JP2007282570A - 蛍光インターカレーターによるSNPs検出 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチを効率よく検出する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】対照核酸と標的核酸をハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成させ、ミスマッチ結合タンパク質を該二本鎖核酸に接触させてミスマッチ部分に結合させ、さらに二本鎖核酸を特異的に認識する挿入剤を該二本鎖核酸に接触させて、その後該二本鎖核酸に挿入された挿入剤の量を測定することにより、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無を判定する方法。
【選択図】なし
【解決手段】対照核酸と標的核酸をハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成させ、ミスマッチ結合タンパク質を該二本鎖核酸に接触させてミスマッチ部分に結合させ、さらに二本鎖核酸を特異的に認識する挿入剤を該二本鎖核酸に接触させて、その後該二本鎖核酸に挿入された挿入剤の量を測定することにより、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無を判定する方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ミスマッチ結合タンパク質を用いることを特徴とする、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチを検出する方法に関する。本発明の方法によれば、DNA塩基配列における1塩基遺伝子多型(SNPs:Single Nucleotide Polymorphism)を検出することができる。
ゲノム配列解析に続いて注目されているのは、遺伝子発現プロフィール分析や遺伝子中の1塩基置換(SNPs:single nucleotide polymorphisms)の分析である。種々条件下で発現している遺伝子、種々個体の遺伝子変異等の解析により遺伝子機能、遺伝子と疾患あるいは医薬品感受性との関連が調べられている。また、これらの遺伝子に関する知識を用いて疾患の診断などが行われつつある。
核酸配列における変異の検出は、医学遺伝学の分野において非常に重要である。遺伝的変異の検出は、遺伝病における分子生物学的根拠の決定、遺伝的なカウンセリングのためのキャリアー及び出生前診断の提供、医薬における個人別化の促進、並びに遺伝学的研究における多型の同定等において重要である。
DNAレベルでの遺伝的変異の検出と分析は、核型分類、制限断片長多型(RFLPs:Restriction Fragment Length Polymorphism)もしくは可変核酸型多型(VNTRs:Variable Numbers of Tandem Repeats)、さらに近年では一塩基多型分析(SNPs)分析により行われてきた(非特許文献1〜5)。これまでに、非常に広範な技術がSNPの検出及び解析のために開発されている(特許文献1〜9)が、より簡便で効率の良い方法の開発が求められている。
本発明は、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチを効率よく検出する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来知られているように、ミスマッチ結合タンパク質を固定化や標識化することで、ミスマッチ部分に結合したミスマッチ結合タンパク質を測定するのでなく、対照核酸と標的核酸をハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成させ、ミスマッチ結合タンパク質を該二本鎖核酸に接触させてミスマッチ部分に結合させ、さらに二本鎖核酸を特異的に認識する挿入剤を該二本鎖核酸に接触させて、その後二本鎖核酸に挿入された挿入剤の量を測定することにより、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無が判定できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は下記構成よりなる。
<1>以下の工程を含む、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチを検出する方法。
(a)対照核酸と標的核酸とをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成させる工程
(b)ミスマッチ結合タンパク質を二本鎖核酸に接触させて、ミスマッチ部分に結合させる工程
(c)二本鎖核酸を特異的に認識して挿入する挿入剤を二本鎖核酸に接触させる工程
(d)二本鎖核酸に挿入された挿入剤を検出する工程
(e)ミスマッチ結合タンパク質の非存在下および存在下における、挿入剤の二本鎖核酸への挿入量を比較することにより、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無を判定する工程
<2>ミスマッチ結合タンパク質がMutSである上記<1>に記載の方法。
<3>二本鎖核酸を認識する挿入剤が核酸インターカレーターである、上記<1>または<2>に記載の方法。
<4>核酸インターカレーターを蛍光法により検出する、上記<3>に記載の方法。
<1>以下の工程を含む、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチを検出する方法。
(a)対照核酸と標的核酸とをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成させる工程
(b)ミスマッチ結合タンパク質を二本鎖核酸に接触させて、ミスマッチ部分に結合させる工程
(c)二本鎖核酸を特異的に認識して挿入する挿入剤を二本鎖核酸に接触させる工程
(d)二本鎖核酸に挿入された挿入剤を検出する工程
(e)ミスマッチ結合タンパク質の非存在下および存在下における、挿入剤の二本鎖核酸への挿入量を比較することにより、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無を判定する工程
<2>ミスマッチ結合タンパク質がMutSである上記<1>に記載の方法。
<3>二本鎖核酸を認識する挿入剤が核酸インターカレーターである、上記<1>または<2>に記載の方法。
<4>核酸インターカレーターを蛍光法により検出する、上記<3>に記載の方法。
本発明の方法によれば、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無を簡便かつ高感度に検出することができる。本発明の方法は、遺伝子診断、感染症診断、ゲノム創薬等の用途に適用することができる。
本発明は、ミスマッチ結合タンパク質を利用して、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチを検出する方法に関する。本発明の方法は、二本鎖核酸におけるミスマッチに対するミスマッチ結合タンパク質の認識能力および二本鎖核酸を認識して挿入する挿入剤の性質を利用する方法であり、ミスマッチ結合タンパク質の二本鎖核酸への結合による、二本鎖核酸へ挿入される挿入剤量の変化を指標とする。
従って、本発明の方法は、(a)対照核酸と標的核酸とをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成させる工程、(b)ミスマッチ結合タンパク質を二本鎖核酸に接触させてミスマッチ部分に結合させる工程、(c)二本鎖核酸を特異的に認識して挿入する挿入剤を二本鎖核酸に接触させる工程、(d)二本鎖核酸に挿入された挿入剤を検出する工程、(e)ミスマッチ結合タンパク質の非存在下および存在下における、挿入剤の二本鎖核酸への挿入量を比較することにより、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無を判定する工程を含む。
本発明の方法の原理を、以下に説明する。変異を有することが疑われる標的核酸と対照核酸(変異を有しない核酸)とを調製し、これらを互いにハイブリダイズさせる。この結果、標的核酸が変異を有すれば、対照核酸とのハイブリダイズによりヘテロ二本鎖核酸(ミスマッチを有する二本鎖核酸)が生じる。一方、標的核酸に変異がなければ、ホモ二本鎖核酸(ミスマッチを有しない二本鎖核酸)のみが生じ、ヘテロ二本鎖核酸は生じない。
ハイブリダイズにより形成された二本鎖核酸に対し、ミスマッチ結合タンパク質を接触させた場合、ミスマッチ結合タンパク質はミスマッチを有するヘテロ二本鎖核酸には結合するが、ホモ二本鎖核酸には結合しない。ここで、二本鎖核酸を認識して挿入する挿入剤を二本鎖核酸に接触させると、挿入剤はミスマッチ結合タンパク質の結合してないホモ二本鎖核酸には結合するが、ミスマッチ結合タンパク質の結合しているヘテロ二本鎖に挿入剤は挿入しない。
したがって、二本鎖核酸に挿入された挿入剤を検出することにより、標的核酸が変異を有するか否かを判定できる。すなわち、ミスマッチ結合タンパク質の非存在下および存在下における挿入剤の二本鎖核酸への挿入量に有意な差が検出される場合、標的核酸中に変異が存在すると判定される。一方、ミスマッチ結合タンパク質の非存在下および存在下における挿入剤の二本鎖核酸への挿入量に有意な差が検出されなければ、標的核酸中に変異が存在しないと判定される。
本発明において「ミスマッチ」とは、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)(RNAの場合はウラシル(U))から選択される一組の塩基対が正常な塩基対(A/TまたはG/C)ではないことを指す。本発明において「ミスマッチ」には、1つのミスマッチのみならず、複数の連続したミスマッチ、1または複数の塩基の挿入および/または欠失により生じるミスマッチ、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
本発明において「変異」とは、対照核酸と比較した場合における標的核酸中の異なる塩基(二本鎖核酸の場合には塩基対)を指す。
本発明において「核酸」とは、DNAおよびRNA、例えば、cDNA、ゲノムDNA、mRNA、合成ポリヌクレオチドを含む。また1本鎖核酸および二本鎖核酸、並びに直鎖状核酸および環状核酸を含む。
本発明において「対照核酸」とは、変異を有しない核酸を指す。また、「標的核酸」とは、対照核酸とは異なる塩基(変異)を有することが疑われる核酸を指す。標的核酸は、変異を有しなければ対照核酸と同一の核酸であり、変異を有すれば、該変異部位のみ対照核酸と異なる核酸である。例えば、遺伝子病が疑われる患者の遺伝子における変異を検出する場合において変異を有することが疑われる患者の遺伝子は標的核酸であり、この遺伝子に対応する健常者の遺伝子は対照核酸である。
本発明の方法に用いられる標的核酸としては、特に制限はなく、変異を有するか否かを検出したい所望の核酸を用いることができる。また、対照核酸は、標的核酸に対応する核酸であって、仮に標的核酸が変異を有しなければ、標的核酸と同一の核酸を用いる。この同一とは、両者がハイブリダイズする領域において同一の意味であり、長さに相違があってもよいが、可能であれば長さも揃えることが望ましい。標的核酸および対照核酸は、1本鎖であっても二本鎖であってもよいが、両者が1本鎖の場合には、仮に標的核酸が変異を有しなければ、互いに相補鎖である。
本発明の方法においては、標的核酸と対照核酸をハイブリダイズさせる(但し、二本鎖である場合は、変性して一本鎖に解離させて、両者をハイブリダイズさせる)。これにより、二本鎖核酸を形成させる(二本鎖核酸は標的核酸に変異がある場合には、ヘテロ二本鎖核酸とホモ二本鎖核酸の混合物となり、標的核酸に変異がない場合には、ホモ二本鎖核酸のみとなる)。
二本鎖核酸の変性方法としては、例えば、溶液のpHを酸性またはアルカリ性にする方法と、溶液を高温にする方法が挙げられる。pHを変化させる方法としは、例えば 0.1M NaOH、0.1M HCl溶液に置換する方法が挙げられる。また、温度を上げる方法は、核酸の融解温度(Tm)以上にすればよいが、通常、95℃程度が用いられる。
二本の一本鎖核酸のハイブリダイズは、溶液のpHを中性に戻すこと、または温度を徐々に下げ Tm以下にすることにより容易に行うことができる。ハイブリダイズにより二本鎖核酸を形成させる過程で一本鎖核酸が残っていると予想される場合には、例えばカラムで1本鎖核酸を除去するか、または予め大腸菌SSBタンパク質などで1本鎖核酸をブロックすることが好ましい。
本発明の方法は、単一のミスマッチ塩基対、複数の連続したミスマッチ、1塩基対複数塩基のミスマッチ、さらには二本鎖核酸の少なくとも片側の鎖における1または複数の塩基の欠失および/または挿入によって生じるミスマッチの検出に好適に適用することができる。
本発明の方法に用いられるミスマッチ結合タンパク質は、二本鎖核酸におけるミスマッチを認識、結合するタンパク質であり、例えばMutS、MSH2、MSH6が好適に挙げられるが、二本鎖核酸中のミスマッチを認識しうる限りその由来に制限はない。また、二本鎖核酸中のミスマッチを認識しうる限り、これらタンパク質の部分ペプチドであってもよい。さらにまた、ミスマッチ結合タンパク質はグルタチオン-S-トランスフェラーゼ等、他のタンパク質との融合タンパク質等であってもよい。
また、ミスマッチ結合タンパク質は、二本鎖核酸中のミスマッチを認識しうる限り、天然型のタンパク質のアミノ酸配列中、1つ若しくは複数のアミノ酸を置換、欠失、付加、および/または挿入したアミノ酸配列からなるタンパク質(変異体)であってもよい。このような変異体は、自然界において生じることもあるが、公知の方法を適宜利用して人為的に調製することも可能である。
ミスマッチ結合タンパク質は、天然のタンパク質として、または組換えタンパク質として、陰イオン交換カラム、陽イオン交換カラム、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー、硫酸アンモニウム分画等の公知の方法を適宜組み合わせて調製することが可能である。また、組換えタンパク質で発現量が多い場合には、陽イオン交換カラムおよびゲル濾過カラムを用いたクロマトグラフィーのみにより容易に調製することも可能である。
本発明の方法における二本鎖核酸とミスマッチ結合タンパク質との接触は、該タンパク質が該二本鎖核酸中のミスマッチ領域に結合しうる条件(例えば、適当なpH、溶媒、イオン環境、温度)で行なわれる。反応温度や塩濃度、イオンの種類、バッファーのpH等の詳細な条件は適宜調整することができる。
本発明に用いられる挿入剤は、二本鎖核酸を特異的に認識して挿入する挿入剤であれば特に限定されないが、好ましくは核酸インターカレーター、より好ましくはDNAインターカレーターである。核酸インターカレーターは、そのもの自体が検出可能なシグナルを形成できる物質であってもよいが、その側鎖にシグナル形成物質を結合していてもよく、ビオチン−アビジン、抗原−抗体、ハプテン−抗体のような特異結合対を介してインターカレーターに結合していてもよい。本発明における、検出可能なシグナルは、例えば、蛍光検出、発光検出、化学発光検出、生物発光検出、電気化学発光検出、放射能検出、電気化学検出、比色検出により検出可能なシグナルであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
好ましい核酸インターカレーターの例として、蛍光性色素のようにインターカレーター自身がシグナル形成能力をもっていてもよいが、インターカレーターとシグナル形成物質との複合体であってもよい。インターカレーターとシグナル形成物質との複合体は、例えば、下記一般式(1)、(2)のようなものをあげることができる;一般式(1) X−L1−I−L2−Y、一般式(2) X−L1−I(一般式(1)、(2)において、Iは二本鎖核酸に挿入される物質を示し、L1,L2はリンカー配列を示し、X及びYは、検出可能な分子を示す。)。
一般式(1)及び(2)においてIで示される二本鎖核酸に挿入される物質は、好ましくは、分子中にフェニル基等の平板状挿入基を有し、該挿入基が二本鎖DNAの塩基対と塩基対の間に介入することによって、二本鎖核酸と結合することができる物質を言う。
一般式(1)及び(2)においてL1、L2で示されるリンカー配列は特に限定されず、例えば、アルキレン基、−O−基、−CO−基、−NH−基又はこれらの組み合わせから成る基などを例示することができる。
一般式(1)及び(2)においてX、Yが示す検出可能な分子の具体例としては、フルオレスセイン、ローダミン、Cy5、Cy3、テキサスレッド、ルテニウム錯体等に代表される蛍光色素団、ビオチン−アビジン、抗原−抗体、ハプテン−抗体のような特異結合対を形成する物質、フェロセン誘導体に代表される電気化学的検出可能な物質、ルシゲニン誘導体、ルミノール誘導体のような発光性の物質、またいわゆるEIA(酵素免疫測定法)で使用しているような酵素等を挙げることができる。
X、Yが特異結合対を形成する物質である場合、X,Yを介してフルオレスセイン、ローダミン、Cy5、Cy3、テキサスレッド、ルテニウム錯体等に代表される蛍光色素団、フェロセン誘導体に代表される電気化学的検出可能な物質、ルシゲニン誘導体、ルミノール誘導体のような発光性の物質、またいわゆるEIA(酵素免疫測定法)で使用しているような酵素等を結合させることができる。
本発明で用いる電気化学的、光化学的に活性な挿入剤は特に限定されるものではなく、例えばエチジウム、エチジウムブロマイド、アクリジン、アミノアクリジン、アクリジンオレンジ、ビスベンチミド、ジアミノフェニルインドール、プロフラビン、エリブチシン、アクチノマイシンD、チアゾール、クロモマイシン、ドーノマイシン、マイトマイシンC、並びにこれらの誘導体等を用いることができる。また、その他の使用可能な挿入剤としては、特開昭62−282599号公報に記載されたものが挙げられる。
ミスマッチ結合タンパク質の存在下における対照核酸と標的核酸のハイブリダイズにより形成された二本鎖核酸に挿入された挿入剤を検出するための方法には、特に制限はない。例えば、以下のような検出系が考えられる。
本発明の方法において、対照核酸と標的核酸のハイブリダイズにより形成された二本鎖核酸を支持体に固定して使用し、ミスマッチ結合タンパク質と二本鎖核酸を接触させた後、核酸と結合しなかったミスマッチ結合タンパク質を除去し、挿入剤を二本鎖核酸に接触させて二本鎖核酸に挿入された挿入剤を検出する。支持体としては、メンブレンフィルター、マイクロタイタープレート、クロマトグラフィー担体、磁気ビーズ等の固液分離可能な支持体であればよい。
本発明の方法は、遺伝子病患者の罹病が疑われる患者において特定の遺伝子が変異を有するか否かを調べるため、患者由来の遺伝子と健常者の遺伝子が同一の塩基配列を有するか否かを調べることに利用することができる。本発明の方法においては、標的遺伝子のいかなる位置に変異が存在しても検出することが可能であり、検査対象となる遺伝子の変異部位や変異の種類が既知である必要はない点でも優れている。
[実施例1]
(1)DNA断片検出具の作製
スライドガラス表面にシランカップリング剤(信越シリコン社製)を介してビニルスルホニル基を導入した固相担体に、5’末端にアミノヘキシル基を有する下記配列の二種類のオリゴヌクレオチド(1×10−6M)を0.1M炭酸緩衝液(pH9.3)に各々分散させた水性液1μlをスポットAおよびBに点着した後、湿度75%で18時間放置して、DNA断片検出具を作製した。
(1)DNA断片検出具の作製
スライドガラス表面にシランカップリング剤(信越シリコン社製)を介してビニルスルホニル基を導入した固相担体に、5’末端にアミノヘキシル基を有する下記配列の二種類のオリゴヌクレオチド(1×10−6M)を0.1M炭酸緩衝液(pH9.3)に各々分散させた水性液1μlをスポットAおよびBに点着した後、湿度75%で18時間放置して、DNA断片検出具を作製した。
スポットA :5’−GATCAGACACTTCAAGGTCTAGG−3’(配列番号1)
スポットB :5’−GATCAGACAATTCAAGGTCTAGG−3’(配列番号2)
スポットB :5’−GATCAGACAATTCAAGGTCTAGG−3’(配列番号2)
上記2種類のオリゴヌクレオチドは、下線の一塩基が異なる以外は同一とし、スポットAには標準配列、スポットBには比較配列1のオリゴヌクレオチドをそれぞれ固定させた。Iはデオキシイノシンを示す。
(2)試料DNA断片の調製
試料DNA断片として、下記配列(標準配列のオリゴヌクレオチドと完全に相補的な配列であり、正常配列とする)のDNA断片を調製した。
試料DNA断片として、下記配列(標準配列のオリゴヌクレオチドと完全に相補的な配列であり、正常配列とする)のDNA断片を調製した。
試料:5’−CTAGTCTGTGAAGTTCCAGATCC−3’(配列番号3)
(3)ハイブリダイゼーション
DNA断片検出具に、(2)の試料DNA断片(1×10−6M)をハイブリダイゼーション用溶液[4×SSC(インビトロジェン社製)と10重量%のSDS水溶液との混合溶液]20μlに分散させた分散液を点着した。その後Taq-MutS(日本ジーン社製)(1μg/μl)を1μl添加し、表面を顕微鏡用カバーガラスで保護した後、タッパー内にて60℃で2時間インキュベートした。次いでカバーガラスを外し、スライドをSyberGreen溶液(Molecular Probe社製、1000倍希釈TE溶液)に20分浸漬した後、TE(インビトロジェン社製、pH8.0)により洗浄した。
DNA断片検出具に、(2)の試料DNA断片(1×10−6M)をハイブリダイゼーション用溶液[4×SSC(インビトロジェン社製)と10重量%のSDS水溶液との混合溶液]20μlに分散させた分散液を点着した。その後Taq-MutS(日本ジーン社製)(1μg/μl)を1μl添加し、表面を顕微鏡用カバーガラスで保護した後、タッパー内にて60℃で2時間インキュベートした。次いでカバーガラスを外し、スライドをSyberGreen溶液(Molecular Probe社製、1000倍希釈TE溶液)に20分浸漬した後、TE(インビトロジェン社製、pH8.0)により洗浄した。
(4)蛍光強度の測定
得られたDNA断片検出具のスポット部分の蛍光強度(相対値)を、蛍光スキャニング装置(FLA8000、富士写真フイルム社製)で測定した。
得られたDNA断片検出具のスポット部分の蛍光強度(相対値)を、蛍光スキャニング装置(FLA8000、富士写真フイルム社製)で測定した。
[実施例2]
実施例1の(2)において、試料DNA断片として、下記配列(比較配列1のオリゴヌクレオチドと完全に相補的な配列であり、異常配列とする)のDNA断片を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてハイブリダイゼーションおよび蛍光強度の測定を行った。
実施例1の(2)において、試料DNA断片として、下記配列(比較配列1のオリゴヌクレオチドと完全に相補的な配列であり、異常配列とする)のDNA断片を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてハイブリダイゼーションおよび蛍光強度の測定を行った。
試料:5’−CTAGTCTGTTAAGTTCCAGATCC−3’(配列番号4)
[実施例3]
実施例1の(2)において、試料DNA断片として、下記配列(正常配列に対して一塩基のみが変異した配列であり、異常配列とする)のDNA断片を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてハイブリダイゼーションおよび蛍光強度の測定を行った。
実施例1の(2)において、試料DNA断片として、下記配列(正常配列に対して一塩基のみが変異した配列であり、異常配列とする)のDNA断片を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてハイブリダイゼーションおよび蛍光強度の測定を行った。
試料:5’−CTAGTCTGTCAAGTTCCAGATCC−3’(配列番号5)
[結果]
実施例1〜3において得られた結果をまとめて表1に示す。表1に示したように、実施例1では、蛍光強度が、スポットA>スポットB、であることから、試料DNA断片は正常配列のDNA断片であると決定することができた。実施例2では蛍光強度が、スポットA<スポットBであることから、試料DNA断片は異常配列(置換塩基はT)のDNA断片であると決定することができた。また、実施例3でも蛍光強度が、スポットA≒スポットBであることから、試料DNA断片は異常配列(置換塩基は不特定)のDNA断片であると決定することができた。
実施例1〜3において得られた結果をまとめて表1に示す。表1に示したように、実施例1では、蛍光強度が、スポットA>スポットB、であることから、試料DNA断片は正常配列のDNA断片であると決定することができた。実施例2では蛍光強度が、スポットA<スポットBであることから、試料DNA断片は異常配列(置換塩基はT)のDNA断片であると決定することができた。また、実施例3でも蛍光強度が、スポットA≒スポットBであることから、試料DNA断片は異常配列(置換塩基は不特定)のDNA断片であると決定することができた。
[比較例]
比較例として 実施例1−3の(3)ハイブリダイゼーションの操作において、Taq-MutS(1μg/μl)1μlを添加しないこと以外は、同じ操作を行った。得られた結果をまとめて表2に示す。表2に示した比較例1、2、3においてはいずれのスポットの蛍光強度もスポットA≒スポットBであり、標的核酸における変異の有無を決定することができなかった。従って、実施例および比較例の結果から、本発明により、標的核酸の目的部位に変異が生じているか否か、すなわち標的核酸が対照核酸と同一の正常DNA断片であるか、あるいは一塩基多型であるかを判定することができることがわかった。
比較例として 実施例1−3の(3)ハイブリダイゼーションの操作において、Taq-MutS(1μg/μl)1μlを添加しないこと以外は、同じ操作を行った。得られた結果をまとめて表2に示す。表2に示した比較例1、2、3においてはいずれのスポットの蛍光強度もスポットA≒スポットBであり、標的核酸における変異の有無を決定することができなかった。従って、実施例および比較例の結果から、本発明により、標的核酸の目的部位に変異が生じているか否か、すなわち標的核酸が対照核酸と同一の正常DNA断片であるか、あるいは一塩基多型であるかを判定することができることがわかった。
Claims (4)
- 以下の工程を含む、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチを検出する方法。
(a)対照核酸と標的核酸とをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成させる工程
(b)二本鎖核酸にミスマッチ結合タンパク質を接触させて、ミスマッチ部分に結合させる工程
(c)二本鎖核酸を特異的に認識して挿入する挿入剤を二本鎖核酸に接触させる工程
(d)二本鎖核酸に挿入された挿入剤を検出する工程
(e)ミスマッチ結合タンパク質の非存在下および存在下における、挿入剤の二本鎖核酸への挿入量を比較することにより、対照核酸と標的核酸との間のミスマッチの有無を判定する工程 - ミスマッチ結合タンパク質がMutSである請求項1に記載の方法。
- 二本鎖核酸を認識する挿入剤が核酸インターカレーターである、請求項1または2に記載の方法。
- 核酸インターカレーターを蛍光法により検出する、請求項3に記載の方法。
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2006
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