JP2007298407A - 静電容量式センサ - Google Patents

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大介 若林
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亮 青木
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Abstract

【課題】当該静電容量式センサの半導体層を垂直エッチング加工する際のエッチング不良を防止する。
【解決手段】固定電極5と、半導体層2に形成された可動機構により物理量の変位に応じて動作する可動電極5とを相互に間隙を介して対向配置し、固定電極6と可動電極5との間隙の大きさに応じて検出される静電容量に基づき物理量を検出する静電容量式センサ1において、絶縁層20が接合された半導体層2を垂直エッチング加工することで形成された可動機構を備え、絶縁層20と対向する半導体層2の対向面、又は半導体層2と対向する絶縁層20の対向面に保護膜30が形成されていることで実現する。
【選択図】図7

Description

本発明は、固定電極と可動電極との間の静電容量を検出することにより所定の物理量を検出する静電容量式センサに関する。
従来より、固定部に弾性要素を介して可動電極が支持された構造を形成し、作用した外力等に応じて可動電極が固定電極に対して接離可能となるようにして、これら電極間の静電容量の変化を検出することで加速度や角速度等の種々の物理量を検出できるようにした静電容量式センサが知られている。
このような静電容量式センサとして、加速度により変位する1個のマス部により、水平方向の物理量を検出することができるように構成された静電容量式センサが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−28912号公報
特許文献1で開示されている静電容量型の加速度センサは、櫛形状の固定電極と、固定電極間の櫛溝に1つずつ入り込む薄板状の可動電極が設けられた重り部と、重り部に弾性力を与え規定方向に変位可能とするばね部とが、垂直エッチングを利用して形成されている。
特許文献1では、支持基板の一表面側に固着した半導体基板に対して表面に直交する方向に貫通させるように垂直エッチングを行っている。したがって、支持基板と対向する半導体基板の対向面(前記表面に対する裏面)が、垂直エッチングを行うエッチング装置より照射されるラジカルイオンによって削り取られエッチング不良を生じてしまう虞がある。
このようなエッチング不良が生じてしまうと、半導体基板より形成される各構成部が、所望の形状や質量とはならないため、当該センサの検出感度を低下させてしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、当該静電容量式センサの半導体層を垂直エッチング加工する際のエッチング不良を防止する構造を有する静電容量式センサを提供することを目的とする。
本発明の静電容量式センサは、固定電極と、半導体層に形成された可動機構により物理量の変位に応じて動作する可動電極とを相互に間隙を介して対向配置し、前記固定電極と前記可動電極との間隙の大きさに応じて検出される静電容量に基づき前記物理量を検出する静電容量式センサにおいて、支持基板が接合された前記半導体層を垂直エッチング加工することで形成された前記可動機構を備え、前記支持基板と対向する前記半導体層の対向面、又は前記半導体層と対向する前記支持基板の対向面に保護膜が形成されていることで上述の課題を解決する。
本発明によれば、支持基板と対向する半導体層の対向面、又は半導体層と対向する支持基板の対向面に保護膜が形成されているため、当該静電容量式センサの半導体層を垂直エッチング加工する際のエッチング不良を防止することができ、良好な検出感度のセンサとして機能することを可能とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[静電容量式センサの構成]
図1、図2、図3を用いて、本発明の実施の形態として示す静電容量式センサ1の構成について説明する。この静電容量式センサ1は、図1の紙面に向かって垂直な方向の加速度や角速度など、種々の物理量を検出することができる。
図1は、静電容量式センサ1の半導体層2を示した平面図である。図2は、図1のA−A線で、図3は、図1のB−B線で半導体層2を切断するように静電容量式センサ1を切断した様子を示した断面図である。半導体層2は、単結晶シリコンであり、図1乃至図3に示すように、半導体プロセスにより単結晶シリコン基板に間隙10を形成することで、アンカ部3、ビーム部4、可動電極5、フレーム部7、電位取出部8が形成されている。
図2、図3に示すように、静電容量式センサ1は、この半導体層2の表裏両面にガラス基板などの絶縁層20,21を、例えば、陽極接合などをして接合することで形成される。これら半導体層2と絶縁層20,21との接合面には、比較的浅い凹部22が形成されており、半導体層2各部の絶縁性や可動電極5の動作性の確保が図られている。なお、本発明の実施の形態では、半導体層2と絶縁層20との接合面については、半導体層2側に凹部22を設ける一方、半導体層2と絶縁層21との接合面については、絶縁層21側に凹部22を設けている。
また、絶縁層20の表面20a上には導体層23が成膜されており、半導体層2の各部の電位を取得するための電極として用いられる。本発明の実施の形態では、絶縁層20にサンドブラスト加工等によって貫通孔24を形成して半導体層2の表面(絶縁層20側の表面)の一部を露出させておき、絶縁層20の表面上から貫通孔24の内周面上および半導体層2の表面(図2ではアンカ部3の表面)上にかけて電気的に接続された一連の導体層23を成膜するようにして、当該導体層23から半導体層2内の各部の電位を検出できるようにしてある。なお、絶縁層20の表面上は、樹脂層(図示せず)によって被覆(モールド成形)するのが好適である。
半導体層2は、図1に示すように、全体として平面視で略長方形状に形成されており、フレーム部7が、その半導体層2の四つの周縁(四辺)に沿って略一定幅で枠状に設けられている。
間隙10は、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)などにより垂直エッチング加工をすることで、間隙10の側壁面を半導体層2の表面と垂直となるように形成される。このようにして、垂直エッチング加工により形成された間隙10の側壁面同士は、互いに略平行に対向することになる。反応性イオンエッチングとしては、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)を備えたエッチング装置によるICP加工を利用することができる。
フレーム部7の内側には、半導体層2の平面視略中央位置よりフレーム部7の一長辺側(図1の上側)に僅かにずれた位置に、矩形断面(本発明の実施の形態では略正方形断面)を有する柱状のアンカ部3が設けられており、このアンカ部3のフレーム部7の短辺に対向する一対の側壁からビーム部4,4が、それぞれフレーム部7の長辺と略平行に延伸している。なお、本発明の実施の形態では、図2および図3に示すように、アンカ部3を絶縁層20のみに当接(接合)させているが、さらにもう一方の絶縁層21に当接(接合)させるようにしてもよい。
ビーム部4は、図4に示すような一定の矩形(略長方形)断面を有する梁として構成されている。一例として、半導体層2の厚み方向に沿うビーム部4の厚みhを10μm以上(500μm以下)とし、半導体層2の表面に沿う方向であるビーム部4の幅wを3〜10μm程度とすることができる。
そして、このビーム部4は、一定の断面でフレーム部7の長辺に沿う方向に延伸し、アンカ部3側の端部4aに対して反対側となる端部4bが可動電極5に接続されている。
可動電極5は、フレーム部7の内周面7aに間隙10をもって対向する平面視で略矩形状の外周面5dを備えるとともに、アンカ部3およびビーム部4,4の外側を間隙10をもって囲むように形成されている。すなわち、可動電極5は、図1に示すように、アンカ部3およびビーム部4,4に対して、フレーム部7の一長辺側(図1の下側)には、間隙10を空けて略矩形状の大板部5aを備える一方、フレーム部7の他の長辺側(図1の上側)には、間隙10を空けて略矩形状の小板部5bを備えており、これら大板部5aと小板部5bとが、フレーム部7の短辺に沿う一対の接続部5c,5cを介して相互に接続された形状となっている。そして、ビーム部4,4はそれぞれ対応する接続部5c,5cの略中央部に接続されている。大板部5a、小板部5bは、それぞれ1枚の単結晶シリコン基板から形成されているため、小板部5bよりサイズの大きい大板部5aの質量が大きくなっている。
このように可動電極5が、静電容量式センサ1の固定部としてのアンカ部3にビーム部4,4を介して非対称な質量バランスで可動支持された構造は、半導体層2に間隙10を形成するとともに半導体層2および絶縁層20,21のうち少なくともいずれか一方に凹部22を形成することで得ることができる。よって、アンカ部3、ビーム部4,4、および可動電極5は、半導体層2の一部として一体に構成されており、それらアンカ部3、ビーム部4,4、および可動電極5の電位は、ほぼ等電位とみなすことができる。
ビーム部4,4は、フレーム部7に対して可動電極5を弾性的に可動支持するバネ要素として機能する。本発明の実施の形態では、図4に示すように、ビーム部4,4は、静電容量式センサ1の厚み方向に長い断面(ビーム部4の延伸軸に垂直な断面)を有しているため、当該厚み方向には撓みにくい。また、可動電極5は、ビーム部4,4を挟んで相互に対向する質量の異なる大板部5aと小板部5bとを備えているため、静電容量式センサ1に厚み方向の加速度が生じると、大板部5aおよび小板部5bに作用する慣性力の差によるビーム部4,4のねじりにより、ビーム部4,4を中心として揺動することになる。すなわち、本発明の実施の形態では、ビーム部4,4はねじりビーム(トーションビーム)として機能することになる。
そして、本実施の形態では、可動電極5の大板部5aおよび小板部5bのそれぞれに対向するように絶縁層20の下面20bに固定電極6A,6Bを設け、大板部5aと固定電極6Aとの間の静電容量、および小板部5bと固定電極6Bとの間の静電容量を検出することで、これら間隙10の変化、ひいては静電容量式センサ1の固定部に対する可動電極5の揺動姿勢の変化を得ることができるようになっている。
[静電容量検出の原理]
図5(a)は、可動電極5が揺動することなく絶縁層20の下面20bに対して平行な姿勢にある状態を示している。この状態では、大板部5aと固定電極6Aとの間の間隙25aの大きさと、小板部5bと固定電極6Bとの間の間隙25bの大きさとが等しくなるため、大板部5aおよび固定電極6Aの相互対向面積と、小板部5bおよび固定電極6Bの相互対向面積とを等しくしてある場合には、大板部5aと固定電極6Aとの間の静電容量と、小板部5bと固定電極6Bとの間の静電容量とは等しくなる。
図5(b)は、可動電極5が揺動して絶縁層20の下面20bに対して傾き、大板部5aが固定電極6Aから離れるとともに、小板部5bが固定電極6Bに近接した状態を示している。この状態では、図5(a)の状態に比べて、間隙25aは大きくなり、間隙25bは小さくなるから、大板部5aと固定電極6Aとの間の静電容量は小さくなり、小板部5bと固定電極6Bとの間の静電容量は大きくなる。
図5(c)は、可動電極5が揺動して絶縁層20の下面20bに対して傾き、大板部5aが固定電極6Aに近接するとともに、小板部5bが固定電極6Bから離間した状態を示している。この状態では、図5(a)の状態に比べて、間隙25aは小さくなり、間隙25bは大きくなるから、大板部5aと固定電極6Aとの間の静電容量は大きくなり、小板部5bと固定電極6Bとの間の静電容量は小さくなる。
したがって、大板部5aと固定電極6Aとの間の間隙25aを検知ギャップとする静電容量と、小板部5bと固定電極6Bとの間の間隙25bを検知ギャップとする静電容量との差動出力から、C−V変換することで得られる電圧波形を求め当該静電容量式センサ1に加えられた種々の物理量を検出することができる。
このような静電容量は、可動電極5および固定電極6A,6Bの電位から取得することができる。本発明の実施の形態では、図1および図2に示すように、アンカ部3上の絶縁層20には貫通孔24が形成されており、可動電極5の電位は、この貫通孔24の内面に形成した導体層23を介して取り出される。
一方、固定電極6は、絶縁層20の下面20b上に導体層(例えばアルミニウム合金の層)として形成してある。固定電極6を成膜する工程では、固定電極6と一続きの導体層として、配線パターン11および端子部9も同時に成膜される。したがって、固定電極6の電位は、配線パターン11および端子部9、半導体層2に形成された電位取出部8、ならびに電位取出部8上の絶縁層20に形成された導体層23を介して取り出されるようになっている。
[電位取出部8の構成]
ここで、図6を参照して、電位取出部8の構成について説明する。図6(a)は、電位取出部8を拡大して示した図であり、図6(b)は、図6(a)に示すC−C線で切断した様子を示す断面図であり、図6(c)は、絶縁層20と半導体層2とを接合する前段における様子を示した断面図である。
図6に示すように、電位取出部8は、半導体層2に形成した間隙10や半導体層2または絶縁層21に形成した凹部22によって、可動電極5やフレーム部7等の半導体層2の他の部分と絶縁され、略円柱状に形成されるパッド部8aと、パッド部8aからフレーム部7の短辺に沿って細長く伸びる台座部8bとを備えている。そして、この台座部8bの端子部9に対応する部分を切り欠くように平坦な底面8cを備える凹部26が形成されている。そして、この底面8c上には下敷層27(例えば、二酸化珪素(SiO)の層)が形成され、さらに、この下敷層27と隣接した位置にほぼ同じ高さの導体層28が形成されるとともに、下敷層27の上面から導体層28の上面にかけて、フレーム状の山部12aを連設してなる平面視で略梯子状の接点部12が形成される。このとき、導体層28および接点部12は、同一の導体材料(例えばアルミニウム合金等)による層として形成することができる。
ここで、本発明の実施の形態では、図6(c)に示すように、接点部12の山部12aを、半導体層2の上面2aより上に高さδhだけ突出するように高く形成し、これにより、半導体層2と絶縁層20とを接合するときに、端子部9によって山部12aが押圧されて塑性変形し、山部12a(接点部12)と端子部9との間での接触および導通がより確実なものとなるようにしている。
なお、図1に示すように、大板部5aおよび小板部5bの表面上の適宜位置にはストッパ13を設け、可動電極5と固定電極6A,6Bとが直接的に接触(衝突)して損傷するのを抑制するようになっているが、このストッパ13を下敷層27と同一材料として同じ工程で形成するようにすれば、これらを別途形成する場合に比べて製造の手間が減り、製造コストを低減することができる。
[保護膜30について]
図2,図3に示すように、ビーム部4、可動電極5が形成された、絶縁層20と対向する半導体層2の上面2aには、保護膜30が形成されている。この保護膜30は、上述した反応性イオンエッチングにより垂直エッチング加工して、間隙10を設け、アンカ部3、ビーム部4、可動電極5からなる可動機構を形成する際に、エッチング装置より照射されるラジカルイオンによって上面2aが削られてしまうことを保護している。
本発明の実施の形態として示す静電容量式センサ1では、垂直エッチング加工するにあたり、まず、ウェットエッチングやドライエッチングといった種々のエッチング処理により半導体層2に凹部22を形成しておき、凹部22側が対向するように支持基板である絶縁層20と接合させる。このように半導体層2を支持基板に接合させた状態で、半導体層2側から垂直エッチング加工することで間隙10を設け、アンカ部3、ビーム部4、可動電極5からなる可動機構を形成する。
このとき、エッチング装置から照射されるラジカルイオンは、半導体層2の裏面となった上面2aに回り込んだり、絶縁層20の対向面である下面20bで反射されるなどして、上面2aを削り取ってしまう虞がある。このような、エッチング不良が発生してしまうと、可動電極5のマスとしてのバランスが悪くなったり、ビーム部4のねじれ動作が正確でなくなったり、固定電極6A,6Bとの検知ギャップにばらつきが発生し検出感度が低下してしまうなど様々な問題が発生してしまうことになる。
そこで、このように半導体層2の上面2aに保護膜30を形成することで、ラジカルイオンによるエッチング不良を防止することができる。上面2aに形成する保護膜30としては、熱酸化膜、PSG(リンガラス)膜、金属(メタル)膜などを用いることができる。特に、本発明の実施の形態として示す静電容量式センサ1の場合、導電材料である金属材料を用いて成膜した金属膜が、最も好適である。保護膜30を金属膜とすると、半導体層2からなる可動電極5の固定電極6A,6Bと対向する上面2a上には、直列抵抗成分を低減させた導電材料が形成されることになる。したがって、このような可動電極5と、固定電極6A,6Bとで検出される静電容量の精度が高くなるため、物理量を高い精度で検出することができる。
[静電容量式センサ1以外の静電容量式センサについて]
上述した保護膜30は、本発明の実施の形態として示した静電容量式センサ1のようなアンカ部3によってビーム部4を介して非対称な質量バランスとなるよう可動支持される可動電極5を備え、垂直方向の物理量を検出する静電容量式センサ以外にも、水平方向、垂直方向の物理量を検出する静電容量式センサ、一軸方向、又は水平な2軸方向の物理量を検出する静電容量式センサなど、様々な静電容量式センサに設けることで、上述したようなラジカルイオンの回り込みや支持基板によって反射されたラジカルイオンによって発生するエッチング不良を防止することができる。
例えば、図7(a)の模式的な断面図に示すような、少なくとも支持基板32によって支持される半導体層31を垂直エッチング加工することで可動電極31A、固定部31Bが形成され、固定部31Bから伸びる図示しないビーム部を介して可動電極31Aを可動支持する可動機構を備える静電容量式センサ40などに保護膜30を設けることで、上述したような効果を得ることができる。
図7(a)に示す静電容量式センサ40において、半導体層31は、保護基板33によって保護され、可動電極5の電位は、支持基板32を貫通させた貫通孔を介して、固定部31B上に金属(メタル)膜を成膜することで形成された電極部34より取り出されるようになっている。また、図示しないが、固定電極は、可動電極31Aと検知ギャップとなる間隙を介して、加えられる物理量に応じた可動電極31Aの位置変位により変化する静電容量を検出することができるように配置されればどのように配置されていてもよい。
図7(b)は、ウェットエッチングやドライエッチングにより凹部35を形成した半導体層31に保護膜30を形成してから、凹部35が対向するように支持基板32と接合させた状態を示した断面図である。図7(c)は、図7(b)に示す領域P1を拡大して示した図である。この段階では、保護基板33、電極部34も形成されていない。
図7(c)に示すように、垂直エッチング加工を行うエッチング装置より照射されるラジカルイオンは、半導体層31に垂直な間隙10を形成すると共に、支持基板32と対向する半導体層31の裏面(対向面)31aに回り込んだり、支持基板32の表面32aで反射され半導体層31の裏面31aへと到達したりする。
しかしながら、半導体層31の裏面31aには、保護膜30が形成されているため、ラジカルイオンによって半導体層31が、裏面31aより削られてしまうことがないよう保護されている。
保護膜30には、半導体層31の裏面31aを熱酸化することにより形成される熱酸化膜、あるいはデポジションによりSiOを成膜することで形成される酸化膜、デポジションにより成膜されるPSG(リンガラス)膜、金属材料を成膜することで形成される金属膜などを用いることができる。
熱酸化により熱酸化膜を形成した場合、凹部35の深さよりも十分薄い膜とすることができる。したがって、ラジカルイオンによる半導体層31の裏面31aの浸食を保護するとともに、支持基板32に固定電極を設けて、凹部35を可動電極31Aとの検知ギャップとする場合において、結晶異方性エッチングなどにより高い精度で凹部35を形成することで得られる検知ギャップの精度を保つことができる。
一方、デポジションにより酸化膜を成膜した場合、熱酸化により熱酸化膜を形成する場合に較べて厚みが増すことから、高い熱応力によって半導体層31の反りが大きくなってしまうため、静電容量式センサ40の温度特性などの精度を悪化させてしまう可能性がある。
PSG膜は、熱酸化膜よりも熱応力が小さいため、保護膜30として成膜した場合、温度変化による半導体層31の反りも小さく、静電容量式センサ40の温度特性などの精度を良好なものとする。また、PSG膜は、エッチングレートが速いため、垂直エッチング加工の後に、容易に除去することもできる。
保護膜30は、図8(a)に示すように、支持基板32の半導体層31と対向する表面(対向面)32aに形成することもできる。図8(b)は、 図8(a)に示す領域P2を拡大して180度回転させた図である。このように、支持基板32の表面32aに形成する保護膜30を、金属材料を成膜した金属膜で形成すると、図8(b)に示すように、垂直エッチング加工を行うエッチング装置より照射され支持基板32の表面32aで反射されるラジカルイオンを吸着するため、ラジカルイオンの反射による半導体層31の裏面31aの浸食を低減させ保護することができる。
このように、静電容量式センサ1,40に保護膜30を形成することで、垂直エッチング加工における半導体層2,31に対するエッチング不良を防止することができるため、当該静電容量式センサ1,40を良好な検出感度のセンサとして機能させることができる。
また、金属材料を成膜して形成した保護膜30は、静電容量式センサ1,40の実使用時における電磁波ノイズの影響を抑制できるシールドとしても機能する。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の実施の形態として示す静電容量式センサの半導体層の構成について説明するための図である。 前記静電容量式センサを図1に示すA−A線で切断した様子について説明するための断面図である。 前記静電容量式センサを図1に示すB−B線で切断した様子について説明するための断面図である。 前記静電容量式センサのビーム部の断面形状について説明するための断面図である。 前記静電容量式センサにおける静電容量の検出原理について説明するための図である。 前記静電容量式センサが備える固定電極の電位取出部の構成について説明するための図である 前記静電容量式センサの絶縁層と対向する半導体層の対向面に保護膜を形成した様子について説明するための図である。 前記静電容量式センサの半導体層と対向する絶縁層の対向面に保護膜を形成した様子について説明するための図である。
符号の説明
1 静電容量式センサ
2 半導体層
3 アンカ部
4 ビーム部
5 可動電極
6 固定電極
10 間隙
20 絶縁層
20a 表面
20b 下面
21 絶縁層
30 保護膜
31 半導体層
31A 可動電極
31B 固定部
31a 裏面
32 支持基板
32a 表面
33 保護基板
40 静電容量式センサ

Claims (6)

  1. 固定電極と、半導体層に形成された可動機構により物理量の変位に応じて動作する可動電極とを相互に間隙を介して対向配置し、前記固定電極と前記可動電極との間隙の大きさに応じて検出される静電容量に基づき前記物理量を検出する静電容量式センサにおいて、
    支持基板が接合された前記半導体層を垂直エッチング加工することで形成された前記可動機構を備え、
    前記支持基板と対向する前記半導体層の対向面、又は前記半導体層と対向する前記支持基板の対向面に保護膜が形成されていること
    を特徴とする静電容量式センサ。
  2. 前記支持基板と対向する前記半導体層の対向面に形成する前記保護膜を熱酸化膜とすること
    を特徴とする請求項1記載の静電容量式センサ。
  3. 前記支持基板と対向する前記半導体層の対向面に形成する前記保護膜をPSG(リンガラス)膜とすること
    を特徴とする請求項1記載の静電容量式センサ。
  4. 前記可動機構は、前記半導体層の固定部分にビームを介して非対称な質量バランスとなるよう前記可動電極を可動支持する構成とし、前記固定電極を前記可動電極と相互に間隙を介して対向配置させるように前記支持基板上に形成し、
    前記支持基板と対向する、前記可動電極が形成された前記半導体層の対向面に前記保護膜が形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の静電容量式センサ。
  5. 前記支持基板と対向する、前記可動電極が形成された前記半導体層の対向面に形成する前記保護膜を金属膜とすること
    を特徴とする請求項4記載の静電容量式センサ。
  6. 前記半導体層と対向する前記支持基板の対向面に形成する保護膜を金属膜とすること
    を特徴とする請求項1記載の静電容量式センサ。
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