JP2007285303A - スクロール流体機械のシ−ル部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクロール流体機械を構成するスクロール部材のラップ先端に用いられるチップシ−ル等の圧力の異なる空間を仕切るとともに摺動面を有するシ−ル材の生産性、信頼性及び気密性の高める優れた手段を提供することにある。
【解決手段】スクロール部材ラップ先端のシ−ル溝に装着される渦巻状のチップシ−ルや旋回運動をするスクロール部材の端板とシャフトを支えるフレ−ムとの間でリング状のシ−ル溝内に装着されるシ−ルリングなどのようにおよそ均一の幅と高さで形成され樹脂材等で製造された矩形断面のシール材の底面ないしは内側側壁面に半円弧状の穴を貫通させて両端が固定されたア−チ状の突起を形成したシール部材で構成する。
【選択図】 図2
【解決手段】スクロール部材ラップ先端のシ−ル溝に装着される渦巻状のチップシ−ルや旋回運動をするスクロール部材の端板とシャフトを支えるフレ−ムとの間でリング状のシ−ル溝内に装着されるシ−ルリングなどのようにおよそ均一の幅と高さで形成され樹脂材等で製造された矩形断面のシール材の底面ないしは内側側壁面に半円弧状の穴を貫通させて両端が固定されたア−チ状の突起を形成したシール部材で構成する。
【選択図】 図2
Description
冷媒を作動流体とする冷凍空調用圧縮機や空気を作動流体とする空気圧縮機及び真空ポンプに用いられているスクロール流体機械に関し、特にスクロール部材のラップ先端部に装着されるチップシ−ルの形状ないしはスクロール部材を支持するフレ−ムなどに設けられたリング状の溝に装着される摺動面を有するシ−ルリングの形状に関する。
ガスを作動媒体とする冷媒用圧縮機、空気圧縮機及び真空ポンプに適用されるスクロール流体機械の内部には、スクロール部材の端板に固定され作動室を形成する渦巻き状のラップや旋回スクロールの背面側に設けたフレ−ム台座ように圧力の異なる空間を仕切る隔壁を有するとともにその隔壁端部の相対する部材とは小さな隙間を介して相対運動をする構成がある。(例えば、特許文献1参照)
作動室空間を仕切る隔壁としての前記ラップ先端の渦巻き形状に沿って設けたシ−ル溝には、作動室間の漏れ防止用チップシ−ルが微小隙間内でシ−ル溝内の移動を可能にして装着され、その反シ−ル溝底部開放端は噛み合わせ相手のスクロール部材端板面に相当する渦巻き溝底面側に押し付けられて摺動する構成となっている。
上記シ−ル溝内に装着されたチップシ−ルの内側壁面やシ−ル溝底面側端面に、運転中の差圧やバネやゴム等の弾性力を作用させて、その反対側に押し付けて隣接する作動室間すなはちチップシ−ルを跨いだ漏れを防止している。
しかし、差圧のみでは起動時や内部漏れが大きくてチップシ−ル前後の差圧が小さな状態では、壁面への押し付け力が小さく大きな隙間が開いて圧縮不良の要因ともなる。また、バネやゴムを装着する構成では別部品が必要となり、生産性が低下する要因となるので、これらを解消する構成として、チップシ−ルに一体に形成する考案が見られる。
その考案例として、作動室の外側から中心への移動に伴う作動ガスの圧縮により高圧となった中心部の作動ガスが該シ−ル溝の中心部に侵入し、該シ−ル溝とチップシ−ルの間の隙間から渦巻きラップの外側である低圧部に漏れる通路を塞ぐ狙いから、チップシ−ルのシール面の反対側側面を切り起こした切り込み部ないしはリップ部を設けた構成がある。(例えば、特許文献2と3参照)
また、その他の考案例として、チップシ−ルの表面に予め成型により半円弧状の凸部を形成する構成が見られる。(例えば、特許文献4参照)
一方、旋回スクロールの背面側に設けたフレ−ム台座を内外空間を仕切る隔壁とするとともにその台座に設けた円周溝に微小隙間内での移動を可能にして装着したシ−ルリングは構成上、旋回スクロールに作用するスラスト荷重を支えることができない。そのため、シ−ルリングの軸方向前後には隙間を設けるが、その背面と円周溝底部との間にバネやOリングなどの弾性力を利用してシ−ルリングの端面を旋回端板面に押し付けて気密保持する構成が見られる。(例えば、特許文献5参照)
また、シ−ルリングの溝底部側に成型で半円弧状の凸部を設けてシ−ルリングを持上げるとともに溝との隙間に圧力を導入してシ−ルリングを旋回端板面に押し付けて気密保持する構成が見られる。(例えば、特許文献6参照)
実開昭59−117894号公報
特開平03−011101号公報
特開平07−229485号公報
特開平10−047266号公報
特開昭61−152983号公報
特開2004−270599号公報
チップシ−ルと渦巻き溝底部との間にバネやOリングのような弾性体を装着する構成では、溝深さが大きくなるので加工性が低下する問題やラップ溝壁面が高くなって変形が増大して、ラップ間の接触で騒音増大や破損の問題があった。さらには、部品点数の増加でコスト高となる問題があった。
チップシール端面に切り込みを入れて根元から先端に向けて漸次薄肉とするリップ部を形成する構成では、その先端は薄刃状に形成されているので、該先端部が破損するか早期に摩耗等で欠落してシール性が低下する問題やその欠落した破片が作動室の狭隘部や摺動部に侵入して損傷する問題さらにはシステムなどの配管系に設けてある弁の狭隘部に挟まり機能障害を起こさせる問題があった。
さらには、上記薄刃状の先端を厚さ0に近い薄肉で形成する構成では、高い精度で管理すると生産性が低下する問題があり、その逆に精度を低くして大きなバラツキを許容するとシ−ル性が不安定になる問題があった。
チップシール端面に切り込みを入れて等厚のリップ部を形成する構成では、溝内の装着するときに、溝端面に接触して自由端が噛み込み破損する問題やリップ部の先端を溝底面に押し付けた状態で根元との間に圧力が作用して押し付けられるので、根元の切り込み部が徐々に拡大して破損する問題があった。
また、チップシ−ルの側壁に半円弧状の突起を複数一体成型で設ける構成に於いては、型成型を必要とするためにコストが高くなる問題と型成型により突起部の剛性が高くなるので、押し付け力が大きくなり摺動面の摩耗が増大する問題や突起部を側壁面に用いた場合には押し付け力が大きくなってスクロール部材の動きに対する追従性が低下して、隙間拡大で漏れが増大する問題があった。
一方、旋回スクロールの背面側に設けたフレ−ム台座に設けたリング溝にシ−ルリングを装着しリング溝底部との間に別部材の弾性体を装着する構成では、溝深さが大きくなるので加工性が低下する問題やラップ溝壁面が高くなって変形が増大して破損の問題があった。さらには、部品点数の増加でコスト高となる問題があった。
シ−ルリングの底部に突起を一体成型する構成では、突起の影響でシ−ルリングの形状精度が低下してリング溝との隙間のバラツキが大きくなり、隙間が小さいとシ−ルリングの動作不良を起こし、大きいとシ−ルリング内外の漏れが増大する問題があった。
また、剛性の高い突起を設けたシ−ルリングをリング溝に装着した状態では、軸方向前後に隙間が設けられており、起動時等のシ−ルリング前後に圧力が十分作用しない状態に於いては、シ−ルリングの動作不良で前記隙間が旋回スクロ−ル端板背面とシ−ルリングとの間に開いてシ−ルリング内外の漏れが増大して効率が大きく低下する問題があった。
第1の発明は、スクロール部材のラップ先端に設けられた渦巻き状のチップシ−ルないしは旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられるリング状のシ−ルリングのような円弧状の曲率を有しおよそ均一の幅と高さをもって形成されたコの字断面のシ−ル溝内に収納され樹脂材ないしはガラスや炭素繊維等を含む樹脂複合材を用いた断面矩形の等厚素材で形成されたシ−ル部材に於いて、該シール材の底部壁面に平行でその底部壁面に隣接する両側の側壁面間に貫通孔を設けて、上記シ−ル溝底部に相対するシール材の底部壁面側に両端が支持されたア−チ状の底部突起を形成したシール部材を装着したスクロール流体機械を提供することにある。
第2の発明は、第1の発明に於いて、スクロール部材のラップ先端に設けた渦巻き状のチップシ−ルの中央部巻き始めから外側の巻き終りまでの底部壁面の長手方向に、ア−チ状の底部突起をおよそ等角度ピッチ間隔で複数設けたチップシ−ルを装着したスクロール流体機械を提供することにある。
第3の発明は、第1の発明に於いて、旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられるリング状のシ−ルリングの底部壁面の円周上に、ア−チ状の底部突起をおよそ等角度ピッチ間隔で複数設けたシ−ルリングを装着したスクロール流体機械を提供することにある。
第4の発明は、スクロール部材のラップ先端に設けられた渦巻き状のチップシ−ルないしは旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられるリング状のシ−ルリングのような均一の幅と深さで曲率をもって形成されたコの字断面のシ−ル溝内に収納され樹脂材ないしはガラスや炭素繊維等を含む樹脂複合材を用いた断面矩形の等厚素材で形成されたシ−ル部材に於いて、該シール材の曲率した内壁面に平行でその内壁面に隣接する上下の壁面間に貫通孔を設けて、上記シ−ル溝の曲率した内壁面に相対するシール材の側壁面に両端を支持したア−チ状の側壁突起を形成したシール部材を装着したスクロール流体機械を提供することにある。
第5の発明は、第4の発明に於いて、スクロール部材のラップ先端に設けた渦巻き状のチップシ−ルの中央部巻き始めから外側の巻き終りまでの曲率した内壁面の長手方向に、ア−チ状の側壁突起をおよそ等角度ピッチ間隔で複数設けたチップシ−ルを装着したスクロール流体機械を提供することにある。
第6の発明は、第4の発明に於いて、旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられるリング状のシ−ルリングの内壁面の円周上に、ア−チ状の側壁突起を円周上におよそ等角度ピッチ間隔で複数設けたシ−ルリングを装着したスクロール流体機械を提供することにある。
第7の発明は、第1ないしは第6の発明に於いて、曲率したシール材の底面にア−チ状の底部突起を設けるとともに曲率した内側の内壁面にア−チ状の側壁突起を長手方向に沿って交互に配置して構成したチップシ−ルないしはシ−ルリングなどのシ−ル部材を装着したスクロール流体機械を提供することにある。
第8の発明は、第1ないしは第7の発明に於いて、チップシ−ルやシ−ルリングなどのシ−ル部材の底部壁面に設けた底部突起を形成させるための貫通孔内にグリ−ス等の粘性流体ないしはゴム等のような弾性体を注入してア−チ状の底部突起を構成したシ−ル部材を装着したスクロール流体機械を提供することにある。
以上説明した通り、底部突起を設けたシール材をコの字溝内に装着することにより、シール材の上面が摺滑する相手面に確実の接触して上面との隙間が無くなること、さらには該隙間が大きく変動する状態に於いても、底部突起の弾性変位による弾性力が作用してシール材が追従して該シール材内外空間を跨ぐ漏れが無くなるので高効率が維持できる効果がある。
底部突起の内部に形成した穿孔内にグリ−スの封入やゴム材のような弾性体を注入する構成を用いることで弾性力が高められるので、シール材前後の差圧が大きい場合や該上下動が激しい場合に於いても高い効率が維持できる効果がある。
また、底部突起の弾性力は大きくなく、この弾性力で摺滑する相手の部材との面圧が大きく高まることはないので、高い耐久性が確保される。
この底部突起をチップシールに用いた場合には、チップシール底面とコの字溝底面との間の高圧側中央部から低圧側外側に至る長手方向の隙間は連続することなく該底部突起で複数か所に分断されるので、該溝内の漏れが無くなると同時に、該分断された隙間空間内に中央部から流入した高圧が滞留してチップシ−ルを持上げて相手摺滑面の押し付け力を高めることにより、チップシ−ルを跨ぐ漏れを遮断するので大幅な高効率化が図れる効果がある。
また、底部突起付きのチップシ−ルに側壁突起を設けることにより、チップシ−ルの内壁面から底部を通り外壁面への漏れがなくなり効率向上が図れる。
さらには、該底部突起をシ−ルリングに用いることにより、シ−ルリング内側の高圧が外側の低圧への漏れを遮断するので高効率化が図れる効果がある。
以下、本発明をスクロール部材のラップ先端に設けられた渦巻き状のチップシ−ルないしは旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられたリング状のシ−ルリングに適用した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明をスクロール部材のラップ先端に装着したチップシ−ルに適用した第1の実施例を、図1〜6を用いて説明する。
スクロール部材の端板に固定した渦巻き状のラップの対称な1対を噛み合わせて作動室を形成するスクロール流体機械に於いて、ラップ先端部に設けたコの字断面の渦巻き状のシ−ル溝に本発明の矩形断面のチップシ−ル3を装着した状態を図1に示す。
図1は一方のラップ2a根元の横断面を示しているので、相手のラップ1aの先端面が図示されている。そのラップ先端面1aに設けたシ−ル溝1c内にチップシ−ル3が移動可能にして装着されている。また、通常ラップ2aの先端面にも同様にチップシ−ル3が装着される。
当該流体機械を圧縮機ないしは真空ポンプとして用いる場合、スクロール部材を連結した軸の回転に伴い、最大密閉空間を形成した吸入圧力の作動室100から中心部に移動するに伴い作動室101から102へと容積を減少させることで作動ガスが圧縮されて中央の吐出空間103に流入し吐出圧力となり、ラップ1aのおよそ中心の端板に設けられた吐出孔1cから外部に排出される。
このようにラップで仕切られて複数形成される作動室の圧力は、中心の作動室103の吐出圧力から外側に向かって作動ガスの吸い込み状態である吸入圧力まで暫時低減するが、その間にラップ先端部を跨いで微小隙間から漏れを防止する狙いからチップシ−ル3を装着している。
しかしながら、チップシ−ル3を装着するために設けたラップ先端のシ−ル溝とチップシ−ルの壁面との間に設けた底面などの隙間からチップシ−ルの中心部から外側への流れすなはち高圧空間から低圧空間への漏れを阻止する工夫が必要となる。
ラップ先端に設けたコの字断面のシ−ル溝1cの底面に面する裏面側から見た本発明の矩形断面で渦巻状のチップシ−ル3の裏面から見た平面図を図2に示す。該チップシール3の底面3c側にはおよそ等ピッチで複数の底部突起3eが設けられ、内側面3dにもおよそ等ピッチで複数の内壁突起3gが設けられている。複数の底部突起3eと内壁突起3gは交互に配置され、同一矩形断面で重なることはない。
底部突起3eの詳細な構成を図2のA矢視図を拡大して示した図3を用いて、また内壁突起3gの詳細な構成をB矢視図を拡大して示した図4を用いてそれぞれ説明する。
図3に示すように底面3cに設けた底部突起3eは、底面3cの一部を山のように盛り上げ両端をブリッジ状に支持して底部突起3eが形成され、内側には貫通孔3fが形成されている。
なお図中に示す該底部突起3eの平坦な底面3cからの高さHbは、スクロール部材を組み合わせて形成される作動室の気密を保持しているラップ先端部と相対するシ−ル溝底面との隙間に該チップシ−ルを装着するシ−ル溝深さとチップシ−ルの高さの差を加えた値以上で、チップシ−ル摺滑面3aの過大な接触面圧を避ける必要性から、倍以下で設定するのが好ましい。しかしながら、スクロール部材の作動室内の圧力や温度による変形が大きい場合には、これらを考慮して高さHbを大きく取る必要がある。
図4に示すように内側面3dに設けた側壁突起3gは、内側面3dの一部を山のように盛り上げ両端をブリッジ状に支持して側壁突起3gが形成され、内側に貫通孔3hが形成されている。
なお図中に示す該側壁突起3gの平滑な内側面3dからの高さHsは、該チップシ−ルを装着するシ−ル溝幅とそれに収まるチップシ−ルの幅との差の値前後が好ましい。該高さHsが前記値よりも倍前後以上に大きいと、チップシ−ル動作時の壁面摩擦が過大となり動作不良を起こすので好ましくない。
スクロール部材先端部に設けたシ−ル溝1cに該チップシ−ル3を装着し、図1のように相手のスクロール部材の渦巻き部を噛み合わせて組み付けた状態の底部突起3e中央の稜線に沿った断面を図5に示し、側壁突起3f中央の稜線に沿った断面を図6に示す。
図5に示すように、該シ−ル溝1cの底面側に底部突起3eを当ててチップシ−ル3が装着され、その反対側の端面は底部突起3eの弾性力などによりチップシ−ルが持上げられて組付け相手のスクロール部材のラップ間溝底面に摺滑面3aが押し当てるように構成されている。
また底部突起3eの内側の貫通孔3fが押し潰されないで維持されている間は、底部突起を押し潰す力は小さいので、摺滑面3aのラップ間溝底面への接触面圧は小さくなる。
底部突起のない底部突起間には、シール溝底面と該チップシ−ルの底面3cとの間に形成される突起部高さHb相当の隙間に中心部から流入した高圧ガスの低圧側への漏れ量が底部突起により減少するので、チップシ−ル全体が持上げられて摺滑面3aがラップ間溝底面に押し付けられることになる。
底部突起のない底部突起間には、シール溝底面と該チップシ−ルの底面3cとの間に形成される突起部高さHb相当の隙間に中心部から流入した高圧ガスの低圧側への漏れ量が底部突起により減少するので、チップシ−ル全体が持上げられて摺滑面3aがラップ間溝底面に押し付けられることになる。
このようにして、該チップシ−ルを跨ぐ内外作動室間の漏れと中心部の高圧が底面3cとラップ間溝底面間の隙間を通って外側の低圧空間への漏れを大幅に減少させている。
図6に示すように、ラップ先端シ−ル溝の中心寄りの内壁側となる図の右側壁面に側壁突起3fを押し当てるようにチップシ−ルを装着することで溝の左側側壁にチップシ−ルの外側面3bが押し当てられるように構成されている。
また側壁突起3gの内側の貫通孔3hが押し潰されないで保持される突起の高さHsで構成しているのと側壁突起による接触点が部分的で少ないので、シ−ル溝とチップシ−ルの側壁間の接触力が小さく、シ−ル溝内で上下動するチップシ−ルの動きは可能となる。
側壁突起のない側壁突起3g間には、側壁突起高さHs相当の隙間があり、その隙間に中央側に位置する作動室から高圧ガスが流入してチップシ−ルの内側面3dに作用して外側面3bを溝の壁面に密着させている。
このようにして、該チップシ−ルを跨ぐ内外作動室間の漏れとチップシ−ル3とシ−ル溝底面間の隙間を通って外側作動室等の低圧空間への漏れを大幅に減少させている。
該底部突起や側壁突起に伴うシ−ル溝壁面との接触部位の摩擦が問題になる場合には、それぞれの貫通孔3f、3h内にグリ−スを注入して用いれば良い。また、ラップ間溝の端板面への摺滑面3aの押し付け力やシ−ル溝側壁への外壁面3bの押し付け力が弱い場合には、それぞれの貫通孔3f、3h内にゴムなどの弾性体を挿入して用いれば良い。
本発明を旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられたリング状のシ−ルリングに適用した実施形態2を、図7〜8を用いて説明する。
図7はスクロール流体機械のスクロール部材からなる圧縮機構部の要部断面を示す。圧縮機構部の作動室は、フレ−ム13に固定された固定スクロ−ル11と図示されてない電動機に直結されたシャフト14に軸受を介して連結された旋回スクロール12とで形成されている。旋回スクロール端板12bの裏面の相対するフレ−ム座面に設けたリング溝13a内には、高低圧空間を仕切るシ−ルリング15が装着されている。
旋回スクロールは自転防止機構により固定スクロールに対し相対的に旋回運動をすることにより、低圧空間内の作動ガスを作動室内に吸入し圧縮した後吐出孔11bから高圧空間内に吐出する。この際、旋回スクロールは端板12b背面内側に作用する高圧により固定スクロール側に押し付けられた状態で駆動されるので、端板12b裏面とフレ−ム座面との間に隙間が生じるが、リング溝に装着されたシ−ルリング15により高低圧間の漏れを阻止する構成となっている。
シ−ルリング15のリング溝の底部から見た裏面図を図8に示す。およそ一様な断面矩形の輪体15aの底面におよそ90°ピッチの等間隔で底部突起15bが4か所設けられている。その底部突起15bの正面図を示すC矢視図は図3と同じ図となり、構成も同様となるので、その作用も同様に該底部突起の弾性力を用いてシ−ルリングを持上げて端面を旋回スクロール端板面に押し当てて高圧空間から低圧空間への漏れを阻止することになる。
上記チップシ−ル及びシ−ルリングなどのシ−ル材に設ける底部突起や側壁突起を形成する一つの方法として、一様等厚の矩形断面の細長い材料の上記突起を形成する箇所を開けた前後を挟み込んだシール材の開いた壁面側近傍に、先端の尖った板から滑らかに半円弧に形成された針を半円弧面を挟み込まれてない開いた側に向けて押し込んで形成する。
以上説明したように、本発明にかかるスクロール流体機械は、矩形断面の樹脂等のシ−ル材を用いる空気圧縮機、真空ポンプ、膨張機等のスクロール流体機械にも有効である。
1 固定スクロール
1a ラップ
1c シ−ル溝
2 旋回スクロール
3 チップシ−ル
3a 摺滑面
3c 底面
3d 内側面
3e 底部突起
3g 内壁突起
12 旋回スクロール
12b 端板
13 フレ−ム
13a 台座
13b リング溝
15 シ−ルリング
15b 底部突起
1a ラップ
1c シ−ル溝
2 旋回スクロール
3 チップシ−ル
3a 摺滑面
3c 底面
3d 内側面
3e 底部突起
3g 内壁突起
12 旋回スクロール
12b 端板
13 フレ−ム
13a 台座
13b リング溝
15 シ−ルリング
15b 底部突起
Claims (8)
- スクロール部材のラップ先端に設けられた渦巻き状のチップシ−ルないしは旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられるリング状のシ−ルリングのような円弧状の曲率を有しおよそ均一の幅と高さをもって形成されたコの字断面のシ−ル溝内に収納され樹脂材ないしはガラスや炭素繊維等を含む樹脂複合材を用いた断面矩形の等厚素材で形成されたシ−ル部材に於いて、該シール材の底部壁面に平行でその底部壁面に隣接する両側の側壁面間に貫通孔を設けて、上記シ−ル溝底部に相対するシール材の底部壁面側に両端が支持されたア−チ状の底部突起を形成したシール部材を装着したで構成されたことを特徴とするスクロール流体機械。
- スクロール部材のラップ先端に設けた渦巻き状のチップシ−ルの中央部巻き始めから外側の巻き終りまでの底部壁面の長手方向に、ア−チ状の底部突起をおよそ等角度ピッチ間隔で複数設けたチップシ−ルを装着して構成されたことを特徴とする請求項1記載のスクロール流体機械。
- 旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられるリング状のシ−ルリングの底部壁面の円周上に、ア−チ状の底部突起をおよそ等角度ピッチ間隔で複数設けたシ−ルリングを装着して構成されたことを特徴とする請求項1記載のスクロール流体機械。
- スクロール部材のラップ先端に設けられた渦巻き状のチップシ−ルないしは旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に設けられるリング状のシ−ルリングのような均一の幅と深さで曲率をもって形成されたコの字断面のシ−ル溝内に収納され樹脂材ないしはガラスや炭素繊維等を含む樹脂複合材を用いた断面矩形の等厚素材で形成されたシ−ル部材に於いて、該シール材の曲率した内壁面に平行でその内壁面に隣接する上下の壁面間に貫通孔を設けて上記シ−ル溝の曲率した内壁面に相対するシール材の側壁面に両端を支持したア−チ状の側壁突起を形成したシール部材を装着して構成されたことを特徴とするスクロール流体機械。
- スクロール部材のラップ先端に設けた渦巻き状のチップシ−ルの中央部巻き始めから外側の巻き終りまでの曲率した内壁面の長手方向に、ア−チ状の側壁突起をおよそ等角度ピッチ間隔で複数設けたチップシ−ルを装着して構成されたことを特徴とする請求項4記載のスクロール流体機械。
- 旋回スクロール端板背面とフレ−ム座面との間に該台座のリング溝に装着して設けられるリング状のシ−ルリングの内壁面の円周上に、ア−チ状の側壁突起を円周上におよそ等角度ピッチ間隔で複数設けたシ−ルリングを装着したで構成されたことを特徴とする請求項4記載のスクロール流体機械。
- 曲率したシール材の底面にア−チ状の底部突起を設けるとともに曲率した内側の内壁面にア−チ状の側壁突起を長手方向に沿って交互に配置して構成したチップシ−ルないしはシ−ルリングなどのシ−ル部材を装着して構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記載のスクロール流体機械。
- チップシ−ルやシ−ルリングなどのシ−ル部材の底部壁面に設けた底部突起を形成させるための貫通孔内にグリ−ス等の粘性流体ないしはゴム等のような弾性体を注入してア−チ状の底部突起を構成したシ−ル部材を装着して構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項記載のスクロール流体機械。
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