JP2007283037A - 空気清浄機 - Google Patents

空気清浄機 Download PDF

Info

Publication number
JP2007283037A
JP2007283037A JP2006116907A JP2006116907A JP2007283037A JP 2007283037 A JP2007283037 A JP 2007283037A JP 2006116907 A JP2006116907 A JP 2006116907A JP 2006116907 A JP2006116907 A JP 2006116907A JP 2007283037 A JP2007283037 A JP 2007283037A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
amount
gas
carbon monoxide
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006116907A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazushi Fujioka
一志 藤岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2006116907A priority Critical patent/JP2007283037A/ja
Publication of JP2007283037A publication Critical patent/JP2007283037A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

【課題】室内空間において平常時に発生する一酸化炭素その他の物質を高効率に除去でき、かつコストを低くする。
【解決手段】空気清浄機10は、酸化触媒フィルタ22と、送風機18と、一酸化炭素センサ20と、メモリ40と、制御装置24とを含む。酸化触媒フィルタ22は、空気中の一酸化炭素を除去する。送風機18は、酸化触媒フィルタ22に対して空気を移送する。一酸化炭素センサ20は、一酸化炭素の濃度を測定する。メモリ40は、一酸化炭素の除去量と酸化触媒フィルタ22を流通する空気量との関係を表わす情報を記憶する。制御装置24は、メモリ40が記憶した情報に基づいて空気量を決定する。制御装置24は、制御装置24が決定した空気量の空気を移送するように、送風機18を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気清浄機に関し、特に、有害ガスを分離する空気清浄機に関する。
一酸化炭素は、血液中で酸素の運搬役となっている赤血球のヘモグロビンと強力に結合する。一酸化炭素とヘモグロビンとの結合力は、酸素の約200倍である。一酸化炭素とヘモグロビンとは、互いに結合することにより一酸化炭素ヘモグロビン(CO−Hb)を形成する。一酸化炭素ヘモグロビンが形成されると、酸素はヘモグロビンに結合できなくなる。酸素がヘモグロビンに結合できなくなると、血液中の酸素濃度が低下する。血液中の酸素濃度が低下すると、細胞への酸素の供給が阻害されるので、細胞は酸欠状態になる。細胞が酸欠状態になると、人は、めまいや、頭痛や、吐き気を催す。これらは一酸化炭素中毒の症状である。
上述したように、生活環境の空気中に存在する一酸化炭素は人体に深刻な影響をおよぼすため、一酸化炭素の効果的な除去技術は望まれている。
人を死に至らしめる可能性のあるほどに高濃度かつ大量の一酸化炭素が空気中に放散される場合とは、主に次に述べる場合である。そのような場合とは、火災、ガス漏れ、あるいは不完全燃焼などが起きた場合である。高濃度かつ大量の一酸化炭素から人を守るための装置には防毒マスクがある。そのような防毒マスクにおいて吸収缶にはホプカライトが用いられている。
一方、高濃度かつ大量の一酸化炭素ばかりでなく、低濃度の一酸化炭素を除去するニーズもクローズアップされている。通常、低濃度の一酸化炭素は、室内の生活空間において発生する。この場合の一酸化炭素の主な発生源はタバコの火である。その他の発生源は開放型の燃焼器具である。これらに由来する一酸化炭素が室内の閉鎖空間に拡散した場合、その室内の人は一酸化炭素による健康障害を引き起こす。たとえば、一酸化炭素の濃度が0.02%(200ppm)の場合、2〜3時間その室内に居た人は軽度の頭痛を感じる。一酸化炭素の濃度が0.04%(400ppm)の場合、1〜2時間その室内に居た人は吐き気を催す。このような健康障害は非常に大きな問題である。したがって、室内の一酸化炭素濃度は、作業環境基準である50ppm以下に常時保持される必要がある。
低濃度の一酸化炭素を除去する方法の1つは、窓の開放や換気装置による換気である。しかしながら、冷気や暖気など不必要な空気を室内へ入れてしまうことやプライバシーを保護することといった理由により、窓の開放が望ましくない場合がある。換気装置による換気は次に述べるようなさまざまな問題を有する。その問題とは、建物の構造上設置が困難であることが多いこと、設置コストが非常にかかること、あるいは発生源の近傍への移動が容易ではないことである。
空気清浄機により一酸化炭素を除去できることが望ましい。空気清浄機により一酸化炭素を除去できるならば、設置条件に制限が無い、設置コストが不要、あるいは発生源近傍への移動も簡易であるといった効果が得られる。しかしながら、従来の空気清浄機が一酸化炭素の除去効果をほとんど有していないことは既に報告されていることである。従来の空気清浄機が一酸化炭素の除去効果をほとんど有していないのは、一酸化炭素の除去に有効な吸着剤が存在しなかったためである。
一方、触媒酸化燃焼法を適用したガス浄化装置が、工場や車から発生する排ガス処理に有効に利用されている。この触媒酸化燃焼法を空気清浄機に適用すれば、一酸化炭素の除去性能は大きく向上すると考えられる。
なお、以上本発明についての従来の技術を、出願人の知得した一般的技術情報に基づいて説明したが、出願人の記憶する範囲において、出願前までに先行技術文献情報として開示すべき情報を出願人は有していない。
しかしながら、触媒酸化燃焼法を適用した空気清浄機は、次に述べる問題点を有する。第1の問題点は、空気清浄機が高コスト化するという問題点である。空気清浄機が高コスト化するのは、触媒酸化燃焼法を適用しない場合に比べて空気清浄機の構造が複雑化するためである。第2の問題点は、常時加熱することにより膨大な消費電力を費やすという問題点である。これらの問題点を解決するためには、一酸化炭素を常温で酸化することが必要となる。
一酸化炭素を酸化できる触媒の例は、ホプカライトや貴金属である。ホプカライトは一酸化炭素を除去する能力が常温において高い触媒である。ホプカライトは、湿気により数時間で活性が失われる。数時間で活性が失われるので、従来の技術に基づいてホプカライトを用いた場合、ホプカライトの触媒としての寿命は非常に短くなる。寿命が非常に短いので、ホプカライトは、上述した問題点を解決するために従来の技術において最適な触媒と言えない。貴金属は、加熱時と比べて常温では触媒の活性能力が極端に落ちる。触媒の活性能力が極端に落ちるので、従来の技術に基づいて貴金属を用いた場合、一酸化炭素の除去効果がほとんど無い。
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、室内空間において平常時に発生する一酸化炭素その他の物質を高効率に除去でき、かつコストを低くできる空気清浄機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、空気清浄機は、除去手段と、移送手段と、測定手段と、記憶手段と、決定手段と、制御手段とを含む。除去手段は、気体の中の物質を除去する。移送手段は、除去手段に対して気体を移送する。測定手段は、移送手段が移送する気体における物質の濃度を測定する。記憶手段は、除去手段が物質を除去する量である除去量と除去手段を流通する気体の量である気体量との関係を表わす情報を、物質の濃度別に記憶する。決定手段は、記憶手段が記憶した情報のうち測定手段が測定した濃度についての情報に基づいて、除去量が少なくとも閾値を越えるような気体量を決定する。制御手段は、決定手段が決定した気体量の気体を移送するように、移送手段を制御する。
また、上述した除去手段は、互いに異なる物質をそれぞれ気体から除外するための複数の除外手段を含むことが望ましい。併せて、移送手段は、送風手段と、調節手段とを含むことが望ましい。送風手段は、複数の除外手段に対して気体の風を送風する。調節手段は、送風手段が送風する風のうち、複数の除外手段のいずれかを流通する気体の量を調節する。併せて、記憶手段は、除外手段が除外する物質の量と除外手段を流通する気体の風量との関係を表わす情報を、少なくとも気体量の調節の対象となる除外手段について、物質の濃度別に記憶するための手段を含むことが望ましい。併せて、決定手段は、送風手段が送風する気体の風量である第1の風量と調節手段が調節する風量である第2の風量とを、風量の調節の対象となる除外手段が除外する物質の量が少なくとも閾値を越えるように決定するための手段を含むことが望ましい。併せて、制御手段は、送風手段を制御するための手段と、調節手段を制御するための手段とを含むことが望ましい。送風手段を制御するための手段は、第1の風量の気体を送風するように、送風手段を制御する。調節手段を制御するための手段は、第2の風量の気体が流通するように、調節手段を制御する。
もしくは、上述した調節手段は、複数の除外手段のいずれかを流通する気体の量を制限するための制限手段を含むことが望ましい。
もしくは、上述した複数の除外手段は、一酸化炭素を空気から除外するための第1の手段と、一酸化炭素とは異なる物質を空気から除外するための第2の手段とを含むことが望ましい。併せて、調節手段は、第1の手段を流通する気体の量を調節するための手段を含むことが望ましい。
また、上述した記憶手段は、単位時間の間に除去手段が物質を除去する量と単位時間の間に除去手段を流通する気体の量との関係を表わす情報を記憶するための手段を含むことが望ましい。併せて、決定手段は、単位時間の間に除去手段が物質を除去する量が少なくとも閾値を越えるような気体量を決定するための手段を含むことが望ましい。
また、上述した移送手段は、除去手段に対して気体を送風するための送風手段を含むことが望ましい。
また、上述した除去手段は、担体と、貴金属である触媒とを含むことが望ましい。
もしくは、上述した貴金属は、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、銀、金、およびニッケルの少なくともいずれかを含むことが望ましい。
もしくは、上述した担体は、内部を障壁で区切った担体であるハニカム担体を含むことが望ましい。
また、上述した気体は空気を含むことが望ましい。併せて、物質は一酸化炭素を含むことが望ましい。
もしくは、上述した記憶手段は、除去量が最大となるような気体量を表わす情報を物質の濃度に対応付けて記憶するための手段を含むことが望ましい。
本発明に係る空気清浄機は、室内空間において平常時に発生する一酸化炭素その他の物質を高効率に除去でき、かつコストを低くできる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態にかかる空気清浄機について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる空気清浄機10の構成を表わす概略図である。図1を参照して、空気清浄機10は、空気通路12と、汚染物質を含有する空気を空気通路12に取込む導入口14と、清浄化された空気を空気通路12から排出する排出口16と、空気通路12の中に空気を取込み、後述する酸化触媒フィルタ22に対して空気の風を送風する送風機18と、送風機18が移送する空気における一酸化炭素の濃度を測定する一酸化炭素センサ20と、常温で一酸化炭素除去能を持つ酸化触媒フィルタ22と、酸化触媒フィルタ22を通過させる空気の風量が一酸化炭素の濃度に応じた風量となるように送風機18を制御する制御装置24とを含む。
本実施の形態にかかる酸化触媒フィルタ22は、貴金属である触媒が担体に担持された構造体である。担体は特に制限されないが、金属酸化物が好ましく、例えばジルコニウム(元素記号「Zr」)、アルミニウム(元素記号「Al」)、チタン(元素記号「Ti」)、ケイ素(元素記号「Si」)、マグネシウム(元素記号「Mg」)、鉄(元素記号「Fe」)、バリウム(元素記号「Ba」)、クロム(元素記号「Cr」)、マンガン(元素記号「Mn」)、銅(元素記号「Cu」)、亜鉛(元素記号「Zn」)、コバルト(元素記号「Co」)、ガリウム(元素記号「Ga」)、ゲルマニウム(元素記号「Ge」)、ストロンチウム(元素記号「Sr」)、カドミウム(元素記号「Cd」)、インジウム(元素記号「In」)、錫(元素記号「Sn」)、バリウム(元素記号「Ba」)、ハフニウム(元素記号「Hf」)、セリウム(元素記号「Ce」)、タングステン(元素記号「W」)、燐(元素記号「P」)およびタンタル(元素記号「Ta」)の少なくとも一種を含む酸化物は担体として用いられ得る。これらの中でもジルコニウム、アルミニウム、チタン、あるいはケイ素を含む酸化物は担体として好ましい。また、担体は支持基材そのもの、もしくは支持基材にコーティングされたもののどちらでも構わない。
フィルタの形状は、ハニカム状、粉末状、球状、粒状、発泡体状、繊維状、布状、あるいはリング状など、一般的に使用されている形状が使用可能である。これらの形状は、貴金属触媒の支持担体として一般的に使用されている形状である。
支持担体の内、ハニカム状のコージライトとハニカム状のステンレスとは特に好適な支持担体である。本実施の形態にかかる酸化触媒フィルタ22の支持担体は、ハニカム状のコージライトであることとする。本実施の形態において、「ハニカム」とは、支持担体の内部が外部と通じるように障壁で区切られていることを意味する。
また、貴金属触媒は、白金(元素記号「Pt」)、パラジウム(元素記号「Pd」)、イリジウム(元素記号「Ir」)、ロジウム(元素記号「Rh」)、ルテニウム(元素記号「Ru」)、銀(元素記号「Ag」)、金(元素記号「Au」)、およびニッケル(元素記号「Ni」)の少なくともいずれか、またはこれらの混合物、またはこれらの合金を用いることができる。触媒活性の点では特に好適なので、本実施の形態にかかる酸化触媒フィルタ22の触媒は白金であることとする。
貴金属触媒の大きさは特に制限されないが、超微粒子であることが好ましい。貴金属粒子の平均粒子径は、通常約250nm以下、好ましくは1〜10nm程度である。
制御装置24はメモリ40を内蔵する。メモリ40は次に述べるデータを記憶する。メモリ40が記憶する第1の特性データは、酸化触媒フィルタ22を流通する空気の量と単位時間当たりの一酸化炭素の除去量との関係を示す特性データである。この特性データは、一酸化炭素の濃度別に記憶されている。メモリ40が記憶する第2の特性データは、酸化触媒フィルタ22を流通する空気の量と送風機18にかける電圧との関係を示す特性データである。
図2は、酸化触媒フィルタ22として白金を担持したセラミックハニカム構造体を用いた場合の、常温における、酸化触媒フィルタ22を通過する風量と単位時間当たりの一酸化炭素の除去量との関係を表わす図である。図2において、破線で描かれた曲線は一酸化炭素の濃度が100ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。図2において、実線で描かれた曲線は一酸化炭素の濃度が200ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。図2において、一点鎖線で描かれた曲線は一酸化炭素の濃度が400ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。この酸化触媒フィルタ22において、セラミックハニカムの材質はSiO2−Al23−MgOである。この酸化触媒フィルタ22のサイズは100mmφ×50mmである。この酸化触媒フィルタ22のセル密度は300cpsi(Cells Per Square Inch:1インチ平方に含まれるセル数)である。この酸化触媒フィルタ22における白金触媒の担持量は2.0g/Lである。
図2を参照して、本実施の形態にかかる風量の制御の概念を説明する。
フィルタ式の空気清浄機を用いて室内空気の有害化学物質(どのような有害化学物質かということは、空気清浄機10の設計者によって任意に決定される。本実施の形態においては、単に「有害化学物質」と称した場合、空気清浄機10の設計者によって決定された物質を意味することとする。)を除去する場合、単位時間当たりの有害化学物質の除去量は、濃度と風量と有害化学物質の除去率との積に等しい。トルエンを始めとする一般的な化学物質の場合、風量や濃度は除去率に比例する。風量や濃度が除去率に比例するので、風量の増減に伴い、除去量も増減する。このような関係が成立するので、次のような制御が実施されてきた。その制御とは、室内の空気において有害化学物質の濃度が高い場合は風量を増やすことにより除去能力を上げ、濃度が低い場合は最低限の風量に下げることにより消費電力を抑えるといった制御である。
しかしながら、ある種の化学物質を含む空気をその物質に適した酸化触媒に常温で通過させてその化学物質を除去する場合、風量や濃度によって除去率は大きく変化する。触媒の除去能力が加熱時と比べて常温ではかなり低くなることは、その原因の1つと考えられる。
上述した図2によれば、どの濃度においても風量の増加に伴い途中まで除去量は増加する。その後の風量の増加に伴い除去量は減少する。風量がある値以上になると、一酸化炭素はまったく除去できなくなっている。つまり風量がある値以上になると、除去率が0%になってしまう。また、風量が2.0m3/minで濃度が100ppmの場合、除去量は最も高い。風量が2.0m3/minで濃度が400ppmの場合、一酸化炭素はまったく除去できない。濃度が400ppmの場合、一酸化炭素を除去しようとすると、風量を減らす必要がある。これは、一般的な空気清浄機の制御とは逆の制御である。
つまり、濃度の如何に関わらず有害化学物質を常温で効果的に除去するためには、予め、各濃度において除去量が最大になる風量を予め調べておき、その結果に基づいて風量を制御することが必要である。上述したように、本実施の形態にかかるメモリ40は、酸化触媒フィルタ22を通過させる風量と単位時間当たりの一酸化炭素の除去量との関係を示す特性データを記憶している。このデータを参照することにより、制御装置24は、送風機18を最適な条件で制御できる。
なお、触媒活性の点で特に好適なので酸化触媒フィルタ22の触媒として白金を用いた場合の実験例により説明したが、その他の常温で一酸化炭素を酸化する貴金属を用いた場合も酸化能力に違いはあるものの同様な傾向を示したので、当然白金以外の貴金属にも適用できる。
図3を参照して、空気清浄機10で実行されるプログラムは、空気量の変更に関し、以下のような制御を実行する。
ステップS100にて、制御装置24は、送風機18に電圧を印加することにより、送風機18の運転を開始する。運転が開始されると、一酸化炭素センサ20は、空気通路12に取込まれ、かつ送風機18が移送する空気における一酸化炭素の濃度を測定する。
ステップS102にて、制御装置24は、メモリ40が記憶したデータのうち、次のデータを読出す。そのデータは、単位時間当たりの一酸化炭素の除去量と酸化触媒フィルタ22を流通する空気の量との関係を示す特性データのうち、ステップS100にて一酸化炭素センサ20が検出した濃度に最も近いデータと2番目に近いデータとである。
ステップS104にて、制御装置24は、ステップS102にて読出したデータを用いて、単位時間における除去量が少なくとも閾値を越えるような空気量Qbを算出する。より具体的に説明すると、本実施の形態の場合、制御装置24は、単位時間当たりの一酸化炭素の除去量を最大にするような、酸化触媒フィルタ22を流通する空気量を算出する。空気量Qbを算出するための方法は特に限定されない。本実施の形態の場合、内挿により空気量Qbは算出されることとする。
ステップS106にて、制御装置24は、メモリ40が記憶したデータのうち、次のデータを読出す。そのデータは、酸化触媒フィルタ22を流通する空気量と送風機18に印加する電圧との関係を示す特性データのうち、ステップS104にて制御装置24が算出した空気量Qbに最も近いデータと2番目に近いデータとである。
ステップS108にて、制御装置24は、ステップS106にて読出したデータを用いて、送風機18に印加する電圧を算出する。電圧を算出するための方法は特に限定されない。本実施の形態の場合、内挿により電圧は算出されることとする。
ステップS110にて、制御装置24は、ステップS108にて算出した電圧を送風機18に印加する。これにより、酸化触媒フィルタ22を流通する空気量は適正値に変更される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、空気清浄機10の動作について説明する。
制御装置24は、送風機18の運転を開始する。運転が開始されると、一酸化炭素センサ20は、空気通路12に取込まれ、かつ送風機18が移送する空気における一酸化炭素の濃度を測定する(ステップS100)。
一酸化炭素の濃度が検出されると、制御装置24は、メモリ40が記憶した特性データを読出す。この特性データは、記憶手段は、除去量と空気量との関係を表わすデータのうち、一酸化炭素センサ20が検出した濃度についてのデータである。この「除去量」は、酸化触媒フィルタ22が一酸化炭素を除去する量である。本実施の形態の場合、メモリ40が記憶する除去量は、単位時間の間に酸化触媒フィルタ22が一酸化炭素を除去する量である。本実施の形態の場合、メモリ40が記憶する空気量は、単位時間の間に酸化触媒フィルタ22を流通する空気の量である。本実施の形態の場合、メモリ40は、酸化触媒フィルタ22が一酸化炭素を除去する量が最大となるような空気量を表わす情報を、一酸化炭素の濃度に対応付けて記憶している(ステップS102)。
特性データが読出されると、制御装置24は、そのデータに基づいて、単位時間当たりの一酸化炭素の除去量を最大にするような、酸化触媒フィルタ22を流通する空気量を算出する(ステップS104)。これにより、酸化触媒フィルタ22を流通する空気量が決定されると、制御装置24は、酸化触媒フィルタ22を流通する空気量と送風機18に印加する電圧との関係を示す特性データを読出す(ステップS106)。データが読出されると、制御装置24は、そのデータを用いて、送風機18に印加する電圧を算出する(ステップS108)。
電圧が算出されると、制御装置24は、その電圧を送風機18に印加する(ステップS110)。これにより、送風機18は、制御装置24自身が決定した空気量の空気を移送するように、制御装置24に制御される。送風機18は、酸化触媒フィルタ22に対して空気を移送する。酸化触媒フィルタ22は、空気の中の一酸化炭素を除去する。
以上のようにして、本実施の形態にかかる空気清浄機は、常温においても効果的に一酸化炭素を除去できる。本実施の形態にかかる空気清浄機は、空気中の一酸化炭素の濃度が変化しても、除去能力を高い状態で維持できる。その上、本実施の形態にかかる空気清浄機は、特に複雑な構造でなくとも空気を浄化できるので、価格やランニングコストを低く抑制できる。本実施の形態にかかる空気清浄機は、オフィスビル、喫煙所、病院、老人ホーム、映画館、一般家庭その一酸化炭素が発生する生活環境で好適に利用できる。
本実施の形態にかかる空気清浄機10が除去能力を高い状態で維持できることを、図4に基づいて説明する。図4は、風量を変化させた場合の、一酸化炭素の除去量の推移を表わす図である。なお、使用した材料、その量、処理温度、あるいは処理時間などの数値的条件などは一例に過ぎない。
本実施の形態にかかる空気清浄機10を一酸化炭素発生装置が備わっているステンレス製の大型チャンバに入れた。このチャンバの大きさは20m3(6畳相当)である。空気清浄機10がチャンバに入れられると、そのチャンバ内の一酸化炭素の濃度を200ppmにする。濃度が200ppmになると、空気清浄機10の運転を試験者は開始した。運転が開始されると、チャンバ内における一酸化炭素の濃度の経過時間に伴う変化を試験者は測定した。この測定とは別に、風量を一定(毎分0.2m3および毎分3.0m3)に制御した場合の、チャンバ内における一酸化炭素の濃度の経過時間に伴う変化を試験者は測定した。いずれの測定においても、測定が開始される時は一酸化炭素の濃度が200ppmになった時である。測定の結果は、図4が表わす。図4において、破線で描かれた曲線は風量が最適化された場合の結果を表わす。図4において、実線で描かれた曲線は風量が毎分3.0m3の場合の結果を表わす。図4において、一点鎖線で描かれた曲線は風量が毎分0.2m3の場合の結果を表わす。風量が最適となるように制御されると、測定の開始後60分で一酸化炭素が完全に除去されている。それに対し、風量が毎分0.2m3の場合、測定の開始から500分が経過しても一酸化炭素の濃度は50ppm以上である。風量が毎分3.0m3の場合に至っては、風量が多過ぎるため、まったく除去されていない。
上記の実験結果から明らかなように、一酸化炭素を含む空気を金属酸化触媒フィルタ内に流通させ一酸化炭素を除去する場合、時間当たりの除去量(濃度×風量×除去率)はフィルタを通過する風量により変化する。また、除去量が最大になる風量は一酸化炭素の濃度により異なる。つまり、酸化触媒フィルタには適正な風量で空気を流さないと除去効果が下がったりまったく除去反応を示さなかったりする。また、ある濃度では一酸化炭素の除去に適切な風量であったとしても、別の濃度では一酸化炭素の除去効果が下がったりまったく除去反応を示さなかったりする。本実施の形態にかかる空気清浄機10は、このような知見に基づき、一酸化炭素の濃度に応じた最適な風量で空気を通過させる。その結果、本実施の形態にかかる空気清浄機10は、常温においても効果的に一酸化炭素を除去できる。
なお、本実施の形態の第1の変形例においては、除去量と空気量との関係を表わす特定データは、単位時間あたりの量についてのデータでなくともよい。たとえば、一酸化炭素の濃度別に、2時間での除去量と空気量との関係を表わすデータであってもよい。この場合も、メモリ40が記憶するデータは、酸化触媒フィルタ22が一酸化炭素を除去する量と酸化触媒フィルタ22が受止める空気の量との関係を表わす情報である。このようなデータが記憶されると、ステップS104にて、制御装置24は、そのデータに基づいて、除去量が少なくとも閾値を越えるような気体量を決定することとなる。
また、本実施の形態の第2の変形例においては、除去量と空気量との関係を表わす特定データは、酸化触媒フィルタ22が一酸化炭素を除去する量が最大となるような風量を表わす情報を表わすものでなくともよい。酸化触媒フィルタ22が一酸化炭素を除去する量が最大となるような風量を表わさないデータの例には、除去量がある閾値を上回るような空気量の範囲を表わすデータが含まれる。
また、本実施の形態の第3の変形例においては、空気清浄機10が清浄化する気体は、空気に限定されない。空気清浄機10が除去する有害化学物質は、一酸化炭素に限定されない。これらの場合、ユーザは、予め除去量と気体量との関係を表わすデータを測定しておき、メモリ40に記憶させておく。これにより、空気清浄機10は、空気以外の気体に含まれた有害化学物質を除去できる。図5、図6、図7、および図8を参照して、一酸化炭素以外の有害化学物質を除去する場合について説明する。
図5は、酸化触媒フィルタ22として白金を担持したセラミックハニカム構造体を用いた場合の、常温における、酸化触媒フィルタ22を通過する空気量と単位時間当たりのホルムアルデヒドの除去量との関係を表わす図である。図5において、破線で描かれた曲線はホルムアルデヒドの濃度が0.25ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。図5において、実線で描かれた曲線はホルムアルデヒドの濃度が0.5ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。図5において、一点鎖線で描かれた曲線はホルムアルデヒドの濃度が1.0ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。空気清浄機10を用いてアセトアルデヒドを除去しようとする場合、図5に図示した内容のデータあるいはこれと同様の関係を表わすデータをメモリ40に記憶させる。
図6は、風量を変化させた場合の、ホルムアルデヒドの除去量の推移を表わす図である。図6において、破線で描かれた曲線は風量が最適化された場合の結果を表わす。図6において、実線で描かれた曲線は風量が毎分3.0m3の場合の結果を表わす。図6において、一点鎖線で描かれた曲線は風量が毎分0.2m3の場合の結果を表わす。図4に示した結果と同様に、風量が最適となるように制御されると、ホルムアルデヒドは迅速に除去される。
図7は、酸化触媒フィルタ22として白金を担持したセラミックハニカム構造体を用いた場合の、常温における、酸化触媒フィルタ22を通過する気体量と単位時間当たりのアセトアルデヒドの除去量との関係を表わす図である。図7において、破線で描かれた曲線はアセトアルデヒドの濃度が0.25ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。図7において、実線で描かれた曲線はアセトアルデヒドの濃度が0.5ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。図7において、一点鎖線で描かれた曲線はアセトアルデヒドの濃度が1.0ppmの空気を流通させた場合の関係を表わす。空気清浄機10を用いてアセトアルデヒドを除去しようとする場合、図7に図示した内容のデータあるいはこれと同様の関係を表わすデータをメモリ40に記憶させる。
図8は、風量を変化させた場合の、アセトアルデヒドの除去量の推移を表わす図である。図8において、破線で描かれた曲線は風量が最適化された場合の結果を表わす。図8において、実線で描かれた曲線は風量が毎分3.0m3の場合の結果を表わす。図8において、一点鎖線で描かれた曲線は風量が毎分0.2m3の場合の結果を表わす。図4に示した結果と同様に、風量が最適となるように制御されると、アセトアルデヒドは迅速に除去される。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態にかかる空気清浄機について説明する。
図9は、本実施の形態にかかる空気清浄機50の構成を表わす概略図である。図9を参照して、空気清浄機50は、空気通路12と、汚染物質を含有する空気を空気通路12に取込む導入口14と、清浄化された空気を空気通路12から排出する排出口16と、空気通路12の中に空気を取込み、酸化触媒フィルタ22および後述する有害物フィルタ28に対して空気の風を送風する送風機18と、一酸化炭素センサ20と、常温で一酸化炭素を空気から除外する能力を持つ酸化触媒フィルタ22と、ある有害化学物質(どのような有害化学物質かということは、空気清浄機50の設計者によって任意に決定される。本実施の形態においては、単に「有害化学物質」と称した場合、空気清浄機50の設計者によって決定された物質を意味することとする。)の濃度を測定する物質センサ26と、常温で一酸化炭素以外の有害化学物質を空気から除外する能力を持つ有害物フィルタ28(有害物フィルタ28の具体的な構造は、除去の対象となった有害化学物質に応じて特定される)と、制限機構30と、酸化触媒フィルタ22を通過させる空気の風量が一酸化炭素の濃度に応じた風量となるように送風機18と制限機構30とを制御する制御装置24とを含む。
制限機構30は、酸化触媒フィルタ22を流通する気体の量を制限することにより、送風機18が送風する風のうち、酸化触媒フィルタ22を流通する気体の量を調節する機構である。制限機構30の具体的な構造は、酸化触媒フィルタ22を流通する空気の量を調節する能力があれば特に制限されない。本実施の形態の場合、酸化触媒フィルタ22と並列に排出口32を設けて、その排出口32への風量を調節することにより、酸化触媒フィルタ22を流通する空気の量を調節する機構である。あるいは、制限機構30は、酸化触媒フィルタ22を覆い、かつ流路面積を変化させることにより酸化触媒フィルタ22への風量を調節する絞り機構であってもよい。本実施の形態の場合、制限機構30は、制御装置24が与える信号値に対応するように、排出口32への風量を調節することとする。
本実施の形態にかかる空気清浄機50が制限機構30を含む理由は、有害物フィルタ28が含まれている点にある。この点について具体的に説明する。酸化触媒フィルタ22が一酸化炭素を除去するのに最も適した空気量と有害物フィルタ28が有害化学物質を除去するのに最も適した空気量とは通常大きく異なる。これらの空気量が大きく異なるので、どちらか一方に適するように空気量を制御すると、もう一方の除去能力が落ちたりまったく無くなったりするという問題が発生することがある。酸化触媒フィルタ22と有害物フィルタ28とがそれぞれ最も効果的に一酸化炭素や有害化学物質を除去するためには、酸化触媒フィルタ22への空気量と有害物フィルタ28への空気量とを独立して制御しなくてはなららない。このため、本実施の形態にかかる空気清浄機50は、酸化触媒フィルタ22への空気量を制限機構30により制御する。空気清浄機50は、有害物フィルタ28への空気量を送風機18により制御する。
制御装置24はメモリ40を内蔵する。本実施の形態の場合、メモリ40は次に述べるデータを記憶する。メモリ40が記憶する第1の特性データは、単位時間の間に酸化触媒フィルタ22が除外する一酸化炭素の除去量と単位時間の間に酸化触媒フィルタ22を流通する空気の量との関係を表わす特性データである。この特性データは、一酸化炭素の濃度別に記憶されている。メモリ40が記憶する第2の特性データは、酸化触媒フィルタ22を流通する空気の量と制限機構30に与える信号値との関係を示す特性データである。メモリ40が記憶する第3の特性データは、空気通路12に取り込む空気量と送風機18に印加する電圧との関係を示す特性データである。メモリ40が記憶する第4の特性データは、単位時間の間に有害物フィルタ28が除外する有害化学物質の除去量と単位時間の間に有害物フィルタ28を流通する空気の量との関係を表わす特性データである。この特性データも、有害化学物質の濃度別に記憶されている。本実施の形態の場合、有害化学物質は、トルエンであることとする。
図10は、有害物フィルタ28として活性炭ハニカム構造体を用いた場合の、常温における、有害物フィルタ28を流通する空気の量と単位時間当たりのトルエンの除去量との関係を表わす図である。図10において、破線で描かれた曲線はトルエンの濃度が0.5ppmの風を通過させた場合の関係を表わす。図10において、実線で描かれた曲線はトルエンの濃度が1.0ppmの風を通過させた場合の関係を表わす。図10において、一点鎖線で描かれた曲線は一酸化炭素の濃度が2.0ppmの風を通過させた場合の関係を表わす。有害物フィルタ28のサイズは200mmφ×25mmである。有害物フィルタ28のセル密度は200cpsiである。
なお、その他のハードウェア構成については前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図11を参照して、空気清浄機50で実行されるプログラムは、空気量の変更に関し、以下のような制御を実行する。なお、図11に示すフローチャートの中で、前述の図3に示した処理は同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
ステップS120にて、物質センサ26は、空気通路12に取込まれた空気の有害化学物質の濃度を検出する。
ステップS122にて、制御装置24は、単位時間の間に有害物フィルタ28が除外する有害化学物質の除去量と単位時間の間に有害物フィルタ28を流通する空気量との関係を示す特性データをメモリ40から読出す。
ステップS124にて、制御装置24は、ステップS122にて読出したデータを用いて、空気通路12に取込む適切な風量である取込み風量Qaを算出する。本実施の形態の場合、有害化学物質の除去量が少なくとも閾値を越える風量が取込み風量Qaである。取込み風量Qaが算出されると、制御装置24は、取込み風量Qaを表わすデータをメモリ40に記憶させる。
ステップS125にて、制御装置24は、ステップS102にて読出したデータを用いて、酸化触媒フィルタ22が除外する一酸化炭素の量が酸化触媒フィルタ22についての閾値を少なくとも越えるような空気量を決定する。より具体的に説明すると、本実施の形態の場合、制御装置24は、単位時間当たりの一酸化炭素の除去量を最大にするような空気量Qbを決定する。空気量Qbを決定するための方法は特に限定されない。本実施の形態の場合、内挿により空気量Qbは決定されることとする。
ステップS126にて、制御装置24は、取込み風量Qaが空気量Qbより大きいか否かを判断する。取込み風量Qaが空気量Qbより大きいと判断した場合には(ステップS126にてYES)、処理はステップS128へと移される。もしそうでないと(ステップS126にてNO)、処理はステップS138へと移される。
ステップS128にて、制御装置24は、空気通路12に取り込む風量と送風機18に印加する電圧との関係を示す特性データをメモリ40から読出す。
ステップS130にて、制御装置24は、ステップS128にて読出したデータと取込み風量Qaとを用いて、送風機18に印加する電圧を算出する。
ステップS132にて、制御装置24は、ステップS130にて算出した電圧を送風機18に印加する。
ステップS134にて、制御装置24は、取込み風量Qaを表わすデータと特性データとをメモリ40から読出す。このステップにおいて読出される特性データは、酸化触媒フィルタ22を流通する気体の量と制限機構30に与える信号値との関係を示すデータである。
ステップS136にて、制限機構30は、制御装置24の制御により、酸化触媒フィルタ22を通過する風量を適正値に変更する。制御装置24は、ステップS134にて読出したデータを用いて、制限機構30を制御する。
ステップS138にて、制御装置24は、酸化触媒フィルタ22を流通する空気量を制限しないように、制限機構30を制御する。これにより、酸化触媒フィルタ22を通過する風量は送風機18が制御することとなる。
ステップS140にて、制御装置24は、空気通路12に取り込む風量と送風機18に印加する電圧との関係を示す特性データをメモリ40から読出す。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、空気清浄機50の動作について説明する。
[風量Qaが気体量Qbを上回る場合]
物質センサ24は、空気通路12に取込まれた空気の有害化学物質の濃度を検出する(ステップS120)。
濃度が検出されると、制御装置24は、有害化学物質の除去量と有害物フィルタ28を流通する気体の量との関係を示す特性データを読出す(ステップS122)。特性データが読出されると、制御装置24は、取込み風量Qaを算出する(ステップS124)。これにより、制御装置24は、送風機18が送風する風の風量Qaを、有害物フィルタ28が除外する有害化学物質の量が有害物フィルタ28についての閾値を少なくとも越えるように決定することとなる。風量が決定されると、ステップS100〜ステップS102の処理を経て、制御装置24は、制限機構30が調節した空気量を、酸化触媒フィルタ22が除外する一酸化炭素の量が酸化触媒フィルタ22についての閾値を少なくとも越えるように決定する(ステップS125)。風量が決定されると、制御装置24は、取込み風量QaがステップS125にて決定された空気量Qbより大きいか否かを判断する(ステップS126)。この場合、取込み風量Qaは空気量Qbより大きいので(ステップS126にてYES)、制御装置24は、空気通路12に取り込む風量と送風機18に印加する電圧の関係を示す特性データを読出す(ステップS128)。特性データが読出されると、制御装置24は、送風機18に印加する電圧を算出する(ステップS130)。電圧が算出されると、制御装置24は、自らが算出した電圧を送風機18に印加する(ステップS132)。これにより、制御装置24は、上述した風量Qaの風を送風するように、送風機18を制御することとなる。電圧が印加されると、制御装置24は、取込み風量Qaを表わすデータと特性データとをメモリ40から読出す(ステップS134)。その特性データが読出されると、制限機構30は、酸化触媒フィルタ22を通過する風量を適正値に変更する(ステップS136)。これにより、制御装置24は、上述した空気量Qbの風を酸化触媒フィルタ22が受止めるように、制限機構30を制御することとなる。
[風量Qaが空気量Qb以下の場合]
ステップS104までの処理を経て、制御装置24は、取込み風量Qaが空気量Qbより大きいか否かを判断する(ステップS126)。この場合、風量Qaは空気量Qb以下なので(ステップS126にてNO)、制御装置24は、酸化触媒フィルタ22を流通する気体の量を制限しないように、制限機構30を制御する(ステップS138)。制限機構30が制御されると、制御装置24は、空気通路12に取り込む風量と送風機18に印加する電圧との関係を示す特性データを読出す(ステップS140)。特性データが読出されると、制御装置24は、送風機18に印加する電圧を算出する(ステップS108)。電圧が算出されると、制御装置24は、その電圧を送風機18に印加する(ステップS110)。
以上のようにして、本実施の形態にかかる空気清浄機は、常温においても効果的な一酸化炭素除去能力を持つ。本実施の形態にかかる空気清浄機は、室内空気中の一酸化炭素の濃度が変化しても、除去能力を高い状態で維持できる。また、本実施の形態にかかる空気清浄機は、有害化学物質を除去するためのフィルタを流通する風量と酸化触媒フィルタを流通する風量とを独立して制御できる。これにより、本実施の形態にかかる空気清浄機は、一酸化炭素についても有害化学物質についても高い除去能力を維持できる。その上、本実施の形態にかかる空気清浄機は、特に複雑な構造でなくとも空気を浄化できるので、価格やランニングコストを低く抑制できる。本実施の形態にかかる空気清浄機は、オフィスビル、喫煙所、病院、老人ホーム、映画館、一般家庭その一酸化炭素が発生する生活環境で好適に利用できる。
本実施の形態にかかる空気清浄機50が除去能力を高い状態で維持できることを、図12、図13および図14に基づいて説明する。なお、ここでは、トルエンを除去するのに適した条件として、空気清浄機本体に取り込む風量を毎分3.0m3とした。使用した材料、その量、処理温度、あるいは処理時間などの数値的条件などは第1の実施の形態と同様である。ただしこれらの条件などは一例に過ぎない。
本実施の形態にかかる空気清浄機50をトルエン発生装置および一酸化炭素発生装置が備わっているステンレス製の大型チャンバに入れた。このチャンバの大きさは20m3(6畳相当)である。空気清浄機50がチャンバに入れられると、そのチャンバ内のトルエンの濃度を2.0ppm、一酸化炭素の濃度を200ppmにする。トルエンの濃度が2.0ppm、一酸化炭素の濃度が200ppmになると、空気清浄機50の運転を試験者は開始した。運転が開始されると、チャンバ内におけるトルエンと一酸化炭素との濃度の経過時間に伴う変化を試験者は測定した。この測定とは別に、制限機構30を制御せず酸化触媒フィルタ22を通過させる風量を取り込み風量と同じ(毎分3.0m3)に制御した場合の、チャンバ内におけるトルエンおよび一酸化炭素の濃度の経過時間に伴う変化を試験者は測定した。いずれの測定においても、測定が開始される時はトルエンの濃度が2.0ppmで一酸化炭素の濃度が200ppmになった時である。測定の結果は、図12、図13および図14が表わす。図12で描かれた曲線は、トルエンについて、酸化触媒フィルタ22を通過させる風量が最適化された場合の結果を表わす。図13で描かれた曲線は、トルエンについて、制限機構30による風量制御をせず酸化触媒フィルタ22を通過させる風量を取り込み風量と同じ(毎分3.0m3)にした場合の結果を表わす。図14において、破線で描かれた曲線は酸化触媒フィルタ22を通過させる風量が最適化された場合の結果を表わす。図14において、実線で描かれた曲線は制限機構30による風量制御をせず酸化触媒フィルタ22を通過させる風量を取り込み風量と同じ(毎分3.0m3)にした場合の結果を表わす。
トルエンの濃度変化に関しては、制限機構30の制御の有無に関係なく同様な濃度推移をしているので、酸化触媒フィルタ22を通過させる風量には濃度推移が依存しないことが分かる。
酸化触媒フィルタ22を通過させる風量が最適となるように制御されると、測定の開始後60分で一酸化炭素が完全に除去されている。それに対し、制御しない場合、風量が多過ぎるため、まったく除去されていない。
以上のように、本実施の形態の装置構成では一酸化炭素の風量を独立して制御しているので、一酸化炭素および一酸化炭素以外の有害化学物質のどちらも最適な除去能力を発揮する。
なお、本実施の形態の第1の変形例においては、有害化学物質をそれぞれ空気から除外するフィルタは、3種類以上使用されていてもよい。
また、本実施の形態の第2の変形例においては、空気清浄機50が有害物フィルタ28により除去する有害化学物質は、トルエンに限定されない。トルエン以外の有害化学物質を除去する場合、ユーザは、予め除去量と気体量との関係を表わすデータを測定しておき、メモリ40に記憶させておく。これにより、空気清浄機50は、トルエン以外の有害化学物質を有害物フィルタ28により除去できる。図15および図16を参照して、トルエン以外の有害化学物質を除去する場合について説明する。
図15は、図12から図14までに示した実験と同様の実験をホルムアルデヒドを含む空気について実施した場合の結果を表わす図である。図15において、破線で描かれた曲線は酸化触媒フィルタ22を通過させる風量が最適化された場合の結果を表わす。図15において、実線で描かれた曲線は制限機構30による風量制御をせず酸化触媒フィルタ22を通過させる風量を取り込み風量と同じ(毎分3.0m3)にした場合の結果を表わす。
図16は、図12から図14までに示した実験と同様の実験をアセトアルデヒドを含む空気について実施した場合の結果を表わす図である。図16において、破線で描かれた曲線は酸化触媒フィルタ22を通過させる風量が最適化された場合の結果を表わす。図16において、実線で描かれた曲線は制限機構30による風量制御をせず酸化触媒フィルタ22を通過させる風量を取り込み風量と同じ(毎分3.0m3)にした場合の結果を表わす。
ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの濃度変化に関しては、制限機構30の制御の有無に応じて濃度の推移に大きな影響が見られるので、酸化触媒フィルタ22を通過させる風量および有害物フィルタ28を通過させる風量が最適化されると、ホルムアルデヒドあるいはアセトアルデヒドの一方と一酸化炭素とを効率よく常温で除去できることが分かる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る空気清浄機の構成を表わす概略図である。 酸化触媒フィルタを通過する風量と単位時間当りの一酸化炭素の除去量との関係を表わす図である。 本発明の第1の実施の形態に係る空気清浄機の空気量の変更処理の制御の手順を示すフローチャートである。 風量を変化させた場合の一酸化炭素の除去量の推移を表わす図である。 酸化触媒フィルタを通過する風量と単位時間当りのホルムアルデヒドの除去量との関係を表わす図である。 風量を変化させた場合のホルムアルデヒドの除去量の推移を表わす図である。 酸化触媒フィルタを通過する風量と単位時間当りのアセトアルデヒドの除去量との関係を表わす図である。 風量を変化させた場合のアセトアルデヒドの除去量の推移を表わす図である。 本発明の第2の実施の形態に係る空気清浄機の構成を表わす概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る有害物フィルタを通過する風量と単位時間当りのトルエンの除去量との関係を表わす図である。 本発明の第2の実施の形態に係る空気清浄機の空気量の変更処理の制御の手順を示すフローチャートである。 酸化触媒フィルタを通過させる風量を制御した場合の、トルエン濃度の推移を表わす図である。 酸化触媒フィルタを通過させる風量を制御しない場合の、トルエン濃度の推移を表わす図である。 酸化触媒フィルタを通過させる風量を制御した場合と制御しない場合との、一酸化炭素濃度の推移を表わす図である。 酸化触媒フィルタを通過させる風量を制御した場合の、ホルムアルデヒド濃度の推移を表わす図である。 酸化触媒フィルタを通過させる風量を制御した場合の、アセトアルデヒド濃度の推移を表わす図である。
符号の説明
10,50 空気清浄機、12 空気通路、14 導入口、16,32 排出口、18 送風機、20 一酸化炭素センサ、22 酸化触媒フィルタ、24 制御装置、26 物質センサ、28 有害物フィルタ、30 制限機構、40 メモリ。

Claims (11)

  1. 気体の中の物質を除去するための除去手段と、
    前記除去手段に対して前記気体を移送するための移送手段と、
    前記移送手段が移送する気体における前記物質の濃度を測定するための測定手段と、
    前記除去手段が前記物質を除去する量である除去量と前記除去手段を流通する気体の量である気体量との関係を表わす情報を、前記物質の濃度別に記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段が記憶した情報のうち前記測定手段が測定した濃度についての情報に基づいて、前記除去量が少なくとも閾値を越えるような前記気体量を決定するための決定手段と、
    前記決定手段が決定した気体量の気体を移送するように、前記移送手段を制御するための制御手段とを含む、空気清浄機。
  2. 前記除去手段は、互いに異なる物質をそれぞれ前記気体から除外するための複数の除外手段を含み、
    前記移送手段は、
    前記複数の除外手段に対して前記気体を送風するための送風手段と、
    前記送風手段が送風する気体のうち、前記複数の除外手段のいずれかを流通する気体の量を調節するための調節手段とを含み、
    前記記憶手段は、前記除外手段が除外する物質の量と前記除外手段を流通する気体の風量との関係を表わす情報を、少なくとも前記気体量の調節の対象となる除外手段について、前記物質の濃度別に記憶するための手段を含み、
    前記決定手段は、前記送風手段が送風する気体の風量である第1の風量と前記調節手段が調節する風量である第2の風量とを、前記風量の調節の対象となる除外手段が除外する物質の量が少なくとも前記閾値を越えるように決定するための手段を含み、
    前記制御手段は、
    前記第1の風量の気体を送風するように、前記送風手段を制御するための手段と、
    前記第2の風量の気体が流通するように、前記調節手段を制御するための手段とを含む、請求項1に記載の空気清浄機。
  3. 前記調節手段は、前記複数の除外手段のいずれかを流通する気体の量を制限するための制限手段を含む、請求項2に記載の空気清浄機。
  4. 前記複数の除外手段は、
    一酸化炭素を空気から除外するための第1の手段と、
    前記一酸化炭素とは異なる物質を前記空気から除外するための第2の手段とを含み、
    前記調節手段は、前記第1の手段を流通する気体の量を調節するための手段を含む、請求項2に記載の空気清浄機。
  5. 前記記憶手段は、単位時間の間に前記除去手段が前記物質を除去する量と前記単位時間の間に前記除去手段を流通する気体の量との関係を表わす情報を記憶するための手段を含み、
    前記決定手段は、前記単位時間の間に前記除去手段が前記物質を除去する量が少なくとも前記閾値を越えるような前記気体量を決定するための手段を含む、請求項1に記載の空気清浄機。
  6. 前記移送手段は、前記除去手段に対して前記気体を送風するための送風手段を含む、請求項1に記載の空気清浄機。
  7. 前記除去手段は、
    担体と、
    貴金属である触媒とを含む、請求項1に記載の空気清浄機。
  8. 前記貴金属は、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、銀、金、およびニッケルの少なくともいずれかを含む、請求項7に記載の空気清浄機。
  9. 前記担体は、内部を障壁で区切った担体であるハニカム担体を含む、請求項7に記載の空気清浄機。
  10. 前記気体は空気を含み、
    前記物質は一酸化炭素を含む、請求項1に記載の空気清浄機。
  11. 前記記憶手段は、前記除去量が最大となるような前記気体量を表わす情報を前記物質の濃度に対応付けて記憶するための手段を含む、請求項1に記載の空気清浄機。
JP2006116907A 2006-04-20 2006-04-20 空気清浄機 Withdrawn JP2007283037A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006116907A JP2007283037A (ja) 2006-04-20 2006-04-20 空気清浄機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006116907A JP2007283037A (ja) 2006-04-20 2006-04-20 空気清浄機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007283037A true JP2007283037A (ja) 2007-11-01

Family

ID=38755330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006116907A Withdrawn JP2007283037A (ja) 2006-04-20 2006-04-20 空気清浄機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007283037A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010090192A1 (ja) * 2009-02-04 2010-08-12 リケンテクノス株式会社 一酸化炭素を処理するための方法
TWI572830B (zh) * 2013-09-11 2017-03-01 熱映光電股份有限公司 空氣濾淨器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010090192A1 (ja) * 2009-02-04 2010-08-12 リケンテクノス株式会社 一酸化炭素を処理するための方法
JPWO2010090192A1 (ja) * 2009-02-04 2012-08-09 リケンテクノス株式会社 一酸化炭素を処理するための方法
JP5657396B2 (ja) * 2009-02-04 2015-01-21 リケンテクノス株式会社 樹脂組成物からなる成形体
TWI572830B (zh) * 2013-09-11 2017-03-01 熱映光電股份有限公司 空氣濾淨器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050129589A1 (en) Multi-layered photocatalyst/thermocatalyst for improving indoor air quality
JP6528006B2 (ja) 拡張された湿度作動範囲を有する空気清浄機
JP2004530488A (ja) 高性能空気清浄システムおよびその方法
US20070056601A1 (en) Gold-ceria catalyst for oxidation of carbon monoxide
JP3404739B2 (ja) フィルタ、並びにそれを用いた空気清浄機及びエアーコンディショナー
JP2010058074A (ja) ホルムアルデヒド酸化触媒、その製造方法および当該触媒を用いた空気清浄化方法
JP4726817B2 (ja) 空気調和機
JP2007283037A (ja) 空気清浄機
JP2001187343A (ja) 常温浄化触媒およびその使用方法
JPH04288163A (ja) 脱臭方法および脱臭装置
JP5503155B2 (ja) 一酸化炭素除去フィルター
JP4780490B2 (ja) 活性炭フィルタ
KR20070016538A (ko) 공기정화용 반응 유니트 및 이를 이용한 공기정화기
JPH11114419A (ja) 一酸化炭素除去用触媒及びフィルター
JP5706476B2 (ja) 一酸化炭素酸化触媒、及びその製造方法
JP2001198455A (ja) 窒素酸化物吸着材及びその使用方法
JP3792672B2 (ja) アルデヒドガス分解除去材及びその製造方法
JPH09173781A (ja) 一酸化炭素除去用触媒フィルタ
JP2004344513A (ja) 脱臭装置及び脱臭方法
JP2008264669A (ja) 空気調和機
JP2000146236A (ja) 空気浄化器及び空気調和機
JP4664064B2 (ja) フィルタ
EP1775013B1 (en) Air conditioner using deodorising composition with cobalt oxide
JP2007021439A (ja) ガス浄化用触媒およびその製造方法
JPH07139778A (ja) 空気調和機の運転制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090707