JP2007284639A - リン原子含有高次シラン化合物の製造法及びそれを用いたリン含有シリコン膜の形成方法 - Google Patents

リン原子含有高次シラン化合物の製造法及びそれを用いたリン含有シリコン膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】常圧下で、塗布法により、基体上に、均一な燐ドープシリコン導電膜を形成する方法およびそのためのリン原子含有高次シラン化合物の製造法の提供。
【解決手段】光重合性シラン化合物およびリン化合物を含有する溶液に、400nmより長い波長の光線を照射せしめてリン原子含有高次シラン化合物を生成せしめるリン原子含有高次シラン化合物の製造法。上記方法で得られたリン原子含有高次シラン化合物を含む溶液を基板に塗布し、さらにその塗布基板を熱処理することからなるリン含有シリコン膜の形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は塗布法で成膜可能なリン原子含有高次シリコン化合物の製造法およびそれを用いる燐ドープシリコン膜(導電膜)を形成する方法に関する。さらに詳しくは、集積回路、薄膜トランジスタ、光電変換装置、および感光体等の用途に応用される、良質なシリコン膜を容易に形成する方法に関する。
集積回路や薄膜トランジスタ等に応用される半導体用シリコンは、CZ法あるいはFZ法等の引き上げ法により作製する方法、あるいは、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の真空プロセスにより作製する方法等により製造される。このような手法で作製したシリコン膜は、全面にシリコン膜を形成した後、フォトリソグラフィーにより不要部分を除去するといったプロセスで行われるのが一般的である。しかし、この方法では、大掛かりな装置が必要であること、原料の使用効率が悪いこと、原料が気体であるため取り扱いにくいこと、大量の廃棄物が発生すること等といった問題がある。
上記方法で製造される半導体用シリコンに対してドーパントとしての不純物を添加する方法としては、CZ法あるいはFZ法等の引き上げ法により作製する方法においては溶解したシリコン中に直接添加する方法が行なわれ、一方、シリコン基板あるいはCVD法などで作成したシリコン膜に対しては熱拡散法やイオン注入法等の不純物拡散が行なわれている。この方法では、大掛かりな専用装置が必要であり、ドーピング制御に熟練した技術が必要とされる。
半導体の薄層は種々の電子デバイスで使用されている。例えば、種々の量子井戸および超格子構造は、光電子移動トランジスタ(HEMT)、レーザーダイオード、発光ダイオード、及び光検出器で使用されてきた。このような構造は周知の格子整合及びエピタキシャル技術により製造されてきた。
アモルファス及び多結晶半導体は、薄膜トランジスタ(TFT)で使用されるが、常圧下で、塗布法により、基体上に、均一な燐ドープシリコン導電膜の均一な薄膜を形成するプロセスは未だ完成されていない。
本発明の目的は、光重合性シラン化合物とリン化合物から光照射によりリン原子含有高次シラン化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、大型専用装置を必要とする気相からの堆積法を用いず、簡便な方法である常圧下での、塗布法により、基体上に、均一な燐ドープシリコン導電膜を形成する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、この方法によって得られる、燐ドープシリコン膜を電子デバイス用途のシリコン膜として使用することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の上記方法に好適に用いられるリン含有シラン化合物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
本発明の上記目的および利点は、本発明によれば、第1に、
下記一般式(1)
Si2i+2・・・・・・・・・・(1)
(ここで、iは2〜10の整数である)で表される鎖状シラン化合物、下記式(2)または(2’)
Si2j・・・・・・・・・・・(2)
Si2j−2・・・・・・・・・・(2’)
(ここで、jは3〜10の整数である)のそれぞれで表される環状シラン化合物及び下記式(3)
Si・・・・・・・・・・・・(3)
(ここで、kは6、8または10である)で表されるかご状シラン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の液体状の光重合性シラン化合物並びに
下記式(4)
・・・・・・・・・・・・(4)
(ここで、Xは、相互に独立に、水素原子、または1価の有機基を表し、lは1〜10の整数であり、mは0〜12の整数である。上記1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、アルキニル基、炭素数6〜12の芳香族基等を挙げることができる。)で表されるリン化合物を含有する溶液に、400nmより長い波長の光線を照射せしめてリン原子含有高次シラン化合物を生成せしめる、ことを特徴とするリン原子含有高次シラン化合物の製造法により達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、
本発明の上記方法で得られたリン原子含有高次シラン化合物を含む溶液を基板に塗布する工程と、該塗布基板を熱処理する工程からなることを特徴とするリン含有シリコン膜の形成方法により達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、
上記本発明方法で得られるリン含有シリコン膜であって、その比抵抗値が1KΩcmより小さいことを特徴とするリン含有シリコン膜により達成される。
本発明によれば、常圧下で、塗布法により、基体上に、均一な燐ドープシリコン導電膜を形成する方法が提供される。
本発明のリン原子含有高次シラン化合物の製造法で用いられる光重合性シラン化合物は、上記式(1)で表わされる鎖状シラン化合物、上記式(2)で表わされる環状シラン化合物および上記式(3)で表わされるかご状シラン化合物である。これらの光重合性シラン化合物は単独あるいは2種以上一緒に用いることができる。
このような光重合性シラン化合物の具体例としては、式(1)で表わされる鎖状シラン化合物として、ジシラン、トリシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、ヘプタシラン、オクタシラン、ノナシランおよびデカシランを挙げることができる。
式(2)で表わされる1個の環状構造を有するものとして、例えばシクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン等が挙げられる。式(2’)で表わされる2個の環状構造を有するものとして、例えば、ビシクロ[1.1.0]ブタシラン、ビシクロ[2.1.0]ペンタシラン、ビシクロ[2.2.0]ヘキサシラン、ビシクロヘ[3.2.0]プタシラン、ビシクロ[3.3.0]オクタシラン、ビシクロ[4.3.0]ノナシラン、ビシクロ[4.4.0]デカシラン、スピロ[2.2]ペンタシラン、スピロ[4.5]デカシラン、スピロ[4.6]ウンデカシラン、スピロ[5.6]ドデカシラン等が挙げられる。
さらに、式(3)で表わされるかご状シラン化合物としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2007284639
またこれらの骨格の水素原子を部分的にSiH基やハロゲン原子例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等に置換したシラン化合物を挙げることができる。これらは2種以上を混合して使用することもできる。
これらの中、分子内に少なくとも1つの環状構造を有するシラン化合物は光に対する反応性が極度に高く、光重合が効率よく行えるので、好ましく用いられる。その中でも、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシランは、以上の理由に加えて合成、精製が容易であるので特に好ましい。
また、本発明で用いられるリン化合物は、上記式(4)で表わされる。その具体例としては、黄燐(l=4、m=0)、赤燐(m=0)、ホスフィン(l=1、m=3)、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジホスファン(l=2、m=4)、トリホスファン(l=3、m=5)、テトラホスファン(l=4、m=6)、ペンタホスファン(l=5、m=7)、ヘキサホスファン(l=6、m=8)、ヘプタホスファン(l=7、m=9)、等を挙げることができる。
本発明方法は、上記の如き、光重合性シラン化合物とリン化合物とを無溶媒あるいは有機溶媒に溶解し、400nmよりも長い波長の光線を照射することにより実施される。
シラン化合物の溶液に使用する有機溶媒の具体例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ジシクロヘキシル、テトラヒドロジシクロペンタジエン、パーハイドロフルオレン、テトラデカヒドロアントラセンの如き炭化水素溶媒;ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンの如きエーテル溶媒;さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドの如き極性溶媒を挙げることができる。これらの内、シラン化合物の溶解性と該溶液の安定性の点で炭化水素溶媒、エーテル溶媒が好ましく、とりわけ炭化水素溶媒が特に好ましい。これらの溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。
光照射のための上記溶液は、光重合性シラン化合物100重量部当り、リン化合物を、好ましくは0.001〜20重量部、より好ましくは0.01〜10重量部で含有する。
また、有機溶媒は、光重合性シラン化合物とリン化合物の合計100重量部当り、好ましくは10,000重量部以下、より好ましくは1,000重量部以下で用いられる。
光照射は非酸化性雰囲気中で、例えば窒素、アルゴン等の雰囲気中で行うのが好ましい。
光照射中の溶液の温度は、好ましくは0〜100℃であり、照射時間は例えば1分〜3時間、好ましくは5分〜1時間とすることができる。
光照射は、波長が400nmより長い光で行われる。
光照射には、例えば200〜750Wの超高圧水銀ランプが好ましく用いられる。照射エネルギーは例えば10〜10,000mW/cmとすることができ、好ましくは500〜6,000mW/cmとすることができる。
光照射により生成されたリン原子含有高次シラン化合物は、これを有機溶媒に溶解して基板に塗布し、得られた塗布基板を熱処理する方法により、リン含有シリコン膜に変換することができる。
このように、シリコン膜を形成する場合において、前記シラン化合物にドーパント源のリン化合物を混入した後に光を照射するというプロセスは、従来の方法では見られない新規なプロセスである。かかるプロセスによれば、光の照射によって、分子レベルでドーパントとシラン重合体の結合を引き起こすことができる。その溶液を基板に塗布、熱処理することにより、性能のよいn型にドープされたシリコン膜を形成することができる。
上記塗布液はリン含有シラン化合物を0.001〜10重量%の濃度で含有するのが好ましい。また、塗布厚は、得られるリン含有シリコン膜が、好ましくは1〜5,000nm、より好ましくは5〜500nmとなる量である。
塗膜の熱処理は20〜600℃で行うのが好ましく、100〜500℃で行うのがさらに好ましい。熱処理の雰囲気は、好ましくは酸素濃度:10ppm以下、水分濃度:10ppm以下であり、更に好ましくは酸素濃度:1ppm以下、水分濃度:1ppm以下であり、熱処理時間は例えば1分〜12時間、好ましくは5分〜2時間であるが、熱処理時間は加熱温度に応じて設定するのが望ましい。
また、かかるプロセスで形成したドープシリコン膜は、加熱等のステップにより、更なる特性向上を図ることができる。
また、添加するドーパント源の濃度は、最終的に必要なシリコン膜中のドーパント濃度に応じて決めればよく、光を照射した後に溶剤で希釈して濃度を調節してもよい。
本発明のリン原子含有高次シラン化合物(重合体)によれば、以上の効果により、従来の方法に比して容易に良質なシリコン膜を形成することができる。このようにして形成されるアモルファスシリコン膜は、更なる熱処理やエキシマレーザーアニール等の方法によって結晶化させ、更なる性能の向上を図ることもできる。
本発明方法で形成されるリン含有シリコン膜は、比抵抗値を1KΩcmより小さくすることができ、好ましくは1Ωcmより小さくすることができる。
以下実施例により本発明を詳述する。
合成例1
温度計、冷却コンデンサー、滴下ロートおよび撹拌装置を取付けた内容量が3Lの4つ口フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、乾燥したテトラヒドロフラン1Lとリチウム金属18.3gを仕込み、アルゴンガスでバブリングした。この懸濁液を0℃で撹拌しながらジフェニルジクロロシラン333gを滴下ロートより添加し、滴下終了後、室温下でリチウム金属が完全に消失するまでさらに12時間撹拌を続けた。反応混合物を5Lの氷水に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。この沈殿物を濾別し、水でよく洗滌した後シクロヘキサンで洗滌し、真空乾燥を行い、さらに酢酸エチルにて再結晶化を行い、白色固体150gを得た。
得られた白色個体150gと乾燥したシクロヘキサン500mLを1Lのフラスコに仕込み、塩化アルミニウム20gを加え、反応温度を30℃に保ちつつ撹拌しながら、乾燥した塩化水素ガスを10時間バブリングした。ここで別途に、水素化リチウムアルミニウム50gとジエチルエーテル150mLを1Lのフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、0℃で撹拌しながら上記反応混合物を加え、同温にて1時間撹拌、さらに室温で12時間撹拌を続けた。反応溶液を吸引濾過し、さらに濾液より副生物を除去した後、70℃、10mmHgで減圧蒸留を行ったところ、無色の液体が10g得られた。このものはIR、H−NMR、29Si−NMR、GC−MSの各スペクトルより、シクロペンタシランであることが判った。
実施例1
窒素気流中(酸素濃度0.1ppm)、シクロペンタシラン1ml及び黄燐10mgをホウケイ酸ガラス製サンプル管に入れ撹拌、750W超高圧水銀ランプ(HOYA Candeo Optronics(株)製 UL750)から発せられる405nm光(3,000mW/cm)を25分間照射し、シクロペンタシラン−黄燐光重合体(I)を得た。
次いで、上記シクロペンタシラン−黄燐光重合体(I)をトルエンに溶解し、15%(v/v)トルエン溶液(1)(P:Si=1:100;1%)を調製した。
窒素気流中(酸素濃度0.1ppm)、石英基板に対してシクロペンタシラン−黄燐光重合体15%トルエン溶液(1)を回転数2000rpmでスピンコートし、次いで500℃で2時間加熱し、シリコン薄膜サンプル基板(A)、(シリコン膜厚86nm)を得た。
実施例2
窒素気流中(酸素濃度0.1ppm)、シクロペンタシラン1ml及をホウケイ酸ガラス製サンプル管に入れ撹拌、200W超高圧水銀ランプ(HOYA Candeo Optronics(株)製 Execure3000)から発せられる405nm光(100mW/cm)を10分間照射し、シクロペンタシラン光重合体(II)を得た。
次いで、上記シクロペンタシラン光重合体(II)をトルエンに溶解し、15%(v/v)トルエン溶液(2)を調製した。
実施例3
上記シクロペンタシラン−黄燐光重合体トルエン溶液(1)とシクロペンタシラン光重合体トルエン溶液(2)とを1:9の割合で混合し、トルエン溶液(3)(P:Si=1:1,000;0.1%)を調製した。窒素気流中(酸素濃度0.1ppm)、石英基板に対してトルエン溶液(3)を回転数2,000rpmでスピンコートし、次いで500℃で2時間加熱し、シリコン薄膜サンプル基板(B)、(シリコン膜厚95nm)を得た。
実施例4
上記トルエン溶液(3)とシクロペンタシラン光重合体トルエン溶液(2)とを1:9の割合で混合し、トルエン溶液(4)(P:Si=1:10,000;0.01%)を調製した。窒素気流中(酸素濃度0.1ppm)、石英基板に対してトルエン溶液(4)を回転数2,000rpmでスピンコートし、次いで500℃で2時間加熱し、シリコン薄膜サンプル基板(C)、(シリコン膜厚97nm)を得た。
実施例5
上記トルエン溶液(4)とシクロペンタシラン光重合体トルエン溶液(2)とを1:9の割合で混合し、トルエン溶液(5)(P:Si=1:100,000;0.001%)を調製した。窒素気流中(酸素濃度0.1ppm)、石英基板に対してトルエン溶液(5)を回転数2,000rpmでスピンコートし、次いで500℃で2時間加熱し、シリコン薄膜サンプル基板(D)、(シリコン膜厚110nm)を得た。
実施例6
シクロペンタシラン光重合体(II)1ml並びに黄燐10mgをトルエンに溶解し、15%(v/v)トルエン溶液(6)(P:Si=1:100;1%)を調製した。
窒素気流中(酸素濃度0.1ppm)、ホウケイ酸ガラス基板に対してトルエン溶液(6)を回転数2000rpmでスピンコートし、次いで500℃で2時間加熱し、シリコン薄膜サンプル基板(E)、(シリコン膜厚115nm)を得た。
実施例7
シクロペンタシラン−黄燐光重合体(I)をd−トルエンに溶解し、20%(v/v)d−トルエン溶液(7)を調製した。シクロペンタシラン光重合体(II)1ml並びに黄燐10mgをd−トルエンに溶解し、20%(v/v)d−トルエン溶液(8)を調製した。
上記、(7)(8)のサンプルについて500MHz NMR(JEOL ECP500)にて31P NMR測定及びH NMR測定を実施した。
(8)について31P NMRを測定した所、−520ppm付近に黄燐由来と思われるシグナルが観察されるのみであったが、(7)について31P NMRを測定した所、黄燐由来のシグナルに加え、−250ppm付近にも(d,t)の強いシグナルが観察され、更に、また、−240ppm,−262ppm,−276ppm,−286ppm,−288ppmおよび−333ppmにもシグナルが観察された。これらシグナルは、本光反応によって新たにSi−P化合物が生成したことを示している。
一方、(7)(8)のH NMR測定では、3.2ppm付近にシクロペンタシランの存在を示すシングレットのシグナルと共に重合物−(−Si−Hn−)−由来と考えられるマルチプレットのシグナルが双方に観察された。
これら測定結果は、(8)はシクロペンタシランの重合体に単純に黄燐が混合しているだけの状態であるのに対して、(7)ではシクロペンタシラン重合体及び黄燐以外に新たなる第三成分が存在していることを示している。
実施例8
シリコン薄膜サンプル基板(A),(B),(C),(D),(E)について、先ず抵抗値を測定した所、いずれも、40MΩ/□であった。
次いで、サンプル基板(A),(B),(C),(D),(E)について、大気中、以下の表1に示した条件で加熱処理を行った。加熱処理にはアルバック(株)製MILA3000を使用した。
Figure 2007284639
サンプル(A)では処理温度を500℃まで低下させても低抵抗化が可能であるの対して、サンプル(E)では同量の黄燐を添加しているにもかかわらず、700℃/5分間の処理で低抵抗化が起こるのみで、650℃に処理温度を下げると抵抗値は装置の測定限界以上であった。
一方、表1中(A),(B),(C),(D)の値が示す様に黄燐濃度によって抵抗値が制御できていることがわかる。
なお、(A),(B),(C),(D),(E)のサンプルいずれも700℃/5分間の熱処理で結晶化が起こっている一方で、650℃/5分間の熱処理ではアモルファスシリコンであることがラマン分析の結果から判明した。
実施例9
(A),(B),(C),(D),(E)のサンプルについてシリコン膜中の燐濃度をSIMSにより測定した。
(A):2.3atomic%、(B):0.19atomic%、(C):0.13atomic%、(D):0.0011atomic%と、ほぼ希釈率通りに燐が分散しているのに対して、(E)では添加量に比べ:0.014 atomic%と2桁低い濃度であった。この結果は、シクロペンタシラン−黄燐光重合体(I)を塗布液として使用することで、膜中燐濃度を容易に制御でき、結果的に抵抗値も制御できることを示している。
また、燐濃度を分析した(A),(B),(C),(D),(E)いずれのサンプルもシリコン膜表面から、内部まで均一に燐が存在していることも確認できた。本結果は膜中の抵抗値のばらつきを抑えることが可能であることを示している。
以上、シクロペンタシラン−黄燐光重合体(I)を含む塗布液は、
1)気相からの堆積法を用いず、常圧下で、塗布法により、基体上に、均一な燐ドープシリコン導電膜を形成することが可能である。
2)500℃の低温処理でもシリコン膜の低抵抗化を可能とする新たなる化合物である。また、更なるアニーリングにより、シート抵抗を1KΩ/□以下まで低下させることが可能である。
3)シクロペンタシラン光重合体(II)と混合し、その混合液を用いて塗布成膜することで膜中濃度制御が容易に可能で、かつ、膜内の燐濃度を一定に保つことが可能である。
4)3)で作製したシリコン膜を適当な温度で熱処理することでシリコン膜の低抵抗化が可能であり、その燐添加量により膜中燐濃度を抑制して抵抗値を容易にコントロールできる等の利点がある。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)
    Si2i+2・・・・・・・・・・(1)
    (ここで、iは2〜10の整数である)で表される鎖状シラン化合物、下記式(2)または(2’)
    Si2j・・・・・・・・・・・(2)
    Si2j−2・・・・・・・・・・(2’)
    (ここで、jは3〜10の整数である)のそれぞれで表される環状シラン化合物及び下記式(3)
    Si・・・・・・・・・・・・(3)
    (ここで、kは6、8または10である)で表されるかご状シラン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の液体状の光重合性シラン化合物並びに
    下記式(4)
    ・・・・・・・・・・・・(4)
    (ここで、Xは、相互に独立に、水素原子、または1価の有機基を表し、lは1〜10の整数であり、mは0〜12の整数である。上記1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、アルキニル基、炭素数6〜12の芳香族基等を挙げることができる。)で表されるリン化合物を含有する組成物に、400nmより長い波長の光線を照射せしめてリン原子含有高次シラン化合物を生成せしめる、ことを特徴とするリン原子含有高次シラン化合物の製造法。
  2. 請求項1に記載の方法で得られたリン原子含有高次シラン化合物を含む溶液を基板に塗布する工程と、該塗布基板を熱処理する工程からなることを特徴とするリン含有シリコン膜の形成方法。
  3. 請求項2で得られるリン含有シリコン膜であって、その比抵抗値が1KΩcmより小さいことを特徴とするリン含有シリコン膜。
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