JP2007284957A - Alcパネルからなる横壁の補強方法および補強構造 - Google Patents
Alcパネルからなる横壁の補強方法および補強構造 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】使用されている状態の建築物にも適用できるように、外側からだけで実施可能なALCパネルからなる横壁の補強方法および補強構造を提供する。
【解決手段】ALCパネル(1)の短辺小口面寄りが、パネル内側の間柱(2)に固定され、横壁の外側から、短辺小口面、あるいは短辺小口面に設けられた目地のうちの少なくとも一方に、ドリル等で孔(5)を開け、ボルト(6)を孔(5)に通し、ボルト(6)の一端を間柱(2)にスタッド溶接により固定し、ボルト(6)の他端に、外側からALCパネル(1)を固定可能な平板部材(7)を取り付ける。ボルト(6)の頭部は、間柱(2)にスタッド溶接で固定され、平板部材(7)への取付けには、ナットを用いる。従って、横壁の端を除けば、短辺小口面が向かい合う2つのALCパネル(1)を、1つの平板部材(7)が同時に補強する。
【選択図】図1
【解決手段】ALCパネル(1)の短辺小口面寄りが、パネル内側の間柱(2)に固定され、横壁の外側から、短辺小口面、あるいは短辺小口面に設けられた目地のうちの少なくとも一方に、ドリル等で孔(5)を開け、ボルト(6)を孔(5)に通し、ボルト(6)の一端を間柱(2)にスタッド溶接により固定し、ボルト(6)の他端に、外側からALCパネル(1)を固定可能な平板部材(7)を取り付ける。ボルト(6)の頭部は、間柱(2)にスタッド溶接で固定され、平板部材(7)への取付けには、ナットを用いる。従って、横壁の端を除けば、短辺小口面が向かい合う2つのALCパネル(1)を、1つの平板部材(7)が同時に補強する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ALCパネルからなる横壁の補強方法および補強構造に関し、特に、既存の建築物に使用されたALCパネルからなる横壁が、経年劣化などにより、ALCパネルの取付け部の耐力が低下している場合に適用される。
建築物は、過去の大きな地震を教訓に、耐震性能が強化されてきた。それに伴い、ALCパネルからなる横壁の取付け構法も、時代の変遷を受けて、耐久性および耐震性能を強化した構法に移行してきている。
ALCパネルによる外壁構造としては、例えば、特開平7−217023号公報に、角形鋼または溝形鋼にALCパネルを取り付ける構法が記載されているが、一般的には、建築物の外側からALCパネルに座掘りを加工し、座掘りに貫通孔を開け、貫通孔に通したボルトで、ALCパネルを躯体に取付けるという横壁ボルト止め構法が採用されてきた。
従来の横壁ボルト止め構法について、図面を参照して説明する。図2は、横壁ボルト止め構法を示す斜視図である。一部のALCパネルは、説明のために図示を省略している。また、一部を拡大して示す。
ALC横壁ボルト止め構法は、間柱(2)または下地鋼材(3)に、フックボルト(4)などを溶接して、フックボルト(4)を介して、ALCパネル(1)を取り付ける。
しかし、従来の横壁ボルト止め構法により造られた横壁では、経年劣化したALCパネルの物性は一般的に低下するため、経年劣化により取付け部分の老朽化が進み、ボルト取付部周辺のパネルの亀裂や破損、あるいはボルトの錆などで、耐久性に若干、問題のある建築物がストックされてきている。さらに、今後、予想される大地震に対応するためにも、地球環境のためにも、既存の建築物について、安全を考慮した延命対策は、緊急の課題である。
前述のように、経年劣化したALCパネルは、一般的に物性が低下するが、建築物の維持管理や、置かれている環境などにより、経年劣化の程度はまちまちである。さらに、今後の継続的な使用を一概に判断することはできないが、20年以上、経過したALCパネルを備える建築物は、専門家による劣化診断を受けて、適切なメンテナンスを行う必要がある。
このような劣化診断の結果で分かることは、かなりの劣化を受けたALCパネルでも、曲げ耐力は十分であるように、安全側に設計されている。しかし、取付け部の強度については、詳細な調査により、必要に応じて補強工事が必要になる場合がある。
しかし、劣化診断を受けるような既存の建築物は、ほとんどが使用されている状態にあり、かつ、内側には内装が施されていることが一般的であるため、適切な補強工事が選択しにくいという問題がある。
本発明は、使用されている状態の建築物にも適用できるように、外側からだけで実施可能なALCパネルからなる横壁の補強方法および補強構造を提供することを目的とする。
本発明のALCパネルからなる横壁の補強方法は、ALCパネルの短辺小口面寄りを、パネル内側の躯体に固定するALCパネルからなる横壁の補強方法であり、横壁の外側から、短辺小口面、あるいは短辺小口面に設けられた目地のうちの少なくとも一方に、孔を開け、条部材を該孔に通し、該条部材の一端を前記躯体に固定し、該条部材の他端に、外側から前記ALCパネルを固定可能な平板部材を取り付ける。
さらに、前記条部材はボルトであり、頭部が前記躯体にスタッド溶接で固定され、平板部材への取付けには、ナットを用いることが望ましい。
さらに、前記平板部材に、カバープレートで化粧をすることが望ましい。
さらに、短辺小口面が向かい合う2つのALCパネルを、1つの前記平板部材が同時に補強することが望ましい。
本発明のALCパネルからなる横壁の補強構造は、条部材と、平板部材とからなり、ALCパネルの短辺小口面寄りを、パネル内側の躯体に固定するALCパネルからなる横壁を補強する補強構造であり、前記平板部材は、横壁の外側から前記ALCパネルに当接し、前記条部材は、横壁の外側から、短辺小口面、あるいは短辺小口面に設けられた目地のうちの少なくとも一方に開けられた孔に通され、前記条部材の一端は、前記躯体に固定され、前記条部材の他端が、前記平板部材に取り付けられる。
さらに、前記条部材はボルトであり、該ボルトの頭部と前記躯体が固定され、平板部材へナットで取付けられていることが望ましい。
さらに、前記平板部材を化粧するカバープレートを備えることが望ましい。
さらに、短辺小口面が向かい合う2つのALCパネルが、1つの前記平板部材により同時に補強されていることが望ましい。
本発明により、使用されている状態の建築物にも適用でき、外側からだけで実施可能なALCパネルからなる横壁の補強方法および補強構造を提供することが可能となる。
さらに、間柱または下地鋼材に取り付けた補強ボルトを介して、金物によりALCパネルの短辺を挟み込むため、自由に支持面積を選択することが可能であり、取付け部分にかかる必要強度に応じた対応ができる。
さらに、既存の建築物の補強工事が容易になったことにより、大地震におけるALCパネルの脱落防止や、欠け、亀裂などの被害を最小限に食い止めることができることにより、安心して建築物を継続使用することが可能となる。
また、継続使用可能なことにより、既存パネルの廃棄が不必要であるということから、地球環境に対しても顕著な効果を得ることができた。
本発明のALCパネルからなる横壁の補強方法および補強構造について、図面を参照して説明する。図1は、本発明のALC横壁パネルの補強方法を示す一連の斜視図である。一部のALCパネルは、説明のために図示を省略している。
前述のように、既設の横壁では、ALCパネル(1)の短辺小口面寄りが、パネル内側の間柱(2)に固定されている。
図1(a)に示したように、横壁の外側から、短辺小口面、あるいは短辺小口面に設けられた目地のうちの少なくとも一方に、ドリル等で孔(5)を開ける。その後、図1(b)に示したように、ボルト(6)を孔(5)に通し、ボルト(6)の一端を間柱(2)に固定する。さらに、図1(c)に示したように、ボルト(6)の他端に、外側からALCパネル(1)を固定可能な平板部材(7)を取り付ける。
ボルト(6)の頭部は、間柱(2)にスタッド溶接で固定される。また、ボルト(6)を平板部材(7)へ取付ける箇所には、ナットを用いる。さらに、図示しないが、平板部材(7)に、公知技術のいずれかによるカバープレートで化粧をする。横壁の端では、1つのALCパネル(1)を補強することになるが、その他では、短辺小口面が向かい合う2つのALCパネル(1)を、1つの平板部材(7)が同時に補強し、図示したように、上下にも、複数のALCパネル(1)が同時に補強されることになる。
以上のようにして得られた横壁の補強構造では、平板部材(7)は、横壁の外側からALCパネル(1)に当接し、ボルト(6)は、横壁の外側から、短辺小口面、あるいは短辺小口面に設けられた目地のうちの少なくとも一方に開けられた孔(5)に通され、ボルト(6)の一端は、間柱(2)にスタッド溶接で固定され、ボルト(6)の他端が、平板部材(7)にナットで取り付けられる。
1 ALCパネル
2 間柱
3 下地鋼材
4 フックボルト
5 孔
6 ボルト
7 平板部材
2 間柱
3 下地鋼材
4 フックボルト
5 孔
6 ボルト
7 平板部材
Claims (8)
- ALCパネルの短辺小口面寄りを、パネル内側の躯体に固定するALCパネルからなる横壁の補強方法であり、横壁の外側から、短辺小口面、あるいは短辺小口面に設けられた目地のうちの少なくとも一方に、孔を開け、条部材を該孔に通し、該条部材の一端を前記躯体に固定し、該条部材の他端に、外側から前記ALCパネルを固定可能な平板部材を取り付けることを特徴とするALCパネルからなる横壁の補強方法。
- 前記条部材はボルトであり、頭部が前記躯体にスタッド溶接で固定され、平板部材への取付けには、ナットを用いることを特徴とする請求項1に記載のALCパネルからなる横壁の補強方法。
- 前記平板部材に、カバープレートで化粧をすることを特徴とする請求項1または2に記載のALCパネルからなる横壁の補強方法。
- 短辺小口面が向かい合う2つのALCパネルを、1つの前記平板部材が同時に補強することを特徴とするALCパネルからなる横壁の補強方法。
- 条部材と、平板部材とからなり、ALCパネルの短辺小口面寄りを、パネル内側の躯体に固定するALCパネルからなる横壁を補強する補強構造であり、前記平板部材は、横壁の外側から前記ALCパネルに当接し、前記条部材は、横壁の内側から、短辺小口面、あるいは短辺小口面に設けられた目地のうちの少なくとも一方に開けられた孔に通され、前記条部材の一端は、前記躯体に固定され、前記条部材の他端が、前記平板部材に取り付けられることを特徴とするALCパネルからなる横壁の補強構造。
- 前記条部材はボルトであり、該ボルトの頭部と前記躯体が固定されており、平板部材へナットで取付けられていることを特徴とする請求項5に記載のALCパネルからなる横壁の補強構造。
- 前記平板部材を化粧するカバープレートを備えることを特徴とする請求項5または6に記載のALCパネルからなる横壁の補強構造。
- 短辺小口面が向かい合う2つのALCパネルが、1つの前記平板部材により同時に補強されていることを特徴とするALCパネルからなる横壁の補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006112182A JP2007284957A (ja) | 2006-04-14 | 2006-04-14 | Alcパネルからなる横壁の補強方法および補強構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012144959A (ja) * | 2011-01-14 | 2012-08-02 | Sumitomo Kinzoku Kozan Siporex Kk | Alcパネルの補強方法 |
JP2013185295A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-19 | East Japan Railway Co | 鉄骨造建築物の補強方法及び鉄骨造建築物 |
-
2006
- 2006-04-14 JP JP2006112182A patent/JP2007284957A/ja active Pending
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