図1を参照して、本発明の実施の形態に係るスロットマシン10は、筐体12及びメインドア42を備えている。
筐体12は、プレイヤーに臨む面が開放されており、例えば、カジノの所定の場所に設置される。この筐体12内には、本スロットマシン10を電気的に制御するための制御装置100(図7参照)、並びにコイン(ゲーム媒体)の投入、貯留及び払出を制御するためのホッパー44(図7参照)等を含む各種の構成部材が設けられている。
メインドア42は、筐体12の内部が外側に露呈しないように覆うための部材である。このメインドア42は、筐体12の正面から見て左側に軸着されており、この軸着部を支点として当該メインドア42を前後方向に回動させることによってその開成状態と閉成状態とに切り替え自在とされる。メインドア42の略中央には、液晶表示装置30が設けられている。
液晶表示装置30は、演出画像及び報知画像等を含むゲームに関する各種の画像を表示させるための手段であって、プレイヤーは、当該液晶表示装置30に表示された各種の画像を視認しながらゲームを進めていく。この液晶表示装置30は、透明液晶パネル34(図4及び図5参照)を備えている。この透明液晶パネル34は、その一部又は全部を透明/非透明の状態に切り替えることが可能であると共に、各種の画像を表示することが可能である。なお、液晶表示装置30の詳細な構成については後述する。
液晶表示装置30の背面側には、各々の外周面に複数種類のシンボルが描かれた5個のメカニカルリール3A,3B,3C,3D,3E(図2及び図3参照)が回転可能に横一列に設けられている。メカニカルリール3A〜3Eは、後述するステッピングモータ45A,45B,45C,45D,45E(図7参照)等と共に複数のシンボル表示手段として構成するものであって、その外周面には、ベーシックゲームに必要で且つボーナストリガーシンボルを含む複数種類のシンボルが描かれている。これらの各メカニカルリール3A〜3Eの各種のシンボルは、透明液晶パネル34が透明状態となった際に視認可能となる。
液晶表示装置30の下方には、略水平の操作部21が設けられている。この操作部21の右側には、スロットマシン10内にコインを投入するためのコイン投入口22が設けられている。他方、操作部21の左側には、後述する9本の入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8,L9の何れを有効化するかを決定し当該有効化された入賞ライン(以下、単に「有効ライン」という)に対して賭けるゲーム媒体としてのコインの枚数を選択するためのBETスイッチ23、及び1つ前のゲームにおいて上記有効ラインに対して賭けたコインの枚数を変更せずに再びゲームを行うためのスピン・リピート・ベットスイッチ24が設けられている。これらのBETスイッチ23又はスピン・リピート・ベットスイッチ24を押圧操作することで、当該操作に応じて上記有効ラインに対する賭けコインの枚数が決定される。
上記操作部21において、BETスイッチ23の左側には、1ゲーム毎にプレイヤーのベーシックゲームの開始操作を受け付けるゲーム開始受付手段としてのスタートスイッチ25が設けられている。このスタートスイッチ25及びスピン・リピート・ベットスイッチ24のうちの何れか一方に対する押圧操作がゲームの開始のトリガーとなり、上記の5個のメカニカルリール3A〜3Eの回転が所定の態様で開始される。
他方、上記操作部21において、コイン投入口22の近傍には、払出スイッチ26が設けられている。プレイヤーが払出スイッチ26を押圧操作したときには、投入されているコインがメインドア42の正面下部に開口されたコイン払出口27から払い出され、この払い出されたコインは、コイン受皿28に溜められる。このコイン受皿28の上方であって、コイン払出口27を挟んだ左右両側には、筐体12の内部に収納されたスピーカ41(図7参照)から発せられた効果音を筐体12の外部へ伝播するための出音口29が設けられている。
図2を参照して、液晶表示装置30は、正面パネル31及びこの正面パネル31の裏面に設けられた透明液晶パネル34(図4及び図5参照)を備えている。正面パネル31は、透明な表示面31a及び絵柄が形成された絵柄形成領域31bを含んで構成される。正面パネル31の裏面に設けられた透明液晶パネル34に表示された画像情報は、当該正面パネル31の表示面31aを介して視認することができる。他方、5個のメカニカルリール3A〜3Eの前方を覆う上記透明液晶パネル34の領域が透明状態であるときには、5個のメカニカルリール3A〜3E各々のシンボルを、表示面31aを介して、視認することができる。
液晶表示装置30の左側の背面側には、払出枚数表示部18、クレジット数表示部19及びBET数表示部20の各種の表示部が設けられている。なお、正面パネル31の絵柄形成領域31bは、上記各種表示部18〜20の前方を覆う部分が透明であり、当該各種表示部18〜20の表示内容が視認可能である。
本スロットマシン10は、9本の入賞ラインL1〜L9を有している。これらの各入賞ラインL1〜L9は、全てのメカニカルリール3A〜3Eの回転が停止したときに、各メカニカルリール3A〜3Eの1つのシンボルを通過するように延びている。
具体的には、第1の入賞ラインL1は、第1のメカニカルリール3Aの上段のシンボルと、第2のメカニカルリール3Bの中段のシンボルと、第3のメカニカルリール3Cの下段のシンボルと、第4のメカニカルリール3Dの中段のシンボルと、第5のメカニカルリール3Eの上段のシンボルと、を通過するように延びている。
第2の入賞ラインL2は、第1のメカニカルリール3A及び第2のメカニカルリール3Bの上段のシンボルと、第3のメカニカルリール3Cの中段のシンボルと、第4のメカニカルリール3D及び第5のメカニカルリール3Eの下段のシンボルと、を通過するように延びている。
第3の入賞ラインL3は、全てのメカニカルリール3A〜3Eの上段のシンボルを通過するように、横方向に沿って一直線状に延びている。
第4の入賞ラインL4は、第1のメカニカルリール3Aの中段のシンボルと、第2のメカニカルリール3Bの下段のシンボルと、第3のメカニカルリール3Cの中段のシンボルと、第4のメカニカルリール3Dの上段のシンボルと、第5のメカニカルリール3Eの中段のシンボルと、を通過するように延びている。
第5の入賞ラインL5は、全てのメカニカルリール3A〜3Eの中段のシンボルを通過するように、横方向に沿って一直線状に延びている。
第6の入賞ラインL6は、第1のメカニカルリール3Aの中段のシンボルと、第2のメカニカルリール3Bの上段のシンボルと、第3のメカニカルリール3Cの中段のシンボルと、第4のメカニカルリール3Dの下段のシンボルと、第5のメカニカルリール3Eの中段のシンボルと、を通過するように延びている。
第7の入賞ラインL7は、全てのメカニカルリール3A〜3Eの下段のシンボルを通過するように、横方向に沿って一直線状に延びている。
第8の入賞ラインL8は、第1のメカニカルリール3A及び第2のメカニカルリール3Bの下段のシンボルと、第3のメカニカルリール3Cの中段のシンボルと、第4のメカニカルリール3D及び第5のメカニカルリール3Eの上段のシンボルと、を通過するように延びている。
第9の入賞ラインL9は、第1のメカニカルリール3Aの下段のシンボルと、第2のメカニカルリール3Bの中段のシンボルと、第3のメカニカルリール3Cの上段のシンボルと、第4のメカニカルリール3Dの中段のシンボルと、第5のメカニカルリール3Eの下段のシンボルと、を通過するように延びている。
上記のBETスイッチ23を1回押すと、例えば、第3の入賞ラインL3、第5の入賞ラインL5及び第7の入賞ラインL7が有効化されると共に1枚のコインがクレジットメダルとして取り込まれる。
上記のBETスイッチ23を2回押すと、上記の3ラインに加えて、例えば、第1の入賞ラインL1、第4の入賞ラインL4及び第8の入賞ラインL8が有効化されると共に2枚のコインがクレジットメダルとして取り込まれる。
上記のBETスイッチ23を3回押すと、上記の6ラインに加えて、例えば、第2の入賞ラインL2、第6の入賞ラインL6及び第9の入賞ラインL9が有効化されると共に3枚のコインがクレジットメダルとして取り込まれる。
払出枚数表示部18は、入賞成立時のコインの払出枚数を表示するためのものである。クレジット数表示部19は、本スロットマシン10にストアーされているコインのクレジット数を表示するためのものである。BET表示部20は、上記有効ラインに対する賭けコインの枚数であるBET数を表示するためのものである。当該各種表示部18〜20は、7セグメント表示器を含んで構成される。代替的に、各種表示部18〜20を透明液晶パネル34上に画像表示するようにしても構わない。
図3を参照して、各メカニカルリール3A〜3Eは、それぞれ、リールフレーム54に独立回転可能に支持されている。なお、図示していないが、リールフレーム54には、各メカニカルリール3A〜3Eを回転及び停止させるためのステッピングモータ45A〜45E(後述)が設置されている。このリールフレーム54は、本体フレーム55に取り付けられた上フレーム52及び下フレーム53の間に設置されている。
図4及び図5を参照して、上記の液晶表示装置30は、ベーシックゲーム及びボーナスゲームに関するゲーム画像を表示する画像表示手段として機能する。それゆえ、この液晶表示装置30は、タッチパネル32及び表示板33を備えた正面パネル31、透明液晶パネル34、導光板35、反射フィルム36、いわゆる白色光源である蛍光ランプ37a,37b及び38a,38b、ランプホルダ39a,39b,39c,39d,39e,39f,39g,39h並びに透明液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージ(TCP)から成る。なお、TCPは、図4及び図5において特に図示していないが、透明液晶パネル34の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。
液晶表示装置30は、メカニカルリール3A〜3Eの表示領域より手前側(表示面31aより手前側)に、当該メカニカルリール3A〜3Eを跨いで設けられている。これらメカニカルリール3A〜3E及び液晶表示装置30同士は、所定の間隔を空けて設けられている。
タッチパネル32は、透明な部材で構成されている。表示板33は、透明な部材で構成され、この表示板33には、上記の各種表示部18〜20との間の領域に対応する位置等に絵柄等が形成されている。すなわち、表示板33の絵柄等が形成されている領域が、正面パネル31における絵柄形成領域31bであり、他方、表示板33の絵柄等が形成されていない領域が、正面パネル31における表示面31aである(図2参照)。代替的に、正面パネル31に絵柄形成領域31bを形成せず、正面パネル31の全面を表示面31aとしても構わない。この場合、表示板33に絵柄を形成しないか或いは表示板33を省略すればよい。
なお、図4及び図5においては、表示板33の裏面側に配置された各種表示部18〜20を動作させる電気回路等は、図示していない旨を念のため言及しておく。
透明液晶パネル34は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板等の透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されることによって形成されている。この透明液晶パネル34の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態で白表示(表示面側に透過した光が外部より視認可能である)となることをいう。このように、ノーマリーホワイトに設定された透明液晶パネル34を採用することにより、液晶を駆動することができない事態が生じた場合であっても、メカニカルリール3A〜3E各々のシンボルの変動表示及び停止表示を視認することができるので、プレイヤーは、ゲームを継続することができる。すなわち、上記のような事態が発生した場合でも、各メカニカルリール3A〜3Eのシンボルの変動表示態様及び停止表示態様を中心としたゲームを行うことができる。
導光板35は、蛍光ランプ37a、37bからの光を透明液晶パネル34へ導き出す(換言すると、透明液晶パネル34を照明する)ためのものであり、透明液晶パネル34の裏側に設けられ、例えば、2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂等の透明部材(導光機能を有する)で構成されている。
反射フィルム36は、例えば、白色のポリエステルフィルムやアルミニウム薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板35に導入された光を導光板35の正面側へ向けて反射させる。この反射フィルム36は、反射領域36A及び非反射領域(透過領域)36Bにより構成されている。非反射領域36Bは、透明な材料で形成され、正面パネル31のメカニカルリール3A〜3Eの前方を覆う部分を含む領域に設けられている。
蛍光ランプ37a及び37bは、導光板35の上端部及び下端部に沿って配置され、その両端は、ランプホルダ39a、39b及び39g、39hにより支持されている。これらの蛍光ランプ37a、37bから照射される光は、反射フィルム36の反射領域36Aで反射して透明液晶パネル34を照明する。他方、蛍光ランプ38a及び38bは、反射フィルム36の裏側の上方位置及び下方位置においてメカニカルリール3A〜3Eに向かって配置され、その両端は、ランプホルダ39c、39d及び39e、39fにより支持されている。これらの蛍光ランプ38a、38bから出てメカニカルリール3A〜3Eの表面で反射して非反射領域36Bへ入射した光は、透明液晶パネル34を照明する。このように、液晶表示装置30においては、蛍光ランプ37a、37bから照射され、且つ、さらに反射フィルム36の反射領域36Aで反射した光、並びに蛍光ランプ38a、38bから照射され、且つ、さらにメカニカルリール3A〜3Eの表面で反射して非反射領域36Bへ入射した光が、透明液晶パネル34を照明する。したがって、反射フィルム36の非反射領域36Bに対応する液晶表示装置30の領域は、液晶を駆動しているか否かによって、透明/非透明の状態に切り替わる領域であり、他方、反射フィルム36の反射領域36Aに対応する液晶表示装置の領域は、液晶を駆動しているか否かに拘わらず非透明状態となる。
本スロットマシン10では、液晶表示装置30の表示面の一部領域のみを透明/非透明の状態に切り替わる領域としているが、液晶表示装置30の表示画面の全領域が透明/非透明の状態に切り替わる領域としても構わない。このように、液晶表示装置30の全領域を透過状態又は非透過状態に切り替わる領域とする場合には、反射フィルム36を全て非反射領域36Bとするか或いは反射フィルム36を省略すればよい。
図6には、各メカニカルリール3A〜3Eに表わされたシンボルを21個配列したシンボル列が示されている。図6を参照して、メカニカルリール3A〜3Eの各シンボルには、「00」〜「20」のコード番号が付され、これらのコード番号は、テーブル化されてデータテーブルとして後で説明するROM108(図7)に格納(記憶)されている。各メカニカルリール3A〜3E上には、「ボーナス」トリガーシンボル(シンボル61)(以下、「ボーナス」と略記する)、「ワイルド」シンボル(シンボル62)(以下、「ワイルド」と略記する)、「宝箱」シンボル(シンボル63)(以下、「宝箱」と略記する)、「黄金の仮面」シンボル(シンボル64)(以下、「黄金の仮面」と略記する)、「聖杯」シンボル(シンボル65)(以下、「聖杯」と略記する)、「コンパスと地図」シンボル(シンボル66)(以下、「コンパスと地図」と略記する)、「ヘビ」シンボル(シンボル67)(以下、「ヘビ」と略記する)、「エース」シンボル(シンボル68)(以下、「エース」と略記する)、「キング」シンボル(シンボル69)(以下、「キング」と略記する)、「クイーン」シンボル(シンボル70)(以下、「クイーン」と略記する)、「ジャック」シンボル(シンボル71)(以下、「ジャック」と略記する)及び「10」シンボル(シンボル72)(以下、「10」と略記する)で構成されるシンボル列が表わされている。各メカニカルリール3A〜3Eのシンボル列は、当該リール3A〜3Eが順方向に回転されることによって図6の矢印方向に(上から下に向かって)移動する。
ここで、本実施の形態では、入賞役として、「ボーナス」、「ワイルド」、「ヘビ」、「宝箱」、「黄金の仮面」、「聖杯」、「コンパスと地図」、「エース」、「キング」、「クイーン」、「ジャック」及び「10」の各役が設けられている。役(役データ)は、基本的に、プレイヤーに付与される利益(コインの払出枚数)と入賞シンボル組み合わせとが対応付けられた制御情報であり、各メカニカルリール3A〜3Eの停止制御、ゲーム状態の切り換え(移行)、及びコインの付与などに用いられる制御情報である。
また、本実施の形態で実行可能なゲームには、有効ラインに沿ってシンボルを揃えるベーシックゲームと、このベーシックゲームとは別のゲーム形態を有するボーナスゲームとがある。
図7を参照して、上記の制御装置100は、マイクロコンピュータであって、インターフェイス回路群102、入出力バス104、CPU106、ROM108、RAM110、通信用インターフェイス回路111、乱数発生器112、モータ駆動回路120、スピーカ駆動回路122、ホッパー駆動回路124、表示部駆動回路128及び表示/入力制御装置200を備えている。
インターフェイス回路群102は、入出力バス104に接続されており、この入出力バス104は、CPU106に対するデータ信号又はアドレス信号の入出力を行う。
インターフェイス回路群102には、スタートスイッチ25が接続されている。このスタートスイッチ25から出力された始動信号は、インターフェイス回路群102において所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。
インターフェイス回路群102には、BETスイッチ23、スピン・リピート・ベットスイッチ24及び払出スイッチ26も接続されている。これらのスイッチ23、24、26から出力された各スイッチング信号も、インターフェイス回路群102に供給され、当該インターフェイス回路群102によって所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。
インターフェイス回路群102には、コインセンサ43も接続されている。コインセンサ43は、コイン投入口22に投入されたコインを検出するためのセンサであって、コイン投入口22に関連して設けられている。このコインセンサ43から出力されたセンシング信号も、インターフェイス回路群102に供給され、当該インターフェイス回路群102によって所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。
インターフェイス回路群102には、リール位置検出回路46も接続されている。リール位置検出回路46は、リール回転位置センサ(図示せず)からのパルス信号に基づいて、各メカニカルリール3A〜3Eの回転位置を検出するための回路であって、このリール位置検出回路46からの検出信号も、インターフェイス回路群102に供給され、当該インターフェイス回路群102によって所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。
入出力バス104には、ROM108及びRAM110も接続されている。
CPU106は、第1のゲーム制御手段として機能する。それゆえ、このCPU106は、スタートスイッチ25によりベーシックゲームの開始操作が受け付けられたことを契機として、第1のゲームプログラムを読み出してベーシックゲームを実行する。第1のゲームプログラムは、ステッピングモータ45A〜45E各々を駆動させて全てのメカニカルリール3A〜3Eを回転させることによって当該リール3A〜3Eのシンボルの変動表示を開始させ、その後にステッピングモータ45A〜45E各々の駆動を停止させて全てのメカニカルリール3A〜3Eの回転を開始させることによって当該リール3A〜3Eのシンボルの変動表示を停止表示させ、そのときの停止シンボルの組み合わせが役の入賞を示す場合には、その入賞役に応じたコインを払い出すようにプログラミングされている。
また、CPU106は、第2のゲーム制御手段としても機能する。それゆえ、このCPU106は、全てのメカニカルリール3A〜3Eのシンボルが停止表示された際にボーナストリガーシンボル又はそのシンボルの組み合わせが出現すると、第2のゲームプログラムを読み出してボーナスゲームを実行する。第2のゲームプログラムは、キャラクタが登場して当該キャラクタが所定の動作をなすようにプログラミングされている。なお、ボーナスゲームにおけるキャラクタの具体的な動作内容は、後で詳述することにする。
ROM108には、本スロットマシン10を統括して制御する制御プログラム、図9及び図13〜図16に示すルーチンを実行するためのプログラム(以下、「ルーチン実行プログラム」とする)、制御プログラムを実行するための初期データ、及び抽選において使用される種々のデータテーブルが格納されている。なお、ルーチン実行プログラムには、上記第1のゲームプログラム及び第2のゲームプログラム等が含まれている。また、データテーブルとしては、図10〜図12並びに図19に示すテーブル等を挙げることができる。
図10に示すのはベーシックゲームで使用される確率抽選テーブルである。このベーシックゲーム用確率抽選テーブルでは、各入賞役毎に乱数の範囲及び当選確率が対応付けられて登録されている。それゆえ、後述するベーシックゲーム抽選処理において、例えば、「0」〜「65535」の乱数のうち「0」〜「299」の範囲内での乱数が抽出された場合に、最終的なベーシックゲームの結果としてボーナスを発生させることがスロットマシン10内部で決定される。言い換えると、停止シンボルの組み合わせがボーナスの入賞を示す組み合わせとして決定される確率は、「300/65536」となる。他方、「0」〜「65535」の乱数のうち「10000」〜「65535」の範囲内での乱数が抽出された場合に、最終的なベーシックゲームの結果としてハズレを発生させることがスロットマシン10内部で決定される。言い換えると、停止シンボルの組み合わせがハズレを示す組み合わせとして決定される確率は、「55536/65536」となる。
図11に示すのはシンボル配置テーブルである。このシンボル配置テーブルでは、上記のシンボル列を構成する各シンボルの位置を示すコード番号に各メカニカルリール3A〜3Eの各シンボルを対応付けて登録されている。換言すると、シンボル配置テーブルは、メカニカルリール3A〜3Eのシンボル位置(コード番号)に対応するリール外周面上に描かれたシンボルの情報を備えている。
図12に示すのはベーシックゲームで使用される入賞払出テーブルである。このベーシックゲーム用入賞払出テーブルでは、各入賞役に1ゲームでBETされたクレジット数毎に払い出すべきコインの枚数が対応付けられて登録されている。それゆえ、入賞判定時に、例えば、「ワイルド」が発生した場合には、BETクレジット数が「1」であると50枚のコインが払い出され、BETクレジット数が「2」であると100枚のコインが払い出され、BETクレジット数が「3」であると150枚のコインが払い出される。
再び図7を参照して、RAM110は、上記制御プログラムで使用するフラグや変数の値等を一時的に記憶する。
入出力バス104には、通信用インターフェイス回路111も接続されている。この通信用インターフェイス回路111は、公衆電話回線網やLAN等を含む各種の通信回線網を介して、サーバ等との通信をするための回路である。
入出力バス104には、乱数を発生するための乱数発生器112も接続されている。この乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば、「0」〜「65535(2の16乗−1)」に含まれる乱数を発生する。代替的に、CPU106の演算処理により乱数を発するように構成しても構わない。
入出力バス104には、ステッピングモータ45A〜45Eを駆動するためのモータ駆動回路120、及び上記各種表示部18〜20を駆動するための表示部駆動回路128も接続されている。CPU106は、所定の事象が発生することに応じて、モータ駆動回路120、表示部駆動回路128を介して、上記各種表示部18〜20及びステッピングモータ45A〜45Eの動作を制御する。
入出力バス104には、スピーカ41を駆動するためのスピーカ駆動回路122も接続されている。CPU106は、ROM108に記憶されている音データを読み出し、入出力バス104を介して、当該読み出した音データをスピーカ駆動回路122に送信する。これにより、スピーカ41から所定の効果音が発せられる。
入出力バス104には、ホッパー44を駆動するためのホッパー駆動回路124も接続されている。CPU106は、払出スイッチ26からの払出信号が入力されると、入出力バス104を介して、駆動信号をホッパー駆動回路124に出力する。これにより、ホッパー44は、RAM110の所定のメモリ領域に記憶されたその時点におけるクレジットの残数分に相当するコインを払い出す。
入出力バス104には、表示/入力制御装置200も接続されている。CPU106は、ゲームの状態及びゲームの結果に応じた画像表示命令を生成し、入出力バス104を介して、当該生成した画像表示命令を表示/入力制御装置200に出力する。CPU106からの画像表示命令が入力されると、表示/入力制御装置200は、当該入力された画像表示命令に基づき液晶表示装置30を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号を液晶表示装置30に出力する。これにより、液晶表示装置30の透明液晶パネル34上には、所定の画像が表示される。表示/入力制御装置200は、液晶表示装置30上のタッチスイッチ(タッチパネル32)が入力を受けた信号を入力信号として、入出力バス104を介してCPU106に送信する。
図8を参照して、上記の表示/入力制御装置200は、画像表示処理及びタッチスイッチ(タッチパネル32)からの入力制御を行うサブマイクロコンピュータであって、インターフェイス回路202、入出力バス204、CPU206、ROM208、RAM210、VDP212、ビデオRAM214、画像データ用ROM216及び駆動回路218並びにタッチパネル制御回路220を備えている。
インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されている。上記制御装置100側のCPU106から出力された画像表示命令は、インターフェイス回路202を介して入出力バス204に供給される。この入出力バス204は、CPU206に対するデータ信号又はアドレス信号の入出力を行う。
入出力バス204には、ROM208及びRAM210も接続されている。ROM208には、上記制御装置100側のCPU106からの画像表示命令に基づいて、液晶表示装置30に供給する駆動信号を生成するための表示制御プログラムが格納されている。他方、RAM210には、上記表示制御プログラムで使用するフラグや変数の値が格納されている。
入出力バス204には、VDP212も接続されている。このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路及びパレット回路等を含み、液晶表示装置30に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる処理装置である。VDP212には、上記制御装置100側のCPU106からの画像表示命令に応じた画像データを記憶するためのビデオRAM214、及び上記の演出画像データ等を含む各種の画像データを記憶している画像データ用ROM216が接続されている。さらに、VDP212には、液晶表示装置30を駆動するための駆動信号を出力する駆動回路218も接続されている。
上記CPU206は、ROM208に記憶されている表示制御プログラムを読み出して実行することにより、上記制御装置100側のCPU106からの画像表示命令に応じて液晶表示装置30に表示する画像データをビデオRAM214に記憶させる。この画像表示命令には、上記演出画像の表示命令等を含む各種の画像表示命令が含まれている。
画像データ用ROM216は、上記演出画像のデータ等を含む各種の画像データを記憶している。
タッチパネル制御回路220は、液晶表示装置30上のタッチスイッチとして機能するタッチパネル32に対して押圧操作された信号を受信し、入出力バス204を介してCPU106に送信する。
以上の説明から明らかな通り、別紙の特許請求の範囲に記載した各種の処理は、本実施の形態においては、上記のルーチン実行プログラムを記憶しているROM108、ROM108に記憶されたプログラムに従って種々の制御を行うCPU106、CPU106のワーキングエリアとして機能するRAM110、及び液晶表示装置30の駆動を制御する表示/入力制御装置200を含む、制御装置100により実行されると云える。狭義に解釈される場合には、CPU206、ROM208、RAM210、VDP212、ビデオRAM214、画像データ用ROM216及び駆動回路218並びにタッチパネル制御回路220から成る、上記の表示/入力制御装置200により実行される処理内容も含まれる。このことは、図9及び図13〜図16を使用して説明する本スロットマシン10の処理動作の流れからより明瞭になるであろう。
図9及び図13〜図16は、上記の制御装置100によって実行される本スロットマシン10の制御を行うためのルーチンを示している。この図9に示した一連のルーチンは、予め実行されている、スロットマシン10のメインプログラムから所定のタイミングで呼び出されて実行される。
以下においては、スロットマシン10は予め起動されており、他方、上記制御装置100側のCPU106において用いられる変数は所定の値に初期化されており、それによってスロットマシン10が定常動作しているものとする。
まず、図9を参照して、ベーシックゲームにおける処理動作の流れについて説明する。
まず、上記の制御装置100側のCPU106は、プレイヤーが投入したコインの残数であるクレジットが残っているか否かを判断する(ステップS1)。具体的には、CPU106は、RAM110に記憶されたクレジット数Cを読み出し、この読み出したクレジット数Cに基づいて処理を行う。クレジット数Cが「0」である場合(ステップS1の処理でNOと判断される場合)には、CPU106は、ゲームを開始することができないので、何ら処理を行うことなく本ルーチンを終了させる。他方、クレジット数Cが「1」以上である場合(ステップS1の処理でYESと判断される場合)には、CPU106は、クレジットが残っていると判断し、処理をステップS2に移す。
ステップS2に移行すると、CPU106は、スピン・リピート・ベットスイッチ24の押圧操作が行われたか否かを判断する。スピン・リピート・ベットスイッチ24が押され、これに伴って当該スピン・リピート・ベットスイッチ24からの操作信号が入力された場合(ステップS2の処理でYESと判断される場合)には、CPU106は、処理をステップS12に移す。他方、所定時間が経過してもスピン・リピート・ベットスイッチ24からの操作信号が入力されない場合(ステップS2の処理でNOと判断される場合)には、CPU106は、スピン・リピート・ベットスイッチ24が押されていないと判断し、処理をステップS3に移す。
ステップS3に移行すると、ゲーム条件を設定する。具体的には、CPU106は、BETスイッチ23の操作に基づいて、本ゲームでの有効ラインに対して賭けるコインの枚数を決定する。このとき、CPU106は、BETスイッチ23の操作が行われたことによって発せられた操作信号を受信し、この受信した操作信号を受信した回数に基づいて、有効化される入賞ラインに関するBET数をRAM110の所定のメモリ領域に記憶させる。CPU106は、RAM110の所定のメモリ領域に書き込まれたクレジット数Cを読み出し、この読み出したクレジット数Cから上記BET数を加えた総BET数を減算し、この減算した値をRAM110の所定のメモリ領域に記憶させる。その後、CPU106は、処理をステップS4に移す。
ステップS4に移行すると、CPU106は、スタートスイッチがONであるか否かを判断することにより、スタートスイッチ25が操作されるのを待つ。スタートスイッチ25が操作され、これに伴って当該スタートスイッチ25からの操作信号が入力された場合(ステップS4の処理でYESと判断される場合)には、CPU106は、スタートスイッチ25が操作されたと判断し、処理をステップS5に移す。
他方、ステップS12に移行すると、CPU106は、クレジット数Cの値が前回のゲームにおける総賭け数の値以上であるか否かを判断する。換言すると、CPU106は、スピン・リピート・ベットスイッチ24が押圧操作されたことによりゲームを開始できるか否かを判断する。具体的には、スピン・リピート・ベットスイッチ24が押され、これに伴って当該スイッチ24から操作信号が入力されると、CPU106は、上記RAM110に所定のメモリ領域に書き込まれたクレジット数C及び前回のゲームでの有効ラインL1〜L9に関するBET数を読み出し、この読み出したクレジット数C及びBET数の双方の関係に基づいて、当該クレジット数Cの値が前回のゲームでの総賭け数の値以上であるか否かに基づいて処理を行う。上記クレジット数Cの値が前回のゲームにおける総賭け数の値未満であると判断した場合(ステップS12の処理でNOと判断される場合)には、CPU106は、ゲームを開始できないので、何ら処理を行うことなく本ルーチンを終了させる。他方、上記クレジット数Cの値が前回のゲームにおける総賭け数以上であると判断した場合(ステップS12の処理でYESと判断される場合)には、CPU106は、当該クレジット数Cの値から前回のゲームにおける総賭け数の値を減算し、この減算した値をRAM110の所定のメモリ領域に記憶させる。その後、CPU106は、処理をステップS5に移す。
ステップS5に移行すると、CPU106は、入賞役をスロットマシン10内部の電子抽選により決定するためのベーシックゲーム抽選処理を行う。このベーシックゲーム抽選処理の具体的な処理内容は、以下の通りである。
上記ベーシックゲーム抽選処理では、まず、CPU106は、上記有効ラインに沿った停止シンボルの組み合わせを決定する。具体的には、CPU106は、乱数発生器112に対して乱数を発生させる旨の命令を発し、乱数発生器112により発生された所定の範囲の乱数(本実施の形態では「0」〜「65535」)を抽出する。CPU106は、この抽出した乱数をRAM110の所定のメモリ領域に記憶させる。なお、本実施の形態においては、乱数は、上記CPU106の外部に設けられた乱数発生器112において発生されるが、この乱数発生器112を設けることなく、CPU106の演算処理により発生されるようにしても構わない。CPU106は、ROM108に記憶されたベーシックゲーム用の確率抽選テーブル(図10参照)及び入賞態様テーブル(図示せず)を読み出し、この読み出した確率抽選テーブル及び入賞態様テーブルをRAM110の所定のメモリ領域に格納する。なお、上記ベーシックゲーム用確率抽選テーブルはリール毎に用意されている。CPU106は、上記RAM110の所定のメモリ領域に格納された確率抽選テーブル及び入賞態様テーブルを読み出し、上記RAM110の所定のメモリ領域に書き込まれた乱数値をパラメータとして当該確率抽選テーブルを参照し、それによって上記有効ラインに関する停止シンボルの組み合わせを決定する。このように、入賞役を決定すると、CPU106は、この決定した入賞役データをRAM110の所定のメモリ領域に記憶させる。CPU106は、RAM110の所定のメモリ領域に書き込まれた乱数値及び入賞役データを読み出し、この読み出した乱数値及び入賞役データに基づいて、停止表示すべき停止シンボル組み合わせを決定する。このとき、ROM108に記憶されたシンボル配置テーブル(図11参照)は、CPU106によって読み出されてRAM110の所定のメモリ領域に格納されると共に参照される。CPU106は、上記決定した停止シンボルデータをRAM110の所定のメモリ領域に記憶させる。なお、代替的に、上記の確率抽選テーブルを用いてリール毎に停止シンボルを決定するようにしても構わない。
上記有効ラインに関する停止シンボルの組み合わせを決定すると、CPU106は、当該有効ラインに関する停止シンボルの組み合わせが入賞組み合わせか否かを判別する。有効ラインに関する停止シンボルの組み合わせが入賞組み合わせである場合には、CPU106は、当該有効ラインに上記決定した入賞シンボルの組み合わせに対応する入賞を発生させるために、その入賞役の種類を示す入賞フラグを有効化する。このONされた入賞フラグは、CPU106によってRAM110所定のメモリ領域に記憶される。他方、有効ラインに関する停止シンボルの組み合わせがハズレ組み合わせである場合には、CPU106は、上記入賞フラグを有効化しない。
続くステップS6では、CPU106は、メカニカルリール3A〜3Eの回転を開始させる。具体的には、CPU106は、上記RAM110に格納されたシンボル配置テーブルに基づいて、各メカニカルリール3A〜3Eを順に又は同時に回転させる。
メカニカルリール3A〜3Eの回転を開始させた後、CPU106は、ステッピングモータ45A〜45E各々に送信される駆動パルスの数を計数し、この計数値をRAM110の所定のメモリ領域に記憶させる。各メカニカルリール3A〜3Eが回転する度にリセットパルスが取得され、これらの各メカニカルリール3A〜3Eのリセットパルスは、リール位置検出回路46を介して、CPU106に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、上記RAM110に書き込まれた駆動パルス計数値が「0」にクリアされる。これにより、RAM110の所定のメモリ領域には、各メカニカルリール3A〜3Eについての1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が記憶される。上記RAM110に格納されたシンボル配置テーブルでは、メカニカルリール3A〜3E各々の回転位置及びメカニカルリール3A〜3E各々のシンボル同士が対応付けられている。CPU106は、シンボル配置テーブルを参照する際に、上記リセットパルスが発生する回転位置を基準として、各メカニカルリール3A〜3Eの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコード番号、及びそれぞれのコード番号毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコード同士を対応付ける。
メカニカルリール3A〜3Eの回転を開始させると、CPU106は、所定時間が経過するのを待つ(ステップS7)。所定時間が経過した時点(ステップS7の処理でYESと判断した時点)で、CPU106は、リール回転停止処理(ステップS8)を行う。
リール回転停止処理について、図13〜図17を参照して説明する。
ステップS101では、CPU106は、最終リール3E以外の回転停止を確認する。具体的には、CPU106は、最終リール3E以外のメカニカルリール3A〜3Dの回転を停止させ、上記RAM110に格納された抽選結果に基づいて、各リール3A〜3Dにシンボルを出現させる。各リール3A〜3Dの回転停止を確認し、その後、CPU106は、処理をステップS102に移す。
ステップS102では、CPU106は、ボーナスリーチ発生かを判断する。ボーナスのシンボルが入賞ライン上に所定枚数揃う直前になっている場合をボーナスリーチという。具体的には、CPU106は、上記RAM110に格納された入賞フラグを参照する。入賞フラグがボーナスリーチの場合には、CPU106は、処理をステップS103に移す。入賞フラグがボーナスリーチでない場合には、CPU106は、処理を図14のステップS106に移す。
ステップS103では、CPU106は、ボーナスリーチ演出実行抽選処理を行う。具体的には、CPU106は、ボーナスリーチ演出実行用確率抽選テーブル(図19)に基づき抽選を行い、その結果を上記RAM110に格納する。その後、CPU106は、処理をステップS104に移す。
ステップS104では、CPU106は、ボーナスリーチ演出実行抽選処理の結果を判断する。具体的には、CPU106は、上記RAM110に格納した抽選結果に基づき判断を行う。その結果、当選の場合には、CPU106は、処理をステップS105に移す。当選でない場合には、CPU106は、処理を図14のステップS106に移す。
ステップS105では、CPU106は、ボーナスリーチ演出処理を行う。その後、CPU106は、処理をステップS107に移す。
ボーナスリーチ演出処理について、図16及び図17を参照して説明する。
ステップS610に移行すると、CPU106は、複数のアイテムを液晶表示装置30に表示させ(610)、プレイヤーに複数のアイテムのうちの一のアイテムを選択するように促す。具体的には、CPU106は、複数のアイテム(例えば、ナイフ、弓矢、爆弾)を液晶表示装置30の表示面31a上に表示(ナイフ画像601、弓矢画像602、爆弾画像603)する。その後、CPU106は、処理をステップS620に移す。
ステップS620に移行すると、CPU106は、複数のアイテムを表示している部分をタッチスイッチ(タッチパネル32)として機能させる。具体的には、CPU106は、タッチパネル制御回路220が液晶表示装置30の表示面31a上の複数のアイテムを表示している該当領域(タッチパネル32)に対して押圧操作された信号を受信し入出力バス204を介して送信した信号を、受信する。その後、CPU106は、処理をステップS630へ移す。
ステップS630に移行すると、CPU106は、プレイヤーが一のアイテムを選択したか否かを監視する。具体的には、CPU106は、タッチスイッチ(タッチパネル32)上の該当部にプレイヤーが触れたか否かを、タッチパネル制御回路220が送信する信号を受信することにより、監視する。CPU106は、プレイヤーがタッチスイッチ(タッチパネル32)上の画面該当部(601〜603)に触れ、タッチパネル制御回路220がその信号を送るまで待つ。タッチパネル制御回路220が信号を送ると、CPU106は、プレイヤーがアイテムを選択したと判断し、処理をステップS650へ移す。
ステップS650に移行すると、CPU106は、選択に応じた第1の演出画像を液晶表示装置30に表示させる(620)。具体的には、CPU106は、各リール(3A〜3E)を覆うように設けられた透明な液晶表示装置30の表示面31a上に、主人公631を表示し、プレイヤーが選択したアイテム(この例では弓矢画像602)を主人公631が放つ画像を表示する。さらに、選択されたアイテムが最終リール3E(615)に向かって飛んで行く表示をする(620)。上述のスピーカ41は「ヤア!!」という音声を出力する。その後、CPU106は、処理をステップS660へ移す。
ステップS660に移行すると、CPU106は、第2の演出画像を液晶表示装置30に表示させる。具体的には、第2の演出画像(630)として、CPU106は、放たれたアイテム(この例では矢632)を最終リール3E(615)の表示を覆う透明な液晶表示装置30の表示面31a上に表示する(633)。そうすると、その位置633は最終リール3E(615)を覆う透明な部分であるので、最終リール3E(615)を停止させると、プレイヤーには、最終リール3E(615)に出現したボーナスのシンボルを、プレイヤーの選択したアイテムが射止めたかの様に見える。その後、CPU106は、処理を終了し、リール回転停止処理へ戻し、処理を図15のステップS107に移す。
ステップS106では、CPU106は、最終リールである第5のメカニカルリール3Eの回転を停止させる。具体的には、CPU106は、既に内部抽選で決定をしたシンボルがボーナスリーチの成立している入賞ライン上に出現するように最終リール3Eのステッピングモータ45Eの駆動を停止させ、回転停止を確認する。その後、CPU106は、処理を終了し、メインルーチンに戻し、処理をステップS9に移す。
ステップS107では、CPU106は、最終リールである第5のメカニカルリール3Eの回転を停止させる。具体的には、CPU106は、既に内部抽選で決定をしたシンボルがボーナスリーチの成立している入賞ライン上に出現するように最終リール3Eのステッピングモータ45Eの駆動を停止させ、回転停止を確認する。そうすると、ボーナスリーチ演出処理でCPU106が液晶表示装置30の表示面31a上に表示したアイテムの位置633は最終リール3Eを覆う透明な部分であるので、プレイヤーには、最終リール3Eに出現したシンボルをプレイヤーの選択したアイテムが射止めたかの様に見える。その後、CPU106は、処理をステップS108に移す。
ステップS108では、CPU106は、ベーシックゲーム結果演出処理を行う。具体的には、CPU106は、液晶表示装置30にベーシックゲーム結果演出画像(640又は650)を表示させる。すなわち、ボーナス入賞となった場合は、液晶表示装置30の表示面31a上に、プレイヤーの気持ちを代弁し歓喜を示すようなポーズをする主人公631を表示する(640)。また、上述のスピーカ41は、この画像の表示に同期させて「イエーイ!!」という音声を出力する。その後、アニメーションを表示する。例えば、液晶表示装置30は、表示面31a上に、アイテムの表示を消し、その位置にBONUSという文字を大きく表示し、BONUSシンボルがアニメーション的に変化(例えば、回転する等)する画像を表示する。この画像はゲーム状態がボーナスゲームに突入することを示している。
一方、ボーナス以外(この例では聖杯634)であった場合には液晶表示装置30の表示面31a上に、プレイヤーの気持ちを代弁し失意を示すようなポーズをする主人公631を表示する(650)。また、上述のスピーカ41は、この画像の表示に同期させて「しまった!」という音声を出力する。
その後、CPU106は、処理を終了し、メインルーチンに戻し、処理をステップS9に移す。
図9に戻って、ステップS9に移行すると、CPU106は、入賞役が成立したか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、CPU106は、上記RAM110の所定のメモリ領域に記憶された有効ラインに関する入賞フラグの状態に基づいて判断する。入賞フラグが有効化されていない場合(ステップS9の処理でNOと判断される場合)には、CPU106は、入賞役が成立していないと判断し、本ルーチンを終了させる。他方、入賞フラグが有効化されている場合(ステップS9の処理でYESと判断される場合)には、CPU106は、入賞役が成立したと判断し、処理をステップS10に移す。
ステップS10に移行すると、CPU106は、成立した入賞役がボーナスゲームへの移行を許容する役、すなわち「ボーナス」であるか否かを判断する。具体的には、CPU106は、上記RAM110に格納された入賞フラグの種類に基づいて判断する。有効化された入賞フラグが「ボーナス」入賞を示すフラグである場合(ステップS10の処理でYESと判断される場合)には、CPU106は、ゲーム状態をボーナスゲームに移行させるべきと判断し、処理をステップS11に移す。他方、有効化された入賞フラグが「ボーナス」以外の入賞を示すフラグである場合(ステップS10の処理でNOと判断される場合)には、CPU106は、その入賞役に応じたコインの払出を行うべきと判断し、処理をステップS13に移す。
ステップS11に移行すると、CPU106は、ボーナスゲーム処理を行う。ボーナスゲーム処理が終了すると、CPU106は、本ルーチンを終了させる。
他方、ステップS13に移行すると、CPU106は、上記「ボーナス」以外の入賞役に応じた枚数のコインを所定の態様で払い出す。具体的には、CPU106は、ベーシックゲーム用入賞払出テーブル(図12参照)を参照して、上記入賞役に対応するコインの払出枚数を算出する。CPU106は、上記RAM110の所定のメモリ領域に格納されたクレジット数を読み出し、この読み出したクレジット数に上記算出した払出枚数を加算し、この加算値をRAM110の所定のメモリ領域に記憶させる。CPU106は、当該記憶値をクレジット数表示部19に表示させる。このステップS13での処理が終了すると、CPU106は、本ルーチンを終了させる。
本実施の形態によると、以下の作用・効果を奏する。
本実施例1によれば、スロットマシン10は、実質的にはマシン内部の電子抽選によってどのような組み合せで各リール3A〜3Eのシンボルを出現させるかは決定しているものの、ボーナスリーチ時には、透明な液晶表示装置30の所定の領域(601〜603)に最終リール3Eのボーナストリガーシンボルを射止めるための複数のアイテム(例えば、ナイフ、弓矢、爆弾)を表示し、プレイヤーの選択を促すタッチスイッチ(タッチパネル32)を機能させると共に、このタッチスイッチ(タッチパネル32)の選択操作を契機として、複数のアイテム(例えば、ナイフ、弓矢、爆弾)のうち選択した一のアイテムを最終リール3Eに放つ第1の演出画像を透明な液晶表示装置30に表示し、最終リール3Eの停止と共に選択した一のアイテムが最終リール3Eに出現したシンボルを射止める第2の演出画像を最終リール3Eを覆う透明な液晶表示装置30に表示するので、かかるボーナスリーチ演出は、プレイヤーに確実に認知され、しかも最終的なリールシンボル組み合せの出現態様にプレイヤーの意思があたかも関与しているかのような印象をプレイヤーに与える結果、ゲームにおけるスリル感を持続させながら興趣を向上させることが可能となる。