JP2007283845A - 車両用成形カーペットモジュール体、車両用成形カーペットモジュール体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フロアダクトの吹出口周縁で、成形カーペットの素材とフロアダクトとの密着性を良好にし、車室側から見た吹出口の外観品質を向上させると共に、化粧用のフィニッシャー等の取付け作業を容易にする車両用成形カーペットモジュール体、及び、車両用成形カーペットモジュール体の製造方法を提供する。
【解決手段】ダクト上部材14Uに、ダクト上部材14Uからダクト下部材14Lに向かって延び且つダクトが伸びる方向終端に後から形成される開口部14Ufを構成する開口壁14Ubが形成され、ダクト下部材14Lには開口壁14Ubよりもダクトが伸びる方向に延長された下側延在部14Lcが形成され、開口壁14Ubには、下側延在部14Lcに当接される上側延在部14Ucが下側延在部14Lcに対向して形成されている。
【選択図】図10
【解決手段】ダクト上部材14Uに、ダクト上部材14Uからダクト下部材14Lに向かって延び且つダクトが伸びる方向終端に後から形成される開口部14Ufを構成する開口壁14Ubが形成され、ダクト下部材14Lには開口壁14Ubよりもダクトが伸びる方向に延長された下側延在部14Lcが形成され、開口壁14Ubには、下側延在部14Lcに当接される上側延在部14Ucが下側延在部14Lcに対向して形成されている。
【選択図】図10
Description
本発明は、成形性を有するカーペット素材の裏面側にフロアダクト等を一体化した車両用成形カーペットモジュール体、及び、車両用成形カーペットモジュール体の製造方法に関する。
従来から、図1に示されるような車両用成形カーペットモジュール体が知られている。
図1は、車体のフロアパネルに敷設された従来例の車両用成形カーペットモジュール体の部分破断斜視図であり、図1において、1は車体のフロアパネル、2は車両用成形カーペットモジュール体である。
フロアパネル1にはフロアトンネル1aが一体に形成されており、フロアトンネル1aは車体左右方向中央位置から上方に膨出し車両前後方向に伸びている。
車両用成形カーペットモジュール体2は、フロアパネル1上に敷設されており、成形カーペット素材3と、樹脂製のフロアダクト4と、緩衝用のフェルト材5とによって構成されている。
本従来例では、加熱・加圧成型によって成形されるカーペット素材(カーペット原反)を成形カーペット素材3と呼ぶことにする。
車両には車室前方にエアコンユニットの2つの吹出口が設けられており、フロアダクト4,4は、フロアトンネル1aの上側前方でエアコンユニットの2つの吹出口にそれぞれ接続されている。
フロアダクト4,4のうち一方はフロアトンネル1aの助手席側の側壁に沿って下方に下がり、助手席の下を経由して助手席の後部に伸び、フロアダクト4,4のうち他方はフロアトンネル1aの運転席側の側壁に沿って下方に下がり、運転席の下を経由して運転席の後部に伸びている。
ただし、エアコンユニット、及び、エアコンユニットの吹出口、運転席、助手席は、図示が省略されている。
車両用成形カーペットモジュール体2の上面側には、助手席の下と運転席の下とにそれぞれ吹出口部2a,2aが設けられており、エアコンユニットからの送風を後部座席に向けて吹き出すようになっている。
フェルト材5は、フロアパネル1とフロアダクト4との間に介在して、フロアパネル1とフロアダクト4とが直接接触するのを防いでいる。
図2は車両用成形カーペットモジュール体2を説明する図1のA−A断面図である。
図2に示すように、成形カーペット素材3は、カーペット3aと、カーペット3aの裏面側に設けられた熱溶融性の樹脂層3bとによって構成されている。
成形カーペット素材3を加熱炉等を用いて加熱すると、成形カーペット素材3の樹脂層3bが軟化した状態になる。
この状態で、プレス機によってフロアパネル1の上面形状に倣う形状に形成された金型を用いて成形カーペット素材3を加圧して、樹脂層3bが硬化するまで冷却することによって、成形カーペット素材3をフロアパネル1の上面形状に倣う形状に成形する。
成形カーペット素材3を加熱すると樹脂層3bが軟化すると同時に、樹脂層3bの表面側は溶融した状態になるので、この溶融した樹脂層3bによる熱融着によって、成形カーペット素材3の成形と同時に、フロアダクト4とフェルト材5とを成形カーペット素材3の裏面側に一体に融着する。
図3は、車両用成形カーペットモジュール体2に用いられる助手席側のフロアダクト4の分解斜視図である。運転席側のフロアダクト4は、助手席側のフロアダクト4と左右対称の形状を呈しているので、図示を省略すると共に、同一の部分には同一の符号を付して表す。
図3に示すように、フロアダクト4は、ダクト上部材4Uと、ダクト下部材4Lとによって構成されている。
ダクト上部材4Uにはダクトが伸びる向きに沿って両側にそれぞれフランジ部4Ua,4Uaが形成され、ダクト下部材4Lにはダクトが伸びる向きに沿って両側にそれぞれフランジ部4La,4Laが形成されている。
これらのフランジ部4Ua,4Uaとフランジ部4La,4Laとをそれぞれ互いに接合することによって、ダクト上部材4Uとダクト下部材4Lとが接合されてダクトを形成している。
図4は、フロアパネル1と車両用成形カーペットモジュール体2との断面図であり、図2の上下方向の分解断面図である。
図4に示すように、フロアダクト4には、ダクト開口部4aが形成されており、ダクト下部材4Lには、ダクト開口部4aよりダクトが伸びる方向(空気が吹き出す方向)に延長された延在部4Lbが形成されている。
延在部4Lbのダクトが伸びる方向の端縁には下方に段差を形成する段差部4Lcが形成され、段差部4Lcの下端縁にはダクトが伸びる方向に板部4Ldが形成されている。
図5は、車両用成形カーペットモジュール体2の製造工程を説明する断面図である。(a)はプレス機によって加圧する前の状態、(b)は加圧中の状態、(c)は加圧した後の状態を表している。
図5に示すように、プレス機は、下型7aと、上型7bとを有している。
下型7aの上面形状は、車体のフロアパネル1の上面形状に略倣う形状に形成されており、上型7bの下面形状は、車体のフロアパネル1に車両用成形カーペットモジュール体2を敷設した際の成形カーペット素材3の上面形状に倣う形状に形成されている。
まず、図5(a)に示すように、プレス機の下型7aの所定位置にフェルト材5を配置し、フロアダクト4をフェルト材5上に配置する。
次に、成形カーペット素材3を加熱炉(図示省略)等によって加熱して、樹脂層3bを軟化・溶融させた状態で、下型7aと上型7bとの間に成形カーペット素材3をセットする。
そして、成形カーペット素材3を広げるように成形カーペット素材3の周囲を外側に向けて引っ張った状態で、上型7aを降下させて、上型7aによって成形カーペット素材3を上から加圧する。
このとき、図5(b)に示すように、成形カーペット素材3が成形されると同時に、成形カーペット素材3の樹脂層3bにフロアダクト4とフェルト材5とが融着される。
次に、樹脂層3bが冷却してから上型7bを上昇させると、図5(c)に示すように、成形カーペット素材3の形状が上型7bの下面形状に沿った形状に成形されており、ダクト上部材4Uと延在部4Lbと段差部4Lcと板部4Ldとの上面に成形カーペット素材3の裏面側が融着された状態になっている。
そして、成形カーペット素材3のダクト開口部4aを覆っている部分を超音波カッター等によって長方形状に切断して、車両用成形カーペットモジュール体2に吹出口部2aを形成する。
この他に、車両用成形カーペットモジュール体に関連する発明としては、特許文献1に開示された自動車用カーペットが知られている。
実公昭64−7040号公報
しかしながら、図5に示すように、プレス機の上型7bによって成形カーペット素材3を上側から加圧した際に、フロアダクト4も成形カーペット素材3を介して上側から加圧されるので、フロアダクト4の開口端上部4Ubが下側(図5(b)の矢印Aの向き)に湾曲する。
このように開口端上部4Ubが加圧された方向に湾曲すると、開口端上部4Ubの上面に加わる圧力が小さくなるので、開口端上部4Ubの上面と成形カーペット素材3との間に融着に必要な圧力が十分に働かない。
このため、成形カーペット素材3と開口端上部4Ubとが融着されず、上型7bを上昇させて、超音波カッター等によって吹出口部2aを開口形成すると、図2に示すように、吹出口部2a周縁上側では、成形カーペット素材3とフロアダクト4との間に隙間S1が空いてしまう。
また、ダクト開口部4aが潰れてしまうのを防ぐために、プレス機による加圧の圧力を抑え気味に加えると、吹出口部2a周縁下側でも成形カーペット素材3とフロアダクト4とが十分に融着されず、吹出口部2a周縁下側にも隙間S2が空いてしまう。
このように、成形カーペット素材3の吹出口部2a周縁で成形カーペット素材3とフロアダクト4との密着性が不十分になり、吹出口部2a周縁に隙間が生じるので、この隙間から成形カーペット素材3とフロアダクト4とが剥がれてしまうおそれがあり、ひいては、外観品質を損なってしまうおそれがあった。
また、吹出口部2aに、例えば化粧用のフィニッシャー等を装着する際に、吹出口部2aの周縁で成形カーペット素材3とフロアダクト4との隙間が空いていると、フィニッシャー等の取付け作業が困難になってしまうおそれがあった。
そこで、フロアダクトの吹出口周縁で、成形カーペットの素材とフロアダクトとの密着性を良好にし、車室側から見た吹出口の外観品質を向上させると共に、化粧用のフィニッシャー等の取付け作業を容易にする車両用成形カーペットモジュール体、及び、車両用成形カーペットモジュール体の製造方法を提供することを目的にしている。
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、カーペットの裏面側に熱溶融性の樹脂層を有し車体のフロアパネルの上面形状に倣ってプレス機によって成形される成形カーペット素材に、成形と同時に前記成形カーペット素材の裏面側にフロアダクト部材が融着される車両用成形カーペットモジュール体であって、
前記フロアダクト部材はダクト上部材とダクト下部材とによって構成され、
前記ダクト上部材に、該ダクト上部材から前記ダクト下部材に向かって延び且つ前記フロアダクト部材の伸びる方向終端に後から形成される開口部を構成する開口壁が形成され、
前記ダクト下部材には前記開口壁よりも前記フロアダクト部材の伸びる方向に延長された下側延在部が形成され、
前記開口壁には前記下側延在部に当接される上側延在部が前記下側延在部に対向して形成され、
前記上側延在部と前記下側延在部とを当接させつつ、プレス機による加圧によって、前記ダクト上部材に前記成形カーペット素材を融着する車両用成形カーペットモジュール体を特徴としている。
前記フロアダクト部材はダクト上部材とダクト下部材とによって構成され、
前記ダクト上部材に、該ダクト上部材から前記ダクト下部材に向かって延び且つ前記フロアダクト部材の伸びる方向終端に後から形成される開口部を構成する開口壁が形成され、
前記ダクト下部材には前記開口壁よりも前記フロアダクト部材の伸びる方向に延長された下側延在部が形成され、
前記開口壁には前記下側延在部に当接される上側延在部が前記下側延在部に対向して形成され、
前記上側延在部と前記下側延在部とを当接させつつ、プレス機による加圧によって、前記ダクト上部材に前記成形カーペット素材を融着する車両用成形カーペットモジュール体を特徴としている。
そして、請求項2に記載された発明は、前記ダクト上部材の上面に予め不織布を貼り設しておくことによって、前記成形カーペット素材と前記フロアダクト部材との融着性能を高める請求項1に記載された車両用成形カーペットモジュール体を特徴としている。
また、請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の車両用成形カーペットモジュール体を製造するための車両用成形カーペットモジュール体の製造方法であって、
請求項1に記載のプレス機の金型を構成する下型に請求項1に記載のフロアダクト部材を配置する配置工程と、
請求項1に記載の成形カーペット素材を加熱する加熱工程と、
加熱された前記成形カーペット素材をセットするセット工程と、
前記プレス機の金型を構成する上型を降下させて、前記成形カーペット素材を成形すると同時に、前記フロアダクト部材を構成するダクト上部材の上面に前記成形カーペット素材を融着する成形・融着工程と、
前記上型を上昇させた後に、請求項1に記載の開口壁に融着された前記成形カーペット素材と共に、該開口壁に請求項1に記載の開口部を形成する開口工程と、
を含む車両用成形カーペットモジュール体の製造方法を特徴としている。
請求項1に記載のプレス機の金型を構成する下型に請求項1に記載のフロアダクト部材を配置する配置工程と、
請求項1に記載の成形カーペット素材を加熱する加熱工程と、
加熱された前記成形カーペット素材をセットするセット工程と、
前記プレス機の金型を構成する上型を降下させて、前記成形カーペット素材を成形すると同時に、前記フロアダクト部材を構成するダクト上部材の上面に前記成形カーペット素材を融着する成形・融着工程と、
前記上型を上昇させた後に、請求項1に記載の開口壁に融着された前記成形カーペット素材と共に、該開口壁に請求項1に記載の開口部を形成する開口工程と、
を含む車両用成形カーペットモジュール体の製造方法を特徴としている。
このように構成された本発明の請求項1または請求項3記載のものは、プレス機の上型によって成形カーペット素材を上側から加圧した際に、フロアダクトの開口端上部が開口壁と上側延在壁と下側延在部とによって支持されているので、成形カーペット素材と開口端上部との間に十分な圧力が加わった状態で成形カーペット素材とフロアダクトとが融着される。
このため成形カーペット素材と開口端上部との融着が良好に行われる。
また、開口壁と成形カーペット素材とが融着されているので、開口壁と成形カーペット素材とが密着した状態で、開口壁に吹出口部を形成することができ、吹出口部周縁で成形カーペット素材とフロアダクトとの密着性が良好になる。
このため、車室側から見た吹出口部の外観品質が向上すると共に、化粧用のフィニッシャー等を装着する際には取付け作業が容易になり、仕上がりの見栄えもよい。
しかも、フィニッシャー等を装着しなくても仕上がりの見栄えがよいので、必ずしもフィニッシャー等を装着する必要がない。このため部品点数の増大を抑制できて、製造コストの上昇を抑えることができる。
そして、請求項2記載のものは、ダクト上部材の上面に予め不織布が貼り設されているので、成形カーペット素材とフロアダクトとの融着性能を一層高めることができ、カーペット表面の波打などを防ぐことができる。
以下、本発明に係る実施の形態の実施例を図面に基づいて説明する。
図6乃至図10に基づいて本実施例の車両用成形カーペットモジュール体を説明する。
〈全体の構成〉
図6は、車体のフロアパネルに敷設された本実施例の車両用成形カーペットモジュール体の部分破断斜視図であり、図6において、11は車体のフロアパネル、12は車両用成形カーペットモジュール体である。
〈全体の構成〉
図6は、車体のフロアパネルに敷設された本実施例の車両用成形カーペットモジュール体の部分破断斜視図であり、図6において、11は車体のフロアパネル、12は車両用成形カーペットモジュール体である。
フロアパネル11にはフロアトンネル11aが一体に形成されており、フロアトンネル11aは車体左右方向中央位置から上方に膨出し車両前後方向に伸びている。
車両用成形カーペットモジュール体12は、フロアパネル11上に敷設されており、成形カーペット素材13と、樹脂製のフロアダクト14と、緩衝用のフェルト材15とによって構成されている。
本実施例では、加熱・加圧成型によって成形されるカーペット素材(カーペット原反)を成形カーペット素材13と呼ぶことにする。
車両には車室前方にエアコンユニットの2つの吹出口が設けられており、フロアダクト14,14は、フロアトンネル11aの上側前方でエアコンユニットの2つの吹出口にそれぞれ接続されている。
フロアダクト14,14のうち一方は、フロアトンネル11aの助手席側の側壁に沿って下方に下がり、助手席の下を経由して助手席の後部に伸びている。
フロアダクト14,14のうち他方は、フロアトンネル11aの運転席側の側壁に沿って下方に下がり、運転席の下を経由して運転席の後部に伸びている。
ただし、エアコンユニット、及び、エアコンユニットの吹出口、運転席、助手席は、図示が省略されている。
車両用成形カーペットモジュール体12の上面側には、助手席の下と運転席の下とにそれぞれ吹出口部12a,12aが設けられており、エアコンユニットからの送風を後部座席に向けて吹き出すようになっている。
フェルト材15は、フロアパネル11とフロアダクト14との間に介在して、フロアパネル11とフロアダクト14とが直接接触するのを防いでいる。
車両用成形カーペットモジュール体12は、裏面側にクッションスペーサー(図示省略)を有しており、フロアパネル11と成形カーペット素材13との間に形成された空間を埋めている。
図7は車両用成形カーペットモジュール体12を説明する図6のB−B断面図である。
図7に示すように、成形カーペット素材13は、カーペット13aと、カーペット13aの裏面側に設けられた熱溶融性の樹脂層13bとによって構成されている。
成形カーペット素材13を加熱炉等を用いて加熱すると、成形カーペット素材13の樹脂層13bが軟化した状態になる。
この状態で、プレス機によってフロアパネル11の上面形状に倣う形状に形成された金型を用いて成形カーペット素材13を加圧して、樹脂層13bが硬化するまで冷却することによって、成形カーペット素材13をフロアパネル11の上面形状に倣う形状に成形する。
成形カーペット素材13を加熱すると樹脂層13bが軟化すると同時に、樹脂層13bの表面側は溶融した状態になるので、この溶融した樹脂層13bによる熱融着によって、成形カーペット素材13の成形と同時に、フロアダクト14とフェルト材15とを成形カーペット素材13の裏面側に一体に融着する。
〈フロアダクト14の構成〉
図8は、車両用成形カーペットモジュール体12に用いられる助手席側のフロアダクト14の分解斜視図である。運転席側のフロアダクト14は、助手席側のフロアダクト14と左右対称の形状を呈しているので、図示を省略すると共に、同一の部分には同一の符号を付して表す。
〈フロアダクト14の構成〉
図8は、車両用成形カーペットモジュール体12に用いられる助手席側のフロアダクト14の分解斜視図である。運転席側のフロアダクト14は、助手席側のフロアダクト14と左右対称の形状を呈しているので、図示を省略すると共に、同一の部分には同一の符号を付して表す。
図8に示すように、フロアダクト14は、ダクト上部材14Uと、ダクト下部材14Lとによって構成されている。
ダクト下部材14Lには、空気の流通路などがプレス成形等によって形成されており、ダクト下部材14Lにダクト上部材14Uでもって蓋をすることにより、ダクトが構成されるようになっている。
ダクト上部材14Uにはダクトが伸びる向きに沿って両側にそれぞれフランジ部14Ua,14Uaが形成され、ダクト下部材14Lにはダクトが伸びる向きに沿って両側にそれぞれフランジ部14La,14Laが形成されている。
これらのフランジ部14Ua,14Uaとフランジ部14La,14Laとをそれぞれ互いに接合することによって、ダクト上部材14Uとダクト下部材14Lとが接合されてダクトを形成している。
ダクト上部材14Uの上面には、成形カーペット素材13の樹脂層13bとの融着性能を高めるために、予め不織布16が全面に貼り設されている。
図9は、フロアパネル11と車両用成形カーペットモジュール体12との断面図であり、図7の上下方向の分解断面図である。
図9に示すように、ダクト上部材14Uのダクトが伸びる方向(空気が吹き出す方向)終端からダクト下部材14Lに向かって延びる開口壁14Ubが形成されている。
この開口壁14Ubには、後から開口部14Ufが形成される。
ダクト下部材14Lには、開口壁14Ubよりもダクトが伸びる方向に延長された下側延在部14Lcが形成されている。
開口壁14Ubの下端縁には、下側延在部14Lcに対向して上側延在部14Ucが形成されている。この上側延在部14Ucは、下側延在部14Lcに当接している。
上側延在部14Ucのダクトが伸びる方向の端縁には下方に段差を形成する段差部14Udが形成され、段差部14Udの下端縁にはダクトが伸びる方向に板部14Ueが形成されている。
〈成形カーペットモジュール12の製造工程〉
図10は、車両用成形カーペットモジュール体12の製造工程を説明する断面図である。(a)はプレス機によって加圧する前の状態、(b)は加圧中の状態、(c)は加圧した後の状態を表している。
〈成形カーペットモジュール12の製造工程〉
図10は、車両用成形カーペットモジュール体12の製造工程を説明する断面図である。(a)はプレス機によって加圧する前の状態、(b)は加圧中の状態、(c)は加圧した後の状態を表している。
図10に示すように、プレス機は、下型17aと、上型17bとを有している。
下型17aの上面形状は、車体のフロアパネル11の上面形状に略倣う形状に形成されており、上型17bの下面形状は、車体のフロアパネル11に車両用成形カーペットモジュール体12を敷設した際の成形カーペット素材13の上面形状に倣う形状に形成されている。
まず、図10(a)に示すように、プレス機の下型17aの所定位置にフェルト材15を配置し、フロアダクト14をフェルト材15上に配置する。
次に、成形カーペット素材13を加熱炉(図示省略)等によって加熱して、樹脂層13bを軟化・溶融させた状態で、下型17aと上型17bとの間に成形カーペット素材13をセットする。
そして、成形カーペット素材13を広げるように成形カーペット素材13の周囲を外側に向けて引っ張った状態で、上型17bを降下させて、上型17bによって成形カーペット素材13を上から加圧する。
このとき、図10(b)に示すように、成形カーペット素材13が成形されると同時に、成形カーペット素材13の樹脂層13bにフロアダクト14とフェルト材15とが融着される。
次に、樹脂層13bが冷却してから上型17bを上昇させると、図10(c)に示すように、成形カーペット素材13の形状が上型17bの下面形状に沿った形状に成形されており、ダクト上部材14Uと開口壁14Ubと上側延在部14Ucと段差部14Udと板部14Ueとの上面に、成形カーペット素材13の裏面側が融着された状態になっている。
そして、開口壁14Ubに融着された成形カーペット素材13と共に、開口壁14Ubの一部を超音波カッター等によって長方形状に切断して、開口壁14Ubに開口部14Ufを形成することによって、車両用成形カーペットモジュール体12に吹出口部12aを形成する。
〈作用効果〉
プレス機の上型17bによって成形カーペット素材13を上側から加圧した際に、フロアダクト14の開口端上部が、開口壁14Ubと上側延在壁14Ucと下側延在部14Lcとによって支持されているので、成形カーペット素材13と開口端上部との間に十分な圧力が加わった状態で成形カーペット素材13とフロアダクト14とが融着される。
〈作用効果〉
プレス機の上型17bによって成形カーペット素材13を上側から加圧した際に、フロアダクト14の開口端上部が、開口壁14Ubと上側延在壁14Ucと下側延在部14Lcとによって支持されているので、成形カーペット素材13と開口端上部との間に十分な圧力が加わった状態で成形カーペット素材13とフロアダクト14とが融着される。
このため成形カーペット素材14と開口端上部との融着が良好に行われる。
また、開口壁14Ubと成形カーペット素材13とが融着されているので、開口壁14Ubと成形カーペット素材13とが密着した状態で、開口壁14Ubに吹出口部12aを形成することができ、吹出口部12a周縁で成形カーペット素材13とフロアダクト14との密着性が良好になる。
このため、車室側から見た吹出口部12aの外観品質が向上すると共に、化粧用のフィニッシャー等を装着する際には、取付け作業が容易になり、仕上がりの見栄えがよい。
しかも、フィニッシャー等を装着しなくても仕上がりの見栄えがよいので、必ずしもフィニッシャー等を装着する必要がない。このため、部品点数の増大を抑制できて、製造コストの上昇を抑えることができる。
そして、ダクト上部材14の上面に予め不織布16が貼り設されているので、成形カーペット素材13とフロアダクト14との融着性能を一層高めることができ、カーペット13a表面の波打などを防ぐことができる。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
なお、本実施例では、ダクト上部材14Uの上側延在部14Ucと、ダクト下部材14Lの下側延在部14Lcとは接合されておらず、互いに当接しているだけであるが、上側延在部14Ucと下側延在部14Lcとを予め接合しておいても良い。
11 フロアパネル
12 車両用成形カーペットモジュール体
13 成形カーペット素材(成形カーペットの素材)
13a カーペット
13b 樹脂層
14 フロアダクト(フロアダクト部材)
14U ダクト上部材
14Ub 開口壁
14Uc 上側延在部
14Uf 開口部
14L ダクト下部材
14Lc 下側延在部
16 不織布
17a 下型
17b 上型
12 車両用成形カーペットモジュール体
13 成形カーペット素材(成形カーペットの素材)
13a カーペット
13b 樹脂層
14 フロアダクト(フロアダクト部材)
14U ダクト上部材
14Ub 開口壁
14Uc 上側延在部
14Uf 開口部
14L ダクト下部材
14Lc 下側延在部
16 不織布
17a 下型
17b 上型
Claims (3)
- カーペットの裏面側に熱溶融性の樹脂層を有し車体のフロアパネルの上面形状に倣ってプレス機によって成形される成形カーペットの素材に、成形と同時に前記成形カーペットの素材の裏面側にフロアダクト部材が融着される車両用成形カーペットモジュール体であって、
前記フロアダクト部材はダクト上部材とダクト下部材とによって構成され、
前記ダクト上部材に、該ダクト上部材から前記ダクト下部材に向かって延び且つ前記フロアダクト部材の伸びる方向終端に後から形成される開口部を構成する開口壁が形成され、
前記ダクト下部材には前記開口壁よりも前記フロアダクト部材の伸びる方向に延長された下側延在部が形成され、
前記開口壁には前記下側延在部に当接される上側延在部が前記下側延在部に対向して形成され、
前記上側延在部と前記下側延在部とを当接させつつ、プレス機による加圧によって、前記ダクト上部材に前記成形カーペットの素材を融着することを特徴とする車両用成形カーペットモジュール体。 - 前記ダクト上部材の上面に予め不織布を貼り設しておくことによって、前記成形カーペットの素材と前記フロアダクト部材との融着性能を高めることを特徴とする請求項1に記載された車両用成形カーペットモジュール体。
- 請求項1に記載の車両用成形カーペットモジュール体を製造するための車両用成形カーペットモジュール体の製造方法であって、
請求項1に記載のプレス機の金型を構成する下型に請求項1に記載のフロアダクト部材を配置する配置工程と、
請求項1に記載の成形カーペットの素材を加熱する加熱工程と、
加熱された前記成形カーペットの素材をセットするセット工程と、
前記プレス機の金型を構成する上型を降下させて、前記成形カーペットの素材を成形すると同時に、前記フロアダクト部材を構成するダクト上部材の上面に前記成形カーペットの素材を融着する成形・融着工程と、
前記上型を上昇させた後に、請求項1に記載の開口壁に融着された前記成形カーペットの素材と共に、該開口壁に請求項1に記載の開口部を形成する開口工程と、
を含むことを特徴とする車両用成形カーペットモジュール体の製造方法。
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