JP2007294990A - 基板処理装置 - Google Patents

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Yuji Yoshida
祐治 吉田
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Abstract

【課題】 処理むらの無い基板の処理を可能とする操作容易な基板処理装置を提供すること。
【解決手段】 高周波誘導やヒータ等によって加熱されるサセプタ1の基板載置面に複数のピン3を設け、ウェーハ2をサセプタ1の基板載置面から浮かせてサセプタ1上に載置し、サセプタ1からウェーハ2への放射伝熱及び気相伝導伝熱によってウェーハ2を加熱しつつウェーハ2上のレジストをアッシングする基板処理装置を構成する。本装置において、サセプタ1は前記基板載置面と直接接触しないので、ウェーハ2の温度の均一性と、それと関連するアッシング速度の均一性が、従来技術に較べて飛躍的に向上し、むらの無いアッシングが可能となる。ピン3のサセプタ1の表面からの高さを加減することのみによって、レジストのアッシング条件を容易に変更することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板を処理するための処理室を有する基板処理装置に関する。
IC、LSIによって代表される半導体装置の製作工程においては、各種の基板処理技術が用いられている。
上記の基板処理技術の1つとして、基板上の不要となったレジスト(耐エッチング性有機塗膜材料)をアッシング(灰化)して除去する技術が広く用いられている。この技術におけるアッシング方法の1つとして、処理室内に設けられたサセプタと総称される支持台に基板を載置し、該サセプタからの伝熱によって該基板を加熱しながら該基板上のレジストを酸化して除去する方法が行われている。レジストの酸化手段としては、酸素プラズマ処理、オゾン処理、酸素を含む雰囲気中での紫外線照射等が採用されている。
図5は、従来の技術において、基板処理装置の処理室内に設けられたサセプタ1の上に、処理される基板として、ウェーハ2が載置されている状態を示している。このような状態において、サセプタ1を高周波誘導やヒータ等によって加熱し、その熱をウェーハ2に伝えてウェーハ2の温度を上昇させるとともに、ウェーハ2の処理、例えば上記のレジストアッシング処理を行う。
図5に示した従来の技術においては、図中の細部拡大図において誇張して示したように、サセプタ1の表面には凹凸があり、このため、サセプタ1の表面とウェーハ2の下面とが接触している部位と接触していない部位とがある。このような状態において、サセプタ1を高周波誘導やヒータ等によって加熱し、その熱をウェーハ2に伝えてウェーハ2の温度を上昇させる場合に、上記の接触部位においては、サセプタ1からウェーハ2への接触熱伝導が起こるので、その部位におけるウェーハ2の温度上昇は他の部位における温度上昇よりも大きくなり、その結果として、ウェーハ2の温度に不均一性が生じる。
もしも、例えば上記のレジストアッシング処理のように、処理の進行速度が基板の温度に依存するならば、上記のウェーハ2の温度の不均一性は基板の処理の不均一性(むら)の原因となる。
また、ウェーハ2がサセプタ1の上に載置されてからウェーハ2の温度がサセプタ1の温度に到達するまでの過程は、サセプタ1を変えず、サセプタ1の温度設定も変えないかぎり、同一となってしまい、サセプタ1の温度設定の変更あるいはサセプタ1の交換を行わずに、この過程を制御することはできない。従って、例えば、1回の処理時間を一定に保ちながら、ウェーハ2の温度を下げて処理を行う場合には、サセプタ1の温度設定の変更あるいはサセプタ1の交換が必要となり、そのための手間及び時間が必要となる。
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題を解決し、処理むらの無い基板の処理を可能とする操作容易な基板処理装置を提供することにある。
本発明においては、第1の発明によれば、基板を処理するための処理室と、前記処理室内に設けられ前記基板を載置及び加熱するサセプタとを有する基板処理装置において、前記サセプタ上面に複数の穴部を設け、前記基板を支持するための複数のピンを前記穴部内にそれぞれ嵌入して設け、さらに前記ピンは、基板を処理するときに前記ピンの頂部が前記サセプタの表面から突出する状態で配置され、ピンの高さを変更可能であり、前記穴部の側面に圧力を及ぼして穴部から抜けることを防止するような弾性体を備えることを特徴とする基板処理装置を構成する。
また、第2の発明によれば、第1の発明による基板処理装置において、前記弾性体が窒化物もしくは窒化シリコンで形成されることを特徴とする基板処理装置を構成する。
本発明の実施により、処理むらの無い基板の処理を可能とする操作容易な基板処理装置を提供することが可能となる。
図1は、本発明における基本的実施の形態を説明する図である。
本発明においては、図1に示したように、処理室内に設置されたサセプタ1の基板載置面に複数のピン3を設ける。このピン3によって、請求項1に記載の基板であるウェーハ2を支持し、ウェーハ2をサセプタ1から浮かせてサセプタ1上に載置する。この場合に、ウェーハ2は、複数の支持点(3点で足りる)とピン3とを介してのみサセプタ1と接触しているので、この接触を経由する伝熱は極めて少なく、従来技術において問題となる接触伝熱によるウェーハ2の温度不均一性は大幅に減少し、これによって、ウェーハ2の処理、例えばウェーハ2上のレジストのアッシングの均一性は飛躍的に向上する。
以下の説明においては、レジストのアッシングを具体例として、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施の形態においては、図1中の細部拡大図に示したように、サセプタ1からウェーハ2への伝熱の殆ど全ては、伝熱むらの無い放射伝熱及び気相伝導伝熱によって起こる。その際の伝熱抵抗は、サセプタ1の表面とウェーハ2の下面との間の距離(これはピン3のサセプタ1の表面からの高さによって決まる)が大きいほど大きくなる。そこで、ピン3のサセプタ1の表面からの高さを加減することによって上記の距離を加減し、ウェーハ2の温度上昇速度を制御して、ウェーハ2の温度と、それに関連する、レジストのアッシングレート(アッシングの速さ)を制御することができる。
すなわち、図2の(a)に示したように、ピン3の高さを低く(例えば0.1mmに)して上記の伝熱抵抗を小さくし、ウェーハ2の温度上昇を速やかにして、高アッシングレート、高スループットのアッシングを行ったり、同図の(b)に示したように、ピン3の高さを高くして上記の伝熱抵抗を大きくし、ウェーハ2の温度上昇を遅らせて、比較的低温でのアッシングを行ったりすることができる。この場合に、高アッシングレート、高スループットのアッシングは通常のレジストのアッシングに適し、比較的低温でのアッシングは、イオン注入によって変質し、高温でのアッシングによっては、かえって、残渣を残し易くなっているレジストのアッシングに適している。このような、2つのアッシング形態間の相互切り替えはピン3の高さの変更のみによって行うことができ、サセプタ1の温度設定の変更あるいはサセプタ1の交換を必要としないので、操作容易な切り替えが可能となる。
サセプタ1の構成材料としてはグラファイト、金属等を用いることができ、ピン3の構成材料としてはグラファイト、金属、セラミクス等を用いることができる。
図3は、サセプタ1へのピン3の装着方法の一例を示したものである。図において、サセプタ1の上面に設けられた穴部4内にピン3が嵌入し、そのピン3の側面に形成された環状溝5には環状バネ6が嵌められている。環状バネ6は、環の一箇所が切断、切除されてローマ字のC字状となったものであり、その環の径が小さくなるように弾性変形して穴部4に嵌め込まれている。図3に示したように、環状バネ6は、その弾力によって、穴部4の側面に圧力を及ぼし、その圧力による摩擦によって、ピン3が穴部4から抜けるのを防止している。環状バネ6の構成材料としてはアルミニウム(例えば1000番台の純アルミニウム)等を用いることができる。
図4は、上記のサセプタ1へのピン3の装着方法における環状バネ6(図3)の形状を特定なものとした場合を示したものである。この場合においては、図4に示したように、環状バネ6’の断面が台形であり、その台形の鋭角の頂点が穴部4の側面と接触している。すなわち、環状バネ6’は、その穴部4の側面との接触部位において楔状となって、その刃の部分で穴部4の側面と接触している。環状バネ6’は、高温加熱によっても塑性変形せず弾性も失わない耐熱性材料で構成されることが望ましい。このように構成された環状バネ6’は、ウェーハ2の高温処理工程後においても、穴部4の側面に圧力を及ぼし、それによって、ピン3が穴部4から抜けるのを防止する。環状バネ6’の構成材料としては、高温加熱によっても塑性変形せず弾性も失わない耐熱性材料であることに加えて、半導体への汚染の原因とならないものであることが好ましい。そのような環状バネ6’の構成材料としては窒化物、特に窒化シリコン(耐熱温度1200℃)が適している。
なお、図4に示したように、環状バネ6’の穴部4の側面との接触部分を楔とみなした場合に、その楔の向き(図中、点線の矢印で示す)はピン3が穴部4から抜ける方向(図においては上方向)に傾いていることが望ましい。このような傾きを楔にもたせた場合に、ピン3を穴部4に挿入するときには、環状バネ6’が、環の径を小さくするような力を穴部4の側面から受けるので、挿入が容易となり、逆に、ピン3を穴部4から引き抜くときには、環状バネ6’が、環の径を大きくするような力を穴部4の側面から受けるので、引き抜きが困難となるので、実用上好都合である。勿論、ピン3は、摩擦力を上回る力によって、穴部4から引き抜くことができる。
以上に説明したように、サセプタ1上面に複数のピン3を設け、それによってウェーハ2を、サセプタ1上、サセプタ1から浮かせて載置し、処理むらの無いアッシングを行うことができるようになり、さらに、ピン3の高さを変えることのみによって、サセプタ1の温度設定の変更あるいはサセプタ1の交換の必要なしに、アッシング条件を容易に変更することができる。
以上の説明においては、レジストのアッシング装置を例として、本発明に係る基板処理装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、基板の酸化処理装置、窒化処理装置、CVD(化学気相堆積)を含む堆積処理装置等の基板処理装置にも適用されることは言うまでもない。
本発明の実施の形態を説明する図である。 本発明の実施の形態におけるサセプタとウェーハとの間隙を変える方法を説明する図である。 本発明の実施の形態におけるピンの装着方法の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態におけるピンの装着方法の一例を説明する図である。 従来技術による基板処理装置におけるサセプタとその使用状態を説明する図である。
符号の説明
1…サセプタ、2…ウェーハ、3…ピン、4…穴部、5…環状溝、6、6’…環状バネ。

Claims (2)

  1. 基板を処理するための処理室と、前記処理室内に設けられ前記基板を載置及び加熱するサセプタとを有する基板処理装置において、前記サセプタ上面に複数の穴部を設け、前記基板を支持するための複数のピンを前記穴部内にそれぞれ嵌入して設け、さらに前記ピンは、基板を処理するときに前記ピンの頂部が前記サセプタの表面から突出する状態で配置され、ピンの高さを変更可能であり、前記穴部の側面に圧力を及ぼして穴部から抜けることを防止するような弾性体を備えることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、前記弾性体が窒化物もしくは窒化シリコンで形成されることを特徴とする基板処理装置。
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