JP5265140B2 - 卵巣癌の検出方法及び検出用キット - Google Patents

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Description

本発明は、卵巣癌の検出方法と、当該方法に基づく癌検出用キットに関する発明である。より具体的には、特定の生体関連蛋白質の自己抗体を検出することにより、卵巣癌の診断を行い、さらに、卵巣癌治療の予後のモニタリングや、抗癌剤に対する感受性のスクリーニングを行うことが可能な卵巣癌の検出方法と、当該方法に基づく癌検出用キットに関する発明である。
近年わが国においては、卵巣癌の発生頻度が増加傾向を示している。日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会の報告では、卵巣癌は2004年度における全婦人性器癌の18.5%を占めるに至っている(日産婦誌、58:1696, 2006)。卵巣癌も他の癌と同じく、早期発見が、有効な治療のために必要であるが、卵巣癌の原発巣は、骨盤内に存在するため、自覚症状が出にくく、進行して初めて見つかることが少なくない。また、卵巣では様々なタイプの腫瘍が発生するため、良性の卵巣腫瘍と悪性の卵巣腫瘍との鑑別も重要である。しかしながら、CA125やCA19−9等の従来の腫瘍マーカーは、卵巣癌の早期発見や良性腫瘍との鑑別において感度と特異性に問題があり、新たなマーカーの開発が望まれている。なお、卵巣癌には多様な組織型があるが、本邦において特徴的なことは、明細胞腺癌の増加である。明細胞腺癌は、既存の抗癌剤に抵抗性であり、他の組織型の卵巣癌に比べて予後不良と言われており、早期発見の必要性が特に認められている。
従来からの癌マーカーとしては、癌に伴い増加する血中蛋白質を指標として用いる形態が広く知られている。すなわち、種々の癌患者の体液中に、多くの種類の細胞性蛋白質が増加して存在することが示されており[Gold P. et al.,1965, J.Exp.Med.121:439-462(非特許文献1);Gold P. et al.,1965, J.Exp.Med.121: 467-481(非特許文献2);Bast RC.Jr.et al.,1983,N.Engl.J.Med.309: 883-887(非特許文献3);
Barry MJ.,2001,N.Engl.J.Med.344:1373-1377(非特許文献4)]、このような癌患者における細胞性蛋白質のレベル上昇により、当該細胞性蛋白質の体液検体における定量値又は定性結果を、癌の存在の指標(癌マーカー)として用いることが可能となる。例えば、前立腺特異抗原(PSA)の血清レベルの上昇は、ヒト前立腺癌存在の指標として一般的に使用されている。
また、最近になって、「自己抗体」を癌マーカーとして用いる試みがなされている。自己免疫疾患や心血管系疾患では、明らかな症状を示す以前に、正常または修飾された細胞性蛋白質に対する自己抗体が、患者自身により生産され得ることが知られている。これに加えて、種々の癌患者においても、多くの細胞内及び表面抗原に対する抗体が同定されており、ヒトの癌に対する液性免疫応答について報告されている[Gourevitch et al., 1995, Br.J.Cancer 72:934-938(非特許文献5); Yamamoto et al., 1996, Int.J.Cancer, 69:283-289(非特許文献6); Stockert et al., 1998, J.Exp.Med. 187:1349-1354(非特許文献7); Gure et al., 1998, Cancer Res. 58:1034-1041(非特許文献8)]。例えば、体細胞のp53遺伝子の変化は、影響を受けた患者の30‐40%に液性免疫応答を引き起こすことが知られている(Soussi,1996,Immunol.Today 17:354-356:非特許文献9)。また、抗p53抗体の検出が癌の診断に先行することも報告されている[Lubin et al., 1995, Nat.Med. 7:701-702(非特許文献10); Cawley et al., 1998, Gastroenterology 115:19-27(非特許文献11)]。また、米国特許第5405749号公報(特許文献1)においては、癌による網膜疾患自己抗原のスクリーニング法及び自己抗原に対する自己抗体に関する患者血清の試験方法が開示されている。さらに、腫瘍細胞骨格蛋白質の相対的合成速度の増加が、白血病細胞の表面、変異原及びEpstein-Barrウイルスにより形質転換したリンパ球の表面において観察されたことが報告されている(Bachvaroff, R.J. et al.,1980, Proc. Natl. Acad. Sci. 77:4979-4983:非特許文献12)。
現在まで確認されている液性免疫応答を引き起こす、癌由来の抗原のほとんどは、変異遺伝子の産物ではなく、種々の抗原及び腫瘍に過剰発現している遺伝子産物を含んでいる(Old and Chen,1998,J.Exp.Med.187:1163-1167:非特許文献13)。ただし、個別抗原に対する液性応答が、特定種類の癌患者のみに認められる理由は明らかとはなっていない。
米国特許第5405749号公報 Gold P. et al.,1965,J.Exp.Med.121:439-462 Gold P. et al.,1965,J.Exp.Med.121: 467-481 Bast RC.Jr.et al.,1983,N.Engl.J.Med.309: 883-887 Barry MJ.,2001,N.Engl.J.Med.344:1373-1377 Gourevitch et al.,1995, Br.J.Cancer 72:934-938 Yamamoto et al.,1996,Int.J.Cancer,69:283-289 Stockert et al., 1998, J.Exp.Med. 187:1349-1354 Gure et al.,1998, Cancer Res.58:1034-1041 Soussi,1996,Immunol.Today 17:354-356 Lubin et al.,1995,Nat.Med.7:701-702 Cawley et al.,1998,Gastroenterology 115:19-27 Bachvaroff,R.J.et al.,1980, Proc.Natl.Acad.Sci.77:4979-4983 Old and Chen, 1998, J.Exp.Med. 187:1163-1167 Ofofsson, 1999, Cell Signal. 11:545-554 Goto et al., 2006, Oncol.Report 15:1265-1271 Brown et al., 2002, Proteomics 2:76-84 Cui et al., 2005, Mol.Cell Proteomics 4:1718-1724 Vaheri et al, 1997, Curr.Opin.Cell Biol 9:659-666 Ohtani et al, Firm,D.C.,1999, Cancer letter 147:31-38 Wahlstrom et al., 1985, Int.J.Cancer 36:379-382 Bohling et al.,1996,Am.J.Pathol.,148:367-373 Akisawa et al., 1999, Biochem.Biophys.Res.Commun. 258:395-400 Ohtani et al., 2002, Cancer Lett. 179:79-86 Moilanen et al., 2003, Gynecol.Oncol., 90:273-281 Kobel et al., 2006, Int.J.Gynecol.Pathol. 25:121-130 Sheper RJ. et.al., 1993, Cancer Res. 53: 1475-1479 Izquierdo MA. et.al., 1996, Int. J. Cancer. 65: 230-237 Komarov PG. et.al., 1998, Oncol.Res. 10: 185-192 Siva AC. et.al., 2001, Int.J.Cancer. 92: 195-202 Arts HJ. et.al., 1999, Clin. Cancer Res. 5: 2798-2805 Sen S. et.al., 1997, Proc. Natl.Acad .Sci. U .S .A.,94: 6164-6169 Rodova M. et.al., 1999, Biochem Biophys Res Commun. 255: 765-773
上述のように、本発明が解決するべき課題は、特に早期の発見の必要性が認められる明細胞腺癌を含め、卵巣癌に対する鋭敏性に優れた自己抗体マーカーを見出し、これを基にした卵巣癌の検出方法と癌検出用キットを提供することにある。
本発明者らは、卵巣癌の指標となり得る「自己抗体」についての検討を行った結果、(1)GDI(RhoGDP dissociation inhibitor)、(2)Ezrin(Villin-2)、(3)MVP(major vault protein)、及び、(4)PheRS(phenylalanyl-tRNA synthetase)の4種類の蛋白質に対する自己抗体が、明細胞腺癌を含む卵巣癌患者の体液検体において認められることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、体液検体における、GDI、Ezrin、MVP、及び、PheRSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の蛋白質の全部若しくは一部に対する抗体の検出を行い、当該抗体量に応じて増加する検出値が、標準の検出値よりも大きな値である場合、若しくは、標準では検出されないにもかかわらず検出された場合に、これらを被験者における卵巣癌の存在又は卵巣癌への進行の即時的な若しくは経時的な指標とする、卵巣癌の検出方法(以下、本検出方法ともいう)、並びに、本検出方法を行うための卵巣癌検出用キット(以下、本検出用キットともいう)、を提供する発明である。
「体液検体」とは、文字通り、ヒト(女性)の体液そのもの、又は、体液に適切な処理を施して提供される検体を意味するものであり、典型的には、血液検体、さらに、リンパ液、腹腔水、胸水、尿、だ液等を挙げることができる。これらの中でも最も好適なものは、血液検体であり、血液検体としては、血清若しくは血漿が適切なものとして挙げられ、最も適切な血液検体として、血清が挙げられる。「抗体」とは、実質的には、卵巣癌に関連して体液検体において認められる、上述した「自己抗体」を意味するものであり、クラスやサブクラスには全く限定されない。
<自己抗原蛋白質>
本発明における「自己抗原蛋白質」、すなわち、検出対象となる自己抗体の抗原となる蛋白質は、上述したように、(1)GDI、(2)Ezrin、(3)MVP、及び、(4)PheRSの4種類の生体由来の蛋白質である。なお、ここで「蛋白質」は、アミノ酸のみがペプチド結合してなるものの他に、これを主鎖として、糖鎖、リン酸基、メチル基、アセチル基等により修飾されているものも含まれることとする。特に、癌の自己抗原となる蛋白質は、このような修飾蛋白質である可能性が比較的高く、血液等の体液検体中の自己抗体の抗原決定基が、これらの修飾分子を含む場合もあり得る。
(1)GDI(RhoGDP dissociation inhibitor)は、Rho GTPaseの中心的制御因子であり、主として、GDPがRho GTPaseから解離するのを阻害することによって、 Rho GTPaseの活性化を抑制する役割を生体内において担っていることが知られている。また、GDIは、Rho GTPase やRacとの相互作用を通して細胞骨格再構成に関わり、腫瘍細胞の浸潤や転移に関連することが知られている(Ofofsson, 1999, Cell Signal. 11:545-554:非特許文献14)。さらに、そのアミノ酸配列とそれをコードする遺伝子の塩基配列も公知である(GenBank accession number P52565:配列番号1(アミノ酸配列))。卵巣癌においては、GDIの発現レベルの上昇は抗癌剤(シスプラチン、パクリタキセル)耐性と相関することが報告されている (Goto et al., 2006, Oncol.Report 15:1265-1271:非特許文献15)。また、浸潤型卵巣癌細胞と非浸潤型卵巣癌細胞の発現蛋白質ディファレンシャル解析により、GDIの発現レベルが浸潤型で特異的に高いことが報告されている (Brown et al., 2002, Proteomics 2:76-84:非特許文献16)。これまで、急性白血病患者血清中において、抗GDI自己抗体が高い割合で存在するという報告があるが(Cui et al., 2005, Mol.Cell Proteomics 4:1718-1724:非特許文献17)、卵巣癌患者の体液検体における抗GDI自己抗体についての報告はこれまで認められていない。
(2)Ezrin(Villin-2)は、Ezrin-radixin-moesin(ERM)familyに属する、膜−細胞骨格結合因子であり、そのアミノ酸配列とそれをコードする遺伝子の塩基配列は公知である(GenBank accession number NP_003370:配列番号2(アミノ酸配列))。ERM familyは、CD44などの細胞接着分子とアクチンフィラメントの結合を制御することによって、細胞形態、細胞運動、細胞接着を調節する役割を担っている(Vaheri et al, 1997, Curr.Opin.Cell Biol 9:659-666:非特許文献18)。さらに、近年、ERM蛋白質は、腫瘍の進行過程においてそれぞれ異なる機能をもつことが明らかになってきている。同じERM familyであるmoesinが腫瘍抑制機能を示すのに対して、Ezrinは、癌細胞の増大、形態変化、浸潤を促進させることが示されている(Ohtani et al, Firm,D.C.,1999, Cancer letter 147:31-38:非特許文献19)。また、腎や脳など複数のヒト上皮性癌でEzrinの発現が上昇していることが報告されている(Wahlstrom et al., 1985, Int.J.Cancer 36:379-382:非特許文献20; Bohling et al.,1996,Am.J.Pathol.,148:367-373:非特許文献21; Akisawa et al., 1999, Biochem.Biophys.Res.Commun. 258:395-400:非特許文献22)。卵巣癌におけるEzrinの発現レベルと癌の悪性度の相関に関する報告も複数認められ、特に、Ezrinの発現量と生存期間が負の相関を示すという報告は多い(Ohtani et al., 2002, Cancer Lett. 179:79-86:非特許文献23; Moilanen et al., 2003, Gynecol.Oncol., 90:273-281:非特許文献24; Kobel et al., 2006, Int.J.Gynecol.Pathol. 25:121-130:非特許文献25)。しかしながら、卵巣癌患者血清中の抗Ezrin自己抗体の存在についての報告はこれまで認められない。
(3)MVP(LRP:lung resistance protein) は vault と呼ばれる高度に保存されたリボ核蛋白質粒子の主たる構成分子であり、そのアミノ酸配列とそれをコードする遺伝子の塩基配列は公知である(GenBank accession number AAH15623:配列番号3(アミノ酸配列))。MVPは多くの種類の腫瘍細胞において発現が認められており、特に抗癌剤に抵抗を示す細胞においてその発現レベルが上昇していることが報告されている(Sheper RJ. et.al., 1993, Cancer Res. 53: 1475-1479:非特許文献26; Izquierdo MA. et.al., 1996, Int. J. Cancer. 65: 230-237:非特許文献27; Komarov PG. et.al., 1998, Oncol.Res. 10: 185-192:非特許文献28; Siva AC. et.al., 2001, Int.J.Cancer. 92: 195-202:非特許文献29)。また卵巣癌においてもMVPの発現が74−77%で認められ、その発現が抗癌剤への反応性の指標となる可能性があることが示唆されている(Arts HJ. et.al., 1999, Clin. Cancer Res. 5: 2798-2805:非特許文献30)。しかしながら、卵巣癌におけるMVPに対する自己抗体の報告は認められない。
(4)PheRS (phenylalanyl-tRNA synthetase)
PheRS は蛋白質合成過程においてPhe-tRNAの合成を担う分子であり、そのアミノ酸配列とそれをコードする遺伝子の塩基配列は公知である(GenBank accession number AAD02220:配列番号4(アミノ酸配列))。腫瘍とPheRSとの関連についての報告は少なく、わずかに骨髄性白血病とその発現との関連性を示唆する報告が認められるのみで(Sen S. et.al., 1997, Proc. Natl.Acad .Sci. U .S .A.,94: 6164-6169:非特許文献31; Rodova M. et.al., 1999, Biochem Biophys Res Commun. 255: 765-773:非特許文献32)、卵巣癌との関連性の報告はこれまで認められない。
本発明において、上記の自己抗原蛋白質の全部又は一部は、本検出方法を行う上で、必須の要素として用いられる。なお、当該蛋白質の全部とは、文字通り、公開されている当該蛋白質の全アミノ酸配列が含まれることを意味するものであり、前述したように、当該全アミノ酸配列を一部に含む当該全蛋白質の修飾体も含まれる。また、当該蛋白質の一部とは、公開されている当該蛋白質の全アミノ酸配列の一部が欠失し、置換され、又は、異種のアミノ酸配列が挿入されている改変蛋白質のことを意味する。本発明においては、卵巣癌により体液検体に存在する自己抗体が特異的に結合する蛋白質であれば、「自己抗原蛋白質の全部又は一部」に該当することとする。なお、このようなアミノ酸配列の改変を、蛋白質の本質的な抗原性を変更せずに行うことは、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)の間で既に認識されていることであり、当該改変を行うことに、当業者としての特別な努力は必要とされるものではない。
これらの自己抗原蛋白質の由来は、特に限定されるものではないが、各々の蛋白質が微量蛋白質であることを考慮すると、天然物からの抽出物ではなく、蛋白工学的に製造される組換え蛋白質であることが、自然であり、かつ、好適である。この組換え蛋白質の製造は、常法によって行うことが可能であり、例えば、公開された上記の自己抗原蛋白質をコードする遺伝子配列の情報に基づき、遺伝子増幅用プライマーを作出し、当該増幅用プライマーを基に、PCR法等の遺伝子増幅方法を、例えば、ヒトゲノムDNA、卵巣癌細胞のゲノムDNA、mRNA等を鋳型として行い、これにより得られる遺伝子増幅産物で、細菌、昆虫細胞、哺乳動物細胞等から選ばれる宿主細胞を形質転換して、当該形質転換体から産生される所望の自己抗原蛋白質を、常法の精製手段により精製することにより得ることが可能である。また、この際に、必要に応じて、種々のアミノ酸の改変手段を遺伝子レベルで行い、上述した改変蛋白質を製造することも可能である。なお、血液等の体液検体中の自己抗体の抗原決定基に修飾分子が含まれる可能性を考慮すると、上記の宿主細胞は、哺乳動物細胞又は昆虫細胞であることが好適である。
<本検出方法>
本検出方法は、被験者の体液検体に、上述した4種類のうち1種以上自己抗原蛋白質を、それぞれが区別可能な状態にて接触させることにより、当該体液検体中の自己抗体と対応する自己抗原蛋白質が、抗原抗体反応により結合する。そして、当該結合を検出することにより、当該体液検体中の卵巣癌の指標となる自己抗体の存在を、定量的に又は定性的に見出すことができる。本検出方法は、体液検体中の自己抗体を検出可能な態様である限り、特に、その具体的な検出手法は限定されず、固相法を選択することも、バッチ法を選択することも可能であるが、一般的には固相法を用いることが好適である。具体的に行うことが可能な方法としては、ウエスタンブロット法、放射免疫測定法、ELISA等の酵素免疫測定法、免疫沈降測定法、沈降反応、ゲル拡散測定法、ラテックス凝集法、比濁法、補体結合測定法、免疫放射定量測定法、フローサイトメトリー法、Luminex等を用いた多重測定法、マイクロチップ法、蛍光免疫測定法、蛋白A免疫測定法等を例示することができる。
検出シグナルは、特に限定されず、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の発色性酵素(EIA、ELISAによる);フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、Cy3、フィコエリトリン等の蛍光色素;ルシフェリン、ルシフェラーゼ、エクオリン等の発光色素;又は、放射性同位体(RIAによる)等を必要に応じて選択可能である。具体的には、シグナル要素は、これらの検出シグナルが標識された抗ヒト抗体を挙げることができる。また、自己抗原蛋白質を担持したラテックス粒子を、体液検体内の自己抗体量に応じて凝集することにより変化する濁度を検出するためのシグナル要素とすることもできる。また自己抗原蛋白質を標識してリバースサンドイッチ法等で自己抗体を検出することも可能である。
この体液検体における上述した4種類の蛋白質のうち1種以上に対する陽性シグナルが検出された場合、すなわち、体液検体中において、検出対象となる自己抗体量に応じて増加する検出値が、標準の検出値よりも大きな値である場合、若しくは、標準では検出されないにもかかわらず検出された場合には、被験者における卵巣癌のリスクが高い状態であることが示される。「卵巣癌のリスクが高い」とは、即時的指標として考える場合、すなわち、はじめての卵巣癌に関する検診を行う過程において、本検出方法又は本検出用キットを適用する場合に、既に、卵巣癌に罹患していること、若しくは、卵巣癌の前癌状態である可能性が高いことを意味するものである。また、経時的指標(モニタリング指標)として考える場合、すなわち、既に、手術や化学療法等の卵巣癌の治療を行った患者において、本検出方法又は本検出用キットを適用する場合に、卵巣癌の再発や悪化が予見又は検出されること、さらには、抗癌剤の効果が認められないこと、等を意味するものである。
本検出方法を用いて検出可能な卵巣癌は、悪性腫瘍であれば限定されないが、従来の診断法での検出率が低いことが問題となっている卵巣明細胞腺癌を、最も鋭敏に検出可能である。
本検出用キットは、少なくとも、上述した4種類の自己抗原蛋白質のうち1種類以上を必須の要素として含有する、本検出方法を実施するための卵巣癌検出用キットである。
本発明により、体液検体における特定の自己抗体を癌マーカーとして用いる、卵巣癌、特に、卵巣明細胞腺癌を検出可能な、鋭敏な卵巣癌の検出方法、及び、検出用キットが提供される。
<本検出方法>
上述したように、本検出方法は、固相法で行うことが好適である。この場合、固相化する対象は、好適には、上記の自己抗原蛋白質の全部又は一部であり、当該自己抗原蛋白質に、被験者の体液検体を、そのまま、又は、適切な緩衝液等により希釈された状態にて接触させて、当該検体中の検出対象となる自己抗体を固相上の自己抗原蛋白質に抗原抗体反応により結合させ、当該結合体に対して、例えば、これに標識を施した抗ヒト抗体(二次抗体)を接触させて、洗浄後、固相上に残存した標識をカウントすることにより、これを検出対象となる自己抗体の存在シグナルとして検出することができる。なお、ここで述べた二次抗体を非標識として、これに対し、さらに標識した三次抗体を接触させて、三次抗体の標識を自己抗体の存在シグナルとすることも可能である。
ここで用いる固相の素材は、蛋白質を固定することが可能な素材であれば特に限定されない。例えば、プラスチック、ガラス、金属、炭素繊維、ゴム(ラテックス)等を自由に選択することが可能である。また、固相の形状も、プレート状、カラム状、粒子状等を必要に応じて自由に選択することができる。代表的な固相の形態として、凹部が多数設けられた多孔プレート、微細な蛋白質の定着部が設けられているマイクロチップ、ラテックス粒子等を挙げることができる。これらの固相の検出部、すなわち、多孔プレートの凹部、マイクロチップの蛋白の定着部、ラテックス粒子表面に、自己抗原蛋白質を、それぞれの態様に応じた常法を用いて、当該蛋白質の全部又は一部が表面に露出した形態にて固定を行うことで、所望する自己抗原蛋白質が担持された固相体を得ることができる。また、当該固相体においては、担持されている自己抗原蛋白質が、上述した4種類のうち、いずれの蛋白質であるのかが、同一の固相体又は異なる固相体において明瞭な状態にて担持されていることが必要である。同一の固相体であれば、例えば、多孔プレートにおいて、孔毎に担持されている自己抗原蛋白質の種類が明らかになっている状態、マイクロチップであれば、チップの微細な定着部毎若しくは複数の定着部からなる定着領域毎等に担持されている自己抗原蛋白質の種類が明らかになっている状態等を意味する。異なる固相体であれば、固相体毎に担持されている自己抗原蛋白質の種類が異なり、かつ、明らかになっている状態を意味する。上記の明瞭な状態とは、視覚的に明瞭な状態が主要な態様として挙げられるが、他の手段により明瞭性が担保されていてもよい。
被験者の体液検体を接触させた上記の固相体に対して、適切なシグナル要素、例えば、上述した発色性酵素、蛍光色素、発光色素、又は、放射性同位体が担持された抗ヒト二次抗体若しくは同三次抗体を施して、あるいは、ラテックス粒子の凝集による濁度を検出して、選択したシグナルの強弱若しくは有無により、当該体液検体中の上記の4種類のうち、1種類以上の蛋白質に対する自己抗体の存在の多少若しくは有無を明らかにすることができる。
そして、上記の過程により明らかとなった、体液検体中の上記の4種類のうち1種類以上の蛋白質に対する自己抗体量に応じて増加する検出値が、標準の検出値よりも大きな値である場合、若しくは、標準では検出されないにもかかわらず検出された場合に、これらを被験者における卵巣癌の存在又は卵巣癌への進行の、即時的な若しくは経時的な指標とすることができる。
<本検出用キット>
ここに記載した態様の本検出方法を実施するための検出用キットは、上記の固相体、すなわち、「GDI、Ezrin、MVP、及び、PheRSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の蛋白質の全部若しくは一部が表面露出し、かつ、いずれの種類の蛋白質の全部若しくは一部が固定されているかが明瞭な状態にて担持されている固相担体」を必須の要素として含む、卵巣癌検出用キットである。また、当該キットにおいては、好適には、当該1種又は2種以上の生体内蛋白質に対して結合した抗体を検出するためのシグナル要素、具体的には、発色性酵素、蛍光色素、発光色素、又は、放射性同位体が担持された抗ヒト抗体、あるいは、上記生体内蛋白質を担持したラテックス粒子等を含有する。
その他、体液検体の希釈用溶媒、コントロール抗体、洗浄液、反応チューブ等を選択的要素として含有することもできる。
このようにして構成される本検出用キットを用いて、本検出方法を行うことにより、効率的に卵巣癌の検出を行うことができる。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。ただし、本実施例は例示であり。本発明の範囲を限定するものではない。
(1)細胞の培養
明細胞腺癌患者由来の細胞株RMG−1は、10%FBS(ニチレイ)及び1%Antibiotic Antimycotic (GIBCO)を含む、Ham’s F12 (GIBCO)を培地として用いて37℃、5%CO条件下で培養した。また、明細胞腺癌患者由来の細胞株ES−2は、10%FBS(ニチレイ)及び1%Antibiotic Antimycotic (GIBCO)を含む、McCoy’s 5A (GIBCO)を培地として用いて、37℃、5%CO条件下で培養した。
(2)細胞抽出液の調製
上記(1)で得たそれぞれの培養細胞を、PBSで2回洗浄し回収した。次いで、可溶化緩衝液(40mM Tris-base, 8M 尿素、4%CHAPS)を加えた後、超音波破砕することにより細胞を可溶化して、細胞抽出液とした。当該細胞抽出液は、蛋白質濃度を測定した後、使用するまで−80℃にて保存した。
(3)二次元電気泳動及びウエスタンブロット
二次元電気泳動は複雑な混合物中の蛋白質を分離するために使用する、当業者にはよく知られた方法である。第一段階の電気泳動は一般に電荷に基づいて蛋白質を分離するものであり、第二段階の電気泳動は分子量に基づいて蛋白質を分離する。
上記(2)において精製した、RMG−1及びES−2の細胞抽出液各50μgずつ、計100μgに、Destreak Rehydration 緩衝液(GE)、IPG緩衝液 (pH3-11 NL) (GE)及びDTTを加えた後、両性担体のチューブゲル(pH3-11 NL)(GE)上に添加した。一晩、当該ゲルを膨潤させた後、3500Vで5時間、第一次元の等電点電気泳動を行った。第一次元のチューブゲルをSDS平衡化緩衝液(50mM Tris-Hcl(pH8.8)、6M Urea、30% Glycerol、2%SDS、ブロモフェノールブルー)で平衡化、かつ、アルキル化した後、二次元ゲルを含有するカセットに添加した。SDS−PAGEを使用した二次元電気泳動は、5−20%アクリルアミドゲルを使用し、SDS平衡化緩衝液に含まれるトラッキング色素がゲルの反対側に到達するまで行った。
二次元電気泳動後、分離した蛋白質をPVDF膜(ミリポア)に転写し、この膜をブロッキングバッファー(5%スキムミルク、PBS−T(0.1% Tween20))に浸して2時間インキュベートを行った。次いで、PBS−Tで膜の洗浄を行い、この後、ブロッキングバッファーで1:500に希釈した患者血清、又は、対照血清に浸し、室温で3時間インキュベートを行った。この後、PBS−Tで洗浄し、膜をホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ヤギ抗−ヒト抗体(コスモバイオより入手可能)と共に一時間インキュベートした後、反応性の蛋白質を化学発光法により明らかにした。
(4)蛋白質の同定
図1は、RMG−1及びES−2の細胞抽出液を二次元電気泳動後、患者血清又は健常者血清でウエスタンブロットをおこなった図である。対照血清群においては反応が認められないが、癌患者血清群において反応が確認される蛋白質が多数あることが確認された。これらの蛋白質は質量分析用にPVDF膜に転写した蛋白質をクマシーブルー染色することにより可視化し、該当する蛋白質を膜から切り出し、質量分析計により、蛋白質の同定を行った。この内の4種類の蛋白質が、GDI、Ezrin、MVP、PheRSであった(図1)。
(5)バキュロウイルストランスファーベクター及び大腸菌発現ベクターの作製
GDI及びEzrinの組換え蛋白質の作製は、データベース情報をもとにPCR法によるクローニングにより行った。使用した遺伝子増幅用プライマーは、GDIが、配列番号5及び配列番号6で表されるオリゴヌクレオチドであり、Ezrinが、配列番号7及び配列番号8で表されるオリゴヌクレオチドある。また、遺伝子下流に6個のヒスチジンタグ(His−Tag)が融合するように作製した。鋳型となる遺伝子は、RMG−1及びES−2から常法通りRNAを抽出し、oligo dT又はランダムプライマーを用いて逆転写して得たcDNAを用い、常法に従い、遺伝子の増幅を行った。増幅したDNA断片を市販のベクターに組み込み、シーケンスすることにより配列を確認した。このベクタープラスミドを、導入遺伝子領域を切断しない制限酵素で消化し、切り出された遺伝子断片をpVL1392に組み込むことによりトランスファーベクターを作製した。
また、MVP及びPheRSの大腸菌発現ベクターの作製も、上記と同様の方法にて行った。具体的には、使用した遺伝子増幅用プライマーは、MVPが、配列番号9及び配列番号10で表されるオリゴヌクレオチドであり、PheRSが、配列番号11及び配列番号12で表されるオリゴヌクレオチドあることの他は、上記のGDI及びEzrinのトランスファーベクター作製の例に従って、MVP及びPheRSの遺伝子断片を大腸菌発現ベクターであるpETベクターに組み込むことにより作製した。
(6)組換え蛋白質の発現及び精製
常法に従い、トランスファーベクターとバキュロウイルスDNAとを昆虫培養細胞にコトランスフェクションを行い、相同組換えによって組換えバキュロウイルスを作製した。さらに、プラーク純化を行い純化された組換えバキュロウイルスを作製した。作製したGDI、Ezrin組換えバキュロウイルスを昆虫細胞(High5)に感染させ、48時間後に感染細胞を回収した。感染細胞に、プロテアーゼインヒビターを含むPBS、1%Tritonを添加し、超音波破砕することによって得られた細胞抽出液を、ヒスチジンタグに親和性を持つTALON Metal Affinity Resinカラムを通すことにより、組換え蛋白質の精製を行い、次いで、陰イオン交換カラムであるHi TrapQカラムに通すことによって組換え蛋白質を高純度に精製した(図2)。
MVP及びPheRSはそれぞれの発現ベクターを宿主であるBL21(DE3)に導入した後、導入が確認されたシングルコロニーを、アンピシリン入りのLB培地で一晩培養し、この内一部をアンピシリン入りのLB培地でOD600=1.0になるまで培養した後、最終濃度1mMになるようにIPTGを添加した。IPTG添加4時間後に細胞を回収し、8M Ureaで細胞を溶解した後、ヒスチジンタグに親和性を持つTALON Metal Affinity Resinカラムを通すことにより、組換え蛋白質の精製を行った。
(7)各種自己抗体の検出
ELISAによって、各種自己抗体の検出を行った。上記(6)で精製した抗原GDI、抗原Ezrin、抗原MVP、抗原PheRS、及び、対照抗原としてのヒトアルブミン(コスモバイオ)を固相化したプレートを室温で三時間ブロッキングした後、対象とする血清(100倍希釈)と3時間反応させた。洗浄後、ホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ヤギ抗−ヒト抗体を添加、1時間反応させた後、洗浄した。次いで、酵素基質(o−フェニレンジアミン)と反応させ、発色度(酵素反応の強さを吸光度にて表示(図3〜6の縦軸))を測定した。対象抗原の発色度からヒトアルブミンに対する発色度を差し引くことによって、血清中の抗原特異的自己抗体を測定した。GDIに対する自己抗体を測定した結果を図3に、Ezrinに対する自己抗体を測定した結果を図4に、MVPに対する自己抗体を測定した結果を図5に、PheRSに対する自己抗体を測定した結果を図6に示した。
GDIに対する自己抗体は卵巣明細胞腺癌患者及び卵巣明細胞腺癌を合併することが多いとされるチョコレートのう胞患者で陽性率が高かった。Ezrin、MVP、PheRSに対する自己抗体は対照群では低いものの、卵巣癌患者に対する自己抗体陽性率は高かった。
更に、表1に示すように、これらの自己抗体は既知の腫瘍マーカーであるCA19−9やCA125より、悪性の卵巣癌患者と対照群をより明確に分けることが可能であることが確認された。これらの事より、患者血清中の抗GDI抗体、抗Ezrin抗体、抗MVP抗体、抗PheRS抗体価を測定することは、卵巣明細胞腺癌をはじめとする卵巣癌を診断するのに有用な方法であることが判明した。
RMG−1及びES−2の細胞抽出液を二次元電気泳動後、患者血清又は健常者血清でウエスタンブロットをおこなった図である。 組換えタンパク質をTALON Metal Affinity Resinカラム、次いで、陰イオン交換カラムであるHi Trap Qカラムに通し、精製した結果を示す図である。 各種腫瘍患者と健常人におけるGDIに対する自己抗体を測定した結果を示した図である。 各種腫瘍患者と健常人におけるEzrinに対する自己抗体を測定した結果を示した図である。 各種腫瘍患者と健常人におけるMVPに対する自己抗体を測定した結果を示した図である。 各種腫瘍患者と健常人におけるPheRSに対する自己抗体を測定した結果を示した図である。

Claims (11)

  1. 体液検体における、GDI(RhoGDP dissociation inhibitor)に対する抗体の検出を行い、当該抗体量に応じて増加する検出値が、標準の検出値よりも大きな値である場合、若しくは、標準では検出されないにもかかわらず検出された場合に、これらを被験者における卵巣癌の存在又は卵巣癌への進行の即時的な若しくは経時的な指標とする、卵巣癌の検出方法。
  2. 体液検体における、GDI(RhoGDP dissociation inhibitor) に対する抗体の検出を行うとともに、Ezrin(Villin-2)、MVP(major vault protein)、及び、PheRS(phenylalanyl-tRNAsynthetase)からなる群から選ばれる1種又は2種以上の蛋白質の全部若しくは一部に対する抗体の検出を行い、当該抗体量に応じて増加する検出値が、標準の検出値よりも大きな値である場合、若しくは、標準では検出されないにもかかわらず検出された場合に、これらを被験者における卵巣癌の存在又は卵巣癌への進行の即時的な若しくは経時的な指標とする、卵巣癌の検出方法。
  3. GDI、Ezrin、MVP、及び、PheRSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の蛋白質の全部若しくは一部が、組換え蛋白質である、請求項1又は2記載の卵巣癌の検出方法。
  4. 体液検体が血液検体である、請求項1〜3のいずれかに記載の卵巣癌の検出方法。
  5. 血液検体が血清である、請求項記載の卵巣癌の検出方法。
  6. 卵巣癌が卵巣明細胞腺癌である、請求項1〜のいずれかに記載の卵巣癌の検出方法。
  7. GDI、Ezrin、MVP、及び、PheRSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の蛋白質の全部若しくは一部が表面露出し、かつ、いずれの種類の蛋白質の全部若しくは一部が固定されているかが明瞭な状態にて担持されている固相担体に、体液検体を接触させて、当該固相担体に担持された各々の蛋白質と当該体液検体内の抗体の結合を、被験者における卵巣癌の存在又は卵巣癌への進行の指標とする、請求項1〜のいずれかに記載の卵巣癌の検出方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の卵巣癌の検出方法を行うためのGDIの全部若しくは一部を含有することを特徴とする検出キットであって、かつ、Ezrin、MVP、及び、PheRSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の生体内蛋白質の全部若しくは一部を含有することがある、卵巣癌検出用キット。
  9. 請求項に記載の卵巣癌の検出方法を行うための検出キットであって、GDI、Ezrin、MVP、及び、PheRSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の蛋白質の全部若しくは一部が表面露出し、かつ、いずれの種類の蛋白質の全部若しくは一部が固定されているかが明瞭な状態にて担持されている固相担体を含有する、卵巣癌検出用キット。
  10. 前記検出用キットにおいて、GDI、Ezrin、MVP、及び、PheRSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の生体内蛋白質の全部若しくは一部に対して結合した抗体を検出するためのシグナル要素を含有することを特徴とする、請求項8又は9記載の卵巣癌検出用キット。
  11. 前記検出用キットにおいて、シグナル要素が、発色性酵素、蛍光色素、発光色素、又は、放射性同位体が担持された抗ヒト抗体、あるいは、上記生体内蛋白質を担持したラテックス粒子である、請求項10記載の卵巣癌検出用キット。
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