JP2007280681A - 固体高分子形燃料電池およびその固体高分子形燃料電池に用いられる電極基材の製造方法 - Google Patents

固体高分子形燃料電池およびその固体高分子形燃料電池に用いられる電極基材の製造方法 Download PDF

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憲朗 光田
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Abstract

【課題】陽極の電極基材に水滴が溢れ、セル電圧が不安定化することが防止される固体高分子形燃料電池およびその固体高分子形燃料電池に用いられる電極基材の製造方法を提供する。
【解決手段】固体高分子形燃料電池は、燃料電極基材と陰極触媒層を含む陰極と、酸化剤電極基材と陽極触媒層を含む陽極と、固体高分子電解質膜とを含む固体高分子形燃料電池において、上記燃料電極基材の炭素繊維の表面は、フッ素系樹脂によって斑状に撥水処理され、上記撥水処理されている表面の面積は、上記炭素繊維の総表面積の5%以上、50%以下である。
【選択図】図2

Description

この発明は、電気化学的な反応を利用して発電する固体高分子形燃料電池およびその固体高分子形燃料電池に用いられる電極基材の製造方法に関する。
従来、固体高分子形燃料電池の電極基材としては、カーボンペーパー、カーボンクロスやカーボンフェルトを撥水処理したものが用いられ、陰極触媒層や陽極触媒層を形成し、固体高分子電解質膜を挟んで対峙させ、空気や酸素などの酸化剤ガスまたは、純水素や改質ガスなどの燃料ガスの流路を形成したセパレータで挟持して構成された固体高分子形燃料電池が知られている。
そして、2種類のフッ素系樹脂(PTFEとFEP)を用いて撥水剤を調整し、電極基材に一方の側からスプレーすることで、撥水性が触媒層に接する側ほど高くなるようにした電極基材およびその製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−116338号公報
しかしながら、固体高分子形燃料電池で発生した水は、特許文献1の発明の効果に記載されているような水蒸気の透過によってのみ排出されたり加湿されたりするのではなく、80℃未満の低温で動作することから、液体としての水が水滴として電極基材の中に溢れだしてフラッディングが起こるという不具合がある。
特に、陽極の電極基材に溢れた水滴は、酸化剤ガスのガス拡散性を阻害し、セル電圧を低下させ、あるいは周期的に大きくふらつく現象を引き起こし、燃料電池システムを不安定にするという問題がある。
この発明の目的は、陽極の電極基材に水滴が溢れ、セル電圧が不安定化することが防止される固体高分子形燃料電池およびその固体高分子形燃料電池に用いられる電極基材の製造方法を提供することである。
この発明に係わる固体高分子形燃料電池は、燃料電極基材と陰極触媒層を含む陰極と、酸化剤電極基材と陽極触媒層を含む陽極と、固体高分子電解質膜とを含む固体高分子形燃料電池において、上記燃料電極基材の炭素繊維の表面は、フッ素系樹脂によって斑状に撥水処理され、上記撥水処理されている表面の面積は、上記炭素繊維の総表面積の5%以上、50%以下である。
また、この発明に係わる電極基材の製造方法は、フッ素系樹脂の粒子を含む水系ディスパージョンと増粘剤とを混合して斑撥水ペーストを調製する手順と、上記斑撥水ペーストを燃料電池用電極基材に含浸し表面に上記フッ素系樹脂と上記増粘剤とを付着する手順と、上記増粘剤が分解消失される温度以上の温度で焼成処理する手順と、を含む。
この発明に係わる固体高分子形燃料電池の効果は、燃料電池の発電にともなって生成される液体として溢れ出た水が、液滴として電極基材内部にとどまることなく、炭素繊維の親水部分を伝わってセパレータのガス流路に排出されるので、フラッディングを防ぎ燃料電池を安定に動作させることができる。
特に、陰極側に水が排出され易くなることで、酸化剤電極基材内部に液体としての水が排出されることを防止でき、酸化剤電極基材でのガス拡散性が確保されるので、セル電圧が低下したりふらついたりせずに安定する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる固体高分子形燃料電池の側面断面図である。図2は、図1の電極基材表面を2000倍の倍率で観測した走査型電子顕微鏡写真を模式的に示したものである。
この発明の実施の形態1に係わる固体高分子形燃料電池の単電池は、膜電極接合体1とその膜電極接合体1を両側から挟持する導電性酸化剤セパレータ板2および導電性燃料セパレータ板3とを有する。
この膜電極接合体1は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜6、固体高分子電解質膜6の一面の中央部に接し位置する陽極触媒層7、固体高分子電解質膜6の他面の中央部に接し位置する陰極触媒層8、陽極触媒層7を覆う酸化剤電極基材9、陰極触媒層8を覆う燃料電極基材10を有する。酸化剤電極基材9のうち陽極触媒層7を囲繞する部分と燃料電極基材10のうち陰極触媒層8を囲繞する部分には熱可塑性樹脂が充填されている。
なお、陽極触媒層7と酸化剤電極基材9とで陽極4、陰極触媒層8と燃料電極基材10とで陰極5が構成されている。
また、酸化剤電極基材9に面する導電性酸化剤セパレータ板2の面に酸化剤を流す酸化剤ガス流路11が設けられている。さらに、燃料電極基材10に面する導電性燃料セパレータ板3の面に燃料を流す燃料ガス流路12が設けられている。この酸化剤ガス流路11は、導電性酸化剤セパレータ板2の外縁部13に延在し、さらにその導電性酸化剤セパレータ板2の外縁部13に厚み方向に穿設された穴に連なっている。単電池を複数個積層するときこの穴は上下に積層されている単電池の導電性燃料セパレータ板3に設けられた穴と連なり、さらにその上の導電性酸化剤セパレータ板2に設けられた穴と順次連なっていく。一番上に積層された単電池の導電性酸化剤セパレータ板2に設けられた穴を酸化剤供給口としてそこから酸化剤が供給される。一方、一番下に積層された単電池の導電性燃料セパレータ板3に設けられた穴を酸化剤排出口としてそこから余った酸化剤が排出される。燃料に関しても同様にして供給・排出される。
この実施の形態1に係わる酸化剤電極基材9および燃料電極基材10には、電極基材として、東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGP−H−090(厚さ270ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)を用いた。
電極基材の表面を走査型電子顕微鏡で2000倍の倍率で観測すると、図2に模式的に示す写真が得られる。炭素繊維24と炭素繊維24が接触する部分は、電極基材作成時に用いられた接着剤が高温処理され炭化した水かき部25が形成されている。
この水かき部25の表面は、フッ素系樹脂の撥水被膜22が全体を覆っている。一方、炭素繊維24の表面は、フッ素系樹脂の撥水被膜22が覆い撥水性を有する斑状の撥水部21と、フッ素系樹脂の撥水被膜22が覆われていない親水性を有する親水部23とが形成されている。
次に、電極基材の炭素繊維の表面に斑状の撥水部21を形成する斑撥水処理方法について説明する。なお、電極基材の炭素繊維24の表面を斑状に撥水処理が施された電極基材の効果を調べるために、この実施の形態1に係わる2種類の撥水処理方法で斑撥水処理された電極基材(実施例1と実施例2)と、比較のための従来撥水処理方法で撥水処理された電極基材(比較例1)を作製した。
最初に、この発明の実施の形態1に係わる第1の斑撥水処理方法で実施例1の電極基材を作製する。
粉末状のカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(以下、「NaCMC」と称す。)を水に溶解し、プラネタリーミキサーで、回転速度1000rpmで5分間攪拌し、3重量%の粘性の高い透明な増粘剤ペーストを作製した。
次に、ダイキン工業(株)製のポリフロンD−1(0.3ミクロン程度のポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と称す。)粒子を約60重量%含み界面活性剤でエマルジョン化された水溶液)に増粘剤ペーストを加えてプラネタリーミキサーで、回転速度1000rpmで5分間攪拌し、PTFEを7重量%、NaCMCを0.05重量%含む第1の斑撥水ペーストを作製した。
次に、ガラス製のシャーレーに、第1の斑撥水ペーストを深さ10mm程度まで注ぎ、これに電極基材を10枚、沈めた後、順に、1枚ずつ引き上げて、ステンレス製の電極基材立てに電極基材を立てて並べ、余分な第1の斑撥水ペーストを下に落とした後、電極基材立てに並べ高温乾燥器に入れて空気雰囲気で、400℃に10分間加熱した後、取り出して実施例1の電極基材を作製した。
次に、この発明の実施の形態1に係わる第2の斑撥水処理方法で実施例2の電極基材を作製する。
第1の斑撥水ペーストに水を加えて、約2倍に希釈し、プラネタリーミキサーで、回転速度1000rpmで5分間攪拌し、PTFEを4重量%、NaCMCを0.03重量%含む、第2の斑撥水ペーストを作製した。
次に、ガラス製のシャーレーに、第2の斑撥水ペーストを深さ10mm程度まで注ぎ、これに電極基材を10枚、沈めた後、順に、1枚ずつ引き上げて、ステンレス製の電極基材立てに電極基材を立てて並べ、余分な第2の斑撥水ペーストを下に落とした後、電極基材立てに並べ高温乾燥器に入れて空気雰囲気で、400℃に10分間加熱した後、取り出して実施例2の電極基材を作製した。
最後に、比較のために、ダイキン工業(株)製のポリフロンD−1(0.3ミクロン程度のPTFE粒子を約60重量%含み界面活性剤でエマルジョン化された水溶液)に9倍の重量の水を加え、プラネタリーミキサーで、回転速度1000rpmで5分間攪拌して、PTFEを6重量%含む、従来撥水ペーストを作製した。
次に、ガラス製のシャーレーに、従来撥水ペーストを深さ10mm程度まで注ぎ、これに電極基材を10枚、沈めた後、順に、1枚ずつ引き上げて、ステンレス製の電極基材立てに電極基材を立てて並べ、余分な従来撥水ペーストを下に落とした後、電極基材立てに並べ高温乾燥器に入れて空気雰囲気で、400℃に10分間加熱した後、取り出して比較例1の電極基材を作製した。
なお、実施例1、実施例2および比較例1の電極基材の作製において、撥水処理前後の重量測定から電極基材に付着したPTFEの量を算出し、撥水量を求めた。
また、このように作製した実施例1、実施例2および比較例1の電極基材についての基材蓄積水量の測定を行った。
実施例1、実施例2および比較例1の電極基材と、撥水処理されていない電極基材である比較例2の電極基材とをそれぞれ3枚、重量を測定した後、ガラス製のシャーレーに入れ、水を注いで浸し、ステンレス製の重りをその上に載せて、沈めた後、シャーレーにふたをして、温度90℃に保たれた恒温槽内に放置する。そして、120時間放置後、取り出して、表面の水を紙で吸い取った後、重量を測定して、電極基材が蓄積する水の重量を算出した。
また、このように作製した実施例1、実施例2および比較例1の電極基材についての基材透過水量の測定を行った。
基材蓄積水量の測定に用いた実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の電極基材と、2枚のテフロン(登録商標)板と、撥水処理していない50mm×50mmの電極基材(東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGPH−H−090)を用意する。そして、種類毎に、水を含んだ状態の電極基材を5枚重ねてテフロン(登録商標)板の上に載せ、その上に、試験サンプルとしての電極基材を1枚載せ、さらに、その上に、秤量した乾燥した電極基材を載せ、その上にテフロン(登録商標)板を載せてサンドイッチ状にした。
これをガラス製のシャーレーに入れて、ステンレス製の重しを載せ、シャーレーのふたをし、温度40℃に保たれた恒温槽内に放置する。そして、1時間放置後に、下の水を含ませた電極基材から、試験サンプルとしての電極基材を透過して、上の乾燥した電極基材に移動した水の量を重量法によって求めた。
図3は、実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の電極基材に対して測定した撥水量、基材蓄積水量および基材透過水量である。図3においては、撥水量、基材蓄積水量および基材透過水量がそれぞれ単位面積あたりの重量(mg/cm)に換算して表されている。
電極基材への撥水量(単位面積あたりのPTFEの重量)は、実施例1と比較例1とで同じ値(1.1mg/cm)を示し、実施例2では少し低い値(0.8mg/cm)を示している。
基材蓄積水量は、実施例1と実施例2では、比較例1の2倍以上の値となり、この発明の実施の形態1の電極基材は比較例1のように従来の撥水処理が施された電極基材に比べて、保水性が大きく高まったことが示された。比較例2のように撥水処理が施されていない電極基材の基材蓄積水量との対比から、この発明の実施の形態1の電極基材の水の蓄積量は、電極基材の気孔体積の1/3以下程度であり、ガスの拡散性を著しく阻害する恐れのある2/3を下回っており、ガス拡散性を阻害しないことが分かる。
なお、比較例1のように従来の撥水処理が施された電極基材でも、電極基材の内部に蓄積された水が存在するが、この水は、一旦、電極基材の内部に蓄積されると、移動することが難しい。これは、蓄積された水が撥水剤に囲われて挟まれるために、移動が困難になるためである。
基材透過水量は、実施例1と実施例2では、比較例1の2倍以上の値となり、比較例1のように従来の撥水処理が施された電極基材に比べて、水の透過性が著しく高まったことが示された。
比較例1のように従来の撥水処理が施された電極基材では、電極基材に蓄積された水が存在するにもかかわらず、電極基材の内部を透過できる水は僅かな重量に限られており、一旦、電極基材の内部に蓄積された水が移動しにくくなっていることが分かる。
このように、電極基材を構成する炭素繊維の表面が斑状に撥水処理が施され、表面の残りの部分が親水性を示すので、実施の形態1の電極基材が、従来の撥水処理が施された電極基材に比べて、ガスの拡散性を阻害しない範囲で、水を保持し、水を透過できる。
これは、図2の走査型電子顕微鏡で観察した炭素繊維の表面の模式図で示したように、炭素繊維の表面が斑状に撥水処理され、表面の残りの部分が親水性を示すので、親水性の表面を伝わって水が移動できるためである。
また、炭素繊維の表面が斑状に撥水処理されるのは、親水性の増粘剤とフッ素系樹脂の粒子がコロイド状にディスパージョンされて分散され、その増粘剤とフッ素系樹脂の粒子が炭素繊維に付着し、400℃での熱処理で、増粘剤が酸化分解消失した後が親水性の表面として残り、フッ素系樹脂の粒子が焼き付いた表面はそのフッ素系樹脂が強力な撥水性を示すためである。
なお、撥水性を有する水かき部25の効果であるが、電極基材内の水滴が成長して大きくなった場合に、水滴が水かき部25に触れて、接触角が大きくなり、不安定になって、移動しやすくなると考えられる。水滴は、接触角の小さな炭素繊維24の表面に付着する方が安定なので、その部分を求めて移動すると考えられる。
このように、実施の形態1に係わる斑撥水処理により、水かき部25が優先的に撥水処理されるので、電極基材の内部での水の移動を促進する働きをしている。
次に、撥水処理が施されている電極基材の炭素繊維の表面の比率と、電極基材の内部を透過する水透過量との関係を明らかにするために、異なった撥水処理条件の撥水処理が施された電極基材の基材透過水量を測定した。
異なった撥水処理条件の撥水処理が施された電極基材として、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2に加えて、ポリテトラフルオロエチレンに対する増粘剤の比率を変えた斑撥水ペーストを用いて電極基材に撥水処理を施して4種類の電極基材を追加した。
種類毎に、水を含ませた5枚の電極基材を重ねてテフロン(登録商標)板の上に載せ、その上に、試験サンプルとしての電極基材を1枚載せ、さらに、その上に秤量した乾燥した電極基材(東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGPH−H−090)を載せ、さらに、その上にテフロン(登録商標)板を載せてサンドイッチ状にした。
これをガラス製のシャーレーに入れて、上側のテフロン(登録商標)板上にステンレス製の重しを載せ、シャーレーにふたをし、温度40℃に保たれた恒温槽内に放置する。そして、2時間放置後に、下の水を含ませた電極基材から、試験サンプルとしての1枚の電極基材を透過して、上の乾燥した電極基材に移動した水の量を測定して基材透過水量を求めた。
電極基材への撥水量をPTFEの重量比率ではなく、炭素繊維の表面を覆うPTFEの付着面積比率、すなわち、撥水処理されている面積が炭素繊維の総表面積に対する比率を用いた。
比率の計測には、それぞれ3枚の走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)の2枚のコピーを用い、炭素繊維と炭素繊維との間の水かき部には、優先的に撥水処理が施されるので、水かき部を除く炭素繊維上での撥水面積と親水面積を調べる。具体的には、写真のコピー2枚をそれぞれ画像に鮮明に写っている繊維のみをハサミで切り出した後、1枚は、さらに、PTFEで覆われている炭素繊維の画像のみを切り出した。そして、PTFEで覆われている炭素繊維の画像を集めたコピーの合計の重量を測定し、これを撥水処理されている面積の合計とし、一方、PTFEで覆われていない部分を含む炭素繊維の画像を集めたコピーの合計の重量を測定し、これを炭素繊維の総表面積として、その比を求め、撥水処理されている面積が炭素繊維の総表面積に対する割合を求めた。PTFEで覆われているかどうかは、X線マイクロアナリシスのフッ素元素(PTFEに含まれていて、炭素繊維には含まれていない)と拡大した画像で、溶融したPTFEに特有の紅葉の葉のような形状の膜や粒子状になっていることで判定した。
図4は、炭素繊維の総表面積に対する炭素繊維の撥水性の表面積の比率に対する基材透過水量の関係を示すグラフである。
基材透過水量は、図4に示すように、撥水性の表面積の比率が炭素繊維の総表面積の50%を上回ると極端に減少する。このように、実施の形態1のように斑状に炭素繊維の表面に撥水処理を施すとき、撥水処理が施された表面の面積が炭素繊維の総表面積の50%以下であれば多くの水が内部を通って透過することができる。
これは、比率が50%を超えると、撥水性のフッ素系樹脂がつながって連続した被膜となり、親水性を示す表面が離れ島になり、炭素繊維の表面を伝わって水が移動することが困難になるためである。このようにフッ素系樹脂がつながって連続した被膜になることと親水性を示す表面が離れ島になることは、比率が60%の電極基材の走査型電子顕微鏡写真で確認できた。
他方、図示しないが、撥水性の表面積の比率が炭素繊維の総表面積の5%未満になると、電極基材の内部での水の蓄積量が大きく増加してガス拡散性を阻害し、セル電圧を大きく低下させる恐れがあるので、撥水性の表面積の比率が炭素繊維の総表面積の5%以上であることが望ましく、全体の特性を考慮すると、撥水性の表面積の比率が炭素繊維の総表面積の5%以上、50%以下の範囲が好ましい。
なお、電極基材としては、東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGP−H−090(厚さ280ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)を用いたが、他のカーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルトを電極基材として用いて撥水処理を施すと同様の斑状撥水処理ができる。
例えば、日本カーボン(株)製のカーボンクロスGF−20−P7を使用しても良い。また、厚さの異なる電極基材、例えば、東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGP−H−120(厚さ360ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)や燃料電池用電極基材TGP−H−060(厚さ180ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)を用いた場合でも同様の結果が得られる。
また、増粘剤として、実施の形態1ではNaCMCを用いたが、水溶性のポリマーであればその他の増粘剤を用いてもよく、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸塩などを用いることができ、走査型電子顕微鏡で観察して、撥水剤を斑状に付着せしめる役割を果たせればよい。
また、フッ素系樹脂のディスパージョンとして、実施の形態1ではPTFEを用いたが、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体FEP(例えば、ダイキン工業(株)製のND−1)や四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体PFAなどを用いることができ、乳化重合されたサブミクロンの大きさの粒子を分散したディスパージョンが望ましい。
次に、各種撥水処理が施された電極基材を用いた固体高分子形燃料電池の単電池を作製して運転評価試験を行った。
単電池の作製において、実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の電極基材を燃料電極基材10または酸化剤電極基材9として用い、その電極基材の上にスクリーン印刷によって陰極触媒層8または陽極触媒層7を塗布し、厚さ50ミクロンの固体高分子電解質膜6を挟んで、膜電極接合体1を作製する。酸化剤ガス流路11および燃料ガス流路12が、それぞれサーペンタイン流路として形成された酸化剤セパレータ板2および燃料セパレータ板3により挟んで、25cm級の単電池を作製して試験に供した。
燃料ガスとして水素80%、二酸化炭素20%、一酸化炭素20ppm、酸化剤ガスとして空気を用いて、動作温度75℃、加湿温度は陽極、陰極共70℃の加湿条件で、一定負荷での運転試験を実施した。また、一酸化炭素ロス(COロス)を測定する際には、一酸化炭素を含まない水素80%、二酸化炭素20%の混合ガスを燃料ガスに用いた。
図5は、各種電極基材を用いて作製した単電池の運転評価試験結果である。
No.1からNo.6までの6種類の単電池を作製し、運転評価試験を行った。評価項目として、初期のセル電圧、一酸化炭素を20ppm含有する燃料ガスと一酸化炭素を含まない燃料ガスとで運転したときのセル電圧の差(COロス)、60秒間のセル電圧の短期変動、1時間のセル電圧の長期変動および連続運転時のセル電圧の低下率を調べた。
No.1、No.2、No.3、No.4の単電池には、燃料電極基材10として、実施例1または実施例2の電極基材が用いられ、酸化剤電極基材9として、実施例1、実施例2または比較例1の電極基材が用いられている。また、No.5の単電池には、燃料電極基材10と酸化剤電極基材9ともに比較例1のように従来の撥水処理が施された電極基材が用いられ、No.6の単電池には、燃料電極基材10に比較例2のように撥水処理が施されていない電極基材を、酸化剤電極基材9に比較例1のように従来の撥水処理が施された電極基材が用いられている。
No.1からNo.4までの単電池は、いずれも、初期セル電圧は高く保たれており、No.5の単電池よりも短期変動、長期変動共に小さくなっている。これは、実施例1または実施例2の斑撥水処理が施された電極基材によって、生成した水が、セル電圧への影響が小さな燃料電極基材10側に優先して排出されるためである。また、No.1とNo.2の単電池では、燃料電極基材10が水のバッファとして機能するため、酸化剤電極基材9へ溢れる水が少なくなり、撥水処理が施された酸化剤電極基材9に蓄積される水の量も少なくなって、セル電圧が、No.5の単電池よりも高くなったと考えられる。
なお、短期変動や長期変動は、空気利用率が高くなった方が大きくなるが、No.1からNo.4の単電池では、空気利用率を40%から60%まで高めても、安定しており、セル電圧安定化への効果が高いことが分かった。
No.1からNo.4までの単電池は、いずれも、セル電圧の低下率が、No.5の単電池よりも改善されており、酸化剤電極基材9の水排出量や水蓄積量が削減されたために、陽極のフラッディングによる劣化が緩和されたと考えられる。
No6の単電池では、燃料電極基材10に撥水処理が施されていないので、水の透過や水の蓄積は十分なされるが、初期セル電圧が著しく低くなっている。これは、陰極側がフラッディングして水素酸化反応が不十分になり、純水素であれば、反応できても、燃料ガスに一酸化炭素が含まれていると、一酸化炭素被毒が著しくなり、COロスが大きくなって初期セル電圧が低下したものである。また、電圧変動が大きくなったのも、一酸化炭素被毒の影響であり、一酸化炭素被毒が運転の経過と共に進行するために、劣化速度も大きくなっている。すなわち、燃料電極基材10の撥水性が不十分な場合には、セル性能に著しい不具合が生じる。
No.3の単電池とNo.4の単電池を比較すると、No.4の単電池の方が性能が勝っている。違いは、燃料電極基材10に実施例1の電極基材を用いているか、実施例2の電極基材を用いているかの違いだけであり、陽極よりも陰極の撥水性を弱めることで、性能が向上することが分かる。これは、生成水の排出が、陰極側に優先され、陽極側へ余分の水が蓄積されることが防がれる効果によるものである。
陽極よりも陰極の撥水性を弱めることは、燃料電極基材のポリテトラフルオロエチレンに対する増粘剤の比率を、酸化剤電極基材の比率よりも大きくすることで実現できる。
このような固体高分子形燃料電池は、燃料電池の発電にともなって生成される液体として溢れ出た水が、液滴として電極基材内部にとどまることなく、炭素繊維の親水部分を伝わってセパレータのガス流路に排出されるので、フラッディングを防ぎ燃料電池を安定に動作させることができる。
特に、陰極側に水が排出され易くなることで、酸化剤電極基材9内部に液体としての水が排出されることを防止でき、酸化剤電極基材9でのガス拡散性が確保されるので、セル電圧が低下したりふらついたりせずに安定する。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2に係わる固体高分子形燃料電池の単電池の側面断面図である。
この発明の実施の形態2に係わる固体高分子形燃料電池は、実施の形態1に係わる固体高分子形燃料電池と燃料電極基材10Bおよび酸化剤電極基材9Bの厚さが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
この実施の形態2に係わる酸化剤電極基材9Bは、図6に示すように、燃料電極基材10Bよりも厚さが薄い電極基材が用いられている。すなわち、燃料電極基材10Bとして、東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGP−H−120(厚さ約360ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)を用い、酸化剤電極基材9Bとして、東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGP−H−060(厚さ約180ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)を用いている。そして、燃料電池用電極基材TGP−H−120および燃料電池用電極基材TGP−H−060に、第1の斑撥水ペーストを用いて、炭素繊維の表面に斑状の撥水処理を施した。
図7は、図6の電極基材表面を2000倍の倍率で観測した走査型電子顕微鏡写真を模式的に示したものである。図7(a)は、酸化剤電極基材9Bに関する写真であり、図7(b)は、燃料電極基材10Bに関する写真である。
走査型電子顕微鏡を用いて燃料電極基材10Bと酸化剤電極基材9Bの表面を観察すると、図7に示すように、酸化剤電極基材9Bの炭素繊維の表面は、燃料電極基材10Bと同様に、斑状にフッ素系樹脂により被覆され、フッ素系樹脂よって撥水されており、残りの部分は、親水性の炭素繊維の表面が現れており、撥水処理された表面の面積と親水性の表面の面積の比率は燃料電極基材10Bと酸化剤電極基材9Bとで同程度になっていることが分かる。
この実施の形態2に係わる単電池は、25cm級であり、燃料ガスとして水素80%、二酸化炭素20%、一酸化炭素20ppm、酸化剤ガスとして空気を用いて、動作温度75℃、加湿温度は陽極、陰極共70℃の加湿条件で、一定負荷での運転評価試験を実施した。また、一酸化炭素ロスを測定する際には、一酸化炭素を含まない水素80%、二酸化炭素20%の混合ガスを燃料ガスに用いた。
この運転評価試験の結果では、初期セル電圧が728mVと高い初期性能が得られ、電圧変動も低く抑えられ、劣化速度も1mV/1000時間と良い結果が得られた。
このように酸化剤電極基材9Bよりも厚い燃料電極基材10Bを用いることにより、陰極のバッファ効果が高くなり、陽極のガス拡散性が確保されるので、良好な初期性能や少ない劣化の固体高分子形燃料電池が得られる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係わる固体高分子形燃料電池は、実施の形態1に係わる固体高分子形燃料電池と燃料電極基材10および酸化剤電極基材9に施された斑撥水処理が異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態3に係わる燃料電極基材10および酸化剤電極基材9は、電極基材としては実施の形態1と同様に、東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGP−H−090(厚さ約270ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)を用いている。
そして、実施の形態3に係わる燃料電極基材10は、燃料電池用電極基材TGP−H−090に第2の斑撥水ペーストを用いて斑撥水処理が施されたものであり、実施の形態3に係わる酸化剤電極基材9は、燃料電池用電極基材TGP−H−090に第1の斑撥水ペーストを用いて斑撥水処理が施されたものである。
図8は、この発明の実施の形態3に係わる電極基材の表面を2000倍の倍率で観測した走査型電子顕微鏡写真を模式的に示したものである。図8(a)は、酸化剤電極基材9に関する写真であり、図8(b)は、燃料電極基材10に関する写真である。
酸化剤電極基材9の炭素繊維の表面は、図8(a)に示すように、斑状に被覆するフッ素系樹脂により斑状に撥水され、残りは親水性の表面がむきだしになっているが、図8(b)に示す燃料電極基材10の炭素繊維の表面より、広い面積に亘ってフッ素系樹脂により被覆されている。
この実施の形態3に係わる単電池は、25cm級であり、燃料ガスとして水素80%、二酸化炭素20%、一酸化炭素20ppm、酸化剤ガスとして空気を用いて、動作温度75℃、加湿温度は陽極、陰極共70℃の加湿条件で、一定負荷での運転評価試験を実施した。また、一酸化炭素ロスを測定する際には、一酸化炭素を含まない水素80%、二酸化炭素20%の混合ガスを燃料ガスに用いた。
この運転評価試験の結果では、初期セル電圧が730mVと高い初期性能が得られ、電圧変動も低く抑えられ、劣化速度も1mV/1000時間と良い結果が得られた。
このように酸化剤電極基材9よりも燃料電極基材10の方が親水性の炭素繊維の表面が広くむき出されていることにより、陰極のバッファ効果が高くなり、陽極のガス拡散性が確保されるので、良好な初期性能や少ない劣化の固体高分子形燃料電池が得られる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係わる固体高分子形燃料電池は、実施の形態2に係わる固体高分子形燃料電池と燃料電極基材10Bおよび酸化剤電極基材9Bに施された撥水処理が異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
この実施の形態4に係わる燃料電極基材10Bとして、実施の形態2と同様に、東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGP−H−120(厚さ約360ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)を用い、実施の形態4に係わる酸化剤電極基材9Bとして、実施の形態2と同様に、東レ(株)製の燃料電池用電極基材TGP−H−060(厚さ約180ミクロンの炭素繊維と炭素の複合材料)を用いている。
そして、燃料電極基材10Bは、燃料電池用電極基材TGP−H−120に第1の斑撥水ペーストを用いて斑撥水処理を施したものである。酸化剤電極基材9Bは、燃料電池用電極基材TGP−H−060に従来撥水ペーストを用いて撥水処理を施したものである。
図9は、この発明の実施の形態4に係わる電極基材の表面を2000倍の倍率で観測した走査型電子顕微鏡写真を模式的に示したものである。図9(a)は、酸化剤電極基材9Bに関する写真であり、図9(b)は、燃料電極基材10Bに関する写真である。
酸化剤電極基材9Bの炭素繊維の表面は、図9(a)に示すように、全面に亘って被覆するフッ素系樹脂により全面が撥水処理されている。一方、燃料電極基材10Bの炭素繊維の表面は、図9(b)に示すように、斑状に撥水処理されている。
この実施の形態4に係わる単電池は、25cm級であり、燃料ガスとして水素80%、二酸化炭素20%、一酸化炭素20ppm、酸化剤ガスとして空気を用いて、動作温度75℃、加湿温度は陽極、陰極共70℃の加湿条件で、一定負荷での運転評価試験を実施した。また、一酸化炭素ロスを測定する際には、一酸化炭素を含まない水素80%、二酸化炭素20%の混合ガスを燃料ガスに用いた。
この運転評価試験の結果では、初期セル電圧が732mVと最も高い初期性能が得られ、電圧変動も低く抑えられ、劣化速度も1mV/1000時間と良い結果が得られた。
このように酸化剤電極基材9Bの撥水性を高めることにより、陽極のガス拡散性が確保されるので、良好な初期性能や少ない劣化の固体高分子形燃料電池が得られる。
上述のように、燃料電極基材と酸化剤電極基材の特性を変化させ、酸化剤電極基材を、燃料電極基材よりも薄くしたり、撥水性を強めたりすることにより、この発明の効果が高まる。これは、燃料電極基材に水のリザーブ機能と水のバッファ機能が付加されて、酸化剤電極基材側への水の排出や流出が抑制されるが、撥水性の差異によって、より酸化剤電極基材側に排出されにくくなり、酸化剤電極基材を薄くすることでガスの拡散性が改善されるためである。
この発明の実施の形態1に係わる固体高分子形燃料電池の側面断面図である。 図1の電極基材表面を2000倍の倍率で観測した走査型電子顕微鏡写真を模式的に示したものである。 実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の電極基材に対して測定した撥水量、基材蓄積水量および基材透過水量である。 炭素繊維の総表面積に対する炭素繊維の撥水性の表面積の比率に対する基材透過水量の関係を示すグラフである。 各種電極基材を用いて作製した単電池の運転評価試験結果である。 この発明の実施の形態2に係わる固体高分子形燃料電池の単電池の側面断面図である。 図6の電極基材表面を2000倍の倍率で観測した走査型電子顕微鏡写真を模式的に示したものである。 この発明の実施の形態3に係わる電極基材の表面を2000倍の倍率で観測した走査型電子顕微鏡写真を模式的に示したものである。 この発明の実施の形態4に係わる電極基材の表面を2000倍の倍率で観測した走査型電子顕微鏡写真を模式的に示したものである。
符号の説明
1 膜電極接合体、2 酸化剤セパレータ板、3 燃料セパレータ板、4 陽極、5 陰極、6 固体高分子電解質膜、7 陽極触媒層、8 陰極触媒層、9 酸化剤電極基材、10 燃料電極基材、11 酸化剤ガス流路、12 燃料ガス流路、13 外縁部、21 撥水部、22 撥水被膜、23 親水部、24 炭素繊維、25 水かき部。

Claims (5)

  1. 燃料電極基材と陰極触媒層を含む陰極と、酸化剤電極基材と陽極触媒層を含む陽極と、固体高分子電解質膜とを含む固体高分子形燃料電池において、
    上記燃料電極基材の炭素繊維の表面は、フッ素系樹脂によって斑状に撥水処理され、
    上記撥水処理されている表面の面積は、上記炭素繊維の総表面積の5%以上、50%以下であることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  2. 上記酸化剤電極基材の炭素繊維の表面は、フッ素系樹脂によって斑状に撥水処理され、
    上記燃料電極基材の炭素繊維の撥水処理されている表面の面積の上記燃料電極基材の炭素繊維の総表面積に占める比率が、上記酸化剤電極基材の炭素繊維の撥水処理されている表面の面積の上記酸化剤電極基材の炭素繊維の総表面積に占める比率よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  3. 上記燃料電極基材は、上記酸化剤電極基材より厚いことを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子形燃料電池。
  4. フッ素系樹脂の粒子を含む水系ディスパージョンと増粘剤とを混合して斑撥水ペーストを調製する手順と、
    上記斑撥水ペーストを燃料電池用電極基材に含浸し表面に上記フッ素系樹脂と上記増粘剤とを付着する手順と、
    上記増粘剤が分解消失される温度以上の温度で焼成処理する手順と、
    を含む固体高分子形燃料電池に用いられる電極基材の製造方法。
  5. 上記燃料電極基材に含浸する斑撥水ペーストは、酸化剤電極基材に含浸する斑撥水ペーストより上記フッ素系樹脂に対する上記増粘剤の比率が大きいことを特徴とする請求項4に記載の固体高分子形燃料電池に用いられる電極基材の製造方法。
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