JP2007294883A - 半導体レーザ素子、半導体レーザモジュール、および半導体レーザモジュールを用いたラマン増幅器 - Google Patents

半導体レーザ素子、半導体レーザモジュール、および半導体レーザモジュールを用いたラマン増幅器 Download PDF

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Abstract

【課題】発振波長が安定しており、ラマン増幅器励起用光源として適用可能な半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】半導体基板11上に積層された活性層12とクラッド層13とを含む導波路の一方側に光学利得を有する利得領域31を、他方側に特定の波長帯を選択的に反射する回折格子15を有する反射領域32を含み、反射領域32中の活性層12の上方に、半導体基板11、活性層12およびクラッド層13を形成する半導体の屈折率とは異なる温度係数符号の屈折率を有する物質で形成される上部形成層16を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ素子、半導体レーザモジュール、および半導体レーザモジュールを用いたラマン増幅器に関する。
近年、インターネット上で提供されるサービスの多様化に伴い、光ファイバ通信の通信容量の一層の拡大が必要となっている。
光ファイバ通信の長距離化および大容量化に大きな役割を果たしているのが光ファイバ増幅器であり、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)の実用化によって長距離光ファイバ通信技術が大きく前進した。さらに、EDFAの増幅帯域が1.55μm付近である程度の広がりを持っていたため、波長の異なる信号光を1本の光ファイバに同時に通すことで通信容量を飛躍的に拡大する波長分割多重(WDM)通信技術が注目され、急激に発展した。
WDMでは使用する波長帯域が広いほど多くのチャネルを確保できる。そのため、EDFAで増幅できる波長帯域よりもさらに広い波長帯域を増幅できる技術であるラマン増幅が注目されている。
ラマン増幅では励起光波長から約100nm長い波長の信号光が増幅される。信号光の増幅率を安定させるためには、まず励起光の波長が正確に制御される必要がある。このため、ファイバブラッググレーティングを用いた外部共振器型波長安定化レーザが実用化されたが、このレーザでは動作電流を変化させたときに縦モードがホップすることによって生じるノイズがアンプの特性を劣化させてしまう。
また、分布帰還型(DFB)レーザのような単一モード発振レーザを励起光に用いると、光が誘導ブリルアン散乱によって後方散乱してしまい、光ファイバ中を伝播しなくなってしまう問題がある。そこで、レーザ素子内に波長を安定化する回折格子を設けながらも、単一モードでなく複数のモードで発振する半導体レーザ装置が提案された(例えば、特許文献1参照)。この半導体レーザ装置では、回折格子を設けたリッジ部の形状をテーパ状にすることで回折格子の反射波長帯域を拡大し、複数の縦モードでレーザ発振するようにしている。
しかし、上記の半導体レーザ装置においては、回折格子を含む導波路が半導体結晶(長距離光ファイバ通信で用いられる波長帯ではInGaAsP/InP系半導体)によって構成されているため、導波路の屈折率は結晶の温度に大きく依存する。
半導体レーザ素子は通常、クーラ素子(TEC)によって温度制御されているが、活性層部分とクーラ素子との間には熱抵抗があり、両者の温度は一致していない。さらに駆動電流を大きく変えるような使用方法を取るとレーザ素子自体の発熱量が大きく変動し、その都度波長が動いてしまうことになる。
このため、半導体レーザの発振波長を温度無依存にするという試みがなされている(例えば、非特許文献1参照)。この研究では、活性層を挟むクラッド層を半導体とは逆の負の温度係数の屈折率を有するBCB(ベンゾシクロブテン)で形成することにより発振波長の温度依存性の低減を図っている。
特開2002−299759号公報([0074]、図15) 岡本、外4名、「誘電体クラッドを用いた半導体薄膜BH−DFBレーザにおけるアサーマル効果の観測」,30a−ZZ−5,第51回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集,p.1260
しかしながら、非特許文献1に記載された従来の半導体レーザにあっては、絶縁体であるBCBで活性層全体を挟んでしまう構造であるため、電流注入ができず光励起など複雑な方法を用いなければ発振させることができない。またBCB自体の熱抵抗が大きいため活性層の温度上昇を引き起こす原因となってしまう。これらのことから、高出力が絶対条件であるラマン増幅器励起用光源としては不適であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、所望の波長を中心とする複数の安定した縦モードで発振し、発振波長の温度依存性が小さい高出力の半導体レーザ素子を提供するとともに、当該半導体レーザ素子を用いたラマン増幅器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の半導体レーザ素子は、半導体基板上に積層された活性層とクラッド層とを含む導波路の光の導波方向における一方側に光学利得を有する利得領域を、他方側に特定の波長帯を選択的に反射する回折格子を有する反射領域を含む半導体レーザ素子において、前記反射領域中の前記活性層の上方に、前記半導体基板、前記活性層および前記クラッド層を形成する半導体の屈折率とは異なる温度係数符号の屈折率を有する物質で形成される上部形成層を含むことを特徴とする構成を有している。
この構成により、光を所望の波長を中心とする複数の安定した縦モードで発振させるだけでなく、発振波長の温度依存性を低減することができることとなる。
本発明の請求項2の半導体レーザ素子は、前記上部形成層が、BCB(ベンゾシクロブテン)で形成されることを特徴とする構成を有している。
この構成により、発熱による発振波長の変動を抑制することができることとなる。
本発明の請求項3の半導体レーザ素子は、前記上部形成層が、ポリイミドで形成されることを特徴とする構成を有している。
この構成によっても、発熱による発振波長の変動を抑制することができることとなる。
本発明の請求項4の半導体レーザ素子は、前記上部形成層が、前記活性層の上方に積層された所定厚さの前記クラッド層のさらに上方に積層されることを特徴とする構成を有している。
この構成により、利得領域と反射領域との境界面における光強度分布の偏りを緩和して、光を導波させることができることとなる。
本発明の請求項5の半導体レーザ素子は、前記利得領域と前記反射領域との境界面の法線が、前記導波路の光軸と所定の角度を成して交わることを特徴とする構成を有している。
この構成により、前記利得領域と前記反射領域との境界面における光の反射を抑制して、光を効率的に導波させることができることとなる。
本発明の請求項6の半導体レーザモジュールは、筐体と、前記筐体内に、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子、前記半導体レーザの一方の端面から出射されるレーザ光を集光するレンズ、および前記半導体レーザの他方の端面から出射される光を受光する受光素子を備え、さらに前記レンズで集光された光を前記筐体の外部に導波する光ファイバを備えることを特徴とする構成を有している。
本発明の請求項7のラマン増幅器は、請求項6に記載の半導体レーザモジュールと、前記半導体レーザモジュールに含まれる光ファイバからのレーザ光が入射する増幅用光ファイバとを備えることを特徴とする構成を有している。
この構成により、増幅用光ファイバにおいて誘導ブリルアン散乱が生じず、信号光を長距離にわたってファイバ伝送することができる。
本発明は、屈折率の温度係数が半導体基板、活性層およびクラッド層を形成する半導体と逆符号である物質を回折格子を有する領域の上部に積層することによって発振波長の温度依存性を低減し、導波路の回折格子を有さない領域を半導体結晶によるダイオード構造とすることによって電流注入による発光と高い熱伝導性とを確保し、高出力レーザ発振と、発振波長の温度に対する高い安定性とを同時に得ることができる、ラマン増幅器励起用光源として好適な半導体レーザ素子を提供することができるものである。
以下、本発明に係る半導体レーザ素子の実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る半導体レーザ素子の第1の実施形態を図1に示す。図1(a)および(d)は半導体レーザ素子1の両端面図、同(b)は上面図、(c)は(b)中のA−A’の位置での断面図である。
即ち、第1の実施形態の半導体レーザ素子1は、半導体基板11上に積層された活性層12とクラッド層13とを含む導波路の光の導波方向における一方側に光学利得を有する利得領域31を、他方側に特定の波長帯を選択的に反射する回折格子15を有する反射領域32を含む構成を有している。
そして、半導体レーザ素子1は、反射領域32中の活性層12の上方に、半導体基板11、活性層12およびクラッド層13を形成する半導体の屈折率とは異なる温度係数符号の屈折率を有する物質で形成される上部形成層16を含む。
さらに、第1の実施形態の半導体レーザ素子1は、ストライプ状の活性層12の上下に形成された光分離閉じ込め(SCH)層21a、21bと、活性層12およびSCH層21a、21bの側方を埋め込む埋め込み層18a、18bと、利得領域31中のクラッド層13上にコンタクト層22を介して形成される電極17aと、半導体基板11の下面に形成される電極17bとを備える。
なお、上部形成層16はポリイミドで構成されているが、別の材質としてBCBを用いてもよい。
また、活性層12は、多重量子井戸(MQW)構造等の微細構造を有していてもよい。
また、高出力化のためには光を取り出す端面に誘電体多層膜である低反射膜を形成することが望ましいが、反射領域32側の端面14aの反射率が十分高ければ、利得領域31側の端面14bが出射端面として好ましいので端面14bに低反射膜を形成すればよい。逆に反射領域32側の端面14aの反射率が低ければ、利得領域31側の端面14bに高反射膜を形成し、端面14aに低反射(できるだけ無反射)膜を形成してこちらを出射端面とすることもできる。
以下、本発明に係る半導体レーザ素子1の製造方法の一例を説明する。
まず、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いてn型InPからなる半導体基板11上に、複数のInGaAsPから成るSCH層21b、MQW構造を有する活性層12、SCH層21aを成長する。
次に、SiO膜を全面に形成した後フォトリソグラフィ技術によってSiO膜をストライプパターンに成形し、これをエッチングマスクとしてウェットエッチングまたはドライエッチングによって半導体結晶にメサ形状を形成する。
次に、SiO膜を成長阻害マスクとして利用してMOVPE法による結晶成長を行い、活性層12の両側にまずp型InPを、次いでn型InPを成長して埋め込み層18b、18aとする。この後SiO膜を除去して全面にp型InPのクラッド層13とp型InGaAsのコンタクト層22を成長する。
次に、利得領域31上方のp型InGaAsのコンタクト層22上面および半導体基板11の下面にTi、Pt、Auからなる電極17aおよび17bをそれぞれ蒸着によって形成し、反射領域32上方のp型InGaAsのコンタクト層22およびp型InPのクラッド層13の一部をエッチングによって除去する。
ここで、反射領域32の領域長は、素子長1mm程度に対して50〜100μm程度あれば十分である。反射領域長が短すぎると反射率が不足し、長すぎると吸収損失が増えて高出力化に不適となる。また、利得領域31のp型InPのクラッド層13の層厚は2μm程度、反射領域32のクラッド層13の層厚は後述するように0.2〜0.3μm程度とするとよい。
次にフォトレジストまたは電子ビームレジストを表面に塗布し、反射領域32となる部分に干渉露光法または電子ビーム描画法によって回折格子パターン露光を行い、現像およびウェットエッチングによって高さ0.1μm程度の回折格子15を作製する。回折格子15のピッチは希望する発振波長によって異なる。例えば、1520nm付近に利得ピークを設けたい場合は励起光の波長を1420nm程度とする必要があるので、反射領域32の等価屈折率が3.20である場合は、ピッチを約220nm程度とすればよい。
続いて、ポリイミドを塗布し、熱処理によって乾燥、硬化させたのち、酸素プラズマエッチングによって利得領域31上方の電極17aが露出するまでポリイミドを除去する。
次に、ウエハを所定位置で劈開し、チップ化する。さらに利得領域31側の端面14bに反射率5〜10%程度の低反射膜コーティングを行う。これで本実施形態に係る半導体レーザ素子1が完成する。
なお、反射領域32におけるクラッド層13の除去は、活性層12まで達するのでなく、クラッド層13を薄く残しておくことが望ましい。次にその理由を述べる。
図3は、本発明に係る第1の実施形態または後述する第2の実施形態に係る半導体レーザ素子を光の導波方向に垂直な面で切ったときの断面のうち導波路付近の光強度分布を計算して示したものであり、(a)は利得領域、(b)は反射領域の断面における光強度分布を示している。
図3(b)に示すように、ポリイミドやBCB等の樹脂材料の屈折率は1.5程度と小さいため、光は大部分が半導体部分に分布してしまい、導波されにくくなる。よってクラッド層13を薄く残すことで導波路構造を維持することができる。もちろん、残すクラッド層13の層厚dが厚すぎては光が樹脂材料部分にほとんど分布しなくなって本発明の効果が得にくくなるので、残す層厚dは0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。さらに言えば0.2μm程度が好適である。
次に、第1の実施形態に係る半導体レーザ素子1の動作を説明する。
電極17aから電極17bへ電流を流すことによって活性層12内にて発光が生じ、光は活性層12をコアとする導波路内を進行する。光は端面14bと反射領域32との間で反射領域32のブラッグ波長に相当する波長の光のみが往復し、電流を増大させることでやがてレーザ発振に至る。
ブラッグ波長は本来単一であるが、本実施形態においては回折格子15が屈折率の高い半導体材料と低いポリイミド材料との界面に形成されているため、等価屈折率の空間変調量が大きく、回折格子の結合係数が高い。そのため反射帯域は、数nmの幅を持ち、素子長1mmに対応する縦モード間隔約0.2〜0.4nmより1桁程度大きくなるため、ブラッグ波長を中心とした数本の縦モードの発振が同時に起こる。
発振した光の波長は、素子の温度の変動に伴って変動するが、ポリイミドが負の温度依存性を有しているため、その変動量は抑制される。
なお、上部形成層16としてポリイミドの代わりにBCBを用いる場合も、作製方法、動作ともに同様である。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、半導体基板、活性層およびクラッド層等を形成する半導体と屈折率の温度係数が逆符号である物質で形成される上部形成層を活性層の上方に配置することにより、発熱による発振波長の変動を抑制することが可能となる。
(第2の実施形態)
本発明に係る第2の実施形態の半導体レーザ素子2を図2に示す。図2における(a)から(d)の図面は図1と同様、半導体レーザ素子の両端面図、上面図、B−B’の位置での断面図を示している。基本的な構造は図1とほぼ同様であるので、同一部分については同一記号を使用し、その説明は省略する。
図2から明らかなように、回折格子15の位置が、第1の実施形態では活性層12の上方であったのに対し、第2の実施形態では活性層12の下方となっている。
このような構造を作製するためには、まずn型InPの半導体基板11上にフォトレジストまたは電子ビームレジストを塗布し、干渉露光または電子ビーム描画法により反射領域32が上方に形成される部分の半導体基板11の表面に回折格子レジストパターンを形成する。次いでウェットエッチングによりn型InPの半導体基板11の表面をエッチングし、高さ0.1μm程度の回折格子15を形成する。
その後は第1の実施形態と同様の工程で半導体レーザ素子の作製を行うが、反射領域32のクラッド層13を0.2μm程度残して除去した後に直接ポリイミド塗布を行う点が第1の実施形態の工程と異なる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態の半導体レーザ素子3について図3、4を用いて説明する。
図3(a)から分かるように、導波路全体が半導体である利得領域31においては、光強度は活性層12を中心にほぼ対称に分布している。これに対し、反射領域32においては図3(b)に示すように光強度分布は半導体側へ大きくシフトしているのがわかる。これはポリイミドあるいはBCBの屈折率が1.5程度と、半導体の屈折率3〜3.4に比べて小さいためである。
このように光強度の分布に大きな相違がある導波路を単純に接続した場合、その境界面にて大きな反射が生じてしまう。従って、利得領域31で発生した光のうち、ある程度の部分は反射領域32で波長選択的に反射されるのではなく、境界面で波長無依存に反射されてしまい、本発明が目的とする所望の波長を中心とする複数の安定した縦モードでの発振が得られにくくなる可能性がある。
そこで、第3の実施形態の半導体レーザ素子3においては、図4に示す利得領域31と反射領域32との境界面20で光の反射が起きないよう、境界面20を導波路の方向に対して角度を持たせ、等価屈折率が連続的に変化するようにしている。このように構成することで、導波路中を進む光は図3(a)に示す強度分布状態と図3(b)に示す強度分布状態との間を連続的にシフトしていく。
なお、図4においては、境界面20の法線の向きは半導体基板11に平行な面内にあるが、半導体基板11に垂直な面内にあってもよい。その場合は、反射領域32のクラッド層13を除去する工程において、結晶軸に対して異方性を持つエッチャントを用いたウェットエッチング(例えば塩酸を主としたエッチング液など)によって、法線の向きが光の導波方向に対して角度をもつ結晶面を表出させるエッチングを行えばよい。
もちろん、境界面20の法線ベクトルが半導体基板11に対して平行および垂直の両方の成分を同時に持つように結晶面を表出させることも可能である。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、利得領域31と反射領域32との境界面を光軸に対して傾けることにより、境界面における光の結合効率を向上させることが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、本発明に関する第4の実施形態について図5、6を用いて説明する。図5は第1の実施形態の半導体レーザ素子1を用いた半導体レーザモジュール40の概観図であり、図6はその概略平面図である。
この半導体レーザモジュール40のケース41は、所謂バタフライ型のものであり、直方体状で上面側が開口された金属製のシャーシ42と、そのシャーシ42の上面側を覆う金属製のカバー43とによって構成されている。
シャーシ42の前端下部および後端下部にはフランジ42a、42bが設けられ、フランジ42a、42bには、この半導体レーザモジュール40をプリント基板等にネジ止めするための穴44が設けられている。
シャーシ42の前壁42cには、光を透過させるための窓53が設けられている。そして、シャーシ42の前壁42cの外側には、窓53から出射された光を一端側に入射させて他端側(出射端)へ伝搬させる光ファイバ46が固定されている。なお、この光ファイバ46の一端側は、円筒状のファイバカバー47に覆われている。
また、シャーシ42の両側壁42d、42eには、前記プリント基板上のパターンにハンダ付けするための複数(例えば7本ずつ)の端子45が所定間隔で突出している。
図6はカバー43を外した状態の概略平面図である。図6に示しているように、シャーシ42内にはペルチェ素子等の冷却素子48が固定されている。この冷却素子48上に半導体レーザ素子1、サーミスタ49および受光素子50が固定されている。
サーミスタ49によって検出される周囲温度に基づいて、冷却素子48の温度が制御される。
受光素子50は、半導体レーザ素子1の後方端面から出射される光を受光し、半導体レーザ素子1の動作のモニタリングを行う。受光素子50は、その受光面が半導体レーザ素子1の後方端面に対して斜めを向くように冷却素子48上に配置されている。これは、受光素子50の受光面に入射した半導体レーザ素子1の後方端面からの光が、再び半導体レーザ素子1に戻ってしまうのを防止するためである。
半導体レーザ素子1から出射されたレーザ光は、光収束のためのレンズ51および戻り光防止のための光アイソレータ52を通過した後、シャーシ42の前壁42cの窓53を通過して光ファイバ46に入射する。
尚、第2及び第3の実施形態の半導体レーザ素子2、3を用いても、同様に半導体レーザモジュールを構成することが可能である。
また、本実施形態ではサーミスタ49および冷却素子48を実装して精密な温度制御を行う形態としたが、本発明の半導体レーザ素子の特徴は発振波長の温度依存性が小さいことであるから、例えばEDFA励起用のような波長安定度に対する許容が緩い用途については、冷却素子48を実装しないクーラレスモジュールとして小型化や低価格化を図ることも可能である。
(第5の実施形態)
次に、本発明に関する第5の実施形態のラマン増幅器について図7を用いて説明する。図7は第4の実施形態の半導体レーザモジュール40を励起光用光源として用いたラマン増幅器60のブロック図を示している。
半導体レーザモジュール40から出力されたレーザ光は、励起光としてカプラ62を介して増幅用光ファイバ61に入力する。増幅用光ファイバ61において誘導ラマン散乱が生じ、レーザ光の波長(励起光波長)から約100nm程度長波長側に利得が生じる。増幅用光ファイバ61に信号光が入射すると、増幅用光ファイバ61中に生じた利得によって信号光が増幅される(ラマン増幅)。
半導体レーザモジュール40内に含まれる半導体レーザ素子は複数の波長成分を含むレーザ光を出射し、このレーザ光が励起光として用いられるので、増幅用光ファイバ61において誘導ブリルアン散乱が生じず、信号光を長距離にわたってファイバ伝送することができる。
以上のように、本発明に係る半導体レーザ素子は、光を所望の波長を中心とする複数の安定した縦モードで発振させ、発振波長の温度依存性を低減することできるという効果を有し、ラマン増幅器の励起用光源等として有効である。
本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の4面図 本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の4面図 利得領域および反射領域の断面における光強度分布を示す図 本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図 本発明の第4の実施形態に係る半導体レーザモジュールの概観図 本発明の第4の実施形態に係る半導体レーザモジュールの概略平面図 本発明の第5の実施形態に係るラマン増幅器のブロック図
符号の説明
1 半導体レーザ素子
11 半導体基板
12 活性層
13 クラッド層
15 回折格子
16 上部形成層
20 境界面
31 利得領域
32 反射領域
40 半導体レーザモジュール
41 ケース
42 シャーシ
43 カバー
44 取り付け穴
45 端子
46 光ファイバ
47 ファイバカバー
48 冷却素子
49 サーミスタ
50 受光素子
51 レンズ
52 光アイソレータ
53 窓
60 ラマン増幅器
61 増幅用光ファイバ
62 カプラ

Claims (7)

  1. 半導体基板(11)上に積層された活性層(12)とクラッド層(13)とを含む導波路の光の導波方向における一方側に光学利得を有する利得領域(31)を、他方側に特定の波長帯を選択的に反射する回折格子(15)を有する反射領域(32)を含む半導体レーザ素子において、
    前記反射領域中の前記活性層の上方に、前記半導体基板、前記活性層および前記クラッド層を形成する半導体の屈折率とは異なる温度係数符号の屈折率を有する物質で形成される上部形成層(16)を含むことを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 前記上部形成層が、BCB(ベンゾシクロブテン)で形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記上部形成層が、ポリイミドで形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記上部形成層が、前記活性層の上方に積層された所定厚さの前記クラッド層のさらに上方に積層されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記利得領域と前記反射領域との境界面の法線が、前記導波路の光軸と所定の角度を成して交わることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子。
  6. 筐体(41)と、
    前記筐体内に、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子(1)、前記半導体レーザの一方の端面から出射されるレーザ光を集光するレンズ(51)、および前記半導体レーザの他方の端面から出射される光を受光する受光素子(50)を備え、
    さらに前記レンズで集光された光を前記筐体の外部に導波する光ファイバ(46)を備えることを特徴とする半導体レーザモジュール。
  7. 請求項6に記載の半導体レーザモジュール(40)と、
    前記半導体レーザモジュールに含まれる光ファイバからのレーザ光が入射する増幅用光ファイバ(61)とを備えることを特徴とするラマン増幅器。
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