JP2007279619A - 画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去するための装置 - Google Patents

画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去するための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写して除去する画像除去装置を提供する。
【解決手段】少なくとも、熱可塑性を有する画像形成物質で画像が形成された被記録材10と該画像形成物質に対して接着力を有する剥離部材27とを重ね合わせる手段と、この重ね合わせた被記録材と剥離部材とを加熱・加圧する手段21,23と、上記重ね合わせた被記録材と剥離部材とを分離する分離手段24からなる画像除去装置を前提として、上記剥離部材に転写された画像形成物質に対して接着性を有する材料からなり、該剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送される転移クリーニング部材39を、該剥離部材に対向せしめる手段を設けて成り、上記剥離部材と転移クリーニング部材との対向部近傍で、該剥離部材上の画像形成物質を該転移クリーニング部材に転移させることにより、該剥離部材上の画像形成物質を除去することである。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置で画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去する画像除去装置、該画像除去装置を用いた被記録材の繰り返し使用方法、および該画像除去装置と画像形成装置がセットになった画像形成・除去システムに関する。特に、熱可塑性を有する画像形成物質粉体で画像が形成された被記録材から画像形成物質を剥離部材に転写して、被記録材から画像形成物質を除去する装置に関し、当該技術分野において、画像形成物質を転写するための剥離部材から画像形成物質を除去する手段に関する。
本発明に係る画像除去装置および画像形成・除去システムは、感光体上に静電潜像を形成した後、乾式トナーを用いて現像し、トナー像を被記録材に転写する通常の電子写真法により画像を形成する技術分野に適用される他に、静電記録法、トナージェット記録法、イオンフロー記録法などの感光体を使用しない電子写真法や電子写真装置で画像を形成する技術分野にも適用できる。
また、本発明は、必ずしも電子写真法により画像を形成する場合に限らず、熱可塑性の画像形成物質を用いて画像を形成する磁気記録プロセス、熱転写方式、熱溶融性のソリッドインクを用いるインクジエット法で画像を形成する技術分野にも適用できる。
近年、電子写真法やインクジェット記録方法、熱転写記録方法を用いたプリンターやアナログ複写機、デジタル複写機、印刷機が普及し、紙が大量に使用されている。被記録材として一般に用いられる紙は、再生可能な資源である木材より得られるパルプを原料としている。しかしながら、紙の製造過程において、木材からセルロース繊維を抽出するパルプ化の過程や抄紙工程で紙を乾燥するために、多くのエネルギーを消費する。これらの紙を製造する工程の一部では、木材からパルプを抽出した残渣である黒液などのバイオマス由来の燃料を使用するにことにより、発生する炭酸ガス量を削減する努力がなされている。しかしながら、すべての工程でバイオマス起源の燃料が用いられている訳ではなく、多量の化石燃料が用いられているのが現状である。化石燃料から発生する炭酸ガスは地球の温暖化を生じる原因物質とされており、また、化石燃料資源の枯渇を防ぐことからも、紙の使用量を低減することが環境保全の観点から望まれている。バイオマス由来の燃料を節約できれば、紙の製造工程以外に使用することも可能となる。
近年は、紙を製造するために木材を乱伐することは減ってきているものの、すべての紙が管理された森林から採られた木材を原料としている訳ではなく、紙の消費量を抑制することにより森林を保護して地球環境の悪化を防止することも重要な社会的な課題である。
また、紙には、燃焼、腐敗しない無機成分を含んでいるので、紙が廃棄されると一定の割合で、埋め立てが必要な廃棄物が発生する。廃棄物の埋め立て地を見つけることは困難となってきており、この観点からも紙の消費量を抑制することが社会的な課題となっている。
これらの問題に対処するため、不要になった情報記録用紙を回収し、回収された紙を製紙工場で、一旦パルプの状態まで離解し、再利用する方法が従来から行なわれている。しかしながら、この方法では、新たな木材資源は必要としないが、回収のための運送や再パルプ化、再抄紙のためにフレッシュパルプから紙を製造する場合とほぼ同等のエネルギーを使用する。更に、再生パルプを使用した紙では剛度や白色度が低下し、印字した時ににじみが生じるなどの品質上の問題があるため、一般に情報記録用紙として使用される上質紙では、再生パルプの混入率を30%程度に留める必要がある。白色度が高い上質の情報記録紙を製造するためには、古紙から抽出するパルプの比率を低く留めたり、未使用古紙からパルプを製造する等が必要となり、新しい木材から紙を製造するよりも割高になる場合もある。更に、情報が記録された被記録材を回収して再生することは、情報が記録された被記録材が社外や家庭外に流通することになり、機密やプライバシーの保守という観点からも問題がある。
一旦使用された紙を回収し、再生紙としてリサイクルする場合の問題を解決するため、一度使用した被記録材上の画像を除去して被記録材を再生し、再使用できる被記録材や方法が提案されている。例えば、被記録材上に形成された画像を剥離部材に転写して除去する方法として、特開平7−13383号公報(特許文献1)には、電子写真法により画像が形成された紙に水を含む液体を含浸させ、紙と画像形成物質との接着力を弱めた状態にして紙と剥離部材とを加熱状態で圧接し、紙より熱可撓性の画像形成物質を剥離除去する方法が開示されている。この方法では、水を含む液で紙繊維を膨潤させるため、液で膨潤しない画像形成物質との間に剪断力が生じ、画像形成物質と紙との接着力が弱まる。このために、紙と画像形成物質との接着力が比較的弱い状態で、画像形成物質の転写、剥離を行うことが可能になるという利点がある。しかしながら、一般に市販されている普通紙を使用すると、画像形成物質と紙との接着力が強く、画像形成物質を完全に除去することが困難であったり、画像形成物質を除去しようとすると画像形成物質と一緒に紙の一部が剥がれてきてしまうという問題があった。
画像形成物質を除去する処理をした後の被記録材に画像形成物質が僅かでも残留すると、特定の被記録材について、画像形成や画像除去のサイクルを繰り返すと、残留画像形成物質は繰り返しの過程で除去される可能性は小さいので、繰り返し使用回数の多い被記録材においては、残留画像形成物質が蓄積し、形成する画像情報の視認性が低下したり、官能的に見苦しいものとなってしまうという問題が生じていた。
また、剥離部材として表面に熱可塑性樹脂層を有していない金属やプラスチックフィルムを用いると、紙の凹部にある画像形成物質を完全に除去することが困難であり、特に、地肌かぶりを形成する単独で付着している粉体画像形成物質粒子や低濃度階調画像を完全に除去することが困難であった。更に、被記録材に水を付与すると、たとえ付与する水が微量であっても、被記録材の使用を繰り返して行くと、画像形成装置や画像除去装置で処理する際に、皺やカールが発生してしまったり、カールの発生のために搬送ジャムを発生してしまうという問題を解決することが困難であった。また、大量の水を付与すると、被記録材に吸収した水を乾燥するために多くのエネルギーが必要になると共に、再生された被記録材の寸法が変化してしまうという問題もあった。
特開平1−297294号公報(特許文献2)には、被記録材としてプラスチック、金属、液浸透性のない紙、セラミックスなどを用い、これらの被記録材上に形成された熱溶融性の画像に熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、画像を剥離除去する方法が開示されている。また、特開平4−64472号公報(特許文献3)には、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスベルトを用い、離型剤で処理された被記録材上に形成された画像を転写剥離して除去する装置が開示されている。
被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写して被記録材上の画像を除去する装置において、これらの特許文献に記載されているように、表面に熱可塑性あるいは熱溶融性樹脂を有する剥離部材を用いること、画像形成物質との接着力を低下せしめた被記録材を用いることにより、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することができる。それは、被記録材と重ね合わされ加熱・加圧される時に、剥離部材の表面に存在する熱可塑性あるいは熱溶融性の樹脂が変形し、低濃度階調画像、地肌かぶりを形成するような高さの低い画像形成物質や被記録材の凹部に存在する画像形成物質にも剥離部材が接触することが可能であり、且つ、剥離部材表面に使用する熱可塑性あるいは熱溶融性樹脂と溶解性パラメーターがおよそ等しい熱可塑性あるいは熱溶融性樹脂を画像形成物質に使用すると、画像形成物質と剥離部材表面層の接着力も極めて強くなり、画像形成物質を剥離する力は画像形成物質の凝集力まで高められるからである。
従って、被記録材上の画像形成物質を除去するためには、上記特許文献2又は特許文献3のように、剥離部材表面に熱可塑性あるいは熱溶融性樹脂層を設けることが好ましいが、剥離部材表面層と画像形成物質の両方が熱可塑性あるいは熱溶融性樹脂を含んでいるので、両者は加熱・加圧により相溶し界面を形成しない状態となってしまう。このために、被記録材から剥離部材に転写された画像形成物質を除去することが困難であった。シート状の被記録材を処理する場合、1枚のシート状被記録材の画像形成物質除去処理をする度に被記録材から剥離部材に転写される画像形成物質を剥離部材から除去することは必ずしも必要ではないが、剥離部材上に転写された画像形成物質を除去しないと、剥離部材上の熱可塑性あるいは熱溶融性樹脂層の層厚みに差が生じ、被記録材との接触が困難になったり、厚みの厚い部分の画像形成物質が剥離部材から被記録材に逆転写してしまうという問題が発生し、画像除去装置の継続使用が困難となる。また、仮に剥離部材上の熱可塑性あるいは熱溶融性樹脂層の厚み分布を均一にできたとしても、その厚みが被記録材からの画像形成物質の転写を繰り返すことにより厚くなると、剥離部材の熱容量が大となり、また熱伝導性が低下するため、適正な画像形成物質の除去操作を行うことが困難となる。上記特許文献2又は特許文献3には、剥離部材上の画像形成物質を除去する手段や方法については、何ら記載がなされていない。
特開平9−230761号公報(特許文献4)には、加熱手段を有するブレードを剥離部材に対向して設けることにより、剥離部材上の画像形成物質を除去する手段が開示されている。特開平11−219073号公報(特許文献5)には、剥離部材と所定間隔をあけて配置された熱可塑性樹脂層厚を維持する手段と剥離部材とを相対的に移動させ、剥離部材上に転写された画像形成物質を掻き取る画像除去装置が開示されている。また、特開2001−66957号公報(特許文献6)には、熱可塑性樹脂層の厚みを規制する固定部材を一定加重で弾性的に当接させることにより、熱可塑性樹脂層を有する剥離部材から画像形成物質を除去する手段が開示されている。
上記特許文献5には、固定される膜厚規制部材の他に、剥離部材に対向する位置にローラや無端ベルトを対向させ、剥離部材の搬送とカウンター方向に搬送する構成の膜厚規制部材も開示されている。この移動型の膜厚規制部材においては、その表面が画像形成物質に接着性を示さない、例えばテフロン(登録商標)などの低表面エネルギーの材料で構成されている。すなわち、これらの特許文献に開示された手段は、基本的な原理として、剥離部材上の熱可塑性樹脂層および/または被記録材より転写された熱可塑性を有する画像形成物質に剪断力を加え、その一部を掻き落とすものである。通常の電子写真装置などで使用される画像形成物質は、熱定着ローラや熱定着ベルトに付着してしまうことが無いように、定着温度においても画像形成物質の内部凝集力が高くなるように設計される。それ故、画像形成物質を画像形成装置における定着温度よりも高い温度に加熱しても、画像形成物質は比較的凝集力が高い状態に保たれる。前記の特許文献に記載された手段のように、画像形成物質に凝集力に打ち勝つ剪断力を与えて掻き落とすためには、急激に大きな剪断力を加えなければ画像形成物質を掻き千切ることができない。そのため、これらの特許文献に開示された剥離部材上の画像形成物質を除去する方法では、剥離部材の搬送には大きな駆動力が必要となったり、膜厚規制部材と剥離部材とを対向せしめる部分の熱可塑性樹脂および/又は熱可塑性画像形成物質の温度を高く設定する必要があり、多くのエネルギーを消費するという問題もあった。また、掻き落とした画像形成物質が膜厚規制部材に付着してしまい、画像形成物質を回収することが困難であるという課題を抱えていた。
特開平7−311520号公報(特許文献7)には、剥離部材に被記録材から転写された画像形成物質を、一旦クリーニング部材に転写する画像除去装置が開示されている。この特許文献7に開示されているのは、剥離部材よりも強い接着性を有する素材で表面が構成されているクリーニング部材に剥離部材上の画像形成物質を転写せしめ、剥離部材上の画像形成物質を全て除去する技術であり、剥離部材上に被記録材より転写された画像形成物質をブレードなどで擦ることなく除去できるため、剥離部材の磨耗を減ずることができ、剥離部材を長寿命にすることができるものである。
上記特許文献7に開示されるように、転写クリーニング部材として剥離部材よりも画像形成物質に対する接着性が高い素材を用いるためには、剥離部材表面には、比較的画像形成物質に対する接着力が弱い材料を使用する必要があった。被記録材に画像除去促進液を付与し、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた後、被記録材から剥離部材に画像形成物質を転写する装置においては、画像形成物質に対する接着力が比較的弱い剥離部材素材を用いても、被記録材から画像形成物質の転写が可能であったが、画像形成物質に対する接着力を弱めた被記録材を用い、画像除去促進液を用いずに剥離部材に画像形成物質を転写して被記録材から除去する方法においては、被記録材の画像形成物質に対する実用的な定着性を確保するために、画像除去促進液を用いる方式に比較して、画像形成物質に対する接着性がより高い剥離部材を使用して被記録材から画像形成物質を除去することが必要となる。このため、画像除去促進液を用いない画像形成物質の転写剥離除去方式では、従来の転写クリーニング方式を採用することは困難であった。
特開平7−56480号公報(特許文献8)には、剥離部材に転写された被記録材上の画像形成物質を直接平板状のブレードにより除去する技術や、剥離部材上に転写された画像形成物質を、更に、一旦クリーニング・ローラ上に転写し、クリーニング・ローラ上の画像形成物質をブレードにより除去する方法が開示されている。上記特許文献8には、転写クリーニング方式について詳しい記述はないが、転写クリーニング部材として画像形成物質に対する離型性が剥離部材に対する離型性よりも弱いものを使用するとの記述があり、上記特許文献7の転写クリーニング手段と同じ思想に基づくものである。
さらに、本発明と関連があり、本件と同じ出願人の先願に当たるものとしては、次に説明するようなものがある。
(1) 特願2005−72007号(「被記録材の画像形成物質除去方法、画像形成物質除去装置」)
この先願のものは、上流側では、熱可塑性のない剥離部材を使用して被記録材上に形成された画像を転写・除去し、下流側では熱可塑性の表面層を有する剥離部材で画像形成物質を転写・除去する方法および装置である。
(2) 特願2004−42355号(特開2005−234162号公報、「電子写真用紙、その製造方法、電子写真画像形成方法」)
この先願のものは、基体となる紙に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロースなどから選択されるポリマーを含有する目止め層を塗布した後に、炭素数6以上のアルキル基やアルケニル基を含む化合物等で構成される撥画像形成物質剤を含む組成物を塗布したリユース可能な電子写真用紙である。
(3) 特願2004−260535号(「リユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法」)
この先願のものは、画像形成物質剤としてオレフィン−無水マレイン酸重合体を少なくとも画像が形成される面の表面近傍に含有するリユース可能な被記録材である。
(4) 特願2003−360201号(特開2005−128046号公報、「画像形成装置、画像除去装置、画像形成除去システム」)
この先願のものは、被記録材上に形成する画像を消去することを前提とする第1画像形成モードと、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2画像形成モードを有する画像形成装置である。
特開平7−13383号公報 特開平1−297294号公報 特開平4−64472号公報 特開平9−230761号公報 特開平11−219073号公報 特開2001−66957号公報 特開平7−311520号公報 特開平7−56480号公報
本発明の目的は、上述の従来技術の問題点を解決することである。
すなわち、本発明の目的の一つは、画像形成物質の除去性に優れ、低濃度階調画像や地肌かぶりを形成する画像形成物質をも除去することが可能であり、被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写して除去する画像除去装置を提供することである。本発明の他の目的は、被記録材からの画像形成物質の除去性を良好とすることにより、被記録材の繰り返し使用回数を抜群に多くすることである。本発明の他の目的は、被記録材から転写された画像形成物質を剥離部材から良好に除去することにより、剥離部材を頻繁に交換することなく使用できるメンテナンス性に優れた画像除去装置を提供することである。本発明の他の目的は、上記画像除去装置を用いて、使用者にとって最も利便性に優れた被記録材の繰り返し使用方法や画像形成装置を含めたシステムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の解決手段に至った。上記課題を解決するための手段は、剥離部材に転写された画像形成物質に対して接着性を有する材料から成り、上記剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送される転移クリーニング部材を、上記剥離部材に対向せしめることを基本とするものである。
本発明に係る画像除去装置(請求項1に対応)は、少なくとも、熱可塑性を有する画像形成物質で画像が形成された被記録材と該画像形成物質に対して接着力を有する剥離部材とを重ね合わせる手段と、この重ね合わせた被記録材と剥離部材とを加熱・加圧する手段と、上記重ね合わせた被記録材と剥離部材とを分離する分離手段からなる画像除去装置を前提として、
上記剥離部材に転写された画像形成物質に対して接着性を有する材料からなり、該剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送される転移クリーニング部材を、該剥離部材に対向せしめる手段を設けて成り、
上記剥離部材と転移クリーニング部材との対向部近傍で、該剥離部材上の画像形成物質を該転移クリーニング部材に転移させることにより、該剥離部材上の画像形成物質を除去することである。
熱可塑性を有する画像形成物質で画像が形成された被記録材と該画像形成物質に対して接着力を有する剥離部材とを重ね合わせる手段と、この重ね合わせた被記録材と剥離部材とを加熱・加圧する手段と、上記重ね合わせた被記録材と剥離部材とを分離する分離手段からなる画像除去装置は、上記従来技術である特許文献1〜特許文献8に記載されているものと同等の装置である。本発明は、熱可塑性樹脂を含む組成物を表面に有する剥離部材を用いる画像除去装置と、熱可塑性樹脂を含む表面層を持たない剥離部材を使用する画像除去装置のいずれにも適用できる。熱可塑性樹脂を含む表面層を持たない剥離部材を使用する画像除去装置において、本発明は、剥離部材の磨耗を防止する、エンドレスベルトではなくローラ型の剥離部材で画像除去装置が構成できるなどの利点を与えるが、さらに本発明は、熱可塑性樹脂を含む組成物を表面に有する剥離部材を用いる画像除去装置において、特に、非常に大きな効果を有する。
それは、熱可塑性樹脂を含む表面層を持たない剥離部材を使用する画像除去装置においては、剥離部材上の画像形成物質を除去する手段としてブレード、特にスパイラル状のブレードが設けられたローラで実用的な水準の耐久性が得られるからである。一方、熱可塑性樹脂を含む組成物を表面に有する剥離部材を用いる画像除去装置においては、熱可塑性樹脂を含む組成物を表面持たない剥離部材を使用する場合に比較して、画像形成物質の除去特性が格段に向上することは明らかになっているものの、従来技術では、剥離部材上に被記録材から転写された画像形成物質を除去する手段として、実用となりうる水準に到達する手段が無かったからである。
本発明に係る画像除去装置は、上記特許文献1に開示されているような被記録材に画像除去促進液を付与する画像除去装置、上記特許文献2及び特許文献3に開示されているような画像形成物質の定着性の低い被記録材を用いて、画像除去促進液を付与することなく被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写して除去する画像除去装置のいずれにも適用できる。いずれのタイプの画像除去装置においても、本発明は、被記録材上の画像形成物質の除去性を向上し、且つ、画像除去装置の連続運転を可能にし、画像除去装置のメンテナンス性を向上する効果を有する。
しかしながら、後述するように、本発明の画像除去装置は、特に、画像形成物質に対する定着性を低下せしめ、普通紙に比較して表面の平滑度を高めた被記録材を用い、その被記録材上に形成された画像形成物質を画像除去促進液を用いることなく除去する場合に、特に大きな効果を有し、被記録材の繰り返し使用可能回数を高める(請求項12)。
本発明に係る画像除去装置(請求項1)における特徴は、剥離部材上に転写された画像形成物質を除去する手段にある。発明者が鋭意研究した結果、剥離部材上の画像形成物質を除去するため、特に熱可塑性樹脂を含む組成物を表面に有する剥離部材から画像形成物質を除去するためには、表面が剥離部材に転写された画像形成物質に対して接着性を有する材料よりなり、剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送される転移クリーニング部材を該剥離部材に対向せしめる手段を設け、剥離部材上に被記録材より転写された画像形成物質を、一旦、転移クリーニング部材に転移させることで、上記技術課題を解決することができることを見出して本発明に到った。
本発明においては、以降、剥離部材上の画像形成物質を除去する操作を「クリーニング」と称し、剥離部材上に被記録材から転写された画像形成物質を転移クリーニング部材に転移してクリーニング操作を実行する。転移クリーニング部材上に画像形成物質が蓄積されたら、転移クリーニング部材そのものを交換することも可能であるが、一旦、転移クリーニング部材に転移された画像形成物質を後述する方法や手段により、転移クリーニング部材から除去することもできる。
本発明のクリーニング手段は、例えばシート状の被記録材を処理する場合、画像が形成されたシート状被記録材を1枚、画像形成物質除去処理する毎に動作するように制御することもできるし、画像が形成された被記録材の画像形成物質の除去処理を複数枚行って、剥離部材上にある程度の画像形成物質が蓄積する毎に、間欠的に動作するように制御することもできる。
上記特許文献7および特許文献8にも、剥離部材上の画像形成物質を転写クリーニング部材に転写してクリーニングする方法や装置が開示されている。ここでは、「転写」とは画像形成物質が画像を形成した状態で部材間を移動することと定義し、「転移」とは形成された画像が剪断力を受けて画像をなさない状態で部材間を移動することと定義する。上記特許文献7および特許文献8に記載されている従来のクリーニング方法やクリーニング装置は、基本的に「転写」する方法を利用するものであり、上述のような欠点があった。
本発明における技術思想の重要な点は、剥離部材上の画像形成物質が転移クリーニング部材に接することができるように、剥離部材と転移クリーニング部材とを対向して搬送せしめる手段を設けること、及び上記対向部における転移クリーニング部材の搬送速度を剥離部材の搬送速度よりも速くすることである。また、本発明における重要な技術思想は、転移クリーニング部材の表面層材料として、画像形成物質に対する接着力が剥離部材表面層あるいは基体よりも強い材料を必ずしも用いる必要が無く、被記録材からの画像形成物質の剥離性を高めるために積極的に画像形成物質との接着性が高い剥離部材を用い、転移クリーニング部材の素材は、接着力が剥離部材の表面層あるいは基体材料と同等か、あるいはそれよりも弱い材料を用いることである(請求項4)。
上記特許文献7および特許文献8の転写クリーニング方法や装置においては、転写クリーニング部材の表面層の素材として、剥離部材の表面構成素材よりも、はるかに大きな画像形成物質に対する接着力を有する素材を使用しないと、剥離部材から転写クリーニング部材への転写は困難であり、実用的な転写クリーニング手段を構成することが困難であった。
本発明においては、転移クリーニング部材表面の画像形成物質に対する接着力が剥離部材表面に対する画像形成物質の接着力よりも大きいことは、クリーニングを良好にするためには好ましいが、剥離部材と転移クリーニング部材表面の画像形成物質に対する接着力の差は、これらの従来技術に記載されている方法や手段に比較してクリーニング性に重要な影響を与えない。剥離部材表面と転移クリーニング部材表面は同じ素材を使用することもできるし、剥離部材に比較して弱い接着力を示す転移クリーニング部材にも画像形成物質を転移することができる。
転移クリーニング部材の画像形成物質に対する接着力を剥離部材が画像形成物質に示す接着力よりも強くする組成物を転移クリーニング部材として選定することは、本発明においても、クリーニングだけに関して観れば剥離部材のクリーニングを容易にする点で有利である。しかしながら、そのような条件にするためには、剥離部材に画像形成物質に対する接着力の弱い組成物を選定する必要があり、被記録材の定着性を低くしないと画像の除去ができず、画像形成時に定着ローラでオフセットが発生してしまうなどの問題を生じ、画像形成装置、画像除去装置を含めたシステム全体としての利点を得ることが困難となる。
但し、本発明においては、画像形成物質を剥離部材より転移してクリーニングするものであり、転移クリーニング部材の表面層としてフッ素樹脂など低表面エネルギーの素材のように極端に画像形成物質に対する接着力が低い材料で構成することは、転移クリーニング部材への転移が生じ難いので、本発明の画像除去装置に使用することは好ましくない。一般的な画像形成装置に用いられている熱可塑性画像形成物質に対して転移クリーニング部材に転移が可能である材料としては、その表面エネルギーが、30〜50mN/mの材料を用いることが好ましく、特に、34〜48mN/mの材料を用いることが好ましい。
本発明においては、剥離部材と転移クリーニング部材とを対向して搬送せしめ、転移クリーニング部材の搬送速度を剥離部材の搬送速度よりも速くする。転移クリーニング部材の搬送方向は剥離部材の搬送方向と順方向であっても、逆方向であっても同様な転移特性が得られるが、順方向に搬送する方が駆動負荷を小さくできる点や、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層の厚みを均一にできる点で好ましい。順方向に回転した方が剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層の厚みを均一にできる理由は定かではないが、転移クリーニング部材を剥離部材の搬送方向とカウンターに搬送する装置では、熱可塑性画像形成物質が残っている転移クリーニング部材との接触し始めが剥離部材の下流側になるため、画像形成物質の溜まりが発生した時に、この画像形成物質の溜まりが剥離部材に付着したまま搬送され、剥離部材表面の熱可塑性樹脂を含む組成物層の厚みの均一性を低下することによるものと推定される。
上記転移クリーニング部材の搬送速度と剥離部材の搬送速度との比は、使用する画像形成物質の粘弾性、剥離部材や転移クリーニング部材に対する接着力、転移クリーニング時の温度条件、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む層の厚みなどにより最適値が変化し、一概に適正範囲を規定し難いが、転移クリーニング部材の搬送方向が剥離部材に対して順方向であっても逆方向であっても、およそ1.1〜15.0とすること、特に、2〜5とすることが好ましく、この範囲で剥離部材上の画像形成物質が転移クリーニング部材に転移される。また、転移クリーニング部材の搬送方向は剥離部材の搬送方向とが順方向で、且つ、上記搬送速度比の時、過分な駆動負荷を要することがなく、剥離部材上に均一な厚みの熱可塑性樹脂を含む組成物を残すことが可能となる。
熱可塑性の無い剥離部材を用いて、クリーニングにより剥離部材に転写された画像形成物質をほぼ完全に除去する場合、すなわち、剥離部材上に熱可塑性樹脂を含む組成物を残す必要が無い場合には、転移クリーニング部材の搬送速度と剥離部材の搬送速度との比はより小さく、1.1〜5.0の範囲が好ましく、特に、1.5〜3とすることが好ましい。
上記画像除去装置(請求項1に対応)において、剥離部材と転移クリーニング部材との対向部における画像形成物質の温度を、分離手段により被記録材と剥離部材とが分離される位置における画像形成物質の温度よりも高くする加熱手段を設け、画像形成物質の凝集破壊を生じさせることにより、該剥離部材上の画像形成物質の一部のみを該転移クリーニング部材に転移させて、該剥離部材上の画像形成物質を除去することができる。(請求項2に対応)
このような構成により、画像形成物質の温度を剥離部材と転移クリーニング部材の対向部において高くすることができるので、剥離部材上の画像形成物質の凝集力が転移クリーニング部材と画像形成物質との接着力よりも弱くなり、転移クリーニング部において画像形成物質の内部凝集破壊が生じる。すなわち、被記録材と剥離部材とを重ね合わせて加熱・加圧した後、被記録材と剥離部材とを分離する時には、画像形成物質の凝集力が比較的高くなる比較的低い温度に保ち、画像形成物質の凝集破壊を生じることなく画像を被記録材から剥離部材に転写し、転移クリーニング時には、画像形成物質が凝集破壊を生じ易い比較的高い温度にまで加熱するのである。
また、上記画像除去装置において、剥離部材と転移クリーニング部材との対向部における該転移クリーニング部材表面の温度が、該剥離部材表面の温度よりも高くなるように、該転移クリーニング部材を加熱する手段を設けることができる。すなわち、転移クリーニング部において、剥離部材上の画像形成物質の厚み方向の温度分布が、剥離部材側よりも転移クリーニング部材側が高い温度となるように加熱する。(請求項3に対応)
このような構成により、加熱手段により温度が高められて凝集力が弱められた転移クリーニング部材表面側の画像形成物質が、剥離部材から転移クリーニング部材に転移するので、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層を一定厚みに保ったまま、主として被記録材から剥離部材に転写された画像形成物質のみを転移クリーニング部材に転移せしめることができる。
また、上記画像除去装置において、転移クリーニング部材の表面を形成する組成物として、該組成物の材料の画像形成物質に対する接着力が剥離部材の画像形成物質に対する接着力と同等以下の組成物を用いることができる。(請求項4に対応)
このような構成により、転移クリーニング部材の表面を形成する組成物として、画像形成物質に対する接着力が剥離部材の画像形成物質に対する接着力と同等以下の組成物を用いても、転移クリーニング部材の搬送速度が剥離部材の搬送速度よりも速いので、剥離部材から転移クリーニング部材への画像形成物質の転移が可能となる。
前述のとおり、転移クリーニング部材として接着力の低い素材を用いることは、クリーニングの観点から有利に働く訳でなく、画像形成物質に対する接着力の大きな剥離部材を用いることができることで、画像形成装置、画像除去装置を含めた画像形成・除去システム全体で大きな利点をもたらす。転移クリーニング部材の表面を形成する組成物として、画像形成物質に対する接着力が剥離部材の画像形成物質に対する接着力と同等以下の組成物を用いることができることは、剥離部材として画像形成物質に対する接着力の大きな材料を選定することを可能とし、画像形成・除去システム全体として大きな利点をもたらす。
また、上記画像除去装置において、転移クリーニング部材がローラ上に設けられ、該転移クリーニング部材が熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、および電子線硬化樹脂から選ばれる材料で構成されてもよい。(請求項5に対応)
これらの硬化樹脂化合物は一般に、画像形成物質に対する接着力が大きく、且つ、硬度が高く、耐熱性も高いので、これらの素材を転移クリーニング部材として用いることで、転移クリーニングを効率良く行うことができ、転移クリーニング部材の熱変形が生じ難く、転移クリーニング部材から画像形成物質を除去する際にブレードなどにより擦っても転移クリーニング部材の磨耗が少なく、転移クリーニング部材の耐久性が向上する。
また、上記画像除去装置において、剥離部材と転移クリーニング部材との対抗部において、該剥離部材または該転移クリーニング部材をバックアップする部材が、JIS K6253による硬度が20度以下のゴム部材、および/またはJIS K6253による硬度が20度以下のスポンジ弾性部材で構成されてもよい。(請求項6に対応)
このような構成により、剥離部材または転移クリーニング部材のバックアップ部材が弾性係数の低い弾性体で構成されているため、転移クリーニング部材と剥離部材とを異なる速度で駆動しても比較的摩擦力を弱めることができ、剥離部材および転移クリーニング部材の搬送安定性を確保することができる。また、転移クリーニング部材が比較的大きなニップ幅で剥離部材と接することができるため、転移クリーニング部材の加熱温度を比較的低くしても画像形成物質を転移クリーニング部材に転移することができる。
さらに、剥離部材と転移クリーニング部材との間に圧力が印加されるようにして、転移クリーニング部材を剥離部材に突き当てても、剥離部材上の画像形成物質が潰れることが無いので、転移クリーニング部材は剥離部材表面に被記録材から転写された画像形成物質に主として接触することになる。
また、上記画像除去装置において、剥離部材と転移クリーニング部材との対抗部において、該剥離部材と転移クリーニング部材との距離が一定になるように、位置規制部材を設けることができる。(請求項7に対応)
このような構成により、剥離部材と転移クリーニング部材との対抗部において、剥離部材と転移クリーニング部材との距離が一定になるので、転移クリーニング部材は剥離部材表面に被記録材から転写された画像形成物質に主として接触することになり、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層の厚みを一定に保つことができる。
また、上記画像除去装置において、転移クリーニング部材上に剥離部材から転移された画像形成物質を掻き落とすためのブレード部材を設けることができる。(請求項8に対応)
このような構成により、転移クリーニング部材上に転移した画像形成物質を掻き落とすためのブレード部材を設けているので、転移クリーニング部材に剥離部材から転移した画像形成物質を掻き落とすことができる。
また、上記画像除去装置において、転移クリーニング部材に画像形成物質を転移した後、剥離部材のクリーニング部の下流側に該剥離部材の表面を平滑にするための平滑化手段を設けることができる。(請求項9に対応)
このような構成により、剥離部材から転移クリーニング部材に画像形成物質を転移せしめた後に剥離部材表面に凹凸ができる場合にも、その表面を確実に平坦化し、被記録材上の画像形成物質との接触を良好にすることができる。
本発明に係る画像除去装置(請求項10に対応)は、被記録材と剥離部材とを重ね合わせる手段と、この重ね合わせた被記録材と剥離部材とを加熱・加圧する手段と、重ね合わせた被記録材と剥離部材とを分離する手段とを有し、一連の被記録材から剥離部材へ画像形成物質を転写する画像形成物質転写手段を複数段備えて成り、
上流側の画像形成物質転写手段では上記被記録材と接する表面層が加圧時の温度では塑性を示さない剥離部材を用い、
下流側の画像形成物質転写手段では上記被記録材と接する表面層が加圧時の温度で塑性を示す剥離部材を用いる上記いずれかの(請求項1〜請求項9のいずれかに対応する)画像除去装置である。
このように構成することにより、除去処理する画像に低濃度階調画像や段差の大きな画像が含まれ上流側で被記録材上の画像を完全に除去できない場合でも、下流側の画像形成物質転写手段では、被記録材と接する表面層が加圧時の温度で塑性を示す剥離部材を用いているので、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することが可能となる。また、下流側の画像形成物質転写手段において転移クリーニング部材を使用するクリーニング手段を採用することにより、剥離部材から熱可塑性を有する層を残したまま被記録材から転写した画像形成物質を除去することができるので、繰り返し継続的に被記録材の画像形成物質除去処理を行うことができる。
また、特に、上記の複数の画像形成物質転写手段を有する画像除去装置(請求項10)において、上流側の画像形成物質転写手段の剥離部材から画像形成物質を除去する手段として、該剥離部材を擦るブレードを用い、
下流側の画像形成物質転写手段において、剥離部材から画像形成物質を除去する手段として、該剥離部材に対向せしめて設けられて、該剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送され、該剥離部材との対向部近傍で該剥離部材上の画像形成物質が転移される転移クリーニング部材を用いることが好ましい。(請求項11に対応)
このような構成とすることにより、上流側の画像形成物質転写手段では、表面に熱可塑性の組成物を持たない剥離部材を用いても、被記録材上に形成された画像の大半が除去される。このために、下流側の画像形成物質転写手段において剥離部材に転写される画像形成物質の量は僅かとなり、例えば、シート状の被記録材に形成された画像を除去する場合、1枚のシート状被記録材の画像形成物質除去処理をする毎に転移クリーニング部材による剥離部材のクリーニングを実行せず、複数枚の被記録材上の画像形成物質除去処理をする毎にクリーニング処理をするようにしても良好な画像形成物質除去品質を維持することができる。転移クリーニングで熱可塑性組成物を表面に有する剥離部材から画像形成物質を除去するためには、画像形成物質の凝集力を低くするために、転移クリーニング部材の表面温度が画像形成物質を剥離部材に転写する温度よりも高くなるように加熱する必要がある。転移クリーニングが可能になるように高温に加熱する機会を極力少なくすることにより、剥離部材や転移クリーニング部材の寿命を長くしたり、加熱するためのエネルギーを節減することができる。一方、上流側の画像形成物質転写手段では、表面に熱可塑性の組成物を持たない剥離部材を用いるので、剥離部材上に転写された画像形成物質を比較的容易に、スパイラルブレードローラなどにより摺擦除去して、被記録材からの画像形成物質の転写安定性を維持することができる。
本発明に係る被記録材の繰り返し使用方法(請求項12に対応)は、画像形成物質に対する定着性を低下せしめる化合物を表面近傍に付与したリユーザブル被記録材上に、熱可塑性を有する画像形成物質で画像を形成し、
上記いずれかの(請求項1〜請求項11のいずれかに対応する)画像除去装置を用いて、被記録材上の画像形成物質を除去し、
上記画像形成物質が除去された被記録材上に、熱可塑性画像形成物質を用いて再び画像の形成を繰り返すものである。
このように構成することにより、リユーザブル被記録材上に熱可塑性画像形成物質で形成した画像を、本発明に係る画像除去装置を用いて除去するので、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することができ、被記録材の繰り返し使用回数を向上することができる。それは、本発明にかかる転移クリーニング部材を用いたクリーニング方法を採用することにより、表面に熱可塑性樹脂を含有する組成物を設けた剥離部材を用いることが可能となり、可塑性を有する剥離部材により被記録材上の画像形成物質を完全に除去することが可能となるからである。
特に、画像除去促進液を用い無い画像形成物質の除去方法を採用すると、画像形成物質除去処理する際や画像形成物質除去処理されたリユーザブル被記録材に再画像形成する際に、皺やカール、ジャムが発生することを防止でき、且つ、画像を完全に除去できるため、リユーザブル被記録材の使用を繰り返しても、残画像が蓄積することがなく、リユーザブル被記録材の画像形成装置、画像除去装置内での搬送が安定して行われるために、著しく被記録材の繰り返し使用回数を向上することができる。
ここで用いられるリユーザブル被記録材は、切り欠きや穴を設けたり、バーコード情報、文字情報、絵情報などを印刷したり、染料や顔料で被記録材全体を着色したり、ICチップを埋め込むなどの手段で、一般紙とユーザーや画像形成装置、画像除去装置が容易に識別できるようにしたものを用いることが好ましい。
また、上記被記録材の繰り返し使用方法(請求項12)において、セルロース繊維を主体とする紙を基材とし、その表面近傍に片面付着量1.5g/m以上の画像形成物質の定着性を低下せしめる化合物を含む組成物を付着させ、ベック平滑度計による平滑度が90秒以上とした被記録材を使用することができる。(請求項13に対応)
このような構成により、画像形成物質の定着性が低く平滑度が高い被記録材と、本発明の画像除去装置とを使用しているため、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することができ、被記録材繰り返し使用回数を向上することができる。
表面に熱可塑性樹脂を含有する組成物を設けた剥離部材を用いることにより、画像形成物質の除去能力は著しく高まるが、粒径の小さなトナー粒子が含まれる粉体画像形成物質で感光体上などに画像を形成した後、電界を印加することにより粉体画像を被記録材に転写すると、被記録材が一般に電子写真装置に使用されている紙と同程度の凹凸を有していると、粒径の小さなトナー粒子は紙の凹部に入り込み易く、特に、粒径が8μm以下の粉体が含まれる場合、完全に画像を除去することが困難になる。紙に一定量以上の組成物を付着させることにより、紙表面の大きな凹部を無くすことにより、現像剤に3μm程度の粒径の粉体画像形成物質を含む場合でも完全に画像を除去することが可能となる。
本発明に係る画像形成除去システム(請求項14に対応)は、被記録材上に形成する画像を消去することを前提する第1の画像形成モードと、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードとを設け、上記第1の画像形成モードと第2の画像形成モードとをユーザーが任意に選択することが可能であり、
上記第1の画像形成モードが選択された場合には、画像形成物質の定着性を低下せしめたリユーザブル被記録材が供給されてその上に画像が形成され、上記第2の画像形成モードが選択された場合には、一般の紙が供給されてその上に画像が形成されるように制御される画像形成装置と、
上記いずれかの(請求項1〜請求項11のいずれかに対応する)画像除去装置がセットになっているものである。
このように構成することにより、ユーザーが、画像により記録された情報を短期間のみ閲覧し、閲覧後は被記録材上に形成された画像形成物質を除去して、被記録材を再使用しようと判断した時には、画像形成物質の定着性が低くなるような組成物が付与された被記録材上に情報の記録がなされる。また、本発明の画像除去装置により、表面に熱可塑性樹脂層を含む組成物を設けた剥離部材の使用が可能となるため、情報が記録された被記録材上の画像情報を完全に除去することが可能であり、且つ、剥離部材上に転写された画像形成物質もクリーニングを行うことが可能になり、剥離部材上に転写された画像形成物質による情報も消去することができる。
本発明の効果を請求項毎に整理すると、次ぎのとおりである。
(1) 請求項1に係る発明
剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送され、剥離部材に転写された画像形成物質に対する接着性を有する材料からなる転移クリーニング部材を剥離部材に対向せしめる手段を設けているため、熱可塑性樹脂を含む組成物を表面に設けた剥離部材を用いた場合にも、被記録材から剥離部材に転写した画像形成物質を除去することが可能になり、被記録材上の画像形成物質を完全に除去し、且つ、画像形成物質の除去操作を繰り返すことが可能になる。
(2) 請求項2に係る発明
剥離部材と転移クリーニング部材との対向部における画像形成物質の温度を、分離手段で被記録材と剥離部材とが分離される位置における画像形成物質の温度よりも高くする加熱手段を設けているので、剥離部材上の画像形成物質の凝集力が転移クリーニング部材と画像形成物質との接着力よりも弱くなり、転移クリーニング部において画像形成物質の内部凝集破壊が生じるため、剥離部材上の画像形成物質を安定して転移クリーニング部材に転移せしめて、剥離部材上の画像形成物質を除去することが可能になる。
(3) 請求項3に係る発明
剥離部材と転移クリーニング部材との対向部における転移クリーニング部材表面の温度が、剥離部材表面の温度よりも高くなるように、転移クリーニング部材を加熱する手段を設けているので、より温度が高められ凝集力が弱められた転移クリーニング部材表面側の画像形成物質が、剥離部材から転移クリーニング部材に転移し、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層を一定厚みに保ったまま、主として被記録材から剥離部材に転写された画像形成物質のみを転移クリーニング部材に転移せしめることが可能となり、被記録材上の画像形成物質を完全に除去し、剥離部材から被記録材への画像形成物質の逆転写を生じることなく、且つ、画像形成物質の除去操作を繰り返すことが可能になる。
(4) 請求項4に係る発明
転移クリーニング部材の搬送速度を剥離部材の搬送速度よりも速くすることにより、転移クリーニング部材の表面を形成する組成物として、該組成物の材料の画像形成物質に対する接着力が剥離部材の画像形成物質に対する接着力と同等以下の組成物を用いても、剥離部材から転移クリーニング部材への画像形成物質の転移が可能になる。
この請求項4の画像除去装置は、該組成物の材料の画像形成物質に対する接着力が剥離部材の画像形成物質に対する接着力と同等以下の組成物を転移クリーニング部材として用い、画像形成物質に対する接着力の大きな剥離部材を用いることにより、相対的に被記録材の定着性を高めても、被記録材から画像形成物質の除去が可能となる。また、被記録材の定着性が高められることにより、画像形成時に定着ローラで発生するオフセットを防止することができる。
(5) 請求項5に係る発明
転移クリーニング部材がローラ上に設けられ、転移クリーニング部材が熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂から選ばれる材料で構成され、画像形成物質との接着力が大きく、且つ、耐久性の高い転移クリーニング部材を得ることができるので、画像除去装置の繰り返し画像形成物質除去処理での耐久性向上が可能であり、画像形成物質の除去特性を良好にすることができる。
(6) 請求項6に係る発明
剥離部材と転移クリーニング部材との対抗部において、剥離部材または転移クリーニング部材をバックアップする部材が、JIS K6253による硬度が20度以下のゴム部材、および/またはJIS K6253による硬度が20度以下のスポンジ弾性部材で構成され、バックアップ部材が弾性係数の低い弾性体で構成されているため、転移クリーニング部材と剥離部材とを異なる速度で駆動しても比較的摩擦力を弱めることができ、異なる速度搬送に伴なう搬送負荷の増大によるトラブルの発生を防止することができる。また、転移クリーニング部材が比較的大きなニップ幅で剥離部材と接することができるため、転移クリーニング部材の加熱温度を比較的低くしても画像形成物質を転移クリーニング部材に転移することが可能となり、転移クリーニング部材の剥離部材に対する搬送速度差も比較的低く抑えることができる。
さらに、転移クリーニング部材を剥離部材に突き当てても、剥離部材上の画像形成物質が潰れることが無いので、転移クリーニング部材は剥離部材表面に被記録材から転写された画像形成物質に主として接触することになり、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層の厚みを一定に保ったまま、被記録材から転写された画像形成物質を主に、転移クリーニング部材に転移せしめることができる。
(7) 請求項7に係る発明
剥離部材と転移クリーニング部材との対抗部において、剥離部材と転移クリーニング部材との距離が一定になるように位置規制部材を設けているので、転移クリーニング部材は剥離部材表面に被記録材から転写された画像形成物質に主として接触することになり、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層の厚みを一定に保ったまま、被記録材から転写された画像形成物質を主に、転移クリーニング部材に転移せしめることができる。
(8) 請求項8に係る発明
転移クリーニング部材上に剥離部材から転移された画像形成物質を掻き落とすためのブレード部材を設けることにより、転移クリーニング部材に剥離部材から転移した画像形成物質を掻き落とすことができるため、被記録材の画像形成物質の除去処理を繰り返して行うことが可能となる。
(9) 請求項9に係る発明
転移クリーニング部材に画像形成物質を転移した後、剥離部材のクリーニング部の下流側に剥離部材の表面を平滑にするための平滑化手段を設けているので、剥離部材から転移クリーニング部材に画像形成物質を転移せしめた後に剥離部材表面に凹凸ができる場合にも、その表面を確実に平坦化し、被記録材上の画像形成物質との接触を良好にするため、確実に被記録材上の画像形成物質が除去され、また、剥離部材上に残留する画像形成物質が被記録材に逆転写されることを防止することができる。
(10) 請求項10に係る発明
被記録材と剥離部材とを重ね合わせる手段と、この重ね合わせた被記録材と剥離部材とを加熱・加圧する手段と、重ね合わせた被記録材と剥離部材とを分離する手段とを有し、一連の被記録材から剥離部材へ画像形成物質を転写する画像形成物質転写手段を複数段備えて成り、下流側の画像形成物質転写手段では、被記録材と接する表面層が加圧時の温度で塑性を示す剥離部材を用いているので、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することが可能となり、且つ、剥離部材から熱可塑性を有する層を残したまま被記録材から転写した画像形成物質を除去することができるので、繰り返して被記録材の画像形成物質の除去処理を行うことが可能となる。
(11) 請求項11に係る発明
下流側の画像形成物質転写手段において、クリーニング手段として該剥離部材に対向せしめて設けられ、該剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送される転移クリーニング部材を用いているので、表面に熱可塑性組成物を有する剥離部材を使用して、被記録材の画像形成物質除去処理を継続しても、剥離部材表面に被記録材から転写された画像形成物質を除去することが可能となり、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することを継続的に維持することが可能となる。また、下流側の画像形成物質転写手段では、剥離部材に転写される画像形成物質の量は僅かであるので、複数枚の被記録材上の画像形成物質除去処理をする毎にクリーニング処理をするようにしても良好な画像形成物質除去品質を維持することができる。下流側の画像形成物質転写手段において転移クリーニングを間欠的に実行することにより、剥離部材や転移クリーニング部材の寿命を長くしたり、加熱するためのエネルギーを節減することができる。一方、上流側の画像形成物質転写手段では、表面に熱可塑性の組成物を持たない剥離部材を用いるので、剥離部材上に転写された画像形成物質を比較的容易に、スパイラルブレードローラなどにより摺擦除去して、被記録材からの画像形成物質の転写安定性を維持することができる。
(12) 請求項12に係る発明
画像形成物質に対する定着性を低下せしめる化合物を表面近傍に付与したリユーザブル被記録材上に、熱可塑性を有する画像形成物質で画像を形成し、本発明の画像除去装置を用いて被記録材上の画像形成物質を除去するため、簡素な構成の画像除去装置で画像形成物質を完全に除去することが可能であり、且つ、被記録材の繰り返し使用可能回数を極めて多くすることができる。
(13) 請求項13に係る発明
セルロース繊維を主体とする紙を基材とし、その表面近傍に片面付着量1.5g/m以上の画像形成物質の定着性を低下せしめる化合物を含む組成物を付着させ、ベック平滑度計による平滑度が90秒以上とした被記録材と、本発明の画像除去装置とを使用しているため、地肌かぶり、低濃度階調画像、および画像周辺に飛び散った画像形成物質をも含めて、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することができ、被記録材の繰り返し使用可能回数を極めて多くすることができる。
(14) 請求項14に係る発明
被記録材上に形成する画像を消去することを前提する第1の画像形成モードと、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードとを設け、第1の画像形成モードと第2の画像形成モードとをユーザーが任意に選択することが可能であり、第1のモードが選択された場合には、画像形成物質の定着性を低下せしめたリユーザブル被記録材が供給されその上に画像が形成され、第2のモードが選択された場合には、一般の紙が供給されその上に画像が形成されるように制御される画像形成装置と、本発明の画像除去装置が組み合わされている。
これにより、ユーザーが、画像により記録された情報を短期間のみ閲覧し、閲覧後は被記録材上に形成された画像形成物質を除去して、被記録材を再使用しようと判断した時には、確実に、画像形成物質の定着性が低くなるような組成物が付与された被記録材上に情報の記録がなされる。また、本発明の画像除去装置により、表面に熱可塑性樹脂層を含む組成物を設けた剥離部材の使用が可能となるため、情報が記録された被記録材上の画像情報を完全に除去することが可能となり、且つ、剥離部材上に転写された画像形成物質による情報も消去されるため、情報セキュリティの観点から極めて好ましい画像形成除去システムを提供することができる。
〔実施の形態1による画像除去装置〕
ここで、本発明の構成を明確にするために、本発明の実施の形態1による画像除去装置について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1および図3は画像除去装置の説明図であり、図2は画像除去装置に用いられる剥離部材の説明図である。
図1に示されているように、画像除去装置の給紙カセット11には、電子写真方式等の画像形成装置により画像が形成された後、不要になった被記録材10が画像形成面を下向きにしてセットされる。被記録材10の構成は、例えば、予め画像形成物質に対する定着性を低下させる組成物が塗布されている紙を基体とするものである。
上記被記録材10が普通紙の場合には、一般的に使用されている電子写真装置で形成された画像形成物質は、容易には除去できない。普通紙や画像形成物質が剥離され難い被記録材を用いる場合には、特開平7−13383号公報(特許文献1)等に開示されているように、水を主体とする画像除去促進液を付与する方法を採用するため、画像除去装置において画像除去促進液を被記録材に付与する手段を設ける必要があるが、ここでは、図1に示されるように、画像除去促進液を使用しない画像除去装置、及び画像除去方法について説明する。給紙カセット11内の画像が形成された被記録材10は、給紙コロ12により転写・剥離部に搬送される。
上記転写・剥離部は、エンドレスベルト状の剥離部材27、加圧ローラ21、加熱ローラ22、加熱ヒータ23、分離ブロック24、クリーニング・バックアップ・ローラ25、平滑化ローラ34、及びテンションローラ33等で構成される。
上記ベルト状の剥離部材27は、加熱ローラ22、分離ブロック24、クリーニング・バックアップ・ローラ25、及びテンションローラ33を内接し、加圧ローラ21と平滑化ローラ34を外接するように張り巡らされている。上記加熱ローラ22は、図示していない駆動系により図1の矢印方向に回転される。上記加圧ローラ21には、ステンレスやアルミニウム等の金属で構成されるローラの上に、硬度10〜50度で厚み0.5〜7mm程度のシリコンゴムや発泡ウレタン弾性体などから成る耐熱性弾性層35が設けられている。上記加圧ローラ21と加熱ローラ22との間には、図示していないバネ、水圧又は空気圧装置などにより加圧力が加えられ、ニップが形成されている。
上記エンドレスベルト状の剥離部材27は、加圧ローラ21と加熱ローラ22との間で形成されるニップの圧力による摩擦力により、加熱ローラ22の周速度とほぼ等しい速度で搬送される。また、加圧ローラ21も、加熱ローラ22との間で形成されるニップの圧力による摩擦力により、その周速度が加熱ローラ22の周速度とほぼ等しくなるように回転する。上記テンションローラ33は、図示していないバネ、水圧又は空気圧装置などにより、ベルト状の剥離部材27が弛まないように付勢されている。上記給紙コロ12により、転写・剥離部に搬送された被記録材10は、加熱ローラ22により加熱された剥離部材27と重ね合わされ、加圧ローラ21も加熱ローラ22との間で形成されるニップにより加圧される。この加圧力は、ニップの面圧で1×10〜6×10Pa、ニップ幅が3〜13mmとなるように、加圧力、加圧ローラのゴム硬度、及びゴム厚みを設定することにより、良好に被記録材10から剥離部材27への転写が行われる。
上記加熱ローラ22は、例えばアルミニウムやステンレスなどの金属からなる中空のローラであり、その内部にハロゲンランプやローラに渦電流を発生させるためのコイルなどの加熱ヒータ23を内蔵している。
上記加熱ローラ22の端部には、該加熱ローラの表面温度を測定するための、図示されていない熱電対、白金抵抗、サーミスタ、又は赤外線官能タイプなどの温度センサが設けられていて、この温度センサからの情報をフィードバックし、図示していない温度コントローラにより上記加熱ヒータ23のオン/オフ制御がなされ、加熱ローラ22の表面温度を一定に保つように構成されている。上記温度コントローラにより制御される適当な温度範囲は、画像形成物質の物性や画像形成物質を除去する速度に依存するが、一般的に使用されている熱可塑性を示す画像形成物質に対しては、被記録材10上の画像形成物質が80〜130℃となるように設定されることが好ましく、加熱ローラ22の表面の温度としては80〜180℃、特に90〜150℃に保つことが好ましい。加熱ローラ22により80〜130℃に加熱され、被記録材上の画像形成物質は軟化し、流動性を有する状態となる。加熱された被記録材10上の画像形成物質は、加熱ローラ22と加圧ローラ21とが形成するニップを通過することにより剥離部材27に圧接され、該剥離部材に接着する。
上記分離ブロック24は、曲率半径0.5〜5mm程度のエッジを有するブロックであり、この分離ブロックに沿って搬送される剥離部材27と被記録材10とは、このエッジ部で分離される。この分離動作により、被記録材上の画像形成物質は剥離部材27側に転写・剥離される。
上記転写・剥離部で表面の画像形成物質が除去された被記録材16は、分離ブロック24で剥離部材27と分離された後、排紙コロ対15により搬送され、排紙トレー17にストックされる。
上記剥離部材27は、例えば、ポレエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどの比較的耐熱性の高い高分子化合物を、厚み50〜300μm程度のエンドレスベルト状に成型したものを、そのまま用いることができる。また、ステンレス、ニッケルなどの金属部材を使用することもできる。上記剥離部材27として画像形成物質に対する接着力が弱いものを使用した場合、被記録材の画像形成物質に対する接着力がそれ以上に弱くなければ、画像形成物質を剥離部材に転写して被記録材から除去することができないので、電子写真方式画像形成装置等の画像形成物質として一般的に用いられるスチレン−アクリル樹脂やポリエステル樹脂に対する接着力が比較的強い上記高分子化合物を用いることが好ましい。
本発明の画像除去装置に用いる剥離部材27は、特に、その表面に熱可塑性樹脂を含有する組成物層を有することが好ましい。表面に熱可塑性樹脂を含有する組成物層を有する剥離部材の構成例を図2に示す。この図2において、27aは剥離部材の基体であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性の高い高分子化合物で構成することができる。27cは熱可塑性樹脂を含有する組成物層であり、熱可塑性樹脂としては、画像形成物質に使用される熱可塑性樹脂と同様のものを用いることができる。
すなわち、剥離部材27の表面層に用いることのできる熱可塑性樹脂の例としては、カルボン酸として、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ピロメリット酸、シトラコン酸、グルタコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘミメリト酸、メロファン酸、トリメシン酸、プレーニト酸、トリメリット酸などの1種または2種以上を用い、多価アルコールとしては、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ペンタグリセロール、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンジオール、シクロペンタンジオール、ピナコール、グリセリン、エーテル化ジフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ベンゼントリオール、フロログルシノール、ベンゼンテトラオールなどの1種または2種以上を用いて縮重合したポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノプロピルアクリレート共重合体、スチレン−エチレングリコールメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を挙げることができる。
画像が形成された被記録材10と剥離部材27とが重ね合わせられ、加圧ローラ21と加熱ローラ22とが形成するニップの間を通過する間に、剥離部材表面に設けられた熱可塑性樹脂を含有する組成物層27cが軟化することにより、被記録材10や被記録材上の画像形成物質に凹凸があっても、剥離部材27上の熱可塑性樹脂を含む組成物層27cが変形することが可能なので、画像形成物質と剥離部材との接触が良好になるため、被記録材10上の画像形成物質は良好に剥離部材27に転写され除去される。被記録材10上の画像形成物質が良好に剥離部材27に転写するためには、被記録材と剥離部材とを重ねて加熱、加圧することにより軟化することが必要であるが、画像形成物質と同程度の温度で軟化する熱可塑性樹脂を剥離部材表面の熱可塑性樹脂を含有する組成物層27cに用いることにより、加熱・加圧時に画像形成物質と剥離部材表面の熱可塑性樹脂を含有する組成物層27cとの両方が軟化するため、上記の画像形成物質と剥離部材27との接触が良好になり、画像形成物質の除去が良好となる効果が得られる。
上記熱可塑性樹脂を含む組成物層27cに用いる熱可塑性樹脂として、画像形成物質に使用する熱可塑性樹脂の溶解性パラメーターの値に近い溶解性パラメーター値を有する樹脂を用いると、上述の被記録材上の画像形成物質との接触が良好になるという効果に加えて、画像形成物質と剥離部材の表面層との接着力が高くなるため、被記録材上の画像形成物質は、更に、良好に剥離部材に転写され除去される。従って、熱可塑性樹脂を含む組成物層27cに用いる熱可塑性樹脂は、画像形成物質と同一または同系統の分子構造からなるものを選択して使用することが好ましい。また、熱可塑性樹脂を含む組成物層27cとして熱可塑性を有する画像形成物質そのものを使用することも好ましい。
上記剥離部材の基体27aの上に設ける熱可塑性樹脂を含む組成物層27cの厚みは、5〜200μmが好ましく、特に、15〜40μmとすることが好ましい。熱可塑性樹脂を含む組成物層27cの厚みが5μmより小さいと、被記録材10上の地肌かぶりを形成する画像形成物質、画像の周辺に飛び散った画像形成物質、及び低濃度階調画像を形成する画像形成物質の除去が困難となる。熱可塑性樹脂を含む組成物層27cの厚みが200μmより大きいと、剥離部材27の熱容量が大きくなったり、剥離部材の熱伝導性が低下するため、画像形成物質を除去するために多くのエネルギーを消費したり、画像除去装置の非使用時に剥離部材27が室温まで冷却される際に、又は剥離部材が曲率半径の小さい部分を搬送される際に、熱可塑性樹脂を含む組成物層27cが剥離部材の基体27aから剥離してしまうという問題が生じ易い。
図2(b)に示すように、熱可塑性樹脂を含む組成物層27cを剥離部材の基体27a上に直接設けることもできるが、上記のような熱可塑性樹脂と剥離部材27の基体材料とでは、一般的に熱膨張率が異なるため、特に、画像除去装置の非使用時に剥離部材が室温まで冷却されると、熱可塑性樹脂を含む組成物層27cは剥離部材の基体27aから剥離・脱落してしまい易い。剥離部材の基体27aの熱可塑性樹脂を含む組成物層27cを設ける面を、サンドブラストなどの方法で荒らしたり、コロナ放電処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、重クロム酸化合物−酸溶液による酸化処理、レーザー照射によるアブレーション、又はイオンビーム照射処理などを施すことにより、剥離部材の基体27aの熱可塑性樹脂を含む組成物層27cに対する接着性を向上させることは、剥離部材の基体27aからの熱可塑性樹脂を含む組成物層27cが剥離・脱落することを防止するために有効である。
図2(a)に示すように、剥離部材の基体27aと熱可塑性樹脂を含む組成物層27cとの間に中間層27bを設けることも、該剥離部材の基体27aからの熱可塑性樹脂を含む組成物層27cが剥離・脱落することを防止するために有効である。上記中間層27bの材料としては、上記熱可塑性樹脂を含む組成物層27cに使用できる樹脂の中から、熱膨張率が表面を形成する熱可塑性樹脂を含む組成物層27cと剥離部材の基体27aとの中間にあるものを選択して用いることができる。また、熱可塑性樹脂を含む組成物層27cに使用できる樹脂に熱膨張率の小さな組成物、より具体的には、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、又はカーボンブラックなどの顔料を混合した組成物を用いることもできる。さらに、カップリング剤などのように、熱可塑性樹脂を含む組成物層27cと剥離部材の基体27aとの間の接着性を向上するための前処理剤を用いることもできる。
熱可塑性樹脂を含む組成物層27cには、熱可塑性樹脂を該組成物層全体の60重量%以上含有せしめることにより、所望の熱可塑性が得られて好ましい。熱可塑性樹脂を含む組成物層27cには、目的に応じて熱可塑性樹脂以外の成分を添加することができる。
画像形成物質が転写された剥離部材27から画像形成物質を除去するためのクリーニング部は、クリーニング・バックアップ・ローラ25、転移クリーニング部材ローラ26、クリーニングブレード32、及び画像形成物質の回収容器29等より構成される。
上記転移クリーニング部材ローラ26は、ステンレスやアルミニウム等の金属で構成されるローラの上に、厚み0.5〜7mm程度のシリコンゴムや発泡ウレタン弾性体などからなる耐熱性弾性層30が設けられている。また、転移クリーニング部材ローラ26の表面には、例えば、ポレエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、又はポリアセタールなどからなる転移クリーニング部材39が設けられている。この転移クリーニング部材39は前述したとおり、必ずしも剥離部材27よりも画像形成物質に対する接着力が大きな材料を用いる必要はなく、剥離部材27あるいは剥離部材の基材27aと同一の材料、又は剥離部材よりも画像形成物質に対する接着力が小さな材料を用いることもできる。しかしながら、転移クリーニング部材ローラ26の温度を極力低い温度に保ち、且つ、剥離部材上に被記録材より転写された画像形成物質を効率よく転移させるためには、画像形成物質に対する接着性が剥離部材27あるいは剥離部材の基体27aよりも高い材料を用いることが好ましい。
図1に示された画像除去装置のように、転移クリーニング部材ローラ26の表面に転移クリーニング部材39を設ける場合、この転移クリーニング部材をベルトとして用いる場合に比較して、転移クリーニング部材39の耐熱強度や可撓性の制約条件が小さくなるので、上記の材料例のように高い耐熱性を有する材料の他に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などを用いることができ、且つ、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂をも用いることができる。これらの多種の材料の中から、画像形成物質に対する接着力が大きな材料を選択して用いることができる(請求項5)。但し、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂などのように可撓性の低い材料を転移クリーニング部材39として用いる場合には、図1に示された画像除去装置のように転移クリーニング部材ローラ26に弾性層30を設ける構成ではなく、クリーニング・バックアップ・ローラ25側に弾性体層を設けて、転移クリーニング部材ローラ26とクリーニング・バックアップ・ローラ25との間にニップを形成するように構成することが好ましい。
上記転移クリーニング部材ローラ26に、これらの転移クリーニング部材39を設ける方法としては、上記の材料等を有機溶剤に溶解し、該ローラ26にスプレー法、ディピング法などで塗布する方法、上記の材料等の粉体を静電気などで付着させた後で溶融する方法、又は上記の材料等のチューブを押し出し成型法などにより作製し、該ローラ26に被覆した後で加熱収縮させて設ける方法などがある。それらの方法の中でも、加熱収縮チューブで被覆する方法が、下層の弾性層30を加熱により劣化させず、均一な厚みの転移クリーニング部材層を設けることができ、最も好ましい方法である。また、転移クリーニング部材ローラ26の内部には、このローラ26を加熱するため、ハロゲンランプ、ローラに渦電流を発生させるためのコイルなどの加熱ヒータ31が内蔵されている。
上記転移クリーニング部材ローラ26の端部には、このローラの表面温度を測定するための熱電対、白金抵抗、サーミスタ、赤外線官能タイプなどの図示していない温度センサが設けられていて、この温度センサからの情報をフィードバックし、図示していない温度コントローラにより、加熱ヒータ31のオン/オフ制御がなされ、転移クリーニング部材ローラ26の表面温度を一定に保つように構成されている。上記温度コントローラにより制御される適当な温度範囲は、画像形成物質の物性、剥離部材表面に形成された熱可塑性樹脂を含む組成物層27cの物性、及び画像形成物質を除去する処理速度に依存する。転移クリーニング部材ローラ26の表面に、被記録材10から剥離部材27に転写された画像形成物質を効率良く転移させるためには、剥離部材上の画像形成物質の内部凝集力が画像形成物質の転移クリーニング部材39に対する接着力よりも小さくなる温度に制御することが好ましい。被記録材10と剥離部材27とが分離ブロック24で分離される時には、画像形成物質の凝集力は剥離部材に対する接着力よりも十分大きくなる比較的低い温度でなければ、被記録材から剥離部材への画像形成物質の転写は良好に行われないのに対して、剥離部材27と転移クリーニング部材39との対向部における画像形成物質の温度は、画像形成物質の凝集力が転移クリーニング部材39への接着力よりも小さくなるように比較的高い温度に設定する必要がある(請求項2)。
一般的に使用されている熱可塑性を示す画像形成物質に対しては、転移クリーニング部材39の表面温度が140〜250℃となるように設定されることが好ましく、特に、150〜200℃に保つことが好ましい。転移クリーニング部材ローラ26の表面温度が高過ぎると、熱伝導や放射により無駄な熱量が放散され、画像形成物質の除去操作のエネルギー効率が低下して好ましくない。
上記クリーニング・バックアップ・ローラ25は、例えばアルミニウム、ステンレスなどの金属からなる中空のローラであり、その内部にハロゲンランプやローラに渦電流を発生させるためのコイルなどの加熱ヒータ28を内蔵している。
このクリーニング・バックアップ・ローラ25の端部には、このローラの表面温度を測定するための熱電対、白金抵抗、サーミスタ、赤外線官能タイプなどの図示していない温度センサが設けられていて、この温度センサからの情報をフィードバックし、図示していない温度コントローラにより、上記加熱ヒータ28のオン/オフ制御がなされ、クリーニング・バックアップ・ローラ25の表面温度を一定に保つように構成されている。上記温度コントローラにより制御される適当な温度範囲は、画像形成物質の物性、剥離部材表面に形成された熱可塑性樹脂を含む組成物層の物性、画像形成物質を除去する速度に依存し、条件によりクリーニング・バックアップ・ローラ25の加熱ヒータ28は必ずしも必要ではない。
上記クリーニング・バックアップ・ローラ25の表面温度は、剥離部材表面の熱可塑性樹脂を含有する組成物層27cが軟化するが、比較的流動性の低い状態になるように剥離部材27を加熱するか、あるいは剥離部材上に被記録材から転写された画像形成物質が軟化し、熱可塑性樹脂を含有する組成物層27cが軟化しない程度に加熱することが、剥離部材の表面近傍に形成された熱可塑性樹脂を含有する組成物層27cの厚みが一定になるように制御することができる点で好ましい。すなわち、一般的に使用されている熱可塑性を示す画像形成物質に対しては、剥離部材上の画像形成物質が70〜110℃となるように設定されることが好ましく、クリーニング・バックアップ・ローラ25の表面温度としては70〜170℃、特に80〜140℃に保つことが好ましい。
上記転移クリーニング部材ローラ26とクリーニング・バックアップ・ローラ25との間には、図示していないバネ、水圧、又は空気圧装置などにより加圧力が加えられ、ニップが形成されている。転移クリーニング部材ローラ26は図示されていない駆動系により、被記録材10の搬送速度よりも速い周速度で回転される。本発明者の研究結果によれば、剥離部材27あるいは剥離部材の基体27aと転移クリーニング部材39とに同一の材料を使用し、転移クリーニング部材ローラ26の周速度を剥離部材27の搬送速度に対して速くした場合、転移クリーニング部材ローラの回転方向が剥離部材の搬送方向と同方向であっても、反対方向であっても剥離部材上の画像形成物質は転移クリーニング部材ローラ26に転移した。一方、転移クリーニング部材ローラ26の周速度を剥離部材27の搬送速度に対して遅くした場合、転移クリーニング部材ローラの回転方向が剥離部材の搬送方向と同方向であっても、反対方向であっても、剥離部材上の画像形成物質は殆ど転移クリーニング部材39に転移されることがないという結果が得られた。
上記転移クリーニング部材39と剥離部材27との搬送速度比は、転移クリーニング部材39の搬送方向が剥離部材27に対して順方向であっても逆方向であっても、1.1〜15.0とすること、特に2.0〜5.0とすることが好ましい。速度比が小さい時には、上記のとおり、剥離部材から転移クリーニング部材に画像形成物質が良好に転移しない。また、速度比を必要以上に高くしても、画像形成物質の転移性に差が無く、搬送負荷が高くなるため、転移クリーニング部材39や剥離部材27の駆動にトラブルが発生する。
上記転移クリーニング部材ローラ26の回転方向を剥離部材27の搬送方向と順方向にすると、過分な駆動負荷を要することがなく、剥離部材上に均一な厚みの熱可塑性樹脂を含む組成物を残すことが可能となり、特に好ましい。
また、剥離部材27と転写クリーニング部材39との対向部における温度が、剥離部材表面よりも転移クリーニング部材表面の温度が高くなるように、転移クリーニング部材39の表面温度を制御することにより、剥離部材上に均一な厚みの熱可塑性樹脂を含む組成物を残したまま、被記録材10から剥離部材27に転写された画像形成物質を転移クリーニング部材39に転移することが容易となる(請求項3)。
上記転移クリーニング部材ローラ26に設けられる弾性体層30は、JIS K6253による硬度が20度以下のゴム部材、および/またはJIS K6253による硬度が20度以下のスポンジ弾性部材で構成されていることが好ましい。特に、JIS K6253による硬度が15度以下のゴム部材、および/またはJIS K6253による硬度が15度以下のスポンジ弾性部材で構成されていることが好ましい(請求項6)。転写クリーニング部材ローラ26と剥離部材27とは異なる速度で搬送されるため、それらの部材間に印加される圧力が高いと、両部材間の摩擦力が大きくなり、両者を搬送することが不可能であったり、搬送ができたとしても不安定となる。摩擦力を低くするために、転移クリーニング部材ローラ26とクリーニング・バックアップ・ローラ25との間に印加する圧力を低くすると、両者が形成するニップ幅が狭くなり、剥離部材上の画像形成物質の凝集力を弱めるために転写クリーニング部材ローラ26の表面温度を高く設定する必要が生じたり、剥離部材上の画像形成物質の凝集力が十分に弱くならないため、剥離部材上に被記録材から転写された画像形成物質が、十分に転移クリーニング部材39に転移しなくなるという問題を生じ易い。
それ故、転移クリーニング部材39をバックアップする転移クリーニング部材ローラ26に設けられる弾性体層30に、上記の硬度範囲のものを用いることにより、転移クリーニング部材ローラ26とクリーニング・バックアップ・ローラ25との間に印加する圧力を低くして、剥離部材27と転移クリーニング部材39との間の摩擦力を小さくしても、比較的大きなニップ幅を形成することができ、剥離部材上に被記録材から転写された画像形成物質を良好に転移クリーニング部材39に転移せしめることが可能になる。
転移クリーニング部材ローラ26とクリーニング・バックアップ・ローラ25との間に印加する圧力は、ニップ内面圧が3×10Pa以下となるように加圧力を設定することにより、転移クリーニング部材39の搬送を安定にすることができる。
(実施の形態1による画像除去装置の変更例)
次に、本発明の実施の形態1による画像除去装置(図1を参照)の構成を少し変更した例について、図3に基づいて説明する。
この図3に示された画像除去装置では、転移クリーニング部材ローラ26に弾性体層は設けられず、この転移クリーニング部材ローラ26に対向するクリーニング・バックアップ・ローラ25に弾性体層36が設けられている。クリーニング・バックアップ・ローラ25に弾性体層を設ける場合においても、転移クリーニング部材ローラ26に弾性体層を設ける場合と同様に、該弾性体層にJIS K6253による硬度が20度以下のゴム部材、および/またはJIS K6253による硬度が20度以下のスポンジ弾性部材で構成されていること、特に、JIS K6253による硬度が15度以下のゴム部材、および/またはJIS K6253による硬度が15度以下のスポンジ弾性部材で構成されていることが、転移クリーニング部材ローラ26に弾性体層30を設けた場合と同様の理由で好ましい。
上記転移クリーニング部材ローラ26とクリーニング・バックアップ・ローラ25との間に印加する圧力を低く設定することにより、剥離部材27上に被記録材10から画像形成物質が転写され、剥離部材上の画像形成物質層が厚くなった部分は、転移クリーニング部材39と接触して加圧されても強く押し潰されないため、転移クリーニング部材39の表面は、剥離部材上の被記録材から転写された画像形成物質の部分にのみ接触し、画像形成物質の温度を画像形成物質の凝集力が転移クリーニング部材39との接着力よりも小さくなるまで高めることにより、剥離部材27上の画像形成物質は転移クリーニング部材39に転移し、且つ、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層27cの厚みはほぼ均一に保たれる。
上記被記録材10上の画像形成物質を剥離部材27に転写し、被記録材上の画像形成物質を除去する操作を繰り返しても、剥離部材上の熱可塑性樹脂を含む組成物層27cの厚みを一定に保つことは、上述のように剥離部材27を挟んで、転移クリーニング部材ローラ26とクリーニング・バックアップ・ローラ25を当接させ、その間に比較的弱い圧力を印加することでも達成は可能であるが、より安定した厚みの制御を行う場合には、剥離部材27と転移クリーニング部材39との対抗部において、剥離部材27と転移クリーニング部材との距離が一定になるように位置規制部材を設けることが好ましい(請求項7)。この位置規制部材は、剥離部材27と転移クリーニング部材39との距離が一定になるように、例えば、剥離部材の幅方向の両端に厚みが10〜100μm程度のスペーサを設けること、転移クリーニング部材ローラ26あるいはクリーニング・バックアップ・ローラ25の幅方向の両端を、剥離部材27と転移クリーニング部材39との間に適当な間隔ができるようにその径が中心付近よりも太くなるように切削すること、または転移クリーニング部材ローラ26あるいはクリーニング・バックアップ・ローラ25の幅方向の両端に、剥離部材と転移クリーニング部材との間に適当な間隔ができるようにリングを取り付けること、等の方法により設けることができる。
上記画像除去装置の例では、シート状の被記録材を使用する装置例で、1枚の被記録材10上の画像形成物質を除去処理するたび毎に、剥離部材27上の画像形成物質を転移クリーニング部材39に転移せしめる方法で説明したが、必ずしも、剥離部材上に被記録材から転写された画像形成物質を、被記録材10を処理する毎に転移クリーニング部材39に転移せしめる必要はない。剥離部材27上に蓄積した画像形成物質量が少ない時には、転移クリーニング部材ローラ26内の加熱ヒータ31の電源をOFFの状態にしたり、転移クリーニング部材ローラ26を回転駆動するギアを、クラッチやソレノイド等により動力が伝わらないように解除して、転移クリーニング部材ローラ26がクリーニング・バックアップ・ローラ25と連れ回りして、転移クリーニング部材ローラ26の回転の周速度が剥離部材27の搬送速度とほぼ等しくなるようにしたり、あるいはソレノイドやカム等により転移クリーニング部材ローラ26が剥離部材27に接触しないように解除することによって、剥離部材27上の画像形成物質が転移クリーニング部材39に転移しないように制御し、剥離部材上に蓄積した画像形成物質量が一定量を超えた時や、一定枚数の被記録材を処理した時のみ、実質的に剥離部材上に被記録材から転写された画像形成物質が転移クリーニング部材39に転移されるように制御することもできる。
図1に示された平滑化ローラ34は、ステンレス、アルミニウム等の金属で構成されるローラの上に、硬度10〜50度で厚み0.4〜3mm程度のシリコンゴム、発泡ウレタン弾性体等からなる耐熱性弾性層37が設けられ、更に、最表面は、フッ素系ポリマーなどの低表面エネルギー高分子化合物で構成されている。この低表面エネルギー層38を設けるのは、軟化している画像形成物質が平滑化ローラ34の表面に粘着することを防止するためである。平滑化ローラ34とクリーニング・バックアップ・ローラ25との間には、図示していないバネ、水圧、又は空気圧装置などにより加圧力が加えられニップが形成されている。剥離部材27上の画像形成物質が転移クリーニング部材ローラ26に転移した後、剥離部材表面に凹凸が生じている場合においても、確実に剥離部材表面で軟化している熱可塑性樹脂を含む組成物を平滑化することができる(請求項9)。この平滑化により、剥離部材27上の画像形成物質に凹凸が生じることにより発生する、剥離部材27から被記録材10への画像形成物質の逆転写や、画像形成物質の除去不良の発生を防止することができる。
但し、転移クリーニング部材39により、剥離部材27上の画像形成物質をクリーニングした後、剥離部材表面を平滑化することは必須ではなく、図3に示す画像除去装置の例では、平滑化ローラ34は設けられていない。平滑化ローラ34が必要か否かは、画像形成物質や転移クリーニング部材39の物性、剥離部材27と転移クリーニング部材39との搬送速度比、転移クリーニング部材の加熱温度等の要因に依存し、一般に、転移クリーニング部材39の加熱温度を高くして、剥離部材27と転移クリーニング部材との搬送速度比を高く設定すると、剥離部材上の画像形成物質が完全に除去されない場合にも、剥離部材27の表面は比較的均一な厚みになり、剥離部材上に均一な厚みの熱可塑性樹脂層や画像形成物質層が残されるので、平滑化ローラ34は必要がなくなる傾向がある。
被記録材10からの画像形成物質の除去処理を繰り返すと、転移クリーニング部材39上に画像形成物質が蓄積されるので、画像除去装置で継続的に画像形成物質の除去処理を繰り返すためには、転移クリーニング部材39から画像形成物質を除去するか、あるいは転移クリーニング部材39を交換する必要がある。図1に示す画像除去装置の例では、転移クリーニング部材39上に転移された画像形成物質を除去するために、クリーニングブレード32が設けられている(請求項8)。このクリーニングブレード32は、ステンレス鋼、アルミニウム、切削鋼などの金属、またはポレエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物を主体とする材料で作製することができる。クリーニングブレード32にもヒータを設けることもできるが、転移クリーニング部材ローラ26は画像形成物質の内部凝集破壊が比較的容易に生じるような温度に設定されているため、その表面に存在する画像形成物質はクリーニングブレード32により掻き落とされ、画像形成物質回収容器29に溜まる。
〔実施の形態2による画像除去装置〕
次に、本発明の実施の形態2による画像除去装置について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は画像除去装置の説明図であり、図5は画像除去装置に用いられるスパイラルブレードクリーニングローラの説明図である。
図4において、図1及び図3と共通の構成部分については同じ符号で示している。図4に示されているように、剥離部材27は、被記録材入口部ローラ51、加圧ローラ21、分離ブロック24、クリーニング・バックアップ・ローラ25、テンションローラ33と内接し、加熱ローラ22、平滑化ローラ34、転移クリーニング部材ベルト52と外接するように張り巡らされている。また、転移クリーニング部は、転移クリーニング部材ベルト52、転移クリーニング部材バックアップローラ55、ブレードバックアップローラ46、スパイラルブレードクリーニングローラ45等で構成される。転移クリーニング部材ベルト52は、ポレエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性の高い高分子化合物、またはニッケル、ステンレス等の金属部材よりなるベルトであり、必要に応じて、これらの材料を積層して設けることもできる。転移クリーニング部材バックアップローラ55は、ステンレス、アルミニウム等の金属で構成されるローラの上に、硬度15度以下で厚み0.5〜5mm程度のシリコンゴム、発泡ウレタン弾性体などからなる耐熱性弾性層57が設けられている。
上記転移クリーニング部材ベルト52は、転移クリーニング部材バックアップローラ55とブレードバックアップローラ46を内接するように張り巡らされている。転移クリーニング部材バックアップローラ55とクリーニング・バックアップ・ローラ25との間には、図示していないバネ、水圧、または空気圧装置などにより加圧力が加えられ、ニップが形成されている。転移クリーニング部材バックアップローラ55は、その内部にハロゲンランプやローラに渦電流を発生させるためのコイルなどの加熱ヒータ56を内蔵し、その端部には、図示していないローラの表面温度を測定するための、熱電対、白金抵抗、サーミスタ、または赤外線官能タイプなどの温度センサが設けられていて、この温度センサからの情報をフィードバックし、図示していない温度コントローラにより、上記加熱ヒータ56のオン/オフ制御がなされ、転移クリーニング部材バックアップローラ55の表面温度を、図1及び図3の画像除去装置と同様に、一定に保つように構成されている。転移クリーニング部材ベルト52は、転移クリーニング部材バックアップローラ55により、図1及び図3の画像除去装置の例と同様に、剥離部材27の搬送速度よりも速い搬送速度で搬送され、剥離部材27上に被記録材10から転写した画像形成物質を転移するように構成されている。
上記ブレードバックアップローラ46には弾性層47が設けられ、このブレードバックアップローラ46とスパイラルブレードクリーニングローラ45との間には、図示していないバネ、水圧、または空気圧装置などにより加圧力が加えられ、ニップが形成されている。スパイラルブレードクリーニングローラ45は、図5に示されているような、切削鋼、ステンレス等の金属、セラミックス等の材料からなり、エッジ部45bを有するブレード45aが多条に設けられたローラである。転移クリーニング部材バックアップローラ55の近傍で転移クリーニング部材ベルト52上に転移された画像形成物質は、ブレードバックアップローラ46の近傍に至るまでに冷却されて凝集力が高められた後、スパイラルブレードクリーニングローラ45により擦り落とされて、画像形成物質回収容器29内に溜まる。スパイラルブレードクリーニングローラ45の回転方向は、転移クリーニング部材ベルト52の搬送方向に対して、順方向又は逆方方向のいずれの回転方向でも画像形成物質の除去が可能である。転移クリーニング部材ベルト52上に転移された画像形成物質は、転移クリーニング部材バックアップローラ55からブレードバックアップローラ46に至るまでに十分に冷却されないと凝集力が高められず、ブレードにより掻き落とすことが困難となるので、その間に、転移クリーニング部材ベルト52上の画像形成物質を強制的に冷却するための送風手段や冷媒と接触する手段等を設けることもできる。
〔実施の形態3による画像除去装置〕
次に、本発明の実施の形態3による画像除去装置について、図6を参照しながら説明する。図6は画像除去装置の説明図であり、図1及び図3に示されているものと共通する構成部分については、同じ符号で示している。
本出願人は、被記録材と剥離部材とを重ね合わせる手段と、この重ね合わせた被記録材と剥離部材とを加熱・加圧する手段と、上記重ね合わせた被記録材と剥離部材とを分離する手段とを有し、一連の被記録材から剥離部材への画像形成物質を転写する画像形成物質転写手段を複数段備え、上流側の被記録材から剥離部材への画像形成物質転写手段では、被記録材と接する表面層が加圧時の温度では塑性を示さない剥離部材を用い、下流側の画像形成物質転写手段では、被記録材と接する表面層が加圧時の温度で塑性を示す剥離部材を用いる画像除去装置を提案した。(特願2005−72007)
図6に示す画像除去装置は、被記録材から剥離部材への画像形成物質転写手段が2段から成る例であり、このような画像除去装置では、地肌かぶりを形成する画像形成物質、低濃度階調画像を形成する画像形成物質、および画像の周りに飛散した画像形成物質をも含めて、被記録材上の画像形成物質を完全に除去できる点で好ましいものである(請求項10)。
しかしながら、従来では、下流側の熱可塑性樹脂を含む組成物を表面に設けた剥離部材に転写された画像形成物質を除去することが困難であるという課題があった。
図6に示された画像除去装置では、下流側の熱可塑性樹脂を含む組成物を表面に設けた剥離部材27のクリーニングにのみ転移クリーニング部材39を用いて、剥離部材27上に転写された画像形成物質を除去するものである(請求項11)。すなわち、上流側の表面層が加圧時の温度では塑性を示さない剥離部材67から画像形成物質を除去する手段としては、画像形成物質を擦り落とすスパイラルクリーニングブレードローラ45を用い、下流側の被記録材10と接する表面層が加圧時の温度で塑性を示す剥離部材27から画像形成物質を除去する手段としては、剥離部材27の搬送速度よりも速い速度で搬送される転移クリーニング部材ローラ26を対向せしめ、転移クリーニング部材ローラ26との対向部近傍で剥離部材27上の画像形成物質を転移クリーニング部材ローラに転移するクリーニング手段を設けている。
なお、図6において、65はテンションローラ、66はクリーニング・バックアップ・ローラ、68は給紙ローラ対を示している。
図6に示される画像除去装置の例では、厚みの厚いべた画像や文字画像、線画像、すなわち被記録材10上の画像形成物質の大半は、第1段目の剥離で剥離部材67に転写されて除去される。第2段目の剥離で被記録材10より剥離部材27に転写されるのは、地肌かぶりを形成する画像形成物質、低濃度階調画像を形成する画像形成物質、および画像の周りに飛散した画像形成物であり、その量は少ないため、シート状の被記録材を処理する装置例において1枚の被記録材の画像形成物質を除去処理する度に、第2段目の剥離部材27のクリーニングをする必要は無い。100〜5000枚毎等の一定枚数処理毎にクリーニング操作をするように、剥離部材27上に蓄積した画像形成物質の厚みを検知する手段を設け、その検知結果をフィードバックして間欠的に転移クリーニング部材ローラ26を動作させてクリーニングすることは、被記録材10から画像形成物質を除去するために消費するエネルギーを小さくできるので好ましい。転移クリーニング部材ローラ26の動作を有効にしたり無効にしたりする具体的な方法や手段については、既に、図1に示した実施の形態1の説明で述べたとおりであり、上記実施の形態1及び実施の形態2で説明した手段から、目的や構成に応じて適宜選択して用いることができる。
〔画像除去装置に用いる被記録材〕
次に、本発明の画像除去装置に用いる被記録材について説明する。
本発明の被記録材から画像形成物質を除去する方法や手段は、一般に画像形成に用いられている普通紙にも適用できる。しかしながら、一般的に普通紙上に形成した画像形成物質は紙に対する接着力が強く、被記録材に画像除去促進液を付与する手段無しでは剥離、除去することが困難である。紙に水を主体とする画像除去促進液を付与すると、再画像形成時や画像形成物質の除去処理時にカールや皺が発生し易く、特に使用を繰り返して行くと急激にその発生率が高まり、繰り返し使用回数が著しく制限される。また、普通紙では、その表面の凹凸構造が大き過ぎるので、例え、表面に熱可塑性樹脂層を含む組成物を有する剥離部材で剥離しても完全に画像形成物質を除去することができない。
それ故、本発明の画像除去装置は、表面の凹凸を普通紙よりも減じ、平滑度を高めた被記録材、即ち、セルロース繊維を主体とする普通紙を基材とし、その表面近傍に片面あたり付着量1.5g/m以上の平滑性を向上させる組成物を塗布し、ベック平滑度計による平滑度が90秒以上とした被記録材を用いる場合に特に効果が大きく、被記録材上の画像形成物質を完全に除去し、被記録材の繰り返し使用可能回数を著しく向上する(請求項13)。
また、本発明の画像除去装置は、予め画像形成物質との定着性を低下する組成物を付与した被記録材との組み合わせで用いることにより、比較的簡素な構成で画像除去促進液の補給などのメンテナンスの必要の無い画像除去装置で画像形成物質を除去できるばかりではなく、画像除去促進液を付与することによる皺の発生などのトラブルを生じることなく、且つ、表面に熱可塑性樹脂を含む組成物を設けた剥離部材を使用することが可能になり、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することができるので、被記録材の繰り返し使用可能回数を著しく向上する(請求項12)。
本発明に用いる被記録材の構成としては、普通紙上にそれを平滑にするための目止め層を設けた上に、さらに画像形成物質との定着性を低くする組成物を付与することもできるが、目止めと定着性の低下機能とを合わせ持つ塗布液を紙に付与して設けることが、安価な被記録材を提供できる点で好ましい。
画像形成物質に対する定着性を低下するための具体的な化合物としては、シリコン樹脂、シランカップリング剤、フッ素樹脂、オレフィン樹脂、界面活性剤、サイズ剤、ワックスなどが挙げられる。紙に界面活性剤を付与したリユーザブル被記録材の例は、例えば、特開平10−74025号公報に開示されており、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、分子中に炭素数の総数が8個以上の直鎖あるいは分岐しているアルキル基を含有する界面活性剤を付与した紙を用いることが好ましい。
画像形成物質との定着性を低下するために被記録材に含ませることのできるフッ素系界面活性剤の具体例は、フロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、ノニオン系、カチオン系等である。
シリコン系界面活性剤の具体例は、例えば、エポキシ変性、アルキル変性、アラルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、ポリエーテル変性、等のシリコンオイルである。分子中に炭素数の総数が8個以上の直鎖あるいは分岐しているアルキル基を含有する界面活性剤の例は、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキルアミン誘導体、4級アンモニウム塩、イミダゾリン、イミダゾリウム塩等のカチオン系、ベタイン等の両性系等である。
シリコン化合物を表面に付与した被記録材の例は、特開平9−204060号公報、特開平9−204061号公報などに開示されている。
本発明において、特に好ましく用いられる被記録材は、画像形成物質との定着性を低下せしめる化合物として、オレフィン−無水マレイン酸重合体を用いた被記録材である。オレフィン−無水マレイン酸重合体のオレフィン成分として、特に、α位に二重結合を有し、炭素数10〜炭素数20のオレフィン単量体を用いて重合させた高分子化合物を用いることにより、被記録材の繰り返し使用による画像形成物質との定着性を低下せしめる化合物の剥離部材や被記録材内部等へ移行を防止し、繰り返し使用回数を多くすることができる。
また、被記録材の目止めをする化合物としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色顔料やラテックス、スチレン−ブタジエン重合体エマルジョン、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、でんぷん、酢酸ビニル重合体エマルジョン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アラビアゴム等の高分子化合物が挙げられ、これらの高分子化合物と顔料とを混合して、紙の上に目止め層を設けることもできる。上記高分子化合物に加えて、上記画像形成物質の定着性を低下せしめる化合物や顔料を混合して紙に塗布することもできる。
〔画像除去装置を用いる画像形成・除去システム〕
次に、本発明の画像除去装置を用いる画像形成・除去システムについて説明する。
本発明の画像除去装置や被記録材の繰り返し使用方法は、被記録材上に形成する画像を消去することを前提する第1の画像形成モードと、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードとを設け、第1画像形成モードと第2画像形成モードとをユーザーが任意に選択することが可能とされ、第1のモードが選択された時には、画像形成物質の定着性を低下せしめたリユーザブル被記録材が供給されその上に画像が形成され、第2のモードが選択された場合には一般の紙が供給されその上に画像が形成されるように制御される画像形成装置と組み合わされた画像形成・除去システムとして用いることが特に効果が大きい。
本出願人は、特開2005−128046号公報において、被記録材上に形成する画像を消去することを前提する第1の画像形成モードと、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードとを設けた画像形成装置を提案した。ここに提案された画像形成装置と、本発明の画像除去装置や被記録材の繰り返し使用方法とを組み合わせて用いると、ユーザーが画像の記録された情報を短期間のみ閲覧し、閲覧後は被記録材の上に形成された画像形成物質を除去して、情報が記録された被記録材を再使用しようと判断した時には、確実に、画像形成物質との定着性が低くなるような組成物が付与された被記録材上に情報の記録がなされる。一方、被記録材から画像形成物質を除去する段階においては、本発明の画像除去装置が用いられ、表面に熱可塑性樹脂を含有する組成物を設けた剥離部材を使用して画像形成物質の除去が可能になり、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することができるため、被記録材の繰り返し使用可能回数が著しく向上する。また、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することができ、且つ、剥離部材上に画像情報が残ることが無いので、画像情報が記録された被記録材や剥離部材がリサイクルのために、外部に出されることが無く、情報セキュリティの観点からも極めて好ましいシステムを構成することができる。
〔実施例〕
以下に、より具体的な実施例及び比較例にに基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
オレフィン−無水マレイン酸重合物25重量%水溶液を1重量部、ポリビニルアルコール10重量%水溶液を10重量部、これらを混合して塗布液を調合した。この塗布液を片面の乾燥塗布量が2.3g/mとなるように、市販の普通紙(例えば、(株)リコー製コピー用紙Type6200)の両面にワイヤバーを用いて塗布し、120℃で5分間の乾燥を行い、スーパーキャレンダで平滑化処理を行い、リユーザブルペーパを得た。この紙の平滑度は350秒であった。
この被記録材を使用し、市販のカラー電子写真画像形成装置(例えば、商品名:リコーimagio Neo C385)を用いて、階調画像、2次色および単色のべた画像、文字画像を有するフルカラーパターンを印字した。印字画像は鮮明なものであった。
上記のようにして画像を形成した被記録材から、図6に示す画像除去装置を用いて画像形成物質を除去した。画像除去時の条件は下記のとおりとした。
プロセス線速(剥離部材の搬送速度):40mm/sec
〈上流側画像形成物質除去処理部〉
剥離部材:100μmの厚みのポリイミドフィルム
画像形成物質除去ブレード:切削鋼よりなる4条スパイラル・クリーニング・ブレード、径25mmφ
バックアップローラ表面材質:ウレタンスポンジ部材、硬度10度
ブレード回転方向(通常使用時):剥離部材搬送方向と逆方向
加熱ローラ設定温度:135℃
〈下流側画像形成物質除去処理部〉
剥離部材:100μmの厚みのポリイミドフィルム上に、リコー imagio Neo C385黒色トナーを厚み21μmとなるように塗布し、加熱定着したもの
加熱ローラ設定温度:120℃
転移クリーニング部材:ポリイミド
転移クリーニング部材ローラの弾性体:硬度15度のスポンジ部材
転移クリーニング部材ローラ設定温度:180℃
転移クリーニング部材ローラ回転方向:剥離部材搬送方向と順方向
転移クリーニング部材ローラ周速度:120mm/sec
クリーニング間隔:シート状被記録材を300枚処理する毎
上記の条件によって、被記録材から画像形成物質の除去を行ったところ、被記録材上の画像形成物質は完全に除去されていた。同一の被記録材について、画像形成物質が除去処理され再生された紙に、上記と同一パターンの画像を形成し、更に画像形成物質の除去処理を行うサイクルを25回繰り返したが、得られた画像に顕著な変化は無く、地肌かぶりの濃度が高くなることも無く、使用回数1回目に得られた画像と同様に鮮明なものであった。また、25回の使用を繰り返した後の被記録材について画像形成物質を除去処理した結果も、第1回目の画像形成物質の除去処理時と同様に、低濃度階調画像、画像周辺に飛び散ったトナー、除去かぶりとなっているトナーも含めて、被記録材上のトナーは完全に除去されていた。更に、画像除去装置のランニングを続け、2000枚の画像形成物質の除去処理をした後、同様に被記録材上の画像形成物質の除去処理を行ったが、ランニング初期と同様に、低濃度階調画像、画像周辺に飛び散ったトナー、除去かぶりとなっているトナーも含めて、被記録材上のトナーは完全に除去されていた。
(比較例1)
図6に示された画像除去装置において、下流側の画像形成物質除去処理部の転移クリーニング部材ローラ26の周速度を剥離部材27と等速にする以外は、上記実施例1と同様にして評価を行った。画像除去装置のランニングの初期においては、被記録材からの画像形成物質の除去は使用回数1回目の被記録材も、使用回数25回目の被記録材からも実施例1と同様に良好に画像形成物質の除去が可能であった。しかし、約1400枚の被記録材を処理した時点から、徐々に被記録材にトナー残りが生じるようになり、ランニングの継続とともに、その残量は多くなった。特に、剥離部材27のクリーニング動作直後に、トナー残りの発生が多かった。また、約1700枚のランニングをした時点から、画像形成物質を除去処理した被記録材の地肌部に剥離部材27からトナーが逆転写して汚れが出始め、ランニングの継続とともに汚れがひどくなった。特に、剥離部材27のクリーニング動作直後に汚れがひどかった。下流側の剥離部材27のクリーニング動作中に、転移クリーニング部材ローラ26の表面を観察した結果、剥離部材27のクリーニング動作により剥離部材上の画像形成物質は殆ど転移クリーニング部材39側に転移せず、剥離部材表面の画像形成物質の凹凸の大きさを増加する結果となっていた。
(実施例2)
オレフィン−無水マレイン酸重合物25重量%水溶液を1重量部、酸化でんぷん10重量%水溶液を8重量部、これらを混合して塗布液を調合した。この塗布液を片面の乾燥塗布量が1.6g/mとなるように、市販の普通紙(例えば、(株)リコー製コピー用紙Type6200)の両面にワイヤバーを用いて塗布し、120℃で5分間の乾燥を行い、スーパーキャレンダで平滑化処理を行いリユーザブルペーパを得た。この紙の平滑度は95秒であった。
この被記録材を使用し、市販のカラー電子写真画像形成装置(例えば、商品名:リコー imagio Neo C385)を用いて、階調画像、2次色および単色のべた画像、文字画像を有するフルカラーパターンを印字した。印字画像は鮮明なものであった。
上記のようにして画像を形成した被記録材から、図3に示された画像除去装置を用いて画像形成物質を除去した。画像除去時の条件は下記のとおりとした。
プロセス線速(剥離部材の搬送速度):30mm/sec
剥離部材:100μmの厚みのポリエーテルフィルム上に、リコー imagio Neo C385黒色トナーを厚み21μmとなるように塗布し、加熱定着したもの
加熱ローラ設定温度:128℃
転移クリーニング部材: 紫外線硬化アクリル樹脂
クリーニングバックアップローラの弾性体:硬度15度のスポンジ部材
転移クリーニング部材ローラ設定温度:180℃
転移クリーニング部材ローラ回転方向:剥離部材搬送方向と順方向
転移クリーニング部材ローラ周速度:150mm/sec
クリーニング間隔:シート状被記録材の画像形成物質除去処理毎
上記の条件によって、被記録材から画像形成物質の除去を行ったところ、被記録材上の画像形成物質は完全に除去されていた。同一の被記録材について、画像形成物質が除去処理され再生された紙に、上記と同一パターンの画像を形成し、更に画像形成物質の除去処理を行うサイクルを25回繰り返したが、得られた画像に顕著な変化は無く、地肌かぶりの濃度が高くなることも無く、使用回数1回目に得られた画像と同様に鮮明なものであった。また、25回の使用を繰り返した後の被記録材について画像形成物質を除去処理した結果も、第1回目の画像形成物質の除去処理時と同様に、低濃度階調画像、画像周辺に飛び散ったトナー、地肌かぶりとなっているトナーも含めて、被記録材上のトナーは完全に除去されていた。更に、画像除去装置のランニングを続けて、2000枚の画像形成物質の除去処理をした後、同様に被記録材上の画像形成物質の除去処理を行ったが、ランニング初期と同様に、低濃度階調画像、画像周辺に飛び散ったトナー、地肌かぶりとなっているトナーも含めて、被記録材上のトナーは完全に除去されていた。
は、本発明の実施の形態1による画像除去装置を説明する模式図である。 は、本発明の画像除去装置に用いる剥離部材の説明図であり、(a)は基体と熱可塑性樹脂を含有する組成物層との間に中間層を備えるもの、(b)は中間層を備えていないものである。 は、本発明の実施の形態1による画像除去装置の変更例を説明する模式図である。 は、本発明の実施の形態2による画像除去装置を説明する模式図である。 は、本発明の画像除去装置に用いるスパイラルブレードクリーニングローラの説明図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 は、本発明の実施の形態3による画像除去装置を説明する模式図である。
符号の説明
10…被記録材(画像が形成された後、不要になったもの)
11…給紙カセット
12…給紙コロ 13…給紙ローラ対
15…排紙ローラ対 16…被記録材(画像が除去されたもの)
17…排紙トレイ 21…加圧ローラ
22…加熱ローラ 23…加熱ヒータ
24…分離ブロック
25…クリーニング・バックアップ・ローラ
26…転移クリーニング部材ローラ
27…剥離部材(エンドレスベルト状) 27a…剥離部材の基体
27b…剥離部材の中間層 27c…剥離部材の組成物層
28,31…加熱ヒータ 29…(画像形成物質)回収容器
30…耐熱性弾性層 32…クリーニングブレード
33…テンションローラ 34…平滑化ローラ
35〜37…耐熱性弾性層 38…低表面エネルギー層
39…転移クリーニング部材
40…廃画像形成物質
45…スパイラルクリーニングブレードローラ
45a…ブレード
45b…エッジ部 46…ブレードバックアップローラ
47…弾性層 51…被記録材入口部ローラ
52…転移クリーニング部材ベルト
53…ガイド板
55…転移クリーニング部材バックアップローラ
56,63…加熱ヒータ
57…耐熱性弾性層 61…加圧ローラ
62…加熱ローラ 64…分離ブロック
65…テンションローラ
66…クリーニング・バックアップ・ローラ
67…剥離部材
68…給紙ローラ対

Claims (14)

  1. 少なくとも、熱可塑性を有する画像形成物質で画像が形成された被記録材と該画像形成物質に対して接着力を有する剥離部材とを重ね合わせる手段と、この重ね合わせた被記録材と剥離部材とを加熱・加圧する手段と、上記重ね合わせた被記録材と剥離部材とを分離する分離手段からなる画像除去装置において、
    上記剥離部材に転写された画像形成物質に対して接着性を有する材料からなり、該剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送される転移クリーニング部材を、該剥離部材に対向せしめる手段を設けて成り、
    上記剥離部材と転移クリーニング部材との対向部近傍で、該剥離部材上の画像形成物質を該転移クリーニング部材に転移させることにより、該剥離部材上の画像形成物質を除去することを特徴とする画像除去装置。
  2. 上記剥離部材と転移クリーニング部材との対向部における画像形成物質の温度を、上記分離手段により上記被記録材と剥離部材とが分離される位置における画像形成物質の温度よりも高くする加熱手段を設け、画像形成物質の凝集破壊を生じさせることにより、該剥離部材上の画像形成物質の一部のみを該転移クリーニング部材に転移させて、該剥離部材上の画像形成物質を除去することを特徴とする請求項1に記載の画像除去装置。
  3. 上記剥離部材と転移クリーニング部材との対向部における該転移クリーニング部材表面の温度が、該剥離部材表面の温度よりも高くなるように、該転移クリーニング部材を加熱する手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像除去装置。
  4. 上記転移クリーニング部材の表面を形成する組成物として、該組成物の画像形成物質に対する接着力が上記剥離部材の画像形成物質に対する接着力と同等以下の組成物を用いることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像除去装置。
  5. 上記転移クリーニング部材がローラ上に設けられ、該転移クリーニング部材が熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、および電子線硬化樹脂から選ばれる材料で構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像除去装置。
  6. 上記剥離部材と転移クリーニング部材との対抗部において、該剥離部材または該転移クリーニング部材をバックアップする部材が、JIS K6253による硬度が20度以下のゴム部材、および/またはJIS K6253による硬度が20度以下のスポンジ弾性部材で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像除去装置。
  7. 上記剥離部材と転移クリーニング部材との対抗部において、該剥離部材と転移クリーニング部材との距離が一定になるように、位置規制部材を設けることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像除去装置。
  8. 上記転移クリーニング部材上に剥離部材から転移された画像形成物質を掻き落とすためのブレード部材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像除去装置。
  9. 上記転移クリーニング部材に画像形成物質を転移した後、上記剥離部材のクリーニング部の下流側に該剥離部材の表面を平滑にするための平滑化手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像除去装置。
  10. 上記被記録材と剥離部材とを重ね合わせる手段と、この重ね合わせた被記録材と剥離部材とを加熱・加圧する手段と、重ね合わせた被記録材と剥離部材とを分離する手段とを有し、一連の被記録材から剥離部材へ画像形成物質を転写する画像形成物質転写手段を複数段備えて成り、
    上流側の画像形成物質転写手段では上記被記録材と接する表面層が加圧時の温度では塑性を示さない剥離部材を用い、
    下流側の画像形成物質転写手段では上記被記録材と接する表面層が加圧時の温度で塑性を示す剥離部材を用いることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像除去装置。
  11. 上記上流側の画像形成物質転写手段において剥離部材から画像形成物質を除去する手段が、該剥離部材を擦るブレードであり、
    上記下流側の画像形成物質転写手段において剥離部材から画像形成物質を除去する手段が、該剥離部材に対向せしめて設けられ、該剥離部材の搬送速度よりも速い速度で搬送され、該剥離部材との対向部近傍で該剥離部材上の画像形成物質が転移される転移クリーニング部材であることを特徴とする請求項10に記載の画像除去装置。
  12. 画像形成物質に対する定着性を低下せしめる化合物を表面近傍に付与したリユーザブル被記録材上に、熱可塑性を有する画像形成物質で画像を形成し、
    請求項1〜請求項11のいずれかに記載の画像除去装置を用いて、被記録材上の画像形成物質を除去し、
    上記画像形成物質が除去された被記録材上に、熱可塑性画像形成物質を用いて再び画像の形成を繰り返すことを特徴とする被記録材の繰り返し使用方法。
  13. セルロース繊維を主体とする紙を基材とし、その表面近傍に片面付着量1.5g/m以上の画像形成物質の定着性を低下せしめる化合物を含む組成物を付着させ、ベック平滑度計による平滑度が90秒以上とした被記録材を使用することを特徴とする請求項12に記載の被記録材の繰り返し使用方法。
  14. 被記録材上に形成する画像を消去することを前提する第1の画像形成モードと、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードとを設け、上記第1の画像形成モードと第2の画像形成モードとをユーザーが任意に選択することが可能であり、
    上記第1の画像形成モードが選択された場合には、画像形成物質の定着性を低下せしめたリユーザブル被記録材が供給されてその上に画像が形成され、上記第2の画像形成モードが選択された場合には、一般の紙が供給されてその上に画像が形成されるように制御される画像形成装置と、
    請求項1〜請求項11のいずれかに記載の画像除去装置がセットになっている画像形成除去システム。
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