JP2007288015A - ベアチップの放熱構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベアチップ(IC)をプリント基板(PCB)に直接実装するために、付勢力に抗して押圧力を加えると偏平に押し縮められ、開放状態では中央部が円錐状に立ち上がり元に戻る凸型のスパイラル状接触子(SC)を、前記ベアチップ(IC)と前記プリント基板(PCB)の間に挟み、前記スパイラル状接触子(SC)を偏平に押し縮める程度の押圧力で挟持する。
【選択図】図1
Description
このような消費電力の増加に伴い、ICチップの発熱による温度上昇が生じると、特性、性能などの面で、さまざまな問題が起きる。個々のICは、製品規格として、動作保証温度が定められており、ICにおけるPN接合面の上限温度は125度である。
第1の経路として放射が考えられるが、発熱源であるICチップが微小であれば、その体積や表面積に関連する放射熱も微小であるため無視できる。
第2の経路としての熱伝導があり、この熱伝導がICチップにおける主な放熱経路となる。具体的には、ICチップから遠くまでボンディングワイヤやパッケージ材料の内部を通った熱が移動し、パッケージ外部からリード線、およびプリント基板から周囲の空気へ直接に熱伝導して放熱される。
第3の経路として、ICチップからプリント基板を横方向に移動する熱伝導も、放熱冷却に若干寄与する。
そこで、リードフレーム材として、熱伝導率の高い銅や銅合金を用いたり、ICチップの直下に銅製のヒートスプレッダを取り付けて、速やかに熱拡散したり、放熱フィンを形成するヒートシンクをICパッケージに貼り付けたりして放熱効果を高めるようにしている。
また、熱的接続状態を維持すべき基板面積の大小に関わらず、平坦度の低い面を対面させた基板どうしでも確実に熱伝導可能な熱的接続状態を得ることを可能にし、かつ、コストアップの少ないベアチップの放熱構造が望まれていた。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、ボンディングワイヤを介在させることなく、平坦度の低い基板どうしでも確実に熱的接続状態を得ることを可能にし、かつ、熱的接続状態する基板面積の大小に関わらず、コストアップの少ないベアチップの放熱構造を提供することを課題とする。
そうすると、ベアチップ(IC)とプリント基板の間の接続箇所には、空間が生じないため空気層がなく、ほぼ円盤状に押し潰されたスパイラル状接触子(SC)の存在箇所以外に、わずかな空気層が残る程度であるため、熱伝導が遮断されず、良好な放熱特性を保持することが可能になる。
また、中央部が円錐状に立ち上がるように弾力性をもったスパイラル状接触子(SC)であるため、平坦度の低い、うねりのある基板どうしでも確実に熱的接続状態を得ることが可能である。
そして、スパイラル状接触子(SC)は写真製版およびエッチングの工程を含む基板全面単位の一括製造であるため、単一基板内におけるスパイラル状接触子(SC)の多少に関わらず、さらに、熱的接続面積の大小に関わらず、製造コストは変らない。
また、平坦度の低い、うねりのある基板どうしでも確実に熱的接続状態を得ることが可能である。
そして、単一基板内におけるスパイラル状接触子が多いか少ないか、あるいは、熱的接続面積が広いか狭いかに関わらず、製造コストに変わりないので、コストアップなしに放熱専用のスパイラル状接触子を広範囲に配設することが可能である。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係るベアチップの放熱構造の説明図であり、図1(a)はベアチップをプリント基板の所定位置に対面させて固定する前の正面図、図1(b)はベアチップをプリント基板に固定した後の正面図である。
周知のとおりPCB1はパターンにより回路構成されている。そのPCB1の上面を被覆する金属箔により形成されたパターンの所定ランド上にSC1が配設されている。また、SC2はPCB1の下面に配設されたパターンの所定ランド上に配設されている。
また、中央部が円錐状に立ち上がるように弾力性をもったスパイラル状接触子SCであるため、平坦度の低い、うねりのある基板どうしでも確実に熱的接続状態を得ることが可能である。
図1(b)示すように、IC1で発生した熱は、放熱経路H1に示す方向に、SC1を経由してPCB1の中央部Jに伝達され、その下面に配設されたSC2へと伝導し、空気中に放射される。
図2は第2実施形態に係るベアチップの放熱構造の説明図であり、図2(a)はベアチップを両面放熱型プリント基板に対面させて固定する前の正面図、図2(b)はベアチップ側にスパイラル状接触子、プリント基板側にフラット状接続端子またはランドを配設する実装構造における実装前の正面図、図2(c)はベアチップを両面放熱型プリント基板に固定した後の正面図である。
図2に示す第2実施形態が、図1に示す第1実施形態に係るPCB1の中央部Jに取り付けられたIC1の放熱構造との相違点は、PCB2,PCB3の両端部K近傍の上面にもSC2が配設され、その設置数量の増減により冷却能力を増減可能な点である。
図2(c)に示すようにIC1、またはIC2を両面放熱型のPCB2、またはPCB3に固定した後の正面図であり、両面放熱型である分だけ放熱効率を高くすることが可能である。
さらに、PCB2、またはPCB3の表面にIC1、またはIC2を取り付けた中央部Jから離れた両端部K近傍の上下面に配設されたSC2へも熱伝導し、放熱経路H2,H3に示す方向に沿って空気中に熱放射される。
そして、スパイラル状接触子SCは写真製版およびエッチングの工程を含む基板単位の一括製造であるため、単一基板内におけるスパイラル状接触子SCの多少に関わらず、さらに、熱的接続面積の大小に関わらず、製造コストは変わらないので、コストアップなしに放熱専用のスパイラル状接触子SCを広範囲に配設することが可能である。
なお、図2に示すような、SC2をPCB2,PCB3の上下面に配設した場合、ベアチップICを搭載したPCB2,PCB3を多層に積層することにより、例えば、板厚0.5mm前後のメモリカードを構成するのに好適である。
図3は第3実施形態に係るベアチップの放熱構造の説明図であり、図3(a)はベアチップをプリント基板の所定位置に対面させて固定する前の正面図、図3(b)はベアチップをプリント基板に固定した後の正面図である。
図3(a)に示すように、IC1はPCB4の中央部Jの上面に配設されたパターンと電気接続を確保して固定される。この電気接続手段として、SC1をIC1とPCB4の間に挟持する構成である。
図4は第4実施形態に係るベアチップの放熱構造の説明図であり、図4(a)はベアチップを高度放熱型のプリント基板に対面させて固定する前の正面図、図4(b)はベアチップ側にスパイラル状接触子、プリント基板側にフラット状接続端子またはランドを配設する実装構造における実装前の正面図であり、(c)はベアチップを高度放熱型のプリント基板に固定した後の正面図である。
図4に示す第4実施形態が、図2に示す第2実施形態に係るIC1、またはIC2を中央部Jに取り付けたPCB2、またはPCB3の放熱構造との相違点は、PCB5、またはPCB6の中央部Jから離れた両端部K近傍の上面にSC2が配設され、下面に球状接続端子1が配設された点である。なお、上下面のどちら側に何を配設するかは自由である。
IC1、または同IC2を取り付けたPCB6、または同PCB7の中央部Jの表裏から離れた両端部K近傍の上下面に、それぞれ配設されたSC2、および球状接続端子1へも熱伝導し、放熱経路H3,H4に示す方向に沿って空気中に熱放射される。
そして、第3実施形態に係るPCB4にIC1を取り付けた場合の放熱構造によれば、超小型で簡素にまとめることが可能となり、かつ、従来の球状接続端子1も併用して別プリント基板と接続することも可能となる。
また、第4実施形態に係るPCB5、またはPCB6にIC1、またはIC2を取り付けた放熱構造によれば、従来の球状接続端子1も併用して別プリント基板と接続することも可能となり、かつ、PCB5,PCB6の両端部K近傍の上面に配設されたSC2が、その設置数量の増減により冷却能力を増減することも可能である。
このスパイラル状接触子SCは、開放状態では中央部が円錐状に立ち上がるように弾力性をもって形状記憶されており、その円錐状に立ち上がった部分を押し潰す方向に押圧力を加えれば偏平に押し縮めることができるので、金属円盤による電気的良導体かつ熱伝導良好に密着状態が得られる。
具体的には、図1(b),図2(c),図3(b),図4(c)に示すベアチップICとプリント基板PCBとの接続面の隙間に樹脂を充填する。
このような、固定手段を用いた放熱構造によれば、ベアチップICとプリント基板PCBの間の接続箇所において、ほぼ円盤状に押し潰されたスパイラル状接触子SCの存在箇所以外で、わずかに残った空気層による隙間を樹脂が充填して固着する。そうすると、樹脂は空気より熱伝導が良好であり、かつ、ベアチップICとプリント基板PCBの間の接続箇所を堅固に密着して維持するので、熱伝導がさらに遮断され難く、放熱冷却特性および電気接続の状態がより一層良好となり安定化する。
11 フラット状接続端子
12 フラット状接続端子またはランド
H1〜H4 放熱経路
PCB,PCB1〜PCB6 プリント基板
SC,SC1,SC2 スパイラル状接触子
Claims (2)
- ベアチップ(IC)をプリント基板(PCB)に直接実装するために、
付勢力に抗して押圧力を加えると偏平に押し縮められ、開放状態では中央部が円錐状に立ち上がり元に戻る凸型のスパイラル状接触子(SC)を、
前記ベアチップ(IC)と前記プリント基板(PCB)の間に挟み、
前記スパイラル状接触子(SC)を偏平に押し縮める程度の押圧力で挟持する構成にしたことを特徴とするベアチップ(IC)の放熱構造。 - 前記ベアチップ(IC)と前記プリント基板(PCB)の固定手段として、前記スパイラル状接触子(SC)を偏平に押し縮める程度の押圧力で挟持した隙間に樹脂を充填して固着する構成にしたことを特徴とする請求項1に記載のベアチップ(IC)の放熱構造。
Priority Applications (1)
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JP2006115158A JP2007288015A (ja) | 2006-04-19 | 2006-04-19 | ベアチップの放熱構造 |
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Citations (4)
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JPH0774207A (ja) * | 1993-09-03 | 1995-03-17 | Oki Electric Ind Co Ltd | 電子部品の接続方法 |
JP2004179257A (ja) * | 2002-11-25 | 2004-06-24 | Alps Electric Co Ltd | 放熱構造を備えた半導体装置 |
JP2005056606A (ja) * | 2003-08-06 | 2005-03-03 | Advanced Systems Japan Inc | 接続端子およびその接続方法 |
JP2005116314A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Alps Electric Co Ltd | 電子部品用の接続シート |
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- 2006-04-19 JP JP2006115158A patent/JP2007288015A/ja active Pending
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