JP2007289836A - パターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュール - Google Patents

パターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】液滴の乾燥効率を向上させるとともに、基板やパターンの熱的損傷を軽減させたパターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュールを提供する。
【解決手段】グリーンシート4Sが、400nm以上の可視領域の光と、近赤外領域の光と、を反射する。また、グリーンシート4Sに吐出される金属インクが、400nm〜1200nmの範囲にある波長の光を吸収する。そして、吐出ヘッド21が金属インクを液滴Fbにしてグリーンシート4Sに吐出した後に、半導体レーザLDが着弾した液滴Fbの領域に400〜1200nmの範囲にある波長(808nm)のレーザ光Lを照射する。
【選択図】図7

Description

本発明は、パターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュールに関する。
近年、半導体素子などの電子部品を搭載する回路モジュールには、ガラスセラミックからなる低温焼成セラミックス多層基板(Low Temperature Co−fired Ceramics:LTCC多層基板)を有するものが知られている。LTCC多層基板は、積層したグリーンシートを900℃以下の低温で焼成できるため、内部配線に銀や金などの低融点金属を使用することができ、内部配線の低抵抗化を図ることができる。
こうしたLTCC多層基板の製造工程では、金属ペーストや金属インクを利用し、積層する前の各グリーンシート上に配線パターンを描画する。この描画方法として、特許文献1は、金属インクを微小な液滴にして吐出する、いわゆるインクジェット法を提案している。インクジェット法は、吐出した液滴を接合して配線パターンを描画する。そのため、内部配線の設計変更(例えば、内部配線の高密度化や配線幅及び配線ピッチの狭小化)に対して迅速に対応することができる。
特開2005−57139号公報
しかしながら、インクジェット法では、厚膜の配線パターンを描画する場合、液滴の過剰な濡れ広がりを回避するために、液滴の吐出処理と、液滴の乾燥処理と、を交互に繰り返し、薄膜の配線パターンを所定の膜厚まで積層する。そのため、液滴の乾燥処理を自然乾燥で行うと、乾燥処理に多大な時間を要し、LTCC多層基板の生産性を著しく低下させる問題があった。一方、乾燥炉などを利用して液滴を加熱乾燥すると、加熱乾燥を施すたびに、薄膜の配線パターンの全体とグリーンシートの全体が、それぞれ熱膨張する。この結果、内部配線やグリーンシートに熱的損傷(例えば、クラックなど)を来たす虞があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、液滴の乾燥効率を向上させるとともに、基板やパターンの熱的損傷を軽減させたパターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュールを提供することである。
本発明のパターン形成方法は、パターン形成材料を液滴にして基板に吐出し、前記基板に着弾した前記液滴を乾燥して前記液滴からなるパターンを前記基板に形成するようにしたパターン形成方法において、前記基板に着弾した前記液滴の領域に、前記パターン形成材料に吸収されて前記液滴を乾燥する波長であって、かつ、前記基板に反射される波長のレーザ光を照射して前記パターンを形成するようにした。
本発明のパターン形成方法によれば、基板に反射される波長のレーザ光が、基板に着弾した液滴を乾燥する。よって、基板の温度上昇を軽減させて、基板に着弾した液滴を短時間で乾燥させることができ、基板やパターンの全体にわたる長時間の加熱を回避させることができる。この結果、液滴の乾燥効率を向上させるとともに、基板やパターンの熱的損傷を軽減させることができる。
また、このパターン形成方法は、前記基板に着弾して乾燥した前記液滴の領域に、前記パターン形成材料に吸収されて前記乾燥した液滴を焼成する波長であって、かつ、前記基板に反射される波長のレーザ光を照射して前記パターンを形成するようにしてもよい。
このパターン形成方法によれば、基板に反射される波長領域のレーザ光が、乾燥した液滴を焼成させる。よって、基板の温度上昇を軽減させて、基板に着弾した液滴を短時間で焼成させることができる。この結果、基板やパターンの熱的損傷を軽減させて、焼成したパターンを形成させることができる。
本発明の液滴吐出装置は、パターン形成材料を液滴にして基板に吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置において、前記基板に着弾した液滴の領域に、前記パターン形成材料に吸収されて前記液滴を乾燥する波長であって、かつ、前記基板に反射される波長のレーザ光を照射するレーザ照射手段を備えた。
本発明の液滴吐出装置によれば、基板に反射される波長のレーザ光が、基板に着弾した液滴を乾燥する。よって、基板の温度上昇を軽減させて、基板に着弾した液滴を短時間で乾燥させることができ、基板やパターンの全体にわたる長時間の加熱を回避させることができる。その結果、液滴の乾燥効率を向上させるとともに、基板やパターンの熱的損傷を軽減させることができる。
また、この液滴吐出装置において、前記パターン形成材料は、近赤外領域にある波長のレーザ光を吸収して乾燥する金属インクであって、前記基板は、近赤外領域にある波長のレーザ光を反射する低温焼成セラミック基板であって、前記レーザ照射手段は、近赤外領域にある波長のレーザ光を前記液滴の領域に照射するようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、近赤外領域にある波長のレーザ光が、金属インクの乾燥効率を向上させるとともに、低温焼成セラミック基板の熱的損傷を軽減させることができる。
また、この液滴吐出装置において、前記パターン形成材料は、400nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光を吸収して乾燥する金属インクであって、前記基板は、400nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光を反射する低温焼成セラミック基板であって、前記レーザ照射手段は、400nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光を前記液滴の領域に照射するようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、400nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光が、金属インクの乾燥効率を向上させるとともに、低温焼成セラミック基板の熱的損傷を軽減させることができる。
また、この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドを搭載し、前記液滴吐出ヘッドを一方向に沿って前記基板に対して相対的に走査するキャリッジを備え、前記レーザ照射手段は、前記キャリッジに搭載され、前記パターン形成材料に吸収されて前記液滴を乾燥する波長であって、かつ、前記基板に反射される波長のレーザ光を出射する半導体レーザと、前記キャリッジに搭載され、前記半導体レーザの出射したレーザ光を前記液滴の領域に照射する照射光学系と、を備えてもよい。
この液滴吐出装置によれば、キャリッジに搭載した液滴吐出ヘッドが、基板に向けて液滴を吐出し、同キャリッジに搭載した半導体レーザと照射光学系が、基板に着弾した液滴の領域に向けてレーザ光を照射する。よって、液滴の着弾位置に対するレーザ光の相対位置を維持させることができ、所定の波長のレーザ光を、より確実に、液滴の領域に照射さ
せることができる。さらには、液滴吐出装置の小型化や軽量化を図ることができる。
本発明の回路モジュールは、基板と、前記基板に形成された回路素子と、前記基板に形成されて前記回路素子に電気的に接続された金属配線と、を備えた回路モジュールにおいて、前記金属配線は、上記液滴吐出装置によって形成された。
本発明の回路モジュールによれば、金属配線の形成不良を解消させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10に従って説明する。まず、本発明の回路モジュール1について説明する。
図1において、回路モジュール1には、板状に形成されたLTCC多層基板2と、そのLTCC多層基板2の上側に、ワイヤーボンディング接続あるいはフリップチップ接続された複数の半導体チップ3と、が備えられている。
LTCC多層基板2には、シート状に形成された複数の低温焼成セラミック基板(以下単に、絶縁層4という。)が積層されている。各絶縁層4は、それぞれガラスセラミック系材料(例えば、ホウケイ酸アルカリ酸化物などのガラス成分とアルミナなどのセラミック成分の混合物)からなる焼結体であり、その厚みが数百μmで形成されている。
各絶縁層4の層間には、抵抗素子や容量素子、コイル素子などの各種の回路素子5と、各回路素子5を電気的に接続する金属配線としての複数の内部配線6と、が形成されている。各回路素子5と各内部配線6は、それぞれ銀や銀合金などの金属微粒子の焼結体であって、本発明の液滴吐出装置10を利用して形成される。各絶縁層4の層内には、スタックビア構造やサーマルビア構造を呈するビア配線7が形成され、各回路素子5や各内部配線6を層間で電気的に接続する。各ビア配線7は、各回路素子5や各内部配線6と同じく、銀や銀合金などの金属微粉末の焼結体である。
次に、上記LTCC多層基板2の製造方法について図2に従って説明する。
図2において、まず、絶縁層4を切出し可能にする基板としてのグリーンシート4Sにパンチ加工やレーザ加工を施し、ビアホール7Hを打抜き形成する。次いで、グリーンシート4Sに金属ペーストを用いたスクリーン印刷を複数回施し、ビアホール7Hの中に金属ペーストを充填し、金属ペーストからなるビアパターン7Fを形成する。次いで、金属ナノ微粒子を水系溶媒に分散させたパターン形成材料としての金属インクF(本実施形態では、水系銀インク)を用いて、グリーンシート4Sの上面(以下単に、パターン形成面4Saという。)にインクジェット印刷を施す。
詳述すると、パターン形成面4Saであって、回路素子5及び内部配線6を形成するための領域(以下単に、パターン形成領域という。)に金属インクFの液滴Fbを吐出し、パターン形成領域に着弾した液滴Fbを乾燥する。そして、この吐出動作と、乾燥動作と、を繰り返し、パターン形成領域に対応する素子パターン5F及び配線パターン6Fを描画する。この際、パターン形成領域に着弾した液滴Fbの乾燥は、着弾した液滴Fbの領域にレーザ光Lを照射することによって行う。
グリーンシート4Sに素子パターン5F、配線パターン6F及びビアパターン7Fを形成すると、複数のグリーンシート4Sを一括して積層し、LTCC多層基板2に対応する領域を積層体4Bとして切り出して焼成する。すなわち、グリーンシート4S、素子パターン5F、配線パターン6F及びビアパターン7Fを一括積層し、同時焼成する。これによって、絶縁層4、回路素子5、内部配線6及びビア配線7を有したLTCC多層基板2を形成する。
次に、上記素子パターン5F及び配線パターン6Fを描画するための液滴吐出装置10について図3に従って説明する。図3は、液滴吐出装置10を示す全体斜視図である。
図3において、液滴吐出装置10は、直方体形状に形成された基台11を備えている。基台11の上面には、その長手方向(Y矢印方向)に沿って延びる一対の案内溝12が形成されている。案内溝12の上方には、案内溝12に沿ってY矢印方向及び反Y矢印方向に移動するステージ13が備えられている。ステージ13の上面には、載置部14が形成され、上記パターン形成面4Saを上側にしたグリーンシート4Sを載置する。載置部14は、載置された状態のグリーンシート4Sをステージ13に対して位置決め固定し、グリーンシート4SをY矢印方向及び反Y矢印方向に搬送する。
本実施形態では、図3において、Y矢印方向が走査方向として定義される。
基台11の走査方向及び上方には、それぞれ着弾観測カメラ15A,15Bが配設されている。着弾観測カメラ15A,15Bは、それぞれグリーンシート4S上を撮像し、パターン形成面4Saに向かって飛行する状態の液滴Fbや、パターン形成面4Saに着弾した状態の液滴Fbを観測するために利用される。
基台11の一側には、吸引ポンプPMPが配設されている。吸引ポンプPMPは、グリーンシート4S上で液滴Fbを乾燥するときに、グリーンシート4S上に浮遊する蒸発成分を吸引するために利用される。
基台11には、その走査方向と直交するX矢印方向両側に、門型に形成されたガイド部材16が基台11を跨ぐように架設されている。ガイド部材16の上側には、X矢印方向に延びるインクタンク17が配設されている。インクタンク17は、金属インクFを貯留し、下方に配設される複数の液滴吐出ヘッド(以下単に、吐出ヘッドという。)21に、それぞれ所定の圧力で金属インクFを供給する。
ガイド部材16の反走査方向側には、そのX矢印方向略全幅にわたって、X矢印方向に延びる上下一対のガイドレール18が形成されている。一対のガイドレール18には、キャリッジ20が取り付けられ、ガイドレール18に沿ってX矢印方向及び反X矢印方向に移動する。キャリッジ20の底面20aには、複数の吐出ヘッド21が搭載されている。図4は、吐出ヘッド21を下側から見た斜視図である。図5は、キャリッジ20の底面20aを下側から見た平面図である。図6は、図4のA−A線断面図である。
図4において、吐出ヘッド21は、X矢印方向に延びる直方体形状に形成されている。吐出ヘッド21の下側(グリーンシート4S側:図4の上側)には、ノズルプレート22が備えられている。ノズルプレート22は、X矢印方向に延びる板状に形成され、その下面(図4の上面)には、ノズル形成面22aが形成されている。ノズル形成面22aは、グリーンシート4Sのパターン形成面4Saと略平行に形成され、グリーンシート4Sが吐出ヘッド21の直下に位置するときに、ノズル形成面22aとパターン形成面4Saとの間の距離(プラテンギャップ)を所定の距離(本実施形態では、300μm)に保持する。
ノズル形成面22aは、そのX矢印方向略全幅(約1インチ)にわたって配列された180個のノズルNからなる一対のノズル列NLを有する。一対のノズル列NLは、一方のノズル列NLを構成する180個のノズルNが、走査方向から見て、他方のノズル列NLを構成する180個のノズルNの間を補間する。これによって、各吐出ヘッド21は、それぞれ走査方向から見て、1インチ当りに180個×2=360個のノズルNを有する。
図5において、キャリッジ20の底面20aは、X矢印方向に沿って配列された3個の
吐出ヘッド21からなる4列のヘッド列HL1〜HL4を有する。ヘッド列HL1,HL2は、ヘッド列HL1の有する各ノズルNが、走査方向から見て、それぞれヘッド列HL2の有する各ノズルNの間を補間する。これによって、ヘッド列HL1,HL2は、Y矢印方向から見て、1インチ当りに360個×2=720個のノズルNを有する。ヘッド列HL3,HL4は、上記ヘッド列HL1,HL2と同様に、走査方向から見て、1インチ当りに360個×2=720個のノズルNを有する。また、ヘッド列HL3,HL4の各吐出ヘッド21は、走査方向から見て、ヘッド列HL1,HL2の各吐出ヘッド21の間を補間する。
これによって、キャリッジ20は、そのX矢印方向略全幅にわたって、走査方向から見て、1インチ当たりに720個のノズルを有する。すなわち、3個×4列の吐出ヘッド21は、その最大解像度が720dpiになるように配置構成される。
図6において、各ノズルNは、それぞれノズル形成面22aの法線方向に貫通形成されている。各ノズルNの上側には、それぞれインクタンク17に連通するキャビティ23が形成されている。キャビティ23は、インクタンク17からの金属インクFを対応するノズルNに供給する。各キャビティ23の上側には、上下方向に振動してキャビティ23内の容積を拡大及び縮小する振動板24が貼り付けられている。振動板24の上側には、各ノズルNに対応する複数の圧電素子PZが配設されている。各圧電素子PZは、それぞれ上下方向に収縮及び伸張して対応する振動板24の領域を上下方向に振動し、対応するノズルNから、金属インクFを所定容量(本実施形態では、10pl)の液滴Fbにして吐出する。液滴Fbは、対応するノズルNの反Z矢印方向に飛行し、対向するパターン形成面4Sa上の位置に着弾する。
本実施形態では、パターン形成面4Sa上の位置であって、各ノズルNの直下に対応する位置が、それぞれ着弾位置Pとして定義される。
図5において、キャリッジ20内であって、上記各吐出ヘッド21の走査方向には、それぞれレーザ照射手段を構成する半導体レーザLDが配設されている。図7は、半導体レーザLDと吐出ヘッド21との位置関係を示す要部側面図である。
図7において、キャリッジ20の底面20aであって、各吐出ヘッド21の走査方向には、それぞれキャリッジ20の内部までを貫通する出射孔Hが形成されている。各出射孔Hは、それぞれX矢印方向の幅が対応する吐出ヘッド21のX矢印方向の幅と略同じサイズで形成されている。各出射孔Hの上側には、それぞれ対応する半導体レーザLDが配設されている。各半導体レーザLDは、所定の駆動信号を受け、対応する出射孔HのX矢印方向略全幅に広がる帯状のコリメートされたレーザ光Lを下方に向けて出射する。
このレーザ光Lの有する波長は、808nmであって、金属インクF(銀インク)に対する透過率(吸収率)の波長分布と、グリーンシート4Sに対する反射率の波長分布と、に基づいて設定される。図8及び図9は、それぞれ金属インクFに対する透過率の波長分布及びグリーンシート4Sに対する反射率の波長分布を示す。
すなわち、図8に示すように、金属インクFの透過率は、可視領域の短波長側(400nm)で最も低く、近赤外領域に移るに連れて徐々に増大する。また、金属インクFの透過率は、1200nmよりも長波長側の近赤外領域で殆ど変化することなく、その高い透過率を維持する。そのため、金属インクFは、400nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光が照射されるときに、同レーザ光を効果的に吸収して熱エネルギーに変換し、溶媒あるいは分散媒を蒸発して乾燥する。一方、図9に示すように、グリーンシート4Sは、400nm以上の可視領域と近赤外領域の略全領域で高い反射率を維持する。そのため、グリーンシート4Sは、400nm以上の可視領域と近赤外領域の範囲にある波長
の光が照射されるときに、同レーザ光の殆どを反射し、その昇温を軽減する。
そこで、本実施形態のレーザ光Lは、その波長の範囲が、金属インクFに効果的に吸収される波長であって、かつ、グリーンシート4Sに反射される波長、つまり400nm〜1200nmの範囲に設定される。このため、半導体レーザLDの出射したレーザ光L(波長:808nm)は、金属インクF(液滴Fb)に照射されるときに、液滴Fbに吸収されて液滴Fbを短時間で乾燥し、かつ、グリーンシート4Sに照射されるときに、グリーンシート4Sに反射されてグリーンシート4Sの温度上昇を軽減する。しかも、808nmのレーザ光Lは、公知の半導体レーザLDを利用して出射可能な波長であるため、レーザ光Lの光源として半導体レーザを採用することができ、照射光学系の小型化及び軽量化を図ることができる。すなわち、レーザ光Lの照射光学系を吐出ヘッド21とともにキャリッジ20に搭載させることができ、液滴Fbに対するレーザ光Lの相対的位置を保持させことができる。
図7において、出射孔Hの内部には、照射光学系を構成するシリンドリカルレンズ25が配設されている。シリンドリカルレンズ25は、Y矢印方向にのみ曲率を有するレンズであり、そのX矢印方向の幅が吐出ヘッド21のX矢印方向の幅と同じサイズで形成されている。シリンドリカルレンズ25は、半導体レーザLDからのレーザ光Lを受けるときに、そのレーザ光LのY矢印方向(または反Y矢印方向)の成分のみを収束して下方に出射する。
出射孔Hの下側には、キャリッジ20の下方に延びるミラーステージ26と、ミラーステージ26に回動可能に支持されて照射光学系を構成する反射ミラー27と、が配設されている。ミラーステージ26は、X矢印方向に沿う回動軸を中心にして対応する反射ミラー27を回動可能に支持する。
反射ミラー27は、シリンドリカルレンズ25側に反射面27mを有したガルバノミラーであって、そのX矢印方向の幅が吐出ヘッド21のX矢印方向の幅と同じサイズで形成されている。反射ミラー27は、対応する吐出ヘッド21が液滴Fbを吐出するときに、それぞれシリンドリカルレンズ25からのレーザ光Lを反射面27mで受け、レーザ光Lをパターン形成面4Saの略接線方向に沿って反射し、レーザ光Lのビームウエストを対応する吐出ヘッド21の下方に導く。吐出ヘッド21の下方に導かれるレーザ光Lは、対応する着弾位置PのY矢印方向側に広がる光断面(ビームスポットBS)を形成する。ビームスポットBSは、着弾した液滴Fbが走査方向に走査されるときに、液滴Fbと、液滴Fb近傍のグリーンシート4Sの領域と、にレーザ光Lを照射する。
この際、液滴Fbは、レーザ光Lの波長が400nm〜1200nmの間に設定されているため、同レーザ光Lを吸収して瞬時に乾燥する。また、液滴Fb近傍のグリーンシート4Sは、レーザ光Lの波長が400nm〜1200nmの間に設定されているため、同レーザ光Lを反射して、その昇温を軽減する。すなわち、各液滴Fbは、グリーンシート4S上に乾燥した液滴Fbからなる単一の層パターンFPを形成し、グリーンシート4Sは、熱的損傷を来たすことなく層パターンFPを走査方向に搬出する。この結果、複数の層パターンFPを順に積層するときに、各層パターンFP及びグリーンシート4Sの熱的損傷を軽減させることができ、積層した層パターンFPからなる素子パターン5F及び配線パターン6Fを形成することができる。
図5及び図7に示すように、キャリッジ20の底面20aであって、各吐出ヘッド21と、対応する半導体レーザLDと、の間には、それぞれ吸引ポート28が配設されている。吸引ポート28は、下方を開口した箱体状に形成され、キャリッジ20内に配設される吸引チューブTを介して吸引ポンプPMPに接続されている。吸引ポート28は、レーザ
光Lが液滴Fbを乾燥するときに、吸引ポンプPMPの吸引を受け、グリーンシート4S上で浮遊する蒸発成分を吸引し、反射ミラー27やシリンドリカルレンズ25の光学的な汚染を抑制する。これによって、レーザ光Lの光学特性を安定させることができる。
図5及び図7において、キャリッジ20の底面20aであって、各吐出ヘッド21の反走査方向には、それぞれ遮光プレート29が配設されている。遮光プレート29は、レーザ光Lを吸収する黒色アルミプレートであって、そのX矢印方向の幅が吐出ヘッド21のX矢印方向の幅と略同じサイズで形成されている。遮光プレート29は、レーザ光Lが液滴Fbを乾燥するときに、ビームスポットBSの領域から反射あるいは散乱されるレーザ光Lを受けて終端させる。これによって、反射あるいは散乱したレーザ光Lによる各種部材の熱的損傷を軽減させることができる。
次に、上記のように構成した液滴吐出装置10の電気的構成を図10に従って説明する。
図10において、制御装置40は、CPU、ROM、RAMなどを有し、格納された各種データ及び各種制御プログラムに従って、ステージ13及びキャリッジ20を移動させるとともに、着弾観測カメラ15A,15B、吸引ポンプPMP,半導体レーザLD及び各圧電素子PZを駆動制御する。
制御装置40には、起動スイッチ、停止スイッチなどの操作スイッチを有した入力装置41が接続されている。入力装置41は、描画平面(パターン形成面4Sa)に対するパターン形成領域(層パターンFP)の位置座標に関する情報を既定形式の描画情報Iaとして制御装置40に入力する。制御装置40は、入力装置41からの描画情報Iaを受け、ビットマップデータBMDを生成する。
ビットマップデータBMDは、各ビットの値(0あるいは1)に応じて各圧電素子PZのオンあるいはオフを規定するデータである。ビットマップデータBMDは、吐出ヘッド21の通過する描画平面(パターン形成面4Sa)上の各位置に、それぞれ液滴Fbを吐出するか否かを規定するデータである。すなわち、ビットマップデータBMDは、パターン形成領域に規定される各目標位置に液滴Fbを吐出させるためのものである。
制御装置40には、X軸モータ駆動回路42が接続されて、X軸モータ駆動回路42に対応する駆動制御信号を出力する。X軸モータ駆動回路42は、制御装置40からの駆動制御信号に応答し、キャリッジ20を移動させるためのX軸モータMXを正転又は逆転させる。X軸モータ駆動回路42には、X軸エンコーダXEが接続されて、X軸エンコーダXEからの検出信号が入力される。X軸モータ駆動回路42は、X軸エンコーダXEからの検出信号に基づいて、パターン形成面4Saに対するキャリッジ20(各着弾位置P)の移動方向及び移動量に関する信号を生成し、制御装置40に出力する。
制御装置40には、Y軸モータ駆動回路43が接続されて、Y軸モータ駆動回路43に対応する駆動制御信号を出力する。Y軸モータ駆動回路43は、制御装置40からの駆動制御信号に応答し、ステージ13を移動させるためのY軸モータMYを正転又は逆転させる。Y軸モータ駆動回路43には、Y軸エンコーダYEが接続されて、Y軸エンコーダYEからの検出信号が入力される。Y軸モータ駆動回路43は、Y軸エンコーダYEからの検出信号に基づいて、ステージ13(パターン形成面4Sa)の移動方向及び移動量に関する信号を生成し、制御装置40に出力する。制御装置40は、Y軸モータ駆動回路43からの信号に基づいて、パターン形成面4Saに対する各着弾位置Pの相対位置を演算し、目標位置が対応する着弾位置Pに位置するたびに吐出タイミング信号LPを出力する。
制御装置40には、着弾観測カメラ駆動回路44が接続されて、描画動作を開始すると
きに描画開始信号S1を出力し、描画動作を終了するときに描画終了信号S2を出力する。着弾観測カメラ駆動回路44は、制御装置40からの描画開始信号S1を入力して着弾観測カメラ15A,15Bに撮像動作を開始させ、制御装置40からの描画終了信号S2を入力して着弾観測カメラ15A,15Bに撮像動作を停止させる。すなわち、制御装置40は、着弾観測カメラ駆動回路44を介して、描画動作の間に着弾観測カメラ15A,15Bを駆動制御し、パターン形成面4Saに向かって飛行する液滴Fbやパターン形成面4Saに着弾した液滴Fbなどを撮像させる。
制御装置40には、吸引ポンプ駆動回路45が接続されて、描画動作を開始するときに描画開始信号S1を出力し、描画動作を終了するときに描画終了信号S2を出力する。吸引ポンプ駆動回路45は、制御装置40からの描画開始信号S1を入力して吸引ポンプPMPに吸引動作を開始させ、制御装置40からの描画終了信号S2を入力して吸引ポンプPMPに吸引動作を停止させる。すなわち、制御装置40は、吸引ポンプ駆動回路45を介して、描画動作の間に吸引ポンプPMPを駆動制御し、吸引ポート28を介した蒸発成分の吸引動作を行う。
制御装置40には、半導体レーザ駆動回路46が接続されて、描画動作を開始するときに描画開始信号S1を出力し、描画動作を終了するときに描画終了信号S2を出力する。半導体レーザ駆動回路46は、制御装置40からの描画開始信号S1を入力して半導体レーザLDにレーザ光Lを出射させ、制御装置40からの描画終了信号S2を入力して半導体レーザLDにレーザ光Lの出射を停止させる。すなわち、制御装置40は、半導体レーザ駆動回路46を介して、描画動作の間に半導体レーザLDを駆動制御し、レーザ光Lの照射動作を行う。
制御装置40には、吐出ヘッド駆動回路47が接続されて、各圧電素子PZを駆動するための圧電素子駆動電圧COMを前記吐出タイミング信号LPと同期させて出力する。また、制御装置40は、ビットマップデータBMDに基づいて、所定のクロック信号に同期した吐出制御信号SIを生成し、吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路47にシリアル転送する。吐出ヘッド駆動回路47は、制御装置40からの吐出制御信号SIを各圧電素子PZに対応させて順次シリアル/パラレル変換する。吐出ヘッド駆動回路47は、制御装置40からの吐出タイミング信号LPを受けるたびに、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIをラッチし、選択される各圧電素子PZにそれぞれ圧電素子駆動電圧COMを供給する。
次に、液滴吐出装置10を使用して素子パターン5F及び配線パターン6Fを描画形成する方法について説明する。
まず、図3に示すように、パターン形成面4Saが上側になるようにグリーンシート4Sをステージ13に載置する。このとき、ステージ13は、グリーンシート4Sをキャリッジ20の反走査方向に配置する。
この状態から、描画情報Iaが入力装置41から制御装置40に入力され、制御装置40が描画情報Iaに基づいたビットマップデータBMDを生成して格納する。次いで、グリーンシート4Sが走査されるときに、着弾位置Pが対応する目標位置を通過するように、制御装置40が、X軸モータ駆動回路42を介してキャリッジ20(吐出ヘッド31)を配置移動する。キャリッジ20が配置移動すると、制御装置40が、Y軸モータ駆動回路43を介してグリーンシート4Sの走査を開始する。
グリーンシート4Sの走査を開始すると、制御装置40が、描画開始信号S1を、着弾観測カメラ駆動回路44及び吸引ポンプ駆動回路45に出力し、着弾観測カメラ15A、着弾観測カメラ15B及び吸引ポンプPMPを駆動制御する。また、制御装置40が、描
画開始信号S1を半導体レーザ駆動回路46に出力し、各半導体レーザLDにレーザ光Lを出射させる。
また、グリーンシート4Sの走査を開始すると、制御装置40が、ビットマップデータBMDに基づいて生成した吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路47に出力する。
また、グリーンシート4Sの走査を開始すると、目標位置が対応する着弾位置Pに位置するたびに、制御装置40が、吐出タイミング信号LPを吐出ヘッド駆動回路47に出力する。すなわち、制御装置40は、吐出制御信号SIに基づいて液滴Fbを吐出するためのノズルNを選択し、同ノズルNに対応する着弾位置Pが目標位置に位置するたびに、同目標位置に向けて液滴Fbを吐出させる。
吐出された各液滴Fbは、それぞれ対応する目標位置に着弾し、グリーンシート4Sの走査によって、ビームスポットBSの領域に侵入する。ビームスポットBSの領域に侵入する各液滴Fbは、それぞれ波長が808nmのレーザ光Lを吸収し、瞬時に乾燥する。また、ビームスポットBSの領域に侵入するグリーンシート4Sは、レーザ光Lを反射し、その昇温を軽減する。よって、吐出された各液滴Fbは、グリーンシート4Sの熱的損傷を来たすことなく、単一の層パターンFPをパターン形成領域に形成する。
以後同様にして、上記吐出動作と乾燥動作とを繰り返し、層パターンFPを積層させる。これによって、グリーンシート4Sや層パターンFPに熱的損傷を来たすことなく、素子パターン5F及び配線パターン6Fを形成することができる。
なお、素子パターン5F及び配線パターン6Fを形成する間に、吸引ポート28が、吸引ポンプPMPの吸引を受け、グリーンシート4S上で浮遊する蒸発成分を吸引し、レーザ光Lの光学特性を安定させる。また、遮光プレート29が、ビームスポットBSの領域から反射あるいは散乱されるレーザ光Lを終端させる。この結果、液滴吐出装置10は、グリーンシート4Sに対して、安定した吐出動作と乾燥動作を施すことができる。そのため、グリーンシート4Sや層パターンFPの熱的損傷を、より確実に低減させることができ、回路素子5及び内部配線6に対応した素子パターン5F及び配線パターン6Fを、より高い再現性の下に形成させることができる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、グリーンシート4Sが、400nm以上の可視領域の光と、近赤外領域の光と、を反射する。また、グリーンシート4Sに吐出される金属インクFが、400nm〜1200nmの範囲にある波長の光を吸収する。そして、吐出ヘッド21が金属インクFを液滴Fbにしてグリーンシート4Sに吐出した後に、半導体レーザLDが着弾した液滴Fbの領域に400〜1200nmの範囲にある波長(808nm)のレーザ光Lを照射する。
よって、着弾した液滴Fbが、レーザ光Lの照射を受けて瞬時に乾燥し、グリーンシート4Sが、液滴Fbの領域に照射されたレーザ光Lを反射する。そのため、グリーンシート4S及び層パターンFPの温度上昇を軽減させて、複数の層パターンFPを順に積層させることができ、素子パターン5F及び配線パターン6Fを形成させることができる。この結果、液滴Fbの乾燥効率を向上させるとともに、絶縁層4、回路素子5及び内部配線6の熱的損傷を軽減させ、回路モジュール1の生産性を向上させることができる。
(2)しかも、レーザ光Lの波長を半導体レーザLDの出射可能な波長に設定する。よって、レーザ光Lの光源として半導体レーザLDを採用させることができ、照射光学系の小型化及び軽量化を図ることができる。この結果、レーザ光Lの照射光学系を吐出ヘッド21とともにキャリッジ20に搭載させることができ、吐出する液滴Fbに対して、その
レーザ光Lの相対的位置を保持させことができる。そのため、レーザ光Lを、より確実に、液滴Fbの領域に照射させることができる。
(3)上記実施形態によれば、吸引ポート28が、グリーンシート4S上に浮遊する蒸発成分を吸引する。よって、反射ミラー27やシリンドリカルレンズ25の光学的な汚染を抑制することができ、レーザ光Lの各種光学特性を安定させることができる。
(4)上記実施形態によれば、遮光プレート29が、ビームスポットBSの領域から反射あるいは散乱されるレーザ光Lを受けて終端させる。これによって、反射あるいは散乱したレーザ光Lによる各種部材の熱的損傷を軽減させることができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、レーザ光Lの波長を、808nmに具体化した。これに限らず、レーザ光Lの波長は、400nm〜1200nmの範囲にある他の波長であってもよい。つまり、レーザ光Lの波長は、パターン形成材料に吸収されて液滴を乾燥する波長であって、かつ、基板に反射される波長であればよい。
・上記実施形態では、基板を、グリーンシート4Sに具体化した。これに限らず、例えは、基板を、ポリイミド基板やガラエポ基板などに具体化してもよい。
この際、ポリイミド基板やガラエポ基板などの基板に対する反射率の波長分布に基づいて、レーザ光Lの波長を選択する。図11及び図12は、それぞれポリイミド基板に対する反射率の波長分布及びガラエポ基板に対する反射率の波長分布を示す。図11及び図12に示すように、ポリイミド基板にパターンを形成する場合には、約700nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光を使用するのが好ましく、ガラエポ基板を使用する場合には、約800nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光を使用するのが好ましい。
・上記実施形態では、着弾した各液滴Fbを、共通するビームスポットBSによって乾燥する構成にした。これに限らず、例えば半導体レーザLDからのレーザ光Lを各ノズルNに対応させて分割し、分割した各レーザ光Lを、それぞれ対応するノズルNからの液滴Fbに照射させる構成にしてもよい。あるいは、半導体レーザLDをノズルNの数量分だけ搭載し、各半導体レーザLDからのレーザ光を、それぞれ対応するノズルNからの液滴Fbに照射させる構成にしてもよい。
この際、各レーザ光の照射と非照射とが、ノズルNを選択させるための吐出制御信号SIに基づいて選択される構成が好ましい。すなわち、液滴Fbを吐出したノズルNに対応するレーザ光Lのみを出射する構成が好ましい。これによれば、着弾した液滴の領域にのみレーザ光を照射させることができ、基板やパターンの熱的損傷を、より確実に軽減させることができる。
・上記実施形態では、レーザ光Lの照射によって液滴Fbを乾燥させる構成にした。これに限らず、レーザ光Lの照射によって液滴Fbを焼成させる構成にしてもよい。
この際、液滴Fbを乾燥するための波長(乾燥波長)を有したレーザ光Lを液滴Fbの領域に照射し、その後に、乾燥した液滴Fbを焼成する波長であって、かつ、基板の反射する波長のレーザ光を、乾燥した液滴Fbの領域に照射する。これによれば、局所的に照射するレーザ光Lが、素子パターン5F及び配線パターン6Fを短時間で焼成させる。よって、基板やパターンの全体にわたる温度上昇を軽減させて、焼成したパターンを形成させることができる。
・あるいは、液滴Fbを乾燥するための強度(低強度)を有したレーザ光Lを液滴Fb
の領域に照射し、その後に、液滴Fbを焼成するための強度(高強度)を有したレーザ光Lを、乾燥した液滴Fbの領域に照射してもよい。これによっても、上記構成と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態では、描画情報Iaに基づいてビットマップデータBMDを生成する構成にした。これに限らず、予め外部装置で生成したビットマップデータBMDを入力装置41から制御装置40に入力する構成にしてもよい。
・上記実施形態では、半導体レーザLDからのレーザ光Lがガルバノミラーを介して液滴Fbに照射される構成にした。これに限らず、半導体レーザLDからのレーザ光Lがプリズムミラーを介して液滴Fbに照射される構成であってもよく、あるいは、シリンドリカルレンズ25からのレーザ光Lが直接液滴Fbに照射される構成であってもよい。
・上記実施形態では、液滴吐出ヘッドを、圧電素子駆動方式の液滴吐出ヘッド21に具体化した。これに限らず、液滴吐出ヘッドを、抵抗加熱方式や静電駆動方式の吐出ヘッドに具体化してもよい。
・上記実施形態では、全ての回路素子5及び内部配線6をインクジェット法で形成する構成にした。これに限らず、比較的に微細な回路素子5あるいは内部配線6のみを、上記するインクジェット法によって形成する構成であってもよい。
・上記実施形態では、パターン形成材料を、金属インクに具体化した。これに限らず、例えば、パターン形成材料を、絶縁膜材料や有機材料の分散した液状体に具体化してもよい。つまり、パターン形成材料は、レーザ光を受けて乾燥し、固層のパターンを形成する材料であればよい。
・上記実施形態では、パターンを、素子パターン5F及び配線パターン6Fに具体化した。これに限らず、パターンを、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、平面状の電子放出素子を備えた電界効果型表示装置(FEDやSEDなど)などに備えられる各種金属配線に具体化してもよい。あるいは、パターンを、複数の線パターンやドットパターンからなる識別コードに具体化してもよい。つまり、パターンは、乾燥した液滴によって形成される固相のパターンであればよい。
本発明の回路モジュールを示す斜視図。 同じく、回路モジュールの製造方法を説明する説明図。 同じく、液滴吐出装置を示す斜視図。 同じく、液滴吐出ヘッドを示す斜視図。 同じく、液滴吐出ヘッドの配置位置を示す平面図。 同じく、液滴吐出ヘッドを説明する説明図。 同じく、液滴吐出ヘッドと半導体レーザの関係を説明する説明図。 同じく、金属インクに対する透過率の波長分布を示す図。 同じく、グリーンシートに対する反射率の波長分布を示す図。 同じく、液滴吐出装置の電気的構成を説明する電気ブロック回路図。 変更例におけるポリイミド基板に対する反射率の波長分布を示す図。 変更例におけるガラエポ基板に対する反射率の波長分布を示す図。
符号の説明
1…回路モジュール、4S…基板としてのグリーンシート、5…回路素子、5F…パターンを構成する素子パターン、6…金属配線としての内部配線、6F…パターンを構成す
る配線パターン、10…液滴吐出装置、20…キャリッジ、21…液滴吐出ヘッド、25…照射光学系を構成するシリンドリカルレンズ、27…照射光学系を構成する反射ミラー、F…パターン形成材料としての金属インク、Fb…液滴、L…レーザ光、LD…レーザ照射手段を構成する半導体レーザ。

Claims (7)

  1. パターン形成材料を液滴にして基板に吐出し、前記基板に着弾した前記液滴を乾燥して前記液滴からなるパターンを前記基板に形成するようにしたパターン形成方法において、
    前記基板に着弾した前記液滴の領域に、前記パターン形成材料に吸収されて前記液滴を乾燥する波長であって、かつ、前記基板に反射される波長のレーザ光を照射して前記パターンを形成するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  2. 請求項1に記載のパターン形成方法において、
    前記基板に着弾して乾燥した前記液滴の領域に、前記パターン形成材料に吸収されて前記乾燥した液滴を焼成する波長であって、かつ、前記基板に反射される波長のレーザ光を照射して前記パターンを形成するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  3. パターン形成材料を液滴にして基板に吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置において、
    前記基板に着弾した液滴の領域に、前記パターン形成材料に吸収されて前記液滴を乾燥する波長であって、かつ、前記基板に反射される波長のレーザ光を照射するレーザ照射手段を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液滴吐出装置において、
    前記パターン形成材料は、近赤外領域にある波長のレーザ光を吸収して乾燥する金属インクであって、
    前記基板は、近赤外領域にある波長のレーザ光を反射する低温焼成セラミック基板であって、
    前記レーザ照射手段は、近赤外領域にある波長のレーザ光を前記液滴の領域に照射することを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項3に記載の液滴吐出装置において、
    前記パターン形成材料は、400nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光を吸収して乾燥する金属インクであって、
    前記基板は、400nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光を反射する低温焼成セラミック基板であって、
    前記レーザ照射手段は、400nm〜1200nmの範囲にある波長のレーザ光を前記液滴の領域に照射することを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、
    前記液滴吐出ヘッドを搭載し、前記液滴吐出ヘッドを一方向に沿って前記基板に対して相対的に走査するキャリッジを備え、
    前記レーザ照射手段は、
    前記キャリッジに搭載され、前記パターン形成材料に吸収されて前記液滴を乾燥する波長であって、かつ、前記基板に反射される波長のレーザ光を出射する半導体レーザと、
    前記キャリッジに搭載され、前記半導体レーザの出射したレーザ光を前記液滴の領域に照射する照射光学系と、
    を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 基板と、前記基板に形成された回路素子と、前記基板に形成されて前記回路素子に電気的に接続された金属配線と、を備えた回路モジュールにおいて、
    前記金属配線は、請求項3〜6のいずれか1つに記載の液滴吐出装置によって形成されたことを特徴とする回路モジュール。
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