JP2007282929A - 電気掃除機 - Google Patents

Abstract

【課題】塵埃の圧縮を高めサイクロン集塵室を小型化することが可能な電気掃除機を提供する。
【解決手段】電気掃除機は、吸気口を有する吸込口体１と、吸気を発生させる電動送風機７と、吸込口体１と電動送風機７との間を連通する吸気通路と、吸気通路に配置され、流入する吸気を旋回させて塵埃を分離するサイクロン集塵室６とを備える。サイクロン集塵室６は、サイクロン集塵室内の上部に配置された第一の吸引部６２と、サイクロン集塵室内の下部に配置された第二の吸引部６４とを備える。
【選択図】図２

Description

この発明は、一般的には電気掃除機に関し、特定的にはサイクロン集塵装置を備えた電気掃除機に関するものである。

従来、サイクロン集塵装置を備えた電気掃除機においては、塵埃をダストカップ容器の中で高速に旋回させ、遠心力により分離している。

特開２００２−５１９４８号公報（特許文献１）には、フィルター下部に十字状のリブを設けた電気掃除機が記載されている。この掃除機では、旋回力で塵埃がフィルター下部の十字リブに衝突し、衝突の力で塵埃を圧縮している。

一例として、従来のサイクロン集塵室の概略的な全体の構成を図９に示す。

図９に示すように、大部分の塵埃はサイクロン集塵室６の吸引部６２を覆うメッシュ状フィルター６３からの吸引により遠心分離される。遠心分離された塵埃は、旋回力によって吸引部６２下部のリブ構造体６８の十字リブ６８ａに衝突し、衝突の力によって圧縮される。圧縮された塵埃は、サイクロン集塵室の一部としてのダストカップ６０の底面６１上に堆積する構造になっている。
特開２００２−５１９４８号公報

しかしながら、旋回力だけでは圧縮力が弱いため、堆積された塵埃はダストカップ６０の底面６１上に十分に圧縮され得ない。このため、所定量の塵埃をダストカップ６０内に堆積するためには、ある程度大きめのサイクロン集塵室が必要になる。

そこで、この発明の目的は、塵埃の圧縮を高めサイクロン集塵室を小型化することが可能な電気掃除機を提供することである。

この発明に従った電気掃除機は、吸気口を有する吸込口体と、吸気を発生させる電動送風機と、吸込口体と電動送風機との間を連通する吸気通路と、吸気通路に配置され、流入する吸気を旋回させて塵埃を分離するサイクロン集塵室とを備える。サイクロン集塵室は、サイクロン集塵室内の上部に配置された第一の吸引部と、サイクロン集塵室内の下部に配置された第二の吸引部とを備える。

この発明の電気掃除機においては、吸気口体より取り込まれた吸気はサイクロン集塵室内に入ると、サイクロン集塵室内の上部にある第一の吸引部からの吸引によって旋回する。吸気の一部は、第一の吸引部を通って電動送風機側へと進む。吸気と共にサイクロン集塵室内に取り込まれた塵埃は旋回しながら遠心力によって分離され、下向きの旋回を与えられ、サイクロン集塵室内を下降する。下降した塵埃はサイクロン集塵室内の下部に堆積する。この時、サイクロン集塵室内の下部には第二の吸引部があり、この第二の吸引部の吸引によって、下降して堆積する塵埃を圧縮する。

このように、サイクロン集塵室内の上部と下部にふたつの吸引部を設けることにより、上部の第一の吸引部で塵埃を遠心分離し、下部の第二の吸引部で塵埃の圧縮を行うことができる。吸引による圧縮を行うことで、塵埃を旋回力で十字リブに衝突させて落下させて堆積させた場合よりも塵埃の体積を減少させることができる。

この発明の電気掃除機においては、第一と第二の吸引部は、円筒面にメッシュ状のフィルターを含むことが好ましい。

この発明の電気掃除機においては、第二の吸引部の下面を吸引面とし、この吸引面とサイクロン集塵室の底面との間に空間を設けることが好ましい。

このようにすることにより、塵埃の中で重めの砂ごみ系の堆積物がメッシュ状フィルターに触れるのを防止し、目詰まりを遅延させることができる。

この場合、さらにこの吸引面のサイクロン集塵室の底面側にリブを突出するように設けることが好ましい。

このようにすることにより、紙ごみ等が第二の吸引部のメッシュ状フィルターに密着することを防ぎ、吸引力を保つことができる。

またこの場合、第二の吸引部は、吸引面に配置されたメッシュ状のフィルターとスポンジ状のフィルターとを含むことが好ましい。

このようにすることにより、微細塵による目詰まりを遅延させることができる。

さらにこの場合、このスポンジ状フィルターの下面と、さらに側面から吸引することが好ましい。

このようにすることにより、吸引面積を増大させ、微細塵による目詰まりをさらに遅延させることができる。

以上のように、この発明によれば、吸引によって塵埃の圧縮を高めることができ、サイクロン集塵室を小型化することができる。

以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

図１は、この発明の一つの実施の形態として、サイクロン集塵室を備えた電気掃除機全体の概略断面図である。

図１に示すように、本発明の電気掃除機は、吸気口体１と、延長管２と、ハンドル３と、ホース４と、掃除機本体５と、サイクロン集塵室６と、電動送風機７と、コードリール８と、電動送風機前フィルター９とを備える。延長管２とホース４は、吸気口体１から吸引された空気を掃除機本体５に供給するための供給路（吸気通路）を構成する。吸気口体１は電動送風機７の運転により、空気吸込口（図示しない）を介して空気を吸引する。吸気口体１から吸引された塵埃は延長管２、ホース４からサイクロン集塵室６に入る。

図２は、本発明の一つの実施の形態として図１の電気掃除機に組み込まれるサイクロン集塵室の概略的な全体の構成を示す図である。

図２に示すように、サイクロン集塵室６の上部に第一の吸引部６２と、第一の吸引部６２より下方に第二の吸引部６４を設けている。第一の吸引部６２は円筒形で、円筒面にはメッシュ状フィルター６３が一定の間隔をおいて配置されている。第二の吸引部６４も円筒形であり、円筒面にはメッシュ状フィルター６５ａが一定の間隔をおいて配置されている。第二の吸引部６４の底部６４ａは、ダストカップ６０の底面６１に接している。

主として第一の吸引部６２で遠心分離を行うための吸引を行い、第二の吸引部６４でごみを圧縮するための吸引を行う。すなわち、サイクロン集塵室内６に取り込まれた吸気は、第一の吸引部６２の吸引により旋回し、塵埃が遠心分離される。遠心分離された塵埃は、下向きの旋回を与えられ、ダストカップ６０中を下降する。ダストカップ６０の下部には第二の吸引部６４が配置されており、第二の吸引部６４の吸引によって塵埃が圧縮され、ダストカップ６０内に堆積する。塵埃の中で特に綿ごみは、約１／３程度圧縮することができる。

なお、第二の吸引部は第一の吸引部の延長上に設けることで、従来のサイクロン集塵装置を備えた電気掃除機にごみ圧縮機能を付加することができる。

図３は本発明のもう一つの実施の形態として、サイクロン集塵室の概略的な全体の構成を示す図、図４は図３に示される第二の吸引部の吸引面を下から見た図である。

図３と図４に示すように、円筒形をした第二の吸引部６４の底面には開口６４ｂが形成されている。開口６４ｂはメッシュ状フィルター６５ｂで覆われている。メッシュ状フィルター６５ｂとダストカップ６０の底面６１との間には空間を設けている。このため、ごみの中でも重い砂ごみ系がダストカップ６０の底面上に堆積したときに、この堆積物がメッシュ状フィルター６５ｂに触れるのを遅らせ、メッシュ状フィルター６５ｂの目詰まり防ぐことができる。このようにすることにより、吸引力を保ち、塵埃の圧縮を持続できる。

図５は、本発明のさらにもうひとつの実施の形態として、サイクロン集塵室の概略的な全体の構成を示す図、図６は、図５に示す第二の吸引部の吸引面を下から見た図である。

図５と図６に示すように、円筒形をした第二の吸引部の底面には開口６４ｂが形成されている。開口６４ｂはメッシュ状フィルター６５ｃで覆われている。ダストカップ６０の底面６１とメッシュ状フィルター６５ｃとの間に空間を設けるとともに、リブ６６はサイクロン集塵室６の底面側に突出するように、第二の吸引部６４の吸引面に設けられている。このように構成されているので、紙ごみ等の密着による吸引力の低下を防ぐことができる。従って吸引力を保ち、塵埃の圧縮を持続できる。なお図６ではリブの配置の一例として、複数のリブ６６は吸引面の中心から放射状に延びるように設けられている。

図７は、本発明のさらに別の実施の形態として、サイクロン集塵室の概略的な全体の構成を示す図である。

図７に示すように、円筒形の第二の吸引部６４の底面には開口６４ｂが形成されている。開口６４ｂはメッシュ状フィルター６５ｄで覆われ、さらにその下にスポンジ状フィルター６７が設けられている。スポンジ状フィルター６７とダストカップ６０の底面６１との間には空間を設ける。スポンジ状フィルター６７の下面を露出するように、穴６４ｃが第二の吸引部６４に形成されている。吸引は穴６４ｃを通じて行う。スポンジ状フィルター６７を設けることにより、メッシュ状フィルター６５ｄのみを設けた場合よりも微細塵の目詰まりを遅延させることができる。これにより吸引力を保つとともに、塵埃の圧縮を持続できる。なお、スポンジ状フィルター６７は着脱可能である。したがってスポンジ状フィルター６７をサイクロン集塵室６より取り外して清掃することができる。その結果スポンジ状フィルター６７を清掃することで吸引力を保ち、塵埃の圧縮を持続させることができる。

図８は、さらにまた別の実施の形態として、サイクロン集塵室の概略的な全体の構成を示す図である。

図８に示すように、円筒形の第二の吸引部６４の底面には開口６４ｂが形成されている。開口６４ｂはメッシュ状フィルター６５ｄで覆われ、さらにその下にスポンジ状フィルター６７が設けられている。スポンジ状フィルター６７とダストカップ６０の底面６１との間には空間を設ける。スポンジ状フィルター６７の下面を露出するように、穴６４ｃが第二の吸引部６４に形成されている。また、スポンジ状フィルターの側面を露出するように、第二の吸引部６４の側面に穴６４ｄが形成されている。第二の吸引部６４による吸引は、スポンジ状フィルター６７の一部を露出する穴６４ｃと側面の一部を露出する穴６４ｄとを通じて２方向で行う。このようにして吸引面積を増大させることで、塵埃の圧縮効率が向上する。なお、スポンジ状フィルター６７は着脱可能である。したがってスポンジ状フィルター６７をサイクロン集塵室６より取り外して清掃することができる。その結果スポンジ状フィルター６７を清掃することで吸引力を保ち、塵埃の圧縮を持続させることができる。

以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。

本発明の一つの実施の形態としてサイクロン集塵室を備えた電気掃除機の概略的な全体を示す断面図である。 本発明の一つの実施の形態としてサイクロン集塵室の概略的な全体の構成を示す断面図である。 本発明のもう一つの実施の形態としてサイクロン集塵室の別の形態を示す断面図である。 図３に示される第二の吸引部の吸引面を下から見た図である。 本発明のさらにもう一つの実施の形態としてサイクロン集塵室の別の形態を示す断面図である。 図５に示される第二の吸引部の吸引面を下から見た図である。 本発明のさらに別の実施の形態としてサイクロン集塵室の別の形態を示す断面図である。 本発明のさらにまた別の実施の形態としてサイクロン集塵室の別の形態を示す断面図である。 従来のサイクロン集塵室の全体の構成を概略的に示す断面図である。

符号の説明

１：吸気口体、２：延長管、４：ホース、６：サイクロン集塵室、７：電動送風機、６０：ダストカップ、６１：底面、６２：第一の吸引部、６３：メッシュ状フィルター、６４：第二の吸引部、６４ｃ，６４ｄ：開口、６５ｃ、６５ｄ：メッシュ状フィルター、６６：リブ、６７：スポンジ状フィルター。

Claims (6)

1. 吸気口を有する吸込口体と、
   吸気を発生させる電動送風機と、
   前記吸込口体と前記電動送風機との間を連通する吸気通路と、
   前記吸気通路に配置され、流入する吸気を旋回させて塵埃を分離するサイクロン集塵室とを備え、
   前記サイクロン集塵室は、前記サイクロン集塵室内の上部に配置された第一の吸引部と、前記サイクロン集塵室内の下部に配置された第二の吸引部とを含む、電気掃除機。
2. 前記第一と第二の吸引部は、円筒状に配置されたメッシュ状のフィルターを含む、請求項１に記載の電気掃除機。
3. 前記第二の吸引部の下面に配置された吸引面と、前記サイクロン集塵室の底面との間に空間が設けられている、請求項１に記載の電気掃除機。
4. リブが前記サイクロン集塵室の底面側に突出するように前記第二の吸引部の吸引面に設けられている、請求項３に記載の電気掃除機。
5. 前記第二の吸引部は、吸引面に配置されたメッシュ状のフィルターとスポンジ状のフィルターとを含む、請求項３に記載の電気掃除機。
6. 前記スポンジ状のフィルターの側面部に吸気可能な穴が配置されている、請求項５に記載の電気掃除機。

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