JP2007287755A - 半導体レーザ - Google Patents

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秀昭 丸田
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Abstract

【課題】結晶成長の回数を増やすことなく、高温高出力動作可能なモノリシック型半導体レーザを提供する。
【解決手段】一の基板1上にAlGaAs系半導体レーザ素子10aとInGaAlP系半導体レーザ素子10bとが形成されている。両半導体レーザ素子のp形半導体層4a、4bのリッジ部の両側には第1電流狭窄層5a、5bと第2電流狭窄層11a、11bが積層して形成されている。少なくともAlGaAs系半導体レーザ素子10aの電流狭窄層をIn(Ga1−xAl1−yP(0.6≦x≦1、0≦y≦1)で表わされる材料からなる層とAlGa1−zAs(0.5≦z≦1.0)で表される材料からなる層の積層構造にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、DVD、DVD−ROM、データ書き込み可能なDVD−RなどのDVD装置と、CD、CD−ROM、データ書き込み可能なCD−RなどのCD装置との一体型光ディスク装置のピックアップ光源等に用いる半導体レーザに関する。
近年、DVDとCDとの間に互換性のある光ディスク装置の普及に伴い、たとえば波長650nm帯のInGaAlP系の赤色半導体レーザ素子および波長780nm帯のAlGaAs系の赤外半導体レーザ素子を同一半導体基板上に形成して、2つの波長のレーザ光を一定間隔で出射する半導体レーザが光源として用いられている(特許文献1参照)。
図4に示されるように、AlGaAs系の半導体レーザ素子50aは、n形GaAs基板51上に、n形クラッド層52aと、活性層53aと、p形クラッド層54aとが形成されている。n形クラッド層52aと、活性層53aと、p形クラッド層54aはそれぞれn形AlGaAs系、AlGaAs系、p形AlGaAs系化合物半導体からなり赤外発光層形成部59aを形成している。リッジ形状の側面部には赤外素子用のn形GaAs電流狭窄層55aが形成されており、その上部に、p形GaAsコンタクト層56aが設けられている。他方、InGaAlP系半導体レーザ素子50bは、AlGaAs系半導体レーザ素子50aと同一のn形GaAs基板51上に、n形クラッド層52b、活性層53b、p形クラッド層54bとが形成されている。n形クラッド層52b、活性層53b、p形クラッド層54bはそれぞれn形InGaAlP系、InGaAlP系、p形InGaAlP系化合物半導体からなり赤色発光層形成部59bを形成している。リッジ形状の側面部には赤色素子用のn形GaAs電流狭窄層55bとが形成されており、その上部にはp形GaAsコンタクト層56bが設けられている。さらにp形GaAsコンタクト層56a、56bの上部にそれぞれp側電極57a、57bが形成され、半導体基板51の裏面側にn側共通電極58が形成され、両素子は電気的に分離されモノリシック型半導体レーザとなる。
特開2000−11417号公報(図9)
従来の構造では、赤外半導体レーザ素子および赤色半導体レーザ素子の電流狭窄層としてGaAsが用いられている。それぞれ電流狭窄層のバンドギャップエネルギーは活性層のバンドギャップエネルギーよりも小さい。したがって、活性層において発生した光を電流狭窄層で吸収する複素屈折率導波構造となり、導波路損失および閾値電流が大きくなる。その結果、高出力動作が不可能であり読み取り用の光源として使用できるにすぎず、書き込み用の光源として使用することができないという問題がある。
そこで、従来から書き込み用光源として開発されている電流狭窄層にバンドギャップの大きな材料を用いた実屈折率構造を採用した半導体レーザが知られている。それらの半導体レーザ素子を単純に組み合わせてモノリシック型半導体レーザとすることが考えられる。具体的には、AlGaAs系半導体レーザ素子側の赤外素子用の電流狭窄層にはAlGaAs系材料を、InGaAlP系半導体レーザ素子側の赤色素子用の電流狭窄層にはInGaAlP系材料を用いることが考えられる。
しかし、従来の実屈折率構造を採用した半導体レーザ素子を組み合わせ、モノリシック化を図ろうとすると、AlGaAs系の半導体レーザ素子とInGaAlP系の半導体レーザ素子の電流狭窄層がそれぞれ異なる材料を用いて形成されることになる。そのため、それぞれの電流狭窄層を別々に結晶成長することが必要となる。さらに、それに伴いエッチングなどのプロセス工数が増加し、歩留まりが極端に低下してしまうという問題がある。
また、どちらか一方のレーザ素子に最適化された電流狭窄層を共通に設ける場合には、もう一方の素子特性が悪化する。例えば電流狭窄層をAlGaAs系半導体レーザ素子(発光波長の長い側)に最適化した場合、InGaAlP系半導体レーザ素子(発光波長の短い側)の電流狭窄層による光吸収が発生し、高出力動作が行えなくなる。一方、電流狭窄層をInGaAlP系半導体レーザ素子に最適にした場合、InGaAlP系半導体レーザ素子でのキンクの発生を避けるために電流狭窄層を薄くする必要があるが、電流狭窄層の厚さを薄くしすぎると、今度はAlGaAs系半導体レーザ素子において電流狭窄層から外に漏れ出す(しみ出す)光が多くなり、漏れ出した光がコンタクト層のGaAs等で吸収されて高出力化を達成できなくなるという問題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、結晶成長の回数を増やすことなく、高温高出力動作可能な半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザは、一の半導体基板上にAlGaAs系の第1波長用半導体レーザ素子と、InGaAlP系の第2波長用半導体レーザ素子とを備える半導体レーザであって、前記第1波長用半導体レーザ素子は、第1導電形半導体層、活性層、リッジ部が形成される第2導電形半導体層を備えた第1波長用発光層形成部と、前記第2導電形半導体層のリッジ部の側部に設けられた第1波長用の第1導電形電流狭窄層とを有し、前記第2波長用半導体レーザ素子は、第1導電形半導体層、活性層、リッジ部が形成される第2導電形半導体層を備えた第2波長用発光層形成部と、前記第2導電形半導体層のリッジ部の側部に設けられる第2波長用の第1導電形電流狭窄層とを有し、前記第1波長用半導体レーザ素子および前記第2波長用半導体レーザ素子の電流狭窄層にIn(Ga1−xAl1−yP(0.6≦x≦1、0≦y≦1)を含み、かつ、少なくとも前記第1波長用半導体レーザ素子の電流狭窄層にはAlGa1−zAs(0.5≦z≦1.0)を含むことを特徴とする。
本発明によれば、少なくともAlGaAs系半導体レーザ素子の電流狭窄層をIn(Ga1−xAl1−yP(0.6≦x≦1、0≦y≦1)とAlGa1−zAs(0.5≦z≦1.0)の積層構造にし、InGaAlP系半導体レーザ素子の電流狭窄層には、AlGaAs系半導体レーザ素子の電流狭窄層と共通のIn(Ga1−xAl1−yP(0.6≦x≦1、0≦y≦1)を少なくとも含むようにしているので、電流狭窄層の形成を連続的、かつ同時にでき、結晶成長の回数を少なくすることができる。また、AlGaAs系半導体レーザ素子側については、上記のように電流狭窄層を積層構造として厚みを確保しているので、電流狭窄層から外にしみ出す光を防止することができ、コンタクト層のGaAs等で吸収されるのを防ぐことができる。その結果、素子特性の優れたレーザ素子が実現できる。
(第1実施形態)
つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体レーザについて説明をする。図1は本発明による半導体レーザの第1実施形態の断面説明図を示す。
本発明による半導体レーザは一の基板1上にAlGaAs系半導体レーザ素子10aとInGaAlP系半導体レーザ素子10bとを形成している。AlGaAs系半導体レーザ素子10aは基板1上にn形クラッド層2a、活性層3a、p形半導体層4aを含む赤外発光層形成部9aが形成されている。一方、InGaAlP系半導体レーザ素子10bは基板1上の赤外発光層形成部9aの形成されていない領域に、n形クラッド層2b、活性層3b、p形半導体層4bを含む赤色用発光層形成部9bが形成されている。そして、p形半導体層4a、4bのリッジ部の両側には第1電流狭窄層5a、5bと第2電流狭窄層11a、11bが積層して形成されており、リッジ部および第2電流狭窄層11a、11b上にはコンタクト層が形成されている。
基板1は、これらの半導体材料を積層するための半導体基板として格子整合をとることができるn形GaAs基板を用いたが、他の化合物半導体でも構わない。半導体基板の導電形は、半導体レーザを組み込むセットとの関係で、基板側に望まれる導電形のn形またはp形のいずれかが用いられ、この基板の導電形にしたがって、積層される半導体層の導電形も定まる。
まず、AlGaAs系半導体レーザ素子10aについて説明する。
n形クラッド層2aは1〜10μm程度のn形Alz2Ga1−z2As(0.4≦z2≦0.7、たとえばz2=0.5)によって形成される。
活性層3aはAlz3Ga1−z3As(0.04≦z3≦0.2、たとえばz3=0.1)からなる井戸層とAlz4Ga1−z4As(0.1≦z4≦0.5、z3<z4、たとえばz4=0.3)からなる障壁層との一重の量子井戸構造もしくは多重量子井戸構造により形成され、全体で0.04〜0.2μm程度の厚さをもつ。
p形半導体層4aはp形第1クラッド層41a、p形エッチングストップ層42a、p形第2クラッド層43a、キャップ層44aにより形成される。p形第1クラッド層41aは、活性層上に0.05〜0.5μm程度のAlz5Ga1−z5As(0.4≦z5≦0.7、たとえばz5=0.5)により形成される。p形エッチングストップ層42aは0.005〜0.05μm程度のAlz6Ga1−z6As(0≦z6≦0.4、たとえばz6=0.2)により形成される。p形第2クラッド層43aは0.5〜3μm程度のAlz7Ga1−z7As(0.4≦z7≦0.7、たとえばz7=0.5)により形成される。キャップ層44aはp形第2クラッド層43a上に0.01〜0.3μm程度のp形GaAsにより形成される。
次にInGaAlP系半導体レーザ素子10bについて説明する。
n形クラッド層2bは1〜10μm程度のn形In0.5(Ga1−x2Alx20.5P(0.3≦x2≦0.9、たとえばx2=0.7)により形成される。
活性層3bはIny3(Ga1−x3Alx31−y3P(0≦x3≦0.1、0≦y3≦0.55、たとえばx3=0、y3=0.53)からなる圧縮歪み井戸層とIn0.5(Ga1−x4Alx40.5P(0.1≦x4≦0.5、たとえばx4=0.5)からなる障壁層とのシングルもしくは多重量子井戸構造により形成され、全体で0.04〜0.2μm程度の厚さをもつ。
p形半導体層4bはp形第1クラッド層41b、p形エッチングストップ層42b、p形第2クラッド層43b、キャップ層44bにより形成される。p形第1クラッド層41bは活性層上に0.05〜0.5μm程度のIn0.5(Ga1−x5Alx50.5P(0.3≦x5≦0.9、たとえばx5=0.7)により形成される。p形エッチングストップ層42aは0.005〜0.05μm程度のIny6(Ga1−x6Alx61−y6P(0≦x6≦0.5、0≦y6≦0.5、たとえばx6=0、y6=0.35)により形成される。p形第2クラッド層43bは0.5〜3μm程度のIn0.5(Ga1−x7Alx70.5P(0.3≦x7≦0.9、たとえばx7=0.7)により形成される。キャップ層44b0.01〜0.3μm程度のp形In0.5(Ga1−x8Al1−x80.5P(たとえばx8=0)により形成される。
第1電流狭窄層5a、5bは、たとえば0.4μm程度のSiが添加されたn形のIny1(Ga1−x1Alx11−y1P(0.6≦x1≦1、0≦y1≦1、より好ましくは0.7≦x1≦0.8、0.45≦y1≦0.55、たとえばx1=0.75、y1=0.5)により形成される。
第2電流狭窄層11a、11bは第1電流狭窄層5a、5b上に、たとえば0.1〜3μm程度、たとえば0.5μm程度のSiが添加されたAlz1Ga1−z1As(0.5≦z1≦1.0、より好ましくは0.55≦z1≦0.65、たとえばz1=0.6)により形成される。
コンタクト層6a、6bはキャップ層および第2電流狭窄層上に、たとえば0.1〜10μm程度のp形のGaAsにより形成される。コンタクト層上には、Ti/Auなどからなるp側電極7a、7bが、GaAs基板1の裏面にAu-Ge/Niなどからなるn側電極8が形成されている。
このように、それぞれの電流狭窄層の材料を同一とすることで、後述するように電流狭窄層を同時に結晶成長することができる。そのためリッジ形成プロセスの共通化などが可能となり、歩留まりの低下を抑えることができる。これらの電流狭窄層は材料を変えるだけで連続的に結晶成長できるため、結晶成長の回数自体は増えない。
また、第1電流狭窄層として、赤色発光層形成部9bの活性層のバンドギャップエネルギーより大きなバンドギャップエネルギーを有する材料であるIn(Ga1−xAl1−yP(0.6≦x≦1、0≦y≦1)を用いているので、当然に赤外用発光層形成部9aの活性層のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有することになる。そのため赤外、赤色の光いずれも吸収することがなくなる。したがって、赤外光、赤色光に対し、いずれも実屈折率構造が実現でき、高温高出力特性に優れたモノリシック型半導体レーザが得られる。
さらに、n形のIny1(Ga1−x1Alx11−y1P第1電流狭窄層5a、5bとAlz1Ga1−z1As第2電流狭窄層11a、11bとの積層になっているため、GaAsコンタクト層まで適当な厚みを確保することができ、AlGaAs系半導体レーザ素子10a側では、電流狭窄層からGaAsコンタクト層への光のしみ出しを防ぐことができ、GaAsコンタクト層での光の吸収を防止することができる。一方、InGaAlP系半導体レーザ素子10bでは、Iny1(Ga1−x1Alx11−y1P第1電流狭窄層5bの膜厚を厚く形成する必要がないので、第1電流狭窄層5bの厚さに起因するキンクの発生を防止できる。
(第2実施形態)
つぎに、図2を参照しながら第2実施形態に係る本発明の半導体レーザについて説明をする。図2において、図1と同じ構成については、同じ符号を付している。
なお、以下において、上述した第1実施形態との相違点を主として説明する。
第1実施形態ではAlGaAs系半導体レーザ素子10aとInGaAlP系半導体レーザ素子10bで共通の第1電流狭窄層5a、5bを形成し、さらにその上に共通の第2電流狭窄層11a、11bを形成した。これに対し、第2実施形態では、図2に示されているようにInGaAlP系半導体レーザ素子10bからAlz1Ga1−z1As(0.5≦z1≦1.0、たとえばz1=0.6)第2電流狭窄層11bを取り除いている。このようにすることにより、InGaAlP系半導体レーザ素子側については、余分な層が除去された最適な構造とすることができる。
(本発明の半導体レーザの製造方法)
以下、本発明の第1実施形態および第2実施形態の係る半導体レーザの製造方法について説明する。
n形GaAs基板1を、MOCVD(有機金属化学気相成長)装置内に入れ、反応ガスのトリエチルガリウム(TEG)またはトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMIn)、ホスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)および半導体層の導電形に応じて、n形ドーパントガスとしてのSiH4、p形ドーパントとしてジメチル亜鉛(DMZn)、ビスメチルシクロペンタジエニベリリウム(MeCp)2Be、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)などの必要な材料をキャリアガスの水素(H2)と共に導入する。その後、500〜700℃程度で各半導体層をエピタキシャル成長し、n形クラッド層2a、多重量子井戸構造を有する活性層3a、p形第1クラッド層41a、エッチングストップ層42a、p形第2クラッド層43aおよびキャップ層44aを順次成長し赤外用発光層形成部9aを形成する。
次に、InGaAlP系半導体レーザ素子10bの形成する箇所に既に積層されたAlGaAs系半導体レーザの赤外用発光層形成部9aを硫酸と過酸化水素水を含む混合液などのエッチング液を用いウェットエッチング等により除去し半導体基板1を露出させる。
次に、MOCVD装置内に再びGaAs基板を入れ、InGaAlP系半導体レーザ素子の発光層形成部9bを作製するためn形クラッド層2b、多重量子井戸構造を有する活性層3b、p形第1クラッド層41b、エッチングストップ層42b、p形第2クラッド層43bおよびキャップ層44bを順次成長し、赤色用発光層形成部9bを形成する。
次に、赤外用発光層形成部9a上に積層された赤色用発光層形成部9bを塩酸などのエッチング液を用いウェットエッチングなどにより除去する。
次に、赤色用発光層形成部9bの端面に窓構造を形成する。赤色用高出力半導体レーザでは、とくに端面での破壊(COD)が生じやすいため、破壊しやすい半導体レーザチップ端面にZn拡散領域を形成して、端面での発振をさせなくする構造が一般的に採用されている。そのため、半導体ウェハの状態で、チップに劈開する領域に予めZnを拡散して、無秩序化する。具体的には、赤色用発光層形成部9b上の劈開する領域にZnO層などのZn拡散源を50nm程度スパッタに法より形成し、400〜700℃で10〜240分程度アニールすることなどにより、Zn拡散源中のZnを活性層にまで到達させる。その後、ZnOなどをフッ酸などで除去する。その結果、Zn拡散領域では、活性層の量子井戸構造がZnにより無秩序化され、バンドギャップが大きくなっている。そして、劈開後の共振器端面には上記Zn拡散領域が配置されることになるので、共振器端面では、内部からの光を吸収することがなくなり温度上昇は極力抑えられ、COD破壊を防止することができる。
次に、赤外用発光層形成部9a、赤色用発光層形成部9b、それぞれのリッジ部を形成するため、たとえばCVD法などにより、SiO2またはSiNxなどからなるマスクをストライプ状に形成する。その後、ドライエッチングなどによりキャップ層44a、44bを選択的にエッチングする。引き続き酒石酸と過酸化水素水を含む混合液などのエッチング液により、赤外用発光層形成部のp形第2クラッド層43aを、塩酸等のエッチング液により、赤色用発光層形成部のp型第2クラッド層43bを順次エッチングすることにより、ストライプ状で凸形状のリッジ部が形成される。なお、凸形状の形成は、エッチングストップ層や活性層に達するまで除去して形成してもよい。さらに除去する方法は、ウェットエッチング以外にドライエッチングでもよい。
次に、両凸形状の幅狭部の少なくとも側部に赤外用および赤色用の電流狭窄層を同時に埋め込む。電流狭窄層の埋込みは、たとえば、絶縁膜からなるマスクを利用した選択成長などにより行う。この電流狭窄層は、n形とするためにSiをドーピングし、InGaAlP系材料およびAlGaAs系材料を用いて形成する。なお、選択成長とは、マスク上に赤外用および赤色用の電流狭窄層を形成させることなく、凸形状のリッジ部の側部にのみ選択的に電流狭窄層を埋め込む手法であり、成長条件、成長温度、圧力などを通常の成長条件と変えることで達成される。
電流狭窄層を形成後、必要であればどちらか一方のレーザ素子上にフォトレジストなどからなるマスクを形成し、ウェットエッチングなどにより電流狭窄層の一部をエッチングし、AlGaAs系半導体レーザ素子とInGaAlP系半導体レーザ素子で別々の電流狭窄層を形成することもできる。例えば図2の構造とする場合には、電流狭窄層の結晶成長においてInGaAlP系材料(電流狭窄層5a、5b)を最初に成長し、ついでAlGaAs系材料(電流狭窄層11a、11b)を成長した後、硫酸と過酸化水素水の混合液のようなエッチング液により、AlGaAs系材料(電流狭窄層11b)のみをエッチングし、InGaAlP系材料(電流狭窄層5b)のみをInGaAlP系半導体レーザ素子側に残すことができる。さらに多重積層構造にしたばあいには、異なる溶液によって複数回のエッチングを実施することにより積層構造の任意の層のみを残すことができる。
その後、絶縁膜からなるマスクをフッ酸などで除去する。引き続き、たとえばGaAsコンタクト層6a、6bを成長することで、AlGaAs系半導体レーザ素子10a、InGaAlP系半導体レーザ素子10bが形成される。さらにAlGaAs系半導体レーザ素子10aとInGaAlP系半導体レーザ素子10bを電気的に分離するため、分離領域以外をレジストなどによりマスクし、分離領域を塩酸または硫酸と過酸化水素水の混合液などのようなエッチング液を用い、半導体基板1に到達するまでエッチングする。
最後に、コンタクト層6a、6bの表面にそれぞれAu-Ge/Niを含むp側電極7a、7bを、また、半導体基板1の裏面にTi/Auを含むn側電極8を、それぞれ真空蒸着などにより形成する。この電極形成後に劈開などにより、ウェハからチップ化することにより、レーザチップが形成されている。
このように本発明の半導体レーザでは、従来の電流狭窄層を同時に形成するプロセスを用いているにもかかわらず、赤外半導体レーザ素子および赤色半導体レーザ素子の電流狭窄層としてInGaAlP系材料とAlGaAs系材料の両方で形成しているため、高出力動作可能なモノリシック型半導体レーザが得られ、高いキンクレベルの維持やFFP特性の調整を容易に行うことができる。
(その他の変形例)
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、具体的な構成は種々に設計変更可能である。
第1実施形態ではAlGaAs系半導体レーザ素子10aとInGaAlP系半導体レーザ素子10bで共通の第1電流狭窄層5a、5bを形成し、さらにその上に共通の第2電流狭窄層11a、11bを形成したが、これに限らず3層以上の多層構造も含む。例えば、AlGaAs系半導体レーザ素子とInGaAlP系半導体レーザ素子で共通のIny9(Ga1−x9Alx91−y9P(0.6≦x9≦1、0≦y9≦1、より好ましくは0.7≦x9≦0.8、0.45≦y9≦0.55、たとえばx9=0.75、y9=0.5)電流狭窄層を形成する。その上にAlz9Ga1−z9As(0≦z9≦1.0、より好ましくは0≦z9≦0.1、たとえばz9=0)電流狭窄層を形成する。さらに、その上にIny10(Ga1−x10Alx101−y10P(0.6≦x10≦1、0≦y10≦1、より好ましくは0.7≦x10≦0.8、0.45≦y10≦0.55、たとえばx10=0.75、y10=0.5)を形成しても良い。
次に、図4に示す従来の半導体レーザにおいてAlGaAs系半導体レーザ素子側の赤外素子用の電流狭窄層55aにはn形GaAsを、InGaAlP系半導体レーザ素子側の赤色素子用の電流狭窄層55bにはn形InGaAlPを用いた半導体レーザを従来技術とし、本発明の図1に示す半導体レーザと電流−光出力特性を比較した。図3は測定結果を示し、破線が上記従来技術の半導体レーザを表し、実線が本発明(図1)による半導体レーザを表す。図3に示すように、従来技術の構造では、AlGaAs系半導体レーザ素子側の電流狭窄層で光の吸収が発生するために、光出力が低下していることがわかる。具体的には、本発明による半導体レーザのスロープ効率が、従来技術の半導体レーザ素子のスロープ効率と比較して、0.75W/Aから0.85W/Aに向上した。
本発明の第1実施形態における半導体レーザを示す図である。 本発明の第2実施形態における半導体レーザを示す図である。 半導体レーザのI−L特性比較を示す図である。 従来のモノリシック型半導体レーザを示す図である。
符号の説明
1,51 半導体基板
9a 赤外用発光層形成部
9b 赤色用発光層形成部
10a AlGaAs系半導体レーザ素子
10b InGaAlP系半導体レーザ素子

Claims (4)

  1. 一の半導体基板上にAlGaAs系の第1波長用半導体レーザ素子と、InGaAlP系の第2波長用半導体レーザ素子とを備える半導体レーザであって、
    前記第1波長用半導体レーザ素子は、第1導電形半導体層、活性層、リッジ部が形成される第2導電形半導体層を備えた第1波長用発光層形成部と、前記第2導電形半導体層のリッジ部の側部に設けられた第1波長用の第1導電形電流狭窄層とを有し、
    前記第2波長用半導体レーザ素子は、第1導電形半導体層、活性層、リッジ部が形成される第2導電形半導体層を備えた第2波長用発光層形成部と、前記第2導電形半導体層のリッジ部の側部に設けられる第2波長用の第1導電形電流狭窄層とを有し、
    前記第1波長用半導体レーザ素子および前記第2波長用半導体レーザ素子の電流狭窄層にIn(Ga1−xAl1−yP(0.6≦x≦1、0≦y≦1)を含み、かつ、少なくとも前記第1波長用半導体レーザ素子の電流狭窄層にはAlGa1−zAs(0≦z≦1.0)を含むことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 前記In(Ga1−xAl1−yP電流狭窄層は、前記AlGa1−zAs電流狭窄層よりも活性層に近い位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 前記AlGa1−zAs電流狭窄層のAlの組成が0.5≦z≦1.0であることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
  4. 前記In(Ga1−xAl1−yP(0.6≦x≦1、0≦y≦1)電流狭窄層又は前記AlGa1−zAs(0≦z≦1.0)電流狭窄層の少なくともどちらか一方の電流狭窄層が2層以上積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
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