JP2007288398A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数アンテナを統合した車両用のアンテナ装置において、装置の小型化と共に、ETCアンテナ及びVICSアンテナの受信感度を向上する。
【解決手段】アンテナ装置10は、GPSアンテナ素子4、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6と、GPSアンテナ素子4を実装する矩形の基板1と、基板1の隣接する2つの側辺の各々に沿って設けられた2つの傾斜板2、3とを備え、傾斜板3は、傾斜板2に対して基板1の回りに反時計方向に回転した位置に配設される。これら傾斜板2、3にETC・VICSアンテナ素子4、5を実装し、各アンテナ素子4、5を基板1に接近して配設し、各アンテナ素子4、5と基板1による主放射波と副次放射波を形成する。これら2つの放射波の合成放射波の指向性を各到来電波方向に形成することにより、装置10の小型化とそのETC及びVICSアンテナ特性における受信感度の向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、GPSアンテナ、VICSアンテナ及びETCアンテナの複数のアンテナを備えた車載用のアンテナ装置に関する。
自動車における各種電子情報サービスとして、走行する自動車に位置情報を提供するGPS(全地球測位システム)や、交通渋滞の情報を提供するVICS(道路交通情報通信システム)等がカーナビゲーションシステムとして広く利用されている。さらに、近年は、高速道路の通行料を車を走行しながら自動的に支払うことができるETC(自動料金収受システム)が普及してきている。
ところで、これらのGPS、ETC及びVICSにおいては、各電波の放射方向、到来方向が相違するため、特にGPS・ETCアンテナでは、アンテナの推奨設置角度が存在し、GPS用アンテナでは、GPS電波が天空方向から到来するため、その推奨設置角度は水平面に対して0度(水平面上)となっている。また、ETCアンテナでは、ETC料金所手前において、自動車と料金所間で送受信するため、その推奨設置角度は水平面に対して23度となっている。VICS用アンテナでは、到来電波は車の進行方向に対して左側(左側通行の場合)から到来するが、特に、推奨設置角度は設けられていない。
このように複数の車両アンテナの普及に対応して、各アンテナを一つにまとめて収容した複合アンテナ装置が要望されており、アンテナ基板上にGPSアンテナとETCアンテナを並列に配置し、アンテナ素子パターンが形成される誘電体板の側面を接地板で包囲して、各素子間の干渉を回避するようにした複合アンテナ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、他の従来例として、回路基板上に車両の進行方向に沿ってETCアンテナ、GPSアンテナ、VICSアンテナを順に配置した複合アンテナ装置が知られている(例えば特許文献2参照)。さらに、他の従来例として、ETCアンテナをETC電波の方向に合わすために、GPS用アンテナ、VICSアンテナを実装する回路基板とは別のサブアッセンブリとして実装した車両用複合アンテナ装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
ところが、特許文献1に示されるような装置においては、誘電体板の側面を包囲する接地板を必要とするため構成が複雑化し、コストアップになると共に、接地板によりアンテナ素子への入射電波が制限されて、指向性が制限されることがあった。
また、特許文献2に示されるような装置においては、ETCアンテナやVICSアンテナの所望の指向性を得るために、アンテナ素子を回路基板の中心部から外れた位置に実装して指向性を合わせるので、回路基板が大きくなりアンテナ装置全体が大型化する。また、複合する各アンテナ間のアイソレーションを良くするために電波吸収体を必要とするのでコストアップになる。
また、特許文献3に示されるような装置においては、ETC電波の到来方向には指向性を合わせて送受信するが、車の進行方向に対して左側から到来してくるVICS電波に対しては、VICSアンテナの指向性を電波到来方向に向けていないため受信感度が低下することがあった。
特開2004−187148号公報 特開2004−328330号公報 特開2004−56773号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、GPSアンテナ、ETCアンテナ及びVICSアンテナを一体化して装置全体の小型化が図られ、かつETCアンテナ及びVICSアンテナの受信感度の向上を図ることができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、互いに周波数特性が異なるGPSアンテナ素子、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子を有する複数のアンテナ素子を備えた車両用のアンテナ装置において、前記GPSアンテナ素子を実装する矩形の平面基板と、前記平面基板の隣接する2つの側辺の各々に沿って、この平面基板に対して傾斜して設けられた2つの傾斜板と、を有し、前記2つの傾斜板上に前記ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子をそれぞれ実装し、前記3つのアンテナ素子の指向方向が互いに異なるように構成したものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、前記GPSアンテナ素子、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子は、誘電体素子に放射電極を設けたパッチアンテナ構造を有し、前記VICSアンテナ素子は、前記ETCアンテナ素子に対して前記平面基板の回りに反時計方向に回転した位置に配設され、前記各アンテナ素子の実装される前記平面基板及び傾斜板の表面に前記各アンテナ素子のグランド電極となる導電体を備え、前記各傾斜板の導電体と前記平面基板の導電体とを電気的に接続し、前記各アンテナ素子による対象周波数電波の送受信時に前記ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子とこれらのグランド電極に流れる電流により発生する主放射波と、前記電流に対応して前記平面基板の導電体に流れる電流により発生する副次放射波とが形成されると共に、前記主放射波と副次放射波との電磁波合成による合成放射波が形成されるように構成され、
前記ETCアンテナ素子及び前記VICSアンテナ素子を前記平面基板に近接して配設することにより、前記主放射波と前記合成放射波の各放射方向を前記平面基板の略中心を通る中心軸に対して互いに反対方向になるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載のアンテナ装置において、前記平面基板の前記傾斜板が装着された側辺の各々において該平面基板の裏面と直交する面に対して、それぞれ前記ETCアンテナ素子の傾斜板の傾斜角を80°〜90°とし、前記VICSアンテナ素子の傾斜板の傾斜角を70°〜80°としたものである。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のアンテナ装置において、前記各アンテナ素子は正面視が略矩形の平面板形状であって、少なくとも前記GPSアンテナ素子は、このGPSアンテナ素子の正面視の対角線が前記平面基板の車両進行方向に沿う側辺に対して略平行になるように配置されたものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置において、前記GPSアンテナ素子の周辺に導体壁を設けたものである。
請求項6の発明は、請求項5に記載のアンテナ装置において、前記GPSアンテナ素子の厚みと前記導体壁の高さを略同一としたものである。
請求項1の発明によれば、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子の指向方向がETC及びVICSの各到来電波方向を向くように配設されるので、各電波に対するアンテナの受信感度を向上することができる。
請求項2の発明によれば、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子を平面基板に接近させた状態で、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子の指向方向を電波受信方向に合わすことができるので、アンテナ装置を小型化することができる。
請求項3の発明によれば、傾斜板の傾斜角度範囲を最適に配設することができるので、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子の受信感度を上げることができる。
請求項4の発明によれば、平面視で矩形のGPSアンテナ素子が同じく矩形のETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子に対して斜め方向に回転してずれるので、GPSアンテナ素子による電磁界とETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子の各電磁界との平行する成分が減って直交する成分が増加することにより、GPSアンテナ素子と、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子との電磁界間の結合が弱くなる。これにより、GPSアンテナ素子に対するETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子による影響を軽減することができるので、GPSアンテナ素子の特性劣化を抑えることができ、アンテナ利得を上げることができる。
請求項5の発明によれば、導体壁により反射された電波がアンテナ素子に入射されるためアンテナ受信感度を上げることができる。
請求項6の発明によれば、アンテナ素子に直接入射する電波を妨げず、導体壁により反射されてアンテナ素子に入射する電波量を増やすことができるので、アンテナ素子の受信感度を高めることができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置について図1乃至図4を参照して説明する。本実施形態のアンテナ装置10は、図1に示すように、矩形の回路基板の平面基板1(以下、基板という)と、この基板1の隣接する2つの側辺の各々に沿って、この基板1に対して傾斜して設けられた2つの傾斜板2、3と、これら基板1と傾斜板2、3の各中心付近に実装されるGPSアンテナ素子4、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6と、これら各アンテナ素子4、5、6からの送受信信号を処理する高周波回路部71(後述の図3参照)を含んだシールドケース7を備えている。このシールドケース7上に基板1が装着される。
上記GPSアンテナ素子4、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6は、それぞれ略正方形の誘電体部41、51、61に放射電極42、52、62を設けたパッチアンテナ構造を有している。また、VICSアンテナ素子6は、ETCアンテナ素子5に対して基板1の回りに反時計方向に回転した位置に配設され、アンテナ装置10を車両の進行方向Aに向けたときに、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6は、ETC及びVICSの各電波の到来方向とは反対方向の基板1の側辺にそれぞれ配設される。また、GPSアンテナ素子4の実装された基板1は、グランド電極となる後述の導体部12(導電体)を備え、傾斜板2、3は、導体(導電体)で形成されると共にETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6のグランド電極を兼ねており、各傾斜板2、3(導電体)と基板1の導体部12とは電気的に接続されている。
図2(a)、(b)、(c)に示すように、基板1及び傾斜板2、3の正面視は矩形を成し、シールドケース7は矩形の筐体で形成される。傾斜板2、3は、それらの側辺の一端を折り曲げた導体壁21、31を備え、これら導体壁21、31は基板1と略直交してこの基板1に固定され、これにより傾斜板2、3が基板1に装着される。この導体壁21、31は、GPSアンテナ素子4の周辺における電磁的な壁となる。GPSアンテナ素子4は、天空に向けて基板1の略水平面上に実装されて、このGPSアンテナ素子4の正面視の対角線が基板1の車両進行方向Aに沿う側辺に対して略平行になるように配置され、ここでは、GPSアンテナ素子4が略正方形により基板1上で45°回転されて配設される。この45°回転されたGPSアンテナ素子4の導体壁21、31に面する2つの角と、導体壁21、31との間隔t1、t2は、誘電体部41の高さより短くなるように接近されている。
ETCアンテナ素子5は、車両進行方向Aに直交する基板1の後方の側辺に沿って、基板1の裏面に垂直な面と傾斜角θ1の角度を成す傾斜板2に実装され、車両進行方向AからのETC電波の到来方向とは基板1の中心を通る中心軸に対して反対側を向くように配置されている。また、VICSアンテナ素子6は、車両進行方向Aに平行でかつ車両進行方向Aの右側にある基板1の側辺に沿って、基板1の裏面に垂直な面と傾斜角θ2の角度を成す傾斜板3に実装され、VICS電波の到来方向と基板1の中心を通る中心軸に対して反対側を向くように配置される。ここでは、この傾斜板2の傾斜角θ1は、80°〜90°の角度を成し、傾斜板3の傾斜角θ2は、70°〜80°の角度を成すように配設されている。
図3(a)、(b)に示すように、基板1は、ガラスエポキシの誘電体基板11の両面に銅箔の導体部12、13を設けた回路基板からなり、この基板1上に実装されるGPSアンテナ素子4は、誘電体部41上に設けられた放射電極42における給電点43に接続される給電線44を有し、この給電線44により放射信号を給電する。また、ETCアンテナ素子5は、誘電体部51上に設けられた放射電極52における給電点53に接続される給電線54を有し、この給電線54から放射信号を給電する。同様に、VICSアンテナ素子6は、誘電体部61上に設けられた放射電極62における給電点63に接続される給電線64を有し、この給電線64から放射信号を給電する。各アンテナ素子4、5、6から引き出された給電線44、54、64は、それぞれシールドケース7内に入力されて放射信号を増幅する増幅器等からなる高周波回路部71に接続される。シールドケース7は、このシールドケース7に内蔵されている高周波回路部71から放射させる電波が不要電波として外部へ漏洩することを防ぐと共に、このシールドケース7の外部からの不要な電波の混入を防ぐため、導電性による電磁シールドを形成している。基板1とシールドケース7とのアース接続は、シールドケース7から延長される金属の爪を基板1の誘電体基板11を貫通して基板1の両面の導体部12、13で半田付け等により行われる。また、傾斜板2、3の導体壁21、31は、基板1を貫通する爪部を有し、この爪部と基板1の導体部12、13とを半田付け等で固定して電気的に接続している。これにより、GPSアンテナ素子4のグランド電極となる基板1の導体部12と、ETCアンテナ素子5とVICSアンテナ素子6のグランド電極となる傾斜板2、3とは電気的に接続される。
上述の構成では、GPSアンテナ素子4、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6は、各誘電体部41、51、61が放射電極42、52、62とグランド電極である基板1の導体部12及び傾斜板2、3によりそれぞれ挟まれた誘電体装荷型の円偏波パッチアンテナとなっている。これらの各アンテナ素子4、5、6の単体特性は、それらを別々に水平面上の回路基板に天空に向けて装着したとき、基本的には無指向性の放射特性を有している。
ここで用いる各アンテナ素子4、5、6のサイズは、各アンテナ素子4、5、6の受信する対象周波数が、それぞれれ1.57GHZ、5.8GHz、2.5GHzとの異なるので、これに伴い各誘電体部41、51、61は、各誘電率が45(GPS用)、8(ETC用)、37(VICS用)の誘電体材料を用いて、各一辺がd1=17mm、d2=13mm、d3=15mmの正方形を成し、厚みは全て4mmとしている。このGPS用アンテナ素子の実装される基板1のサイズは33mm(車両進行方向の寸法)×35mm(車幅方向の寸法)、ETC用アンテナ素子及びVICS用アンテナ素子の実装される傾斜板2、3のサイズは、それぞれ26mm(車幅方向の寸法)×16mm(車両進行方向の寸法)、26mm(車両進行方向の寸法)×17mm(車幅方向の寸法)としている。導体壁21、31の高さhb及びhcは、GPSアンテナ素子4の誘電体部41の高さhaと等しくし、全て4mmとしている。また、導体壁21、31とGPSアンテナ素子4との間隔t1、t2は1mm以下としてそれぞれを接近させている。
上記ETC用アンテナ素子とVICS用アンテナ素子を傾斜板2、3に装着した場合の放射電波の放射方向について、図4(a)、(b)を参照して説明する。図4(a)、(b)では、説明上、ETCアンテナ素子5又はVICS用アンテナ素子6のみを傾斜板2又は傾斜板3に実装し、GPS用アンテナ素子4とVICS用アンテナ素子6又はETCアンテナ素子5を実装していない状態のそれぞれのアンテナ装置10を示している。図4(a)、(b)に示すように、アンテナ装置10では、ETCアンテナ素子4及びVICSアンテナ素子5が各対象周波数電波の送受信時に、これらアンテナ素子5、6とこれらのグランド電極の傾斜板2、3に流れるアンテナ電流により発生する主放射波D1、E1と、このアンテナ電流に対応して基板1の導体部12に流れる副次的なアンテナ電流により発生する副次放射波D2、E2とを形成する。これにより、アンテナ装置10におけるETCアンテナ及びVICSアンテナとしての放射電波は、これら主放射波D1、E1と副次放射波D2、E2との電磁波合成による合成放射波D3、E3により構成される。
また、主放射波D1、E1は、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6のそれぞれ放射電極42、52の各面に直交する方向にそれぞれ略無指向性で放射される。一方、副次放射波D2、E2は、導体部12の各アンテナ素子5、6の装着されている各側辺と基板1の略中心を通る中心軸に対して反対側の側辺の基板1の高周波的に高インピーダンスとなるエッジ付近から放射される。これにより、上記副次放射波D2、E2の指向性は、主放射電波E1、D1の各指向性に対し、基板1の中心軸に対して反対方向における水平方向に傾斜して放射される電波が支配的となる。また、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6を基板1に近接して配設することにより、主放射波D1、E1に対する副次放射波D2、E2の結合を大きくできるので、合成放射波D3、E3の各放射方向を主放射波D1、E1と基板1の略中心を通る中心軸に対して互いに反対方向にすることができる。
また、図4(a)、(b)に示した合成放射波D3、E3では、基板1にGPSアンテナ素子4を装着すると、この天空方向を指向するGPSアンテナ素子4との電磁的結合による再放射により、合成放射波D3、E3の指向性を基板1の中心軸に対してさらに反対方向に指向させることが可能である。このように、アンテナ装置10は、ETCアンテナ素子4、VICSアンテナ素子5を基板1及びGPSアンテナ素子4に接近させて、各到来電波方向への指向性を得ることができるので、受信感度を低下させずに複数のアンテナを一体化でき、装置10全体を小型化することができる。
次に、GPSアンテナ素子4、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6によるGPS・ETC・VICSアンテナの3つを統合したアンテナ装置10におけるETCアンテナ特性及びVICSアンテナ特性における受信電力特性について、図5、図6を参照して説明する。
図5(a)、(b)、(c)は、基板1のETC電波到来方向の反対側の側面に設置された傾斜板2の基板1に対する傾斜角をθ1とし、θ1=70°、85°、90°と変化させた場合のETCアンテナ特性の受信電力比のデータを円グラフで示したものである。この円グラフにおいて、円周方向は、水平面に垂直で車両進行方向Aに平行な面内の天空方向(Y軸)を0°とし、天空方向から車両進行方向A(X軸)への時計方向の角度をアンテナの放射角(φとする)として表し、放射線方向は、最外周円を基準電力(0dB)とし、これに対する受信電力比をP(dB)とし、最大受信電力比をPmaxで表している。なお、この受信電力比は測定系のロスを含んだ値である。
図5(a)、(b)、(c)の測定データにより、斜角θ1=70°では、φ=23°のとき、受信電力比P=−62.5dB、φ=−6°のとき、最大受信電力比Pmax=−58.94dbであり、θ1=85では、φ=23°のとき、P=−60dB、φ=31°のとき、Pmax=−59.73dbである。また、θ1=90°では、φ=23°のとき、P=−60dB、φ=−8°のとき、Pmax=−58.28dbである。これにより、φ=23°において、θ1が85〜90で受信電力レベルが同等で、θ1=70°においては受信電力比Pが2.5dB低下するが使用可能範囲である。従って、θ1が85°に近い80°では、θ1=70°時よりも受信電力レベルが上がるので、θ1=80〜90°の範囲において受信電力比Pを大きくでき、受信感度を上げることができる。また、θ1=85ではPmaxの角度が31°となり、ETC電波到来方向のφ=23°に比較的近い指向性が得られる。
このように、ETCアンテナ素子4を基板1に近づけてGPSアンテナ素子に接近させた構成において、傾斜板2の傾斜角を80°〜90°の間の範囲に設けることにより、アンテナ装置10におけるETCアンテナ特性の指向性をETC電波到来方向を向けることができるので、アンテナ装置10全体を小型化し、かつETC方向の受信感度を高めることができる。なお、ここでの測定は、後述の傾斜板3の傾斜角θ2の値を70°としている。
図6(a)、(b)、(c)は、基板1のETC電波到来方向の反対側の側面に設置された傾斜板3の基板1に対する傾斜角θ2をθ2=60°、70°、90°と変化させたVICSアンテナ特性の受信電力比Pを示したものである。ここで、θ2=60°では、φ=15°のとき、Pmax=−45.63db、θ2=70°では、φ=−34°のとき、Pmax=−45.65db、θ2=90°では、φ=−3°のとき、Pmax=−46.33dbである。これにより、傾斜角θ2が60°、70°、90°において、Pmaxの放射角φが15°、−34°、3°と指向性の向きが変化しているので、70°と90°の間のθ2=80°では、φはマイナス方向にあると考えられる。これにより、傾斜角θ2が70°〜80°の間であれば、Pmaxの放射角φをマイナス方向に持ってこれるので、車両進行方向の左から到来するVICS電波に指向性を合わすことができ、アンテナ装置10のVICSアンテナ特性における受信感度を上げることができる。なお、θ1=90°は、基板1との同一平面上に相当するので、ETCアンテナ素子5の単独の特性に近く、これによりPmaxとして−46.33db程度あれば実用上使用可能である。
このように、VICSアンテナ素子4を基板1に近づけてGPSアンテナ素子に接近させた構成において、傾斜板2の傾斜角θ1を70°〜80°の間の範囲に設けることにより、アンテナ装置10におけるVICSアンテナ特性の指向性をVICS電波到来方向に向けることができるので、アンテナ装置10全体を小型化し、かつVICS方向の受信感度を高めることができる。なお、ここでの測定は、前述の傾斜板2の傾斜角θ1の値を85°としている。
次に、図7(a)、(b)は、アンテナ装置10において、GPSアンテナ素子4を基板1の平面上で45°回転して、その正方形の対角線を車両進行方向に平行に向けた場合と回転しなかった場合とのGPSアンテナ特性における受信電力比をそれぞれ示す。図7(a)、(b)において、GPS電波方向の天頂方向(φ=0°)における受信電力は、GPSアンテナ素子4を45°回転した場合は−42.6dB、回転しなかった場合は−44dBとなり、回転した方が受信電力が増加する。これは、平面視で45°回転によりGPSアンテナ素子4の放射位置が、他の2つのETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6に対してずれるので、GPSアンテナ素子4による電磁界とETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6の各電磁界とにおいて、互いに平行する電磁界成分が減って直交する電磁界成分が増加する。このため、GPSアンテナ素子4と、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6との電磁界間の結合が弱くなり、不要な共振等も減ると考えられる。
このように、GPSアンテナ素子4の放射特性は、45°回転により、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6による電磁界の影響が軽減され、アンテナ装置10におけるGPSアンテナ特性の劣化を抑えることができるので、その結果、このGPSアンテナ特性のアンテナ利得を向上することができる。
次に、図8(a)、(b)、(c)は、傾斜板2及び傾斜板3の導体壁21、31の高さhb、hcをともにGPSアンテナ素子4の高さha(4mm)に対して、2mm低く、同じ高さ、2mm高くした各場合のGPSアンテナ素子4による受信電力比Pを示す。ここでは、GPSアンテナ素子4は、前記図7(b)と同様に45°回転された状態にあり、GPSアンテナ素子4と導体壁21、31との間隔t1、t2(図2参照)は、1mm以内として、それらを互いに接近させている。
図8(a)、(b)、(c)において、それぞれの受信電力比Pは、φ=0°において、hb=hc=2mm(ha=4mm)のとき−42dB、hb=hc=ha=4mmのとき−41dB、hb=hc=6mm(ha=4mm)のとき−47dBとなり、hb=hc=haのときが一番高くなる。これは、GPSアンテナ素子4に接近して導体壁21、31を設けたことにより、GPSアンテナ素子4から外に逃げる電波をこれら導体壁21、31で反射させてGPSアンテナ素子4内に再入力させることができるので、GPSアンテナ特性の受信レベルを上げることができることによる。そして、導体壁21、31の高さhb、hcが2mmのようにGPSアンテナ素子4の厚み4mmより低い場合は、反射量が少なくなって受信レベルが上がらず、逆に、6mmのようにGPSアンテナ素子4の厚み4mmより高い場合は、GPSアンテナ素子4に直接入射する電波が大きく遮られることにより受信電力が低下するものと考えられる。一方、傾斜板2、3の導体壁の高さhb、hcをアンテナの厚みhaと略同等にするhb=hc=haの場合では、直接の入射電波の受け入れと導体壁21、31による反射電波の再受け入れのバランスが最適の状態となり、アンテナ装置10におけるGPSアンテナ特性の利得を向上させ、受信電波の感度を高めることができる。
上述した実施形態に係るアンテナ装置10によれば、GPSアンテナ素子4を実装した基板1の隣接する2つの側辺の各々に沿って傾斜して設けられた2つの傾斜板2、3上に、ETCアンテナ素子4及びVICSアンテナ素子5をそれぞれ実装し、このVICSアンテナ素子5を基板1の反時計回りに配設すると共に、ETCアンテナ素子5及びVICSアンテナ素子6を基板1に接近させて構成することにより、アンテナ装置10におけるETCアンテナ特性及びVICSアンテナ特性において、指向方向をETC及びVICSの各到来電波方向にそれぞれ合わせることができる。これにより、アンテナ装置10を小型化することができ、かつETC及びVICS到来方向のアンテナ受信感度を向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態等に限られるものでなく、さらに適宜に変更することができる。例えば、上記実施形態では、各アンテナ素子を誘電体装荷型の円偏波パッチアンテナを用いて構成したが、これらを直線偏波のアンテナ素子を用いて構成することもできる。
本発明の実施形態に係るアンテナ装置の構成図。 (a)、(b)、(c)は上記のアンテナ装置のそれぞれ平面図、VICSアンテナ素子側から及びETCアンテナ素子側から見た各側面図。 (a)は図2(b)の紙面裏側に対応する部分断面を含む側面図、(b)は図2(c)の紙面裏側に対応する部分断面を含む側面図。 (a)、(b)は上記実施形態におけるETCアンテナ素子側、VICSアンテナ素子側における各合成放射波を説明する図。 (a)、(b)、(c)は上記のアンテナ装置においてθ1=70、85°、90°におけるETCアンテナ素子の各受信特性を示す図。 (a)、(b)、(c)は上記のアンテナ装置においてθ2=60、70°、90°におけるVICSアンテナ素子の各受信特性を示す図。 (a)、(b)上記アンテナ装置のETCアンテナ素子を回転しない場合と、45°回転した場合のGPSアンテナ素子の各受信特性を示す図。 (a)、(b)、(c)は上記のアンテナ装置における導体壁hb=hc=2mm、hb=hc=4mm、及びhb=hc=6mmの場合のGPSアンテナ素子の各受信特性を示す図。
符号の説明
1 基板(平面基板)
2 傾斜板
3 傾斜板
4 GPSアンテナ素子
5 ETCアンテナ素子
6 VICSアンテナ素子
10 アンテナ装置
21 導体壁
31 導体壁

Claims (6)

  1. 互いに周波数特性が異なるGPSアンテナ素子、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子を有する複数のアンテナ素子を備えた車両用のアンテナ装置において、
    前記GPSアンテナ素子を実装する矩形の平面基板と、
    前記平面基板の隣接する2つの側辺の各々に沿って、この平面基板に対して傾斜して設けられた2つの傾斜板と、を有し、
    前記2つの傾斜板上に前記ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子をそれぞれ実装し、
    前記3つのアンテナ素子の指向方向が互いに異なるように構成したことを特徴とする車両用のアンテナ装置。
  2. 前記GPSアンテナ素子、ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子は、誘電体素子に放射電極を設けたパッチアンテナ構造を有し、
    前記VICSアンテナ素子は、前記ETCアンテナ素子に対して前記平面基板の回りに反時計方向に回転した位置に配設され、
    前記各アンテナ素子の実装される前記平面基板及び傾斜板の表面に前記各アンテナ素子のグランド電極となる導電体を備え、
    前記各傾斜板の導電体と前記平面基板の導電体とを電気的に接続し、
    前記各アンテナ素子による対象周波数電波の送受信時に前記ETCアンテナ素子及びVICSアンテナ素子とこれらのグランド電極に流れる電流により発生する主放射波と、前記電流に対応して前記平面基板の導電体に流れる電流により発生する副次放射波とが形成されると共に、前記主放射波と副次放射波との電磁波合成による合成放射波が形成されるように構成され、
    前記ETCアンテナ素子及び前記VICSアンテナ素子を前記平面基板に近接して配設することにより、前記主放射波と前記合成放射波の各放射方向を前記平面基板の略中心を通る中心軸に対して互いに反対方向になるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記平面基板の前記傾斜板が装着された側辺の各々において該平面基板の裏面と直交する面に対して、それぞれ前記ETCアンテナ素子の傾斜板の傾斜角を80°〜90°とし、前記VICSアンテナ素子の傾斜板の傾斜角を70°〜80°としたことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記各アンテナ素子は正面視が略矩形の平面板形状であって、少なくとも前記GPSアンテナ素子は、このGPSアンテナ素子の正面視の対角線が前記平面基板の車両進行方向に沿う側辺に対して略平行になるように配置されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記GPSアンテナ素子の周辺に導体壁を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記GPSアンテナ素子の厚みと前記導体壁の高さを略同一としたことを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
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