JP2007283731A - 液体吐出装置、印刷装置、及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、印刷装置、及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷モードに適したノズルの配置になるようにヘッドを移動させることができる液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第1ノズル群と、前記媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが前記所定のノズルピッチで並ぶ第2ノズル群であって、前記ノズルの並ぶ方向に移動可能な第2ノズル群と、前記ノズルの並ぶ方向において前記第1ノズル群の前記ノズルの位置と前記第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にもなり、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にもなるように、前記第2ノズル群を移動させる移動機構と、を備える液体吐出装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体吐出装置、印刷装置、及び液体吐出方法に関する。
液体吐出装置としてのインクジェットプリンタには、液体滴を吐出させるためのヘッドを複数有するものがある。このような液体吐出装置の中にはヘッドと媒体の相対移動方向の直交方向に複数のヘッドを移動させることができる液体吐出装置がある。そして、一方のヘッドのノズル間にもう一方のヘッドのノズルが入る構成となるようにヘッドを移動させたり、一方のヘッドと他方のヘッドとが紙幅方向に並ぶような構成になるようにヘッドを移動させたりするインクジェットプリンタが公開されている。
特開平6−219009号公報
液体吐出装置としてのインクジェットプリンタでは、使用状況によってはヘッドと媒体との相対速度を速めて印刷を行いたいときと、印刷可能なヘッドの幅を広げて印刷を行いたいときがある。そして、そのときヘッドの配置を変化させることにより、一台のインクジェットプリンタで、これらの目的に合わせた動作を使い分けることができれば便利である。例えば、一台の液体吐出装置で、媒体のある領域に対して高速にドットを形成することができるようなヘッドの配置にしたり、幅の広い領域にドットを形成することができるようなヘッドに配置にすることができれば便利である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、媒体に対してドットを形成するときの条件に適したノズル配置になるようにノズル群を移動させることができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第1ノズル群と、
前記媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが前記所定のノズルピッチで並ぶ第2ノズル群であって、前記ノズルの並ぶ方向に移動可能な第2ノズル群と、
前記ノズルの並ぶ方向において前記第1ノズル群の前記ノズルの位置と前記第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にもなり、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にもなるように、前記第2ノズル群を移動させる移動機構と、
を備える液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第1ノズル群と、
前記媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが前記所定のノズルピッチで並ぶ第2ノズル群であって、前記ノズルの並ぶ方向に移動可能な第2ノズル群と、
前記ノズルの並ぶ方向において前記第1ノズル群の前記ノズルの位置と前記第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にもなり、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にもなるように、前記第2ノズル群を移動させる移動機構と、
を備える液体吐出装置。
このようにすることで、液体滴を吐出するときにおいて、ドットを形成するときの条件に適したノズル群の配置状態を選択的に作り出すことができる。
かかる液体吐出装置であって、前記第2状態において、第1ノズル群の端のノズルと第2ノズル群の端のノズルとが、前記ノズルの並ぶ方向について前記所定のノズルピッチだけ離れていることが望ましい。また、前記媒体と前記第1ノズル群との位置を前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に相対的に移動させる相対移動機構をさらに備えることが望ましい。また、前記相対移動機構は、前記第1状態のときにおける前記媒体と前記第1ノズル群の相対移動速度を、前記第2状態のときにおける相対移動速度よりも速くすることが望ましい。また、前記相対移動機構は、前記媒体を前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に搬送させる媒体搬送機構であることが望ましい。また、前記相対移動機構は、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群を前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に移動させるノズル移動機構であるとすることもできる。また、前記移動機構は、前記第2ノズル群を前記ノズルの並ぶ方向に移動させるためのボールネジを備えることが望ましい。また、前記第1状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットと、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットは、前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に交互に並ぶように形成され、前記第2状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に並ぶように形成されるとともに、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に並ぶように形成されることが望ましい。また、前記第1状態のときに全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成されるとともに、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成され、前記第2状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドット列と、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドット列は、前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成されることが望ましい。また、前記液体滴を吐出して前記媒体に画像を形成するためのデータに基づいて、前記第2ノズル群の位置が前記第1状態及び前記第2状態のいずれかの状態になるように前記移動機構を制御する制御部をさらに備えることが望ましい。また、前記制御部は、前記データに基づいて、前記ノズルが並ぶ方向の画像幅が前記第1ノズル群の前記ノズルが並ぶ方向の幅よりも小さいときには、前記第2ノズル群の位置を前記第1状態にし、前記ノズルが並ぶ方向の画像幅が前記第1ノズル群の前記ノズルが並ぶ方向の幅よりも大きいときには、前記第2ノズル群の位置を前記第2状態にすることが望ましい。
このようにすることで、液体滴を吐出するときにおいて、ドットを形成するときの条件に適したノズル群の配置状態を選択的に作り出すことができる。
媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第1ノズル群と、
前記媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが前記所定のノズルピッチで並ぶ第2ノズル群であって、前記ノズルの並ぶ方向に移動可能な第2ノズル群と、
前記ノズルの並ぶ方向において前記第1ノズル群の前記ノズルの位置と前記第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にもなり、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にもなるように、前記第2ノズル群を移動させる移動機構と、
前記ノズルごとに取り付けられ、駆動信号に応じて前記液体滴を吐出させる液体吐出部と、
を備える印刷装置。
このようにすることで、液体滴を吐出するときにおいて、ドットを形成するときの条件に適したノズル群の配置状態を選択的に作り出して印刷を行うことができる。
所定のノズルピッチで複数のノズルが並ぶ方向において、第1ノズル群の前記ノズルの位置と第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にするように、前記第2ノズル群を移動させ、液体滴を吐出させるステップと、
前記ノズルの並ぶ方向において、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にするように、前記第2ノズル群を移動させ、液体滴を吐出させるステップと、
を含む液体吐出方法。
このようにすることで、液体滴を吐出するときにおいて、ドットを形成するときの条件に適したノズル群の配置状態を選択的に作り出すことができる。
===第1実施形態===
<全体構成について>
図1は、第1実施形態における印刷システムの全体構成のブロック図である。この印刷システム100は、プリンタ1、コンピュータ110、表示装置120、及び入力装置130を備えている。第1実施形態において、プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷するインク吐出型のラインプリンタである。このプリンタ1の構成については、後に詳述する。
コンピュータ110は、CPU113、メモリ114、インタフェース112、及び記録再生装置140を備えている。CPU113は、様々なプログラムを実行し、例えば後述するプリンタ1に印刷させる画像について画像処理を行う。メモリ114は、プログラムやデータを記憶する。インタフェース112は、USBやパラレルインタフェースなどのプリンタ1に接続するためのインタフェースである。記録再生装置140は、CD−ROMドライブやハードディスクドライブであって、プログラムやデータを記憶するための装置である。
コンピュータ110は、インタフェース112を介してプリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。
コンピュータ110には、プリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、記録再生装置140としてのCD−ROMドライブからインストールすることもできるし、インターネットを介してインストールすることもできる。プリンタドライバは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
尚、「液体吐出装置」は、媒体に液体滴を吐出する装置を意味し、例えばプリンタ1が該当する。
<プリンタ1の全体構成>
図2Aは、第1実施形態におけるプリンタ1の断面図である。また、図2Bは、第1実施形態におけるプリンタ1の用紙Sの搬送処理を説明するための斜視図である。以下に、図1も参照しつつ、第1実施形態のプリンタであるラインプリンタの基本的な構成について説明する。
第1実施形態のプリンタ1は、用紙搬送機構20、ヘッドユニット40、検出器群50、ASIC60、及び駆動信号生成回路70を有する。プリンタ1は、コンピュータ110から印刷データを受信する。そして、受信したデータに基づいてプリンタ1のASIC60がプリンタ1の各部(用紙搬送機構20、ヘッドユニット40、駆動信号生成回路70)を制御し、用紙Sに画像を印刷する。
プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されている。検出器群50は、検出結果をASIC60に出力する。そして、ASIC60は、この検出結果に基づいて、各部を制御する。
用紙搬送機構20は、媒体(例えば、用紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ(不図示)と、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bと、ベルト24とを有する。給紙ローラ21は、用紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ内に給紙するためのローラである。不図示の搬送モータが回転すると、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bが回転しベルト24が回転する。給紙ローラ21によって給紙された用紙Sは、ベルト24によって、印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。ベルト24が用紙Sを搬送することによって、用紙Sがヘッドユニット40に対して搬送方向に移動する。印刷可能な領域を通過した用紙Sは、ベルト24によって外部へ排紙される。尚、搬送中の用紙Sは、ベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインク滴を吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、搬送中の用紙Sに対してインク滴を吐出することによって、用紙Sにドットを形成し、画像を用紙Sに印刷する。第1実施形態におけるプリンタ1はラインプリンタであり、ヘッドユニット40は後述するように第1ヘッド410〜第6ヘッド460の6つのヘッドを有している。ヘッドユニット40は、第4ヘッド440、第5ヘッド450、及び第6ヘッド460をノズルの並ぶ方向(列方向)に移動させることができるヘッド移動機構490を含んでいる。このヘッドユニット40の構成、ヘッドユニット40に含まれるヘッド移動機構490、及び第1ヘッド410〜第6ヘッド460の構成については、後に詳述する。
検出器群50には、ロータリー式エンコーダ(不図示)、紙検出センサ53などが含まれる。ロータリー式エンコーダは、上流側搬送ローラ23Aや下流側搬送ローラ23Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダの検出結果に基づいて、ASIC60は、用紙Sの搬送量を検出することができる。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。
ASIC60は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。ASIC60は、プリンタ1内のインタフェース部61に接続され、コンピュータ110と通信可能になっている。ASIC60は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理を行う機能を有する。また、プログラム及びデータを記憶するメモリを含んでいる。そして、メモリに格納されているプログラムに従って、各機構を制御する。
駆動信号生成回路70は、インク滴をノズルから吐出させるために、後述するヘッド内のピエゾ素子417に印加される駆動信号を生成する回路である。駆動信号生成回路70は、ASIC60から出力された波形データに基づいて、駆動信号をヘッドユニット40に出力する。駆動信号については後に説明する。
<ヘッドユニット40の構成>
図1に示すように、ヘッドユニット40には、第1ヘッド410〜第6ヘッド460の6つのヘッドが含まれている。そして、それぞれのヘッドには、後述するように360個のノズルと、このノズルからインク滴を吐出させるためのピエゾ素子417が含まれている。ピエゾ素子417は、一つ一つのノズルに独立したものが取り付けられている。また、ヘッド制御部HCの制御により各ノズルについて印加される駆動パルスが選択される。そして、駆動パルスがピエゾ素子417に印加されることにより、個々のノズルからインク滴が吐出される。
図3A及び図3Bは、プリンタ1において、ヘッドユニット40における6つのヘッド(第1ヘッド410〜第6ヘッド460)の配置について説明するための図である。ここでは、図3Aのヘッドの配置状態を第1状態する。また、図3Bのヘッドの配置状態を第2状態とする。
プリンタ1内において、用紙Sの搬送方向の垂直方向が第1ヘッド410〜第6ヘッド460のノズル列の方向になるように配置されている。ここでは、第1ヘッド410〜第3ヘッド430の位置は固定されている。一方、第4ヘッド440〜第6ヘッド460はノズル列方向に移動可能となっている。尚、第1ヘッド410〜第3ヘッド430のノズルは、第1ノズル群に相当し、第4ヘッド440〜第6ヘッド460は第2ノズル群に相当する。
ヘッドユニット40には、第4ヘッド440、第5ヘッド450、及び第6ヘッド460をノズル列方向に移動させるためのヘッド移動機構490が含まれている。ヘッド移動機構490は、ボールネジ445,455,465、このボールネジを回転させるためのボールネジ回転用モータ(不図示)、及び軸受け447,457,467を含む。また、ヘッド移動機構490は、第4ヘッド440〜第6ヘッド460の位置情報を取得するためのリニアエンコーダ(不図示)、及びリニアエンコーダからの位置情報に基づいてボールネジ回転用モータを制御するための制御装置としてのASIC60を含む。尚、このヘッド移動機構490は、第2ノズル群をノズル列方向に移動させる移動機構に相当する。
第4ヘッド440、第5ヘッド450、及び第6ヘッド460は、ボールネジが回転することによってノズルが並ぶノズル列方向に移動可能になっている。図に示すように、ボールネジ445,455,465の右端部には、それぞれボールネジ回転用モータ446,456,466が取り付けられている。また、ボールネジ445,455,465の左端部には、それぞれのボールネジを回転可能に受けるための軸受け447,457,467が配置されている。
ヘッド移動機構490の一部としてのASIC60は、リニアエンコーダからの出力であるヘッドの位置情報を取得する。そして、ヘッド移動機構490は、各ヘッドについて後述する第1状態又は第2状態の目標位置になるように、ボールネジ回転用モータ446,456,466の回転を制御する機能を有する。
最初に第1状態における第1ヘッド410〜第6ヘッド460の配置の概略について説明する。第1状態において、第1ヘッド410は、第4ヘッド440と用紙Sの搬送方向について重なるように配置される。また、第2ヘッド420は、第5ヘッド450と用紙Sの搬送方向について重なるように配置される。また、第3ヘッド430は、第6ヘッドと用紙Sの搬送方向に重なるように配置される。
用紙Sの搬送方向について、第1ヘッド410及び第4ヘッド440は、ヘッドの端部を除いて第2ヘッド420及び第5ヘッド450には重ならない。また、用紙Sの搬送方向について、第2ヘッド420及び第5ヘッド450は、ヘッドの端部を除いて第3ヘッド430及び第6ヘッド460には重ならない。
このような構成にして、第1ヘッド410〜第6ヘッド460のノズルからインク滴を吐出することによって、用紙Sの紙幅方向の全面について用紙Sの幅の約1/2の領域(3ヘッド分の領域)にドットを形成することができるようになっている。そして、用紙Sを用紙Sの搬送方向に移動させながら、第1ヘッド〜第6ヘッドからインク滴を吐出することで用紙Sの幅の約1/2の領域にわたって画像を形成することができるようになっている。各ヘッドの列方向におけるサイズは約1インチ(2.54cm)であるので、このとき約3インチ(7.62cm)の紙幅方向の画像形成が可能となる。
次に、第2状態における第1ヘッド410〜第6ヘッド460の配置の概略について説明する。第2状態において、用紙Sの搬送方向について、各ヘッドは他のヘッドとヘッドの端部を除いて重ならないように配置される。そして、図の左から順に、第1ヘッド410、第2ヘッド420、第3ヘッド430、第4ヘッド440、第5ヘッド、及び第6ヘッド460が並ぶように配置される。
このような構成にして、第1ヘッド410〜第6ヘッド460のノズルからインク滴を吐出することによって、用紙Sの紙幅方向についてドットを形成することができるようになっている。そして、用紙Sを用紙Sの搬送方向に移動させながら、第1ヘッド410〜第6ヘッド460からインク滴を吐出することで用紙Sの全面にわたって画像を形成することができるようになっている。各ヘッドの列方向におけるサイズは約1インチ(2.54cm)であるので、このとき約6インチ(15.24cm)の紙幅方向の画像形成が可能となる。
図4は、第1状態におけるヘッドユニット40の6つのヘッドの詳細な配置を説明するための図である。図4では、ヘッドユニット40における第1ヘッド410〜第6ヘッド460をプリンタ1の上から見た図となっている。プリンタ1の上部から見た場合、これらヘッドのノズルは他の要素に阻まれて見ることができない。しかし、ここでは、第1ヘッド410のノズル〜第6ヘッド460のノズルとの位置関係が理解しやすいように、ノズルの位置が実線で描かれている。尚、後述するようにプリンタ1が高速印刷モードで印刷を行うときには、ヘッドは第1状態になるように移動される。
各ヘッドには、ブラックインクノズル列K、シアンインクノズル列C、マゼンタインクノズル列M、及びイエローインクノズル列Yが形成されている。各ノズル列は、インクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(第1実施形態では、360個)備えている。各ノズル列の複数のノズルは、紙幅方向に沿って、一定のノズルピッチで並んでいる。ここでは、ノズルピッチは、1/360インチである。各ヘッドのノズルには、図中の左から順に番号が付されている(#1〜#360)。尚、「ノズルピッチ」とは、ノズルの並ぶノズル列方向におけるノズル間距離である。また、図中において、ノズルピッチは「P」で示されている。
第1状態において、用紙Sの搬送方向について、第1ヘッド410のノズルと第4ヘッド440のノズルが重なるように配置されている。より詳細には、用紙Sの搬送方向について第1ヘッド410のノズル#1と第4ヘッド440のノズル#1とが重なるように配置されている。同様に、用紙Sの搬送方向について、第2ヘッド420のノズルと第5ヘッド450のノズルが重なるように配置されている。より詳細には、用紙Sの搬送方向について第2ヘッド420のノズル#1と第5ヘッド450のノズル#1とが重なるように配置されている。また、第3ヘッド430のノズルと第6ヘッド460のノズルが重なるように配置されている。より詳細には、用紙Sの搬送方向について第3ヘッド430のノズル#1と第6ヘッドのノズル#1とが重なるように配置されている。
また、第1ヘッド410の右端のノズルと第2ヘッド420の左端のノズルとで構成されるノズルピッチは1/360インチである。第2ヘッド420の右端のノズルと第3ヘッド430の左端のノズルとで構成されるノズルピッチは1/360である。同様にして、第4ヘッド440の右端のノズルと第5ヘッド450の左端のノズルとで構成されるノズルピッチは1/360である。第5ヘッド450の右端のノズルと第6ヘッド460の左端のノズルとで構成されるノズルピッチは1/360である。
このように配置されることによって、第1ヘッド410と第2ヘッド420と第3ヘッド430とで構成される第1ノズル群のノズルピッチは1/360インチとなる。また、第4ヘッド440と第5ヘッド450と第6ヘッド460とで構成される第2ノズル群のノズルピッチは1/360インチとなる。また、第1ノズル群のノズルと第2ノズル群のノズルの全てが用紙Sの搬送方向について重なる構成となる。
第2状態に移行するときにおいて、ASIC60からの制御でボールネジ回転用モータ446,456,466が回転させられることにより、ボールネジ445,455,465が回転させられる。そして、第4ヘッド440〜第6ヘッド460が3インチと1/360インチだけ右側に移動させられる。この状態が第2状態である。
図5は、第2状態におけるヘッドユニット40の6つのヘッドの詳細な配置を説明するための図である。尚、後述するようにプリンタ1が幅広印刷モードで印刷を行うときには、ヘッドは第2状態になるように移動される。
第2状態において、各ヘッドの各ノズルは、用紙Sの搬送方向についていずれのヘッドのノズルに重ならないように配置されている。また、第2状態において、第1ヘッド410の右端のノズルと第2ヘッド420の左端のノズルとで構成されるノズルピッチは、1/360インチである。同様に、第2ヘッド420の右端のノズルと第3ヘッドの左端のノズルとで構成されるノズルピッチも1/360インチである。第3ヘッド430の右端のノズルと第4ヘッド440の左端のノズルとで構成されるノズルピッチも1/360インチである。第4ヘッド440の右端のノズルと第5ヘッドの左端のノズルとで構成されるノズルピッチも1/360インチである。第5ヘッド450の右端のノズルと第6ヘッド460の左端のノズルとで構成されるノズルピッチも1/360インチである。
このように配置されることによって、第1ノズル群と第2ノズル群とで構成されるノズルピッチは、1/360インチとなる。
上述の実施形態において、第4ヘッド440〜第6ヘッド460は、それぞれに取り付けられたボールネジ445,455,465によって移動させられたが、第4ヘッド440〜第6ヘッド460を1つのユニットとしてまとめ、一つのボールネジの回転によってこの1つのユニットを移動させることとしてもよい。このようにすることで、第4ヘッド440〜第6ヘッド460を第2ノズル群としてノズル列方向に第1状態又は第2状態になるように移動させることができる。
<駆動信号とドットの形成について>
第1実施形態では、各ヘッドに含まれるピエゾ素子417に駆動信号に含まれる駆動パルスが選択的に印加されることにより、ヘッド内のインク滴が吐出される。
このような駆動信号は次のようにして生成される。まず、駆動信号生成回路70がASIC60から駆動信号の波形データを受け取る。駆動信号生成回路70は、この波形データをD/A変換し、アナログの電圧信号に変換する。そして、この電圧信号について、所定の電圧になるように電圧増幅を行い、また、所定量のピエゾ素子417を十分駆動できるように電流増幅を行う。このようにして、駆動信号は生成される。
図6は、使用される駆動信号の一例である。駆動信号COMは、周期Tの繰り返し周期で駆動信号生成回路70から出力される。周期Tには、T1〜T5の期間が含まれている。そして、期間T1には第1駆動パルスPS1、期間T2には第2駆動パルスPS2、期間T3には第3駆動パルスPS3、期間T4には第4駆動パルスPS4が含まれている。
期間T5には、駆動パルスは含まれていない。これには例えば次のような理由がある。周期Tはきわめて短い時間である。期間T1〜T4においてピエゾ素子417が振動させられると、この振動が減衰するまでに所定の時間を要する。このため、ピエゾ素子417の振動を減衰させるための期間として期間T5が設けられている。本実施形態において、期間T5の長さは、期間T1からT4までの長さと同じ長さとしている。しかし、期間T5の長さをこれより長くしてもよいし、短くすることもできる。
駆動パルスの形状は、第2駆動パルスPS2のみが他の駆動パルスと異なっており、駆動パルスPS1、PS3、及びPS4は同じ形状となっている。駆動パルスPS2は、ドットを形成しないときにおいて、ピエゾ素子417を微振動させ、インクを撹拌することでインクの増粘を防止するために使用されるパルスである。駆動パルスPS1、PS3、及びPS4は、インク滴をノズルから吐出させるための駆動パルスである。プリンタ1は、これら駆動パルスのピエゾ素子417への印加の組み合わせにより、小ドット、中ドット、及び大ドットを形成する。
例えば、小ドットを形成するときは、第3駆動パルスPS3をピエゾ素子417に印加して期間Tにおいて1つの液体滴を吐出させる。また、中ドットを形成するときは、第3駆動パルスPS3、第4駆動パルスPS4をピエゾ素子417に印加して期間Tにおいて2つの液体滴を吐出させる。大ドットを形成するときには、駆動パルスPS1、PS3、及びPS4をピエゾ素子417に印加して期間Tにおいて3つの液体滴を吐出させる。このように、期間Tにおける駆動パルスを選択的にピエゾ素子417に印加することによって、複数のサイズのドットを形成することができる。
ASIC60は、コンピュータ110から送信された印刷データに基づいて画素データSIを生成する。そして、この画素データSIに基づいてヘッド制御部HCは各ピエゾ素子417に印加される駆動パルスを選択する。つまり、画素データSIは、ASIC60が各画素において形成するべくドットのサイズを表すデータである。
本実施形態において、第1状態における印刷、及び第2状態における印刷ともに上述の駆動信号COMが使用され、インク滴が吐出される。
<動作について>
次に、第1実施形態におけるプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、高速印刷モードでの印刷動作と幅広印刷モードでの印刷動作について説明する。高速印刷モードで印刷を行うか幅広印刷モードで印刷を行うかは、印刷データに基づいて用紙Sに印刷される画像が用紙幅の半分以上を占めているか否かによってASIC60によって選択される。印刷データは、画素にドットを形成するか否かを示すデータである。よって、この印刷データに基づいて、ASIC60はどの画素にドットを形成するべきかを判定することができるようになっている。
ここでは、最初の画像について高速印刷モードで印刷が行われ、次の画像について幅広印刷モードで印刷が行われる場合を説明する。よって、最初は、プリンタ1は、高速印刷モードに設定されている。尚、ここでは、説明のため全画素に大ドットを形成するものとして説明を行う。但し、印刷すべき画像によっては、ドットの形成されない画素もある。
図7は、第1実施形態における高速印刷モードで印刷を行うときのヘッドの配置について説明するための図である。図7では、ヘッドと形成されるドットとの関係の説明を容易にするために、1つのヘッドに1つのノズル列だけが記載されている。また、図7では、同様の理由によりノズル数も減らして記載されている。第1ノズル群のヘッド(ここでは、第1ヘッド410)からインク滴が吐出され形成されたドットは、円形内に「1」が記載されている。また、第2ノズル群のヘッド(ここでは、第4ヘッド440)からインク滴が吐出され形成されたドットは、円形内に「2」が記載されている。
第1実施形態の高速印刷モードのときにおいて、第2ノズル群は、上述の通り第1状態になるように移動させられている。そして、第1ノズル群のノズルと第2ノズル群のノズルが用紙Sの搬送方向について重なるように配置されている。ここでは、代表として第1ヘッド410のノズルと第4ヘッド440のノズルの配置が示されている。
第1実施形態において用紙Sはノズル列と垂直方向に連続的に搬送される。そして、ヘッドから吐出されたインク滴によってドットが形成され印刷が行われる。高速印刷モードにおいて、第1ヘッド410及び第4ヘッド440のピエゾ素子417には、駆動信号COMが印加される。但し、図7に示すように、第1ヘッド410が吐出したインク滴が形成するドット(第1ドット)と第4ヘッド440が吐出したインク滴が形成するドット(第2ドット)とが用紙Sの搬送方向について交互に並ぶようにインク吐出タイミングが調整されている。用紙Sは、駆動信号COMの周期Tにおいて搬送方向に1/180インチ進められる。そして、周期Tごとに図7に示すドットが形成される。この結果、第1ドットと第2ドットとが用紙Sの搬送方向に交互に並び、360dpiの印刷が行われる。
ここでは、第1ヘッド410と第4ヘッド440を用いて説明を行っているが、実際は、第1ヘッド410〜第6ヘッド460が使用される。この場合、第1ヘッド410、第2ヘッド420、及び第3ヘッド430から吐出されたインク滴で形成されるドット列が紙幅方向に一列に並ぶようにインクの吐出タイミングが調整され、ドットが形成される。また、第4ヘッド440、第5ヘッド450、及び第6ヘッド460から吐出されたインク滴で形成されるドット列が紙幅方向に一列に並ぶようにインク滴の吐出タイミングが調整され、ドットが形成される。このとき、紙幅方向には、ヘッド3個分のドット列が形成可能となるため、紙幅方向に3インチの画像を形成することができるようになる。
次に高速印刷モードから幅広印刷モードに移行するときの動作について説明する。
図8は、第1実施形態における幅広印刷モードで印刷を行うときのヘッドの位置について説明するための図である。図8においても、ヘッドと形成されるドットとの関係の説明を容易にするために、1つのヘッドに1つのノズル列だけが記載されている。また、円形内に「1」と示されているものは、第1ノズル群のヘッド(ここでは、第3ヘッド430)からのインク滴の吐出によって形成されたドットであり、円形内に「2」と示されているものは第2ノズル群のヘッド(ここでは、第4ヘッド440)からのインク滴の吐出によって形成されたドットである。
幅広モードに移行するとき、ボールネジ445,455,465がボールネジ回転用モータ446,456,466によって回転させられる。そして、第4ヘッド440〜第6ヘッド460が上述の第2状態の位置に移動させられる。そうすると、第2ノズル群が3インチと1/360インチだけ右側に移動させられることになる。
次に、ASIC60は、用紙Sを搬送させる際に、高速印刷モードのときの1/2の速度で搬送させるように用紙搬送機構20を制御するようにする。よって、用紙Sは、駆動信号COMの周期Tにおいて搬送方向に1/360インチ進められる。そして、周期Tごとに図8に示すドットが形成される。尚、幅広印刷モードにおいて、第1ドットと第2ドットが用紙Sの紙幅方向に一列に並んで形成されるようにインク吐出タイミングが調整されている。この結果、幅広モードでの360dpiの印刷が行われる。
ここでは、第3ヘッド430と第4ヘッド440を用いて説明を行っているが、実際は第1ヘッド410〜第6ヘッド460が使用される。この場合、第1ヘッド410〜第6ヘッド460が吐出するインク滴によって形成されたドット列は、紙幅方向に一列に並ぶように形成される。このとき、紙幅方向には、ヘッド6個分のドット列が形成可能となるため、紙幅方向に6インチの画像を形成することができる。
幅広印刷モードで使用される駆動信号COMは、高速印刷モードで使用される駆動信号COMと同じである。しかし、幅広印刷モードでは、用紙Sの搬送速度が高速印刷モードにおける搬送速度の1/2にされている。このようにすることで、幅広印刷モードでは、一度の印刷において用紙の全面に印刷できる一方、印刷速度は高速印刷モードにおける速度の1/2の速度になる。換言すると、高速印刷モードでは、幅広印刷モードの2倍の速度で印刷を行うことができるが、印刷できる幅は幅広印刷モードの1/2となる。これは、幅広印刷モードでは用紙Sの搬送方向のドット列の形成が1つのヘッドによって行われるのに対し、高速印刷モードでは、用紙Sの搬送方向のドット列の形成が2つのヘッドによって行われることによる。
また、幅広印刷モードにおいて、例えば故障によりインクを吐出できないノズルがあるときには、そのノズルが受け持つドット列が白スジとして目立ってしまう場合がある。一方、高速印刷モードでは上述の通り、用紙Sの搬送方向のドット列の形成が2つのヘッドによって行われる。よって、高速印刷モードでは、インク吐出不可のノズルが一方のヘッドに生じたとしても他方のヘッドのノズルからのインク滴の吐出により、ドットが形成されなかったことの欠陥を目立ちにくくすることができるというメリットがある。
<第1実施形態の変形例(その1)>
図9A及び図9Bは、第1実施形態のヘッド構成の変形例を示す図である。図9Aは、変形例における第1状態を示し、図9Bは、変形例における第2状態を示す。変形例において、移動可能なヘッドは、第2ヘッド420、第4ヘッド440、及び第6ヘッド460となっている。このとき、第1ノズル群は、第1ヘッド410、第3ヘッド430、及び第5ヘッド450によって構成される。また、第2ノズル群は、第2ヘッド420、第4ヘッド440、第6ヘッド460によって構成される。
変形例では移動可能なヘッドと移動しないヘッドとを交互に用紙Sの搬送方向について交互に配置している。このようにすることによって、ヘッドを移動させるためのボールネジ425,445,465、ボールネジ回転用モータ426,446,466、及び軸受け427,447,467を間隔をあけて配置することができる。
一方、変形例の前に説明した実施形態にはヘッド配置の観点から次の利点がある。変形例の前に説明した実施形態において、上述のようなヘッドの配置構成にすることによって、変形例のときに比して、第1状態において第1ノズル群のヘッドと、このヘッドに重なる第2ノズル群のヘッドとの間により大きな距離が生ずる。このようにより大きな距離を生ずることによって、第1ノズル群のインク滴がドットを形成してから第2ノズル群のインク滴がドットを形成するまでにより多くの時間を要することとなる。よって、第1ノズル群のインク滴が乾いてから第2ノズル群のインク滴のドットを形成することができる。
<第1実施形態の変形例(その2)>
第1実施形態のさらなる変形例として、第1ノズル群(第1ヘッド410〜第3ヘッド430)についてもノズル列方向に移動可能としてもよい。そうすると、例えば高速印刷モードで用紙Sの紙幅の1/2の大きさの画像を、用紙Sの中央に高速で印刷させたいときにおいて、第1ノズル群(第1ヘッド410〜第3ヘッド430)を中央に移動させる。そして、用紙Sの搬送方向について、第2ノズル群(第4ヘッド440〜第6ヘッド460)を、第1ノズル群に重なるように移動させる。このようにすることによって、小さな大きさの画像の印刷を用紙Sの左半分の領域に限らずに高速に行うことができる。
===第2実施形態===
<全体構成について>
図10は、第2実施形態における印刷システムのブロック図である。この印刷システム100’は、プリンタ1’、コンピュータ110、表示装置120、及び入力装置130を備えている。第2実施形態において、プリンタ1’は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷するインクジェットプリンタである。
コンピュータ110、表示装置120、及び入力装置130については、第1実施形態のものと同様であるので説明を省略する。次に、第2実施形態におけるプリンタ1’の構成について説明する。
<プリンタ1’の全体構成>
図11Aは、第2実施形態におけるプリンタ1’の斜視図であり、図11Bは、第2実施形態におけるプリンタ1’の断面図である。以下に図10も参照しつつ、第2実施形態のプリンタであるインクジェットプリンタの基本的な構成について説明する。
第2実施形態のプリンタ1’は、用紙搬送機構20’、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40’検出器群50、ASIC60’、駆動信号生成回路70、及びフラットケーブル90を有する。
用紙搬送機構20’は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図11A及び図11Bに示すように、用紙搬送機構20’は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ27と、プラテン28と、排紙ローラ25と、従動ローラ26とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1’内に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、ASIC60’によって制御される。搬送ローラ27は、給紙ローラ21によって送られた用紙Sを従動ローラ26との間に挟み込み、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。プラテン28は、用紙Sを裏面側から支持するための部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。第1実施形態における用紙搬送機構20は連続的に一枚の用紙を搬送させていたが、第2実施形態における用紙搬送機構20’は、用紙Sを断続的に搬送する。
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40’が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジCRの移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動機構は、第1ノズル群と第2ノズル群をノズルの並ぶ方向の垂直方向に移動させるノズル移動機構に相当する。尚、ヘッドユニット40’は、後述するヘッド移動機構490と第1ヘッド410’と第2ヘッド420’とを有する。
キャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、アイドラプーリー35とを有する。キャリッジモータ31の制御は、ASIC60’によって制御される。そして、このキャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、アイドラプーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、その端部がキャリッジCRに固定された環状の部材であり、駆動プーリー34とアイドラプーリーとに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジの移動方向に沿って取り付けられている。したがって、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRがこのガイド軸32に沿って移動する。これに伴い、ヘッドユニット40’もキャリッジの移動方向に移動する。
ヘッドユニット40’は、用紙Sにインク滴を吐出するためのものである。ヘッドユニット40’は、ヘッド移動機構490’と第1ヘッド410’と第2ヘッド420’とを有する。第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’は、インク滴を用紙Sに吐出してドットを形成させるためのものである。ヘッド移動機構490’は、第2ヘッド420’を用紙Sの搬送方向に移動させる機構である。このヘッド移動機構490’と第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’との関係については後に詳述する。
第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’は、それぞれ複数のノズルを有し(第2実施形態では各360個)を有する。第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’は、キャリッジCRに設けられているので、キャリッジCRが移動すると、第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’も同じ方向に移動する。そして、第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’が移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列が用紙Sに形成される。
図10に示されるように、ASIC60’と駆動信号生成回路70は、同一の基板CTR上に設けられている。また、インクジェットプリンタ1’は、ヘッドユニット40’を保持するキャリッジCRを移動させながら印刷を行うため、キャリッジCR上のヘッドユニット40を基板CTRに対して移動可能に接続するためにフラットケーブル90を有している。
検出器群50、及び駆動信号生成回路70の構成については第1実施形態のものと同様であるので説明を省略する。
<ヘッドユニット40’の構成>
上述の通り、ヘッドユニット40’は、キャリッジCRに含まれるように構成されている。そして、ヘッドユニット40’には、第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’が含まれている。そして、それぞれのヘッドには、360個のノズルと、このノズルからインク滴を吐出させるためのピエゾ素子417が含まれている。ピエゾ素子417は、一つ一つのノズルに独立したものが取り付けられている。また、ヘッド制御部HC’の制御により各ノズルについて印加される駆動パルス信号が選択される。そして、駆動パルスがピエゾ素子417に印加されることにより、個々のノズルからインク滴が吐出される。
図12A及び図12Bは、第2実施形態におけるヘッドユニット40’の2つのヘッドの配置について説明するための図である。図12A及び図12Bでは、第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’をプリンタ1’の上から見た図となっている。プリンタ1’の上部から見た場合、これらのノズルは他の要素に阻まれて見ることができない。しかし、ここでは、第1ヘッド410’のノズルと第2ヘッド420’のノズルとの関係が理解しやすいように、ノズルの位置が実線で描かれている。尚、第1ヘッド410’が含むノズル列は第1ノズル群に相当し、第2ヘッド420’が含むノズル列は第2ノズル群に相当する。
各ヘッドには、ブラックインクノズル列K、シアンインクノズル列C、マゼンタインクノズル列M、及びイエローインクノズル列Yが形成されている。各ノズル列は、インクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(第2実施形態では各360個)備えている。各ノズル列の複数のノズルは、用紙Sの搬送方向に沿って一定のノズルピッチで並んでいる。ここでは、ノズルピッチは、1/360インチである。各ヘッドのノズルには、図中の上から順に番号が付されている(#1〜#360)。
ヘッドユニット40’には、第2ヘッド420’をノズル列方向に移動させるためのヘッド移動機構490’が含まれている。ヘッド移動機構490’は、ボールネジ425’、ボールネジ回転用モータ426’、及び軸受け427’を含む。また、ヘッド移動機構490’は、第2ヘッド420’の位置情報を取得してASIC60’に送るためのリニアエンコーダ(不図示)、及びリニアエンコーダからの位置情報に基づいてボールネジ回転用モータ426’を制御するための制御装置としてのASIC60’を含む。尚、このヘッド移動機構490’は、第2ノズル群をノズル列方向に移動させる移動機構に相当する。
第2ヘッド420’は、ボールネジ425’が回転することによって、ノズルが並ぶノズル列方向に移動可能になっている。図に示すように、ボールネジ425’の下端部には、ボールネジ回転用モータ426’が取り付けられている。また、ボールネジ425’の上端部には、ボールネジ425’を回転可能に受けるための軸受け427’が配置されている。
最初に、第1状態における第1ヘッド410’と第2ヘッド420’の配置の概略について説明する。図12Aに示す第1ヘッド410’と第2ヘッド420’の配置状態が第1状態である。第1状態において、第1ヘッド410’は第2ヘッド420’とキャリッジCRの移動方向について重なるように配置される。詳しくいうと、キャリッジCRの移動方向について第1ヘッド410’のノズル#1と第2ヘッド420’のノズル#1とが重なるように配置されている。
このような配置にして、第1ヘッド410’と第2ヘッド420’のノズルからインク滴を吐出することによって、用紙Sの搬送方向について第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’のノズル列方向の幅をもってドットを形成することができるようになっている。そして、キャリッジCRをキャリッジCRの移動方向に移動させながら、第1ヘッド410’と第2ヘッド420’からインク滴を吐出することで紙幅方向にわたって画像を形成することができるようになっている。
次に、第2状態における第1ヘッド410’と第2ヘッド420’の配置の概略について説明する。図12Bに示す第1ヘッド410’と第2ヘッド420’の配置状態が第2状態である。第2状態において、キャリッジCRの移動方向について、第1ヘッド410’は第2ヘッド420’とヘッドの端部を除いて重ならないように配置される。また、第1ヘッド410’のノズル#360と第2ヘッド420’のノズル#1とで構成されるノズルピッチが1/360インチとなるように配置されている。
<動作について>
次に、第2実施形態におけるプリンタ1’の印刷動作について説明する。ここでは、高速印刷モードでの印刷動作と幅広印刷モードでの印刷動作について説明する。高速印刷モードで印刷を行うか幅広印刷モードで印刷を行うかは、印刷データに基づいて、用紙Sに印刷されるべく点在する全ての画像が用紙Sの搬送方向について1インチを超えない画像であるか否かによってASIC60’によって選択される。これは、用紙Sの搬送方向についてヘッドの長さである1インチを超えない画像のみを含む場合には、幅広印刷モードの2インチ幅で印刷を行うよりも高速印刷モードの印刷を行った方が全体として速く印刷を行うことができることによる。
ここで、第2実施形態における高速印刷モードの「高速」とは、キャリッジCRの移動速度が他方のモードよりも高速であることを意味する。また、幅広印刷モードの「幅広」とは、キャリッジCRの一度の移動動作において画像を形成できる画像幅が用紙Sの搬送方向について他方のモードよりも幅広であることを意味する。また、ここでは、説明のため全画素に大ドットを形成するものとして説明を行う。但し、印刷すべき画像によっては、ドットの形成されない画素もある。
図13は、第2実施形態における高速印刷モードで印刷を行うときのヘッドの配置について説明するための図である。図13では、ヘッドと形成されるドットとの関係の説明を容易にするために、1つのヘッドに1つのノズル列だけが記載されている。また、図13では、同様の理由からノズル数も減らして記載されている。また、第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’から吐出されたインク滴が形成するドットが円形の実線によって示されている。第1ヘッド410’からインク滴が吐出され形成されたドットは、円形内に「1」が記載されている。また、第2ヘッド420’からインク滴が吐出され形成されたドットは、円形内に「2」が記載されている。
上述の通り、高速印刷モードのとき、第1ヘッド410’と第2ヘッド420’のノズルがキャリッジCRの移動方向について重なるように配置されている。また、第2実施形態において、ノズル列の方向に用紙Sが断続的に搬送される。具体的には、キャリッジCRの移動と用紙Sの搬送が交互に行われる。
高速印刷モードにおいて、第1ヘッド410’及び第2ヘッド420’のピエゾ素子417には、駆動信号COMが印加される。但し、図13に示すように第1ヘッド410’が吐出したインク滴が形成するドット(第1ドット)と第2ヘッド420’が吐出したインク滴が形成するドット(第2ドット)とがキャリッジCRの移動方向について交互に並ぶようにインク吐出タイミングが調整されている。キャリッジCRは、駆動信号Tにおいて搬送方向に1/180インチ進められる。そして、周期Tごとに図13に示す第1ドットの列又は第2ドットの列が形成される。この結果、第1ドットと第2ドットがキャリッジCRの移動方向に交互に並び、360dpiの印刷が行われる。
次に高速印刷モードから幅広モードに移行するときの動作について説明する。
図14は、第2実施形態における幅広モードで印刷を行うときのヘッドの位置について説明するための図である。図14においても、ヘッドと形成されるドットとの関係の説明を容易にするために、1つのヘッドに1つのノズル列だけが記載されている。また、円形内に「1」と示されているものは第1ヘッド410’からのインク滴の吐出によって形成されたドットであり、円形内に「2」と示されているものは第2ヘッド420’からのインク滴の吐出によって形成されたドットである。
幅広印刷モードに移行するとき、ボールネジ425’がボールネジ回転用モータ426’によって回転させられる。そして、上述の第2状態の位置になるように第2ヘッド420’の位置が調整される。次に、ASIC60’は、キャリッジCRを移動させる際に、高速印刷モードのときの1/2の速度でキャリッジCRを移動させるようにキャリッジ移動機構30を制御するようにする。よって、キャリッジCRは、駆動信号COMの周期Tにおいて搬送方向に1/360インチ進められる。そして、周期Tごとに図14に示す1列のドット列が形成される。尚、幅広印刷モードにおいて、第1ドットの列と第2ドットの列とが用紙Sの搬送方向に一列に並んで形成されるようにインク吐出タイミングが調整されている。この結果、幅広印刷モードでの360dpiの印刷が行われる
幅広印刷モードで使用される駆動信号COMは、高速印刷モードで使用される駆動信号COMと同じである。しかし、幅広印刷モードでは、キャリッジCRの移動速度が高速印刷モードにおける移動速度の1/2にされている。このようにすることで、幅広印刷モードでは、1パス(キャリッジCRがガイド軸の端部から他方の端部に移動する間)において2インチ分の用紙搬送方向の幅で印刷できる一方、印刷速度は高速印刷モードにおける速度の1/2の速度になる。換言すると、高速印刷モードでは、幅広印刷モードの2倍の速度でキャリッジCRを移動させて印刷を行うことができるが、印刷できる幅は幅広モードの1/2となる。これは、幅広印刷モードでは、キャリッジCRの移動方向のドット列の形成が1つのヘッドによって行われるのに対して、高速印刷モードでは、キャリッジCRの移動方向のドット列の形成が2つのヘッドによって行われることによる。
また、幅広印刷モードにおいて、例えば故障によりインクを吐出できないノズルがあるときには、そのノズルが受け持つキャリッジCRの移動方向のドット列が白スジとして目立ってしまう場合がある。一方、高速印刷モードでは上述の通り、キャリッジCRの移動方向に形成されるドット列の形成が2つのヘッドのよって行われる。よって、インク吐出不可のノズルが一方のヘッドに生じたとしても他方のヘッドからのインク滴の吐出により、ドットが形成されなかったことの欠陥を目立ちにくくすることができるというメリットがある。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
また、第1実施形態ではヘッドの数を6個とし、第2実施形態ではヘッドの数を2個そして説明を行ったが、ヘッドの数をより増やすことも可能である。
図15Aは、第1実施形態における第2状態の変形例について説明するための図である。上述の第1実施形態における第2状態において、第1ノズル群のヘッド(第3ヘッド430)のノズルと第2ノズル群のヘッド(第4ヘッド440)のノズルは、用紙Sの搬送方向について重ならないように配置された。しかし、図15Aに示すように、第1ノズル群のヘッド(第3ヘッド430)の一部のノズルと第2ノズル群のヘッド(第4ヘッド440)の一部のノズルとが用紙Sの搬送方向について重なるように配置されることとしてもよい。
図15Bは、第2実施形態における第2状態の変形例について説明するための図である。第2実施形態についても、第1ノズル群のヘッド(第1ヘッド410’)の一部のノズルと第2ノズル群のヘッド(第2ヘッド420’)の一部のノズルとがキャリッジCRの移動方向について重なるように配置されることとしてもよい。
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
また、前述の実施形態では、ヘッドはキャリッジに設けられていた。しかし、キャリッジに着脱可能なインクカートリッジにヘッドが設けられても良い。
===まとめ===
(1)上述のプリンタとしての液体吐出装置は、用紙Sにインク滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第1ノズル群(第1実施形態において第1ヘッド410、第2ヘッド420、第3ヘッド430、第2実施形態において第1ヘッド410’)と、用紙Sにインク滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第2ノズル群(第1実施形態において第4ヘッド440、第5ヘッド450、第6ヘッド460、第2実施形態において420’)であって、ノズルの並ぶ方向に移動可能な第2ノズル群と、を含む。
また、液体吐出装置は、ノズルの並ぶ方向において第1ノズル群のノズルの位置と第2ノズル群のノズルの位置とが揃う第1状態にもなり、第2ノズル群の位置が第1ノズル群の位置に対してノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、ノズルの並ぶ方向について第2ノズル群の端のノズルが第1ノズル群のいずれかのノズルと所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にもなるように、第2ノズル群を移動させる移動機構を備える。
このようにすることで、用紙Sに対してドットを形成するときの条件に適したノズル配置になるようにノズル列を移動させることができる。例えば、第1状態にすることで、ヘッドと用紙Sとの相対位置を高速で移動させてドットを形成することができる。また、第2状態にすることで、ノズルが並ぶ方向のヘッドの幅が第1状態の2倍となるので、第1状態のときよりも2倍の幅で印刷を行うことができるようになる。
(2)また、第2状態において、第1ノズル群の端のノズルと第2ノズル群の端のノズルとが、ノズルの並ぶ方向について前記所定のノズルピッチだけ離れている。
(3)また、用紙Sと第1ノズル群との位置をノズルの並ぶ方向の垂直方向に相対的に移動させる相対移動機構をさらに備える。具体的には、第1実施形態において、相対移動機構は用紙搬送機構20である。また、第2実施形態において、相対移動機構はキャリッジ移動機構30である。
このようにしてインクノズルからインク滴を吐出させることで用紙Sにドットを形成することができる。
(4)また、相対移動機構は、第1状態のときにおける用紙Sと第1ノズル群の相対移動速度を、第2状態のときにおける相対移動速度よりも速くする。
このようにすることで、第1状態のときは第2状態のときよりもノズル列と用紙Sとの相対速度が速いので、第1状態のときは第2状態のときよりも速くドットを形成させることができる。
(5)また、相対移動機構は、用紙Sをノズルの並ぶ方向の垂直方向に搬送させる用紙搬送機構20である。
このようにすることで、ラインヘッドプリンタ1のようなプリンタの構成において、第1状態及び第2状態を作り出しドットを形成するときの条件に適したノズル配置にすることができる。
(6)また、相対移動機構は、第1ノズル群と第2ノズル群をノズルの並ぶ方向の垂直方向に移動させるキャリッジ移動機構30であることとしてもよい。
このようにすることで、第2実施形態におけるインクジェットプリンタ1’のような構成において、第1状態及び第2状態を作り出し、ドットを形成するときの条件に適したノズル配置にすることができる。
(7)また、移動機構としてのヘッド移動機構490,490’は、第2ノズル群をノズルの並ぶ方向に移動させるためのボールネジを備える。
このようにすることで、ボールネジを回転させて第2ノズル群を移動させ、第1状態及び第2状態のいずれかの状態を作り出すことができる。
(8)また、第1状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、第1ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットと、第2ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットは、ノズルの並ぶ方向の垂直方向に交互に並ぶように形成される。また、第2状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、第1ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットがノズルの並ぶ方向の垂直方向に並ぶように形成されるとともに、第2ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットがノズルの並ぶ方向の垂直方向に並ぶように形成される。
このように、第1状態において、第1ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットと第2ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットとが、ノズルの並ぶ方向の垂直方向に交互に並ぶように形成される。つまり、第1状態では、ノズルの並ぶ方向の垂直方向のドット列の形成を2つのヘッドが担う。一方、第2状態では、ノズルの並ぶ方向の垂直方向のドット列の形成を1つのヘッドが担う。よって、第1状態ではノズルの並ぶ方向の垂直方向のドット列の形成を第2状態のときよりも多くのヘッドで行うので用紙Sとの相対速度を第2状態のときよりも速くすることができ、高速で印刷を行うことができる。
(9)また、第1状態のときに全画素にドットを形成するとき、第1ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットがノズルの並ぶ方向に並ぶように形成されるとともに、第2ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットがノズルの並ぶ方向に並ぶように形成される。また、第2状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、第1ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットと、第2ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットは、ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成される。
このように、第2状態のときにおいて、第1ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットの列と、第2ノズル群のノズルから吐出されたインク滴によって形成されるドットの列とが、ドット列の方向に並んで形成されるように、ノズルの並ぶ方向について第2ノズル群が第1ノズル群に隣り合うように並ぶ。つまり、第2状態における印刷幅は、第1状態のときの2倍となるので、一度に第1状態のときよりも幅広で印刷を行うことができる。
(10)また、インク滴を吐出して用紙Sに画像を形成するための印刷データに基づいて、第2ノズル群の位置が第1状態及び第2状態のいずれかの状態になるようにヘッド移動機構を制御する制御部をさらに備える。
(11)また、制御部は、データに基づいて、ノズルが並ぶ方向の画像幅が第1ノズル群のノズルが並ぶ方向の幅よりも小さいときには、第2ノズル群の位置を第1状態にし、ノズルが並ぶ方向の画像幅が第1ノズル群のノズルが並ぶ方向の幅よりも大きいときには、第2ノズル群の位置を第2状態にする。
このようにすることで、印刷する画像の幅に基づいて第1状態及び第2状態のいずれかの状態にすることができるので、画像の幅に応じて高速印刷又は幅広印刷を行うことができる。
(12)また、前述の構成要素をすべて含む液体吐出装置によれば、記述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
(13)また、上述の印刷装置は、ノズルごとに取り付けられ、駆動信号に応じて液体滴を吐出させるピエゾ素子417を備える。
(14)また、所定のノズルピッチで複数のノズルの並ぶ方向において、第1ノズル群のノズルの位置と第2ノズル群のノズルの位置とが揃う第1状態にするように、第2ノズル群を移動させ、インク滴を吐出させるステップと、ノズルの並ぶ方向において、第2ノズル群の位置が第1ノズル群の位置に対してノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、ノズルの並ぶ方向について第2ノズル群の端のノズルが第1ノズル群のいずれかのノズルと所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にするように、第2ノズル群を移動させ、インク滴を吐出させるステップと、を含む液体吐出方法があることはいうまでもない。
第1実施形態における印刷システムの全体構成のブロック図である。 図2Aは、第1実施形態におけるプリンタ1の断面図であり、図2Bは、第1実施形態におけるプリンタ1の用紙Sの搬送処理を説明するための斜視図である。 図3A及び図3Bは、プリンタ1において、ヘッドユニット40における6つのヘッドの配置について説明するための図である。 第1状態におけるヘッドユニット40の6つのヘッドの詳細な配置を説明するための図である。 第2状態におけるヘッドユニット40の6つのヘッドの詳細な配置を説明するための図である。 使用される駆動信号の一例である。 第1実施形態における高速印刷モードで印刷を行うときのヘッドの配置について説明するための図である。 第1実施形態における幅広印刷モードで印刷を行うときのヘッドの位置について説明するための図である。 図9A及び図9Bは、第1実施形態のヘッド構成の変形例を示す図である。 第2実施形態における印刷システムのブロック図である。 図11Aは、第2実施形態におけるプリンタ1’の斜視図であり、図11Bは、第2実施形態におけるプリンタ1’の断面図である。 図12A及び図12Bは、第2実施形態におけるヘッドユニット40’の2つのヘッドの配置について説明するための図である。 第2実施形態における高速印刷モードで印刷を行うときのヘッドの配置について説明するための図である。 第2実施形態における幅広モードで印刷を行うときのヘッドの位置について説明するための図である。 図15Aは、第1実施形態における第2状態の変形例について説明するための図であり、図15Bは、第2実施形態における第2状態の変形例について説明するための図である。
符号の説明
1 プリンタ、20 用紙搬送機構、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、
23A 上流側搬送ローラ、23B 下流側搬送ローラ、24 ベルト、
25 排紙ローラ、26 従動ローラ、27 搬送ローラ、28 プラテン、
30 キャリッジ移動機構、31 キャリッジモータ、32 ガイド軸、
33 タイミングベルト、34 駆動プーリー、35 アイドラプーリー、
40 ヘッドユニット、50 検出器群、53 紙検出センサ、
60 ASIC、61 インタフェース、70 駆動信号生成回路、
90 フラットケーブル、110 コンピュータ、111、
112 インタフェース、113 CPU、114 メモリ、
120 表示装置、130 入力装置、140 記録再生装置、
410 第1ヘッド、420 第2ヘッド、430 第3ヘッド、
440 第4ヘッド、445 ボールネジ、446 ボールネジ回転用モータ、
447 軸受け、450 第5ヘッド、455 ボールネジ、
456 ボールネジ回転用モータ、457 軸受け、460 第6ヘッド、
465 ボールネジ、466 ボールネジ回転用モータ、467 軸受け、
490 ヘッド移動機構、
CR キャリッジ、CTR 基板、S 用紙

Claims (14)

  1. 媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第1ノズル群と、
    前記媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが前記所定のノズルピッチで並ぶ第2ノズル群であって、前記ノズルの並ぶ方向に移動可能な第2ノズル群と、
    前記ノズルの並ぶ方向において前記第1ノズル群の前記ノズルの位置と前記第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にもなり、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にもなるように、前記第2ノズル群を移動させる移動機構と、
    を備える液体吐出装置。
  2. 前記第2状態において、第1ノズル群の端のノズルと第2ノズル群の端のノズルとが、前記ノズルの並ぶ方向について前記所定のノズルピッチだけ離れている、請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記媒体と前記第1ノズル群との位置を前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に相対的に移動させる相対移動機構をさらに備える、請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記相対移動機構は、前記第1状態のときにおける前記媒体と前記第1ノズル群の相対移動速度を、前記第2状態のときにおける相対移動速度よりも速くする、請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記相対移動機構は、前記媒体を前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に搬送させる媒体搬送機構である、請求項3または4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記相対移動機構は、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群を前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に移動させるノズル移動機構である、請求項3または4に記載の液体吐出装置。
  7. 前記移動機構は、前記第2ノズル群を前記ノズルの並ぶ方向に移動させるためのボールネジを備える、請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出装置。
  8. 前記第1状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットと、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットは、前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に交互に並ぶように形成され、
    前記第2状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に並ぶように形成されるとともに、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に並ぶように形成される、請求項1〜7のいずれかに記載の液体吐出装置。
  9. 前記第1状態のときに全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成されるとともに、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成され、
    前記第2状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドット列と、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドット列は、前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成される、請求項1〜8のいずれかに記載の液体吐出装置。
  10. 前記液体滴を吐出して前記媒体に画像を形成するためのデータに基づいて、前記第2ノズル群の位置が前記第1状態及び前記第2状態のいずれかの状態になるように前記移動機構を制御する制御部をさらに備える、請求項1〜9のいずれかに記載の液体吐出装置。
  11. 前記制御部は、前記データに基づいて、前記ノズルが並ぶ方向の画像幅が前記第1ノズル群の前記ノズルが並ぶ方向の幅よりも小さいときには、前記第2ノズル群の位置を前記第1状態にし、前記ノズルが並ぶ方向の画像幅が前記第1ノズル群の前記ノズルが並ぶ方向の幅よりも大きいときには、前記第2ノズル群の位置を前記第2状態にする、請求項10に記載の液体吐出装置。
  12. 媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第1ノズル群と、
    前記媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが前記所定のノズルピッチで並ぶ第2ノズル群であって、前記ノズルの並ぶ方向に移動可能な第2ノズル群と、
    前記ノズルの並ぶ方向において前記第1ノズル群の前記ノズルの位置と前記第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にもなり、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にもなるように、前記第2ノズル群を移動させる移動機構と、を備え、
    前記第2状態において、第1ノズル群の端のノズルと第2ノズル群の端のノズルとが、前記ノズルの並ぶ方向について前記所定のノズルピッチだけ離れており、
    前記媒体と前記第1ノズル群との位置を前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に相対的に移動させる相対移動機構をさらに備え、
    前記相対移動機構は、前記第1状態のときにおける前記媒体と前記第1ノズル群の相対移動速度を、前記第2状態のときにおける相対移動速度よりも速くし、
    前記相対移動機構は、前記媒体を前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に搬送させる媒体搬送機構であり、
    前記移動機構は、前記第2ノズル群を前記ノズルの並ぶ方向に移動させるためのボールネジを備え、
    前記第1状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットと、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットは、前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に交互に並ぶように形成され、前記第2状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に並ぶように形成されるとともに、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向の垂直方向に並ぶように形成され、
    前記第1状態のときに全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成されるとともに、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドットが前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成され、前記第2状態のときにおいて全画素にドットを形成するとき、前記第1ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドット列と、前記第2ノズル群のノズルから吐出された前記液体滴によって形成されるドット列は、前記ノズルの並ぶ方向に並ぶように形成され、
    前記液体滴を吐出して前記媒体に画像を形成するためのデータに基づいて、前記第2ノズル群の位置が前記第1状態及び前記第2状態のいずれかの状態になるように前記移動機構を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記データに基づいて、前記ノズルが並ぶ方向の画像幅が前記第1ノズル群の前記ノズルが並ぶ方向の幅よりも小さいときには、前記第2ノズル群の位置を前記第1状態にし、前記ノズルが並ぶ方向の画像幅が前記第1ノズル群の前記ノズルが並ぶ方向の幅よりも大きいときには、前記第2ノズル群の位置を前記第2状態にする、液体吐出装置。
  13. 媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが所定のノズルピッチで並ぶ第1ノズル群と、
    前記媒体に液体滴を吐出するための複数のノズルが前記所定のノズルピッチで並ぶ第2ノズル群であって、前記ノズルの並ぶ方向に移動可能な第2ノズル群と、
    前記ノズルの並ぶ方向において前記第1ノズル群の前記ノズルの位置と前記第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にもなり、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にもなるように、前記第2ノズル群を移動させる移動機構と、
    前記ノズルごとに取り付けられ、駆動信号に応じて前記液体滴を吐出させる液体吐出部と、
    を備える印刷装置。
  14. 所定のノズルピッチで複数のノズルが並ぶ方向において、第1ノズル群の前記ノズルの位置と第2ノズル群の前記ノズルの位置とが揃う第1状態にするように、前記第2ノズル群を移動させ、液体滴を吐出させるステップと、
    前記ノズルの並ぶ方向において、前記第2ノズル群の位置が前記第1ノズル群の位置に対して前記ノズルの並ぶ方向にずれており、かつ、前記ノズルの並ぶ方向について前記第2ノズル群の端のノズルが前記第1ノズル群のいずれかのノズルと前記所定のノズルピッチだけ離れている第2状態にするように、前記第2ノズル群を移動させ、液体滴を吐出させるステップと、
    を含む液体吐出方法。

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