JP2007286458A - 表示装置および表示装置の制御方法 - Google Patents

表示装置および表示装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表示エリア全域において、温度が異なる箇所で相対輝度に差があると、この相対輝度の差が人間の目に焼付き現象として見える。
【解決手段】高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度劣化分を相対輝度劣化化検出部308で検出するとともに、画素個々の隣接画素との温度差を温度差検出部311で検出し、この画素個々の隣接画素との温度差を、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度劣化分が反映された高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとにデータ規格化処理部312で規格化(換算)することによって温度補正を行い、この温度補正によって得られた相対輝度劣化分ΔLaと相対輝度劣化分ΔLbとの除算結果ΔLa/ΔLbに基づいて、温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように輝度補正の制御を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、表示装置および表示装置の制御方法に関し、特に有機電界発光素子(有機EL(Electro Luminescence) 素子)等の自発光素子を表示素子として用いた表示装置およびその制御方法に関する。
近年、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、有機EL素子などの自発光素子を表示素子として用いたパネル型の表示装置(ディスプレイ)の開発が為されている。この種の表示装置は、一般に、自発光素子をマトリクス状に多数配置することによって画面部(表示パネル)が構成され、各素子を映像信号に応じて選択的に発光させることにより、映像の表示が行われる。
表示媒体として、テレビジョン受像機、コンピュータモニター、携帯情報端末などに代表されるように、我々の日常生活の中でディスプレイは大きな役割を担っている。インターネットの進展に伴い、ヒューマンインターフェイスとしてのディスプレイの重要性は益々大きくなっている。このような状況下で、目に優しく、高精細な画面で見やすく、かつ動画に遅れなしにくっきりと綺麗に見える高解像度、高速応答のディスプレイが要求されている。
自発光素子を用いた表示装置は、非自発光素子を用いた表示装置、例えば液晶を用いた液晶表示装置(LCD;(Liquid Crystal Display)に比べて、バックライトが不要なために、薄型化、軽量化を実現でき、消費電力の点でも有利であるなどの利点がある。特に、有機EL素子を用いた有機EL表示装置は、視野角が広く、視認性が高いこと、素子の応答速度が速いことなどから、近年注目されている。
これに対して、自発光素子、例えば有機EL素子には、発光に伴う発熱などによって各有機層が劣化し、発光輝度が低下するとともに、発光自体が不安定になるなどの経時的劣化の問題がある。このような問題は、有機EL表示装置に限らず、他の自発光素子を用いた表示装置、例えばプラズマディスプレイなどでも起こる。
その対策のために、従来は、電流量と発光輝度との比例関係を利用して、デバイスに流れる電流量を抑制することによって温度上昇による輝度劣化を抑えるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
また、走査線とデータ線との交差点の画素近傍に温度センサを配置し、当該温度センサが検出する周囲温度の変化に応じて走査線を駆動する駆動電圧の電圧レベルを制御することにより、周囲温度が変化しても均一で明るい表示を行うようにしていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−323152号公報 特開2003−157050号公報
しかしながら、特許文献1記載の従来技術では、デバイスに流れる電流量を抑制するようにしているために、電流量の制御によって発光輝度が低下し、良好な画像表示を提供できないなどの問題があった。
一方、有機EL素子は発光輝度-印加電圧特性の温度依存性がデバイスごとに異なる。したがって、温度センサの検出出力だけを用いて発光輝度の制御を行う特許文献2記載の従来技術では、デバイス(有機EL素子)個々の発光輝度-印加電圧特性の温度に起因する変化の違いに対応できないなどの問題がある。
また、有機EL素子は発光ダイオード特性を示し、温度上昇に伴ってデバイスに流れる電流が比例して大きくなり、結果的に発光輝度と比例関係にあるために、デバイスの劣化を促進する傾向にある。すなわち、有機EL素子は、温度によって発光輝度が変化する温度特性を持っている。
そして、ある一定輝度で発光させたとき、有機EL素子の温度が高ければ高い程相対輝度が劣化し易くなる。具体的には、図7に示すように、横軸を駆動時間、縦軸を相対輝度とし、駆動時間が0のときの相対輝度を1とすると、駆動時間が長くなるに連れて相対輝度が劣化するとともに、その輝度劣化曲線が温度によって異なる。
表示エリア全域において、温度が異なる箇所で相対輝度に差があると、この相対輝度の差が人間の目にいわゆる焼付き現象として見える。すなわち、デバイスの温度起因による輝度劣化の違いによって焼付き現象が発生する。このような温度起因による相対輝度の劣化の違いに対しては、単にデバイスに流れる電流量を抑制したり、温度センサの検出出力だけを用いた制御を行ったりするだけでは補正することが困難であり、上記特許文献1,2記載の従来技術を用いたとしても、デバイスの温度起因による相対輝度の劣化の違いによって発生する焼付き現象を抑制することはできない。
そこで、本発明は、デバイスの温度起因による輝度劣化の違いによって発生する焼付き現象を抑制し、滑らかな画像表示を実現可能な表示装置および表示装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示装置において、前記一対の基板のうちの一方の基板に、発光素子の各々に対応して受光素子を配置し、当該受光素子によって発光素子の漏れ光を検出することによって発光素子個々の輝度を検出するとともに、前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号とに基づいて前記発光素子の相対輝度の劣化分を検出する。そして、画素個々の隣接画素との温度差、あるいは、画素個々の画素温度と表示部の周囲温度との温度差に対して上記相対輝度の劣化分を反映させて前記発光素子の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように前記発光素子の発光輝度を制御する。
上記構成の表示装置において、発光素子の相対輝度の劣化分を検出し、当該相対輝度の劣化分を画素個々の隣接画素との温度差、あるいは、画素個々の画素温度と表示部の周囲温度との温度差に反映させて発光素子の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように発光輝度の制御を行うことにより、温度起因による相対輝度の劣化の違いによって発生する焼付き現象を抑制することができる。
本発明によれば、発光素子の温度起因による輝度劣化の違いによって発生する焼付き現象を抑制することができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
(上面発光型パネルモジュール)
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置、例えば有機EL表示装置に用いられる上面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置に用いられるパネルモジュール10Aは、支持基板11と対向基板12とを有し、これら基板11,12間に挟持される形で発光素子13が設けられた構成となっている。支持基板11は、石英、ガラス等の透明基板やシリコン基板などの中から適宜選択されて用いられる。
ここでは、パネルモジュール10Aの駆動方式としてアクティブマトリクス方式を採用するものとする。ただし、パネルモジュール10Aの駆動方式としては、アクティブマトリクス方式に限られるものではなく、パッシブマトリクス方式を採用した場合であっても、本発明は適用可能である。
支持基板11には、発光素子13を含む画素ごとに、発光素子13を駆動するトランジスタ、例えばTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)が形成されている。支持基板11にはさらに、ここでの図示を省略した駆動回路、具体的には発光素子13を含む画素が行列状に2次元配置されてなる表示部を駆動するに当たって、当該表示部の各画素を画素行ごとに配線された走査線を介して行単位で選択する行選択回路や、当該行選択回路によって選択された行の各画素に、画素列ごとに配線されたデータ線を介して表示データを供給するデータ線駆動回路などが設けられている。
発光素子13は、自発光素子である有機EL素子からなり、支持基板11の一主面側中央部の表示領域にマトリクス状(行列状)に2次元配置されている。これらの発光素子13は、それぞれが例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に発光するものであり、所定の配列形式に従って表示領域に配列されている。また、発光素子13の相互間には、各発光素子13を分離する素子分離絶縁層14が形成されている。この素子分離絶縁層14の部分に、上記走査線が画素行ごとに配線されることになる。
発光素子13は、支持基板11上に各発光素子13ごとに配列形成される下部電極(陽極)15と、下部電極15上に形成され、各色に発光する発光層を含む有機層16と、各有機層16および素子分離絶縁層14を覆う状態でベタ膜状に形成され、各発光素子13の共通電極となる上部電極(陰極)17とが順次積層されている。
なお、ここでは、下部電極15を陽極、上部電極17を陰極としているが、下部電極15が陰極で、上部電極17が陽極であってもよい。また、上部電極17と対向基板12との間には、例えば窒化シリコンからなる透明材料膜18が設けられている。
対向基板12の表面側には、各発光素子13の間となる位置、即ち走査線が配線される素子分離絶縁層14の部位と対向する位置に、受光素子19が発光素子13に対応した数だけ配置されている。具体的には、受光素子19は、対向基板12の表面側に形成された凹部12aを埋め込む状態で設けられている。この凹部12aは、支持基板11と対向基板12とを対向配置させる前に、エッチング等によって形成されることとする。
なお、ここでは、受光素子19を対向基板12の表面側に形成された凹部12aに埋め込んだ配置構造を採っているが、対向基板12における発光素子13側に凹部を形成し、当該凹部に受光素子19を埋め込む配置構造や、透明材料膜18の対向基板12側に凹部を形成し、当該凹部に受光素子19を埋め込む配置構造を採ることも可能である。
受光素子19は、例えばアモルファスシリコン半導体によって形成された高感度受光センサ(可視光センサ)であり、対応関係にある発光素子13の漏れ光を検出して光電変換し、受光量に応じた電気信号を発生する。発光素子13と受光素子19との対応関係については後述する。
受光素子19としては、アモルファスシリコン半導体によって形成された高感度受光センサに限られるものではなく、受光量に応じて電気信号を発生させることができる周知の受光センサを用いることができる。ただし、受光素子19として高感度受光センサを用いることで、後述するように、発光素子13の発光強度に対して20%程度の光量の漏れ光を検出できる利点がある。
また、有機EL素子には、その構造上受光素子としての機能を持たせることも可能であることから、有機EL素子を受光素子19として用いることも可能である。有機EL素子を受光素子19として用いることで、有機EL表示装置にあっては、発光素子13と受光素子19とを同じプロセスで形成することができるために、製造プロセス上有利であるという利点がある。
受光素子19は、画素の配列ピッチや上部電極17および透明材料膜18の膜厚などで決まる発光素子13に対する配置関係から、発光素子13の発光強度に対して20%程度の光量の漏れ光を検出することができる。このように、受光素子19が発光素子13の発光強度の20%程度を受光できれば、当該受光素子19の受光出力に基づく後述する制御を十分に実現できる。
また、図2の平面図に示すように、受光素子19はスキャン方向において平面視的に隣接する各発光素子13の間に配置されている。そして、先述した行選択回路による画素行の走査の際に、ある画素行の発光素子13が選択されたときに、この選択行の発光素子13に隣接する一方の受光素子19が当該発光素子13の漏れ光をモニタリングする対応関係となっている。この対応関係が先述した発光素子13と受光素子19との対応関係である。
すなわち、ある画素行の発光素子13とこれにスキャン方向に隣接する一方の受光素子19とが対となり、発光素子13のスキャン周期と同周期で当該発光素子13と対応関係にある受光素子19が発光素子13の漏れ光をモニタリングすることになる。このタイミング関係により、1つの受光素子19に対してスキャン方向における両側に隣接して発光素子13が2個存在していても、受光素子19が一方の発光素子13からの光漏れ量のみを受光し、他方の発光素子13からの光漏れ量を受光することを防止できる。ここで、図2のA−A′線に沿った矢視断面図が図1の断面構成図となる。
以上により、発光素子13の有機層16からの発光光を対向基板12側から取り出すいわゆる上面発光型パネルモジュール10Aが構成されている。そして、この上面発光型パネルモジュール10Aにおいて、光取り出し方向と反対側、即ち支持基板11側で、当該支持基板11の一主面(外面)上の発光素子13と対向する部位に温度センサ20が設けられている。
温度センサ20は、支持基板11の一主面に密着していることで、当該支持基板11を挟んで対向する発光素子13の発熱に伴う温度を確実に検知することができる。この温度センサ20としては、例えば、アモルファスシリコン半導体などによって形成された周知の温度センサを用いることができる。
ここでは、上面発光型パネルモジュール10Aを例に挙げたが、本発明は上面発光型パネルモジュール10Aへの適用に限られるものではなく、発光素子13の有機層16からの発光光を支持基板11側から取り出すいわゆる下面(ボトム)発光型パネルモジュールに対しても適用可能である。以下に、下面発光型パネルモジュールの構造について説明する。
(下面発光型パネルモジュール)
図3は、本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置に用いられる下面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
図3に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置に用いられる下面発光型パネルモジュール10Bの場合は、有機層16からの発光光が支持基板11側から取り出されるため、上部電極17は反射性材料で形成され、下部電極15は透明性材料で形成される。ここで、下部電極15は、支持基板11に配置されたTFTを覆う状態で設けられた平坦化絶縁膜(図示省略)上に、各発光素子13に対応する状態で配置されている。
そして、受光素子19は、下部電極15間の平坦化絶縁膜上に、隣接する下部電極15とは離間する状態で配置されている。また、この受光素子19で発光素子13の漏れ光を検出するため、上記受光素子19を覆う状態で配置される素子分離絶縁層14は、透明材料によって生成される。一方、温度センサ20は、光取り出し方向と反対側、即ち対向基板12側で、当該対向基板12の一主面(外面)上の発光素子13と対向する部位に設けられている。
以上の点が、下面発光型パネルモジュール10Bが上面発光型パネルモジュール10Aと構造上相違する点であり、それ以外の構造については上面発光型パネルモジュール10Aと基本的に同じである。
本実施形態に係る有機EL表示装置は、以上説明した上面発光型パネルモジュール10Aあるいは下面発光型パネルモジュール10Bに加えて、以下に説明する本実施形態に係る制御部を備えており、当該制御部によってパネルモジュール10A/10Bの表示制御(駆動制御)を行う構成となっている。
(制御部)
図4は、先述した構成を持つパネルモジュール10A/10Bの制御を行う第2実施形態に係る制御部30Aの構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係る制御部30Aは、レベル制御部301、相対レベル調整部302、メモリー部303、除算部304、A/D(アナログ/デジタル)変換部305、メモリー部306、乗算部307、相対輝度劣化検出部308、A/D変換部309、メモリー部310、温度差検出部311、データ規格化処理部312、電圧除算演算部313、電圧除算結果比較演算部314、電圧除算比率制御部315および演算選択制御部316を有する構成となっている。
本制御部30Aは、入力されるデジタル映像信号に応じてパネルモジュール10A内の表示部の各画素の表示制御を行う一方、パネルモジュール10A/10Bに設けられた受光素子群の各受光素子19の検出信号に基づいて相対輝度劣化量を検出するとともに、パネルモジュール10Aに設けられた温度センサ群の各温度センサ20の検出信号に基づいて各画素の隣接画素との温度差を検出し、これら検出した相対輝度劣化量および温度差に基づいて発光素子13の温度特性に起因する相対輝度の劣化が一定に(均一に)なるように発光素子13の駆動制御を行う。
制御部30Aにおいて、デジタル映像信号は、レベル制御部301および相対レベル調整部302を介してメモリー部303に供給され、当該メモリー部303に各表示画素の階調値が保存された後パネルモジュール10A/10Bに供給される。レベル制御部301および相対レベル調整部302の各機能については後述する。
パネルモジュール10A/10Bにおいては、先述したように、画素が行列状に2次元配置されてなる表示部の各画素を行単位で選択するとともに、この選択行の各画素にデジタル映像信号に応じた表示データを書き込むことにより、デジタル映像信号に応じた階調にて各画素の発光素子13の発光駆動が行われる。
この行走査による表示駆動により、各画素の発光素子13が行単位で順に発光すると、各受光素子19が対応関係にある各発光素子13の漏れ光を受光し、光電変換して受光量に応じた電圧値として出力する。受光素子19から出力される電圧値は除算部304に供給される。
除算部304は、乗算部307を介してメモリー部303から与えられる階調値で、受光素子19から出力される電圧値を除算する演算処理を行う。ここで、表示画素の発光強度(発光輝度)が強ければ(明るければ)階調が高く、逆に発光強度が弱ければ(暗ければ)階調が低いということであるため、除算部304による除算結果から表示画素の輝度の状態(高輝度であるか低輝度であるか)を認識することができる。この除算結果は、A/D変換部305でデジタルデータに変換され、メモリー部306に保存される。
乗算部307は、メモリー部303に保存されている各表示画素の階調値に対して20%の乗算処理を行う。ここで、表示画素の階調値に対して20%の乗算処理を行うのは、先述したように、受光素子19が受光する漏れ光の受光量が発光素子13の発光量の20%程度であることから、除算演算の対象となる受光素子19からの電圧値とメモリー部303からの階調値とを対応させる(揃える)ためである。
なお、ここでは、メモリー部303からの階調値に対して乗算部307で20%の乗算処理を行うとしたが、受光素子19からの電圧値に対して5倍の乗算処理を行うことによっても、除算部304での除算演算の対象となる受光素子19からの電圧値とメモリー部303からの階調値とを対応させることができる。
相対輝度劣化検出部308は、メモリー部306の保存データから、1表示画面における最高輝度もしくはその近傍の輝度で発光する画素を高輝度表示画素、最低輝度もしくはその近傍の輝度で発光する画素を低輝度表示画素として認識し、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について、乗算部307を介してメモリー部303から与えられる階調値を基に、所定の駆動期間における相対輝度劣化分を検出する。
先述したように、有機EL素子は発光ダイオード特性を示し、温度によって発光輝度が変化する温度特性を持っている。そして、ある一定輝度で発光させたとき、温度が高ければ高い程発光輝度(明るさ)が劣化していく。具体的には、駆動時間が長くなるに連れて相対輝度が劣化するとともに、その輝度劣化曲線が温度によって異なる。また、高輝度表示画素と低輝度表示画素とで温度起因による輝度劣化の特性が違い、図5から明らかなように、高輝度表示画素の特性(A)の方が、低輝度表示画素の特性(B)よりも劣化が顕著である。
パネルモジュール10A内の温度センサ群の各温度センサ20は、表示画素の非表示期間において画素個々の温度を検出して電圧値として出力する。温度センサ20から出力される電圧値はA/D変換部309でデジタルデータに変換され、メモリー部310に保存される。温度差検出部311は、メモリー部310に格納されている検出温度についての保存データを基に、画素ごとに隣接する画素、例えば走査順における前の画素との間の温度差(電圧値の差分)を画素個々について検出する。
データ規格化処理部312は、輝度と温度との対応関係を示す数値相関データテーブルを有し、温度差検出部311で検出された画素個々の隣接画素との温度差に、相対輝度劣化検出部308で検出された高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度劣化分を反映させることにより、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された隣接画素との温度差に応じた第1の電圧値(以下、「高輝度表示画素の相対輝度劣化分」と記述する)ΔLaと、低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された隣接画素との温度差に応じた第2の電圧値(以下、「低輝度表示画素の相対輝度劣化分」と記述する)ΔLbとに規格化(換算)する。
電圧除算演算部313は、画素個々について、データ規格化処理部313で規格化された高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbで除算する。この除算結果ΔLa/ΔLbは、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された隣接画素との温度差と低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された隣接画素との温度差との比であることから、温度起因による輝度劣化の違いによって発生する焼付き現象の程度を表すことになる。以下、除算結果ΔLa/ΔLbを温度特性焼付き相関係数と呼ぶこととする。
電圧除算結果比較演算部314は、画素個々について、電圧除算演算部313での除算結果である温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbに基づいて、検出した隣接画素との温度差において温度起因による輝度劣化の違いによって発生する焼付き現象の程度を判定する。
ここで、隣接画素間の温度差と焼付き現象が発生する臨界点(以下、「焼付き発生臨界点」と記述する)との対応関係について説明する。なお、焼付き発生臨界点(数値)は、特許請求の範囲の所定の基準値に相当する。一例として、図6に示すように、隣接画素間の温度差が5℃のときは、焼付き発生臨界点が1.53となる。これは、温度差5℃のときに焼付き現象が発生する臨界点が1.53であることを表しており、温度差5℃では温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbが臨界点未満(ΔLa/ΔLb<1.53)であれば焼付き現象が発生しないことを意味している。
同様に、隣接画素間の温度差が10℃のときは焼付き発生臨界点が1.45、隣接画素間の温度差が15℃のときは焼付き発生臨界点が1.40、隣接画素間の温度差が20℃のときは焼付き発生臨界点が1.36、隣接画素間の温度差が25℃のときは焼付き発生臨界点が1.31、隣接画素間の温度差が30℃のときは焼付き発生臨界点が1.24、隣接画素間の温度差が35℃のときは焼付き発生臨界点が1.19、隣接画素間の温度差が40℃のときは焼付き発生臨界点が1.12となる。
すなわち、温度差10℃ではΔLa/ΔLb<1.45、温度差15℃ではΔLa/ΔLb<1.40、温度差29℃ではΔLa/ΔLb<1.36、温度差25℃ではΔLa/ΔLb<1.31、温度差30℃ではΔLa/ΔLb<1.24、温度差35℃ではΔLa/ΔLb<1.19、温度差40℃ではΔLa/ΔLb<1.12であれば焼付き現象が発生しないことになる。
したがって、電圧除算結果比較演算部314では次のような比較演算処理が行われる。すなわち、ある画素において、検出した隣接画素との温度差が例えば15℃のときを例に挙げると、上述した隣接画素間の温度差と焼付き発生臨界点との対応関係から、温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbが1.40以上あるか否か、即ち焼付き現象が発生するか否か、また1.40以上であれば、焼付き現象の発生程度、即ち焼付き発生臨界点(1.40)に対する差分を演算する処理が行われる。
電圧除算比率制御部315は、電圧除算結果比較演算部314による焼付き現象の発生程度の判定結果を基に、焼付き現象が発生しないようにするための制御値を画素個々について算出する。具体的には、電圧除算結果比較演算部314で焼付き現象が発生すると判定され、焼付き発生臨界点に対する差分の演算が行われた場合に、その差分に対応した制御値を算出する。この制御値は、発光素子13の温度特性に起因する相対輝度の劣化が一定(均一)になるように、入力デジタル信号の信号レベルを補正する輝度補正値となる。
ここで、電圧除算演算部313、電圧除算結果比較演算部314および電圧除算比率制御部315には、演算される電圧値と輝度との対応関係を示す対応表が組み込まれていることとする。これにより、輝度補正を行う上で、演算される電圧値がどれくらいの輝度値に相当するかを各回路部ごとに照会できるためにスムーズな補正が可能となる。
演算選択制御部316は、電圧除算比率制御部315で算出された画素個々の輝度補正値(制御値)を基にして、補正処理の対象画素が高輝度表示画素であるときに、当該高輝度表示画素に対して信号レベル(輝度レベル)の補正を行うか否かの選択制御を行う。そして、演算選択制御部316による選択結果を基に、レベル制御部301は、高輝度表示画素の信号レベルに対して、電圧除算比率制御部315で算出された輝度補正値に応じた補正制御を行う。
相対レベル調整部302は、静止画判定部3021、切り替えスイッチ3022およびレベル調整部3023によって構成されている。
静止画判定部3021は、例えば図7に示すように、フレームメモリ30211、演算回路30212および判定回路30213からなり、Nフレーム目の映像信号レベルV1Nと、フレームメモリ30211に格納された1フレーム前のN−1フレーム目の映像信号レベルV1(N−1)とを用いて、演算回路30212で
[{V1N−V1(N−1)}/V1(N−1)]×100
なる演算処理を行い、その演算結果がN−1フレーム目の映像信号レベルV1(N−1)の例えば70%以下であるか否かを判定回路30213で判定し、70%以下であるときに静止画であると判定する。当然のことながら、70%を越えるときは動画となる。
切り替えスイッチ3022は、通常は、入力されるデジタル映像信号を直接メモリー部303へ供給し、静止画判定部3021の判定結果が静止画であるときは入力されるデジタル映像信号を、レベル調整部3023を介してメモリー部303へ供給する。レベル調整部3023は、静止画と判定されたときの映像信号の信号レベルを例えば100倍に乗算処理を行う。
ここで、静止画と判定されたときに映像信号の信号レベルを100倍するのは次の理由による。すなわち、先述したように、相対輝度劣化検出部308において所定期間(例えば、1フレーム期間)における発光輝度(輝度レベル)の変化分の検出が行われるが、静止画であっても、デバイスの温度変化などに起因してフレーム間において輝度レベルに変動が生じる。そして、1フレーム期間における静止画の輝度レベルの変化分は、1フレーム期間における動画の輝度レベルの変化分に比べて1/100程度と極めて微小である。
したがって、静止画と判定したときに、映像信号の信号レベルに対して100倍程度の乗算処理を施すことにより、相対輝度劣化検出部308において、前後のフレーム間での微弱な信号レベルの推移(輝度変化)の検出処理を容易に行うことができる。ただし、100倍という数値は一例に過ぎず、これに限られるものではなく、少なくとも、前後のフレーム間での微弱な信号レベルの推移を検出できる程度の倍率であれば良い。
また、静止画と判定したときに、映像信号の信号レベルに対して100倍程度の乗算処理を施すことにより、1フレーム期間における輝度レベルの変化分を静止画時と動画時で同程度の電圧値にすることができる。このように、輝度レベルの変化分を静止画時と動画時で同程度の電圧値にすることで、データ規格化処理部312→電圧除算部313→電圧除算結果比較演算部314→電圧除算比率制御部315→演算選択制御部316→レベル制御部301の補正制御系を静止画時と動画時とで共通にできる(分けなくて済む)。この場合は、100倍という数値が有効に作用する。
なお、静止画時の信号レベルの調整については、静止画時の信号レベルとそれに対応した輝度値との対応表をレベル調整部3023にあらかじめ組み込んでおき、この対応表を用いて静止画時の信号レベルをそれに対応した輝度値に設定する構成を採ることも可能である。
上記構成の本実施形態に係る制御部30Aを備えた有機EL表示装置において、発光素子13として用いられる有機EL素子は、先述したように、駆動時間が長くなるに連れて相対輝度が劣化するとともに、その輝度劣化曲線が温度によって異なる特性を持ち、さらに高輝度表示画素と低輝度表示画素とで温度起因による輝度劣化の特性が違う。そして、デバイスの温度起因による輝度劣化の違いによって焼付き現象が発生する。
このように、有機EL素子を発光素子13として用いた表示装置では、有機EL素子が自発光素子であるが故に、特に同じ表示状態が長く続けばそれだけ温度が上昇する。そして、デバイスの温度起因による輝度劣化の違いによって焼付き現象が発生するという現状において、本実施形態に係る制御部30Aを備えた有機EL表示装置では次のような構成を採ることを特徴としている。
すなわち、発光素子13の各々に対応して受光素子19を配置し、当該受光素子19によって発光素子13の漏れ光を検出することによって発光素子13個々の輝度を検出するとともに、温度センサ20によって発光素子13を含む画素の各々の温度を検出し、制御部30Aによる制御の下に、入力デジタル信号と受光素子19の検出信号とを用いて所定の駆動期間における相対輝度の劣化分を検出するとともに、温度センサ20による画素個々の温度情報を用いて画素ごとに隣接画素との温度差を検出し、この温度差に相対輝度の劣化分を反映させて、発光素子13の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように発光素子13の発光輝度を制御する構成を採っている。
このように、発光素子13個々の輝度情報を用いて相対輝度の劣化分を検出し、当該相対輝度の劣化分を画素個々の隣接画素との温度差に反映させて発光素子13個々の発光輝度の制御を行う、具体的には発光素子13の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように発光素子13個々の発光輝度の制御を行うことにより、デバイスの温度起因による相対輝度の劣化の違いによって発生する焼付き現象を抑制することができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
本実施形態に係る制御部30Aによる輝度制御では、その具体的な制御として、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度劣化分を相対輝度劣化化検出部308で検出するとともに、画素個々の隣接画素との温度差を温度変化検出部311で検出し、この画素個々の隣接画素との温度差を、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度劣化分が反映された高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとにデータ規格化処理部312で規格化(換算)することによって温度補正を行い、この温度補正によって得られた相対輝度劣化分ΔLaと相対輝度劣化分ΔLbとの除算結果である温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbを基に輝度補正の制御を行うようにしている。
また、本実施形態に係る制御部30Aを備えた有機EL表示装置では、画素個々の温度を検出する温度センサ20を、上面発光型パネルモジュール10A、下面発光型パネルモジュール10Bに関わらず、一対の基板11,12のうち、光取り出し方向と反対側の支持基板11に配置した構成を採っていることにより、パネルモジュール10A/10B上において平面視的に温度センサ20を配置するための余分なスペースを確保する必要がないために、表示エリアを抑制したり、パネルサイズの縮小化を妨げたりすることがない。
しかも、図1や図3から明らかなように、発光素子13の各々に対して支持基板11を挟んで温度センサ20の各々を配向配置していることにより、発光素子13を含む画素の開口率の低下を招くことがないために、多画素化に伴う高解像度化に有利な構造となり、さらに、温度センサ20を支持基板11に密着させているために、当該温度センサ20によって発光素子13個々の温度を確実に検出することができる。
なお、上記構成の制御部30Aについては、画素が行列状に配置されてなる表示部やその周辺の駆動回路と共に、パネルモジュール10A/10B上に搭載する構成を採っても良いし、あるいは、パネルモジュール10A/10B外に設ける構成を採っても良い。
ここで、本実施形態に係る制御部30Aの各構成要素、即ちレベル制御部301、相対レベル調整部302、メモリー部303、除算部304、A/D変換部305、メモリー部306、乗算部307、相対輝度劣化検出部308、A/D変換部309、メモリー部310、温度差検出部311、データ規格化処理部312、電圧除算演算部313、電圧除算結果比較演算部314、電圧除算比率制御部315および演算選択制御部316については、パーソナルコンピュータのように、所定プログラムを実行することによって情報記憶処理、信号処理、演算処理等の各機能を実行するコンピュータ機器を利用してソフトウェア構成によって実現することが考えられる。ただし、ソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成、あるいはハードウェアとソフトウェアの複合構成によって実現することも可能である。
(制御方法)
次に、上記構成の本実施形態に係る有機EL表示装置の制御方法(本発明による表示装置の制御方法)の処理手順について、図8のフローチャートを用いて具体的に説明する。この制御方法による処理は、図4の制御部30Aの処理に相当する。なお、この一連の処理は、スキャン周期に同期して画素単位で実行されることとする。
ここでは、一例として、図9に示すように、発光素子13の初期温度が30℃であったときに、高輝度表示画素(A)の相対輝度をLa(=1.0)、低輝度表示画素(B)の相対輝度をLb(=1.0)とし、所定の駆動期間tが経過した後の表示状態での高輝度表示画素の温度が60℃に上昇し、このときの高輝度表示画素の相対輝度が初期値Laよりも6%劣化(ΔLa=La×6%)し、低輝度表示画素の温度が45℃に上昇し、このときの低輝度表示画素の相対輝度が初期値Lbよりも4%劣化(ΔLa=La×4%)している場合の輝度補正制御を例に挙げて説明する。
なお、静止画の場合も動画の場合も制御方法は同じであるために、ここでは、静止画/動画の共通の制御として説明する。
先ず、画像表示のためのデジタル映像信号を取り込み(ステップS11)、当該映像信号の信号レベルで示される階調値を保存し(ステップS12)、しかる後デジタル映像信号をパネルモジュール10A/10Bに対して入力する(ステップS13)。これにより、パネルモジュール10A/10Bでは、デジタル入力信号に基づいて画素の表示駆動が行われ、各画素の発光素子13が発光する。
発光素子13が発光することにより、対応関係にある受光素子19が当該発光素子13の漏れ光を受光し、その受光量に応じた電気信号、即ち発光輝度に応じた電圧値を出力するとともに、発光素子13に対して支持基板11を挟んで対向配置された温度センサ20が当該発光素子13の温度を検出してその温度に応じた電圧値を出力する。
このように、パネルモジュール10Aが表示駆動状態にあるときに、受光素子19から出力される発光輝度に応じた電圧値(輝度電圧値)を取り込み(ステップS14)、この輝度電圧値をステップS12で保存した階調値で除算し(ステップS15)、デジタルデータ化した後保存する(ステップS16)。
次いで、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について、ステップS12で保存した階調値を基に、所定の駆動期間における発光輝度の劣化分を検出する(ステップS17)。
なお、ステップS15での除算処理や、ステップS17での輝度劣化分の検出に用いられる階調値は、実際には、受光素子19が受光する漏れ光の受光量が発光素子13の発光量の20%程度であり、受光素子19からの電圧値に対応させるために、20%の除算処理が行われたものとなる。
次いで、温度センサ20から出力される、発光素子13を含む画素の温度に応じた電圧値(温度電圧値)を取り込み(ステップS18)、画素個々について隣接画素との間の温度差(電圧値の差分)を検出する(ステップS19)。
なお、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について輝度変化分を検出するためのステップS14〜S17の各処理と、画素個々について隣接画素との間の温度差を検出するためのステップS18,S19の各処理については、その処理の順番が逆であっても良く、また双方の検出処理を並行して行うようにしても良い。
次に、輝度と温度との対応関係を示す数値相関データテーブルを基に、画素個々の隣接画素との間の温度差を、ステップS17で検出した高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての輝度劣化分に対応した電圧値(高輝度表示画素の相対輝度劣化分)ΔLaと、低輝度表示画素の温度変化分に応じた電圧値(低輝度表示画素の相対輝度劣化分)ΔLbとに規格化(換算)する(ステップS20)。
ここで、所定の駆動期間tが経過した後の30℃から60℃への温度変化に伴う高輝度表示画素の相対輝度の劣化が6%のとき、高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaは例えば4.8Vの電圧値に規格化され、所定の駆動期間経過後の30℃から45℃への温度変化に伴う低輝度表示画素の相対輝度の劣化が4%のとき、低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbは例えば3.2Vの電圧値として規格化されるものとする。
次に、高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaで除算し(ステップS21)、次いで、高輝度表示画素と低輝度表示画素との温度差ΔTがΔT≧15℃(=60℃−45℃)であるときの除算結果である温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbを基に、図6に示す温度差と焼付き発生臨界点との対応関係から、温度起因による相対輝度の劣化の違いによる焼付き現象の発生程度を判定する(ステップS22)。
ここでの例では、温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbが、ΔLa/ΔLb=4.8V/3.2V=1.50であり、図6の対応関係から、高輝度表示画素と低輝度表示画素との温度差ΔTが15℃のときの焼付き発生臨界点(1.40)以上であるために、温度起因による相対輝度の劣化の違いによる焼付き現象が発生すると判定される。そして、焼付き現象の発生程度、即ち温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbの焼付き発生臨界点に対する差を算出する処理が行われる。
ここで、温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbを1.40未満にするためには、即ち0.10を越える値だけ減少させるためには、低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbを約3.43V以上にするか、高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを約4.48V以下にすれば良いことになる。そのためには、低輝度表示画素の信号レベルを約0.23V(=3.43V−3.2V)以上増幅させるか、高輝度表示画素の信号レベルを約0.32V(=4.48V−4.8V)以上減衰させるかのいずれか一方を選択することになる。
このような処理をステップS23〜S25の各処理ステップで実行することになる。すなわち、温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbを1.0〜1.4の範囲に収めるための輝度補正値(上記の例では、低輝度表示画素に対して0.23V/高輝度表示画素に対して0.32V)を画素個々について算出し(ステップS23)、次いで、低輝度表示画素に対して信号レベルの増幅による補正を行うのか、高輝度表示画素に対して信号レベルの減衰による補正を行うのかを選択し(ステップS24)、次いで、この選択結果に基づいてデジタル映像信号の画素単位の信号レベル(輝度レベル)に対して増幅制御または減衰制御することによって輝度補正を行う(ステップS25)。
上述した一連の処理により、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度の劣化分を検出し、画素個々の隣接画素との間の温度差を高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度の劣化分に対応した高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとに換算することによって温度補正を行い、この温度補正によって得られた相対輝度劣化分ΔLa,ΔLbの除算結果である温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbが焼付き発生臨界点未満になるように輝度補正が行われるために、発光素子13の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるような制御が行われる。これにより、発光素子13の温度起因による相対輝度の劣化の違いによって発生する焼付き現象を抑制することができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
以上説明した本実施形態では、画素各々に対応させて温度センサ20を配置し、当該温度センサによって画素個々の温度を検出して隣接画素間の温度差を検出するとしたが、有機EL素子が発光ダイオード特性を示し、発光輝度と電流量との間に比例関係があるという特性を利用し、受光素子19にて検出する発光素子13の輝度情報から発光素子13の各々に流れる電流値を推定し、この推定した電流値から消費電力を算出し、この算出した消費電力から画素個々の温度を推定して隣接画素間の温度差を検出する構成を採ることも可能である。
[第2実施形態]
(上面発光型パネルモジュール)
図11は、本発明の第2実施形態に係る表示装置、例えば有機EL表示装置に用いられる上面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
図11と図1との対比から明らかなように、本実施形態に係る有機EL表示装置に用いられるパネルモジュール10Cは、画素ごとに画素個々の温度を検出する温度センサを持たない点で図1に示すパネルモジュール10Aと異なっており、それ以外の構造については当該パネルモジュール10Aと同じ構造となっている。
(下面発光型パネルモジュール)
図12は、本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置に用いられる上面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
図12と図3との対比から明らかなように、本実施形態に係る有機EL表示装置に用いられるパネルモジュール10Dは、画素ごとに画素個々の温度を検出する温度センサを持たない点で図3に示すパネルモジュール10Bと異なっており、それ以外の構造については当該パネルモジュール10Bと同じ構造となっている。
以上説明した上面発光型パネルモジュール10Cあるいは下面発光型パネルモジュール10Dは、画素ごとに画素個々の温度を検出する温度センサを持たない代わりに、画素が行列状に配置されてなる表示部の周辺に少なくとも1個配置され、当該表示部の周辺温度(パネルモジュール10C/10Dが置かれる環境温度とも言える)を検出する温度センサ21(図12参照)を持つ構成となっている。
本実施形態に係る有機EL表示装置は、パネル周縁(表示部の周辺)に温度センサ21を有する上面発光型パネルモジュール10Cあるいは下面発光型パネルモジュール10Dに加えて、当該パネルモジュール10C/10Dの表示制御(駆動制御)を行う制御部を備えている。
(制御部)
図12は、パネルモジュール10C/10Dの制御を行う第2実施形態に係る制御部30Bの構成の一例を示すブロック図である。なお、上述したように、パネルモジュール10C/10Dは、パネル周縁(表示部の周辺)に表示部の周囲温度(非表示部の温度)を検出する温度センサ21を備えている。
図12に示すように、本実施形態に係る制御部30Bは、レベル制御部321、相対レベル調整部322、メモリー部323、除算部324、A/D変換部325、メモリー部326、乗算部327、相対輝度劣化検出部328、A/D変換部329、画素温度検出部330、温度差検出部331、データ規格化処理部332、電圧差分演算部333、電圧差分結果比較演算部334、電圧差分比率制御部335および演算選択制御部336を有する構成となっている。
本制御部30Bは、入力されるデジタル映像信号に応じてパネルモジュール10C/10D内の表示部の各画素の表示制御を行う一方、パネルモジュール10C/10Dに設けられた受光素子群の各受光素子19の検出信号に基づいて相対輝度劣化量を検出するとともに、受光素子19にて検出する発光素子13の輝度情報から各画素の温度を推定することによって画素個々の温度を検出し、この検出した画素温度と温度センサ21による表示部の周囲温度との温度差を画素ごとに検出し、これら検出した相対輝度劣化量および温度差に基づいて発光素子13の温度特性に起因する相対輝度の劣化が一定に(均一に)なるように発光素子13の駆動制御を行う。
この制御部30Bは、受光素子19にて検出する発光素子13の輝度情報から各画素の温度を推定し、この推定した画素温度と温度センサ21による表示部の周囲温度(非表示部の温度)との温度差を画素ごとに検出する点で、温度センサ群の各温度センサ20が検出した各画素温度から各画素ごとに隣接画素との間の温度差を検出する第1実施形態に係る制御部30Aと相違しており、それ以外の構成については制御部30Aの構成と基本的に同じである。
したがって、以下では、制御部30Aと相違する点、即ち発光素子13の輝度情報から各画素の温度を推定し、この推定した画素温度と温度センサ21による表示部の周囲温度との温度差を画素ごとに検出するための具体的な構成を中心に説明する。
画素温度検出部330は、有機EL素子が発光ダイオード特性を示し、発光輝度と電流量との間に比例関係があるという特性を利用し、受光素子群の各受光素子19にて検出する発光素子13の輝度情報、即ちメモリー部306の保存データから発光素子13の各々に流れる電流値を推定し、この推定した電流値から消費電力を算出し、この算出した消費電力から画素個々の温度を推定することによって画素個々の温度を検出する。
具体的には、画素温度検出部330において、先ず、メモリー部306の保存データから発光素子13の各々に流れる電流値を推定し、この推定した電流値から消費電力を演算する。ここで、発光素子13では、流れる電流が多くなり、消費電力が増えると、それに比例して温度が比例して上昇する。そこで、消費電力−温度上昇の線形の関係を基に、発光素子13の消費電力から当該発光素子13の温度を推定する。画素温度検出部330が検出した画素ごとの温度情報は温度差検出部331にその一方の入力として供給される。
一方、パネルモジュール10C/10Dの表示部周辺に設けられた温度センサ21は、表示部の周囲温度、即ちパネルモジュール10C/10Dが設置される環境の温度を検出する。温度センサ21の温度情報は、A/D変換部329でデジタルデータに変換されて温度差検出部331にその他方の入力として供給される。温度差検出部331は、画素温度検出部330で検出された画素個々の温度情報と、温度センサ21によって検出された表示部の周囲温度との温度差(電圧値の差分)を画素ごとに検出する。
データ規格化処理部332は、輝度と温度との対応関係を示す数値相関データテーブルを有し、温度差検出部331で検出された画素温度と周囲温度との温度差に、相対輝度劣化検出部328で検出された高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度劣化分を反映させることにより、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された画素温度と周囲温度との温度差に応じた高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと、低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された画素温度と周囲温度との温度差に応じた低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとに規格化(換算)する。
電圧除算演算部333は、画素個々について、データ規格化処理部333で規格化された高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbで除算する。この除算結果である温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbは、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された画素温度と周囲温度との温度差と低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された画素温度と周囲温度との温度差との比であることから、温度起因による輝度劣化の違いによって発生する焼付き現象の程度を表すことになる。
電圧除算結果比較演算部334は、画素個々について、電圧除算演算部333での除算結果である温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbに基づいて、検出した画素温度と周囲温度との温度差において温度起因による輝度劣化の違いによって発生する焼付き現象の程度を判定する。
画素温度と周囲温度との温度差と焼付き発生臨界点との対応関係については、第1実施形態の場合における隣接画素間の温度差と焼付き発生臨界点との対応関係と同様に考えることができる。
具体的には、図6において、隣接画素間の温度差を画素温度と周囲温度との温度差と読み替えると、画素温度と周囲温度との温度差が5℃のときは焼付き発生臨界点が1.53、画素温度と周囲温度との温度差が10℃のときは焼付き発生臨界点が1.45、画素温度と周囲温度との温度差が15℃のときは焼付き発生臨界点が1.40、画素温度と周囲温度との温度差が20℃のときは焼付き発生臨界点が1.36、画素温度と周囲温度との温度差が25℃のときは焼付き発生臨界点が1.31、画素温度と周囲温度との温度差が30℃のときは焼付き発生臨界点が1.24、画素温度と周囲温度との温度差が35℃のときは焼付き発生臨界点が1.19、画素温度と周囲温度との温度差が40℃のときは焼付き発生臨界点が1.12となる。
すなわち、温度差5℃ではΔLa/ΔLb<1.53、温度差10℃ではΔLa/ΔLb<1.45、温度差15℃ではΔLa/ΔLb<1.40、温度差29℃ではΔLa/ΔLb<1.36、温度差25℃ではΔLa/ΔLb<1.31、温度差30℃ではΔLa/ΔLb<1.24、温度差35℃ではΔLa/ΔLb<1.19、温度差40℃ではΔLa/ΔLb<1.12であれば焼付き現象が発生しないことになる。
したがって、電圧除算結果比較演算部334では次のような比較演算処理が行われる。すなわち、ある画素において、検出した画素温度と周囲温度との温度差が例えば15℃のときを例に挙げると、上述した画素温度と周囲温度との温度差と焼付き発生臨界点との対応関係から、温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbが1.40以上あるか否か、即ち焼付き現象が発生するか否か、また1.40以上であれば、焼付き現象の発生程度、即ち焼付き発生臨界点(1.40)に対する差分を演算する処理が行われる。
電圧除算比率制御部335は、電圧除算結果比較演算部334による焼付き現象の発生程度の判定結果を基に、焼付き現象が発生しないようにするための制御値を画素個々について算出する。具体的には、電圧除算結果比較演算部334で焼付き現象が発生すると判定され、焼付き発生臨界点に対する差分の演算が行われた場合に、その差分に対応した制御値を算出する。この制御値は、発光素子13の温度特性に起因する相対輝度の劣化が一定になるように、入力デジタル信号の信号レベルを補正する輝度補正値となる。
ここで、電圧除算演算部333、電圧除算結果比較演算部334および電圧除算比率制御部335には、演算される電圧値と輝度との対応関係を示す対応表が組み込まれていることとする。これにより、輝度補正を行う上で、演算される電圧値がどれくらいの輝度値に相当するかを各回路部ごとに照会できるためにスムーズな補正が可能となる。
演算選択制御部336は、電圧除算比率制御部335で算出された画素個々の輝度補正値(制御値)を基にして、補正処理の対象画素が高輝度表示画素であるときに、当該高輝度表示画素に対して信号レベル(輝度レベル)の補正を行うか否かの選択制御を行う。そして、演算選択制御部336による選択結果を基に、レベル制御部321は、高輝度表示画素の信号レベルに対して、電圧除算比率制御部335で算出された輝度補正値に応じた補正制御を行う。
ここで、電圧差分演算部333、電圧差分結果比較演算部334および電圧差分比率制御部335には、演算される電圧値と輝度との対応関係を示す対応表が組み込まれていることとする。これにより、輝度補正を行う上で、演算される電圧値がどれくらいの輝度値に相当するかを各回路部ごとに照会できるためにスムーズな補正が可能となる。
演算選択制御部336は、電圧除算比率制御部335で算出された画素個々の輝度補正値(制御値)を基にして、補正処理の対象画素が高輝度表示画素であるときに、当該高輝度表示画素に対して信号レベル(輝度レベル)の補正を行うか否かの選択制御を行う。そして、演算選択制御部336による選択結果を基に、レベル制御部321は、高輝度表示画素の信号レベルに対して、電圧除算比率制御部335で算出された輝度補正値に応じた補正制御を行う。
上記構成の本実施形態に係る制御部30Bを備えた有機EL表示装置では、その具体的な制御として、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度劣化分を相対輝度劣化化検出部328で検出するとともに、画素個々の温度と表示部の周囲温度(非表示部の温度)との温度差を温度差検出部331で検出し、この画素個々の周期温度との温度差を、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度劣化分が反映された高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとにデータ規格化処理部332で規格化(換算)することによって温度補正を行い、この温度補正によって得られた相対輝度劣化分ΔLaと相対輝度劣化分ΔLbとの除算結果、即ち温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbに基づいて輝度補正の制御を行うようにしている。
このように、発光素子13個々の輝度情報を用いて相対輝度の劣化分を検出し、当該相対輝度の劣化分を画素個々の周囲温度との温度差に反映させて発光素子13個々の発光輝度の制御を行う、具体的には発光素子13の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように発光素子13個々の発光輝度の制御を行うことにより、デバイスの温度起因による相対輝度の劣化の違いによって発生する焼付き現象を抑制することができるために、滑らかな画像表示を実現できる。それ以外の作用効果は、第1実施形態に係る制御部30Aの場合と同じである。
なお、上記構成の制御部30Bについては、画素が行列状に配置されてなる表示部やその周辺の駆動回路と共に、パネルモジュール10A上に搭載する構成を採っても良いし、あるいは、パネルモジュール10A外に設ける構成を採っても良い。
ここで、本実施形態に係る制御部30Bの各構成要素、即ちレベル制御部321、相対レベル調整部322、メモリー部323、除算部324、A/D変換部325、メモリー部326、乗算部327、相対輝度劣化検出部328、A/D変換部329、画素温度検出部330、温度差検出部331、データ規格化処理部332、電圧差分演算部333、電圧差分結果比較演算部334、電圧差分比率制御部335および演算選択制御部336については、パーソナルコンピュータのように、所定プログラムを実行することによって情報記憶処理、信号処理、演算処理等の各機能を実行するコンピュータ機器を利用してソフトウェア構成によって実現することが考えられる。ただし、ソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成、あるいはハードウェアとソフトウェアの複合構成によって実現することも可能である。
(制御方法)
続いて、上記構成の本実施形態に係る有機EL表示装置の制御方法(本発明による表示装置の制御方法)の処理手順について、図13のフローチャートを用いて具体的に説明する。この制御方法による処理は、図12の制御部30Bの処理に相当する。なお、この一連の処理は、スキャン周期に同期して画素単位で実行されることとする。
ここでは、一例として、初期状態(非表示状態)において温度センサ21が表示部の周囲温度(非表示部の温度)として30℃を検出し、所定の駆動期間tが経過した後の表示状態での高輝度表示画素の温度が60℃に上昇し、このときの高輝度表示画素の相対輝度が初期値Laよりも6%劣化(ΔLa=La×6%)し、低輝度表示画素の温度が45℃に上昇し、このときの低輝度表示画素の相対輝度が初期値Lbよりも4%劣化(ΔLb=Lb×4%)している場合の輝度補正制御を例に挙げて説明する(図9参照)。ここで、初期状態での周囲温度30℃は、発光素子13の初期温度(非表示状態の温度)が30℃であることを意味する。
なお、静止画の場合も動画の場合も制御方法は同じであるために、ここでは、静止画/動画の共通の制御として説明する。
先ず、画像表示のためのデジタル映像信号を取り込み(ステップS31)、当該映像信号の信号レベルで示される階調値を保存し(ステップS32)、しかる後デジタル映像信号をパネルモジュール10C/10Dに対して入力する(ステップS33)。これにより、パネルモジュール10C/10Dでは、デジタル入力信号に基づいて画素の表示駆動が行われ、各画素の発光素子13が発光する。
発光素子13が発光することにより、対応関係にある受光素子19が当該発光素子13の漏れ光を受光し、その受光量に応じた電気信号、即ち発光輝度に応じた電圧値を出力する。
このように、パネルモジュール10Aが表示駆動状態にあるときに、受光素子19から出力される発光輝度に応じた電圧値(輝度電圧値)を取り込み(ステップS34)、この輝度電圧値をステップS12で保存した階調値で除算し(ステップS35)、デジタルデータ化した後保存する(ステップS36)。
次いで、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について、ステップS32で保存した階調値を基に、所定の駆動期間における発光輝度の劣化分を検出する(ステップS37)。
なお、ステップS35での除算処理や、ステップS37での輝度劣化分の検出に用いられる階調値は、実際には、受光素子19が受光する漏れ光の受光量が発光素子13の発光量の20%程度であり、受光素子19からの電圧値に対応させるために、20%の除算処理が行われたものとなる。
次に、ステップS34で取り込んだ発光輝度に応じた電圧値(輝度電圧値)を基に発光素子13の各々に流れる電流値を推定し、この推定した電流値から消費電力を求め(ステップS38)、次いで、この求めた消費電力から発光素子13の温度を推定することによって画素個々について検出し(ステップS39)、次いで、この検出した画素温度と温度センサ21によって検出される周囲温度との温度差を検出する(ステップS40)。
なお、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について輝度変化分を検出するためのステップS34〜S37の各処理と、画素個々について温度変化分を検出するためのステップS38〜S40の各処理については、その処理の順番が逆であっても良く、また双方の検出処理を並行して行うようにしても良い。
次に、輝度と温度との対応関係を示す数値相関データテーブルを基に、画素個々の周囲感度の温度差を、ステップS37で検出した高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての輝度劣化分に対応した電圧値(高輝度表示画素の相対輝度劣化分)ΔLaと、低輝度表示画素の温度変化分に応じた電圧値(低輝度表示画素の相対輝度劣化分)ΔLbとに規格化(換算)する(ステップS41)。
ここで、所定の駆動期間tが経過した後の30℃から60℃への温度変化に伴う高輝度表示画素の相対輝度の劣化が6%のとき、高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaは例えば1.2Vの電圧値に規格化され、所定の駆動期間経過後の30℃から45℃への温度変化に伴う低輝度表示画素の相対輝度の劣化が4%のとき、低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbは例えば0.8Vの電圧値として規格化されるものとする。
次に、高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaから低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを除算(ステップS42)、次いで、高輝度表示画素と低輝度表示画素との温度差ΔTがΔT≧15℃(=60℃−45℃)であるときの除算結果である温度特性焼付き相関係数がどの程度の焼付き現象の発生程度であるかを判定する(ステップS43)。
ここでの例では、温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbが、ΔLa/ΔLb=1.2V/0.8V=1.50であり、図6の対応関係から、高輝度表示画素と低輝度表示画素との温度差ΔTが15℃のときの焼付き発生臨界点(1.40)以上であるために、温度起因による相対輝度の劣化の違いによる焼付き現象が発生すると判定される。そして、焼付き現象の発生程度、即ち温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbの焼付き発生臨界点に対する差を算出する処理が行われる。
ここで、温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbを1.40未満にするためには、即ち0.10を越える値だけ減少させるためには、低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbを約0.858V以上にするか、高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを約1.119V以下にすれば良いことになる。そのためには、低輝度表示画素の信号レベルを約0.058V(=0.858V−0.8V)以上増幅させるか、高輝度表示画素の信号レベルを約0.081V(=1.2V−1.119V)以上減衰させるかのいずれか一方を選択することになる。
このような処理をステップS44〜S46の各処理ステップで実行することになる。すなわち、温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbを1.0〜1.4の範囲に収めるための輝度補正値(上記の例では、低輝度表示画素に対して0.058V/高輝度表示画素に対して0.081V)を画素個々について算出し(ステップS44)、次いで、低輝度表示画素に対して信号レベルの増幅による補正を行うのか、高輝度表示画素に対して信号レベルの減衰による補正を行うのかを選択し(ステップS45)、次いで、この選択結果に基づいてデジタル映像信号の画素単位の信号レベル(輝度レベル)に対して増幅制御または減衰制御することによって輝度補正を行う(ステップS46)。
上述した一連の処理により、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度の劣化分を検出し、画素個々の周囲温度(非表示部の温度)との温度差を高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度の劣化分に対応した高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとに換算することによって温度補正を行い、この温度補正によって得られた相対輝度劣化分ΔLa,ΔLbの除算結果である温度特性焼付き相関係数ΔLa/ΔLbが焼付き発生臨界点未満になるように輝度補正が行われるために、発光素子13の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるような制御が行われる。これにより、発光素子13の温度起因による相対輝度の劣化の違いによって発生する焼付き現象を抑制することができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
以上説明した本実施形態では、有機EL素子が発光ダイオード特性を示し、発光輝度と電流量との間に比例関係があるという特性を利用し、受光素子19にて検出する発光素子13の輝度情報から発光素子13の各々に流れる電流値を推定し、この推定した電流値から消費電力を算出し、この算出した消費電力から画素個々の温度を推定することによって画素個々について温度を検出し、この検出した画素温度と周囲温度との温度差を検出するとしたが、第1実施形態に係る有機EL表示装置に用いたパネルモジュール10A/10Bのように、画素各々に対応させて温度センサ20を配置し、当該温度センサによって画素個々の温度を検出し、この検出した画素温度周囲温度との温度差を検出する構成を採ることも可能である。
なお、上記各実施形態では、RGB各色を発光する発光素子13を備えた有機EL表示装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、白色光を発光する発光素子を備えた有機EL表示装置にも適用可能である。
また、上記各実施形態では、発光素子13の各々の光漏れ量を、それぞれ対応する受光素子19によって一様にモニタリングすることを前提として説明を行ったが、赤色光、緑色光、青色光あるいは白色光を発光する発光素子ごとに発光強度(発光輝度)が異なることから、各発光色ごとにレベル制御を行って相対的なレベルを揃えるようにしたり、あるいは、光漏れ量をモニタリングする対象となる発光色の種類を初期設定で限定したりすることも可能である。
また、上記各実施形態では、有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は有機EL表示装置への適用に限られるものではなく、有機EL素子と同様に、デバイスの温度変化に応じて発光輝度が変化する特性を持つPDP(Plasma Display Panel)等の自発光素子を備えた表示装置全般に適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置に用いられる上面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図である。 上面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置に用いられる下面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図である。 第1実施形態に係る制御部の構成の一例を示すブロック図である。 除算係数ΔLa/ΔLbの定義についての説明図である。 静止画判定部の構成の一例を示すブロック図である。 有機EL素子の温度起因による輝度劣化の特性図である。 第1実施形態に係る制御方法の処理手順を示すフローチャートである。 高輝度表示画素と低輝度表示画素との相対輝度劣化量を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置に用いられる上面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置に用いられる下面発光型パネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図である。 第2実施形態に係る制御部の構成の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る制御方法の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10A,10C…上面発光型パネルモジュール、10B,10D…上面発光型パネルモジュール、11…支持基板、12…対向基板、13…発光素子(有機EL素子)、14…素子分離絶縁層、15…下部電極、16…有機層、17…上部電極、18…透明材料膜、19…受光素子、20,21…温度センサ、30A,30B…制御部、301,321…レベル制御部、302,322…相対レベル調整部、303,306,310,323,326…メモリー部、304,324…除算部、305,309,325,329…A/D変換部、307,327…乗算部、308,328…相対輝度劣化検出部、311,331…温度差検出部、312,332…データ規格化処理部、313,333…電圧除算演算部、314,334…電圧除算結果比較演算部、315,335…電圧除算比率制御部、316,336…演算選択制御部

Claims (13)

  1. 一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示部と、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に前記発光素子の各々に対応して配置され、当該発光素子の漏れ光を検出して光電変換する受光素子群と、
    前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号とに基づいて前記発光素子の相対輝度の劣化分を検出する相対輝度劣化検出手段と、
    前記表示部における画素個々について隣接画素との間の温度差を検出する温度差検出手段と、
    前記温度差検出手段が検出した画素個々の隣接画素との温度差に対して前記相対輝度劣化検出手段が検出した相対輝度の劣化分を反映させて前記発光素子の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように前記発光素子の発光輝度を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  2. 前記温度センサ群の各温度センサは、前記一対の基板のうちの光取り出し方向と反対側の基板に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記温度センサ群の各温度センサは、前記反対側の基板を挟んで前記発光素子の各々と対向配置されている
    ことを特徴とする請求項2記載の表示装置。
  4. 前記相対輝度劣化検出手段は、前記受光素子群の各受光素子の検出信号に基づいて高輝度表示画素と低輝度表示画素とを識別し、前記高輝度表示画素および前記低輝度表示画素の各々について所定の駆動期間における相対輝度の劣化分を検出し、
    前記制御手段は、前記温度差検出手段が検出した画素個々の隣接画素との温度差に対して前記相対輝度劣化検出部が検出した前記高輝度表示画素および前記低輝度表示画素の各々についての相対輝度の劣化分を反映させる規格化処理部を有し、当該規格化処理部の処理結果に基づいて前記発光素子の発光輝度を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記規格化処理部で前記高輝度表示画素の輝度変化分が反映された温度差に応じた第1の電圧値を前記低輝度表示画素の輝度変化分が反映された温度差に応じた第2の電圧値で除算する除算演算部と、
    前記除算演算部の除算結果を所定の基準値と比較する比較演算部と、
    前記比較演算部の比較結果に基づいて輝度補正値を算出する除算比率制御部と、
    前記除算比率制御部が算出した画素個々の輝度補正値を基に前記入力信号の信号レベルを制御するレベル制御部とをさらに有する
    ことを特徴とする請求項4記載の表示装置。
  6. 前記入力信号に基づいて静止画か動画かを判定する判定部を有し、
    前記判定部が静止画と判定したとき、前記入力信号の信号レベルに対して所定の倍率を乗算する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  7. 一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示部と、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に前記発光素子の各々に対応して配置され、当該発光素子の漏れ光を検出して光電変換する受光素子群と、
    前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号とに基づいて前記発光素子の相対輝度の劣化分を検出する相対輝度劣化検出手段と、
    前記表示部の周囲温度を検出する温度センサと、
    前記表示部における画素個々について前記温度センサが検出した周囲温度との温度差を検出する温度差検出手段と、
    前記温度差検出手段が検出した画素個々の周囲温度との温度差に対して前記相対輝度劣化検出手段が検出した相対輝度の劣化分を反映させて前記発光素子の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように前記発光素子の発光輝度を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  8. 前記温度差検出手段は、前記受光素子群の各受光素子にて検出する前記発光素子の輝度情報から各画素の温度を推定し、この推定した画素温度と前記温度センサが検出した周囲温度との温度差を画素ごとに検出する
    ことを特徴とする請求項7記載の表示装置。
  9. 前記相対輝度劣化検出手段は、前記受光素子群の各受光素子の検出信号に基づいて高輝度表示画素と低輝度表示画素とを識別し、前記高輝度表示画素および前記低輝度表示画素の各々について所定の駆動期間における相対輝度の劣化分を検出し、
    前記制御手段は、前記温度差検出手段が検出した画素個々の周囲温度との温度差に対して前記相対輝度劣化検出部が検出した前記高輝度表示画素および前記低輝度表示画素の各々についての相対輝度の劣化分を反映させる規格化処理部を有し、当該規格化処理部の処理結果に基づいて前記発光素子の発光輝度を制御する
    ことを特徴とする請求項7記載の表示装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記規格化処理部で前記高輝度表示画素の輝度変化分が反映された温度差に応じた第1の電圧値を前記低輝度表示画素の輝度変化分が反映された温度差に応じた第2の電圧値で除算する除算演算部と、
    前記除算演算部の除算結果を所定の基準値と比較する比較演算部と、
    前記比較演算部の比較結果に基づいて輝度補正値を算出する除算比率制御部と、
    前記除算比率制御部が算出した画素個々の輝度補正値を基に前記入力信号の信号レベルを制御するレベル制御部とをさらに有する
    ことを特徴とする請求項4記載の表示装置。
  11. 前記入力信号に基づいて静止画か動画かを判定する判定部を有し、
    前記判定部が静止画と判定したとき、前記入力信号の信号レベルに対して所定の倍率を乗算する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  12. 一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示装置の制御方法であって、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に前記発光素子の各々に対応して配置された発光素子群の各発光素子によって前記発光素子の漏れ光を検出する漏れ光検出ステップと、
    前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号とに基づいて前記発光素子の相対輝度の劣化分を検出する相対輝度劣化検出ステップと、
    前記表示部における画素個々について隣接画素との間の温度差を検出する温度差検出ステップと、
    前記温度差検出ステップで検出した画素個々の隣接画素との温度差に対して前記相対輝度劣化検出ステップで検出した相対輝度の劣化分を反映させて前記発光素子の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように前記発光素子の発光輝度を制御する制御ステップと
    を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
  13. 一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示部と、前記表示部の周囲温度を検出する温度センサとを備えた表示装置の制御方法であって、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に前記発光素子の各々に対応して配置された発光素子群の各発光素子によって前記発光素子の漏れ光を検出する漏れ光検出ステップと、
    前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号とに基づいて前記発光素子の相対輝度の劣化分を検出する相対輝度劣化検出ステップと、
    前記表示部における画素個々について前記温度センサが検出した周囲温度との温度差を検出する温度差検出ステップと、
    前記温度差検出ステップで検出した画素個々の周囲温度との温度差に対して前記相対輝度劣化検出ステップで検出した相対輝度の劣化分を反映させて前記発光素子の温度起因による相対輝度の劣化が一定になるように前記発光素子の発光輝度を制御する制御ステップと
    を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
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