JP2007281022A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強誘電体キャパシタを備える半導体装置に関して、膜の表面の粗さ等によるキャパシタの信頼性及び特性の劣化を抑制する。
【解決手段】基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、前記下部電極膜上に強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成し、前記強誘電体膜上にダミー膜を形成し、平坦化処理を通じて前記ダミー膜と前記強誘電体膜の一部とを除去して前記強誘電体膜の表面を平坦化し、前記強誘電体膜上にキャパシタ用の上部電極膜を形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法、例えば強誘電体キャパシタからなる強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric Random Access Memory)を備える半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、不揮発性、ランダムアクセス可能、微細化可能、低消費電力化、エンデュランス向上、動作スピード向上等の利点への関心から、FeRAMの開発が進展している。FeRAMは、DRAMのキャパシタを構成する誘電体を常誘電体から強誘電体に置き換えたような構造をしている。強誘電体キャパシタを備える半導体装置については例えば、特許文献1に開示されている。
FeRAMでは通常、キャパシタの構成要素として、PZT(Pb(ZrTi1−x)O)やBIT(BiTi12)やSBT(SrBiTa)等の強誘電体による強誘電体薄膜が使用される。これらの強誘電体はいずれも、酸素八面体を基本構造とするペロブスカイト構造を基本とするような結晶構造を持ち、FeRAMの不揮発性記憶用に利用される残留分極を持つ。これらの強誘電体薄膜の成膜プロセスとしては通常、半導体装置の製造プロセスと整合性がとれるゾルゲル法やスパッタ法やMOCVD法(有機金属化学気相成長法)等が採用される。
FeRAMの強誘電体キャパシタは、強誘電体薄膜と上部電極と下部電極等により構成される。PZTやBITやSBT等の強誘電体を採用して強誘電体薄膜を成膜する場合、これらの強誘電体は下部電極上で結晶化するため、下部電極の材料・結晶構造がこれらの強誘電体薄膜に与える影響は大きい。更に、上部電極の材料・結晶構造がキャパシタ特性に与える影響も大きく、上部電極の材料・結晶構造は特に、半導体装置の製造プロセスにおけるキャパシタ劣化やキャパシタ特性の信頼性等に直接影響する。キャパシタのリーク特性、C−V特性、分極特性、電気特性、保持特性、疲労特性等も全て、上部電極・下部電極の材料・結晶構造に密接に関連する。
一方で、FeRAMの強誘電体キャパシタのサイズが数ミクロン□(スクウェア)からサブミクロン□(スクウェア)へと微細化するのに伴って、キャパシタ加工用ハードマスク形成時のCVD、キャパシタ加工時のRIE、層間絶縁膜形成時のCVD等によるキャパシタへのプロセスダメージが増加してきている。そのため、上部電極の改良を通じて、プロセスダメージに対するキャパシタの耐性を向上させる事が要望されている。FeRAMの高集積化を実現するには、強誘電体キャパシタの微細化に伴う強誘電体キャパシタへのプロセスダメージの増加(キャパシタ劣化)に対して対策を講じる事で、キャパシタ特性の信頼性の低下を防止する必要がある。
FeRAMの強誘電体キャパシタの微細化が進展すると、以上のようなキャパシタ劣化やキャパシタ特性の信頼性の低下が起き易くなり、キャパシタの分極が安定しなくなる。よって近年、キャパシタの特性や信頼性を確保すべく、MOCVD法(有機金属化学気相成長法)による強誘電体のin−situ結晶化(成膜同時結晶化)によって強誘電体膜を成膜する事が検討されている。MOCVD法には、成膜速度が速い、成膜時に格子欠陥を生じ難い、組成制御が容易、装置構成が簡単で量産性が高い、ステップカバレッジ性が高い等の利点があり、MOCVD法により成膜される膜は膜質が良い。更に、in−situ結晶化による成膜によれば、強誘電体膜と下部電極との界面における格子欠陥(ディフェクト)の発生が抑制され、分極量増加、飽和特性改善、リテンション・インプリント劣化抑制等が実現可能になる。更に、in−situ結晶化による成膜によれば、膜中における気泡(ポア)の発生が抑制され、緻密な膜が成膜される。そのため、キャパシタを作り込む際のキャパシタへの水素の侵入が防止され、キャパシタ劣化やキャパシタ特性の信頼性の低下が抑制される。
しかしながら、強誘電体のin−situ結晶化によって成膜される強誘電体膜には、その表面の凹凸が大きいという欠点がある。これにより、キャパシタ加工時(RIE)の形状制御が困難、上部電極の成膜が不均一化する、キャパシタ周辺の形状安定化が困難、キャパシタリーク電流が増加する等の問題が発生する。強誘電体膜の表面の凹凸(粗さ)は、成膜温度、成膜条件、膜の結晶配向性、膜厚等によって変化するものの、基本的には膜厚の20乃至30%程度以上の凹凸(粗さ)を示す事が解っている。
特開2004−214569号公報
本発明は、強誘電体キャパシタを備える半導体装置に関して、膜の表面の粗さ等によるキャパシタの信頼性及び特性の劣化を抑制することを課題とする。
本発明は、基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、前記下部電極膜上に強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成し、前記強誘電体膜上にダミー膜を形成し、平坦化処理を通じて前記ダミー膜と前記強誘電体膜の一部とを除去して前記強誘電体膜の表面を平坦化し、前記強誘電体膜上にキャパシタ用の上部電極膜を形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法に係る。
本発明は、基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、前記下部電極膜上に第1の強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成し、前記第1の強誘電体膜上に第2の強誘電体膜を、溶液塗布法によって、溶液浸漬法によって、バイアススパッタ法によって、又は平坦化処理を通じてその表面を平坦化することによって形成し、前記第2の強誘電体膜上にキャパシタ用の上部電極膜を形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法に係る。
本発明は、基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、前記下部電極膜上に強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成し、前記強誘電体膜上にキャパシタ用の上部電極膜を、溶液塗布法によって、溶液浸漬法によって、バイアススパッタ法によって、又は平坦化処理を通じてその表面を平坦化することによって形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法に係る。
本発明は、基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、前記下部電極膜上に、下地膜として、所定の方向に配向している配向膜又はアモルファスの結晶化によって形成される結晶膜を形成し、前記下地膜上に強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法に係る。
本発明は、基板の上に形成されたキャパシタ用の下部電極膜と、前記下部電極膜上に形成され、上面に凹凸を有する第1の強誘電体膜と、前記第1の強誘電体膜とキャパシタ用の上部電極膜との間に形成され、上面の凹凸差の最大値が、前記第1の強誘電体膜の前記上面の凹凸差の最大値よりも小さい、第2の強誘電体膜と、前記第2の強誘電体膜上に形成されたキャパシタ用の上部電極膜とを具備する事を特徴とする半導体装置に係る。
本発明は、基板の上に形成されたキャパシタ用の下部電極膜と、前記下部電極膜上に形成され、上面に凹凸を有する強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成され、上面の凹凸差の最大値が、前記強誘電体膜の前記上面の凹凸差の最大値よりも小さい、キャパシタ用の上部電極膜とを具備する事を特徴とする半導体装置に係る。
本発明は、基板の上に形成されたキャパシタ用の下部電極膜と、前記下部電極膜上に形成され、所定の方向に配向している配向膜又はアモルファスの結晶化によって形成された結晶膜である下地膜と、前記下地膜上に形成された強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成されたキャパシタ用の上部電極膜とを具備する事を特徴とする半導体装置に係る。
本発明により、強誘電体キャパシタを備える半導体装置に関して、キャパシタの信頼性及び特性の劣化を確保することが可能になる。
(第1実施例)
図1は、第1実施例の半導体装置を示す側方断面図である。
図1に示す半導体装置は、基板101と、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105を具備する。基板101は、シリコン基板である。基板101には、第1の導電型(例えばP型)の拡散層101Aと、第2の導電型(例えばN型)のソースドレイン拡散層101Bが存在する。ゲート絶縁膜102は、シリコン酸化膜からなり、基板101上に形成されている。ゲート電極膜103は、下位層のポリシリコン膜及び上位層のタングステンシリサイド(WSi)膜からなり、ゲート絶縁膜102上に積層的に形成されている。キャップ膜104は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの上面に形成されている。サイドウォール膜105は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの側面に形成されている。これらの部材等により、MOS型の電界効果トランジスタが拡散層101A(基板101)の上に形成されている。
図1に示す半導体装置は、第1,第2,第3,第4の層間絶縁膜111A,B,C,Dと、第1,第2のプラグ層112A,Bと、第1,第2のバリア層113A,Bとを具備する。層間絶縁膜111A,B,C,Dは、それぞれシリコン酸化膜,シリコン酸化膜,シリコン窒化膜,シリコン酸化膜からなり、トランジスタに覆い被さるような態様で形成されている。プラグ層112A,Bは、それぞれポリシリコン層,タングステン(W)層からなる。バリア層113A,Bは、それぞれTi層又は/及びTiN層,TaSiN層又は/及びTiAlN層からなる。
図1に示す半導体装置は、キャパシタ用の下部電極膜121と、強誘電体膜122と、キャパシタ用の上部電極膜123と、マスク膜124と、カバー膜125とを具備する。下部電極膜121は、Ir(イリジウム)膜からなり、バリア層113B上に形成されている。強誘電体膜122は、MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化によって形成されたPZT膜からなり、下部電極膜121上に形成されている。上部電極膜123は、下位層のSRO(SrRuO)膜及び上位層のIrO(イリジウムオキサイド)膜からなり、強誘電体膜122上に積層的に形成されている。マスク膜124は、下位層のアルミニウム酸化膜及び上位層のシリコン酸化膜からなり、上部電極膜123上に積層的に形成されている。カバー膜125は、アルミニウム酸化膜又はシリコン窒化膜からなり、バリア層113Bと、下部電極膜121と、強誘電体膜122と、上部電極膜123と、マスク膜124に覆い被さるような態様で形成されている。これらの部材等により、スタック型の強誘電体キャパシタがソースドレイン拡散層101B(基板101)の上に形成されている。
図1に示す半導体装置は、第5の層間絶縁膜111Eと、第3のプラグ層112Cと、第1の配線層114Aとを具備する。層間絶縁膜111Eは、シリコン酸化膜からなり、キャパシタに覆い被さるような態様で形成されている。プラグ層112Cは、W(タングステン)層、Al(アルミニウム)層、Cu(銅)層、又はAl−Cu合金層からなる。配線層114Aは、Al層、Cu層、又はAl−Cu合金層からなる。
なお、プラグ層112Aは、ソースドレイン拡散層101Bに接するような態様で形成されている。プラグ層112Bは、バリア層113Aを介してプラグ層112Aに電気的に接続されている。プラグ層112Bは、バリア層113Bを介して下部電極膜121に電気的に接続されている。プラグ層112Cは、上部電極膜123に電気的に接続されている。プラグ層112Cは、配線層114Aに電気的に接続されている。
図2A乃至Fは、第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図である。
先ず、図2Aのように、基板101上に、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105と、層間絶縁膜111A,B,C,Dと、プラグ層112A,Bと、バリア層113A,Bが既知の方法で形成される。拡散層101Aと、ソースドレイン拡散層101Bも既知の方法で形成される。
次に、図2Bのように、全面に堆積されているバリア層113B上に、スパッタ法又はCVD法により、Ir膜(下部電極膜121)を形成する。次に、全面に堆積されているIr膜上に、有機金属錯体を液体に溶かした液体原料を用いたMOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により、PZT膜(強誘電体膜122)を形成する。PZT膜の表面には、in−situ結晶化に起因する凹凸が形成される。次に、全面に堆積されているPZT膜上に、ダミーとして利用されるダミー膜131を形成する。ダミー膜131は例えば導電体膜でも誘電体膜(例えば強誘電体膜)でもよく、ダミー膜131の形成方法は例えばゾルゲル法でもスパッタ法でもCVD法でもよい。
次に、図2Cのように、CMP法(化学機械研磨法)又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されているダミー膜131の全部又は一部と強誘電体膜122の一部を除去して、強誘電体膜122の表面を平坦化する。強誘電体膜122の表面では、in−situ結晶化に起因する凹凸が平坦化される。ダミー膜131は全部除去しても全部除去しなくてもよいが、ダミー膜131が一部残存する場合には、ダミー膜131は強誘電体膜(特に強誘電体膜122と同一組成の強誘電体膜)である事が望ましい。本実施例では、成膜同時結晶化された膜質の良い強誘電体膜を用いた半導体装置において、ダミー膜131の平坦化又はダミー膜131を介して強誘電体膜122の平坦化を行っているため、CMP時の電極界面への応力等による強誘電体膜122の界面欠陥の発生やCMP等の残留物の付着を防止して、電気特性の劣化を更に抑制することができる。
次に、図2Dのように、全面に堆積されているPZT膜上に、スパッタ法又はCVD法により、SRO膜(上部電極膜123の下位層)を形成する。ここで、SRO膜をアモルファス状態にて成膜した場合には、SRO膜の結晶化のためのRTA等のアニール処理を実施する。次に、全面に堆積されているSRO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、IrO膜(上部電極膜123の上位層)を形成する。IrO膜は、水素等の還元性雰囲気中では自ら還元されるバッファ膜として働き、同時に酸素に対する高いバリア性を示す。SRO膜及びIrO膜の積層膜には、還元性ガスに対するバリア性が強化される、IrOが還元されて生成されるIrのPZT膜中への拡散が防止される等の利点がある。IrO膜については、成膜後に熱処理により緻密化、結晶化等を行ってもよい。
次に、全面に堆積されているIrO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(マスク膜124の下位層)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(マスク膜124の上位層)を形成する。次に、図2Eのように、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の上位層をエッチング加工する。次に、RIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の下位層、上部電極膜123の上位層、上部電極膜123の下位層、強誘電体膜122、下部電極膜121、及びバリア層113Cをエッチング加工する。
次に、図2Fのように、マスク層124上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(カバー膜125)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(層間絶縁膜111E)を形成する。次に、CMP法又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eの一部を除去して、層間絶縁膜111Eの表面を平坦化する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111E及びカバー膜125、更にマスク膜124の上位層及びマスク膜124の下位層をエッチング加工して、プラグ層112Cを埋め込むコンタクトホールを形成する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eをエッチング加工して、配線層114Aを埋め込む配線溝を形成する。次に、PZT膜のダメージ回復のためのアニール処理(アニール条件は例えば、酸素雰囲気、摂氏600乃至650度、30乃至60分)を実施する。この際、ダメージが小さい場合には、本アニール工程を省略してもよい。次に、スパッタ法又はCVD法により、プラグ層112C及び配線層114Aの形成部材をコンタクトホール内及び配線溝内に埋め込み、隣接するキャパシタ同士を接続するデュアルダマシン構造のプラグ層112C及び配線層114Aを形成する。
さて、第1実施例では、強誘電体膜122の形成直後には、強誘電体膜122の表面はin−situ結晶化のせいで凸凹しているが、上部電極膜123の形成開始までには、強誘電体膜122の表面は平坦化処理のおかげで平坦になっている。よって、強誘電体膜122上に形成される上部電極膜123の表面、すなわち、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との界面も平坦になる。これによって、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との接合が良好になる。なお、上部電極膜123の表面の平坦性に関して、上部電極膜123の表面の(微小)凹凸の平均粗さは2.0乃至5.0nmである事が望ましい。これによって、上部電極膜123に対するリソグラフィの際のフォーカスが均一になる。また、キャパシタのRIE加工が容易となり、キャパシタ側面を均一に加工することができる。さらに、電気特性及び信頼性の面では、上部電極のカバレッジが均一となるため、上方からの還元性ダメージをうけにくくなる。強誘電体膜の薄い部分に電界集中がおきて、リーク電流が増加する、絶縁耐圧が低下する、疲労特性が劣化する、リテンション特性が悪くなるなどの悪影響を抑制することができる。これらの効果は、特に強誘電体膜の膜厚が100nm以下になると顕著となる。このような例の他、in−situ結晶化によって形成される強誘電体膜122が半導体装置に与える上述の種々の悪影響が、強誘電体膜122の平坦化処理によって防止されて、半導体装置の信頼性や半導体装置の製品の歩留まりが向上される。
以下、下部電極膜121の詳細及び変形例について説明する。
下部電極膜121の材料としては、従来はTi/Pt積層膜(膜厚は例えば20nm/200nm)が主流だった。下部電極膜121の構造としては、キャパシタサイズを縮小すべく、最近は下部電極用コンタクトプラグ上に下部電極膜121を形成するCOP構造が主流となってきている。接続プラグにはドーピングされたポリシリコンやタングステンが使用されるが、強誘電体膜122の結晶化プロセスにおいてRTO等の酸素雰囲気中の熱処理が必要となるために、下部電極膜121を通しての接続プラグ表面の酸化が問題となる。この酸化を防止する目的で、下部電極膜121の材料として、Ir系の金属が使用される。例としてはTi/Ir積層膜、TiAlN/Ir積層膜、Ti/Ir/IrO/Pt積層膜等が挙げられる。Ir膜上やPt膜上に、SrRuO、LaNiO、(La,Sr)CoO、YBCO等のペロブスカイト結晶格子を持つ導電性酸化膜や、IrO、RuO、RhO等の貴金属酸化物からなる導電性酸化膜を形成してもよい。これらの導電性酸化物を貴金属電極間に介在させることで、キャパシタの疲労特性、インプリント特性、リテンション特性を改善することが可能となる。これは第1に、導電性酸化膜から強誘電体膜122に対して界面で酸素供給がなされるため、強誘電体膜122の酸素欠損が補償されるからである。そして第2に、導電性酸化膜の材料を強誘電体膜122と結晶構造が同じ材料又は格子マッチングが可能な材料とすることで、強誘電体膜122と導電性酸化膜との界面が構造的・電気的に良好になるからである。
以下、強誘電体膜122の詳細及び変形例について説明する。
強誘電体膜122は、MOCVD法を用いた成膜同時結晶化により下部電極膜121上に形成される。高誘電率膜や強誘電体膜のMOCVDでは、一般に原料の蒸気圧が低いことから、有機金属錯体原料を有機溶媒に溶かし常温で溶液の状態のまま気化器へ導入し強制的に気化させる溶液気化法が広く用いられている。この方式には、固体昇華法と比較して、原料の供給量の制御が容易、原料の供給量を増加させる事で高誘電率膜や強誘電体膜の成膜速度を増加させる事が可能、溶液の残量をレベルセンサ等でモニタする事が可能等の利点がある。MOCVD原料の条件としては、選択成長が容易であること、カーボンやパーティクル等の膜中への残留が少なく高純度な膜を成膜可能であること、液体のときの蒸気圧が高く供給が容易であること、経時変化がなく安定でかつ保管が可能であること、毒性が低く環境や人体に対して安全であること等が挙げられる。強誘電体膜122の表面には、最大粗さが例えば50乃至150nm(例えば80nm)の凹凸が形成される。
強誘電体膜122として例えばPZT系の膜を形成する場合には、強誘電体膜122の原料として、Pb(dpm)2、Zr(dpm)4、Zr(O・t−C4H9)4、Ti(O・i−C3H7)4等を用いる。これらの原料は、THF(テトラハイドロフラン)に溶解し液体原料とする。続いて、これらの液体原料を、HeやAr等の不活性ガスをキャリアガスとして圧送し気化器に噴霧してガス化する。続いて、酸化剤である酸素や亜酸化窒素等をシャワープレートを介してチャンバ内に導入し、チャンバ内で基板101上に強誘電体膜122を成膜する。また、強誘電体膜122の原料として、Pb、Zr、Tiを含む溶液(カクテルソース)を使用してもよい。この場合、基板101の温度は摂氏400乃至650度とし、ガスの供給量の制御によりPZT膜の組成を制御する。例えば、Pbの割合がA/B比で1.15程度、Zr/Ti比が35/65となるように制御してPZT膜を成膜する。この際、PZTがペロブスカイト構造のPZT膜として結晶化されるような成膜条件を適用する。ここではPZTが成膜と同時に結晶化される(in−situ結晶化される)ため、下部電極膜121と強誘電体膜122との界面における陽イオン過剰、陽イオン欠損、酸素欠損等の欠陥生成が抑制される。このことが強誘電体特性、疲労特性、インプリント特性、リテンション特性の劣化の防止につながる。強誘電体膜122の膜厚はここでは70乃至150nmである。
強誘電体膜122として例えばSBT系の膜を形成する場合には、強誘電体膜122の原料として、Sr(dpm)2/THF、Bi(C6H5)3、Bi(CH3)3、Bi(C2H5)3、フェニル基やトリル基を有する固体原料、Ta(OC2H5)5、Nb(OC2H5)5、Ta(C2H5)5等を用いる。これらの液体原料を、HeやAr等の不活性ガスをキャリアガスとして圧送し気化器に噴霧してガス化する。あるいはこれらの液体原料を、バブリング法により気化器へと導入する。続いて、酸化剤である酸素や亜酸化窒素等をシャワープレートを介してチャンバ内に導入し、チャンバ内で基板101上に強誘電体膜122を成膜する。また、強誘電体膜122の原料として、Sr、Bi、Ta、Nbを含む溶液(カクテルソース)を使用してもよい。この場合、基板101の温度は摂氏400乃至650度とし、ガスの供給量の制御によりPZT膜の組成を制御する。この際、SBT又はSBTNがBi層状化合物構造のSBT膜又はSBTN膜として結晶化されるような成膜条件を適用する。ここではSBT又はSBTNが成膜と同時に結晶化される(in−situ結晶化される)ため、下部電極膜121と強誘電体膜122との界面における陽イオン過剰、陽イオン欠損、酸素欠損等の欠陥生成が抑制される。このことが強誘電体特性、疲労特性、インプリント特性、リテンション特性の劣化の防止につながる。強誘電体膜122の膜厚はここでは70乃至150nmである。
強誘電体膜122の具体例として、PZT系の膜(Pb(ZrTi1−x)O等)及びSBT系の膜(SrBiTa等)の他には、BIT系の膜(BiTi12等)を挙げる事ができる。
以下、ダミー膜131の詳細及び変形例について説明する。
ダミー膜131は、表面に凹凸が形成された強誘電体膜122の表面上に、例えばゾルゲル法等のCSD(Chemical Solution Deposition)法を用いて形成される。ダミー膜131は、強誘電体膜122と同じ組成の強誘電体膜である事が望ましいが、強誘電体膜122と異なる組成の強誘電体膜や強誘電体以外の誘電体による誘電体膜(BST((Ba,Sr)TiO)、STO(SrTiO)SiN(SiN)、SiO、TiO、Al等)でもよい。ダミー膜は全て除去してもよいが、一部残存していてもよく、一部残存することによって、強誘電体膜及びダミー膜の界面の凹凸によりその部分での格子歪を緩衝することができる。また、強誘電体膜の粒界部を通じて発生するリーク電流をダミー膜で低減することが可能となる。ダミー膜131を強誘電体膜とする事が特に望ましいのは、図1や図2のように、強誘電体膜122の表面の平坦化後に、強誘電体膜122を構成する結晶の窪みや隙間等にダミー膜131が残存する場合等である。ダミー膜が強誘電体の場合には、分極量を十分に確保することができる。ダミー膜131が強誘電体膜122と同じ組成である場合、抗電界が同じであるため、膜間の抗電界の違いに起因して発生するリーク電流が小さい、絶縁破壊電圧が高いという効果を有する。また、ダミー膜131が強誘電体膜122と異なる組成の強誘電体膜の場合、強誘電体膜及びダミー膜の界面部分でのドメイン壁の挙動を制御することが可能となり、抗電界をかえて飽和特性を改善し、信号量を増加することが可能となる、という効果を有する。ダミー膜131が強誘電体膜122と異なる組成の強誘電体膜の例として、例えば強誘電体膜122がPZT系の膜でZr/Tiが60/40であり、ダミー膜131がPZT系の膜でZr/Tiが40/60である場合等のように、キャパシタ絶縁膜のうち下層の膜がZrリッチの膜であり上層の膜がTiリッチの膜であると、下部電極界面付近の結晶膜にかかる応力・歪を低減することができ、かつTiリッチの膜の特性として分極量が大きい、角型比がよいなどの効果を有する。また、例えば第1の強誘電体膜122がPZT系の膜でZr/Tiが30/70であり、第2の強誘電体膜がPZT系の膜でZr/Tiが40/60である場合等のように、キャパシタ絶縁膜のうち下層の膜が上層の膜よりもTiリッチの膜であると、PZT膜が下部電極の配向(111配向など)にそろった方向で配向しやすくなり分極量が増加する、飽和特性が良好となるなどの効果を有する。ダミー膜131をSBT膜とする場合には例えば、SrとTaを含むアルコキシドと酢酸Bi水和物とを用いたゾルゲル法や、カルボン酸金属塩を用いたMOD法等の溶液塗布法で、強誘電体膜122上にアモルファス膜を成膜する。そして、アモルファス膜が乾燥した後に、酸素雰囲気中でRTO等の工程により結晶化アニールを実施する。この際、塗布と乾燥と結晶化アニールプロセスとを繰り返す事にしてもよい。また、ダミー膜131をSiOやTiO等の誘電体膜とする場合例えば、ゾルゲル法やMOD等の溶液塗布法、溶液浸漬法、バイアススパッタ法等のスパッタ法、ミストCVD法等のCVD法、蒸着法等でダミー膜131を形成する事が可能である。ダミー膜131を強誘電体膜とする場合も同様に、これらの方法でダミー膜131を形成する事が可能である。なお、ダミー膜131を溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜すると、表面が平坦なダミー膜131が成膜される。このダミー膜131の表面の凹凸の平均粗さ(Ra)は、5nm以下の数nm程度となる。この値は、MOCVD膜の表面の凹凸の平均粗さよりも小さい。
続いて、RIEやCMP等の手法により、ダミー膜131をエッチバック又は研削し、基板101の表面に強誘電体膜122が露出するようにする。RIEを用いる場合には、温度を摂氏200乃至300度にする、塩素系・フッ素系ガスを使用する、バイアス電圧を印加する等の方法により、強誘電体膜122とダミー膜131との選択比を小さくし、全面均一にエッチバックするようにすると、強誘電体膜122の表面(露出面)のRaが5nm以下となる。CMPを用いる場合には、ダミー膜131の表面を平坦化して行く事により、基板101の表面に強誘電体膜122を露出させ、強誘電体膜122の表面(露出面)のRaを5nm以下とする。これらの平坦化工程においては、キャパシタの特性を向上させるために強誘電体膜122を露出させるが、キャパシタの特性の劣化が許容範囲内ならば、強誘電体膜122上の一部にダミー膜131が残留してもよい。平坦化工程の後に、平坦化工程で生じた強誘電体膜表面の結晶構造ダメージを回復する目的で、アニール処理をほどこしてもよい。例えば、摂氏600度のRTO処理により欠陥のはいったペロブスカイト構造を回復させることが可能である。
以下、上部電極膜123の詳細及び変形例について説明する。
上部電極膜123としては、PtやIr等の貴金属からなる貴金属膜が使用される事が多いが、マスク膜124や層間絶縁膜111EのCVD形成時、キャパシタのRIE加工時、フォーミングガス中でのシンター工程時等のキャパシタへのダメージを抑制すべく、上部電極膜123として、ABO型(AとBは金属元素、Oは酸素元素、xは自然数)のペロブスカイト構造を持つ導電性酸化物からなる導電性酸化膜若しくはMO型(Mは金属元素、Oは酸素元素、xは自然数)の導電性酸化物からなる導電性酸化膜又はこれらの積層膜を使用してもよい。ABO型導電性酸化物の多くはペロブスカイト構造を持つ。金属元素Aの代表例としては、Pb、Ba、Sr、Ca等のアルカリ土類金属元素が挙げられる。金属元素Bの代表例としては、Ti、Nb、Mg、Zr、Zn、Ta、W、Mn等の金属元素が挙げられる。ABOの「x」は典型的には「3」であり、酸素の過剰・欠損状態により変化し得る。ABO型導電性酸化物の具体例としては、SrRuO(SRO)やLaNiO(LNO)や(La,Sr)CoOやYBCO(超伝導体)が挙げられる。上部電極膜123の具体例としては、SROとIrOの積層膜が挙げられる。また、ペロブスカイト構造やMO型でないものでも、金属酸化物からなる導電性膜であれば使用可能である。なお、強誘電体膜122と上部電極膜123との界面での酸素欠損等の欠陥は、その後のキャパシタ作製プロセスにおいて、還元性プロセスダメージ耐性、疲労特性劣化、リテンション劣化、インプリント劣化への影響が大きい。
以下、本実施例のキャパシタについて説明する。
以上の説明のようにして0.5μm×0.5μm以下のサイズのキャパシタを作製したところ、分極量(残留分極量、分極反転電荷量、スイッチングチャージ量等)は30μC/cm以上を示し、疲労・リテンション・インプリント特性を考慮しても十分な分極量を確保する事ができた。同様にして0.3μm×0.3μm以下のサイズのキャパシタを作製したところ、分極量は20μC/cm以上を示し、疲労・リテンション・インプリント特性を考慮しても十分な分極量を確保する事ができた。
さて、強誘電体キャパシタを備える強誘電体メモリ(FeRAM)や混載メモリでは、メモリの高集積化に伴って、キャパシタセルサイズの縮小が必要となる。キャパシタセルサイズを縮小する際には、半導体装置を問題なく動かすのに必要な信号量を確保しつつ、チップ内に占めるキャパシタ占有面積を減少しなくてはならない。だが、キャパシタセルサイズの縮小には、バックエンドダメージへの影響が大きいという問題がある。
しかしながら、第1実施例では、強誘電体膜122と上部電極膜123との界面が平坦なキャパシタを作製する事ができるため、強誘電体特性・インプリント・リテンション等の信頼性が良く、プロセスダメージ耐性に強く、リーク電流が少なく均一な特性のキャパシタを実現する事ができる。さらには、強誘電体膜122の表面の平坦化の効果により、キャパシタの絶縁耐性が向上される。実験では、キャパシタの絶縁耐性の値が2桁分上昇した。
また、第1実施例では、強誘電体膜122と下部電極膜121との界面を欠陥の少ないものとする事ができ、強誘電体膜122の表面の粗さを小さくする事で更に、リーク電流の低減や絶縁耐圧の増加を達成する事ができる。更に、MOCVD法により形成した緻密な強誘電体膜122のおかげで、プロセス劣化の少ないキャパシタが得られるとともに、小さなキャパシタ占有面積でも十分なキャパシタ信号量を得ることが可能になる。即ち、強誘電体膜122によるサブミクロンキャパシタの特性確保と、プロセスダメージ耐性の向上が実現される。このように、第1実施例では、半導体装置の製造工程におけるバックエンドダメージによるキャパシタ特性の劣化を減少させる事ができ、半導体装置の信頼性が向上される。
以下、本実施例のキャパシタの高温RIE加工について説明する。
貴金属を使用した強誘電体キャパシタをRIE加工する際には通常、Pt膜やIr膜等の加工が難しい(蒸気圧の高いガス種の形成が難しい。キャパシタ側面に貴金属からなるフェンスが形成される)事から、テーパ角の小さなキャパシタを作製する。しかし、これでは微細なキャパシタを形成する事は困難である。そこで、高密度FeRAMを実現するには、よりテーパ角の大きなキャパシタを作製する必要がある。そのための1つの方法として、強誘電体キャパシタの高温RIE加工が考えられる。以下、強誘電体キャパシタの高温RIE加工の具体例について説明する。
先ず、マスク膜124の成膜後に、フォトレジストを用いて、マスク膜124をキャパシタの加工マスク形状にRIE加工する。当該RIE加工は、CHFやCF等のハロゲン系のガスを用いて室温にて実施する。次に、マスク膜124のRIE加工に用いたフォトレジストをアッシング工程にて除去する。次に、マスク膜124を利用して、上部電極膜123をRIE加工する。当該RIE加工には、ハロゲンガスを使用する。当該RIE加工は、Cl、O、Ar等の混合ガスを使用して、基板101の温度を摂氏250乃至400度と高温にして実施する。
次に、同じくCl、CF、O、Ar等のハロゲンガスをベースとした混合ガスを使用して、強誘電体膜(PZT膜)122の高温RIE加工を実施する。次に、下部電極膜121を加工するのだが、下部電極膜121はここではTi/Ir積層膜であるとする。下部電極膜121のIr膜については、強誘電体膜122と同様のプロセスにて高温RIE加工を実施する。下部電極膜121のTi膜については、ClとArの混合ガスを用いた高温RIE加工を実施する。なお、マスク膜124の厚さは、下部電極膜121の加工が完了するまでマスク膜124の形状が維持される程度の厚さになっているため、繰り返し実施されるRIE加工を通じて、マスク膜124の厚さは減少するものの、マスク膜124の形状は維持されるものとする。次に、RIE加工工程が完了した基板101の水リンスを実施する事で、キャパシタ加工工程が完了する。
次に、バックエンド工程(配線工程)により、キャパシタ部、トランジスタ部、配線部をそれぞれ接続する。多層配線工程の詳細は省略するが、絶縁膜形成(CVD、塗布・熱処理等によるシリコン酸化膜、低誘電率膜、有機膜等の形成、シリコン窒化膜等のバリア膜の形成)や、接続孔・溝形成(酸化膜RIE等)や、バリア膜成膜(TiN、Ta、TaN等のスパッタ、CVD成膜等)や、配線形成(Alスパッタ、Cuスパッタ、めっき処理、アニール処理等)や、配線加工(Al RIE、Cu CMP等)等の一連の工程を含む。また、多層配線を形成した後、パシベーション膜としてシリコン窒化膜をCVDにて形成し、パッド部を開孔する。
この強誘電体キャパシタの疲労特性を評価した。0.4μm×0.4μmの面積に相当するアレイで疲労特性を評価したところ、1×1012サイクルまで分極量の変化がなく、リーク電流も2.5V印加時で10−7A/cmオーダーと低い値であった。
なお、強誘電体膜122は、PZT膜以外に、SBT膜やそのNb添加物やBLT膜や様々な添加元素を加えたPZT膜やPLZT膜等でもよい。また、下部電極膜121は、Ti膜やIr膜以外に、Pt膜やRu膜やRuO膜やIrO膜やこれらの混合物による膜やこれらの積層膜等でもよい。また、上部電極膜123を構成する貴金属酸化物材料については、IrOに限定されるものではなく、RuOやRhOやPtO(MO型導電性酸化物)等の貴金属酸化物や、これらの混合物や、これらを主成分とする混合物や、これらとPt等との混合物等でも同様の効果が期待できる。
(第2実施例)
図3は、第2実施例の半導体装置を示す側方断面図である。図3について、第1実施例の半導体装置との相違点を中心に説明する。
図3に示す半導体装置は、基板101と、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105を具備する。基板101は、シリコン基板である。基板101には、第1の導電型(例えばP型)の拡散層101Aと、第2の導電型(例えばN型)のソースドレイン拡散層101Bが存在する。ゲート絶縁膜102は、シリコン酸化膜からなり、基板101上に形成されている。ゲート電極膜103は、下位層のポリシリコン膜及び上位層のタングステンシリサイド(WSi)膜からなり、ゲート絶縁膜102上に積層的に形成されている。キャップ膜104は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの上面に形成されている。サイドウォール膜105は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの側面に形成されている。これらの部材等により、MOS型の電界効果トランジスタが拡散層101A(基板101)の上に形成されている。
図3に示す半導体装置は、第1,第2,第3,第4の層間絶縁膜111A,B,C,Dと、第1,第2のプラグ層112A,Bと、第1,第2のバリア層113A,Bとを具備する。
図3に示す半導体装置は、キャパシタ用の下部電極膜121と、第1の強誘電体膜122Aと、第2の強誘電体膜122Bと、キャパシタ用の上部電極膜123と、マスク膜124と、カバー膜125とを具備する。下部電極膜121は、Ir(イリジウム)膜からなり、バリア層113B上に形成されている。第1の強誘電体膜122Aは、MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化によって形成された第1のPZT膜からなり、下部電極膜121上に形成されている。第2の強誘電体膜122Bは、第2のPZT膜からなり、第1の強誘電体膜122A上に形成されている。上部電極膜123は、下位層のSRO(SrRuO)膜及び上位層のIrO(イリジウムオキサイド)膜からなり、第2の強誘電体膜122B上に積層的に形成されている。マスク膜124は、下位層のアルミニウム酸化膜及び上位層のシリコン酸化膜からなり、上部電極膜123上に積層的に形成されている。カバー膜125は、アルミニウム酸化膜からなり、バリア層113Bと、下部電極膜121と、第1の強誘電体膜122Aと、第2の強誘電体膜122Bと、上部電極膜123と、マスク膜124に覆い被さるような態様で形成されている。これらの部材等により、スタック型の強誘電体キャパシタがソースドレイン拡散層101B(基板101)の上に形成されている。
図3に示す半導体装置は、第5の層間絶縁膜111Eと、第3のプラグ層112Cと、第1の配線層114Aとを具備する。
図4A乃至Fは、第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図である。図4A乃至Fについて、第1実施例の半導体装置の製造方法との相違点を中心に説明する。
先ず、図4Aのように、基板101上に、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105と、層間絶縁膜111A,B,C,Dと、プラグ層112A,Bと、バリア層113A,Bが既知の方法で形成される。拡散層101Aと、ソースドレイン拡散層101Bも既知の方法で形成される。
次に、図4Bのように、全面に堆積されているバリア層113B上に、スパッタ法又はCVD法により、Ir膜(下部電極膜121)を形成する。次に、全面に堆積されているIr膜上に、有機金属錯体を液体に溶かした液体原料を用いたMOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により、第1のPZT膜(第1の強誘電体膜122A)を形成する。第1のPZT膜の表面には、in−situ結晶化に起因する凹凸が形成される。次に、全面に堆積されている第1のPZT膜上に、スパッタ法又はCVD法により、第2のPZT膜(第2の強誘電体膜122B)を形成する。
次に、図4Cのように、CMP法(化学機械研磨法)又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されている第2の強誘電体膜122Bの一部を除去して、第2の強誘電体膜122Bの表面を平坦化する。
次に、図4Dのように、全面に堆積されている第2のPZT膜上に、スパッタ法又はCVD法により、SRO膜(上部電極膜123の下位層)を形成する。ここで、SRO膜をアモルファス状態にて成膜した場合には、SRO膜の結晶化のためのRTA等のアニール処理を実施する。次に、全面に堆積されているSRO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、IrO膜(上部電極膜123の上位層)を形成する。IrO膜は、水素等の還元性雰囲気中では自ら還元されるバッファ膜として働き、同時に酸素に対する高いバリア性を示す。SRO膜及びIrO膜の積層膜には、還元性ガスに対するバリア性が強化される、IrOが還元されて生成されるIrの第2のPZT膜中への拡散が防止される等の利点がある。IrO膜については、成膜後に熱処理により緻密化、結晶化等を行ってもよい。
次に、全面に堆積されているIrO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(マスク膜124の下位層)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(マスク膜124の上位層)を形成する。次に、図4Eのように、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の上位層をエッチング加工する。次に、RIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の下位層、上部電極膜123の上位層、上部電極膜123の下位層、第2の強誘電体膜122B、第1の強誘電体膜122A、下部電極膜121、及びバリア層113Cをエッチング加工する。
次に、図4Fのように、マスク層124上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(カバー膜125)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(層間絶縁膜111E)を形成する。次に、CMP法又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eの一部を除去して、層間絶縁膜111Eの表面を平坦化する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111E及びカバー膜125、更にマスク膜124の上位層及びマスク膜124の下位層をエッチング加工して、プラグ層112Cを埋め込むコンタクトホールを形成する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eをエッチング加工して、配線層114Aを埋め込む配線溝を形成する。次に、第1のPZT膜のダメージ回復のためのアニール処理(アニール条件は例えば、酸素雰囲気、摂氏600乃至650度、30乃至60分)を実施する。この際、ダメージが小さい場合には、本アニール工程を省略してもよい。次に、スパッタ法又はCVD法により、プラグ層112C及び配線層114Aの形成部材をコンタクトホール内及び配線溝内に埋め込み、隣接するキャパシタ同士を接続するデュアルダマシン構造のプラグ層112C及び配線層114Aを形成する。
さて、第2実施例では、第1の強誘電体膜122Aの表面はin−situ結晶化のせいで凸凹しているが、第2の強誘電体膜122Bの表面は平坦化処理のおかげで平坦になっている。第2の強誘電体122Bの表面(上面)の凹凸の最大粗さ(凹凸差の最大値)が、第1の強誘電体122Aの表面(上面)の凹凸の最大粗さ(凹凸差の最大値)よりも小さくなっている。よって、第2の強誘電体膜122B上に形成される上部電極膜123の表面、すなわち、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との界面も平坦になる。これによって、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との接合が良好になる。なお、上部電極膜123の表面の平坦性に関して、上部電極膜123の表面の(微小)凹凸の平均粗さは2.0乃至5.0nmである事が望ましい。これによって、上部電極膜123に対するリソグラフィの際のフォーカスが均一になる。また、キャパシタのRIE加工が容易となり、キャパシタ側面を均一に加工することができる。さらに、電気特性及び信頼性の面では、上部電極のカバレッジが均一となるため、上方からの還元性ダメージをうけにくくなる。強誘電体膜の薄い部分に電界集中がおきて、リーク電流が増加する、絶縁耐圧が低下する、疲労特性が劣化する、リテンション特性が悪くなるなどの悪影響を抑制することができる。これらの効果は、特に強誘電体膜の膜厚が100nm以下になると顕著となる。このような例の他、in−situ結晶化によって形成される第1の強誘電体膜122Aが半導体装置に与える上述の種々の悪影響が、第2の強誘電体膜122Bの平坦化処理によって防止されて、半導体装置の信頼性や半導体装置の製品の歩留まりが向上される。
なお、第2実施例では、図4Bに示す工程において、第1の強誘電体膜122A(第1のPZT膜)上に、溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法によって、第2の強誘電体膜122B(第2のPZT膜)を形成するようにしてもよい。第2の強誘電体膜122Bを溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜すると、表面が平坦な第2の強誘電体膜122Bが成膜される。従って、第2の強誘電体膜122Bの表面の平坦化処理が不要になる。即ち、図4Cに示す工程が不要になる。第2の強誘電体膜122Bの表面の平坦化処理を行わない場合、CMP時の電極界面への応力等による第2の強誘電体膜122Bの界面欠陥の発生やCMP等の残留物の付着を防止して、電気特性の劣化をさらに抑制することができる。
また、第2実施例では、第1の強誘電体膜122Aの表面の凹凸の最大粗さは50乃至150nmである事が望ましい。これによって、第1の強誘電体膜及び第2の強誘電体膜の界面の凹凸によりその部分での格子歪を緩衝することができる。また、強誘電体膜の粒界部を通じて発生するリーク電流を低減することが可能となる。なお、MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により形成されたPZT膜の側方断面TEM画像を、図9に示す。図9のPZT膜の表面の凹凸の最大粗さは80nm程度である。なお、PZT膜の表面の凹凸の最大粗さの大きさは、図9のような結晶粒を形成する事で制御する事ができる。図9のPZT膜における図9のような結晶粒の面密度は5乃至10個/μmである。
以下、第1の強誘電体膜122Aの詳細及び変形例について説明する。
第1の強誘電体膜122Aは、MOCVD法を用いた成膜同時結晶化により下部電極膜121上に形成される。高誘電率膜や強誘電体膜のMOCVDでは、一般に原料の蒸気圧が低いことから、有機金属錯体原料を有機溶媒に溶かし常温で溶液の状態のまま気化器へ導入し強制的に気化させる溶液気化法が広く用いられている。この方式には、固体昇華法と比較して、原料の供給量の制御が容易、原料の供給量を増加させる事で高誘電率膜や強誘電体膜の成膜速度を増加させる事が可能、溶液の残量をレベルセンサ等でモニタする事が可能等の利点がある。MOCVD原料の条件としては、選択成長が容易であること、カーボンやパーティクル等の膜中への残留が少なく高純度な膜を成膜可能であること、液体のときの蒸気圧が高く供給が容易であること、経時変化がなく安定でかつ保管が可能であること、毒性が低く環境や人体に対して安全であること等が挙げられる。第1の強誘電体膜122Aの表面には、最大粗さが例えば50乃至150nm(例えば80nm)の凹凸が形成される。
第1の強誘電体膜122Aとして例えばPZT系の膜を形成する場合には、第1の強誘電体膜122Aの原料として、Pb(dpm)2、Zr(dpm)4、Zr(O・t−C4H9)4、Ti(O・i−C3H7)4等を用いる。これらの原料は、THF(テトラハイドロフラン)に溶解し液体原料とする。続いて、これらの液体原料を、HeやAr等の不活性ガスをキャリアガスとして圧送し気化器に噴霧してガス化する。続いて、酸化剤である酸素や亜酸化窒素等をシャワープレートを介してチャンバ内に導入し、チャンバ内で基板101上に第1の強誘電体膜122Aを成膜する。また、第1の強誘電体膜122Aの原料として、Pb、Zr、Tiを含む溶液(カクテルソース)を使用してもよい。この場合、基板101の温度は摂氏400乃至650度とし、ガスの供給量の制御によりPZT膜の組成を制御する。例えば、Pbの割合がA/B比で1.15程度、Zr/Ti比が35/65となるように制御してPZT膜を成膜する。この際、PZTがペロブスカイト構造のPZT膜として結晶化されるような成膜条件を適用する。ここではPZTが成膜と同時に結晶化される(in−situ結晶化される)ため、下部電極膜121と第1の強誘電体膜122Aとの界面における陽イオン過剰、陽イオン欠損、酸素欠損等の欠陥生成が抑制される。このことが強誘電体特性、疲労特性、インプリント特性、リテンション特性の劣化の防止につながる。第1の強誘電体膜122Aの膜厚はここでは70乃至150nmである。一方で、第1の強誘電体膜122Aの膜厚を50nm以下にしてもよい。in−situ結晶膜の膜厚を薄くしてその表面の凹凸を小さくする事で、特性の良好なin−situ結晶膜を、その悪影響を軽減しつつ利用するためである。
第1の強誘電体膜122Aとして例えばSBT系の膜を形成する場合には、第1の強誘電体膜122Aの原料として、Sr(dpm)2/THF、Bi(C6H5)3、Bi(CH3)3、Bi(C2H5)3、フェニル基やトリル基を有する固体原料、Ta(OC2H5)5、Nb(OC2H5)5、Ta(C2H5)5等を用いる。これらの液体原料を、HeやAr等の不活性ガスをキャリアガスとして圧送し気化器に噴霧してガス化する。あるいはこれらの液体原料を、バブリング法により気化器へと導入する。続いて、酸化剤である酸素や亜酸化窒素等をシャワープレートを介してチャンバ内に導入し、チャンバ内で基板101上に第1の強誘電体膜122Aを成膜する。また、第1の強誘電体膜122Aの原料として、Sr、Bi、Ta、Nbを含む溶液(カクテルソース)を使用してもよい。この場合、基板101の温度は摂氏400乃至650度とし、ガスの供給量の制御によりPZT膜の組成を制御する。この際、SBT又はSBTNがBi層状化合物構造のSBT膜又はSBTN膜として結晶化されるような成膜条件を適用する。ここではSBT又はSBTNが成膜と同時に結晶化される(in−situ結晶化される)ため、下部電極膜121と第1の強誘電体膜122Aとの界面における陽イオン過剰、陽イオン欠損、酸素欠損等の欠陥生成が抑制される。このことが強誘電体特性、疲労特性、インプリント特性、リテンション特性の劣化の防止につながる。第1の強誘電体膜122Aの膜厚はここでは70乃至150nmである。一方で、第1の強誘電体膜122Aの膜厚を50nm以下にしてもよい。in−situ結晶膜の膜厚を薄くしてその表面の凹凸を小さくする事で、特性の良好なin−situ結晶膜を、その悪影響を軽減しつつ利用するためである。
第1の強誘電体膜122Aの具体例として、PZT系の膜(Pb(ZrTi1−x)O等)及びSBT系の膜(SrBiTa等)の他には、BIT系の膜(BiTi12等)を挙げる事ができる。
以下、第2の強誘電体膜122Bの詳細及び変形例について説明する。
第2の強誘電体膜122Bは、表面に凹凸が形成された第1の強誘電体膜122Aの表面上に、例えばゾルゲル法等のCSD(Chemical Solution Deposition)法を用いて形成される。第2の強誘電体膜122Bは、第1の強誘電体膜122Aと同じ組成の強誘電体膜である事が望ましいが、第1の強誘電体膜122Aと異なる組成の強誘電体膜でもよい。例えば、第1の強誘電体膜122Aを、PZT系の膜とする場合、第2の強誘電体膜122Bを、このPZT系の膜と異なる組成(ドーパント、Zr/Ti比、Pb量等)のPZT系の膜としてもよいし、PZT系以外の系の膜としてもよい。第2の強誘電体膜122Bが第1の強誘電体膜122Aが同じ組成である場合、抗電界が同じであるため、膜間の抗電界の違いに起因して発生するリーク電流が小さい、絶縁破壊電圧が高いという効果を有する。第2の強誘電体膜122Bが第1の強誘電体膜122Aと異なる組成の強誘電体膜の場合、第1の強誘電体膜及び第2の強誘電体膜の界面部分でのドメイン壁の挙動を制御することが可能となり、抗電界をかえて飽和特性を改善し、信号量を増加することが可能となる、という効果を有する。第2の強誘電体膜122Bが第1の強誘電体膜122Aと異なる組成の強誘電体膜の場合の例として、例えば第1の強誘電体膜122AがPZT系の膜でZr/Tiが60/40であり、第2の強誘電体膜122BがPZT系の膜でZr/Tiが40/60である場合等のように、キャパシタ絶縁膜のうち下層の膜がZrリッチの膜であり上層の膜がTiリッチの膜であると、下部電極界面付近の結晶膜にかかる応力・歪を低減することができ、かつTiリッチの膜の特性として分極量が大きい、角型比がよいなどの効果を有する。また、例えば第1の強誘電体膜122がPZT系の膜でZr/Tiが30/70であり、第2の強誘電体膜がPZT系の膜でZr/Tiが40/60である場合等のように、キャパシタ絶縁膜のうち下層の膜が上層の膜よりもTiリッチの膜であると、PZT膜が下部電極の配向(111配向など)にそろった方向で配向しやすくなり分極量が増加するなどの効果を有する。また、第2の強誘電体膜122BをPZT膜とする場合には例えば、酢酸鉛水和物とTiイソプロポキシドとZrブトキシド等の金属アルコキシド溶液を用いたゾルゲル法や、カルボン酸金属塩を用いたMOD法等で、第1の強誘電体膜122上にアモルファス膜を成膜する。そして、アモルファス膜が乾燥した後に、酸素雰囲気中でRTO等の工程により結晶化アニールを実施する。この際、塗布と乾燥と結晶化アニールプロセスとを繰り返す事にしてもよい。第2の強誘電体膜122Bは、ゾルゲル法やMOD等の溶液塗布法、溶液浸漬法、バイアススパッタ法等のスパッタ法、ミストCVD法等のCVD法、蒸着法等で形成する事が可能である。なお、第2の強誘電体膜122Bを溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜すると、表面が平坦な第2の強誘電体膜122Bが成膜される。この第2の強誘電体膜122Bの表面の凹凸の平均粗さ(Ra)は、5nm以下の数nm程度となる。この値は、MOCVD膜の表面の凹凸の平均粗さよりも小さい。
(第3実施例)
図5は、第3実施例の半導体装置を示す側方断面図である。図5について、第1実施例の半導体装置との相違点を中心に説明する。
図5に示す半導体装置は、基板101と、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105を具備する。基板101は、シリコン基板である。基板101には、第1の導電型(例えばP型)の拡散層101Aと、第2の導電型(例えばN型)のソースドレイン拡散層101Bが存在する。ゲート絶縁膜102は、シリコン酸化膜からなり、基板101上に形成されている。ゲート電極膜103は、下位層のポリシリコン膜及び上位層のタングステンシリサイド(WSi)膜からなり、ゲート絶縁膜102上に積層的に形成されている。キャップ膜104は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの上面に形成されている。サイドウォール膜105は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの側面に形成されている。これらの部材等により、MOS型の電界効果トランジスタが拡散層101A(基板101)の上に形成されている。
図5に示す半導体装置は、第1,第2,第3,第4の層間絶縁膜111A,B,C,Dと、第1,第2のプラグ層112A,Bと、第1,第2のバリア層113A,Bとを具備する。
図5に示す半導体装置は、キャパシタ用の下部電極膜121と、強誘電体膜122と、キャパシタ用の上部電極膜123と、マスク膜124と、カバー膜125とを具備する。下部電極膜121は、Ir(イリジウム)膜からなり、バリア層113B上に形成されている。強誘電体膜122は、MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化によって形成されたPZT膜からなり、下部電極膜121上に形成されている。上部電極膜123は、下位層のSRO(SrRuO)膜及び上位層のIrO(イリジウムオキサイド)膜からなり、強誘電体膜122上に積層的に形成されている。マスク膜124は、下位層のアルミニウム酸化膜及び上位層のシリコン酸化膜からなり、上部電極膜123上に積層的に形成されている。カバー膜125は、アルミニウム酸化膜からなり、バリア層113Bと、下部電極膜121と、強誘電体膜122と、上部電極膜123と、マスク膜124に覆い被さるような態様で形成されている。これらの部材等により、スタック型の強誘電体キャパシタがソースドレイン拡散層101B(基板101)の上に形成されている。
図5に示す半導体装置は、第5の層間絶縁膜111Eと、第3のプラグ層112Cと、第1の配線層114Aとを具備する。
図6A乃至Eは、第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図である。図6A乃至Eについて、第1実施例の半導体装置の製造方法との相違点を中心に説明する。
先ず、図6Aのように、基板101上に、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105と、層間絶縁膜111A,B,C,Dと、プラグ層112A,Bと、バリア層113A,Bが既知の方法で形成される。拡散層101Aと、ソースドレイン拡散層101Bも既知の方法で形成される。
次に、図6Bのように、全面に堆積されているバリア層113B上に、スパッタ法又はCVD法により、Ir膜(下部電極膜121)を形成する。次に、全面に堆積されているIr膜上に、有機金属錯体を液体に溶かした液体原料を用いたMOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により、PZT膜(強誘電体膜122)を形成する。PZT膜の表面には、in−situ結晶化に起因する凹凸が形成される。次に、全面に堆積されているPZT膜上に、スパッタ法又はCVD法により、SRO膜(上部電極膜123の下位層)を形成する。ここで、SROをアモルファス状態にて成膜した場合には、SRO膜の結晶化のためのRTA等のアニール処理を実施する。次に、全面に堆積されているSRO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、IrO膜(上部電極膜123の上位層)を形成する。IrO膜は、水素等の還元性雰囲気中では自ら還元されるバッファ膜として働き、同時に酸素に対する高いバリア性を示す。SRO膜及びIrO膜の積層膜には、還元性ガスに対するバリア性が強化される、IrOが還元されて生成されるIrのPZT膜中への拡散が防止される等の利点がある。また、第3実施例では、強誘電体膜の表面の凹凸の最大粗さは50乃至150nmである事が望ましい。これによって強誘電体膜とその上部電極との界面での分極ドメインの核生成密度が向上し、半導体装置の動作のための信号量が向上する。第2に、キャパシタの有効面積が増加し、信号量が増加する。第3に、強誘電体膜のストレスの緩和が抑制される事で分極量が増加し、信号量が増加する。以上の効果により、半導体装置の信頼性や半導体装置の製品の歩留まりが向上される。
次に、図6Cのように、CMP法(化学機械研磨法)又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されている上部電極膜123(の上位層)の一部を除去して、上部電極膜123(の上位層)の表面を平坦化する。
次に、全面に堆積されているIrO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(マスク膜124の下位層)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(マスク膜124の上位層)を形成する。次に、図6Dのように、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の上位層をエッチング加工する。次に、RIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の下位層、上部電極膜123の上位層、上部電極膜123の下位層、強誘電体膜122、下部電極膜121、及びバリア層113Cをエッチング加工する。
次に、図6Eのように、マスク層124上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(カバー膜125)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(層間絶縁膜111E)を形成する。次に、CMP法又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eの一部を除去して、層間絶縁膜111Eの表面を平坦化する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111E及びカバー膜125、更にマスク膜124の上位層及びマスク膜124の下位層をエッチング加工して、プラグ層112Cを埋め込むコンタクトホールを形成する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eをエッチング加工して、配線層114Aを埋め込む配線溝を形成する。次に、PZT膜のダメージ回復のためのアニール処理(アニール条件は例えば、酸素雰囲気、摂氏600乃至650度、30乃至60分)を実施する。次に、スパッタ法又はCVD法により、プラグ層112C及び配線層114Aの形成部材をコンタクトホール内及び配線溝内に埋め込み、隣接するキャパシタ同士を接続するデュアルダマシン構造のプラグ層112C及び配線層114Aを形成する。
さて、第3実施例では、強誘電体膜122の表面はin−situ結晶化のせいで凸凹しているが、上部電極膜123の表面は平坦化処理のおかげで平坦になっている。上部電極膜123の表面(上面)の凹凸の最大粗さ(凹凸差の最大値)が、強誘電体122の表面(上面)の凹凸の最大粗さ(凹凸差の最大値)よりも小さくなっている。すなわち、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との界面は平坦化処理のおかげで平坦になっている。これによって、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との接合が良好になる。なお、上部電極膜123の表面の平坦性に関して、上部電極膜123の表面の(微小)凹凸の平均粗さは2.0乃至5.0nmである事が望ましい。これによって、上部電極膜123に対するリソグラフィの際のフォーカスが均一になる。また、キャパシタのRIE加工が容易となり、キャパシタ側面を均一に加工することができる。さらに、電気特性及び信頼性の面では、上部電極のカバレッジが均一となるため、上方からの還元性ダメージをうけにくくなる。このような例の他、in−situ結晶化によって形成される強誘電体膜122が半導体装置に与える上述の種々の悪影響が、上部電極膜123の平坦化処理によって防止されて、半導体装置の信頼性や半導体装置の製品の歩留まりが向上される。なお、上部電極膜123の上位層を平坦化処理の実施対象とする代わりに、上部電極膜123の下位層や中間層(中間層が存在する場合)を平坦化処理の実施対象としてもよい。
なお、第3実施例では、図6Bに示す工程において、溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法によって、上部電極膜123の上位層(IrO膜)を形成するようにしてもよい。上部電極膜123の上位層を溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜すると、表面が平坦な上部電極膜123の上位層が成膜される。従って、上部電極膜123の上位層の表面の平坦化処理が不要になる。即ち、図6Cに示す工程が不要になる。なお、上部電極膜123の上位層を溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜する代わりに、上部電極膜123の下位層(SRO膜)や中間層(中間層が存在する場合)を溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜してもよい。
また、第3実施例では、強誘電体膜122の表面の凹凸の最大粗さは50乃至150nmである事が望ましい。これによって第1に、強誘電体膜122とその上位層(上部電極膜123)との界面での分極ドメインの核生成密度が向上し、半導体装置の動作のための信号量が向上する。第2に、キャパシタの有効面積が増加し、信号量が増加する。第3に、強誘電体膜122のストレスの緩和が抑制される事で分極量が増加し、信号量が増加する。以上の効果により、半導体装置の信頼性や半導体装置の製品の歩留まりが向上される。なお、MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により形成されたPZT膜の側方断面TEM画像を、図9に示す。図9のPZT膜の表面の凹凸の最大粗さは80nm程度である。なお、PZT膜の表面の凹凸の最大粗さの大きさは、図9のような結晶粒を形成する事で制御する事ができる。図9のPZT膜における図9のような結晶粒の面密度は5乃至10個/μmである。
以下、上部電極膜123の詳細及び変形例について説明する。
上部電極膜123としては、PtやIr等の貴金属からなる貴金属膜が使用される事が多いが、マスク膜124や層間絶縁膜111EのCVD形成時、キャパシタのRIE加工時、フォーミングガス中でのシンター工程時等のキャパシタへのダメージを抑制すべく、上部電極膜123として、ABO型(AとBは金属元素、Oは酸素元素、xは自然数)のペロブスカイト構造を持つ導電性酸化物からなる導電性酸化膜若しくはMO型(Mは金属元素、Oは酸素元素、xは自然数)の導電性酸化物からなる導電性酸化膜又はこれらの積層膜を使用してもよい。ABO型導電性酸化物の多くはペロブスカイト構造を持つ。金属元素Aの代表例としては、Pb、Ba、Sr、Ca等のアルカリ土類金属元素が挙げられる。金属元素Bの代表例としては、Ti、Nb、Mg、Zr、Zn、Ta、W、Mn等の金属元素が挙げられる。ABOの「x」は典型的には「3」であり、酸素の過剰・欠損状態により変化し得る。ABO型導電性酸化物の具体例としては、SrRuO(SRO)やLaNiO(LNO)や(La,Sr)CoOやYBCO(超伝導体)が挙げられる。上部電極膜123の具体例としては、SROとIrOの積層膜が挙げられる。なお、強誘電体膜122と上部電極膜123との界面での酸素欠損等の欠陥は、その後のキャパシタ作製プロセスにおいて、還元性プロセスダメージ耐性、疲労特性劣化、リテンション劣化、インプリント劣化への影響が大きい。
上部電極膜123の上位層は、ゾルゲル法やMOD等の溶液塗布法、溶液浸漬法、バイアススパッタ法等のスパッタ法、ミストCVD法等のCVD法、蒸着法等で形成する事が可能である。なお、上部電極膜123の上位層を溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜すると、表面が平坦な上部電極膜123の上位層が成膜される。この上部電極膜123の上位層の表面の凹凸の平均粗さ(Ra)は、5nm以下の数nm程度となる。この値は、MOCVD膜の表面の凹凸の平均粗さよりも小さい。上部電極膜123の下位層や中間層(中間層が存在する場合)についても同様である。
(第4実施例)
図7は、第4実施例の半導体装置を示す側方断面図である。図7について、第1実施例の半導体装置との相違点を中心に説明する。
図7に示す半導体装置は、基板101と、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105を具備する。基板101は、シリコン基板である。基板101には、第1の導電型(例えばP型)の拡散層101Aと、第2の導電型(例えばN型)のソースドレイン拡散層101Bが存在する。ゲート絶縁膜102は、シリコン酸化膜からなり、基板101上に形成されている。ゲート電極膜103は、下位層のポリシリコン膜及び上位層のタングステンシリサイド(WSi)膜からなり、ゲート絶縁膜102上に積層的に形成されている。キャップ膜104は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの上面に形成されている。サイドウォール膜105は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの側面に形成されている。これらの部材等により、MOS型の電界効果トランジスタが拡散層101A(基板101)の上に形成されている。
図7に示す半導体装置は、第1,第2,第3,第4の層間絶縁膜111A,B,C,Dと、第1,第2のプラグ層112A,Bと、第1,第2のバリア層113A,Bとを具備する。
図7に示す半導体装置は、キャパシタ用の下部電極膜121と、下地膜141と、強誘電体膜122と、キャパシタ用の上部電極膜123と、マスク膜124と、カバー膜125とを具備する。下部電極膜121は、Ir(イリジウム)膜からなり、バリア層113B上に形成されている。強誘電体膜122の下地として利用される下地膜141は、所定の方向に配向している導電膜等の配向膜又はアモルファスの結晶化によって形成された強誘電体膜等の結晶膜からなり、下部電極膜121上に形成されている。強誘電体膜122は、MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化によって形成されたPZT膜からなり、下地膜141上に形成されている。上部電極膜123は、IrO(イリジウムオキサイド)膜からなり、強誘電体膜122上に形成されている。マスク膜124は、下位層のアルミニウム酸化膜及び上位層のシリコン酸化膜からなり、上部電極膜123上に積層的に形成されている。カバー膜125は、アルミニウム酸化膜からなり、バリア層113Bと、下部電極膜121と、下地膜141と、強誘電体膜122と、上部電極膜123と、マスク膜124に覆い被さるような態様で形成されている。これらの部材等により、スタック型の強誘電体キャパシタがソースドレイン拡散層101B(基板101)の上に形成されている。
図7に示す半導体装置は、第5の層間絶縁膜111Eと、第3のプラグ層112Cと、第1の配線層114Aとを具備する。
図8A乃至Dは、第4実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図である。図8A乃至Dについて、第1実施例の半導体装置の製造方法との相違点を中心に説明する。
先ず、図8Aのように、基板101上に、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105と、層間絶縁膜111A,B,C,Dと、プラグ層112A,Bと、バリア層113A,Bが既知の方法で形成される。拡散層101Aと、ソースドレイン拡散層101Bも既知の方法で形成される。
次に、図8Bのように、全面に堆積されているバリア層113B上に、スパッタ法又はCVD法により、Ir膜(下部電極膜121)を形成する。次に、全面に堆積されているIr膜上に、強誘電体膜122の下地として利用される下地膜141を形成する。下地膜141は、所定の方向に配向している導電膜等の配向膜でもアモルファスの結晶化により形成される強誘電体膜等の結晶膜でもよい。例えば、同じPZT系の膜又はSRO/PZTの積層膜等をスパッタ法やゾルゲル法にて形成し、Ir上に、(111)面に配向したペロブスカイト膜を形成する。もちろん他の導電性ペロブスカイト膜でもよいし、MO型の導電性の膜でもよい。次に、全面に堆積されている下地膜141上に、有機金属錯体を液体に溶かした液体原料を用いたMOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により、PZT膜(強誘電体膜122)を形成する。次に、全面に堆積されているPZT膜上に、スパッタ法又はCVD法により、IrO膜(上部電極膜123)を形成する。IrO膜は、水素等の還元性雰囲気中では自ら還元されるバッファ膜として働き、同時に酸素に対する高いバリア性を示す。IrO膜には、還元性ガスに対するバリア性が強化される、IrOが還元されて生成されるIrのPZT膜中への拡散が防止される等の利点がある。
次に、全面に堆積されているIrO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(マスク膜124の下位層)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(マスク膜124の上位層)を形成する。次に、図8Cのように、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の上位層をエッチング加工する。次に、RIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の下位層、上部電極膜123、強誘電体膜122、下地膜141、下部電極膜121、及びバリア層113Cをエッチング加工する。
次に、図8Dのように、マスク層124上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(カバー膜125)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(層間絶縁膜111E)を形成する。次に、CMP法又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eの一部を除去して、層間絶縁膜111Eの表面を平坦化する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111E及びカバー膜125、更にマスク膜124の上位層及びマスク膜124の下位層をエッチング加工して、プラグ層112Cを埋め込むコンタクトホールを形成する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eをエッチング加工して、配線層114Aを埋め込む配線溝を形成する。次に、PZT膜のダメージ回復のためのアニール処理(アニール条件は例えば、酸素雰囲気、摂氏600乃至650度、30乃至60分)を実施する。次に、スパッタ法又はCVD法により、プラグ層112C及び配線層114Aの形成部材をコンタクトホール内及び配線溝内に埋め込み、隣接するキャパシタ同士を接続するデュアルダマシン構造のプラグ層112C及び配線層114Aを形成する。
第4実施例では、強誘電体膜122は、in−situ結晶化により下地膜141上に形成される。下地膜141が所定の方向に配向している導電膜等の配向膜からなる場合、強誘電体膜122をin−situ結晶化により当該下地膜141上に形成すると、当該所定の方向に配向した強誘電体膜122が形成される事になる。例えば、下地膜141が<111>方向に配向しているならば、当該<111>方向に配向した強誘電体膜122が形成される事になる。なお、下部電極膜がIr,Ptを有する導電膜の場合、<111>方向に配向する下地膜141を容易に形成することができる。これにより、強誘電体膜122を構成する結晶粒は均一になり、強誘電体膜122の表面は平坦になる。下地膜141がアモルファスの結晶化により形成された強誘電体膜等の結晶膜からなる場合、強誘電体膜122をin−situ結晶化により当該下地膜141上に形成すると、当該結晶膜の効果により表面が平坦な強誘電体膜122が形成される事になる。よって、第4実施例では、強誘電体膜122や上部電極膜123の表面の平坦化処理が不要となっている。
そして、第4実施例では、強誘電体膜122上に形成される上部電極膜123の表面、即ち、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との界面も平坦になる。これにより、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との接合が良好になる。なお、上部電極膜123の表面の平坦性に関して、上部電極膜123の表面の(微小)凹凸の平均粗さは2.0乃至5.0nmである事が望ましい。これにより、上部電極膜123に対するリソグラフィの際のフォーカスが均一になる。また、キャパシタのRIE加工が容易となり、キャパシタ側面を均一に加工することができる。さらに、電気特性及び信頼性の面では、上部電極のカバレッジが均一となるため、上方からの還元性ダメージをうけにくくなる。強誘電体膜の薄い部分に電界集中がおきて、リーク電流が増加する、絶縁耐圧が低下する、疲労特性が劣化する、リテンション特性が悪くなるなどの悪影響を抑制することができる。これらの効果は、特に強誘電体膜の膜厚が100nm程度以下になると顕著となる。このような例の他、in−situ結晶化により形成される強誘電体膜122が半導体装置に与える上述の種々の悪影響が、下地膜141のおかげで防止されて、半導体装置の信頼性や半導体装置の製品の歩留まりが向上される。
以下、下地膜141の詳細及び変形例について説明する。
下地膜141の例としては、Sr(ストロンチウム)を含有するペロブスカイト構造の導電性酸化膜が挙げられる。例えば、SrRuO膜、Sr(Ru,Ti)O膜、NbやLbをドープしたSrTiO膜、SrTiO膜とPZT膜の積層膜、SROとPZTの積層膜、SROとPZTの混合膜等は、下地膜141となり得る。
SROとPZTの混合膜からなる下地膜141の形成方法は以下の通りである。先ず、20nm以下の膜厚のSROアモルファス膜を、SROセラミック製ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタによりIr膜上に形成し、基板101のRTO熱処理を行う。この際、SROが薄膜である場合には、SROはペロブスカイト結晶構造とならずアモルファス状態のままとなる。もちろん、RTO熱処理を行わなくてもよい。SRO膜のスパッタ条件は300mmのターゲットに対して0.5乃至1.0kW入力とし、Ar/Oの混合ガス(O流量比率は70%以下)を使用して0.5乃至1.0Pa程度の圧力でスパッタ成膜を行う。次に、SRO膜上に、5乃至50nmの膜厚のPZTアモルファス薄膜を形成する。PZTスパッタ成膜には、PZTセラミックターゲットを使用する。PZT膜のスパッタ条件は1.0乃至2.0kW入力とし、0.5乃至2.0Paの圧力下でArスパッタガスにてスパッタ成膜を行う。基板101の温度は室温であるため、形成されるPZT膜はアモルファス状態のPZT膜となる。SRO膜とPZT膜を成膜した後には、摂氏650度、酸素中、1分間という熱処理条件で基板101のRTO熱処理を行い、SROとPZTを結晶化させる。これにより、SROとPZTを含有するペロブスカイト構造の導電膜(下地膜141)が、下部電極膜121上に形成される。なお、下地膜141は、所定の方向に配向しており且つアモルファスの結晶化によって形成された膜であってもよい。
以下、強誘電体膜122の詳細及び変形例について説明する。
強誘電体膜122は、MOCVD法を用いた成膜同時結晶化により下地膜141上に形成される。高誘電率膜や強誘電体膜のMOCVDでは、一般に原料の蒸気圧が低いことから、有機金属錯体原料を有機溶媒に溶かし常温で溶液の状態のまま気化器へ導入し強制的に気化させる溶液気化法が広く用いられている。この方式には、固体昇華法と比較して、原料の供給量の制御が容易、原料の供給量を増加させる事で高誘電率膜や強誘電体膜の成膜速度を増加させる事が可能、溶液の残量をレベルセンサ等でモニタする事が可能等の利点がある。MOCVD原料の条件としては、選択成長が容易であること、カーボンやパーティクル等の膜中への残留が少なく高純度な膜を成膜可能であること、液体のときの蒸気圧が高く供給が容易であること、経時変化がなく安定でかつ保管が可能であること、毒性が低く環境や人体に対して安全であること等が挙げられる。強誘電体膜122の表面の凹凸の平均粗さ(Ra)は5nm以下となる。これは、下地膜141の配向性が<111>方向に揃っているため、MOCVD膜の配向性も<111>方向に揃い、MOCVD膜のPZT結晶粒の形状が均一化されたためと考えられる。
(第5実施例)
図10は、第5実施例の半導体装置を示す側方断面図である。図10について、第1実施例の半導体装置との相違点を中心に説明する。
図10に示す半導体装置は、基板101と、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105を具備する。基板101は、シリコン基板である。基板101には、第1の導電型(例えばP型)の拡散層101Aと、第2の導電型(例えばN型)のソースドレイン拡散層101Bが存在する。ゲート絶縁膜102は、シリコン酸化膜からなり、基板101上に形成されている。ゲート電極膜103は、下位層のポリシリコン膜及び上位層のタングステンシリサイド(WSi)膜からなり、ゲート絶縁膜102上に積層的に形成されている。キャップ膜104は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの上面に形成されている。サイドウォール膜105は、シリコン窒化膜からなり、ゲートの側面に形成されている。これらの部材等により、MOS型の電界効果トランジスタが拡散層101A(基板101)の上に形成されている。
図10に示す半導体装置は、第1,第2,第3,第4の層間絶縁膜111A,B,C,Dと、第1,第2のプラグ層112A,Bと、第1,第2のバリア層113A,Bとを具備する。
図10に示す半導体装置は、キャパシタ用の下部電極膜121と、第1の強誘電体膜122Aと、第2の強誘電体膜122Bと、キャパシタ用の上部電極膜123と、マスク膜124と、カバー膜125とを具備する。下部電極膜121は、Ir(イリジウム)膜からなり、バリア層113B上に形成されている。第1の強誘電体膜122Aは、MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化によって形成された第1のPZT膜からなり、下部電極膜121上に形成されている。第2の強誘電体膜122Bは、第2のPZT膜からなり、第1の強誘電体膜122A上に形成されている。上部電極膜123は、下位層のSRO(SrRuO)膜及び上位層のIrO(イリジウムオキサイド)膜からなり、第2の強誘電体膜122B上に積層的に形成されている。マスク膜124は、下位層のアルミニウム酸化膜及び上位層のシリコン酸化膜からなり、上部電極膜123上に積層的に形成されている。カバー膜125は、アルミニウム酸化膜からなり、バリア層113Bと、下部電極膜121と、第1の強誘電体膜122Aと、第2の強誘電体膜122Bと、上部電極膜123と、マスク膜124に覆い被さるような態様で形成されている。これらの部材等により、スタック型の強誘電体キャパシタがソースドレイン拡散層101B(基板101)の上に形成されている。
図10に示す半導体装置は、第5の層間絶縁膜111Eと、第3のプラグ層112Cと、第1の配線層114Aとを具備する。
図11A乃至Fは、第5実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図である。図11A乃至Fについて、第1実施例の半導体装置の製造方法との相違点を中心に説明する。
先ず、図11Aのように、基板101上に、ゲート絶縁膜102と、ゲート電極膜103と、キャップ膜104と、サイドウォール膜105と、層間絶縁膜111A,B,C,Dと、プラグ層112A,Bと、バリア層113A,Bが既知の方法で形成される。拡散層101Aと、ソースドレイン拡散層101Bも既知の方法で形成される。
次に、図11Bのように、全面に堆積されているバリア層113B上に、スパッタ法又はCVD法により、Ir膜(下部電極膜121)を形成する。次に、全面に堆積されているIr膜上に、有機金属錯体を液体に溶かした液体原料を用いたMOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により、第1のPZT膜(第1の強誘電体膜122A)を形成する。第1のPZT膜の表面には、in−situ結晶化に起因する凹凸が形成される。次に、全面に堆積されている第1のPZT膜上に、スパッタ法又はCVD法により、第2のPZT膜(第2の強誘電体膜122B)を形成する。
次に、図11Cのように、CMP法(化学機械研磨法)又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されている第2の強誘電体膜122Bの一部を除去して、第2の強誘電体膜122Bの表面を平坦化する。第2の強誘電体膜122Bの表面の平坦化はここでは、第1の強誘電体122Aに到達するまで継続される。基板の表面には、基板の表面に一部残存する「第2の強誘電体膜122B」と、基板の表面に露出し始めた「第1の強誘電体膜122A」とが共に露出することになる。第1及び第2の強誘電体膜の構造は、第1の強誘電体膜122Aの凹部に第2の強誘電体膜122Bが存在するような構造となる。次に基板の表面に形成されるSRO膜(上部電極膜123の下位層)は、第1の強誘電体膜122Aと第2の強誘電体122Bの両方に接することになる。
次に、図11Dのように、全面に堆積されている第1及び第2のPZT膜上に、スパッタ法又はCVD法により、SRO膜(上部電極膜123の下位層)を形成する。ここで、SRO膜をアモルファス状態にて成膜した場合には、SRO膜の結晶化のためのRTA等のアニール処理を実施する。次に、全面に堆積されているSRO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、IrO膜(上部電極膜123の上位層)を形成する。IrO膜は、水素等の還元性雰囲気中では自ら還元されるバッファ膜として働き、同時に酸素に対する高いバリア性を示す。SRO膜及びIrO膜の積層膜には、還元性ガスに対するバリア性が強化される、IrOが還元されて生成されるIrの第2のPZT膜中への拡散が防止される等の利点がある。IrOx膜については、成膜後に熱処理により緻密化、結晶化等を行ってもよい。
次に、全面に堆積されているIrO膜上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(マスク膜124の下位層)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(マスク膜124の上位層)を形成する。次に、図11Eのように、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の上位層をエッチング加工する。次に、RIE法により、全面に堆積されているマスク膜124の下位層、上部電極膜123の上位層、上部電極膜123の下位層、第2の強誘電体膜122B、第1の強誘電体膜122A、下部電極膜121、及びバリア層113Cをエッチング加工する。
次に、図11Fのように、マスク層124上に、スパッタ法又はCVD法により、アルミニウム酸化膜(カバー膜125)を形成する。次に、全面に堆積されているアルミニウム酸化膜上に、スパッタ法又はCVD法により、シリコン酸化膜(層間絶縁膜111E)を形成する。次に、CMP法又はエッチバック法による平坦化処理により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eの一部を除去して、層間絶縁膜111Eの表面を平坦化する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111E及びカバー膜125、更にマスク膜124の上位層及びマスク膜124の下位層をエッチング加工して、プラグ層112Cを埋め込むコンタクトホールを形成する。次に、光リソグラフィ法及びRIE法により、全面に堆積されている層間絶縁膜111Eをエッチング加工して、配線層114Aを埋め込む配線溝を形成する。次に、第1のPZT膜のダメージ回復のためのアニール処理(アニール条件は例えば、酸素雰囲気、摂氏600乃至650度、30乃至60分)を実施する。この際、ダメージが小さい場合には、本アニール工程を省略してもよい。次に、スパッタ法又はCVD法により、プラグ層112C及び配線層114Aの形成部材をコンタクトホール内及び配線溝内に埋め込み、隣接するキャパシタ同士を接続するデュアルダマシン構造のプラグ層112C及び配線層114Aを形成する。
さて、第5実施例では、第1の強誘電体膜122Aの表面はin−situ結晶化のせいで凸凹しているが、第2の強誘電体膜122Bを用いて平坦化処理したおかげで、第1及び第2の強誘電体から構成される表面は平坦になっている。よって、第1及び第2の強誘電体上に形成される上部電極膜123の表面、すなわち、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との界面も平坦になる。これによって、上部電極膜123とその上位導電層(プラグ層112C)との接合が良好になる。なお、上部電極膜123の表面の平坦性に関して、上部電極膜123の表面の(微小)凹凸の平均粗さは2.0乃至5.0nmである事が望ましい。これによって、上部電極膜123に対するリソグラフィの際のフォーカスが均一になる。また、キャパシタのRIE加工が容易となり、キャパシタ側面を均一に加工することができる。さらに、電気特性及び信頼性の面では、上部電極のカバレッジが均一となるため、上方からの還元性ダメージをうけにくくなる。強誘電体膜の薄い部分に電界集中がおきて、リーク電流が増加する、絶縁耐圧が低下する、疲労特性が劣化する、リテンション特性が悪くなるなどの悪影響を抑制することができる。これらの効果は、特に強誘電体膜の膜厚が100nm以下になると顕著となる。このような例の他、in−situ結晶化によって形成される第1の強誘電体膜122Aが半導体装置に与える上述の種々の悪影響が、第2の強誘電体膜122Bの平坦化処理によって防止されて、半導体装置の信頼性や半導体装置の製品の歩留まりが向上される。
なお、第5実施例では、図11Bに示す工程において、第1の強誘電体膜122A(第1のPZT膜)上に、溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法によって、第2の強誘電体膜122B(第2のPZT膜)を形成するようにしてもよい。第2の強誘電体膜122Bを溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜すると、強誘電体膜表面が平坦に成膜される。従って、以降の平坦化処理が不要になる。即ち、図11Cに示す工程が不要になる。第1及び第2の強誘電体膜の構造は、第2の強誘電体膜122Bが第1の強誘電体膜122Aの凹部を埋めた形の構造となる。
なお、MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により形成されたPZT膜の側方断面TEM画像を、図9に示す。図9のPZT膜の表面の凹凸の最大粗さは80nm程度である。なお、PZT膜の表面の凹凸の最大粗さの大きさは、図9のような結晶粒を形成する事で制御する事ができる。図9のPZT膜における図9のような結晶粒の面密度は5乃至10個/μmである。
以下、第1の強誘電体膜122Aの詳細及び変形例について説明する。
第1の強誘電体膜122Aは、MOCVD法を用いた成膜同時結晶化により下部電極膜121上に形成される。高誘電率膜や強誘電体膜のMOCVDでは、一般に原料の蒸気圧が低いことから、有機金属錯体原料を有機溶媒に溶かし常温で溶液の状態のまま気化器へ導入し強制的に気化させる溶液気化法が広く用いられている。この方式には、固体昇華法と比較して、原料の供給量の制御が容易、原料の供給量を増加させる事で高誘電率膜や強誘電体膜の成膜速度を増加させる事が可能、溶液の残量をレベルセンサ等でモニタする事が可能等の利点がある。MOCVD原料の条件としては、選択成長が容易であること、カーボンやパーティクル等の膜中への残留が少なく高純度な膜を成膜可能であること、液体のときの蒸気圧が高く供給が容易であること、経時変化がなく安定でかつ保管が可能であること、毒性が低く環境や人体に対して安全であること等が挙げられる。第1の強誘電体膜122Aの表面には、最大粗さが例えば50乃至150nm(例えば80nm)の凹凸が形成される。
第1の強誘電体膜122Aとして例えばPZT系の膜を形成する場合には、第1の強誘電体膜122Aの原料として、Pb(dpm)2、Zr(dpm)4、Zr(O・t−C4H9)4、Ti(O・i−C3H7)4等を用いる。これらの原料は、THF(テトラハイドロフラン)に溶解し液体原料とする。続いて、これらの液体原料を、HeやAr等の不活性ガスをキャリアガスとして圧送し気化器に噴霧してガス化する。続いて、酸化剤である酸素や亜酸化窒素等をシャワープレートを介してチャンバ内に導入し、チャンバ内で基板101上に第1の強誘電体膜122Aを成膜する。また、第1の強誘電体膜122Aの原料として、Pb、Zr、Tiを含む溶液(カクテルソース)を使用してもよい。この場合、基板101の温度は摂氏400乃至650度とし、ガスの供給量の制御によりPZT膜の組成を制御する。例えば、Pbの割合がA/B比で1.15程度、Zr/Ti比が35/65となるように制御してPZT膜を成膜する。この際、PZTがペロブスカイト構造のPZT膜として結晶化されるような成膜条件を適用する。ここではPZTが成膜と同時に結晶化される(in−situ結晶化される)ため、下部電極膜121と第1の強誘電体膜122Aとの界面における陽イオン過剰、陽イオン欠損、酸素欠損等の欠陥生成が抑制される。このことが強誘電体特性、疲労特性、インプリント特性、リテンション特性の劣化の防止につながる。第1の強誘電体膜122Aの膜厚はここでは70乃至150nmである。一方で、第1の強誘電体膜122Aの膜厚を50nm以下にしてもよい。in−situ結晶膜の膜厚を薄くしてその表面の凹凸を小さくする事で、特性の良好なin−situ結晶膜を、その悪影響を軽減しつつ利用するためである。
第1の強誘電体膜122Aとして例えばSBT系の膜を形成する場合には、第1の強誘電体膜122Aの原料として、Sr(dpm)2/THF、Bi(C6H5)3、Bi(CH3)3、Bi(C2H5)3、フェニル基やトリル基を有する固体原料、Ta(OC2H5)5、Nb(OC2H5)5、Ta(C2H5)5等を用いる。これらの液体原料を、HeやAr等の不活性ガスをキャリアガスとして圧送し気化器に噴霧してガス化する。あるいはこれらの液体原料を、バブリング法により気化器へと導入する。続いて、酸化剤である酸素や亜酸化窒素等をシャワープレートを介してチャンバ内に導入し、チャンバ内で基板101上に第1の強誘電体膜122Aを成膜する。また、第1の強誘電体膜122Aの原料として、Sr、Bi、Ta、Nbを含む溶液(カクテルソース)を使用してもよい。この場合、基板101の温度は摂氏400乃至650度とし、ガスの供給量の制御によりPZT膜の組成を制御する。この際、SBT又はSBTNがBi層状化合物構造のSBT膜又はSBTN膜として結晶化されるような成膜条件を適用する。ここではSBT又はSBTNが成膜と同時に結晶化される(in−situ結晶化される)ため、下部電極膜121と第1の強誘電体膜122Aとの界面における陽イオン過剰、陽イオン欠損、酸素欠損等の欠陥生成が抑制される。このことが強誘電体特性、疲労特性、インプリント特性、リテンション特性の劣化の防止につながる。第1の強誘電体膜122Aの膜厚はここでは70乃至150nmである。一方で、第1の強誘電体膜122Aの膜厚を50nm以下にしてもよい。in−situ結晶膜の膜厚を薄くしてその表面の凹凸を小さくする事で、特性の良好なin−situ結晶膜を、その悪影響を軽減しつつ利用するためである。
第1の強誘電体膜122Aの具体例として、PZT系の膜(Pb(ZrTi1−x)O等)及びSBT系の膜(SrBiTa等)の他には、BIT系の膜(BiTi12等)を挙げる事ができる。
以下、第2の強誘電体膜122Bの詳細及び変形例について説明する。
第2の強誘電体膜122Bは、表面に凹凸が形成された第1の強誘電体膜122Aの表面上に、例えばゾルゲル法等のCSD(Chemical Solution Deposition)法を用いて形成される。第2の強誘電体膜122Bは、第1の強誘電体膜122Aと同じ組成の強誘電体膜である事が望ましいが、第1の強誘電体膜122Aと異なる組成の強誘電体膜でもよい。例えば、第1の強誘電体膜122Aを、PZT系の膜とする場合、第2の強誘電体膜122Bを、このPZT系の膜と異なる組成(ドーパント、Zr/Ti比、Pb量等)のPZT系の膜としてもよいし、PZT系以外の系の膜としてもよい。第2の強誘電体膜122Bが第1の強誘電体膜122Aが同じ組成である場合、抗電力が同じであるため、膜間の抗電力の違いに起因して発生するリーク電流が小さい、絶縁破壊電圧が高いという効果を有する。また、第2の強誘電体膜122Bが第1の強誘電体膜122Aと異なる組成の強誘電体膜の場合、例えば第1の強誘電体膜122がPZT系の膜でZr/Tiが30/70であり、第2の強誘電体膜がPZT系の膜でZr/Tiが40/60である場合等には、PZT膜が下部電極の配向(111配向など)にそろった方向で配向しやすくなり、分極量が増加し、飽和特性が改善し、信号量を増加することが可能となる、という効果を有する。また、第2の強誘電体122Bが部分的に存在することで、上部電極界面の応力が低減し、インプリント特性やリテンション特性が改善する。さらには、第二の強誘電体膜の部分でドメイン反転の際に核生成が促進され、分極反転を容易に(抗電界を低減)する効果が期待できる。第2の強誘電体膜122BをPZT膜とする場合には例えば、酢酸鉛水和物とTiイソプロポキシドとZrブトキシド等の金属アルコキシド溶液を用いたゾルゲル法や、カルボン酸金属塩を用いたMOD法等で、第1の強誘電体膜122上にアモルファス膜を成膜する。そして、アモルファス膜が乾燥した後に、酸素雰囲気中でRTO等の工程により結晶化アニールを実施する。この際、塗布と乾燥と結晶化アニールプロセスとを繰り返す事にしてもよい。第2の強誘電体膜122Bは、ゾルゲル法やMOD等の溶液塗布法、溶液浸漬法、バイアススパッタ法等のスパッタ法、ミストCVD法等のCVD法、蒸着法等で形成する事が可能である。なお、第2の強誘電体膜122Bを溶液塗布法、溶液浸漬法、又はバイアススパッタ法で成膜すると、第1及び第2の強誘電体からなる表面が平坦になるような膜が成膜される。この第2の強誘電体膜122Bの表面の凹凸の平均粗さ(Ra)は、5nm以下の数nm程度となる。この値は、MOCVD膜の表面の凹凸の平均粗さよりも小さい。
第1実施例の半導体装置を示す側方断面図である。 第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1/6)である。 第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2/6)である。 第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(3/6)である。 第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(4/6)である。 第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(5/6)である。 第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(6/6)である。 第2実施例の半導体装置を示す側方断面図である。 第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1/6)である。 第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2/6)である。 第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(3/6)である。 第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(4/6)である。 第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(5/6)である。 第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(6/6)である。 第3実施例の半導体装置を示す側方断面図である。 第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1/5)である。 第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2/5)である。 第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(3/5)である。 第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(4/5)である。 第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(5/5)である。 第4実施例の半導体装置を示す側方断面図である。 第4実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1/4)である。 第4実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2/4)である。 第4実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(3/4)である。 第4実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(4/4)である。 MOCVD法によるPZTのin−situ結晶化により形成されたPZT膜の側方断面TEM画像である。 第5実施例の半導体装置を示す側方断面図である。 第5実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1/6)である。 第5実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2/6)である。 第5実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(3/6)である。 第5実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(4/6)である。 第5実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(5/6)である。 第5実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(6/6)である。
符号の説明
101 基板
102 ゲート絶縁膜
103 ゲート電極膜
104 キャップ膜
105 サイドウォール膜
111 層間絶縁膜
112 プラグ層
113 バリア層
114 配線層
121 下部電極膜
122 強誘電体膜
123 上部電極膜
124 マスク膜
125 カバー膜
131 ダミー膜
141 下地膜

Claims (7)

  1. 基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、
    前記下部電極膜上に強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成し、
    前記強誘電体膜上にダミー膜を形成し、
    平坦化処理を通じて前記ダミー膜と前記強誘電体膜の一部とを除去して前記強誘電体膜の表面を平坦化し、
    前記強誘電体膜上にキャパシタ用の上部電極膜を形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、
    前記下部電極膜上に第1の強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成し、
    前記第1の強誘電体膜上に第2の強誘電体膜を、
    溶液塗布法によって、
    溶液浸漬法によって、
    バイアススパッタ法によって、
    又は平坦化処理を通じてその表面を平坦化することによって形成し、
    前記第2の強誘電体膜上にキャパシタ用の上部電極膜を形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、
    前記下部電極膜上に強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成し、
    前記強誘電体膜上にキャパシタ用の上部電極膜を、
    溶液塗布法によって、
    溶液浸漬法によって、
    バイアススパッタ法によって、
    又は平坦化処理を通じてその表面を平坦化することによって形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 基板の上にキャパシタ用の下部電極膜を形成し、
    前記下部電極膜上に、下地膜として、
    所定の方向に配向している配向膜又はアモルファスの結晶化によって形成される結晶膜を形成し、
    前記下地膜上に強誘電体膜を成膜同時結晶化によって形成する事を特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 基板の上に形成されたキャパシタ用の下部電極膜と、
    前記下部電極膜上に形成され、上面に凹凸を有する第1の強誘電体膜と、
    前記第1の強誘電体膜とキャパシタ用の上部電極膜との間に形成され、上面の凹凸差の最大値が、前記第1の強誘電体膜の前記上面の凹凸差の最大値よりも小さい、第2の強誘電体膜と、
    前記第2の強誘電体膜上に形成されたキャパシタ用の上部電極膜とを具備する事を特徴とする半導体装置。
  6. 基板の上に形成されたキャパシタ用の下部電極膜と、
    前記下部電極膜上に形成され、上面に凹凸を有する強誘電体膜と、
    前記強誘電体膜上に形成され、上面の凹凸差の最大値が、前記強誘電体膜の前記上面の凹凸差の最大値よりも小さい、キャパシタ用の上部電極膜とを具備する事を特徴とする半導体装置。
  7. 基板の上に形成されたキャパシタ用の下部電極膜と、
    前記下部電極膜上に形成され、所定の方向に配向している配向膜又はアモルファスの結晶化によって形成された結晶膜である下地膜と、
    前記下地膜上に形成された強誘電体膜と、
    前記強誘電体膜上に形成されたキャパシタ用の上部電極膜とを具備する事を特徴とする半導体装置。
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