JP2007290883A - フェライト磁器組成物およびそれを用いた積層コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】応力が加わることによる透磁率の低下を軽減することが可能で、しかも950℃以下の温度で焼結させることが可能であり、かつ、高い体積抵抗率を有するフェライト磁器を得ることが可能なフェライト磁器組成物およびそれを用いた積層コイル部品を提供する。
【解決手段】Li0.5xZnyCuzFe(2+0.5x)4(ただし、x+y+z=1)で表され、かつ、x,y,zがそれぞれ、x≧0.30、y≦0.70、z≦0.30の範囲にある物質を主成分とし、これに、ビスマス酸化物を、Bi23として、0.05重量%≦Bi23≦0.50重量%の範囲で含有させる。
また、本願発明の積層コイル部品においては、上記のフェライト磁器組成物を主たる成分とする材料を用いて形成されたフェライト積層体の内部に銀を主成分とする内部導体が配設された構成とする。
【選択図】図3

Description

本願発明は、積層コイル部品などに用いるのに適したフェライト磁器組成物に関し、詳しくは、Liを含む、耐応力性に優れたフェライト磁器組成物および、それを用いた積層コイル部品に関する。
近年、チップ型コイル部品などの電子部品には、磁性体材料として、Liフェライト、Niフェライト、Cuフェライトなどの種々のフェライト材料が用いられている。
そして、Liフェライト、Niフェライト、およびCuフェライトの磁歪の大きさは、Liフェライト<Niフェライト<Cuフェライトの順であることが一般に知られている(非特許文献1参照)。
また、フェライト材料を用いた電子部品である積層コイル部品として、例えば、NiCuZn系フェライトにBi23、Li2OおよびMoO3、Nb25、Ta25、WO3のうちの1種類を複合添加した酸化物磁性材料を用いた積層コイル部品が提案されている(特許文献1参照)。
また、特許文献1には、積層コイル部品を製造するにあたって、830〜900℃にて焼成を行うことが記載されている。
ところで、積層コイル部品においては、内部導体の構成材料として銀が広く用いられており、焼結の際にフェライトと内部導体を構成する銀の収縮率が異なるため、上述のようなフェライト材料を用いた積層コイル部品の場合、焼成の際に発生する内部応力により透磁率が低下して、部品のインダクタンス値が低下するという問題点がある。
この応力による透磁率の低下を軽減するためには、上記非特許文献1より、磁歪の小さいLiフェライトをNiCuZnフェライトに固溶させ、Ni成分をLi成分に置換して、応力による透磁率の低下を軽減すること、すなわち、耐応力性を向上させることが考えられる。
ところが、焼成後に、特性の良好な銀内部導体を備えた積層コイル部品を得ようとすると、焼成温度を銀の融点である950℃以下の温度とすることが必要になる。
しかしながら、950℃以下の温度では、耐応力性を向上させることが可能な程度にまでLiフェライトをNiCuZnフェライトに固溶させ、Ni成分をLi成分に置換させたフェライト材料を十分に焼結させることは困難である。
これに対し、上記特許文献1には、Li2Oが添加されたフェライトを用い、830〜900℃にて焼成を行うことにより積層コイル部品を製造することが可能であることが記載されている。
しかしながら、上記特許文献1の積層コイル部品の場合、フェライトへのLi2Oの添加量が0.04〜0.32重量%と少量であり、このLi2Oの添加量は、LiフェライトをNiCuZnフェライトに固溶させ、Ni成分をLi成分に置換させることにより磁歪の低減を図ることができるような量ではなく、これにより耐応力性を向上させることは困難である。また、特許文献1には、フェライト材料の耐応力性に関して、Li2Oの効果についても具体的な言及はない。
また、Liフェライト焼結体は一般に体積抵抗率が低いことが知られているが、上述の特許文献1では、Li2Oの添加効果としてフェライト材料の体積抵抗率が増大するとの記述があり、この記述からも、特許文献1は、Liフェライトを主成分として利用した、体積抵抗率が低いLiフェライトに関するものではなく、特許文献1の技術を適用して、磁歪の低減を図ることができないことは明らかである。
また、従来のLiフェライト焼結体のように体積抵抗率が低い磁性材料は、高周波帯におけるうず電流損失が大きく、通常、電子部品としての用途が限定されることになる。
したがって、積層コイル用のフェライト磁性材料としては、相当な割合でLi成分を含有し、磁歪の低減を図ることが可能で、しかも体積抵抗率が高く、950℃以下、好ましくは930℃以下で焼結させることが可能なLiフェライトが必要になるが、現時点では、そのようなフェライト磁性材料は得られてはいないのが実情である。
近角聡信他、「磁性体ハンドブック」、朝倉書店、初版第10刷、1993年、pp.850−854 特開 2002−280211号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、応力が加わることによる透磁率の低下を軽減することが可能で、しかも950℃以下の温度で焼結させることが可能であり、かつ、高い体積抵抗率を有するフェライト磁器を得ることが可能なフェライト磁器組成物およびそれを用いた積層コイル部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1のフェライト磁器組成物は、
下記の一般式(1):
Li0.5xZnyCuzFe(2+0.5x)4 ……(1)
(ただし、x+y+z=1)で表され、かつ、x,y,zがそれぞれ、
x≧0.30
y≦0.70
z≦0.30
の範囲にある物質を主成分とし、
前記主成分100重量%に対し、ビスマス酸化物を、Bi23として、
0.05重量%≦Bi23≦0.50重量%
の範囲で含有すること
を特徴としている。
また、請求項2の積層コイル部品は、
請求項1記載のフェライト磁器組成物を主たる成分とする材料を用いて形成されたフェライト積層体と、
前記フェライト積層体の内部に配設された銀を主成分とする内部導体と
を具備することを特徴としている。
本願発明のフェライト磁器組成物は、上述のような組成を有するLiCuZn系フェライト材料に、焼結助剤としてBi23を0.05重量%≦Bi23≦0.50重量%の割合で含有させるようにしているので、応力による透磁率の低下を軽減することが可能な程度にまでLiを含有させているにもかかわらず、950℃以下の温度で焼結させることが可能で、かつ、高い体積抵抗率を有するフェライト磁器を得ることが可能になる。
本願発明のフェライト磁器組成物は、スピネル型の結晶相からなり、
下記の一般式(1):
Li0.5xZnyCuzFe(2+0.5x)4 ……(1)
(ただし、0.3≦x,y≦0.7,z≦0.3,x+y+z=1)
で表される物質を主成分とし、この主成分100重量%に対して、少量添加物としてBi23を0.05〜0.5重量%の範囲で含有させている。
上記一般式において、その組成範囲が限定される理由は以下のとおりである。
まず、xに関しては、x<0.3の場合、透磁率の耐応力特性が従来のNiCuZnフェライトと同等で、特性面での優位性が得られない。
また、zに関しては、0.3<zの場合、実質的に飽和磁化の低いCuフェライトの固溶量が増大するため磁気特性が劣化する。
そして、上述の理由から、xおよびzの割合が定まることにより、yの割合が、y≦0.7に規定されることになる。
また、Bi23含有量に関しては、その量が0.5重量%を超えると、結晶組織が異常粒成長し、体積抵抗率が低下する。
また、Bi23含有量が0.05重量%未満になると、950℃以下の温度で焼結し、かつ、高い体積抵抗率を得ることが困難になる。
したがって、Bi23の含有量は、0.05〜0.5重量%の範囲とすることが望ましい。
上述のように、本願発明のフェライト磁器組成物は、LiCuZn系フェライト材料に焼結助剤Bi23を少量含有させることを特徴とするものであり、これにより低温焼成化と高体積抵抗率化とを同時に実現することが可能になる。
さらに、本願発明のフェライト磁器組成物によれば、外部応力印加による透磁率の低下がNiCuZn系フェライトよりも小さいフェライト磁器を得ることが可能になる。
また、本願発明の請求項2にかかる積層コイル部品は、請求項1記載のフェライト磁器組成物を主たる成分とする材料を用いて形成したフェライト積層体の内部に、銀を主成分とする内部導体が配設された構造を有しており、フェライト積層体を焼成する工程で、950℃以下の低い温度で焼成して、銀を主成分とする内部導体を、過焼結を招くことなく確実に焼結させて、特性の良好な内部導体を形成することが可能になるとともに、フェライト積層体を構成するフェライト材料(本願発明のフェライト磁器組成物)を950℃以下の低い温度で焼成して、十分に焼結させ、所望の特性を発現させることが可能になる。
したがって、効率よく製造することが可能で、特性に優れた積層コイル部品を提供することが可能になる。
すなわち、NiCuZn系フェライトを用いた場合と同等のインダクタンスを示し、かつ、応力によるインダクタンスの低下の少ない、高特性の積層コイル部品を提供することが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
(1)原料としてLi2CO3,CuO,ZnO,Fe23およびBi23の各原料粉末を用意する。
そして、これらの原料粉末を表1に示す組成となるように秤量し、乾式で混合して混合粉末を得た。
(2)それから、この混合粉末を700℃で2時間仮焼することによりLiCuZn系フェライトの仮焼粉を得た。
(3)また、特性比較用の材料として、NiO,CuO,ZnOおよびFe23の各原料粉末を用意し、上記(1),(2)と同様のプロセスで各原料粉末の秤量、乾式混合、仮焼を行い、NiCuZn系フェライトの仮焼粉を作製した。
(4)これらの仮焼粉を水、分散剤および有機バインダーとともにボールミルに入れ、24時間湿式粉砕し、脱泡した後、ドクターブレード法を用いてグリーンシートに成形した。
(5)そして、得られたグリーンシートを複数枚積層後、プレス機を用いて外径20mm,内径12mm,厚さ1.5mmのトロイダルリング形状に打ち抜いた。
(6)それから、このトロイダルリング形状の打ち抜き体を、脱バインダー処理した後、880℃から920℃の所定温度を2時間保持して焼成を行い、フェライト焼結体(試料)を得た。なお、Bi23を含有(添加)していない試料番号1の試料は、920℃では焼結しなかったので940℃で焼結させた。
上述のようにして得た試料番号1〜9の試料について、透磁率および体積抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。体積抵抗率に関しては、表1において、log体積抵抗率(Ωcm)の値を示す。
また、Bi23の含有量の値は、主成分であるLi0.5xZnyCuzFe(2+0.5x)4(フェライト磁器組成物)100重量%に対する重量%の値である。
表1に示すように、Bi23を含有していない試料番号1の試料の場合、log体積抵抗率(Ωcm)が本願発明の要件を備えた試料番号2〜9の試料に比べて小さく、また、透磁率の値も同様に、本願発明の要件を備えた試料番号2〜9の試料に比べて小さいことが確認された。
また、上述のようにして得た試料番号1〜9の試料について、
(a)焼成温度と相対密度の関係、
(b)焼成温度と体積抵抗率の関係
を調べた。
上記(a)の焼成温度と相対密度の関係を図1に示し、上記(b)の焼成温度と体積抵抗率の関係を図2に示す。
なお、特性比較用のNiCuZn系フェライトについて測定した透磁率は170であった。
焼成温度と相対密度の関係をプロットした図1に示すように、Bi23を含有していない試料番号1の試料の場合、920℃では焼結せず、焼成温度を940℃にした場合に相対密度が97%以上の焼結体を得ることができた。
これに対し、本願発明の要件を備えた試料番号2〜9の試料の場合、例えば焼成温度920℃で、相対密度が96%以上の緻密な焼結体が得られることが確認された。
また、焼成温度とlog体積抵抗率(Ωcm)の関係をプロットした図2に示すように、Bi23を含有していない試料番号1の試料の場合、焼結温度880〜940℃の範囲でlog体積抵抗率(Ωcm)の値が7前後と小さくなっているが、本願発明の要件を備えた試料番号2〜9の試料の場合、焼成温度880〜940℃の範囲で、log体積抵抗率(Ωcm)の値が、多くの試料では7.5以上となっていることがわかる。
また、上記(4)の工程で、仮焼粉を水、分散剤および有機バインダーとともにボールミルに入れ、24時間湿式粉砕して得られた粉砕物を乾燥し、36メッシュの網を通して造粒し、得られた粉末を150MPaの圧力で角型のコアに成型した。
それから、これらの角型コアを脱バインダー処理した後、880℃から920℃の所定温度を2時間保持し、焼結体(コア)を得た。
そして、このコア(長さ30mm、幅14mm、厚さ5mm)の長手方向に20ターンの巻き線を施し、コアの長手方向に圧縮応力を印加して、そのインダクタンスの印加応力依存性、すなわち、圧縮応力とインダクタンス変化率の関係を調べた。その結果を図3に示す。
また、特性比較用の、NiCuZn系フェライトを用いて同様に作製した、コアに20ターンの巻き線を施した試料についても、そのインダクタンスの印加応力依存性(圧縮応力とインダクタンス変化率の関係)を調べた。その結果を図3に併せて示す。
図3に示すように、Bi23を含有していない試料番号1の試料の場合、圧縮応力に対するインダクタンスの変化率は小さいことが確認された。しかしながら、試料番号1の試料(材料)は、焼結温度が高く、透磁率の低い、本願発明が意図するような特性を備えていない材料であることは上述の通りである(表1参照)。
また、図3に示すように、特性比較用の、NiCuZn系フェライトを用いて同様に作製した試料の場合、圧縮応力に対するインダクタンスの変化率が大きいことが確認された。
これに対し、本願発明の要件を備えた試料番号2〜9の試料を用いた場合、印加応力に対するインダクタンスの変化率が小さくなることが確認された。
なお、図3においては、特性比較用の試料と、試料番号1,6,7,9の結果のみを示している。
上記実施例1より、本願発明のように、LiCuZn系フェライトに焼結助剤としてBi23を少量含有させることにより、焼成温度を低下させることが可能になる(Bi23を含有していない場合には、焼成温度が940℃であるものを、Bi23を少量含有させることによって、880〜920℃に低下させることが可能になる)とともに、大きな体積抵抗率(例えば108Ωcm以上)を有するフェライト磁器を得ることが可能になることが確認された。
また、透磁率が同等であるNiCuZn系フェライトに比べて、本願発明の、Bi23を含有したLiCuZn系フェライト磁器組成物を用いて作製したフェライト磁器は、外部応力印加時のインダクタンスの低下を2/3以下程度にまで軽減することが可能になり、耐応力性に優れたフェライト磁器を得ることが可能になることが確認された。
この実施例2では、実施例1で作製したフェライト磁器組成物を用いて製造される本願発明の一実施例にかかる積層コイル部品について説明する。
まず、この積層コイル部品の製造方法について、その概要を以下に説明する。
(1)上記実施例1の(4)の工程で作製したグリーンシート(マザーグリーンシート)上に、導電性粉末である銀粉末および有機バインダーを主たる成分とする導電性ペーストを、コイル形成用の内部導体となるべき所定のパターンに印刷する。
(2)そして、このマザーグリーンシートを複数枚積層して、複数の積層コイル部品素子を含むマザー積層体を形成する。
(3)それから、マザー積層体を、切断して、図4に示すように、フェライト積層体1の内部にコイル(銀内部電極)2が配設された構造を有する、個々の積層体(未焼成の積層コイル部品素子3a)に分割する。
(4)次に、未焼成の積層コイル部品素子3aを、脱脂処理した後、910℃で2時間焼成する。
(5)それから、図5に示すように、焼成後の積層コイル部品素子3の、コイル2の両端部2a,2bが露出した両端面13a,13bに導電性ペーストを塗布して、焼き付けることにより外部電極4a,4bを形成する。これにより、図5に示すような構造を有する積層コイル部品10が得られる。
また、特性比較用として、NiO,CuO,ZnOおよびFe23原料を用いて、上記実施例2と同様のプロセスで、NiCuZn系フェライト磁器を磁性体とする、図5に示すような構造を有する積層コイル部品を作製した。
それから、上述のようにして作製した積層コイル部品10を、所定の位置で切断し、磁性体であるフェライト磁器(焼結体)と銀内部導体の界面におけるAg元素の分布状態を、波長分散型スペクトルメータを用いてマッピング分析を行った。その結果を図6、図7および図8に示す。
なお、図6は,実施例1の、Bi23を含有していない試料番号1のフェライト磁器組成物を用いた積層コイル部品、図7は、Bi23を0.50重量%含有した試料番号5のフェライト磁器組成物を用いた積層コイル部品、図8は、特性比較用の、NiCuZn系フェライトを用いた積層コイル部品の、フェライト磁器(焼結体)と銀内部導体の界面におけるAg元素の分布状態のマッピング分析の結果を示している。
なお、図6〜8において、白い部分はAg元素、黒い部分はフェライト焼結体を表す。
図6〜8に示すように、LiCuZn系フェライトにおける、銀内部電極2を構成するAg元素のフェライト磁性体(焼結体)11への分布状態は、Bi23無含有時(試料番号1)、Bi23含有時(試料番号5)とも、特性比較用のNiCuZn系フェライトと同等であり、いずれも、銀内部導体の劣化なしに焼結することができていることがわかる。
したがって、上記実施例1および2により、Bi23を含有したLiCuZn系フェライトは、NiCuZn系フェライトに比べて、同等あるいはそれ以上の特性を実現することが可能な材料であり、積層コイル部品の材料として好適に使用できることが確認された。
なお、本願発明は、上記実施例に限定されるものではなく、一般式:Li0.5xZnyCuzFe(2+0.5x)4(ただし、x+y+z=1)で表される組成におけるx、y,zの値、および、ビスマス酸化物の含有量、積層コイル部品を構成するフェライト積層体の具体的な構成や、銀を主成分とする内部導体の形状や配設態様などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明のフェライト磁器組成物によれば、応力が加わることによる透磁率の低下を軽減することが可能で、しかも950℃以下の温度で焼結させることが可能であり、かつ、高い体積抵抗率を有するフェライト磁器を得ることが可能になる。
また、本願発明の積層コイル部品は、本願発明のフェライト磁器組成物を用いて形成した、応力が加わることによる透磁率の低下が少なく、体積抵抗率の大きいフェライト磁性体を備えているので優れた特性を実現することができる。
したがって、本願発明は、フェライト材料を用いた種々の電子部品、特に積層コイル部品の技術分野に広く適用することが可能である。
本願発明のフェライト磁器組成物の焼結体における、焼成温度と相対密度の関係を示す図である。 本願発明のフェライト磁器組成物の焼結体における、焼成温度と体積抵抗率の値の関係を示す図である。 本願発明のフェライト磁器組成物を用いて形成した角型コアに20ターンの巻き線を施した試料について調べた、インダクタンスの印加応力依存性(圧縮応力とインダクタンス変化率の関係)を示す図である。 本願発明の一実施例にかかる積層コイル部品の製造工程を示す図である。 本願発明の一実施例にかかる積層コイル部品の構造を示す図である。 Bi23を含有していないフェライト磁器組成物(試料番号1)を用いて作製した積層コイル部品の、フェライト磁器(焼結体)と銀内部導体の界面におけるAg元素の分布状態を、波長分散型スペクトルメータを用いてマッピング分析した結果を示す図である。 Bi23を含有させた本願発明のフェライト磁器組成物(試料番号5)を用いて作製した積層コイル部品の、フェライト磁器(焼結体)と銀内部導体の界面におけるAg元素の分布状態を、波長分散型スペクトルメータを用いてマッピング分析した結果を示す図である。 特性比較用の、NiCuZn系フェライトを用いた積層コイル部品の、フェライト磁器(焼結体)と銀内部導体の界面におけるAg元素の分布状態を、波長分散型スペクトルメータを用いてマッピング分析した結果を示す図である。
符号の説明
1 フェライト積層体
2 コイル(銀内部電極)
3 積層コイル部品素子
3a 未焼成の積層コイル部品素子
2a,2b コイルの両端部
4a,4b 外部電極
10 積層コイル部品
11 フェライト磁性体(焼結体)
13a,13b 積層コイル部品素子の両端面

Claims (2)

  1. 下記の一般式(1):
    Li0.5xZnyCuzFe(2+0.5x)4 ……(1)
    (ただし、x+y+z=1)
    で表され、かつ、x,y,zがそれぞれ、
    x≧0.30
    y≦0.70
    z≦0.30
    の範囲にある物質を主成分とし、
    前記主成分100重量%に対し、ビスマス酸化物を、Bi23として、
    0.05重量%≦Bi23≦0.50重量%
    の範囲で含有すること
    を特徴とするフェライト磁器組成物。
  2. 請求項1記載のフェライト磁器組成物を主たる成分とする材料を用いて形成されたフェライト積層体と、
    前記フェライト積層体の内部に配設された銀を主成分とする内部導体と
    を具備することを特徴とする積層コイル部品。
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