって、研磨布の一次処理研磨クロス又は一次処理研磨クロス部で被研磨物のキズ除去を行った後、二次処理研磨クロス又は二次処理研磨クロス部で仕上げ研磨を行うことを特徴とする研磨方法。
本発明の研磨布は、樹脂(プラスチック)、塗装面、ガラス、鏡などの研磨に利用するもので、特にプラスチック製品の研磨加工において、研磨量及び光沢度に優れているものである。
本発明の研磨布は、上述したように、動植物繊維及び合成繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維の織布又は不織布からなる基材に、砥粒を接着剤にて固定してなる一次処理研磨クロスと、この一次処理研磨クロスに脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させてなる二次処理研磨クロスとを組み合わせたもの、或いは上記一次処理研磨クロスを得た後、この一次処理研磨クロスの全面積の1/4〜3/4の部分に、脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させて、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着していない一次処理研磨クロス部と、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着した二次処理研磨クロス部とを備えたものである。
この場合、織布又は不織布の基材繊維を、接着剤と砥粒と必要により帯電防止剤からなる処理液を含浸、乾燥、結着させることにより、キズ除去用の一次処理研磨クロスを得ることができ、一次処理研磨クロスに脂肪酸石けん液又はシリコーンエマルジョンを含浸、乾燥させることにより、仕上げ用の二次処理研磨クロス(又は二次処理研磨クロス部)を得ることができる。
本発明の研磨クロスの繊維基材としては、動植物繊維あるいは合成繊維の単独あるいはその組合せの織布又は不織布を使うことができる。代表的な繊維基材の素材としては、綿、麻、絹、ネル、レーヨン、ポリエステル、アクリル繊維、ナイロン、ポリウレタンなどが例示される。本発明において任意に選択される上記基材において、面密度は得られる研磨クロスの硬度、即ち研磨性能に影響する要素として、研磨剤の砥粒の種類や粒度とともに選定されるが、本発明の研磨クロスにおける基材の面密度は概ね10〜1,000g/m2、好ましくは20〜500g/m2、更に好ましくは20〜200g/m2である。面密度が1,000g/m2を越える硬度の高い基材は、弾性(クッション性)がなく砥粒の圧力が高くなるため、プラスチックなどの硬度の低い材質に対しては適さない場合が多く、10g/m2より低いものは、砥粒によるキズは防止できるが研磨力が十分でないことが多い。勿論、加工用途及び加工物の材質によって最適な基材の硬度は異なるため、必要に応じて最適な面密度の基材を選択することができる。
ここで一次処理研磨クロスを得る場合に用いる一次処理液は、繊維基材に砥粒を固定させるためのもので、接着剤と砥粒と必要により帯電防止剤から構成される。各成分は以下のものを用いることができる。
砥粒を繊維基材に固定する接着剤は、溶剤系ではない合成樹脂系エマルジョンを用いることが好ましい。具体的には、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、アクリル−ウレタン共重合体、アクリル酸エステル(自己架橋型)などが挙げられる。これらは一種単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用しても良い。本発明において好ましい樹脂は、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリルエステル共重合体であり、耐久性や硬度、柔軟性の改良のために前述の樹脂の種類をかえて用いることができる。
また、加工目的によっては、研磨クロスの柔軟性を向上させるために、接着剤成分としてラテックスを上記合成樹脂エマルジョンと混合使用するのも効果的である。例えば、NRラテックスはエチレン−酢酸ビニル共重合体より弾性があるため、より硬度の低い樹脂などの研磨加工に使用する研磨クロスに好適に用いることができる。
砥粒は、アルミナの他に公知の珪石、トリポリ粉、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化クロム、炭化ケイ素、珪藻土、酸化セリウム、ダイヤモンドなどが挙げられる。これらは一種単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用しても良い。また、上記の砥粒は加工物の材質や仕上げの度合いによって粒度分布を変えても良い。なお、砥粒の平均粒径は適宜選定されるが、通常0.2〜20μm、特に0.5〜10μmであることが好ましい。
帯電防止剤は、本発明の研磨クロスにおいて、加工物への繊維くず、研磨剤カスなどの再付着を防止するためのものである。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどが挙げられる。これらは一種単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用しても良い。また、帯電防止剤は一次処理液に添加するだけでなく、下記の二次処理液に添加しても良い。
ここでの帯電防止剤添加量は、有効成分(固形分)として処理液100g中0.01〜0.2g、特に0.03〜0.1gが好ましい。
ここで、上記基材に対する一次処理液の付着量(乾燥後)は基材密度によって異なるが、一次処理では基材重量の0.1〜3倍程度とすることが好ましく、更に好ましくは0.2〜2倍程度である。なお、一次処理液中の固形分の約85質量%を研磨砥粒とすることができるが、研磨の目的、用途に応じて適宜調整でき、上述の0.1〜3倍に限定されるものではない。
次に、二次処理液は、脂肪酸石けん及び/又はシリコーンエマルジョンを含むもので、これは、これら減摩剤(潤滑剤)として働き、加工物に光沢が付与されることを利用したものである。本発明では、これを一次処理研磨クロスに少量吸着させることによって、繊維に固定された砥粒と繊維に二次処理液を均一に被覆し、潤滑性を付与するもので、この二次処理は、研磨クロスの潤滑性を改良し、加工面の研磨条痕を小さくして光沢作用を上昇させる効果がある。二次処理液としては、脂肪酸石けん水溶液又はエマルジョン、シリコーンエマルジョンを用いることができる。具体的には、脂肪酸石けんでは、オレイン酸のカリ石けん(例えばFR14:花王株式会社製)、ラウリル酸、パルミチン酸などのソーダ石けん、カルナバWAXなどのワックスエマルジョンなどが挙げられ、シリコーンエマルジョンでは、家具のつや出しにも用いられているジメチルシリコーンオイルを乳化したものなどが挙げられる。二次処理液中の脂肪酸石けん又はシリコーンの濃度は0.01〜5.0質量%が適当で、好ましくは0.05〜2.0質量%程度である。
この場合、一次処理基材(基材+研磨剤)100gに対する脂肪酸石けんの付着量は0.1〜10%、好ましくは1〜8%であり、またシリコーンの付着量は0.5〜5%、好ましくは1〜5%である。但し、基材の繊維密度、脂肪酸石けん又はシリコーンエマルジョンの種類や濃度によって付着量は変化するので、上記範囲となるよう適宜調整する。
本発明の研磨布に、上記一次処理研磨クロスと二次処理研磨クロスとを組み合わせ、一次処理研磨クロスで被研磨物を、キズを除去する等の目的で研磨処理した後、仕上げ研磨処理乃至光沢付与処理として、二次処理研磨クロスで被研磨物を研磨処理する方法のほか、上記一次処理研磨クロスに対しその一部、通常全面積の1/4〜3/4、特に1/3〜2/3に脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させ、最初に脂肪酸石けん又はシリコーンの付着していない砥粒又は砥粒と帯電防止剤が接着剤によって付着されただけの一次処理研磨クロス部で処理した後、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着している二次処理研磨クロスで処理するようにしてもよい。
二次処理研磨クロスの効果は目視評価や光沢度測定で容易に確認できる。本発明の二次処理研磨クロスでは、脂肪酸石けんとシリコーンエマルジョンは加工面に転移することなく、クリーニング性もあり、二次処理によって表面を洗浄すると同時に鏡面を得ることも可能である。
なお、本発明の研磨布により研磨される被研磨物としては、鏡面のステンレススチール、金、銀、真鍮、チタンなどの金属、ポリプロピレン、ポリカーボネート、尿素樹脂などの樹脂製品、塗装面、ガラス、鏡、セラミックス等が挙げられ、特に眼鏡フレーム、プラスチックレンズ、浴槽、洗面台、便座等の樹脂製品の手入れ、製造過程での検査、完成品のクリーニング及び手入れに対して好適に用いられる。
研磨操作としては、人手による研磨に用いられるほか、自動車のボディなどの研磨に用いられているポリッシャー等の装置を用いて研磨することができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、以下の例で、部及び%は、それぞれ重量部及び重量%を表す。
[実施例1]
原反としてA4サイズのポリエステル繊維(ユニチカ株式会社製)を用いた。基材重量は3.58g、面密度は60g/m2である。
1.一次処理
上記の原反を下記の一次処理液に浸漬し、2本ロールで脱水した後、約85℃の温度で乾燥し、一次処理研磨クロスを得た。
〈一次処理液〉
一次処理液は、水77.8部に、接着剤として酢酸ビニル樹脂(AX505Z:昭和高分子株式会社製)5.5部、砥粒として平均粒径5μmのアルミナ(A13:昭和電工株式会社製、ボールミルで粉砕したものを使用)16.5部、帯電防止剤としてアミート105(ポリオキシエチレンラウリルアミン:花王株式会社製)0.2部を混合し、アルミナ製のポットミルを用いて6時間撹拌して作製した。ポットミルを用いて混合した理由は繊維に均一にアルミナが密着するように分散し、繊維への密着性を向上させるためである。上記一次処理液の組成を表1に示す。
2.二次処理
一次処理研磨クロスを、下記の二次処理液に浸漬し、2本ロールで脱水後、乾燥し、二次処理研磨クロスを得た。
〈二次処理液〉
二次処理液は、水97.0部に脂肪酸石けんとしてNSソープ(半硬化牛脂脂肪酸ソーダ石けん:花王株式会社製)の2%水溶液3.0部を混合して調製した。このとき、二次処理液のNSソープの濃度は0.06%である。上記二次処理液の組成を表2に示す。
表3に上記の一次処理及び二次処理により繊維に乾燥固定された研磨剤及び潤滑剤の付着量を示す。なお、研磨剤及び潤滑剤の付着量は以下の式により算出した。
研磨剤付着量(g)=一次処理基材重量(g)−基材重量(g)
潤滑剤付着量(g)=二次処理研磨クロス重量(g)−一次処理基材重量(g)
表3について説明すると、実施例1で一次処理の場合、基材重量3.58gに、乾燥した研磨剤が3.7g付着したことを示す。ここでは、基材とほぼ同重量の研磨剤が付着したことを示す(基材重量に対して約103%)。二次処理は別の基材に一次処理を行い、基材と同重量の研磨剤が付着した一次処理研磨クロスを二次処理したものであって、潤滑剤は一次処理に加えて更に0.47g付着した。付着濃度は0.47/(3.57+3.6+0.47)×100=6.15%であった。
《評価方法》
本発明の研磨クロスの評価は、手磨きによる官能評価(目視でキズの落ち具合やツヤなどを観察し、評価する)と電動工具を用いて加工物を研磨した際の研磨量(切削力を示し、加工物の研磨前後の重量減により表す)及び光沢度(光沢度計を用いて研磨面の反射率を示す)を求める計数評価の2つの方法により行った。
・官能評価
トイレ便座の樹脂(ポリプロピレン製)を手磨きした表面の状態を目視で観察し、キズの落ち具合やツヤなどを評価する。評価結果を表4に示す。
・研磨量
研磨量の評価は、一次処理及び二次処理研磨クロスを、図1に示した装置に取り付けて実施した。研磨機はS550ミニサンダー(リョービ株式会社製)を使用し、加工物として便座と同じ材質であるポリプロピレン板(50×100×2mm、光沢度:67.3)を使用した。研磨は合計1分間行い、研磨中は2秒に1回縦長方向に前後に揺動させた。研磨前後におけるポリプロピレン板の重量を測定し、減量が多いほど研磨力(切削力)が高いと評価した。評価に用いた研磨クロスは図1に示す研磨機下部の固定板に強く固定して研磨中にずれないようにした。測定結果を表5に示す。
なお、図1において、1は下定盤、2は研磨機、3は研磨クロス、4はキャリア、5は被研磨物(ポリプロピレン板)、6はクロス固定板である。
・光沢度
研磨量測定後のポリプロピレン板の表面について、Gloss Meter VG2000(日本電色工業株式会社製)を用いて20°光沢度を測定した。測定結果を表5に示す。
[実施例2]
原反として寸法100×100mm、面密度160g/m2のネルを用いた。基材重量は1.65gである。
1.一次処理
上記の原反を下記の一次処理液に浸漬し、2本ロールで脱水した後、約85℃の温度で乾燥し、一次処理研磨クロスを得た。
〈一次処理液〉
一次処理液は、水76.8部に、接着剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(L−360:昭和高分子株式会社製)3.0部及びNRラテックス(天然ゴムラテックス:株式会社レヂテックス製)3.5部、砥粒として平均粒径5μmのアルミナ(A33F:日本軽金属株式会社製)16.5部、帯電防止剤としてアミート105(ポリオキシエチレンラウリルアミン:花王株式会社製)0.2部を混合し、アルミナ製のポットミルを用いて6時間撹拌して作製した。上記一次処理液の組成を表1に示す。
2.二次処理
一次処理研磨クロスを、下記の二次処理液に浸漬し、2本ロールで脱水後、乾燥し、二次処理研磨クロスを得た。
〈二次処理液〉
二次処理液は、水95.0部に濃度20%(原液)のシリコーンエマルジョン(TSM630:GE東芝シリコーン株式会社製)5.0部を混合して調製した。このとき、二次処理液の濃度は1%である。
上記一次処理液及び二次処理液の組成を表1及び表2に示す。また、実施例1と同様に、上記の一次処理及び二次処理により繊維に乾燥固定された研磨剤及び潤滑剤の付着量を表3に示す。なお、研磨剤及び潤滑剤の付着量は以下の式により算出した。
研磨剤付着量(g)=一次処理基材重量(g)−基材重量(g)
潤滑剤付着量(g)=二次処理研磨クロス重量(g)−一次処理基材重量(g)
その結果、一次処理後の研磨剤付着量は0.49g(基材重量に対して約29.7%)であった。二次処理は実施例1と同様に、一次処理を行った後、二次処理を行った。一次処理の研磨剤付着量は0.47g(28.1%)で、二次処理の潤滑剤付着量は0.03g(1.38%)であった。
実施例2の一次処理及び二次処理研磨クロスについても、実施例1と同様の官能評価及び計数評価を行った。その結果を表4及び表5に示す。
[比較例1,2]
従来の研磨クロスである特公昭56−15896号公報の主剤と助剤を混合させた処方を整理し比較例1,2として表1に示した。
実施例1,2と比較例1,2を比較すると、表1からもわかるように、本発明品の一次処理研磨クロスの材料は3成分で非常にシンプルである。成分を少なくすることによって生産性も高く、管理もしやすい状態になっている。
一次処理した研磨クロスを比較例1と比較すると、砥粒(アルミナなど)や接着剤も少なく砥粒の影響を少なくしている。従って、硬度が低い便座などのプラスチック表面のキズの除去や修正にも利用できるわけである。比較例1,2は油脂を含有しており、樹脂その他の研磨素材に対してはキズの除去も、つや出しもできなかった。また、油脂が転移して研磨物を汚染した。一方、本発明品の一次処理の研磨クロスは、樹脂のキズの除去やガラス、鏡の汚れなども加工物を汚染することなく除去できた。これは従来品と違って油脂や多くの有機物を含んでいないため基材が汚れを吸着したものと思われる。脂肪酸石けんやシリコーンエマルジョンを含有した二次処理研磨クロスもほとんど一次処理研磨クロスと同様で加工物への汚れの転移はなかった。脂肪酸石けんやシリコーンエマルジョンは、油脂とは全く違った性能を示した。
[比較例3:従来品]
従来品として特公昭56−45896号公報に示される市販プラスチックみがきクロスを使用し、実施例と同様にして官能評価及び計数評価を行った。その結果を表4及び表5に示す。
実施例1,2と従来品を比較すると、表4から明らかなように、従来品はキズが除去できず光沢も劣った。また、油脂の汚れが付着し黒ずんだ。一方、一次処理の本発明品(実施例1)は基材と同重量の研磨剤が付着しており、キズを簡単に除去できた。その研磨面は素材より僅かに白い感じがした。次に二次加工した本発明品は、一次処理加工面を簡単に除去でき光沢も得られた。その面は素材外観と殆ど同じであった。実施例2は表4に示すように実施例1と同様、従来品より優れていた。ただ基材が柔らかく(面密度が実施例1より大きいのは厚みが大きいため)、柔軟性があるため、実施例1より研磨加工にやや時間を要することがわかった。特に本発明品の一次処理品は基材の弾性によって油脂を含まなくても光沢が優れていた。光沢工程では若干素材より光沢が良かった。しかし、研磨時間は限度内であり、高級な樹脂製眼鏡フレームにも利用できることがわかった。
また、表5の結果は、表4の目視評価結果と類似しており、実施例において、キズの除去に該当する研磨量は従来品の約2倍、最終の光沢でも従来品より優れていた。この光沢は基準となる便座の光沢と大差がなく、目視評価とよく似ていた。実施例2に用いた基材は繊維数の多いネルのため研磨力が優れていた。ここでも目視評価とよく類似しており、従来品よりあらゆる点で優れていた。
本発明品の研磨力が優れ、光沢が良い理由は、表5によってよく理解できる。即ち、一次処理の研磨量は高いが、二次処理になると約30%低下し、これが光沢度に影響している。このように研磨量を低下させ、光沢性能を上げるのが本発明における潤滑剤の効果である。
Figure 2007301639
Figure 2007301639
Figure 2007301639
Figure 2007301639
Figure 2007301639
本発明の研磨クロスの研磨量の測定に用いた試験装置の外観図である。 符号の説明 1 下定盤 2 研磨機 3 研磨クロス 4 キャリア 5 被研磨物 6 クロス固定板

Claims (5)

  1. 動植物繊維及び合成繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維の織布又は不織布からなる基材に、砥粒を接着剤にて固定してなる一次処理研磨クロスと、この一次処理研磨クロスに脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させてなる二次処理研磨クロスとの組み合わせからなる研磨布。
  2. 動植物繊維及び合成繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維の織布又は不織布からなる基材に、砥粒を接着剤にて固定してなる一次処理研磨クロスの全面積の1/4〜3/4の部分に、脂肪酸石けん又はシリコーンを付着させて、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着していない一次処理研磨クロス部と、脂肪酸石けん又はシリコーンが付着した二次処理研磨クロス部を備えてなる研磨布。
  3. 一次処理研磨クロス及び/又は二次処理研磨クロスに帯電防止剤が付着されてなる請求項1又は2記載の研磨布。
  4. 基材の面密度が10〜1,000g/m2である請求項1、2又は3記載の研磨布。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の研磨布を用いて被研磨物を研磨する方法であって、研磨布の一次処理研磨クロス又は一次処理研磨クロス部で被研磨物のキズ除去を行った後、二次処理研磨クロス又は二次処理研磨クロス部で仕上げ研磨を行うことを特徴とする研磨方法。
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