JP2007296674A - 工程離型紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本件は、経時的な表面の濡れ性の悪化を防止した工程離型紙及びその製造方法を提供するものである。
【解決手段】紙層及びその上に設けられたエンボス加工層からなり、前記エンボス加工層は紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側がオゾン吹き付けにより酸化処理され、紙層に前記熱可塑性樹脂を押出加工後エンボス加工されてなるものであることを特徴とする工程離型紙およびその製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工程離型紙及びその製造方法に関する。
従来の工程離型紙は、一般に熱可塑性樹脂層/紙層の構成を有し、その表面にエンボス加工が施されているものである。熱可塑性樹脂として、一般的にポリプロピレンが用いられているが、特に耐熱性が要求される場合はメチルペンテン系ポリマーが用いられている。しかしながら、ポリプロピレン、メチルペンテン系ポリマー等は表面の濡れ性が悪く、合成皮革を作成する際、極性の高い溶剤を含む合成樹脂や水系樹脂を離型紙面に塗工すると、合皮表面樹脂の弾きが出易いことが知られている。
メチルペンテン系ポリマーからなる剥離層を備える工程離型紙において、剥離層上に塗工した合皮表面樹脂の弾きを防止するために剥離層上にコロナ放電処理を施しても良いことが知られている(特許文献1参照)。
特許第3100999号明細書
しかしながらコロナ放電処理では表面のみが酸化されるため経時的に酸化度が低下し、濡れ性が低下するため、実際には、合成皮革の製造の直前に工程離型紙にコロナ放電処理を施す必要があり、合成皮革メーカーはコロナ放電処理のための設備を導入する必要があった。
本発明の課題は経時的な表面の濡れ性の悪化を防止した工程離型紙及びその製造方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は上記の工程離型紙に関する課題を解決するもので、紙層及びその上に設けられたエンボス加工層からなり、前記エンボス加工層は紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側がオゾン吹き付けにより酸化処理され、紙層に前記熱可塑性樹脂を押出加工後エンボス加工されてなるものであることを特徴とする工程離型紙を要旨とする。
本発明の工程離型紙においては、エンボス加工層は、紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側がオゾン吹き付けにより表面のみならず僅かに内部まで酸化されるため、経時的な表面の濡れ性の悪化がおこらず、合成皮革の製造の直前に酸化処理を施す必要はない。
請求項2に記載の発明は上記の工程離型紙の製造方法を解決するもので、紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側をオゾン吹き付けにより酸化処理して工程離型紙用基材を作製し、前記工程離型紙用基材の熱可塑性樹脂層にエンボス加工を施し、エンボス加工層を形成することを特徴とする工程離型紙の製造方法を要旨とする。
本発明の製造方法において、熱可塑性樹脂として、プロピレン系樹脂、メチルペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂を使用することができる。
本発明の製造方法において、オゾンの濃度は、3g/Nm3以上が望ましい。
本発明の製造方法によれば、Tダイのダイオリフィスの近くにオゾン管を配置することにより、紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側をオゾン吹付けにより酸化処理して工程離型紙用基材を作製し、前記工程離型紙用基材の熱可塑性樹脂層にエンボス加工を施し、エンボス手加工層を形成して、エンボス加工層の経時的な表面の濡れ性の悪化がおこらない工程離型紙を製造することができる。
本発明の工程離型紙は、紙層及びその上に設けられたエンボス加工層からなり、前記エンボス加工層は紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側がオゾン吹き付けにより酸化処理され、紙層に前記熱可塑性樹脂を押出加工後エンボス加工されてなるものであるので、経時的な表面の濡れ性の悪化がおこらず、合成皮革の製造の直前に酸化処理を施す必要はなく、従来のように別途コロナ放電処理装置を設ける必要はないという利点を有する。
また、本発明の製造方法によれば、Tダイのダイオリフィスの近くにオゾン管を配置することにより、紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側にオゾンを吹き付けて酸化処理して工程離型紙用基材を作製し、前記工程離型紙用基材の熱可塑性樹脂層にエンボス加工を施し、エンボス加工層を形成し、エンボス加工層の経時的な表面の濡れ性の悪化がおこらない工程離型紙を製造することができる。
図1は本発明の工程離型紙を示す。
図1に示すように、本発明の工程離型紙は、紙層1及びその上に設けられたエンボス加工層2からなる。エンボス加工層2は、紙層1上にポリプロピレン系樹脂、メチルペンテン系樹脂等の熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側がオゾン吹き付けにより酸化処理され、紙層に前記熱可塑性樹脂を押出加工後エンボス加工されてなるものである。
本発明の工程離型紙は、紙層及びその上に設けられたエンボス加工層からなり、前記エンボス加工層は紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側がオゾン吹き付けにより酸化処理され、紙層に前記熱可塑性樹脂を押出加工後、前記熱可塑性樹脂にエンボス加工を施し、エンボス加工層を形成してなるものであるので、経時的な表面の濡れ性の悪化がおこらず、合成皮革の製造の直前に酸化処理を施す必要はなく、従来のように別途コロナ放電処理装置を設ける必要はないという利点を有する。
次に本発明の製造方法について説明する。図2は本発明の製造方法において用いる装置を示す。
図2に示すように、Tダイ11のダイオリフィスの近くにオゾン管12を配置し、Tダイ11から熱可塑性樹脂13を溶融押出し、オゾン管12からオゾンを熱可塑性樹脂層の表面側に吹き付け、オゾンが吹き付けられた、溶融押出しされた熱可塑性樹脂13を溶融状態にあるうちに基材繰出しロール14から出された基材である紙15に貼り合わせて巻取ロール18に巻き取ることにより、工程離型紙基材を作製する。尚、図において16は圧着ロール、17は水冷ロールを示す。次いで得られた工程離型紙の熱可塑性樹脂層にエンボス加工を施し、エンボス加工層を形成することにより、本発明の工程離型紙を作成することができる。
本発明の製造方法によれば、上記したように、Tダイのダイオリフィスの近くにオゾン管を配置することにより、紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側にオゾンを吹き付け、酸化処理して工程離型紙用基材を作製し、前記工程離型紙用基材の熱可塑性樹脂層にエンボス加工を施して、エンボス加工層の経時的な表面の濡れ性の悪化がおこらない工程離型紙を製造することができる。
紙層1としてはクラフト紙、上質紙等を使用することができる。この紙層1の緊度は、0.65〜0.80g/cm2であることが望ましい。緊度がこの範囲にあるとエンボス時のしぼ柄の入りがシャープとなる。また、紙層1の紙面のpHは6〜8にあるものが好ましい。紙面pHがこの範囲にあることにより、紙層1の中性化が生じて高温加熱下における酸による紙繊維の崩壊が緩和される。さらに、紙層1の坪量は800〜200g/m2程度が好ましい。
熱可塑性樹脂として用いるプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体及びプロピレンとエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの一種又は二種以上の混合物との共重合体、ブロック共重合体等を使用することができる。
熱可塑性樹脂として用いるメチルペンテン系樹脂としては、4−メチルペンテン−1ホモポリマー、メチルペンテン−αオレフィン共重合体、及びメチルペンテンポリマーとαオレフィンポリマーとの混合物等、或いはこれらの組み合わせ等を使用することができる。
本発明の製造方法において、オゾンの濃度は、3g/Nm3以上が望ましい。
メチルペンテン系樹脂(密度=0.833g/cm2、MFR=180g/10分、ビカット軟化点=173℃)をTダイから加工スピード80m/minで溶融押出しすると共にその表面にオゾン管からオゾンを6g/Nm3の濃度で吹き付け、オゾンが吹き付けられた溶融押出しされた前記メチルペンテン系樹脂を溶融状態にあるうちに上質紙(坪量=125g/m2)に貼り合わせて工程離型紙基材を作製した。次いで作製した工程離型紙基材の熱可塑性樹脂層に、温度115℃、線圧100g/cmでエンボス加工を施し、エンボス加工層を形成して工程離型紙を作製した。
次いでエンボス直後の工程離型紙とエンボス加工後一週間経た後の工程離型紙を用い、極性溶剤としてDMF/MEKを85:15の割合で含むポリウレタン(希釈後粘度=1000cps)をそれぞれのエンボス加工面に塗工して弾き性を調べた。その結果エンボス加工直後とエンボス加工後一週間経た後とではポリウレタンの弾きの差は認められず、経時的な表面の濡れ性の悪化がないことが分かった。
[比較例1]
実施例と同様にして、但しオゾン吹き付け処理に代えてオフラインでコロナ放電処理3kwで表面処理して工程離型紙基材を作製した。次いでこの工程離型紙に実施例1と同様にしてエンボス加工を施し、エンボス加工層を形成して工程離型紙を作製した。
次いでエンボス直後の工程離型紙とエンボス加工後一週間経た後の工程離型紙を用い、極性溶剤としてDMF/MEKを85:15の割合で含むポリウレタン(希釈後粘度=1000cps)をそれぞれのエンボス加工面に塗工して弾き性を調べた。その結果エンボス加工直後とエンボス加工後一週間経た後とでは僅かであるがポリウレタンの弾きの差は認められ、経時的な表面の濡れ性の変化があることが分かった。
[比較例2]
実施例と同様にして表面処理を施さないで工程離型紙基材を作製した。
次いでエンボス直後の工程離型紙とエンボス加工後一週間経た後の工程離型紙を用い、極性溶剤としてDMF/MEKを85:15の割合で含むポリウレタン(希釈後粘度=1000cps)をそれぞれのエンボス加工面に塗工して弾き性を調べた。その結果エンボス加工後一週間経た後においてはポリウレタンの弾きが発生し殆どポリウレタンを塗工することができなかった。
本発明の工程離型紙はポリウレタン合成皮革の製造に利用することができる。
本発明の工程離型紙を示す。 本発明の工程離型紙の工程離型紙基材の製造装置を示す。
符号の説明
1 紙層
2 エンボス加工層
11 Tダイ
12 オゾン管
13 熱可塑性樹脂
14 基材繰出しロール
15 紙
16 圧着ロール
17 水冷ロール
18 巻取ロール


Claims (2)

  1. 紙層及びその上に設けられたエンボス加工層からなり、前記エンボス加工層は紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側がオゾン吹き付けにより酸化処理され、紙層に前記熱可塑性樹脂を押出加工後エンボス加工されてなるものであることを特徴とする工程離型紙。
  2. 紙層上に熱可塑性樹脂を押出加工するのと同時に押出加工された熱可塑性樹脂層の表面側をオゾン吹き付けにより酸化処理して工程離型紙用基材を作製し、前記工程離型紙用基材の熱可塑性樹脂層にエンボス加工を施し、エンボス加工層を形成することを特徴とする工程離型紙の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106808779A (zh) * 2016-12-30 2017-06-09 峰安皮业股份有限公司 一种天然环保透气3d立体效果二层皮面料的生产方法

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