JP2007296464A5 - - Google Patents

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本発明は、フミン物質を吸着するヒドロキシアパタイトシリカ複合多孔質体(HAPS複合多孔質体と云う場合がある)からなる吸着剤とその製造方法に関する。フミン物質は腐植質とも云われ、動植物体などが微生物分解を受けて生成した高分子の天然有機物であり、フミン酸やフルボ酸などはフミン物質の一種である。
本発明は、これらのフミン物質に対して従来の吸着剤よりも吸着能力に優れており、かつ吸着速度が格段に速いフミン物質吸着剤とその製造方法に関する。
一方、トリハロメタン類を吸着除去する活性炭は、フミン物質の吸着除去にも用いることができ、フミン物質の中でも分子量の小さいもの(1500程度)に有効である。しかし、従来の活性炭は以下のような課題を有していた。
(イ)分子量の大きなフミン物質に対しては、吸着に有効な孔径が小さいために、フミン物質の吸着によって孔の入口が塞がれてしまい、活性炭単位重量当たりの吸着容量が低くなり、吸着性能が充分に発揮されない。
(ロ)活性炭自体が水圧に押しつぶされて多孔質が目詰まりするため、有効に吸着することができない。
(ハ)従来の活性炭の製造方法では、高分子量のフミン物質を吸着するのに適した細孔径分布を有する活性炭を製造するのは困難である。
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決したフミン物質吸着剤とその製造方法に関する。
〔1〕 結晶質ヒドロキシアパタイトと多孔質シリカとの複合多孔質体であって、(Ca/P)モル比1.9未満であり、該複合多孔質体表面が針状結晶化しているヒドロキシアパタイトシリカ複合多孔質体からなることを特徴とするフミン物質吸着剤。
〔2〕 リン溶解度が1.0ppm以下である上記[1]に記載するフミン物質吸着剤。
〔3〕 フミン物質含有水溶液に添加したときに、添加後30分以内に初期フミン物質濃度を半減する上記[1]または上記[2]に記載するフミン物質吸着剤。
〔4〕 フミン物質含有水溶液に添加したときに、添加後60分以内に初期フミン物質濃度を20%以下に低減する上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するフミン物質吸着剤。
〔5〕 全細孔容積0.5ml/g以上、平均粒径10〜60μm、BET比表面積100m2/g以上、透水率1〜100×10-4cm/sである上記[1]〜上記[4]の何れかに記載するフミン物質吸着剤。
〔6〕 珪酸カルシウムにリン酸を反応させて結晶質ヒドロキシアパタイトと多孔質シリカとの複合多孔質体を製造する方法において、(Ca/Si)モル比を0.8〜2.0にし、リン酸の添加量を(Ca/P)モル比1.9未満にし、表面が針状結晶化したヒドロキシアパタイトシリカが形成されるオートクレーブの水熱反応条件下で、珪酸カルシウムにリン酸を反応させてヒドロキシアパタイトシリカ複合多孔質体からなるフミン物質吸着剤を製造する方法。

また、針状結晶の珪酸カルシウムにリン酸を反応させることによって、表面が針状結晶化したヒドロキシアパタイトシリカ複合多孔質体からなるフミン物質吸着剤を製造する本発明の方法によれば、表面が針状結晶化し、フミン物質に対する吸着速度の速いHAPS複合多孔質体からなる吸着剤を製造することができる。
上記HAPS複合多孔質体の基材となる珪酸カルシウムは、平均粒径が40μm以下であって針状粒子のものが好ましい。珪酸カルシウムの平均粒径が40μmより大きいと、粒子表面の広い範囲を針状結晶化するのが難しい。珪酸カルシウムのカルシウムとシリカのモル比(Ca/Si)は0.1〜2.0であるものが好ましく、0.8〜1.5前後のモル比であるものがより好ましい。カルシウムとシリカのモル比(Ca/Si)が上記範囲であるものは、実施例2に示すようにオートクレーブによる水熱反応によって、粒子表面の広い範囲を針状結晶化することができる。
次に、珪酸カルシウム化合物のヒドロキシアパタイト化を行う。これは水熱反応により生成した珪酸カルシウム化合物のスラリーあるいは成型品を浸漬した水性溶液に、リン酸を添加することによって行うことができる。
例えば、非晶質シリカ粉などの珪酸原料に消石灰などの石灰原料に水を加えて水熱反応させ、珪酸カルシウムスラリーを製造し、このスラリーにリン酸を加えてヒドロキシアパタイト化する場合、水熱反応によって針状粒子の珪酸カルシウムを生成させたスラリーを用いると良い。
リン酸濃度は2〜50%、好ましくは5〜40%の範囲がよい。リン酸濃度が2%未満では処理すべき液の量が増大して不都合であり、50%より高い場合は、局部的な液のpHの低下によって微細なヒドロキシアパタイトやシリカ粒子が発生しやすくなるので不都合である。リン酸の替わりに、リン酸アンモニウムやリン酸ナトリウムのような水溶性リン酸塩を用いることもできる。
リン酸の添加に際しては、珪酸カルシウム化合物の分解に見合った速度で徐々にリン酸を加えていくことが肝要である。リン酸液に珪酸カルシウムを浸漬する方法、あるいは珪酸カルシウムのスラリーにリン酸を添加する方法の何れにおいても、添加速度が速すぎる場合には、液のpHが急激に下がるため、珪酸カルシウム化合物の粒子形状が崩れ、微細なヒドロキシアパタイトやシリカ粒子が発生し、透水性が劣化する。反応中の溶液のpHが7.0以上、好ましくは8.0以上を維持するようにリン酸を添加することによって結晶性の良いヒドロシキアパタイトが生成し、かつ透水性に優れた複合多孔質体を得ることができる。
上記反応において、液温を40〜100℃の範囲まで上げ、また液を攪拌して反応速度を促進することができる。ヒドロキシアパタイト化の反応時間は、原料の種類や粒度、粉体であるか成型体かなどによって異なり、一概に定めることはできないが、通常は0.5〜12時間程度で十分である。
珪酸カルシウム化合物にリン酸を反応させることによって、ヒドロキシアパタイトと多孔質シリカとの複合体を得ることができるが、この複合体の多孔質度をさらに上げたい場合には、リン酸の添加に先立ち、珪酸カルシウム化合物にリン酸以外の酸を予め作用させ、カルシウム分を酸処理によって除去することによって、細孔容積の高い複合体を得ることができる。
珪酸カルシウム化合物のカルシウム分をあらかじめ部分的に除去しておくと、多孔質シリカの割合が高くなり、多孔質度の高い複合体が得られるので、この複合体を例えば蛋白質の吸着剤などに用いる場合には吸着量を高めることができる。珪酸カルシウムの大部分のカルシウムを予め除去することによって、表層のみがヒドロキシアパタイトで覆われた多孔質シリカを得ることもできる。
〔参考例〕
非晶質の珪酸原料(平均粒径20μm)100gと消石灰51gを、水−固形分比10相当分の水を加え、オートクレーブ中で攪拌しながら180℃、4時間水熱反応を行なった。生成した非晶質珪酸カルシウムスラリーを予め70℃に加熱して、非晶質珪酸カルシウムのカルシウム分に対してCa/Pモル比1.67に相当するリン酸を、スラリーを攪拌しつつ1時間かけて添加した。添加後、1時間攪拌し、スラリーを濾過、乾燥してヒドロキシアパタイトシリカ複合多孔質体を得た。この物性値を図1〜図4に示し、SEM写真を図7に示す。
図1および図2に示すように、実施例1〜2の吸着剤は、フミン物質A、Bを含有する水溶液に添加したときに、添加後30分以内に初期フミン物質濃度(TOC濃度30mg/l)が1/3以下に低減し、添加後60分以内に初期フミン物質濃度が20%以下に低減している。一方、比較例1、2では、30分経過後のTOC濃度は何れも15mg/l以上であり、初期吸着速度が大幅に低い。
さらに、図1に示すように、フミン物質Aに対して、本発明の実施例1〜2は、20分経過後すでにTOC濃度は5mg/l以下であり、60分経過後には約2.5mg/l以下、180分経過後にはTOC濃度が殆どゼロであり、フミン物質に対して短時間で優れた吸着効果を有することが判る。この傾向は図2においても同様であり、フミン物質Bに対しても実施例1〜2が優れた吸着効果を有している。一方、比較例1、2は何れもは180分経過後でもTOC濃度は60分経過後と大差なく、吸着効果が格段に低い。
図3のフミン物質Aに対する吸着等温線のグラフから、本発明の実施例はいずれも、TOC濃度20mg/l以下の低濃度領域において吸着量が比較例に比べて勝っており、また、直線の傾きが比較例に比べて緩やかであることから、低濃度においても吸着能力が高いことがわかる。図4に示すようにフミン物質Bの場合においても図3と概略同様な結果であり、実施例1〜2、とくに実施例1は低濃度においても高い吸着能力を有していることが示された。この低濃度における高い吸着能力と吸着速度は、水中のフミン物質を短時間で完全に除去する上で極めて有効である。なお、図1〜図4において実施例3は参考例である。
図5〜図7に示すように、本発明のHAPS複合多孔質体は、粒子表面が針状結晶化しており、これが初期吸着速度が高く、かつ優れた吸着効果を有することに関係しているものと考えられる。とくに、図5および図6に示すように、実施例1、2のHAPS複合多孔質体は表面の広い範囲が針状結晶化しており、高い初期吸着速度と優れた吸着効果を有している。一方、参考例のHAPS複合多孔質体は粒径が40μm以上であり、比較的粗粒であるため、実施例1、2よりはやや初期吸着速度が低い傾向がある。
〔図1〕フミン物質Aに対する吸着効果を示すグラフ
〔図2〕フミン物質Bに対する吸着効果を示すグラフ
〔図3〕フミン物質Aに対する吸着等温線を示すグラフ
〔図4〕フミン物質Bに対する吸着等温線を示すグラフ
〔図5〕実施例1のHAPS複合多孔質体表面を示す電子顕微鏡(SEM)写真
〔図6〕実施例2のHAPS複合多孔質体表面を示す電子顕微鏡(SEM)写真
〔図7〕参考例のHAPS複合多孔質体表面を示す電子顕微鏡(SEM)写真



Claims (6)

  1. 結晶質ヒドロキシアパタイトと多孔質シリカとの複合多孔質体であって、(Ca/P)モル比1.9未満であり、該複合多孔質体表面が針状結晶化しているヒドロキシアパタイトシリカ複合多孔質体からなることを特徴とするフミン物質吸着剤。
  2. リン溶解度が1.0ppm以下である請求項1に記載するフミン物質吸着剤。
  3. フミン物質含有水溶液に添加したときに、添加後30分以内に初期フミン物質濃度を半減する請求項1または請求項2に記載するフミン物質吸着剤。
  4. フミン物質含有水溶液に添加したときに、添加後60分以内に初期フミン物質濃度を20%以下に低減する請求項1〜請求項3の何れかに記載するフミン物質吸着剤。
  5. 全細孔容積0.5ml/g以上、平均粒径10〜60μm、BET比表面積100m2/g以上、透水率1〜100×10-4cm/sである請求項1〜請求項4の何れかに記載するフミン物質吸着剤。
  6. 珪酸カルシウムにリン酸を反応させて結晶質ヒドロキシアパタイトと多孔質シリカとの複合多孔質体を製造する方法において、(Ca/Si)モル比を0.8〜2.0にし、リン酸の添加量を(Ca/P)モル比1.9未満にし、表面が針状結晶化したヒドロキシアパタイトシリカが形成されるオートクレーブの水熱反応条件下で、珪酸カルシウムにリン酸を反応させてヒドロキシアパタイトシリカ複合多孔質体からなるフミン物質吸着剤を製造する方法。
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