JP2016171152A - ペロブスカイト化合物を用いた強誘電体メモリ素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低電圧動作に優れ製造コストが安いフレキシブルな強誘電体メモリ素子を提供する。【解決手段】強誘電体メモリ素子の強誘電体層が一般式(1)〜(5)のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又は無機ペロブスカイト化合物から選択された化合物を、単独又は2以上混合して構成される。式(1)CH3NH3M1X3、式中、Mは、2価の金属イオン、Xは、F,Cl,Br,Iである。式(2)R1(NH3)2M1X4、式中、Rは炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基である。式(3)CH3NH3SnX3。式(4)R2(NH3)2SnX4。式(5)CsM2X3。【選択図】図1
Description
本発明は、強誘電体の不揮発性を利用した強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory;FeRAM)素子、およびその製造方法に関する。
強誘電体は、優れた強誘電性、圧電性、焦電性等を示すことから、メモリ、各種のアクチュエータ、各種センサ等に幅広く応用されている。前記メモリに関しては、DRAM並みのアクセス速度でありながら、不揮発性かつ低消費電力動作が可能であるなど優れた特性を持っており、理想のメモリと言われている。この強誘電体メモリは、キャパシタに強誘電体材料、例えば、Pb(ZrxTi1-x)O3(以下、「PZT」という。)、SrBi2Ta2O9(以下、「SBT」という。)等のペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を適用し、その残留分極の向きにより情報の記録を行っている。
これらの強誘電体材料のうち、SBTは分極反転を繰り返した後の分極量の劣化が少なく膜疲労特性に優れていることや、抗電界が小さくメモリとしての動作に必要な駆動電圧が低くできる等の特徴を有していることから注目されている。例えば、特許文献1には、強誘電体薄膜としてSBT系のBi層状ペロブスカイト型化合物を用いた、IrO2/Ir/Sr0.7Bi2.3Ta2O9/Ir/IrO2構造のキャパシタを持つ強誘電体メモリ素子が開示されている。
しかしながら、上記従来技術においては、強誘電体薄膜を結晶化させるために高温熱処理が行われ、例えば、上記従来技術においては、Bi層状強誘電体薄膜を結晶化させるために、酸素中で800℃の熱処理が必要であった。このような高温で熱処理をすると、下部電極と強誘電体薄膜との界面において、強誘電体酸化物構成金属元素の電極中への拡散が生じ、下部電極との界面近傍付近に、組成が変動した微少領域、即ち、変質層が生成されてしまう。この変質層の存在は初期分極特性を劣化させるだけでなく、メモリとして繰り返し分極反転させたとき、分極特性の劣化が顕著になってしまう。
また、高温で結晶化熱処理を行うと、結晶粒径が粗大化し、粒界からリーク電流が流れ易くなるために強誘電体薄膜の耐圧特性が劣化してしまう恐れがある。耐圧特性が劣化すると、強誘電体メモリ素子がキャパシタとして機能できなくなるため、結晶化熱処理温度をできるだけ低くして微細な結晶粒を有する強誘電体薄膜を得ることが必要である。
さらに、強誘電体メモリ素子を半導体メモリとして使用する場合は、前記強誘電体メモリ素子を形成する基板下にMOSトランジスタ等のSi−LSI回路が既に形成されているが、強誘電体薄膜の結晶化温度が高温であると、これらの回路が劣化してしまう恐れがある。低温で強誘電体薄膜を形成するための方法として、特許文献2にはBiを含んだBi層状ペロブスカイト型酸化物が開示されているが、この化合物も350℃以上の高温でないと製膜ができない。
本願発明は、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物として、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又はハライド系無機ペロブスカイト化合物から選択された1又は2以上のペロブスカイト化合物を用いることで、150℃以下の低温でも結晶化して強誘電体特性を示すことを見出し、150℃以下の低温でも強誘電体薄膜を形成することが可能となった。これにより、高温結晶化で問題となる分極特性の低下が少ない強誘電体メモリ素子を提供でき、低電圧動作に優れた強誘電体メモリ素子も提供できる。また、プラスチック電極基板上に強誘電体薄膜を形成することでロール状の強誘電体メモリテープを提供することができ、製造コストが安い大面積の強誘電体メモリ素子が製造可能であり、従来は不可能だったフレキシブルな強誘電体メモリ素子を提供することにある。
本願発明は、下記記載の(態様1)乃至(態様10)で実施できる。
(態様1) 一対の電極間に強誘電体層を挟持させてなる強誘電体メモリ素子であって、前記強誘電体層が下記一般式(1)乃至(4)に示すハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又は下記一般式(5)に示す無機ペロブスカイト化合物から選択された化合物を、単独又は2以上混合して構成されたものであることを特徴とする強誘電体メモリ素子である。
CH3NH3M1X3 (1)
(式中、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R1(NH3)2M1X4 (2)
(式中、R1は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CH3NH3SnX3 (3)
(式中、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R2(NH3)2SnX4 (4)
(式中、R2は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CsM2X3 (5)
(式中、M2は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CH3NH3M1X3 (1)
(式中、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R1(NH3)2M1X4 (2)
(式中、R1は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CH3NH3SnX3 (3)
(式中、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R2(NH3)2SnX4 (4)
(式中、R2は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CsM2X3 (5)
(式中、M2は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
(態様2) 前記強誘電体層は、前記一対の電極のいずれか一方に塗膜形成されたものであって、前記塗膜は前記一般式(1)乃至(4)のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又は前記一般式(5)に示す無機ペロブスカイト化合物を構成し得る前駆体を含む溶液を用いて形成されたものであることを特徴とする(態様1)に記載した強誘電体メモリ素子である。
(態様3) 前記強誘電体層は、前記一対の電極のいずれか一方に被膜形成されたものであって、前記被膜は前記一般式(1)乃至(4)のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又は前記一般式(5)に示す無機ペロブスカイト化合物を前記下部電極又は上部電極のいずれか一方の上に蒸着して形成されたものであることを特徴とする(態様1)に記載した強誘電体メモリ素子である。
(態様4) 前記強誘電体層は、50〜200℃の温度範囲で形成されたものであることを特徴とする(態様1)乃至(態様3)のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子である。
(態様5) 前記一対の電極のいずれか一方と前記強誘電体層の間にバッファ層を形成したことを特徴とする(態様1)乃至(態様4)のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子である。
(態様6) 前記一対の電極の一方又は双方が導電層を有する導電性プラスチック電極であって、前記導電層を有する導電性プラスチック電極の波長550nmにおける光透過率が10%未満であることを特徴とする(態様1)乃至(態様5)のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子である。
(態様7) (態様1)乃至(態様6)のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子を有することを特徴とする誘電体メモリテープである。
(態様8) (態様1)乃至(態様6)のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子をシリコン基板上に積層した強誘電体キャパシタである。
(態様9) (態様1)乃至(態様6)のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子が、半導体MOS部のキャパシタとして形成されていることを特徴とする強誘電体メモリセルである。
(態様10) (態様9)に記載した強誘電体メモリセルを有することを特徴とする非接触型ICカードである。
本願発明によれば、強誘電体層を低温で形成できるため、強誘電体と電極界面の反応を抑制し変質層の生成を防止することができる。これにより、高い残留分極、低い抗電界を有する強誘電体メモリ素子を得ることができる。また、強誘電体層を薄層化できるため、駆動電圧が低下し低電圧動作に優れた強誘電体メモリ素子を得ることができる。更に、強誘電体層を有機溶媒塗布で形成できるため製造コストが安く、大面積の強誘電体メモリ素子を簡単に製造できる。一対の電極に導電性プラスチック電極基板を使用すれば、従来は不可能だったフレキシブルな強誘電体メモリ素子を作製することが可能である。その上、上記の強誘電体メモリ素子を電界効果型トランジスタ構造に組み込むことにより、特性の優れた強誘電体メモリを備えた半導体装置を得ることができる。
以下、本願発明の強誘電体メモリ素子及び本願発明の強誘電体メモリ素子を用いた強誘電体キャパシタ、強誘電体メモリセル、非接触型ICカードついて、図1〜図4を用いて説明する。なお、本願発明の強誘電体メモリ素子は、これらに適用を限定されるものではなく、ロジック混載用メモリ素子、メモリ内蔵マイコンチップ、電界効果トランジスタのゲート、その他各種半導体装置のメモリ素子に適用可能である。
図1は、本願発明の第1実施態様に係るフィルム型強誘電体メモリ素子1の断面模式図である。同図において、フィルム型強誘電体メモリ素子1は、導電層12を有するプラスチック基板11で構成される導電性プラスチック電極基板13の間に、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又はハライド系無機ペロブスカイト化合物から選択された1又は2以上のペロブスカイト化合物からなる強誘電体薄膜14を挟持させた強誘電体メモリ素子である。
図2は、本願発明の第2実施態様に係る強誘電体メモリ素子を基板上に設けた強誘電体キャパシタの断面模式図である。同図において、強誘電体キャパシタ2は、SiO2層を含むSiウエハ基板21、バッフア層22、下部電極23、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物またはハライド系無機ペロブスカイト化合物から選択された化合物からなる強誘電体薄膜24、上部電極25で構成されている。
図3は、本願発明の第3実施態様に係る強誘電体メモリ素子を基板上に設けた強誘電体メモリセルの断面模式図である。同図において、強誘電体メモリセル3は、Si層31、SiO2層32、MOS部トランジスタを構成するソース部33、ドレイン部34、SiO2層35、金属層36、バッファ層37、電極(上部・下部)38、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物またはハライド系無機ペロブスカイト化合物から選択された化合物からなる強誘電体薄膜39で構成されている。
強誘電体メモリセル3は、ソース部33およびドレイン部34を持つSi層31を基板に用い、これを表面酸化して膜厚250ÅのSiO2層32を形成する。次いで、マスクパターニングして基板中央に凸部SiO2膜を作製し、得られた凸部にCVD法により膜厚4500ÅのSiのポリクリスタルを形成し、さらに表面酸化して膜厚250AのSiO2層35を形成してM0S部トランジスタを作製した。得られた半導体MOS部トランジスタに対抗したキャパシタ部に、まず300℃に加熱しながら膜厚2000ÅのTiのバッファ層37を形成した。この上に、Ptの下部電極38、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物Aを100℃で共蒸着して強誘電体薄膜39、Ptの上部電極38からなる構造の強誘電体メモリ素子を形成して、強誘電体メモリセル3を得た。
得られた強誘電体メモリセル3は、強誘電体メモリ素子の上部電極から下部電極ヘ、または下部電極から上部電極へ抗電界以上の電圧を印加することで、印加方向に極性の向いた残留分極が得られた。この残留分極の向きを判断して“0”または“1”の状態に対応させることによりメモリヘの書き込みが行える。また、抗電界以上の電圧で得られる強誘電体のヒステリシス特性における蓄積電荷容量の変化を検出することによって“0”または“1”の読み出しができる強誘電体メモリ素子である。
ここでは、本実施形態の強誘電体メモリ素子を半導体MOS部のキャパシタとして形成する場合について説明したが、半導体電界効果トランジスタのゲート上に形成されている構造の強誘電体メモリにおいても、同様な効果が得られる。
図4は、本願発明の第4実施態様に係る強誘電体メモリ素子をメモリ内蔵マイコンチップとして用いた非接触型ICカードの概念図である。同図において、非接触型ICカード4は、受信装置41とメモリ内蔵マイコンチップ42とアンテナコイル43を備えており、外部にあるデータ交換装置44から発信される電波をアンテナコイル43によって電圧に変換し、それによってメモリ内蔵マイコンチップ42を駆動する。メモリ内蔵マイコンチップ42の内部には、本願発明による強誘電体メモリ素子45が組み込まれている。本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又はハライド系無機ペロブスカイト化合物を用いた強誘電体薄膜は低温で製膜可能であり、強誘電体薄膜の膜厚を薄膜化できるため、駆動電圧が低下し、非接触ICカードの通信距離を大きくすることが可能となる。
さらに、メモリ内蔵マイコンチップ42を、配線工程を終了した後に強誘電体メモリ素子45を形成する方法で作製することも可能である。この場合は、配線工程時に発生する水素あるいは水分による強誘電体の劣化が防止でき、より高い分極特性を有する強誘電体メモリ素子を得ることができる。
本願発明の強誘電体メモリ素子は、一対の電極間に強誘電体を少なくとも挟持させ、必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、バッファ層を積層することができる。前記一対の電極としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。具体的には、下部電極と上部電極との組み合わせ、導電性プラスチック電極との組み合わせ等を挙げることができる。以下、本願発明の強誘電体メモリ素子を構成する電極(上部・下部)、強誘電体薄膜、バッファ層について説明する。
[1]電極
(1)金属・金属酸化物電極
本願発明に用いる一対の電極として、貴金属(例えば、Pt、Ir、Au等)、合金(例えば、NiにSc、Ti、V、Cr、Mo、Fe、Co、Cu、Y、Zr、Nb、Mn、Ta、W、Ir、Ptのいずれかの元素を添加したもの)、導電性酸化物(IrO2、RuO2、SrRuO3、La2-XSrXCuO4〔0<X≦1〕、IrOX〔0<X≦2〕等)などがある。電極は単層構造であっても、積層構造であってもよい。
(1)金属・金属酸化物電極
本願発明に用いる一対の電極として、貴金属(例えば、Pt、Ir、Au等)、合金(例えば、NiにSc、Ti、V、Cr、Mo、Fe、Co、Cu、Y、Zr、Nb、Mn、Ta、W、Ir、Ptのいずれかの元素を添加したもの)、導電性酸化物(IrO2、RuO2、SrRuO3、La2-XSrXCuO4〔0<X≦1〕、IrOX〔0<X≦2〕等)などがある。電極は単層構造であっても、積層構造であってもよい。
電極層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜1000nmが好ましく、50〜500nmがより好ましい。また、電極層の形成方法は、目的に応じて適宜選択することができるが、スパッタリング法等が好適に用いられる。
(2)プラスチック電極
本願発明に用いる一対の電極として、プラスチック基板に導電層を形成した導電性プラスチック電極を用いることができる。導電性プラスチック電極は、プラスチック基板の表面又は内部に導電層を形成したものである。導電性プラスチック電極は、目的に応じて適宜選択することができるが、不透明電極、具体的には波長550nmにおける光透過率が10%未満のものが好適に用いられる。
本願発明に用いる一対の電極として、プラスチック基板に導電層を形成した導電性プラスチック電極を用いることができる。導電性プラスチック電極は、プラスチック基板の表面又は内部に導電層を形成したものである。導電性プラスチック電極は、目的に応じて適宜選択することができるが、不透明電極、具体的には波長550nmにおける光透過率が10%未満のものが好適に用いられる。
(2−1)プラスチック基板
本願発明に用いるプラスチック基板は、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性が高く、耐薬品性及びガス遮断性に優れ、かつ低コストの材料が好適である。好適な材料としては、例えば、ポリエステル類、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など、スチレン類、例えば、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)など、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、透明ポリイミド(PI)、シクロオレフィンコポリマー(商品名:アートン)など、脂環式ポリオレフィン(商品名:ゼオノア)など、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、フッ素化環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリビニルフェノール、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、セルローストリアセテートがある。なかでも、化学的安定性とコストの点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、脂環式ポリオレフィンが特に好ましい。なお、これらのプラスチック基板の構造やその組成においては特に限定されず、本願発明の強誘電体メモリ素子を構成するに値するものであれば、利用することができる。不透明電極基板材料としては、材料自体が不透明であるものの他、透明な基板に基板強度や水分透過性を小さくさするための二酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化ジルコニア、カーボン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、酸化防止剤、紫外線吸収剤などで透過率が低下して不透明基板となったものが挙げられる。その際、可視光(代表的には550nm)における透過率が10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。耐久性強度や水分不透過、低含水量、紫外線吸収層、反射防止あるいは他素材による腐食防止などを高めるために、不透明層を基板中に含有しているものもある。
本願発明に用いるプラスチック基板は、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性が高く、耐薬品性及びガス遮断性に優れ、かつ低コストの材料が好適である。好適な材料としては、例えば、ポリエステル類、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など、スチレン類、例えば、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)など、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、透明ポリイミド(PI)、シクロオレフィンコポリマー(商品名:アートン)など、脂環式ポリオレフィン(商品名:ゼオノア)など、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、フッ素化環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリビニルフェノール、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、セルローストリアセテートがある。なかでも、化学的安定性とコストの点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、脂環式ポリオレフィンが特に好ましい。なお、これらのプラスチック基板の構造やその組成においては特に限定されず、本願発明の強誘電体メモリ素子を構成するに値するものであれば、利用することができる。不透明電極基板材料としては、材料自体が不透明であるものの他、透明な基板に基板強度や水分透過性を小さくさするための二酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化ジルコニア、カーボン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、酸化防止剤、紫外線吸収剤などで透過率が低下して不透明基板となったものが挙げられる。その際、可視光(代表的には550nm)における透過率が10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。耐久性強度や水分不透過、低含水量、紫外線吸収層、反射防止あるいは他素材による腐食防止などを高めるために、不透明層を基板中に含有しているものもある。
プラスチック基板の耐熱性は、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上、及び、線熱膨張係数が40ppm/℃以下の少なくともいずれかの物性を満たすことが好ましい。なお、プラスチック基板のTg及び線膨張係数は、JIS K 7121に記載のプラスチックの転移温度測定方法及びJIS K 7197に記載のプラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法により測定する。プラスチックフィルムのTgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。このような耐熱性に優れる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンナフタレート(120℃)、ポリカーボネート(140℃)、脂環式ポリオレフィン、例えば日本ゼオン株製 ゼオノア1600(160℃)、ポリアリレート(210℃)、ポリエーテルスルホン(220℃)、ポリスルホン(190℃)、シクロオレフィンコポリマー:特開2001−150584号公報の化合物(162℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート:特開2000−227603号公報の化合物(225℃)、脂環変性ポリカーボネート:特開2000−227603号公報の化合物(205℃)、アクリロイル化合物:特開2002−80616号公報の化合物(300℃以上)、ポリイミド等が挙げられる。なお、括弧内はTgを示す。これらは本願発明における基材として好適である。なかでも、特に透明性が求められる用途には、脂環式ポレオレフィンを使用することが好ましい。なお、これらのプラスチック基板の構造やその組成においては特に限定されず、本願発明の強誘電体メモリ素子を構成するに値するものであれば、利用することができる。
(2−2)透明導電層
本願発明の導電性プラスチック電極に用いる導電層の素材としては、導電性金属類、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン、導電性炭素や導電性高分子に代表される導電性有機材料、具体的には導電性炭素として、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、炭素繊維、フラーレンがあり、導電性高分子として、ポリアセチレン、PEDOTポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン、ポリスチレンスルフォン酸との、オリゴチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレンがある。導電性金属酸化物、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、導電性複合金属酸化物、例えば、インジウム‐スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、Agナノワイヤ、金ナノ粒子、銀ナノ粒子などがある。高い光学的透明性を有するという点で、導電性金属酸化物、導電性複合金属酸化物が好ましく、耐熱性と化学安定性に優れるという点で、インジウム‐スズ複合酸化物(ITO)やインジウム‐亜鉛酸化物(IZO)が特に好ましい。透明導電層を構成する素材においては、その組成内容は他の素材との混合でもよく、また形態なども限定されるものではない。また透明導電性層の形成においても、その方法は限定されるものではなく、スパッタ法、蒸着法さらには分散物を塗布する方法などが選定できる。本願発明の透明導電性電極基板の光透過率(測定波長:550nm)は、30%以上が好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、60%以上が最も好ましく、特には75%以上が好ましい。透明導電性電極基板の導電性と透明性は、透明導電層の形成方法を最適化することで、例えば、蒸着時間、分散液塗布量などを最適化することで、両立させることができる。
本願発明の導電性プラスチック電極に用いる導電層の素材としては、導電性金属類、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン、導電性炭素や導電性高分子に代表される導電性有機材料、具体的には導電性炭素として、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、炭素繊維、フラーレンがあり、導電性高分子として、ポリアセチレン、PEDOTポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン、ポリスチレンスルフォン酸との、オリゴチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレンがある。導電性金属酸化物、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、導電性複合金属酸化物、例えば、インジウム‐スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、Agナノワイヤ、金ナノ粒子、銀ナノ粒子などがある。高い光学的透明性を有するという点で、導電性金属酸化物、導電性複合金属酸化物が好ましく、耐熱性と化学安定性に優れるという点で、インジウム‐スズ複合酸化物(ITO)やインジウム‐亜鉛酸化物(IZO)が特に好ましい。透明導電層を構成する素材においては、その組成内容は他の素材との混合でもよく、また形態なども限定されるものではない。また透明導電性層の形成においても、その方法は限定されるものではなく、スパッタ法、蒸着法さらには分散物を塗布する方法などが選定できる。本願発明の透明導電性電極基板の光透過率(測定波長:550nm)は、30%以上が好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、60%以上が最も好ましく、特には75%以上が好ましい。透明導電性電極基板の導電性と透明性は、透明導電層の形成方法を最適化することで、例えば、蒸着時間、分散液塗布量などを最適化することで、両立させることができる。
[2]強誘電体層
本願発明の強誘電体層は、一対の電極の間に形成されるものであり、本願発明の強誘電体メモリ素子のメモリ機能に寄与して、強誘電体のヒステリシスに因る正負の残留分極をデータの1と0に対応させた不揮発性メモリの根幹をなす機能を有する。本願発明の強誘電体層は、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物、又はハライド系無機ペロブスカイト化合物の単層膜を形成するものである。
本願発明の強誘電体層は、一対の電極の間に形成されるものであり、本願発明の強誘電体メモリ素子のメモリ機能に寄与して、強誘電体のヒステリシスに因る正負の残留分極をデータの1と0に対応させた不揮発性メモリの根幹をなす機能を有する。本願発明の強誘電体層は、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物、又はハライド系無機ペロブスカイト化合物の単層膜を形成するものである。
(1)ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物とは、単一の分子スケール・コンポジット内に有機・無機両成分に特徴的な望ましい物理特性を組み合わせた有機無機混成の)ペロブスカイト化合物をいう。ペロブスカイトの基本的構造形態は、ABX3構造であり、頂点共有BX6八面体の三次元ネットワークを有する。ABX3構造のB成分は、Xアニオンの八面体配位をとることができる金属カチオンである。Aカチオンは、BX6八面体間の12の配位孔に位置し、一般に無機カチオンである。Aを無機カチオンから有機カチオンに置換することにより、有機無機混成ペロブスカイト化合物を形成する。
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物とは、単一の分子スケール・コンポジット内に有機・無機両成分に特徴的な望ましい物理特性を組み合わせた有機無機混成の)ペロブスカイト化合物をいう。ペロブスカイトの基本的構造形態は、ABX3構造であり、頂点共有BX6八面体の三次元ネットワークを有する。ABX3構造のB成分は、Xアニオンの八面体配位をとることができる金属カチオンである。Aカチオンは、BX6八面体間の12の配位孔に位置し、一般に無機カチオンである。Aを無機カチオンから有機カチオンに置換することにより、有機無機混成ペロブスカイト化合物を形成する。
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物は、下記一般式(1)乃至(4)のいずれかに示す化合物であり、特に、一般式(1)の化合物が好ましい。
CH3NH3M1X3 (1)
(式中、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R1(NH3)2M1X4 (2)
(式中、R1は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CH3NH3SnX3 (3)
式中、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R2(NH3)2SnX4 (4)
(式中、R2は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CH3NH3M1X3 (1)
(式中、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R1(NH3)2M1X4 (2)
(式中、R1は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CH3NH3SnX3 (3)
式中、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R2(NH3)2SnX4 (4)
(式中、R2は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物における無機枠組みは、頂点を共有する金属ハロゲン化物八面体の層を有する。陽イオン性有機層からの正の電荷と平衡をとるため、陰イオン性金属ハロゲン化物層例えば、M1X3 2-,M1X4 2-)は一般に2価の金属である。
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物の陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成する金属は、具体的には、M1例、Cu2+,Ni2+,Mn2+,Fe2+、Co2+、Pd2+、Ge2+、Sn2+、Pb2+、Eu2+)である。
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物の陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成するハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、又はこれらの組合せである。このハロゲン化物は、臭化物、ヨウ化物が好ましい。
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物の陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成する金属は、具体的には、M1例、Cu2+,Ni2+,Mn2+,Fe2+、Co2+、Pd2+、Ge2+、Sn2+、Pb2+、Eu2+)である。
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物の陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成するハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、又はこれらの組合せである。このハロゲン化物は、臭化物、ヨウ化物が好ましい。
本願発明の上記一般式(2)のR1としては、炭素数2〜40の置換又は未置換のアルキル基、直鎖、分岐又は環状のアルキル鎖好ましくは炭素数2〜30であり、より好ましくは炭素数2〜20であり、炭素数2〜18がもっとも好ましい)。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、イコサニル基、ドコサニル基、トリアコンタニル基、テトラアコンタニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数2〜40の置換又は未置換のアラルキル基としては、アリール基で置換されている低級アルキル基を意味し、アルキル部が直鎖状又は分岐鎖状で、好ましい炭素数が1〜5、より好ましくは1であり、アリール部が好ましい炭素数が6〜10、より好ましくは6〜8である。具体的には、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アルケニル基は、好ましくは炭素数3〜30であり、より好ましくは炭素数3〜20であり、炭素数3〜12が最も好ましい。例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、オレイル基、アリル基等が挙げられる。アルキニル基としては、アセチレニル、プロパルギル基、3−ペンチニル基、2−ヘキシルニル、2−デカニルを挙げることができる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜30の単環又は二環のアリール基例えばフェニル、ナフチル等が挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20のフェニル基又は炭素数10〜24のナフチル基であり、更に好ましくは炭素数6〜12のフェニル基又は炭素数10〜16のナフチル基である。例えばフェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。一般式1)において、複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
芳香族複素環基としては、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物の具体例としては、CH3NH3PbI3、CH3NH3PbBr3、CH3(CH2)nCHCH3(NH3)2PbI4[n=5〜8]、C6H5C2H4(NH3)2PbBr4、CH3NH3SnI3がある。
(2)ハライド系無機ペロブスカイト化合物
本願発明のハライド系無機ペロブスカイト化合物は、下記一般式(5)に示されるものである。
CsM2X3 (5)
(式中、M2は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
本願発明のハライド系無機ペロブスカイト化合物は、下記一般式(5)に示されるものである。
CsM2X3 (5)
(式中、M2は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
本願発明のハライド系無機ペロブスカイト化合物の陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成する金属は、具体的には、M2(例、Cu2+,Ni2+,Mn2+,Fe2+、Co2+、Pd2+、Ge2+、Sn2+、Pb2+、Eu2+)である。
本願発明のハライド系無機ペロブスカイト化合物の陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成するハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、又はこれらの組合せである。このハロゲン化物は、臭化物、ヨウ化物が好ましい。
本願発明のハライド系無機ペロブスカイト化合物の具体例としては、CsSnI3、CsSnBr3がある。
(3)ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物及びハライド系無機ペロブスカイト化合物の被膜形成
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物及びハライド系無機ペロブスカイト化合物は、前駆体溶液を用いた自己組織化反応により合成することができる。本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物及びハライド系無機ペロブスカイト化合物の薄膜は、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又はハライド系無機ペロブスカイト化合物、あるいはこれらの混合物を有機溶剤に溶解した後、グラビア塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等の塗布方法によって形成できる。また、真空蒸着法により被膜を形成できる。本願発明の光電変換層の膜厚は、1〜500nmが好ましい。
本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物及びハライド系無機ペロブスカイト化合物は、前駆体溶液を用いた自己組織化反応により合成することができる。本願発明のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物及びハライド系無機ペロブスカイト化合物の薄膜は、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又はハライド系無機ペロブスカイト化合物、あるいはこれらの混合物を有機溶剤に溶解した後、グラビア塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等の塗布方法によって形成できる。また、真空蒸着法により被膜を形成できる。本願発明の光電変換層の膜厚は、1〜500nmが好ましい。
(4)ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物及びハライド系無機ペロブスカイト化合物の溶液
本願発明に用いるハライド系有機無機混成ペロブスカイトの溶液を調製するための溶剤としては、ハライド系有機無機混成ペロブスカイトを溶解できるものであれば特に限定するものではない。エステル類(例、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等)、ケトン類(例、γ-ブチロラクトン、Nメチル-2-ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、アルコール類例、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等)、グリコールエーテルセロソルブ類(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド系溶剤例、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等)、ニトリル系溶剤例、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等)、カーボート系剤(例、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、炭化水素(例、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ジメチルスルホキシドがある。これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の官能基即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれかを二つ以上有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。
本願発明に用いるハライド系有機無機混成ペロブスカイトの溶液を調製するための溶剤としては、ハライド系有機無機混成ペロブスカイトを溶解できるものであれば特に限定するものではない。エステル類(例、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等)、ケトン類(例、γ-ブチロラクトン、Nメチル-2-ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、アルコール類例、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等)、グリコールエーテルセロソルブ類(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド系溶剤例、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等)、ニトリル系溶剤例、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等)、カーボート系剤(例、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、炭化水素(例、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ジメチルスルホキシドがある。これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の官能基即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれかを二つ以上有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。
[3]バッファ層
バッファ層は、電極基板と強誘電体換層との間、導電性プラスチック電極基板の導電層とプラスチック基板の間、あるいは強誘電体キャパシタにおけるSiO2層を含むSiウエハ基板と下部電極との間等に形成されることにより、ショットキー障壁の形成を抑制する役割、または各層のボイドを埋めて電気特性、密着性を改良する役割を果たすものである。
バッファ層は、電極基板と強誘電体換層との間、導電性プラスチック電極基板の導電層とプラスチック基板の間、あるいは強誘電体キャパシタにおけるSiO2層を含むSiウエハ基板と下部電極との間等に形成されることにより、ショットキー障壁の形成を抑制する役割、または各層のボイドを埋めて電気特性、密着性を改良する役割を果たすものである。
バッファ層の素材としては、例えば金属、金属酸化物、無機化合物、有機化合物、遷移金属の有機錯体および前駆体、遷移金属アルコキシドなどである。具体的な素材としては、金、白金、銀、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、チタン、スズ、ジルコニア、コバルト、インジウム、アンチモン、シリカ及びこれらの酸化物又は前駆体などが挙げられる。好ましくは、金、銀、銅、スズ、チタン、アルミニウム、白金、酸化銅、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化タングステンなどの粒子あるいは前駆体であり、その形態は特に限定されず、不定形、球形、針状、棒状などである。
また、バッファ層を形成する方法としては、上記素材を透明導電層に直接スパッタする方法、Electrochim.Acta 40、643‐652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法、あるいは上記素材を溶媒に溶解した溶液、金属酸化物の前駆体である金属水酸化物を溶解した溶液又は有機金属化合物を、水を含む混合溶媒に溶解した金属水酸化物を含む溶液を、基板と導電層からなる導電性基板上に塗布、乾燥し、必要に応じて焼結する方法、遷移金属の有機錯体および遷移金属の塩化物の前駆体溶液を塗工成膜後に炭酸ソーダのような弱塩基性溶液で中和洗浄させて脱ハロゲン化と同時に混晶化させる方法がある。 バッファ層の好ましい膜厚は5〜100nmである。塗布方法としては、グラビア塗布法、バー塗布法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等が挙げられる。
また、バッファ層を形成する方法としては、上記素材を透明導電層に直接スパッタする方法、Electrochim.Acta 40、643‐652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法、あるいは上記素材を溶媒に溶解した溶液、金属酸化物の前駆体である金属水酸化物を溶解した溶液又は有機金属化合物を、水を含む混合溶媒に溶解した金属水酸化物を含む溶液を、基板と導電層からなる導電性基板上に塗布、乾燥し、必要に応じて焼結する方法、遷移金属の有機錯体および遷移金属の塩化物の前駆体溶液を塗工成膜後に炭酸ソーダのような弱塩基性溶液で中和洗浄させて脱ハロゲン化と同時に混晶化させる方法がある。 バッファ層の好ましい膜厚は5〜100nmである。塗布方法としては、グラビア塗布法、バー塗布法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等が挙げられる。
次に本願発明の効果を奏する強誘電体メモリ素子実施態様を実施例として以下に示す。なお、本願発明における強誘電体メモリ素子の評価は、以下の<実施例1−1>に記載した評価方法に従って実施した。
<実施例1−1>
(1)ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕の合成
三口フラスコ内に、メチルアミン〔CH3NH2〕溶液1gとメタノール〔CH3OH〕100mlを入れ、窒素バブリングを行いながらヨウ化水素酸〔HI〕を加えてpHを3〜4程度に調整した後、マグネッチックスターラーにより1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターで蒸留した後、40℃で乾燥し、再精製することによりヨウ化メチルアミン〔CH3NH3I〕を合成した。次に合成したヨウ化メチルアミン〔CH3NH3I〕とヨウ化鉛〔PbI2〕をモル比1:1の割合で、ジメチルホルムアルデヒド〔(CH3)2NCHO〕に15重量%濃度となるように混合して溶解し、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔(CH3)2NCHO〕溶液を調製した。
(1)ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕の合成
三口フラスコ内に、メチルアミン〔CH3NH2〕溶液1gとメタノール〔CH3OH〕100mlを入れ、窒素バブリングを行いながらヨウ化水素酸〔HI〕を加えてpHを3〜4程度に調整した後、マグネッチックスターラーにより1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターで蒸留した後、40℃で乾燥し、再精製することによりヨウ化メチルアミン〔CH3NH3I〕を合成した。次に合成したヨウ化メチルアミン〔CH3NH3I〕とヨウ化鉛〔PbI2〕をモル比1:1の割合で、ジメチルホルムアルデヒド〔(CH3)2NCHO〕に15重量%濃度となるように混合して溶解し、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔(CH3)2NCHO〕溶液を調製した。
(2)ハライド系有機無機ペロブスカイト化合物B〔C2H5NH3PbI4〕の合成
三口フラスコ内に、エチルアミン〔C2H5NH2〕溶液1gとメタノール〔CH3OH〕100mlを入れ、窒素バブリングを行いながら沃化水素酸〔HI〕を加えてpHを3〜4程度に調整した後、マグネッチックスターラーにより1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターで蒸留した後、40℃で乾燥し、再精製することによりヨウ化エチルアミン〔C2H5NH3I〕を合成した。次に合成したヨウ化エチルアミン〔C2H5NH3I〕と沃化鉛〔PbI2〕をモル比1:1の割合で、ジメチルホルムアルデヒド〔(CH3)2NCHO〕に15重量%濃度となるように混合して溶解し、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物B〔C2H5NH3PbI4〕のジメチルホルムアルデヒド〔(CH3)2NCHO〕溶液を調製した。
三口フラスコ内に、エチルアミン〔C2H5NH2〕溶液1gとメタノール〔CH3OH〕100mlを入れ、窒素バブリングを行いながら沃化水素酸〔HI〕を加えてpHを3〜4程度に調整した後、マグネッチックスターラーにより1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターで蒸留した後、40℃で乾燥し、再精製することによりヨウ化エチルアミン〔C2H5NH3I〕を合成した。次に合成したヨウ化エチルアミン〔C2H5NH3I〕と沃化鉛〔PbI2〕をモル比1:1の割合で、ジメチルホルムアルデヒド〔(CH3)2NCHO〕に15重量%濃度となるように混合して溶解し、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物B〔C2H5NH3PbI4〕のジメチルホルムアルデヒド〔(CH3)2NCHO〕溶液を調製した。
(3)ハライド系有機無機ペロブスカイト化合物C〔CH3NH3SnI3〕の合成
三口フラスコ内に、メチルアミン〔CH3NH2〕溶液1gとメタノール〔CH3OH〕100mlを入れ、窒素バブリングを行いながらヨウ化水素酸〔HI〕を加えてpHを3〜4程度に調整した後、マグネッチックスターラーにより1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターで蒸留した後、40℃で乾燥し、再精製することによりヨウ化メチルアミン〔CH3NH3I〕を合成した。次に合成したヨウ化メチルアミン〔CH3NH3I〕とヨウ化錫SnI2)をモル比1:1の割合で、アセトニトリル〔CH3CN〕に10重量%濃度となるように溶解し、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物C〔CH3NH3SnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を調製した。
三口フラスコ内に、メチルアミン〔CH3NH2〕溶液1gとメタノール〔CH3OH〕100mlを入れ、窒素バブリングを行いながらヨウ化水素酸〔HI〕を加えてpHを3〜4程度に調整した後、マグネッチックスターラーにより1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターで蒸留した後、40℃で乾燥し、再精製することによりヨウ化メチルアミン〔CH3NH3I〕を合成した。次に合成したヨウ化メチルアミン〔CH3NH3I〕とヨウ化錫SnI2)をモル比1:1の割合で、アセトニトリル〔CH3CN〕に10重量%濃度となるように溶解し、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物C〔CH3NH3SnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を調製した。
(4)ハライド系有機無機ペロブスカイト化合物D〔C2H5NH3SnI4〕の合成
三口フラスコ内に、エチルアミン〔C2H5NH2〕溶液1gとメタノール〔CH3OH〕100mlを入れ、窒素バブリングを行いながらヨウ化水素酸〔HI〕を加えてpHを3〜4程度に調整した後、マグネッチックスターラーにより1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターで蒸留した後、40℃で乾燥し、再精製することによりヨウ化エチルアミン〔C2H5NH3I〕を合成した。次に合成したヨウ化エチルアミン〔C2H5NH3I〕とヨウ化錫SnI2)をモル比1:1の割合で、アセトニトリル〔CH3CN〕に10重量%濃度となるように溶解し、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物D〔C2H5NH3SnI4〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を調製した。
三口フラスコ内に、エチルアミン〔C2H5NH2〕溶液1gとメタノール〔CH3OH〕100mlを入れ、窒素バブリングを行いながらヨウ化水素酸〔HI〕を加えてpHを3〜4程度に調整した後、マグネッチックスターラーにより1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターで蒸留した後、40℃で乾燥し、再精製することによりヨウ化エチルアミン〔C2H5NH3I〕を合成した。次に合成したヨウ化エチルアミン〔C2H5NH3I〕とヨウ化錫SnI2)をモル比1:1の割合で、アセトニトリル〔CH3CN〕に10重量%濃度となるように溶解し、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物D〔C2H5NH3SnI4〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を調製した。
(5)ハライド系無機ペロブスカイト化合物E〔CsSnI3〕の合成
ヨウ化セシウム〔CsI〕とヨウ化錫〔SnI2〕をモル比1:1の割合で、アセトニトリル〔CH3CN〕に10重量%濃度となるように溶解し、ハライド系無機ペロブスカイト化合物E〔CsSnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を調製した。
ヨウ化セシウム〔CsI〕とヨウ化錫〔SnI2〕をモル比1:1の割合で、アセトニトリル〔CH3CN〕に10重量%濃度となるように溶解し、ハライド系無機ペロブスカイト化合物E〔CsSnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を調製した。
(6)導電性プラスチック電極基板の作製
ITO導電性PEN(シート抵抗13Ω)フィルムの導電面側に、スパッタ法で膜厚約100nmの白金層を形成させた上に、酸化チタンナノ粒子(アナターゼ型酸化チタン、多木化学株式会社製、タイノックスM-5)からなる酸化チタンナノ粒子層を塗布量(5mg/m2)でバーコーター塗布して酸化チタンナノ粒子層からなるバッファ層付の基板を作製した。作製した導電性プラスチック電極基板の光透過率(波長550nm)は、0%であった。
ITO導電性PEN(シート抵抗13Ω)フィルムの導電面側に、スパッタ法で膜厚約100nmの白金層を形成させた上に、酸化チタンナノ粒子(アナターゼ型酸化チタン、多木化学株式会社製、タイノックスM-5)からなる酸化チタンナノ粒子層を塗布量(5mg/m2)でバーコーター塗布して酸化チタンナノ粒子層からなるバッファ層付の基板を作製した。作製した導電性プラスチック電極基板の光透過率(波長550nm)は、0%であった。
(7)導電性プラスチック電極基板からなる強誘電体メモリ素子の作製
導電性プラスチック電極基板上に、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド溶液(30重量%)を引き塗り法で塗布し、60℃で10分乾燥させた後、導電層側に膜厚約100nmの白金層を付与したITO導電性PENを、導電層がペロブスカイト化合物に接触する向きで押し付けて貼り合わせ、90℃で60分乾燥させることにより、プラスチック基板からなるフレキシブルな強誘電体メモリ素子1−1を作製した。
導電性プラスチック電極基板上に、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド溶液(30重量%)を引き塗り法で塗布し、60℃で10分乾燥させた後、導電層側に膜厚約100nmの白金層を付与したITO導電性PENを、導電層がペロブスカイト化合物に接触する向きで押し付けて貼り合わせ、90℃で60分乾燥させることにより、プラスチック基板からなるフレキシブルな強誘電体メモリ素子1−1を作製した。
(8)強誘電体メモリ素子の評価
面積(1×10-4cm2)の強誘電体メモリ素子1−1に対して、強誘電体特性評価システム(東洋テクニカ製 FCE−1/1A型)を用いて測定電圧0.5V,1.0V,1.5Vの各電圧について、電圧に対する分極量を表すヒステリシス曲線(強誘電体メモリ素子のP‐E特性)を求め、強誘電体メモリ素子1−1の残留分極を評価した。残留分極値は9μC/cm2であった。
面積(1×10-4cm2)の強誘電体メモリ素子1−1に対して、強誘電体特性評価システム(東洋テクニカ製 FCE−1/1A型)を用いて測定電圧0.5V,1.0V,1.5Vの各電圧について、電圧に対する分極量を表すヒステリシス曲線(強誘電体メモリ素子のP‐E特性)を求め、強誘電体メモリ素子1−1の残留分極を評価した。残留分極値は9μC/cm2であった。
<実施例1−2>
(1)カーボンナノチューブ分散液の調製
20mLのガラス製容器にKHケミカルズ製の単層カーボンナノチューブ(以下、CNTという)を0.02g、分散剤として東ソー有機化学製のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを0.06g量り取り、分散溶媒として蒸留水8mlとエタノール2mlを加えた後、1N硝酸を用いてpHを1.5に調整した。pH調製後、氷冷下において、超音波ホモジナイザーで、出力50W、120分間の条件で分散処理し、CNT分散液を調製した。
(1)カーボンナノチューブ分散液の調製
20mLのガラス製容器にKHケミカルズ製の単層カーボンナノチューブ(以下、CNTという)を0.02g、分散剤として東ソー有機化学製のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを0.06g量り取り、分散溶媒として蒸留水8mlとエタノール2mlを加えた後、1N硝酸を用いてpHを1.5に調整した。pH調製後、氷冷下において、超音波ホモジナイザーで、出力50W、120分間の条件で分散処理し、CNT分散液を調製した。
(2)導電性プラスチック電極基板の作製
上記CNT分散液を、紫外線照射により表面処理したポリエチレンナフタレートフィルム基板(厚さ200μm)の上に、スキージ法にてCNT塗布量100mg/m2を付与し、室温、無風環境下で10分静置し、さらに100℃乾燥機内で5分間乾燥させた。この塗布操作を4回繰り返し、CNT400mg/m2を塗布した。最後に120℃、30分乾燥して溶剤を完全に除去し、基板上にCNTからなる導電性電極基板を得た。得られた導電性電極基板のシート抵抗は6Ω/□であった。作製した導電性プラスチック電極基板の光透過率(波長550nm)は、0%であった。
上記CNT分散液を、紫外線照射により表面処理したポリエチレンナフタレートフィルム基板(厚さ200μm)の上に、スキージ法にてCNT塗布量100mg/m2を付与し、室温、無風環境下で10分静置し、さらに100℃乾燥機内で5分間乾燥させた。この塗布操作を4回繰り返し、CNT400mg/m2を塗布した。最後に120℃、30分乾燥して溶剤を完全に除去し、基板上にCNTからなる導電性電極基板を得た。得られた導電性電極基板のシート抵抗は6Ω/□であった。作製した導電性プラスチック電極基板の光透過率(波長550nm)は、0%であった。
(3)強誘電体メモリ素子の作製
作製した導電性電極基板上に、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物C〔CH3NH3SnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を引き塗り法で塗布し、60℃で10分乾燥させた後、前記(2)で作製した別の電極を導電層がペロブスカイト化合物に接触する向きで押し付けて貼り合わせ、90℃で60分乾燥させることにより、プラスチック基板からなるフレキシブルな強誘電体メモリ素子1−2を作製した。 <実施例1−1>と同様にその評価を行った結果、残留分極値は12μC/cm2であった。
作製した導電性電極基板上に、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物C〔CH3NH3SnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を引き塗り法で塗布し、60℃で10分乾燥させた後、前記(2)で作製した別の電極を導電層がペロブスカイト化合物に接触する向きで押し付けて貼り合わせ、90℃で60分乾燥させることにより、プラスチック基板からなるフレキシブルな強誘電体メモリ素子1−2を作製した。 <実施例1−1>と同様にその評価を行った結果、残留分極値は12μC/cm2であった。
<実施例2−1>
(1)強誘電体メモリ素子の作製
熱酸化で形成したSiO2層を含むSiウエハ基板上に、300℃に加熱しながらスパッタ法で膜厚300Åに形成したTi層からなるバッフア層、膜厚1500ÅのPt層からなる下部電極を順に形成した基板上に、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド溶液(濃度30重量%)をシリンジで約100μl滴下し、1000rpmの回転数でスピンコート後、90℃の熱風循環式オーブン中で60分間加熱乾燥して強誘電体薄膜層を作製した。次にメタルマスクを用い、スパッタ法で膜厚1500ÅのPt層からなる上部電極を形成して強誘電体メモリ素子2−1を作製した。 <実施例1−1>と同様にその評価を行った結果、残留分極値は13μC/cm2であった。
(1)強誘電体メモリ素子の作製
熱酸化で形成したSiO2層を含むSiウエハ基板上に、300℃に加熱しながらスパッタ法で膜厚300Åに形成したTi層からなるバッフア層、膜厚1500ÅのPt層からなる下部電極を順に形成した基板上に、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド溶液(濃度30重量%)をシリンジで約100μl滴下し、1000rpmの回転数でスピンコート後、90℃の熱風循環式オーブン中で60分間加熱乾燥して強誘電体薄膜層を作製した。次にメタルマスクを用い、スパッタ法で膜厚1500ÅのPt層からなる上部電極を形成して強誘電体メモリ素子2−1を作製した。 <実施例1−1>と同様にその評価を行った結果、残留分極値は13μC/cm2であった。
<実施例2−2>
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物B〔C2H5NH3PbI4〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−2を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−2の残留分極値は7μC/cm2であった。
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物B〔C2H5NH3PbI4〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−2を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−2の残留分極値は7μC/cm2であった。
<実施例2−3>
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物C〔CH3NH3SnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−3を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−3の残留分極値は11μC/cm2であった。
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物C〔CH3NH3SnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−3を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−3の残留分極値は11μC/cm2であった。
<実施例2−4>
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物D〔C2H5NH3SnI4〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−4を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−4の残留分極値は6μC/cm2であった。
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物D〔C2H5NH3SnI4〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−4を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−4の残留分極値は6μC/cm2であった。
<実施例2−5>
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系無機ペロブスカイト化合物E〔CsSnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−5を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−5の残留分極値は10μC/cm2であった。
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系無機ペロブスカイト化合物E〔CsSnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−5を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−5の残留分極値は10μC/cm2であった。
<実施例2−6>
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbBr3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液とハライド系無機ペロブスカイト化合物E〔CsSnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を1:1の割合で混合した溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−6を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−2の残留分極値は12μC/cm2であった。ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物Aとハライド系無機ペロブスカイト化合物Eを混合して強誘電体薄膜を作製しても良好な残留分極値が得られることがわかる。
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbBr3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液とハライド系無機ペロブスカイト化合物E〔CsSnI3〕のアセトニトリル〔CH3CN〕溶液を1:1の割合で混合した溶液を用いたほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−6を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−2の残留分極値は12μC/cm2であった。ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物Aとハライド系無機ペロブスカイト化合物Eを混合して強誘電体薄膜を作製しても良好な残留分極値が得られることがわかる。
<実施例2−7>
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の塗布に代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbBr3〕の被膜形成を100℃で共蒸着法により行ったほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−6を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−2の残留分極値は15μC/cm2であった。
ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbI3〕のジメチルホルムアルデヒド〔CH3)2NCHO〕溶液の塗布に代わりに、ハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物A〔CH3NH3PbBr3〕の被膜形成を100℃で共蒸着法により行ったほかは、<実施例2−1>と同様にして強誘電体メモリ素子2−6を作製し、<実施例1−1>と同様にその評価を行った。強誘電体メモリ素子2−2の残留分極値は15μC/cm2であった。
本願発明の強誘電体メモリ素子は、低電圧動作に優れた製造コストの安い強誘電体メモリ素子を提供できる。
1 フィルム型強誘電体メモリ素子
11 プラスチック基板
12 導電層
13 導電性プラスチック電極基板
14 強誘電体薄膜
2 強誘電体キャパシタ
21 SiO2層を含むSiウエハ基板
22 バッフア層
23 下部電極
24 強誘電体薄膜
25 上部電極
3 強誘電体メモリセル
31 Si層
32 SiO2層
33 MOS部トランジスタを構成するソース部
34 MOS部トランジスタを構成するドレイン部
35 MOS部トランジスタを構成するSiO2層
36 MOS部トランジスタを構成する金属層
37 MOS部トランジスタを構成するバッファ層
38 MOS部トランジスタを構成する電極(上部・下部)
39 MOS部トランジスタを構成する強誘電体薄膜
4 非接触型ICカード
41 受信装置
42 メモリ内蔵マイコンチップ
43 アンテナコイル
44 データ交換装置
45 強誘電体メモリ素子
11 プラスチック基板
12 導電層
13 導電性プラスチック電極基板
14 強誘電体薄膜
2 強誘電体キャパシタ
21 SiO2層を含むSiウエハ基板
22 バッフア層
23 下部電極
24 強誘電体薄膜
25 上部電極
3 強誘電体メモリセル
31 Si層
32 SiO2層
33 MOS部トランジスタを構成するソース部
34 MOS部トランジスタを構成するドレイン部
35 MOS部トランジスタを構成するSiO2層
36 MOS部トランジスタを構成する金属層
37 MOS部トランジスタを構成するバッファ層
38 MOS部トランジスタを構成する電極(上部・下部)
39 MOS部トランジスタを構成する強誘電体薄膜
4 非接触型ICカード
41 受信装置
42 メモリ内蔵マイコンチップ
43 アンテナコイル
44 データ交換装置
45 強誘電体メモリ素子
Claims (10)
- 一対の電極間に強誘電体層を挟持させてなる強誘電体メモリ素子であって、前記強誘電体層が下記一般式(1)乃至(4)に示すハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又は下記一般式(5)に示す無機ペロブスカイト化合物から選択された化合物を、単独又は2以上混合して構成されたものであることを特徴とする強誘電体メモリ素子。
CH3NH3M1X3 (1)
(式中、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R1(NH3)2M1X4 (2)
(式中、R1は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、M1は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CH3NH3SnX3 (3)
(式中、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
R2(NH3)2SnX4 (4)
(式中、R2は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基又は芳香族複素環基であり、Xは、F,Cl,Br,Iである。)
CsM2X3 (5)
(式中、M2は、2価の金属イオンであり、Xは、F,Cl,Br,Iである。) - 前記強誘電体層は、前記一対の電極のいずれか一方に塗膜形成されたものであって、前記塗膜は前記一般式(1)乃至(4)のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又は前記一般式(5)に示す無機ペロブスカイト化合物を構成し得る前駆体を含む溶液を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載した強誘電体メモリ素子。
- 前記強誘電体層は、前記一対の電極のいずれか一方に被膜形成されたものであって、前記被膜は前記一般式(1)乃至(4)のハライド系有機無機混成ペロブスカイト化合物又は前記一般式(5)に示す無機ペロブスカイト化合物を前記下部電極又は上部電極のいずれか一方の上に蒸着して形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載した強誘電体メモリ素子。
- 前記強誘電体層は、50〜200℃の温度範囲で形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子。
- 前記一対の電極のいずれか一方と前記強誘電体層の間にバッファ層を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子。
- 前記一対の電極の一方又は双方が導電層を有する導電性プラスチック電極であって、前記導電層を有する導電性プラスチック電極の波長550nmにおける光透過率が10%未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子を有することを特徴とする誘電体メモリテープ。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子をシリコン基板上に積層した強誘電体キャパシタ。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載した強誘電体メモリ素子が、半導体MOS部のキャパシタとして形成されていることを特徴とする強誘電体メモリセル。
- 請求項9に記載した強誘電体メモリセルを有することを特徴とする非接触型ICカード。
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