JP2007297571A - 透明積層体用中間膜及び透明積層体 - Google Patents

透明積層体用中間膜及び透明積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】透明ガラス板及び透明樹脂板に対する接着性に優れるとともに、常温付近で優れた遮音性能を有する透明積層体用中間膜、及び、該透明積層体用中間膜を用いてなる透明積層体を提供する。
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と、0〜50℃の温度範囲において動的粘弾性測定装置による損失正接(周波数10Hz)(tanδ値)が0.5以上となる極大値が存在する樹脂及び油分の混合物からなる相とが、相分離構造を形成している透明積層体用中間膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明ガラス板及び透明樹脂板に対する接着性に優れるとともに、常温付近で優れた遮音性能を有する透明積層体用中間膜、及び、該透明積層体用中間膜を用いてなる透明積層体に関する。
従来、合わせガラスは、自動車のフロントガラス用やサイドガラス用として、又は、建築物の窓ガラス用等として広く使用されている。このような合わせガラスの代表例としては、少なくとも二枚の透明なガラス間に、可塑剤により可塑化された例えばポリビニルブチラール樹脂のような可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて製造されるものが挙げられる。
このような合わせガラスは、衝撃が加えられるとガラスは破損するものの、ガラス間に介在させた中間膜は容易に破壊せず、また、ガラスは破損後においても中間膜に貼着したままであり、その破片が飛散することが少ないため、自動車のフロントガラス用やサイドガラス用として、又は、建築物の窓ガラス用等として広く使用されている。
また、このような合わせガラスには、近年、住宅環境や、車両内の環境の改善を企図して、優れた遮音性が求められている。
合わせガラスの遮音性は、主に中間膜の粘弾性に依存する。中間膜の粘弾性は、外部からのエネルギーを溜める弾性と、エネルギーを熱として放出する粘性との両方を兼ね備えた高分子特有の性質である。すなわち、外部を音が伝わるときに生ずる空気の粗密波エネルギーが、中間膜の粘弾性により一部熱エネルギーに変換され、内部に伝わる音が減少することで、合わせガラスの遮音性が発揮される。従って、中間膜の遮音性能は、空気の粗密波エネルギーの熱エネルギーへの変換効率が大きい程優れたものとなる。
この空気の粗密波エネルギーの熱エネルギーへの変換効率は、動的粘弾性測定により力学損失係数(tanδ値)で表すことができる。そのため、中間膜の室温付近におけるtanδ値を高くすることが中間膜の遮音性能の向上、延いては合わせガラス遮音性能の向上に重要な方策となる。
遮音性能の向上を企図した中間膜として、例えば、特許文献1には、通常の中間膜の流動度より約3倍高い流動度を有する樹脂、例えば、ポリビニルブチラールからなる中間膜が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示の中間膜は、各樹脂の有するtanδ値に限界があるため、遮音性能が小さいものであった。
また、例えば、特許文献2には、音響効果の異なる2種以上の粘弾性材料を張り合わせた構成体からなる中間膜が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示の中間膜は、構成体の樹脂層の界面で物質移動が生じて遮音性が低下するおそれがある等長期間の耐久性に問題があり、更に、両樹脂層が異種材料であるため界面での接着強度が不充分であるという問題もあった。
更に、近年、自動車、車両等の軽量化やデザインの新規性等の面から、合わせガラスの中間膜を挟持する透明ガラス板が見直しされており、例えば、ポリカーボネート(PC)板を用いることが検討されている。
しかしながら、従来の遮音性能の向上を企図して開発された中間膜では、このようなPC板に対して接着性が不充分であり、PC板と中間膜との界面でクラック現象を起こし、外観上問題があった。
特公昭46−5830号公報 特開昭62−37148号公報
本発明は、上記現状に鑑み、透明ガラス板及び透明樹脂板に対する接着性に優れるとともに、常温付近で優れた遮音性能を有する透明積層体用中間膜、及び、該透明積層体用中間膜を用いてなる透明積層体を提供することを目的とする。
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と、動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)が0.5以上となる極大値が存在する樹脂(以下、遮音性能に優れた樹脂ともいう)及び油分の混合物からなる相とが、相分離構造を形成し、かつ、前記混合物の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)の極大値が0〜50℃の温度範囲に存在する透明積層体用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、透明ガラス板及びポリカーボネート(PC)等の透明樹脂板に対して優れた接着性を示すエチレン−酢酸ビニル共重合体と、遮音性能に優れた樹脂と油分との混合物とが、相分離構造を形成した透明積層体用中間膜は、透明ガラス板及び透明樹脂板に対する優れた接着性と、常温付近での優れた遮音性能とを両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、本明細書において、「常温付近」とは、0〜40℃程度の温度域をさす。また、「透明積層体」とは、本発明の透明積層体用中間膜を用いてなる透明積層体が、外光が透過可能なことを意味し、例えば、すりガラスのように透き通っていないものも含む。例えば、可視光透過率が5%以上のものが好適である。
本発明の透明積層体用中間膜は、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相を有する。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相は、本発明の透明積層体用中間膜に透明ガラス板及び透明樹脂板等に対する優れた接着性を付与する相である。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、その構成成分として酢酸ビニルの含有量の好ましい下限が10重量%、好ましい上限が40重量%である。10重量%未満であると、得られる本発明の透明積層体用中間膜の引張り強度は充分であるが透明性が低下することがあり、40重量%を超えると、得られる本発明の透明積層体用中間膜の透明性は向上するが引張り強度等の機械的強度が低下することがある。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、メルトインデックス(MI)の好ましい下限が1g/10分、好ましい上限が200g/10分である。1g/10分未満であると、得られる本発明の透明積層体用中間膜の流動性が低下して合わせ加工性(脱気性、加工時間)が低下することがあり、200g/10分を超えると、得られる本発明の透明積層体用中間膜の粘性が低下して合わせ加工後に透明積層体用中間膜が端部からはみ出したり厚みが減少したりし、また、透明積層体を製造したときにその耐衝撃性が低下することがある。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の数平均分子量としては特に限定されないが、好ましい下限は3000、好ましい上限は50万である。3000未満であると、流動性が過度に大きくなり、50万を超えると、流動性が低下するために合わせ加工性に問題が生じる場合がある。より好ましい下限は5000、より好ましい上限は30万、更に好ましい下限は1万、更に好ましい上限は25万である。
また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、必要に応じて可塑化、部分鹸化、酸変性、架橋等の変性が行われた変性物であってもよい。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の製造方法としては特に限定されず、例えば、高圧法、乳化法等の公知の製造方法によって製造することができる。
本発明の透明積層体用中間膜は、遮音性能に優れた樹脂、及び、油分の混合物からなる相を含有する。
上記混合物からなる相は、本発明の透明積層体用中間膜に優れた遮音性能を付与する相であり、この遮音性能は、上記遮音性能に優れた樹脂により付与される。
これは、後述するが本発明の透明積層体用中間膜において、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と上記混合物からなる相とは相分離構造を形成しているため、上記遮音性能に優れた樹脂の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)が、本発明の透明積層体用中間膜の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)に反映されるからであると考えられる。すなわち、上述した通り、透明積層体用中間膜の遮音性能は、室温付近でのtanδ値が高くなる程優れたものとなるため、上記遮音性能に優れた樹脂としてtanδ値の高いものを適宜選択することで、本発明の透明積層体用中間膜の遮音性能を優れたものとすることができる。
なお、上記遮音性能に優れた樹脂のtanδ値の極大値は、一般的に室温よりも高温(例えば、50℃程度)で示すことが多い。しかし、本発明の透明積層体用中間膜では、上記遮音性能に優れた樹脂は、後述する油分と混合物を構成しており、該混合物のtanδ値の極大値温度は、上記遮音性能に優れた樹脂のtanδ値の極大値温度よりも低温域にシフトしたものとなる。そのため、上記混合物の室温付近のtanδ値が高くなり、本発明の透明積層体用中間膜は、室温付近の遮音性能が優れたものとなる。
一方、上記遮音性能に優れた樹脂のみを含有する場合、常温付近で充分な遮音性能を得ることができない。これは、上記の通り、上記遮音性能に優れた樹脂のtanδ値の極大値が高温域に存在するため、常温付近のtanδ値が低くなるためである。
上記遮音性能に優れた樹脂は、動的粘弾性測定装置による損失正接tanδ値が0.5以上となる極大値が存在するものである。極大値が0.5未満であると、本発明の透明積層体用中間膜の遮音性能が不充分となる。好ましい下限は0.6である。
このような遮音性能に優れた樹脂としては、上記tanδ値特性を有するものであれば特に限定されないが、塩素系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルイソプレン−スチレン共重合体、ポルノルボルネン等が好適に用いられる。
上記塩素系樹脂としては特に限定されず、例えば、ダイソー社製「ダイソーラックC130」、昭和電工社製「エラスレン402NA」等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂としては特に限定されず、例えば、クラレ社製「パラペットSA−F」等が挙げられる。
上記ビニルイソプレンースチレン共重合体としては特に限定されず、例えば、クラレ社製「ハイブラー5127」等が挙げられる。
上記ポリノルボルネンとしては特に限定されず、例えば、アルケマ社製「ノーソレックス」等が挙げられる。
これらの遮音性能に優れた樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよいが、上記塩素系樹脂を用いる場合、廃棄やリサイクルの容易性の観点から、他の樹脂と併用することが好ましい。なかでも、tanδ値が高いことから上記遮音性能に優れた樹脂は、ポリノルボルネンが好適である。
上記ポリノルボルネンは、シクロペンタジエンとエチレンとのディールス・アルダー反応により生成するノルボルネンを開環重合させることにより得られ、二重結合と五員環とが交互に結合した構造を有する高分子樹脂化合物である。このようなポリノルボルネンは、吸油性が極めて高く、吸油量によりtanδ値のピーク位置、高さが設計できるメリットもある。
上記遮音性能に優れた樹脂がポリノルボルネンである場合、数平均分子量の好ましい下限は5万、好ましい上限は600万である。5万未満であると、本発明の透明積層体用中間膜の力学的強度が低下し、600万を超えると、重合時の反応効率が低下する。より好ましい下限は50万、より好ましい上限は500万である。なお、上述したアルケマ社製の「ノーソレックス」は、数平均分子量が300万程度の高分子量ポリノルボルネンである。
上記油分は、上述した遮音性能に優れた樹脂に包含又は吸収された状態で上記混合物からなる相を構成している。このような油分は、上記遮音性能に優れた樹脂のtanδ値の極大値を増加させる効果があり、かつ、上記混合物のtanδ値の極大値温度を、上記遮音性能に優れた樹脂のtanδ値の極大値温度よりも低温域にシフトさせる効果がある。
具体的には、本発明の透明積層体用中間膜において、上記混合物の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)の極大値が0〜50℃の温度範囲に存在する。上記混合物の極大値が0℃未満、又は、50℃を超える温度に存在すると、本発明の透明積層体用中間膜を用いた透明積層体を使用する通常の環境下において遮音性能が不充分となる。
上記油分としては、本発明の透明積層体用中間膜の通常使用環境下において上記遮音性能に優れた樹脂に包含又は吸収され、かつ、上述した効果を果たすものであれば特に限定されないが、例えば、油脂や鉱物油類等の液状のものが好適に用いられる。
上記油脂としては特に限定されず、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、米油等の植物油や、豚油、牛油、魚油、バター等の動物油等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記鉱物油類としては特に限定されず、例えば、ガソリン、灯油、重油、モーターオイル等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記鉱物油の市販品としては、例えば、日石ハイゾールSAS−LH、日石ハイゾールSAS−296、Aromi×200P(以上、いずれも新日本石油化学社製)、Sunthene450(Sun Oil社製)、ダイアナプロセスオイルAH−58(出光興産社製)等が挙げられる。
更に、本発明の透明積層体用中間膜においては、上記油分を適宜選択することにより、上記遮音性能に優れた樹脂との混合物の透明性を高くすることができ、本発明の透明積層体用中間膜を透明性に優れるものとすることができる。
上記油分の配合量としては、上記遮音性能に優れた樹脂100重量部に対して、好ましい下限が50重量部、好ましい上限が500重量部である。50重量部未満であると、上記混合物のtanδ値の極大値を低温域にシフトさせる効果を殆ど得ることができず、本発明の透明積層体用中間膜が室温付近での遮音性能に劣ることがある。500重量部を超えると、上記油分のブリードが起こることがある。より好ましい下限は100重量部、より好ましい上限は300重量部である。
本発明の透明積層体用中間膜において、上記遮音性能に優れる樹脂と油分との混合物の配合量としては特に限定されないが、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が100重量部である。5重量部未満であると、本発明の透明積層体用中間膜の遮音性能が不充分となることがあり、100重量部を超えると、本発明の透明積層体用中間膜の透明ガラス板及び透明樹脂板に対する接着力が低下することがある。より好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
本発明の透明積層体用中間膜は、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と、上記混合物からなる相とは、相分離構造を形成している。上記相分離構造としては、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相中に、上記混合物からなる相が微分散した構造であることが好ましい。すなわち、本発明の透明積層体用中間膜は、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相を海成分、上記混合物からなる相を島成分とした、いわゆる海島構造であることが好ましい。
本発明の透明積層体用中間膜が海島構造をとることで、透明積層体とするときに、本発明の透明積層体用中間膜の被接着物である透明ガラス板及び/又は透明樹脂板との界面特性が海成分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相に支配的となり、優れた接着性を有するものとなる。一方、本発明の透明積層体用中間膜は、遮音性能に優れた樹脂を含有する混合物からなる相を島成分として有するため、遮音性能にも優れたものとなる。すなわち、本発明の透明積層体用中間膜によると、透明ガラス板及び/又は透明樹脂板に対する優れた接着性と、優れた遮音性能とを両立することができる。
このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と、上記混合物からなる相とが相分離構造を形成する本発明の透明積層体用中間膜は、動的粘弾性測定装置による損失正接tanδ値の測定を行うと、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の極大値と、上記混合物の極大値とが現れる。これは、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と上記混合物からなる相とが相分離構造を形成することで、動的粘弾性特性が個別に挙動していることを示している。
なお、上記の通り、上記混合物のtanδ値の極大値は、上述した遮音性能に優れた樹脂と同等のtanδ値の極大値を有するが、これは、上記混合物及び遮音性能に優れる樹脂をそれぞれ単独で測定したtanδ値の極大値を比較した場合である。一方、本発明の透明積層体用中間膜のtanδ値を測定した場合、実際に測定される上記混合物のtanδ値の極大値は、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のtanδ値に分散されて、上記混合物単独で測定した極大値よりも小さな値となる。
本発明の透明積層体用中間膜のtanδ値を、動的粘弾性測定装置により周波数10Hzの条件で測定した場合、上記混合物が示すtanδ値は、0〜40℃の温度範囲において、最高値の下限が0.2であることが好ましい。0.2未満であると、本発明の透明積層体用中間膜が遮音性能に劣ることとなる。
また、本発明の透明積層体用中間膜は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等公知の添加剤が配合されてもよい。
上記熱安定剤としては特に限定されず、例えば、ステアリン酸カルシウム、ジアルカノール脂肪族第3級アミン等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、チバガイギー社製の「イルガノックス1010」等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾトリアゾール系やヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。ベンゾトリアゾール系としては、例えば、チバガイギー社製の「チヌビンP」、「チヌビン320」、「チヌビン326」、「チヌビン328」等が挙げられ、ヒンダードアミン系としては、例えば、アデカアーガス社製の「LA−57」等が挙げられる。
本発明の透明積層体用中間膜の厚さとしては、製造する透明積層体の用途等によって適宜決定され、特に限定されないが、好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は1.5mmである。0.1mm未満であると、初期の遮音効果を得ることができないことがあり、1.5mmを超えると、均一な厚さで成形することが困難となり、遮音性能にムラが生じることがあり、また、製造コスト的に不利となる。
本発明の透明積層体用中間膜の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述したエチレン−酢酸ビニル共重合体、遮音性能に優れた樹脂、油分、及び、必要に応じて添加する添加剤の混合組成物を、押出機で溶融混練してシート状に押出す方法;上記混合組成物をミキシングローラーで混練し、所定の厚みのスペーサを介して加圧熱プレスにより膜化する方法等が挙げられる。
このような本発明の透明積層体用中間膜が、一対の透明ガラス板及び/又は透明樹脂板で挟持されてなる透明積層体もまた、本発明の1つである。
上記透明ガラス板としては特に限定されず、例えば、フロートガラス等の透明無機ガラス板が挙げられる。
上記透明樹脂板としては特に限定されず、例えば、ポリカーボネート、メチルメタクリレート等の透明有機ガラス板等が挙げられる。
なお、本発明の透明積層体を構成する上記一対の透明ガラス板及び/又は透明樹脂板は、同種の組み合わせであってもよく、異種の組み合わせであってもよい。
本発明の透明積層体を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記一対の透明ガラス板及び/又は透明樹脂板の間に、本発明の透明積層体用中間膜を介在させてサンドイッチ体とし、このサンドイッチ体をゴムバックに入れ、約20Torr以下の真空度で一定時間脱気した後、脱気状態のまま約80℃以上のオーブンに移し、この温度で一定時間保持することにより、透明ガラス板及び/又は透明樹脂板と本発明の透明積層体用中間膜とを接着させる方法;上記一対の透明ガラス板及び/又は透明樹脂板の間に、本発明の透明積層体用中間膜を介在させてサンドイッチ体とし、このサンドイッチ体を、100℃程度の加圧ゴムロールに一定時間通過させた後、約80℃以上のオーブンに移し、この温度で一定時間保持することにより上記透明ガラス板及び/又は透明樹脂板と本発明の透明積層体用中間膜とを接着させる方法等が挙げられる。
本発明の透明積層体は、本発明の透明積層体用中間膜の間に、各種の模様を印刷したポリエステルフィルム、紙、金属シート等のフィルム若しくはシートを介在させて複層化透明積層体用中間膜又は装飾性透明積層体用中間膜とし、これを用いて積層化したものであってもよい。
本発明によると、透明ガラス板及び透明樹脂板に対する接着性に優れるとともに、常温付近で優れた遮音性能を有する透明積層体用中間膜、及び、該透明積層体用中間膜を用いてなる透明積層体を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜4)
下記表1に示した配合の各原料からなる混合組成物を、ミキシングローラーで混練し、高さ0.4mmのスペーサを用いて圧力10MPa、温度180℃の条件で加圧熱プレスし、厚さ0.4mmの透明積層体用中間膜をそれぞれ作製した。
なお、表1中、共重合体(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル社製「EVAFLEX360」)、樹脂(B)は、アルケマ社製「ノーソレックス」、油分(C)は、新日本石油社製「日石ハイゾールSAS−LH」を、それぞれ表す。
なお、樹脂(B)のtanδ値を、損失係数測定器(リオン社製、RION sound and vibration signal analyzer SA−74)を用いて周波数1000Hzの条件で測定したところ、極大値は1.0であり、その温度は50℃であった。
各実施例及び比較例で得られた透明積層体用中間膜を、ポリカーボネート(PC)板を片側に用い、その反対側に厚さ3mmのフロートガラス板(300mm×300mm)の間に挟み、このサンドイッチ体をゴムバックに入れ、10torrの真空度で20分間脱気した後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温度で10分間保持することによりPC板/中間膜/ガラスとを接着させて、透明積層体を製作した。
(評価)
実施例及び比較例で作製した透明積層体用中間膜及び透明積層体について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(tanδ値)
実施例及び比較例で作製した透明積層体について、動的粘弾性スペクトル測定器(IT計測制御社製、品番:DVA200)により周波数10Hzでのtanδ値を測定した(昇温5℃/分)。共重合体(A)のtanδ値の極大値、並びに、樹脂(B)と油分(C)との混合物(比較例2、3については樹脂(B)のみ、以下同じ)のtanδの極大値、及び、混合物の0〜40℃の温度範囲におけるtanδ値の最高値をそれぞれ測定した。
(遮音性能)
樹脂(B)と油分(C)との混合物の0〜40℃の温度領域におけるtanδ値から、以下の基準により遮音性能を評価した。
○:最高値が0.2以上
×:最高値が0.2未満
(接着性)
実施例及び比較例で作製した透明積層体において、透明積層体用中間膜とポリカーボネート基板との間の接着性を次の方法で評価した。
ポリカーボネート基板(PC)を片側に用い、その反対側にポリエステルフィルムを用い、その間に中間膜(製作直後)を挟み、厚さ3mmの剛直体であるフロートガラス板(300mm×300mm)の間に挟み、このサンドイッチ体をゴムバックに入れ、10torrの真空度で20分間脱気した後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温度で10分間保持することによりPC板と中間膜とを接着させて、合わせ積層体を製作した。
これを幅2mm長さ100mmにカットして試料とした。この試料の端部の中間膜を剥離させ、この剥離させた中間膜の端部を、引張試験機(テンシロンUCE500:オリエンテック社製)を用い、引張り速度500mm/分で90度に引っ張って剥離強度を測定した。剥離強度が3.0kg/cm以上であれば中間膜とPCの接着強度は充分と考えられるので○、それ未満を×と判定した。
(総合判定)
実施例及び比較例で作製した透明積層体用中間膜の透明積層体としての性能を以下の基準により判定した。
○:接着性及び遮音性能に優れ、透明積層体用中間膜としての性能を充分に有する
×:接着性及び/又は遮音性能に劣り、透明積層体用中間膜としての性能が不充分である
Figure 2007297571
本発明によれば、透明ガラス板及び透明樹脂板に対する接着性に優れるとともに、常温付近で優れた遮音性能を有する透明積層体用中間膜、及び、該透明積層体用中間膜を用いてなる透明積層体を提供することができる。

Claims (3)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と、動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)が0.5以上となる極大値が存在する樹脂及び油分の混合物からなる相とが、相分離構造を形成し、かつ、
    前記混合物の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)の極大値が0〜50℃の温度範囲に存在することを特徴とする透明積層体用中間膜。
  2. 0〜50℃の温度範囲において動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)が0.5以上となる極大値が存在する樹脂は、ポリノルボルネンであることを特徴とする請求項1記載の透明積層体用中間膜。
  3. 請求項1又は2記載の透明積層体用中間膜が、一対の透明ガラス板及び/又は透明樹脂板で挟持されてなることを特徴とする透明積層体。
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