JP2007291140A - 癌診断用抗体 - Google Patents

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Nicole Dodge Zantek
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    • C07K16/32Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against translation products of oncogenes

Abstract

【課題】 転移性疾患の検出及び診断のための抗体及びその製法を提供する。
【解決手段】 EphA2の細胞内エピトープに特異的に結合する抗体の製法であって、(a)チロシン・リン酸化タンパク質を哺乳動物のリンパ節近位に注射し、(b)リンパ節細胞を上記哺乳動物から採取し、(c)リンパ節細胞をミエローマ細胞と融合させ、ハイブリドーマを形成し、(d)EphA2の細胞内エピトープに結合する抗体を産生する少なくとも1つのハイブリドーマを選び、そして(e)抗体を単離するステップを含む、EphA2の細胞内エピトープに特異的に結合する抗体の製法。
【選択図】なし

Description

本発明の分野
本発明は、転移性疾患の診断に関する。より特に、本願発明は、転移性癌細胞内に過剰発現される特異的な上皮細胞チロシン・キナーゼを検出しうる試薬に関する。最も特に、本願発明は、上皮細胞チロシン・キナーゼに結合する試薬、及び癌診断へのそれら試薬の使用に関する。
本発明の背景及び概要
癌細胞の転移は、1)原発腫瘍から分離し、2)局所組織中を遊走及び浸潤し、3)(リンパ液又は血液を介して)体内の遠位に場所を移し、4)異質な部位にコロニー形成し、そして5)この異質な環境の中で増幅及び生き残る細胞の能力を必要とする。これらの性質の全てが細胞接着に関係している。細胞接着は、細胞とその微小環境との物理的相互作用を制御する。細胞接着は、腫瘍細胞の増殖、死、及び分化を命令するシグナルをも惹起する。
乳癌細胞を含む、さまざまな癌細胞は、変更された細胞接着を示すことが知られている。正常乳房上皮と比較した時、形質転換ヒト乳房上皮細胞は、細胞−細胞接触が減少し、そして周囲の細胞外マトリックスとの相互作用が増加した。これらの変化は、細胞コロニーを離れた癌細胞の分離及び遊走の増加を促進し、そしてそれは細胞膜タンパク質のチロシン・リン酸化における変化に直接関係している。チロシン・リン酸化は、細胞シグナル伝達に有効な形態であり、そしてチロシン・リン酸化のレベルの変化は腫瘍細胞の侵襲力にとって重要であると考えられている。したがって、チロシン・リン酸化の制御は、転移性癌に対する治療処置に関する前途有望な標的を提示する。チロシン・リン酸化は、細胞膜チロシン・キナーゼにより制御され、そしてチロシン・キナーゼの発現増加は転移性癌細胞において発生することが知られている。
細胞膜チロシン・キナーゼ発現増加の同定は、転移性疾患の診断及び治療の助けとなるであろう。上述のチロシン・キナーゼの1つがEphA2である。エフリン(Ephrins)として知られるチロシン・キナーゼのEphファミリーの仲間であるEphA2は、膜結合リガンドをもつ膜貫通受容体チロシン・キナーゼである。10年前にクローンされたが(非特許文献1を参照のこと)、EphA2の機能についてごくわずかしか知られていない、なぜなら主としてEphA2特異的抗体が以前は製造することが困難であったからである。
Lindberg, R.A. and Hunter, T.,"cDNA Cloning and Characterization of Eck, an Epithelial Cell Receptor Protein-tyrosine Kinase in the Eph/elk Family of Protein Kinases", Mol.Cell.Biol. 10 (12), 6316-6324 (1990)
EphA2研究を容易にするために、チロシン・リン酸化したタンパク質に特異的なモノクローナル抗体の一団を製造する改良された方法が発達した。この方法の使用により、EphA2の多様性を認識するモノクローナル抗体が作製された。これらの抗体は、EphA2が転移性乳房、肺、大腸、及び前立腺細胞において過剰発現されることを示すために用いられた。なぜならEphA2が、正常細胞と転移性細胞では異って発現されるため、EphA2特異的抗体は、転移性疾患の診断に有効だからである。抗体は、EphA2の細胞内エピトープを認識する1の特定のハイブリドーマより製造され、そしてEphA2に対する結合において高い特異性を示した。
したがって、本願発明の1の側面は、EphA2の細胞内エピトープに特異的に結合するところの化合物である。好ましい態様において、前記化合物は、EphA2タンパク質ドメインに特異的な抗体である。他方において、EphA2を特異的に標的化しうる天然又は人工的なリガンド、ペプチド、アンチセンス、ATP類似物、若しくは他の低分子が利用されうる。本願発明の2の側面は、EphA2細胞内エピトープを認識するところの抗体の製法である。本願発明の他の側面は、転移性疾患の診断におけるEphA2特異的抗体の使用である。本願発明の付加的な側面は、EphA2、その断片のいずれか又はEphA2タンパク質をコードするDNA若しくはRNAを検出するための特異的な診断用試薬である。本願発明のさらなる側面は、EphA2のエピトープに特異的に結合しうる抗体及び抗体−EphA2結合を検出するための手段を含むキットである。
本発明のさらなる特徴は、目下わかっているところの本発明実施のベスト・モードを具体化する以下の好ましい態様の詳細な記載を考慮して、当業者に対して明らかにされるであろう。
発明の詳細な記載
EphA2に特異的な抗体は、改良された方法により単離される。利用された方法は、応答性ハイブリドーマの増加された感受性及び多様性を意図する。この方法により、Ras形質転換ヒト上皮細胞からのチロシン・リン酸化タンパク質がリン酸化チロシン特異性を示す抗体を用いたアフィニティー・クロマトグラフィーにより単離される。そのチロシン・リン酸化タンパク質は、次にモノクローナル抗体製造のための抗原として使用される。低用量のチロシン・リン酸化タンパク質を、1日おきに10日間にわたりリンパ節近位に注射する(RIMMS法)。はれたリンパ節からのB細胞をその後単離し、そしてBcl−2過剰発現ミエローマと融合し、融合後のアポト−シスを最小限に抑える。この方法は、多様性、特異性、及びハイブリドーマ製造の費用効率の増加をもたらす。前記ハイブリドーマは、通常の癌細胞と悪性の癌細胞を区別しうる抗体を産生するハイブリドーマを同定するためにまずスクリーニングされる。現在まで、少なくとも450株の上述のハイブリドーマが同定されている。
EphA2に特異的なハイブリドーマが選ばれる。RIMMS法の使用は、EphA2に特異的に結合するさまざまなモノクローナル抗体の製造をもたらす。特徴づけされた最初の4つのハイブリドーマのうち、2つがEphA2上の独立するエピトープを認識する。1つ目のD7は、細胞内エピトープを認識する。2つ目のB2D6は、細胞外エピトープに結合する。D7が、EphA2の細胞内エピトープに高度に特異的であることを証明し、そしてこの特異性は転移性腫瘍の診断に最新の基礎の多くを提供する。
特定のタンパク質の存在又は過剰発現を検出するために抗体を使用することは本技術分野で知られる。転移性細胞においてEphA2が過剰発現されるので、本発明のEphA2特異性抗体を、この過剰発現の検出に使用し、そして、それにより転移性疾患を検出しうる。上述の技術は、これだけに制限されることなく、ウエスタン・ブロッティング、ドット・ブロッティング、沈殿、凝集、ELISAアッセイ、免疫組織化学、インサイチュー・ハイブリダイゼーション、さまざまな組織又は体液におけるフロー・サイトメトリー、及びさまざまなサンドイッチ・アッセイを含む。これらの技術は、本技術分野で周知である。例えば米国特許第5,876,949号(本明細書に援用)を参照のこと。EphA2の細胞内エピトープに特異的な抗体を使用したとき、細胞を、溶解し、そしてその抗体と一緒にインキュベートする必要がある。上述の技術は全細胞溶解物又は例えば免疫沈殿により試験するために分離されるEphA2において行われうる。本願発明のD7抗体は、EphA2の細胞内エピトープについて高度に特異的であり、そして転移性細胞におけるEphA2の特異な発現に感受性であることを証明した。他の技術、例えば免疫組織学的染色は、細胞全体を必要とし、そして特定の細胞密度の細胞層をさらに必要とする。上述の試験は、EphA2の細胞外エピトープに特異的な抗体を必要とする。
本願発明の抗体は、広くさまざまな組織サンプルにおいて転移性疾患を検出するために使用されうる。例えばEphA2特異的抗体を用いた調査は乳房、腎臓、前立腺、肺、及び大腸において生じる変更されたEphA2発現を明らかにし、そして変更されたEphA2発現が他の種類の細胞転移、特に上皮悪性腫瘍において生じると考えられている。EphA2特異的抗体は、生検により採取された腫瘍組織における転移の検出に使用されうる。さまざまな体液のサンプル、例えば血液、血漿、髄液、唾液、及び尿も本発明の抗体により検査されうる。これらのサンプル中の変更されたEphA2発現は、転移性疾患の存在を示す。
さらに、他の抗体が、転移性疾患の状態についてさらなる情報を提供するために本発明の抗体と取り合わせて使用されうる。例えば転移性細胞のEphA2は、変更されたチロシン・リン酸化を示す。正常な乳房上皮細胞においてEphA2は発現され、そしてチロシン・リン酸化されている。しかしながら、転移性乳房上皮細胞においてEphA2は、過剰発現され、そしてそのEphA2はチロシン・リン酸化されていない。EphA2発現を定量化する検査はしばしばあいまいな結果を導くために、EphA2発現の規模と同様にチロシン・リン酸化を測定することが望ましい。要するに、本願発明の抗体をリン酸化チロシン特異性抗体と取合わせて用いる診断方法は、転移性疾患の状態を決定するためのデータを提供する。
その上、本願発明のEphA2特異性抗体は、転移と関連するEphA2局在性の変化を検出するために利用されうる。正常な乳房及び前立腺上皮細胞においてEphA2は、細胞接着部位に濃縮される。逆に転移性前立腺細胞においてEphA2は、拡散性に分布し、そして転移性乳癌細胞においてEphA2は、膜のひだに再分布する。一連の処理方法、例えば免疫組織学的染色又は免疫蛍光顕微鏡検査は、本技術分野で周知であり、そしてEphA2分布を視覚化するために使用されうる。例えば米国特許第5,514,554号(本明細書に援用)を参照のこと。EphA2発現は、EphA2全体又はEphA2タンパク質の断片を検出しうる抗体を使用することにより検出されうる。変更されたEphA2発現の他の検出方法は、EphA2タンパク質をコードするDNA又はRNA配列の検出を含む。
EphA2の過剰発現又は変更された分布を検出するために、EphA2特異的抗体は、たくさんの知られた検出可能な標識、すなわち本願技術分野で知られるような蛍光、放射性又は酵素物質のいずれかにより、共有結合的又は非共有結合的に標識されうる。あるいは、本願発明の抗体に特異的な2次抗体が、知られた検出可能な標識により標識され、そして前記技術においてEphA2特異的抗体を検出するために使用される。
好ましい標識はクロモゲン色素を含む。最も一般的に使用されているものは、3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC)及び3,3′−ジアミノベンジジン・テトラヒドロクロライド(DAB)である。これらは光学顕微鏡検査を用いて検出されうる。さらに好ましくは蛍光標識である。最も一般的に使用されている蛍光標識化合物は、フルオレッセイン・イソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、及びフルオレスカミンである。化学発光及び生物発光化合物、例えばルミノール、イソルミノール、セロマティックアクリジニウム・エステル(theromatic acridinium ester)、イミダゾール、アクリジニウム塩、シュウ酸エステル、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、及びエクオリンも使用されうる。蛍光標識抗体が適切な波長の光に晒されるとき、その存在は蛍光により検出されうる。さらに好ましくは放射性標識である。本発明の抗体の標識に特に有用な放射性同位体は、 3H, 125I, 131I,35S,32P、及び14Cを含む。放射性同位体はガンマ・カウンター、シンチレーション・カウンター又はオートラジオグラフィーを用いるような方法により検出されうる。
抗体を検出できるように標識しうる他の方法は、抗体を酵素に連結し、引き続いてその抗体を酵素免疫測定法(EIA)又は酵素結合免疫測定法(ELISA)に使用することによる。その酵素は、次にその基質に触れたとき、その基質と反応し、そして、例えば分光光度的、蛍光光度的又は視覚的方法により検出されうる化学成分を生じる。抗体を検出可能な状態に標識するために使用されうる酵素は、これだけに制限されることなく、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイド・イソメラーゼ、酵母アルコール・デヒドロゲナーゼ、アルファ−グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオース・リン酸イソメラーゼ、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、アルカリ・ホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコース・オキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、及びアセチルコリンエステラーゼを含む。抗体を標識及び検出する他の方法は、本技術分野で知られ、そして本願発明の範囲の中にある。
実施例1
D7ハイブリドーマにより産生された抗体を、正常な前立腺上皮細胞と転移性細胞の間のEphA2の差異のある発現を検出するために使用した。図1は、さまざまなヒト前立腺細胞株におけるEphA2発現を示す。まず図1Aに触れると、3つの転移性細胞株、LNCAP,DU145、及びPC3をEphA2発現のレベルについて試験する。これら3つの細胞株について、LNCAPは侵襲性が最も少なく、DU145はいくらかより侵襲性であり、そしてPC3は最も侵襲性である。EphA2発現を、D7抗体によるウエスタン・ブロッティングによって測定する。図1Aで理解されうるように、EphA2発現は、侵襲性と確かに相関する。
図1Bにおいて、D7抗体を、形質転換細胞における発現との比較として、正常MLC細胞におけるEphA2発現の試験に使用する。正常MLC細胞、K−Rasにより形質転換されたMLC細胞、及びX線照射により形質転換されたMLC細胞を試験した。図1Bで理解されうるように、EphA2は、両形質転換細胞株において過剰発現されている。図1Cは、正常細胞が267B1であることを除いて、図1Bに類似した結果を示す。図1Bと同様に、図1Cは、EphA2は形質転換細胞において過剰発現されていることを示す。つまり図1は、EphA2特異的抗体が転移性細胞における変化を検出し、そしてそれらの抗体を用いた試験が転移の侵襲性のレベルを示すことを証明する。
実施例2
EphA2抗体を、転移性乳房細胞における変更されたEphA2発現を検出するために使用する。EphA2は正常乳房上皮細胞において発現される。図2は、乳癌細胞株における変更されたEphA2発現を説明する。図2で理解されるように、D7抗体を用いた全細胞溶解物からのウエスタン・ブロットは、非転移性乳房腫瘍から得られた細胞(ZR75−1,BT474,SKBR3)においてEphA2発現が全く存在しないことを明らかにする。それに反して、EphA2は、転移性乳癌細胞株(MDA−MB−435,MDA−MB−231)において過剰発現されている。したがってEphA2抗体は、転移性の診断に使用されうるところの、乳癌細胞における変更されたEphA2発現を検出する。さらに非転移性乳房上皮細胞において、EphA2の欠損が疾患の早期に発生し、そのため、たとえ他の知られたマーカーが正常状態を維持するときでも、EphA2特異性抗体による検査は、侵襲性に関係のある情報を提供する。したがって、D7抗体は、たとえ疾患の早期段階であっても、診断薬として有効である。
実施例3
他の抗体と組合わせた状態でEphA2抗体は、EphA2発現におけるさらなる変化の検出に使用される。実施例2において先に述べたとおり、D7を用いたウエスタン・ブロットは、非転移性腫瘍がEphA2の発現を欠き、そして転移性細胞がEphA2を過剰発現していることにより、非転移性と転移性腫瘍を識別しうる。しかしながら、チロシン・リン酸化を調べると、異なる結果が見出された。リン酸化チロシン特異的抗体を用いることで、EphA2は正常細胞においてリン酸化されているが、しかし転移性細胞ではリン酸化されていないことが発見された。したがって、EphA2特異的抗体は、転移性と非転移性乳房腫瘍細胞の差異を質的に検出できるのに対して、EphA2特異的抗体及びリン酸化チロシン特異的抗体の両方を組込んだ診断薬は、正常、非転移性、及び転移性乳房細胞を識別するための高感度の検査を提供する。
実施例4
免疫蛍光標識されたEphA2特異的抗体は、形質転換細胞におけるEphA2発現の再分布を検出する。この実施例で使用したEphA2特異的抗体は、B2D6として知られる細胞株により産生され、そしてこれらの抗体は、EphA2の細胞外エピトープに特異的である。図3Aで見られるように、B2D6による免疫蛍光発光は、EphA2が正常細胞において細胞−細胞接触部位に見出されることを証明する。しかしながら、図3Bに示される形質転換細胞においては、EphA2は、再分布されている。さらに、転移性細胞におけるEphA2は、膜のひだに見出される。同様に正常な前立腺上皮細胞において、EphA2は細胞接着部位に見出されるが、しかし転移性前立腺上皮細胞において、EphA2は、過剰発現され、そしてその発現は拡散性に分布している。したがって、EphA2特異的抗体を用いた免疫蛍光発光は、形質転換及び腫瘍細胞の転移の状態を診断するためのさらなる方法を提供する。
実施例1〜4に示すとおり、転移性細胞におけるEphA2の過剰発現、再分布、及びリン酸化は、EphA2特異的抗体を用いた、転移性腫瘍の診断のためのさまざまな基礎を提供する。免疫組織化学又はウエスタン・ブロッティングは、患者の乳房組織、前立腺組織又は他の腫瘍からの組織の生検サンプルにおけるEphA2発現の変化を観察するために使用されうる。さらに、D7及び他のEphA2特異的抗体は、転移性の徴候であろうところの、EphA2の変更された発現を検出するために血漿、尿、及び他の体液の検討に使用されうる。EphA2発現の変化に関係する情報と組合わせて、EphA2の変更されたチロシン・リン酸化の検出は、転移性疾患の診断をさらに助ける。
本発明は、好ましい態様、バリエーション及び変更に対する言及について詳細に記載されているが、それらは先の請求項に記載され、そして定められた本発明の範囲及び本質の中に存在する。
Figure 2007291140
Figure 2007291140
図1A〜Cは、ヒト前立腺細胞から得られた細胞株におけるEphA2発現を示す一連のウエスタン・ブロットを示す。図1Aは、さまざまなヒト前立腺癌細胞株におけるEphA2発現を示すウエスタン・ブロットである;図1Bは、ヒト前立腺上皮細胞株MLCにおけるEphA2発現及び癌遺伝子K−Ras又はX線照射による形質転換後の上記細胞株におけるEphA2発現を示すウエスタン・ブロットである;図1Cは、ヒト前立腺上皮細胞株267B1における発現及び癌遺伝子K−Ras又はX線照射による形質転換後の上記細胞株における発現を示すことを除いて、図1Bと類似している。 図2は、さまざまなヒト乳房上皮細胞株におけるEphA2の発現を示すウエスタン・ブロットである。 図3A及びBは、免疫蛍光発光の顕微鏡検査により観察された、さまざまな乳房上皮細胞株の細胞膜におけるEphA2の局在を示す。図3Aは、正常なMCF−10A細胞の細胞接着部位におけるEphA2の局在を示す;図3A及びBは、免疫蛍光発光の顕微鏡検査により観察された、さまざまな乳房上皮細胞株の細胞膜におけるEphA2の局在を示し;図3Bは、悪性細胞におけるEphA2の再分布を示す。

Claims (9)

  1. ハイブリドーマ細胞株D7。
  2. 単離されたハイブリドーマ細胞株D7。
  3. ハイブリドーマ細胞株D7によって産生されたモノクローナル抗体。
  4. ハイブリドーマ細胞株D7によって産生された、単離されたモノクローナル抗体。
  5. EphA2の細胞内エピトープに特異的に結合する抗体の製法であって、以下の
    (a)チロシン・リン酸化タンパク質を哺乳動物のリンパ節近位に注射し、
    (b)リンパ節細胞を上記哺乳動物から採取し、
    (c)リンパ節細胞をミエローマ細胞と融合させ、ハイブリドーマを形成し、
    (d)EphA2の細胞内エピトープに結合する抗体を産生する少なくとも1つのハイブリドーマを選び、そして
    (e)抗体を単離する、
    ステップを含む上記製法。
  6. 前記抗体が、モノクローナル抗体D7によっても認識される抗原を認識する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記チロシン・リン酸化タンパク質がEphA2を含む、請求項5又は6に記載の方法。
  8. ミエローマ細胞がBcl-2を過剰発現している、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法により作製された抗体。
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