JP2007297571A - 透明積層体用中間膜及び透明積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と、0〜50℃の温度範囲において動的粘弾性測定装置による損失正接(周波数10Hz)(tanδ値)が0.5以上となる極大値が存在する樹脂及び油分の混合物からなる相とが、相分離構造を形成している透明積層体用中間膜。
【選択図】 なし
Description
合わせガラスの遮音性は、主に中間膜の粘弾性に依存する。中間膜の粘弾性は、外部からのエネルギーを溜める弾性と、エネルギーを熱として放出する粘性との両方を兼ね備えた高分子特有の性質である。すなわち、外部を音が伝わるときに生ずる空気の粗密波エネルギーが、中間膜の粘弾性により一部熱エネルギーに変換され、内部に伝わる音が減少することで、合わせガラスの遮音性が発揮される。従って、中間膜の遮音性能は、空気の粗密波エネルギーの熱エネルギーへの変換効率が大きい程優れたものとなる。
この空気の粗密波エネルギーの熱エネルギーへの変換効率は、動的粘弾性測定により力学損失係数(tanδ値)で表すことができる。そのため、中間膜の室温付近におけるtanδ値を高くすることが中間膜の遮音性能の向上、延いては合わせガラス遮音性能の向上に重要な方策となる。
しかしながら、従来の遮音性能の向上を企図して開発された中間膜では、このようなPC板に対して接着性が不充分であり、PC板と中間膜との界面でクラック現象を起こし、外観上問題があった。
以下に本発明を詳述する。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相は、本発明の透明積層体用中間膜に透明ガラス板及び透明樹脂板等に対する優れた接着性を付与する相である。
上記混合物からなる相は、本発明の透明積層体用中間膜に優れた遮音性能を付与する相であり、この遮音性能は、上記遮音性能に優れた樹脂により付与される。
これは、後述するが本発明の透明積層体用中間膜において、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と上記混合物からなる相とは相分離構造を形成しているため、上記遮音性能に優れた樹脂の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)が、本発明の透明積層体用中間膜の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)に反映されるからであると考えられる。すなわち、上述した通り、透明積層体用中間膜の遮音性能は、室温付近でのtanδ値が高くなる程優れたものとなるため、上記遮音性能に優れた樹脂としてtanδ値の高いものを適宜選択することで、本発明の透明積層体用中間膜の遮音性能を優れたものとすることができる。
一方、上記遮音性能に優れた樹脂のみを含有する場合、常温付近で充分な遮音性能を得ることができない。これは、上記の通り、上記遮音性能に優れた樹脂のtanδ値の極大値が高温域に存在するため、常温付近のtanδ値が低くなるためである。
具体的には、本発明の透明積層体用中間膜において、上記混合物の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)の極大値が0〜50℃の温度範囲に存在する。上記混合物の極大値が0℃未満、又は、50℃を超える温度に存在すると、本発明の透明積層体用中間膜を用いた透明積層体を使用する通常の環境下において遮音性能が不充分となる。
また、上記鉱物油の市販品としては、例えば、日石ハイゾールSAS−LH、日石ハイゾールSAS−296、Aromi×200P(以上、いずれも新日本石油化学社製)、Sunthene450(Sun Oil社製)、ダイアナプロセスオイルAH−58(出光興産社製)等が挙げられる。
本発明の透明積層体用中間膜が海島構造をとることで、透明積層体とするときに、本発明の透明積層体用中間膜の被接着物である透明ガラス板及び/又は透明樹脂板との界面特性が海成分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相に支配的となり、優れた接着性を有するものとなる。一方、本発明の透明積層体用中間膜は、遮音性能に優れた樹脂を含有する混合物からなる相を島成分として有するため、遮音性能にも優れたものとなる。すなわち、本発明の透明積層体用中間膜によると、透明ガラス板及び/又は透明樹脂板に対する優れた接着性と、優れた遮音性能とを両立することができる。
本発明の透明積層体用中間膜のtanδ値を、動的粘弾性測定装置により周波数10Hzの条件で測定した場合、上記混合物が示すtanδ値は、0〜40℃の温度範囲において、最高値の下限が0.2であることが好ましい。0.2未満であると、本発明の透明積層体用中間膜が遮音性能に劣ることとなる。
上記透明ガラス板としては特に限定されず、例えば、フロートガラス等の透明無機ガラス板が挙げられる。
上記透明樹脂板としては特に限定されず、例えば、ポリカーボネート、メチルメタクリレート等の透明有機ガラス板等が挙げられる。
なお、本発明の透明積層体を構成する上記一対の透明ガラス板及び/又は透明樹脂板は、同種の組み合わせであってもよく、異種の組み合わせであってもよい。
下記表1に示した配合の各原料からなる混合組成物を、ミキシングローラーで混練し、高さ0.4mmのスペーサを用いて圧力10MPa、温度180℃の条件で加圧熱プレスし、厚さ0.4mmの透明積層体用中間膜をそれぞれ作製した。
なお、表1中、共重合体(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル社製「EVAFLEX360」)、樹脂(B)は、アルケマ社製「ノーソレックス」、油分(C)は、新日本石油社製「日石ハイゾールSAS−LH」を、それぞれ表す。
実施例及び比較例で作製した透明積層体用中間膜及び透明積層体について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で作製した透明積層体について、動的粘弾性スペクトル測定器(IT計測制御社製、品番:DVA200)により周波数10Hzでのtanδ値を測定した(昇温5℃/分)。共重合体(A)のtanδ値の極大値、並びに、樹脂(B)と油分(C)との混合物(比較例2、3については樹脂(B)のみ、以下同じ)のtanδの極大値、及び、混合物の0〜40℃の温度範囲におけるtanδ値の最高値をそれぞれ測定した。
樹脂(B)と油分(C)との混合物の0〜40℃の温度領域におけるtanδ値から、以下の基準により遮音性能を評価した。
○:最高値が0.2以上
×:最高値が0.2未満
実施例及び比較例で作製した透明積層体において、透明積層体用中間膜とポリカーボネート基板との間の接着性を次の方法で評価した。
ポリカーボネート基板(PC)を片側に用い、その反対側にポリエステルフィルムを用い、その間に中間膜(製作直後)を挟み、厚さ3mmの剛直体であるフロートガラス板(300mm×300mm)の間に挟み、このサンドイッチ体をゴムバックに入れ、10torrの真空度で20分間脱気した後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温度で10分間保持することによりPC板と中間膜とを接着させて、合わせ積層体を製作した。
これを幅2mm長さ100mmにカットして試料とした。この試料の端部の中間膜を剥離させ、この剥離させた中間膜の端部を、引張試験機(テンシロンUCE500:オリエンテック社製)を用い、引張り速度500mm/分で90度に引っ張って剥離強度を測定した。剥離強度が3.0kg/cm以上であれば中間膜とPCの接着強度は充分と考えられるので○、それ未満を×と判定した。
実施例及び比較例で作製した透明積層体用中間膜の透明積層体としての性能を以下の基準により判定した。
○:接着性及び遮音性能に優れ、透明積層体用中間膜としての性能を充分に有する
×:接着性及び/又は遮音性能に劣り、透明積層体用中間膜としての性能が不充分である
Claims (3)
- エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる相と、動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)が0.5以上となる極大値が存在する樹脂及び油分の混合物からなる相とが、相分離構造を形成し、かつ、
前記混合物の動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)の極大値が0〜50℃の温度範囲に存在することを特徴とする透明積層体用中間膜。 - 0〜50℃の温度範囲において動的粘弾性測定装置による損失正接(tanδ値)が0.5以上となる極大値が存在する樹脂は、ポリノルボルネンであることを特徴とする請求項1記載の透明積層体用中間膜。
- 請求項1又は2記載の透明積層体用中間膜が、一対の透明ガラス板及び/又は透明樹脂板で挟持されてなることを特徴とする透明積層体。
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