JP2007292962A - 表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、比較的簡易な構造で高画質のカラー表示が可能な反射型表示素子を提供することを目的とする。
【解決手段】表示素子は、表示電極と、表示電極に対して、電解質を介して対向する対向電極と、表示電極の対向電極側の表面に積層されている、異なる色を発色する表示層1及び表示層2と、表示層1及び表示層2が発色する色とは異なる色のカラーフィルターを有する表示素子であって、表示層1及び表示層2は、それぞれ独立に、導電性又は半導性の粒子に有機エレクトロクロミック化合物が担持されている組成物を含有し、表示層2は、表示層1とは、消色状態から発色状態になるために必要な電圧の閾値、発色状態から消色状態になるために必要な電圧の閾値、消色状態から発色状態になるために必要な電荷量及び発色状態から消色状態になるために必要な電荷量の少なくとも一つが異なり、表示層1及び表示層2の少なくとも一方に含まれる導電性又は半導性の粒子は、表面に絶縁性又は半導性の物質を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示素子に関する。
紙に替わる電子媒体として、電子ペーパーの開発が盛んに行われている。従来のディスプレイであるCRTや液晶ディスプレイに対して、電子ペーパーに必要な特性としては、反射型表示素子であると共に、高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧で駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること等が挙げられる。特に、表示特性としては,紙と同等な白反射率、コントラスト比が要求されており、これらの特性を兼ね備えた表示デバイスを開発することは容易ではない。また、従来のディスプレイ、紙媒体は、フルカラー表示をしており、電子ペーパーに対するカラー化の要望は非常に大きい。
カラー表示ができる電子ペーパーの技術としては、例えば、反射型液晶素子にカラーフィルターを形成した媒体が製品化されているが、偏光板を用いるため、光利用効率が低く、暗い白色表示しかできていない。さらに、黒色を表示することができないため、コントラスト比も悪い。
また、明るい反射型表示素子として、帯電した白色粒子と黒色粒子を電場で動かすことを原理とする電気泳動方式が挙げられるが、この方式では、白色粒子と黒色粒子を完全に反転させることは現実的に難しく、高い白反射率、高いコントラスト比を同時に満たすことは難しい。さらに、白色粒子と黒色粒子をマイクロカプセルや微小構造のセルに封入しなければならないため、カプセル膜やセル壁の存在も白反射率を低減させる大きな要因となっている。特許文献1及び特許文献2には、電気泳動素子にカラーフィルターを形成した反射型カラー表示媒体が開示されているが、低い白反射率、低いコントラスト比の表示媒体にカラーフィルターを形成しても良好な画質が得られないことは明白である。さらに、特許文献3及び特許文献4には、複数の色にそれぞれ着色された粒子を動かすことによってカラー化を行う電気泳動素子が開示されているが、これらの方法を用いても原理的には上記の課題の解決にはならず、高い白反射率と高いコントラスト比を同時に満たすことはできない。
一方、電圧を印加すると、可逆的に電界酸化反応又は電界還元反応が起こり、可逆的に色変化する現象をエレクトロクロミズムという。このような現象を起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色を利用した表示素子は、反射型の表示素子であり、高い白反射率が可能であること、メモリ効果があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパーの候補として挙げられる。特許文献5、特許文献6及び特許文献7には、酸化チタン等の半導性微粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物を担持させた素子が開示されている。このような素子は、前述の液晶素子、電気泳動素子と比較すると、白反射率が高く、カラーフィルターを設けてもある程度の白反射率を確保することができる。しかしながら、単純に白黒エレクトロクロミック表示素子にカラーフィルターを設けただけでは、高画質のカラー表示を得ることは難しい。
特開2003−161964号公報 特開2004−361514号公報 特表2004−520621号公報 特表2004−536344号公報 特表2001−510590号公報 特開2002−328401号公報 特開2004−151265号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、比較的簡易な構造で高画質のカラー表示が可能な反射型表示素子を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、表示素子において、表示電極と、該表示電極に対して、電解質を介して対向する対向電極と、該表示電極の対向電極側の表面に積層されている、異なる色を発色する第一の表示層及び第二の表示層と、該第一の表示層及び第二の表示層が発色する色とは異なる色のカラーフィルターを有する表示素子であって、該第一の表示層及び第二の表示層は、それぞれ独立に、導電性又は半導性の粒子に有機エレクトロクロミック化合物が担持されている組成物を含有し、該第二の表示層は、該第一の表示層とは、消色状態から発色状態になるために必要な電圧の閾値、発色状態から消色状態になるために必要な電圧の閾値、消色状態から発色状態になるために必要な電荷量及び発色状態から消色状態になるために必要な電荷量の少なくとも一つが異なり、該第一の表示層及び第二の表示層の少なくとも一方に含まれる導電性又は半導性の粒子は、表面に絶縁性又は半導性の物質を有することを特徴とする。これにより、比較的簡易な構造で高画質のカラー表示が可能な反射型表示素子を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、表示素子において、表示電極と、該表示電極に対して、電解質を介して対向する対向電極と、該表示電極の対向電極側の表面に積層されている、異なる色を発色する第一の表示層及び第二の表示層と、該第一の表示層及び第二の表示層が発色する色とは異なる色のカラーフィルターを有する表示素子であって、該第一の表示層及び第二の表示層は、それぞれ独立に、導電性又は半導性の粒子に有機エレクトロクロミック化合物が担持されている組成物を含有し、該第二の表示層は、該第一の表示層とは、消色状態から発色状態になるために必要な電圧の閾値、発色状態から消色状態になるために必要な電圧の閾値、消色状態から発色状態になるために必要な電荷量及び発色状態から消色状態になるために必要な電荷量の少なくとも一つが異なり、該第一の表示層及び第二の表示層は、異なる条件で加熱処理及び/又は加圧処理されていることを特徴とする。これにより、比較的簡易な構造で高画質のカラー表示が可能な反射型表示素子を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の表示素子において、前記第一の表示層及び第二の表示層の間に、中間層をさらに有することを特徴とする。これにより、表示層の発色をさらに制御することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示素子において、前記第一の表示層及び第二の表示層が発色する色並びにカラーフィルターの色は、イエロー、マゼンタ及びシアンの組み合わせであることを特徴とする。これにより、マルチカラー又はフルカラーの表示をすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示素子において、前記カラーフィルターは、電解液を浸透することが可能な部材であることを特徴とする。これにより、カラーフィルターの配置できる個所の自由度が広がることにより、表示素子の構成の設計に幅ができ、製造コストの低減に繋げることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示素子において、前記表示電極、第一の表示層、第二の表示層及びカラーフィルターにより、規則的な画素のパターンが形成されており、前記カラーフィルターの画素の色は、隣接するカラーフィルターの画素の色とは異なることを特徴とする。これにより、比較的簡易な構造で高画質のカラー表示が可能な反射型表示素子を提供することができる。
本発明によれば、比較的簡易な構造で高画質のカラー表示が可能な反射型表示素子を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
図1に、本発明の表示素子の一例を示す。ただし、本発明の表示素子は、図1の構成に限定されない。
本発明の表示素子は、表示電極と、表示電極に対して間隔をおいて対向して設けられた対向電極と、両電極間に配置された電解質とを備える。また、表示電極の対向電極側の表面に異なる色を発色する第一の表示層(以下、表示層1という)及び第二の表示層(以下、表示層2という)が積層されている。さらに、表示層1及び表示層2が各々発色する色とは異なる色のカラーフィルターを有する。なお、表示層1及び表示層2は、それぞれ独立に、導電性又は半導性の担体粒子に有機エレクトロクロミック化合物が担持されているエレクトロクロミック組成物を含有し、表示層2は、表示層1とは、消色状態から発色状態になるために必要な電圧の閾値、発色状態から消色状態になるために必要な電圧の閾値、消色状態から発色状態になるために必要な電荷量及び発色状態から消色状態になるために必要な電荷量の少なくとも一つが異なる。
本発明において、表示層1及び表示層2は、それぞれ独立的に発色することができる。例えば、表示層1が赤色を発色し、表示層2が青色を発色し、緑色のカラーフィルターが設けられている場合、表示層1のみが発色した青色と緑色の混色である濃青色、表示層2のみが発色した赤色と緑色の混色である濃黄色、表示層1及び表示層2がともに発色した紫色(青色+赤色)と緑色の混色である黒色を表示できる。これは、発色・消色の閾値電圧、発色・消色に必要な電荷量の少なくとも一つが表示層1及び表示層2の間で異なるためである。例えば、表示層1は、発色の閾値電圧が高く、発色に必要な電荷量が小さく、表示層2は、発色の閾値電圧が低く、発色に必要な電荷量が大きい表示素子の場合、表示層2の発色の閾値電圧以上で、表示層1の発色の閾値電圧未満の電圧を印加すると、表示層2のみが発色する。また、表示層1の発色の閾値電圧以上の電圧を短時間印加すると、表示層1が発色する。このとき、表示層2は、発色に必要な電荷量が大きいため、表示層1の発色の閾値電圧以上の電圧を短時間印加してもほとんど発色しない。さらに、表示層1の発色の閾値電圧以上の電圧を長時間印加すると、表示層1及び表示層2が共に発色する。
一般的に、マルチカラー表示又はフルカラー表示を行うためには、3原色、すなわち、R(レッド)、G(グリーン)及びB(ブルー)又はY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の3色を発色させる必要がある。本発明の表示素子は、2層の表示層により2色を発色させ、3色目としては、カラーフィルターを用いることにより、マルチカラー表示することができる。
従来技術である反射型白黒表示素子にカラーフィルターを設ける方法では、カラーフィルターのみによって色を表示するため、白色反射率及びコントラスト比が低い。本発明の表示素子は、表示層で2色のカラーを表示できるため、従来技術と比較して、2倍の白反射率、2倍のコントラスト比が得られる。
本発明において、エレクトロクロミック組成物としては、平均一次粒径が5〜50nmの導電性又は半導性の担体粒子の表面に、ホスホニル基、水酸基、カルボキシル基等の極性基を有する有機エレクトロクロミック化合物を吸着させた組成物が挙げられる。このようなエレクトロクロミック組成物を含有する表示層は、表示電極から担体粒子を通って有機エレクトロクロミック化合物へ電荷が移動することによって発色する(逆移動で消色する)。このため、担体粒子の導電特性、担体粒子と有機エレクトロクロミック化合物の界面部位等によって、発色・消色の閾値電圧を制御することができる。また、有機エレクトロクロミック化合物は、様々な分子を設計することができるため、界面部位から発色団部位への共役構造を変化させることにより、電子移動性を制御し、発色・消色に必要な電荷量を制御することができる。さらに、発色団の構造を変化させるにより、種々の色を発色することができる。
このため、導電特性の異なる担体粒子と、発色・消色に必要な電荷量、色が異なる有機エレクトロクロミック化合物の組み合わせにより、色、発色・消色の閾値電圧、発色・消色に必要な電荷量が異なるエレクトロクロミック組成物を形成することができる。
本発明において、導電性又は半導性の担体粒子の表面を絶縁性又は半導性の物質で修飾することにより、導電特性が変化し、この導電特性の違いにより、発色・消色の閾値電圧を制御することができる。すなわち、担体粒子の表面に、別の原子、分子、化合物等を修飾すると、担体粒子の導電特性が変化する。例えば、導電性又は半導性の担体粒子である酸化チタン粒子等の金属酸化物粒子は、ゾル・ゲル法等を用いると、他の金属酸化物を表面にコーティングすることができる。この表面修飾法を用いると、表面に修飾した分子の種類、量等により、担体粒子の導電特性を制御することができる。特に、担体粒子の表面に、酸化アルミニウム、酸化シリカ、酸化ジルコニウム等の絶縁性物質をコーティングすると、導電特性が低下し、コーティングしていない担体粒子と比較して、発色・消色の閾値電圧を大幅に変化させることができる。
また、本発明においては、表示層を形成する際に、加熱処理をすることにより、発色・消色の閾値電圧を制御することができる。具体的には、高温で加熱処理した場合と比較して、低温で加熱処理をする場合は、発色・消色の閾値電圧を大きくすることができる。加熱処理は、表示層内の近接するエレクトロクロミック組成物同士を焼結する効果、また、表示層の塗布液に含まれる溶媒、界面活性剤を除去する効果があり、その結果として、表示層の導電特性を向上させることができると考えられる。したがって、加熱処理温度が高い程、導電特性が向上し、発色・消色の閾値電圧が低くなる。特に、200℃以上の高温で加熱処理を行うと、近接するエレクトロクロミック組成物同士の焼結が起こり、また、表示層の塗布液に含まれる溶媒、界面活性剤は、ほぼ全て除去されるため、良好な導電特性を示す。さらに、300℃以上の高温で加熱処理を行うと、近接するエレクトロクロミック組成物同士の焼結がさらに起こるため、発色・消色の閾値電圧を大幅に変化させることができる。
さらに、本発明においては、表示層を形成する際に、加熱処理をする代わりに、加圧処理をしても、発色・消色の閾値電圧を制御することができる。加圧処理を行うためには、プレス装置を用いることが最も簡便である。印加する圧力は、10000kgf/cm以下であることが好ましい。10000kgf/cmより大きい圧力を印加すると、加圧プレス処理により、表示層が破損することがある。このとき、印加する圧力が大きい程、発色・消色の閾値電圧が小さくなる。従って、表示電極に近い表示層に、大きい圧力を印加して、表示層を形成することにより、2色を独立的に表示することができる。加圧処理が加熱処理と同様の効果を有する原因としては、近接するエレクトロクロミック組成物の表面が加圧処理でより接近し、加熱焼結と同様の効果が得られるためであると考えられる。
本発明においては、発色・消色の閾値電圧又は発色・消色に必要な電荷量を変化させる方法として、加熱、加圧が有効であるが、これらと同様の原理から、光照射、レーザー照射、電磁波照射、振動等でも同様の効果が得られる。
本発明において、導電性又は半導性の担体粒子は、有機エレクトロクロミック化合物が吸着可能なものであれば、その材質や形態は、特に限定されるものではないが、エレクトロクロミック素子としての特性に合う金属酸化物が好ましく用いられる。担体粒子の具体例としては、これらに限定されるものではないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、ジルコニア、セリア、シリカ、イットリア、ボロニア、マグネシア、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、カルシア、フェライト、ハフニア、三酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、チタン酸バリウム、アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物が挙げられ、これらは、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、ジルコニア、ジルコニア、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンが好ましいが、その電気的特性と物理的特性から、酸化チタンが特に好ましい。
有機エレクトロクロミック化合物としては、ビオロゲン系化合物、スチリル系化合物、フェノチアジン系、アントラキノン系、ピラゾリン系、フルオラン系、タロシアニン系、等のエレクトロクロミック化合物が挙げられる。
ビオロゲン系化合物としては、例えば、1−Ethyl−1’−(2−phosphonoethyl)−4,4’−bipyridinium dichloride、1−p−cyanophenyl−1’−(2−phosphonoethyl)−4,4’−bipyridinium dichloride、Bis(2−phosphonylethyl)−4,4’−bipyridinium dichloride、1−Ethyl−1’−acetic acid−4,4’−bipyridinium dichloride等が挙げられる。
スチリル系化合物としては、例えば、2−[2−[4−(dimethylamino)−5−carboxyphenyl]ethenyl]−3,3−dimethylindolino[2,1−b]oxazolidine、2−[2−[4−(dimethylamino)−5−carboxyphenyl]−1,3−butadienyl]−3,3−dimethylindolino[2,1−b]oxazolidine、2−[2−[4−(dimethylamino)phenyl]−1,3−butadienyl]−3,3−dimethyl−5−sulfonylindolino[2,1−b]oxazolidine等が挙げられる。
フェノチアジン系化合物としては、例えば、2−(Phenothiazin−10−yl)ethyl phosphinic acid、3−(Phenothiazin−10−yl)propionic acid、3−(Phenothiazin−10−yl) methanesulfonic acid等が挙げられる。
中でも、還元発色性であること、分子構造によって多くの色を発色できることから、ビオロゲン系化合物が好ましい。
また、有機エレクトロクロミック化合物は、担体粒子の表面に担持されるために吸着部位を有する必要がある。吸着部位としては、ホスホン酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、サリチル酸由来の官能基等の酸性官能基が好ましく、中でも、ホスホン酸基は、強い吸着能を有するため、特に好ましい。
本発明において、表示電極としては、透明導電性基板を用いることが好ましい。透明導電性基板としては、ガラス基板、プラスチックフィルム等の基板に、ITO、FTO、ZnO等の透明導電性薄膜をコーティングしたもの等が挙げられる。中でも、プラスチックフィルムは、軽量でフレキシブルな表示素子を作製することができるため、特に好ましい。
対向電極としては、ガラス基板、プラスチックフィルム等の基板に、ITO、FTO、ZnO等の透明導電性薄膜をコーティングしたもの、亜鉛、白金等の導電性金属膜をコーティングしたもの等が挙げられる。ITO、FTO、ZnO等の透明導電性薄膜をコーティングする場合は、酸化スズ粒子、ITO粒子等の比表面積が大きい導電性粒子を用いると、電荷を効率良く授受することができる電極が得られるため、好ましい。
電解質としては、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム等のリチウム塩を、アセトニトリル、炭酸プロピレン等の有機溶媒に溶解させた溶液系、パーフルオロスルホン酸系高分子膜等の固体系等が挙げられる。溶液系は、イオン伝導度が高いという利点がある。固体系は、劣化が少ないため、高耐久性の表示素子を作製することができる。
また、本発明の表示素子を反射型カラー表示装置として用いる場合、白色反射層を設けることが好ましい。白色反射層は、白色顔料粒子を樹脂に分散させ、対向電極上に塗布することにより、形成することができる。白色顔料粒子としては、金属酸化物粒子を用いることができ、具体的には、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等が挙げられる。また、電解液中に白色顔料粒子を分散させる場合は、予め電解液に白色顔料粒子を分散してから、表示素子中に注入すればよい。この場合、白色顔料粒子を固定するための樹脂が必要ないため、表示素子内のイオン伝導度がよく、低電圧で駆動することができる。
本発明の表示素子は、表示層1及び表示層2の間に、中間層をさらに有することが好ましい。本発明では、導電特性の異なる表示層1及び表示層2から、異なる色を独立的に発色させることが可能であるが、これらの表示層の間に中間層を設けると、発色をさらに制御することができる。これは、中間層が表示層1及び表示層2を分離することにより、発色・消色の閾値電圧の差を大きくすることができるためである。中間層は、透明であると共に、電解質が浸透する構造であれば、特に限定されない。例えば、浸透性のあるポリマー膜、ポーラス構造の無機材料膜、粒子膜等が挙げられ、特に、粒子膜は、表示層と同じ構成であるため、容易に積層することができる。粒子としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリカ、酸化ジルコニウム等が挙げられる。中間層は、膜厚が大きい程、表示層1及び表示層2の発色・消色の閾値電圧の差を大きくすることができるが、膜厚が大きすぎると、表示層の発色を妨げることがある。したがって、中間層の膜厚は、表示層の膜厚に対して、1/10〜1であることが好ましい。
本発明において、表示層1及び表示層2が各々発色する色及びカラーフィルターの色は、イエロー、マゼンタ及びシアンの組み合わせであることが好ましい。これらの組み合わせは、マルチカラー表示、フルカラー表示を行うための3原色であり、表示層の後方に白色反射層を配置すれば、白反射率が高い表示素子を形成することができる。
本発明において、カラーフィルターは、電解液を浸透することが可能な部材であることが好ましい。本発明の表示素子は、電流駆動素子であるため、表示層は、一般に、表示電極及び電解質と接していなければならない。したがって、液晶表示素子で用いられている絶縁性カラーフィルターを用いる場合は、表示電極の外側(表示層側ではない側)に配置しなければならない。しかしながら、カラーフィルターが電解液を浸透する部材であると、表示電極の内側、すなわち、表示電極と表示層の間や、表示層の内側(表示電極側ではない側)にも配置することができる。これは、電解質を浸透する表示層が電荷の授受を行うことが可能になるためである。カラーフィルターの配置できる個所の自由度が広がることにより、表示素子の構成の設計に幅ができ、製造コストの低減に繋げることができる。ここで、電解液を浸透する部材としては、メッシュ状、繊維状等の形状を適用することができ、例えば、発泡状のポリマー等に顔料色素や染料色素を付着させることにより作製することができる。
本発明において、表示電極、表示層1、表示層2及びカラーフィルターにより、規則的な画素のパターンが形成されており、カラーフィルターの画素の色は、隣接するカラーフィルターの画素の色と異なることが好ましい。
図2に、本発明の表示素子の一例を示し、以下に説明する。ただし、本発明の表示素子の構成は、図2に限定されない。図2では、カラーフィルター、表示層1及び表示層2が発色する色は、表1に示すように組み合わせられており、[1]、[2]及び[3]の部分が順次並んでおり、[1]、[2]及び[3]の3つの部分を合わせて1絵素としている。
Figure 2007292962
この組み合わせのように異なる3つの組み合わせ部分の集合から1絵素を形成すると、表示層1及び表示層2の発色・消色による色表現範囲が最も広くなる。したがって、色表現範囲が広い高画質なカラー表示を実現することができる。
(実施例1)
有機エレクトロクロミック化合物として、Bis(2−phosphonylethyl)−4,4’−bipyridinium dichloride(以下、EC1という)及び1−p−cyanophenyl−1’−(2−phosphonoethyl)−4,4’−bipyridinium dichloride(以下、EC2という)を用い、EC1及びEC2を、それぞれ水及びエタノールに溶解させ、0.02M溶液を調製した。次に、EC1の水溶液に、平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子(テイカ社製)を、EC2のエタノール溶液に、平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子の表面に酸化ジルコニウム/酸化アルミニウムを付着させた表面処理酸化チタン粒子(テイカ社製)をそれぞれ20重量%加えて分散させ、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物を吸着させた。なお、各分散液には、少量の界面活性剤を添加した。
表示電極への表示層の形成は、以下のように行った。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の一部(面積1cm)に、EC1を吸着させた酸化チタン粒子の分散液を、スピンコート法により、膜厚が2μmになるように塗布し、150℃で24時間加熱し、表示層1を形成した。次に、表示層1上に、EC2を吸着させた表面処理酸化チタン粒子の分散液を、スピンコート法により、膜厚が2μmになるように塗布し、150℃で24時間加熱し、表示層2を形成した。積層された表示層1及び表示層2は、透明であった。
対向電極は、以下のように作製した。平均一次粒径が300nmの酸化チタン粒子5g及びポリエチレン樹脂1gを、テトラヒドロフラン10mlに分散させた。次に、スピンコート法により、調製した分散液を、厚さ0.2mmの亜鉛板の全面に塗布した。膜厚は、5μmであり、紙と同様な白色を示した。
表示電極と対向電極を、表示層が内側になるように、厚さが75μmのスペーサーを介して貼り合わせ、セルを作製した。次に、0.2Mとなるように、過塩素酸リチウムを炭酸プロピレンに溶解させた電解質溶液を調製し、セル内に封入した。さらに、セルの表示電極の外側に、市販の赤色フィルター(凸版印刷社製)を貼り付けることにより、反射型多色表示素子を作製した。
得られた反射型多色表示素子は、電圧を印加しない状態では、赤色を示し、反射率を測定したところ、55%と高い値を示した。なお、この測定は、分光測色計を用いて、拡散光を照射することにより行った。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが紫色に発色した。この色は、EC1が青色に発色し、赤色フィルターと混色したことに起因する。この電荷量では、EC2は発色しなかった。−3.0Vの電圧を十分印加すると、紫色が消色して再び赤色になった。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.0Vで50mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが黒色に発色した。この色は、EC1及びEC2が共に発色し、赤色フィルターと混色したことに起因する。−3.0Vの電圧を十分印加すると、黒色が消色して再び赤色になった。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧3.0Vで50mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが黒色に発色した。この状態から−1.0Vの電圧を短時間印加すると、黒色から濃黄色に変化した。これは、EC1が消色し、EC2のみが発色して、赤色フィルターと混色したことに起因する。−3.0Vの電圧を十分印加すると、濃黄色が消色して再び赤色になった。
(実施例2)
有機エレクトロクロミック化合物として、EC1及びEC2を用い、EC1及びEC2を、それぞれ水及びエタノールに溶解させ、0.02M溶液を調製した。次に、EC1の水溶液及びEC2のエタノール溶液に、平均一次粒径が6nmの酸化チタン微粒子(テイカ社製)をそれぞれ20重量%加えて分散させ、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物を吸着させた。なお、各分散液には、少量の界面活性剤を添加した。
表示電極への表示層の形成は、以下のように行った。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の一部(面積1cm)に、EC1を吸着させた酸化チタン粒子の分散液を、スピンコート法により、膜厚が2μmになるように塗布し、230℃で2時間加熱し、表示層1を形成した。次に、表示層1上に、EC2を吸着させた酸化チタン粒子の分散液を、スピンコート法により、膜厚が2μmになるように塗布し、100℃で30分間加熱し、表示層2を形成した。積層された表示層1及び表示層2は、透明であった。
対向電極は、以下のように作製した。平均一次粒径が300nmの酸化チタン粒子5g及びポリエチレン樹脂1gを、テトラヒドロフラン10mlに分散させた。次に、スピンコート法により、調製した分散液を、厚さが0.2mmの亜鉛板の全面に塗布した。膜厚は、5μmであり、紙と同様な白色を示した。
表示電極と対向電極を、表示層が内側になるように、厚さが75μmのスペーサーを介して貼り合わせ、セルを作製した。次に、0.2Mになるように、過塩素酸リチウムを炭酸プロピレンに溶解させた電解質溶液を調製し、セル内に封入した。さらに、セルの表示電極の外側に、市販の赤色フィルター(凸版印刷社製)を貼り付けることにより、反射型多色表示素子を作製した。
得られた反射型多色表示素子は、電圧を印加しない状態では、赤色を示し、反射率を測定したところ、55%と高い値を示した。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vで20mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが紫色に発色した。この色は、EC1が青色に発色し、赤色フィルターと混色したことに起因する。この電荷量では、EC2は発色しなかった。−3.0Vの電圧を十分印加すると、紫色が消色して再び赤色になった。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧3.5Vで50mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが黒色に発色した。この色は、EC1及びEC2が共に発色し、赤色フィルターと混色したことに起因する。−3.0Vの電圧を十分印加すると、黒色が消色して再び赤色になった。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧3.5Vで50mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが黒色に発色した。この状態から−1.3Vの電圧を短時間印加すると、黒色から濃黄色に変化した。これは、EC1が消色し、EC2のみが発色して、赤色フィルターと混色したことに起因する。−3.0Vの電圧を十分印加すると、濃黄色が消色して再び赤色になった。
(実施例3)
有機エレクトロクロミック化合物として、EC1及びEC2を用い、EC1及びEC2を、それぞれ水及びエタノールに溶解させ、0.02M溶液を調製した。次に、EC1の水溶液に、平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子(テイカ社製)を、EC2のエタノール溶液に、平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子の表面に酸化ジルコニウム/酸化アルミニウムを付着させた表面処理酸化チタン粒子(テイカ社製)をそれぞれ20重量%加えて分散させ、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物を吸着させた。また、エタノールに、平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子(テイカ社製)を20重量%加えて分散させた。なお、各分散液には、少量の界面活性剤を添加した。
表示電極への表示層の形成は、以下のように行った。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の一部(面積1cm)に、EC1を吸着させた酸化チタン粒子の分散液を、スピンコート法により、膜厚が2μmになるように塗布し、150℃で24時間加熱し、表示層1を形成した。次に、表示層1上に、平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子(テイカ社製)の分散液を、スピンコート法により、膜厚が0.5μmになるように塗布し、150℃で24時間加熱し、中間層を形成した。さらに、中間層上に、EC2を吸着させた表面処理酸化チタン粒子の分散液を、スピンコート法により、膜厚が2μmになるように塗布し、150℃で24時間加熱し、表示層2を形成した。積層された表示層1、中間層及び表示層2は、透明であった。
対向電極は、以下のように作製した。平均一次粒径が300nmの酸化チタン粒子5g及びポリエチレン樹脂1gをテトラヒドロフラン10mlに分散させた。次に、スピンコート法により、調製した分散液を、厚さが0.2mmの亜鉛板の全面に塗布した。膜厚は、5μmであり、紙と同様な白色を示した。
表示電極と対向電極を、表示層が内側になるように、厚さが75μmのスペーサーを介して貼り合わせ、セルを作製した。次に、0.2Mになるように、過塩素酸リチウムを炭酸プロピレンに溶解させた電解質溶液を調製し、セル内に封入した。さらに、表示電極の外側に、市販の赤色フィルター(凸版印刷社製)を貼り付けることにより、反射型多色表示素子を作製した。
得られた反射型多色表示素子は、電圧を印加しない状態では、赤色を示し、反射率を測定したところ、55%と高い値を示した。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが紫色に発色した。この色は、EC1が青色に発色し、赤色フィルターと混色したことに起因する。この電荷量では、EC2は発色しなかった。−3.0Vの電圧を十分印加すると、紫色が消色して再び赤色になった。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧3.0Vで50mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが黒色に発色した。この色は、EC1及びEC2が共に発色し、赤色フィルターと混色したことに起因する。−5.0Vの電圧を十分印加すると、黒色が消色して再び赤色になった。
表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧3.0Vで50mCの電荷を加えたところ、表示電極の表示層のある部分のみが黒色に発色した。この状態から−3.0Vの電圧を短時間印加すると、黒色から濃黄色に変化した。これは、EC1が消色し、EC2のみが発色して、赤色フィルターと混色したことに起因する。−5.0Vの電圧を十分印加すると、濃黄色が消色して再び赤色になった。
(実施例4)
厚さが0.1μmのポリプロピレン発泡体をアントシアニン系赤色色素(東洋インキ社製)の0.2Mエタノール溶液に浸漬させ、メッシュ状赤色フィルターを作製した。
セルの表示電極の外側に、市販の赤色フィルター(凸版印刷社製)を貼り付ける代わりに、熱硬化性樹脂からなる接着剤を用いて、表示層2上にメッシュ状赤色フィルターを貼り付けたこと以外は、実施例1と同様に、反射型多色表示素子を作製し、同様に評価をしたところ、実施例1と同様の結果が得られた。
(実施例5)
有機エレクトロクロミック化合物として、EC1、EC2及び1−Ethyl−1’−(2−ethyl salicylic acid)−4,4’−bipyridinium dichloride(以下、EC3という)を用いた。ここで、EC1、EC2及びEC3は、発色状態で、それぞれ青色、緑色及び赤色を発色する。EC1、EC2及びEC3を、それぞれメタノールに溶解させ、0.2M溶液を調製した。
平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子及び平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子の表面に酸化ジルコニウム/酸化アルミニウムを付着させた表面処理酸化チタン粒子(テイカ社製)を、それぞれ水及びエタノールに、20重量%加えて分散させた。なお、各分散液には、少量の界面活性剤を添加した。
表示電極への表示層の形成は、以下のように行った。長さ3cm、幅3mmの酸化スズの透明導電性薄膜が3本並んで形成された3cm角のガラス基板の透明導電性薄膜上のみに、酸化チタン粒子の分散液を、インクジェット法により、膜厚が2μmになるように塗布し、150℃で24時間加熱した。次に、酸化チタン粒子層上に、EC1、EC2及びEC3のメタノール溶液を、インクジェット法により、それぞれ3本の透明導電性薄膜に合わせて塗布し、表示層1を形成した。さらに、表示層1上に、表面処理酸化チタン粒子の分散液を、インクジェット法により、膜厚が2μmになるように塗布し、150℃で24時間加熱した。次に、表面処理酸化チタン粒子層上に、EC1、EC2及びEC3のメタノール溶液を、インクジェット法により、それぞれ3本の透明導電性薄膜に合わせて塗布し、表示層2を形成した。このとき、表示層1において、EC1を塗布した部分にはEC2を、EC2を塗布した部分にはEC3を、EC3を塗布した部分にはEC1を塗布した。
対向電極は、以下のように作製した。平均一次粒径が300nmの酸化チタン粒子5g及びポリエチレン樹脂1gをテトラヒドロフラン10mlに分散させた。次に、スピンコート法により、調製した分散液を、厚さが0.2mmの亜鉛板の全面に塗布した。膜厚は、5μmであり、紙と同様な白色を示した。
表示電極と対向電極を、表示層が内側になるように、厚さが75μmのスペーサーを介して貼り合わせ、セルを作製した。次に、0.2Mになるように、過塩素酸リチウムを炭酸プロピレンに溶解させた電解質溶液を調製し、セル内に封入した。さらに、セルの表示電極の外側に、市販のRGBカラーフィルター(凸版印刷社製)を貼り付けることにより、反射型多色表示素子を作製した。このとき、表示層1及び表示層2において、それぞれEC1及びEC2を塗布した部分にはカラーフィルターの赤色部分、それぞれEC2及びEC3を塗布した部分にはカラーフィルターの青色部分、それぞれEC1及びEC3を塗布した部分にはカラーフィルターの緑色部分が貼り付けられるように調整した。
得られた反射型多色表示素子は、電圧を印加しない状態では、白色を示し、反射率を測定したところ、48%と高い値を示した。
対向電極を正極に繋ぎ、表示電極のカラーフィルターの赤色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。さらに、表示電極のカラーフィルターの緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧3.0Vで50mCの電荷を加えた後に、−1.0Vの電圧を短時間印加した。これにより、反射型多色表示素子全体が良好な青色を示した。色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中41人が青色として満足するレベルであるとした。表示電極のカラーフィルターの赤色及び緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、−3.0Vの電圧を十分印加すると、青色が消色して再び白色になった。
対向電極を正極に繋ぎ、表示電極のカラーフィルターの緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。さらに、表示電極のカラーフィルターの青色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧3.0Vで50mCの電荷を加えた後に、−1.0Vの電圧を短時間印加した。これにより、反射型多色表示素子全体が良好な赤色を示した。色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中41人が赤色として満足するレベルであるとした。表示電極のカラーフィルターの青色及び緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、−3.0Vの電圧を十分印加すると、青色が消色して再び白色になった。
対向電極を正極に繋ぎ、表示電極のカラーフィルターの青色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。さらに、表示電極のカラーフィルターの赤色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧3.0Vで50mCの電荷を加えた後に、−1.0Vの電圧を短時間印加した。これにより、反射型多色表示素子全体が良好な緑色を示した。色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中46人が緑色として満足するレベルであるとした。表示電極のカラーフィルターの青色及び赤色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、−3.0Vの電圧を十分印加すると、青色が消色して再び白色になった。
(比較例1)
有機エレクトロクロミック化合物として、EC1、EC2及びEC3を用い、EC1、EC2及びEC3をメタノールに混合溶解させ、0.2Mの有機エレクトロクロミック化合物溶液を調製した。
平均一次粒径が6nmの酸化チタン粒子を水に20重量%加えて分散させた。なお、分散液には少量の界面活性剤を添加した。
表示電極への表示層の形成は、以下のように行った。実施例5と同じ酸化スズの透明導電性薄膜が3本形成されたガラス基板の透明導電性薄膜上のみに、酸化チタン粒子の分散液を、インクジェット法により、膜厚が2μmになるように塗布し、150℃で24時間加熱した。次に、有機エレクトロクロミック化合物のメタノール溶液を、インクジェット法により、酸化チタン粒子層上に塗布した。
対向電極は、以下のように作製した。平均一次粒径が300nmの酸化チタン粒子5g及びポリエチレン樹脂1gをテトラヒドロフラン10mlに分散させた。次に、スピンコート法により、調製した分散液を、厚さが0.2mmの亜鉛板の全面に塗布した。膜厚は、5μmであり、紙と同様な白色を示した。
表示電極と対向電極を、表示層が内側になるように、厚さが75μmのスペーサーを介して貼り合わせ、セルを作製した。次に、0.2Mになるように、過塩素酸リチウムを炭酸プロピレンに溶解させた電解質溶液を調製し、セル内に封入した。さらに、表示電極の外側に市販のRGBカラーフィルター(凸版印刷社製)を貼り付けることにより、反射型多色表示素子を作製した。
対向電極を正極に繋ぎ、表示電極のカラーフィルターの赤色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。さらに、表示電極のカラーフィルターの緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。これにより、反射型多色表示素子全体が青色を示したが、反射率が低く、色純度が悪かった。色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中45人がこの純度では、青色としては満足しなかった。表示電極のカラーフィルターの赤色及び緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、−3.0Vの電圧を十分印加すると、青色が消色して再び白色になった。
対向電極を正極に繋ぎ、表示電極のカラーフィルターの青色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。さらに、表示電極のカラーフィルターの緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。これにより、反射型多色表示素子全体が赤色を示したが、反射率が低く、色純度が悪かった。色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中48人がこの純度では、赤色としては満足しなかった。表示電極のカラーフィルターの赤色及び緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、−3.0Vの電圧を十分印加すると、青色が消色して再び白色になった。
対向電極を正極に繋ぎ、表示電極のカラーフィルターの青色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。さらに、表示電極のカラーフィルターの赤色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、電圧2.0Vで20mCの電荷を加えた。これにより、反射型多色表示素子全体が緑色を示したが、反射率が低く、色純度が悪かった。色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中43人がこの純度では、緑色としては満足しなかった。表示電極のカラーフィルターの赤色及び緑色部分の透明導電性薄膜を負極に繋ぎ、−3.0Vの電圧を十分印加すると、青色が消色して再び白色になった。
本発明の表示素子の一例を示す断面図である。 本発明の表示素子の他の例を示す断面図である。

Claims (6)

  1. 表示電極と、
    該表示電極に対して、電解質を介して対向する対向電極と、
    該表示電極の対向電極側の表面に積層されている、異なる色を発色する第一の表示層及び第二の表示層と、
    該第一の表示層及び第二の表示層が発色する色とは異なる色のカラーフィルターを有する表示素子であって、
    該第一の表示層及び第二の表示層は、それぞれ独立に、導電性又は半導性の粒子に有機エレクトロクロミック化合物が担持されている組成物を含有し、
    該第二の表示層は、該第一の表示層とは、消色状態から発色状態になるために必要な電圧の閾値、発色状態から消色状態になるために必要な電圧の閾値、消色状態から発色状態になるために必要な電荷量及び発色状態から消色状態になるために必要な電荷量の少なくとも一つが異なり、
    該第一の表示層及び第二の表示層の少なくとも一方に含まれる導電性又は半導性の粒子は、表面に絶縁性又は半導性の物質を有することを特徴とする表示素子。
  2. 表示電極と、
    該表示電極に対して、電解質を介して対向する対向電極と、
    該表示電極の対向電極側の表面に積層されている、異なる色を発色する第一の表示層及び第二の表示層と、
    該第一の表示層及び第二の表示層が発色する色とは異なる色のカラーフィルターを有する表示素子であって、
    該第一の表示層及び第二の表示層は、それぞれ独立に、導電性又は半導性の粒子に有機エレクトロクロミック化合物が担持されている組成物を含有し、
    該第二の表示層は、該第一の表示層とは、消色状態から発色状態になるために必要な電圧の閾値、発色状態から消色状態になるために必要な電圧の閾値、消色状態から発色状態になるために必要な電荷量及び発色状態から消色状態になるために必要な電荷量の少なくとも一つが異なり、
    該第一の表示層及び第二の表示層は、異なる条件で加熱処理及び/又は加圧処理されていることを特徴とする表示素子。
  3. 前記第一の表示層及び第二の表示層の間に、中間層をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示素子。
  4. 前記第一の表示層及び第二の表示層が発色する色並びにカラーフィルターの色は、イエロー、マゼンタ及びシアンの組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示素子。
  5. 前記カラーフィルターは、電解液を浸透することが可能な部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示素子。
  6. 前記表示電極、第一の表示層、第二の表示層及びカラーフィルターにより、規則的な画素のパターンが形成されており、
    前記カラーフィルターの画素の色は、隣接するカラーフィルターの画素の色とは異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示素子。
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