JP2007278091A - 内燃機関の制御装置及びハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置及びハイブリッド車両において、ノッキングを防止すると共に熱効率の低下を防止する。
【解決手段】吸気ポート17にガソリン(炭化水素燃料)を噴射するガソリンインジェクタ35を設けると共に、吸気ポート17に水素ガスを噴射する水素インジェクタ36を設け、エンジン11の動弁機構を運転状態に応じて吸気弁19を最適な開閉タイミングに制御可能な吸気可変動弁機構(VVT)25とし、水素インジェクタ36による水素噴射が停止されるとき、ECU45が点火時期をガソリンに合わせて変更(進角)すると共に、VVT25により実圧縮比を予め設定された所定期間だけ低下させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化水素燃料と水素ガスとを併用する内燃機関の制御装置、並びにこの内燃機関の制御装置が適用されたハイブリッド車両に関するものである。
従来、ガソリンなど炭化水素燃料を主燃料とする内燃機関において、水素ガスを副燃料として使用するものが提案されている。この水素ガスは可燃範囲が広くて点火しやすいと共に燃焼速度が速いため、ガソリンに水素ガスを混合して燃料として使用した場合、内燃機関におけるノッキングの発生を抑制することができると共に、リーン運転領域を拡大することができ、燃費の向上や窒素酸化物(NOx)の低減による排気浄化効率の向上を図ることができる。
このような内燃機関としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された水素利用内燃機関は、エンジンの駆動状態を制御する際に、要求トルクを出力するのに要するガソリン噴射量と水素噴射量の割合を、排ガス中のNOx量が充分に少なくなる条件として予め定めた割合となるように設定し、高負荷状態のときには、水素噴射量を所定の上限値に抑えて噴射制御を行なうと共にEGRを行い、このとき、NOx量が所定値を超える場合には、NOxが充分に低減されるまでEGRガス量をさらに増加させるものである。
特開2004−116398号公報
ところで、ガソリンに水素を混合した燃料を使用するエンジンにあっては、このエンジンの運転状態に応じてガソリン噴射量に対する水素噴射量が設定されると共に、その混合割合に応じて点火時期が制御される。例えば、比較安定したエンジンの運転状態では、水素噴射を停止してガソリン噴射のみとした場合、点火時期をガソリンに合わせて進角している。ところが、ガソリン及び水素の噴射状態からガソリンのみの噴射状態に変更するとき、吸気管や燃焼室などに水素ガスが微小に残留し、この残留水素により過進角状態となり、ノッキングが発生してしまうおそれがある。なお、ノッキングの発生を防止するために、ガソリン及び水素の噴射状態からガソリンのみの噴射状態に変更するとき、点火時期の進角時期を遅らせると、最適な点火時期からずれることから熱効率が大幅に低下してしまうという問題がある。
また、ガソリンのみの噴射状態からガソリン及び水素の噴射状態に変更するとき、水素の燃焼室への輸送遅れにより過遅角状態となり、最適な点火時期からずれることから熱効率が大幅に低下してしまう。なお、熱効率の低下を防止するために、ガソリンのみの噴射状態からガソリン及び水素の噴射状態に変更するとき、点火時期の遅角時期を遅らせると、ノッキングが発生してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、ノッキングを抑制すると共に熱効率の悪化を防止した内燃機関の制御装置及びハイブリッド車両を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内燃機関の制御装置は、燃焼室に炭化水素燃料を供給する炭化水素燃料供給手段と、前記燃焼室に水素ガスを供給する水素ガス供給手段と、点火時期を変更する点火時期変更手段と、実圧縮比を変更する圧縮比変更手段とを具え、前記水素ガス供給手段による前記燃焼室への水素ガスの供給が停止されるときに、前記点火時期変更手段により点火時期を炭化水素燃料に合わせて変更すると共に、前記圧縮比変更手段により実圧縮比を予め設定された所定期間だけ低下させることを特徴とするものである。
また、本発明の内燃機関の制御装置は、燃焼室に炭化水素燃料を供給する炭化水素燃料供給手段と、前記燃焼室に水素ガスを供給する水素ガス供給手段と、点火時期を変更する点火時期変更手段と、実圧縮比を変更する圧縮比変更手段とを具え、前記水素ガス供給手段による前記燃焼室への水素ガスの供給が開始されるときに、この水素ガスの供給から予め設定された所定期間が経過した後に前記点火時期変更手段により点火時期を水素ガスに合わせて変更すると共に、前記所定期間の間前記圧縮比変更手段により実圧縮比を低下させることを特徴とするものである。
そして、本発明のハイブリッド車両は、内燃機関の制御装置が適用された該内燃機関と電気モータのトルクを車輪に伝達することで走行可能とするハイブリッド車両において、前記圧縮比変更手段により実圧縮比が予め設定された所定期間だけ低下したとき、前記内燃機関による駆動トルクの低下分を前記電気モータによりアシストすることを特徴とするものである。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、炭化水素燃料供給手段と水素ガス供給手段と点火時期変更手段と圧縮比変更手段を設け、水素ガス供給手段による燃焼室への水素ガスの供給が停止されるとき、点火時期変更手段により点火時期を炭化水素燃料に合わせて変更すると共に、圧縮比変更手段により実圧縮比を予め設定された所定期間だけ低下させるようにしたので、燃焼室への水素ガスの供給停止指令があったときには、炭化水素燃料に合わせて点火時期を変更することで、熱効率の悪下を防止することができ、また、このとき、実圧縮比を低下させて所定期間だけ低実圧縮比状態で運転することで、残留水素によるノッキングの発生を抑制することができる。
また、本発明の内燃機関の制御装置によれば、炭化水素燃料供給手段と水素ガス供給手段と点火時期変更手段と圧縮比変更手段を設け、水素ガス供給手段による燃焼室への水素ガスの供給が開始されるとき、水素ガスの供給から所定期間の経過後に点火時期変更手段により点火時期を水素ガスに合わせて変更すると共に、この所定期間の間だけ圧縮比変更手段により実圧縮比を低下させるようにしたので、燃焼室への水素ガスの供給開始指令があったときには、所定期間の経過後に水素ガスに合わせて点火時期を変更することで、熱効率の悪下を防止することができ、また、この所定期間の間だけ、実圧縮比を低下させて所定期間だけ低実圧縮比状態で運転することで、水素の輸送遅れによるノッキングの発生を抑制することができる。
そして、本発明の内燃機関の制御装置が適用されたハイブリッド車両によれば、燃焼室への水素ガスの供給が停止される指令が出たり、燃焼室への水素ガスの供給が開始される指令が出たりして実圧縮比が所定期間だけ低下したとき、内燃機関による駆動トルクの低下分を電気モータによりアシストするようにしたので、実圧縮比が低下している間、駆動トルクの低下分が電気モータにより補充されることとなり、車両性能の低下を抑制してドライバビリティを向上することができる。
以下に、本発明にかかる内燃機関の制御装置及びハイブリッド車両の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の制御装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の内燃機関の制御装置における水素添加停止時の制御を表すフローチャート、図3は、実施例1の内燃機関の制御装置における水素添加開始時の制御を表すフローチャート、図4は、実施例1の内燃機関の制御装置による燃料噴射制御を表すタイムチャート、図5は、実施例1の内燃機関の制御装置による水素添加停止時における燃料噴射制御を表すタイムチャートである。
実施例1の内燃機関の制御装置において、図1に示すように、内燃機関としてのエンジン11は、火花点火式のガソリン・水素多気筒エンジンである。このエンジン11において、シリンダブロック12上にシリンダヘッド13が締結されており、このシリンダブロック12に形成された複数のシリンダボア14にピストン15がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック12の下部に図示しないクランクシャフトが回転自在に支持されており、各ピストン15はコネクティングロッドを介してこのクランクシャフトにそれぞれ連結されている。
燃焼室16は、シリンダボア14の内壁面と、シリンダヘッド13の下面と、ピストン15の頂面とにより囲繞されて構成されており、天井部(シリンダヘッド13の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室16の両側には吸気ポート17及び排気ポート18が開口しており、この吸気ポート17及び排気ポート18に対して吸気弁19及び排気弁20の下端部が位置している。この吸気弁19及び排気弁20は、シリンダヘッド13に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート17及び排気ポート18を閉止する方向に付勢支持されている。また、シリンダヘッド13には、吸気カムシャフト21及び排気カムシャフト22が回転自在に支持されており、吸気カム23及び排気カム24が図示しないローラロッカアームを介して吸気弁19及び排気弁20の上端部に接触している。
従って、エンジン11に同期して吸気カムシャフト21及び排気カムシャフト22が回転すると、吸気カム23及び排気カム24がローラロッカアームを作動させ、吸気弁19及び排気弁20が所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート17及び排気ポート18を開閉し、吸気ポート17と燃焼室16、燃焼室16と排気ポート18とをそれぞれ連通することができる。
また、このエンジン11の動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁19を最適な開閉タイミングに制御する吸気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing)25となっている。この吸気可変動弁機構25は、例えば、吸気カムシャフト21の軸端部にVVTコントローラが設けられて構成され、油圧ポンプ(または、電動モータ)によりカムスプロケットに対するカムシャフト21の位相を変更することで、吸気弁19の開放期間を一定としてその開放時期及び閉止時期を進角または遅角することができる。また、この吸気変動弁機構25は、吸気弁19の開放期間を変更することで、その開閉時期を進角または遅角することができる。また、吸気カムシャフト21には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ26が設けられている。
吸気ポート17には、インテークマニホールドを介して吸気管27が連結されており、この吸気管27の空気取入口にはエアクリーナ28が取付けられている。そして、このエアクリーナ28の下流側にはスロットル弁29を有する電子スロットル装置30が設けられている。一方、排気ポート18には、エギゾーストマニホールドを介して排気管31が連結されており、この排気管31には排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する触媒装置32が装着されている。また、このエンジン11には過給機33が設けられており、この過給機33は、吸気管27に設けられたコンプレッサと排気管31に設けられたタービンが同軸上に連結されて構成されており、吸気管27にインタクーラ34が設けられている。
シリンダヘッド13には、吸気ポート17に炭化水素燃料としてのガソリンを噴射するガソリンインジェクタ(炭化水素燃料供給手段)35が装着されると共に、吸気ポート17に水素ガスを噴射する水素インジェクタ(水素ガス供給手段)36が装着されている。そして、ガソリンインジェクタ35にはデリバリパイプ37が連結され、このデリバリパイプ37はレギュレータ(流量調整弁)38及び燃料ポンプ39を介してガソリンタンク40に連結されている。また、水素インジェクタ36にはデリバリパイプ41が連結され、このデリバリパイプ41はレギュレータ(流量調整弁)42を介して水素タンク43に連結されている。また、シリンダヘッド13には、燃焼室16の上方に位置して点火プラグ44が装着されている。
従って、燃料ポンプ39を駆動してレギュレータ38により流量調整されたガソリンがガソリンタンク40からデリバリパイプ37を通してガソリンインジェクタ35に送られ、このガソリンインジェクタ35を所定期間開放することで、所定量のガソリンを吸気ポート17に噴射し、吸気弁19の開放時にガソリン噴霧を燃焼室16に供給することができる。一方、レギュレータ42により流量調整された水素ガスが水素タンク43からデリバリパイプ41を通して水素インジェクタ36に送られ、この水素インジェクタ36を所定期間開放することで、所定量の水素ガスを吸気ポート17に噴射し、吸気弁19の開放時に水素ガスを燃焼室16に供給することができる。即ち、各レギュレータ38,42によりデリバリパイプ37,41におけるガソリン圧及び水素ガス圧を所定値に維持し、所定の噴射圧を確保できるようにしている。
なお、同時期に、ガソリンインジェクタ35がガソリンを噴射すると共に、水素インジェクタ36が水素ガスを噴射すると、空気とガソリンと水素ガスとが最適な混合状態となって燃焼室16に流入することとなる。そして、燃焼室16に流入した混合気は最適な混合であるため、水素ガスが燃焼室16の全域にわたって均一に分布することとなり、適正に点火することができると共に、燃焼が促進され、また、未燃ガスの排出量を減少することができる。
ところで、車両には電子制御ユニット(ECU)45が搭載されており、このECU45は、各インジェクタ35,36や点火プラグ44などを制御可能となっている。即ち、吸気管27の上流側にはエアフローセンサ46が装着されており、計測した吸入空気量をECU45に出力している。また、電子スロットル装置30は、スロットルポジションセンサ(図示略)を内蔵しており、現在のスロットル開度をECU45に出力している。更に、クランク角センサ47は、検出した各気筒のクランク角度をECU45に出力し、このECU45は検出したクランク角度に基いて各気筒における吸気、圧縮、膨張(爆発)、排気の各行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。従って、ECU45は、検出した吸入空気量、スロットル開度(または、アクセル開度)、エンジン回転数などのエンジン運転状態に基づいて、燃料噴射量、噴射時期、点火時期(進角量及び遅角量)などを決定しており、点火時期を変更する本発明の点火時期変更手段は、ECU45によって構成されている。
また、ECU45は、エンジン運転状態に基づいて吸気可変動弁機構25を制御可能となっている。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁20の閉止時期と吸気弁19の開放時期とのオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート17または燃焼室16に吹き返される量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁19の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート17に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁19の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
そして、本実施例では、燃料としてガソリンと水素ガスを使用しており、水素ガスはガソリンに比べて燃焼速度が速いため、燃焼室16へ供給する燃料において、ガソリンに対する水素ガスの添加割合に応じて点火時期を制御している。即ち、ECU45は、エンジン運転状態に基づいて、ガソリン噴射量及び水素ガス噴射量を設定し、水素ガスの点火割合(発熱量ベース)が増加するのに伴って燃焼が速くなるので、点火時期を遅角させるように制御している。
この場合、ガソリン及び水素ガスを噴射する運転状態からガソリンのみを噴射する運転状態に変更されたとき、点火時期が進角側に変更されるが、吸気管27や燃焼室16などに水素ガスが残留していることがあり、この場合、過進角状態となってノッキングが発生しやすい。一方、ガソリンのみを噴射する運転状態からガソリン及び水素ガスを噴射する運転状態に変更されたとき、点火時期が遅角側に変更されるが、燃焼室16への水素ガスの輸送遅れが発生すると、過遅角状態となって最適な点火時期からずれて熱効率が大幅に低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施例では、水素インジェクタ36による水素ガスの噴射が停止されるとき、点火プラグ44による点火時期をガソリンに合わせて変更(進角)すると共に、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで実圧縮比を予め設定された所定期間だけ低下させるようにしている。そのため、実圧縮比を低下させた後に点火時期を進角した後にガソリンに合わせて変更することで、吸気ポート17などに残留した水素ガスが燃焼室16に流入しても、ノッキングの発生が抑制される。また、水素インジェクタ36による水素ガスの噴射が開始されるとき、この水素ガスの噴射開始から予め設定された所定期間が経過した後に、点火プラグ44による点火時期を水素ガスの添加量に合わせて変更(遅角)すると共に、この所定期間の間だけ吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで実圧縮比を低下させるようにしている。そのため、点火時期を遅角した後に実圧縮比を低下させることで、燃焼室16への水素ガスの輸送遅れが発生しても、ノッキングの発生が抑制される。この場合、実圧縮比を変更する本発明の圧縮比変更手段は、吸気可変動弁機構25により構成されている。
以下、ガソリン及び水素ガスを噴射する運転状態からガソリンのみを噴射する運転状態に変更されたときの制御について、図2のフローチャートを用いて詳細に説明する。図2に示すように、ステップS11にて、ECU45は、エンジン運転状態に基づいて水素ガス添加停止領域にあるかどうかを判定する。この場合、例えば、エンジン運転状態に応じた水素ガス添加停止領域を表すマップを設定し、このマップを用いて判定すればよく、エンジン低回転高負荷域、エンジン冷却水温が高いとき、外気温度が高いてきに、ノッキングの発生を抑制するため、ガソリンに水素ガスを添加するようにしており、それ以外の領域が水素ガス添加停止領域である。
そして、このステップS11で、現在のエンジン運転状態が水素ガス添加停止領域にあると判定されたら、ステップS12にて、水素添加停止フラグF1=1と設定し、ステップS11で、現在のエンジン運転状態が水素ガス添加停止領域にないと判定されたら、ステップS13にて、水素添加停止フラグF1=0と設定する。ステップS14では、水素添加停止フラグF1が0から1に切換えられたかどうかを判定する。ここで、水素添加停止フラグF1が0から1に切換えられていなければ、何もしないでこのルーチンを抜ける。
一方、ステップS14で、水素添加停止フラグF1が0から1に切換えられたと判定されたら、まず、ステップS15にて、吸気可変動弁機構(VVT)25により吸気弁19の閉じ時期を所定時期まで遅角し、実圧縮比を低下させる。次に、ステップS16にて、点火プラグ44による点火時期を炭化水素燃料(ガソリン)に合わせて設定(進角側に補正)する。そして、ステップS17にて、水素ガス添加停止制御を実行、つまり、水素インジェクタ36による水素ガス噴射を停止する。従って、水素ガスの添加停止指令があると、点火時期を進角することで、熱効率の悪化が防止されると共に、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅角して実圧縮比を低下させることで、吸気ポート17などに残留した水素ガスが燃焼室16に流入しても、ノッキングの発生が抑制される。
ステップS18では、水素ガス添加停止制御が所定期間経過したかどうか、つまり、水素インジェクタ36による水素ガス噴射の停止から所定期間(所定サイクル数、または、所定時間)が経過したかどうかを判定する。ここで、水素インジェクタ36による水素ガス噴射の停止から所定期間が経過したら、ステップS19にて、吸気可変動弁機構25による吸気弁19の閉じ時期の遅角を解除し、この吸気弁19の閉じ時期を元に戻して実圧縮比をエンジン運転状態に応じたものとする。
ここで、上述した水素ガスの噴射停止制御について、図4及び図5のタイムチャートを用いて説明する。ガソリン及び水素ガスを噴射する場合、図4に示すように、ほぼ同時期にガソリンと水素ガスを吸気ポート17に噴射し、吸気弁19が移動して吸気ポート17を所定期間開放することで、吸気ポート17で混合された空気とガソリンと水素ガスの混合気が燃焼室16に吸入される。そして、ピストン14が上昇して混合気が圧縮され、圧縮上死点(TDC)手前で圧縮混合気に点火されることで燃焼する。一方、水素ガスの噴射が停止され、ガソリンのみの噴射に変更された場合、図5に示すように、ガソリンを吸気ポート17に噴射し、吸気弁19が移動して吸気ポート17を所定期間開放することで、吸気ポート17で気化された空気とガソリンの混合気が燃焼室16に吸入される。そして、ピストン14が上昇して混合気が圧縮されるが、吸気可変動弁機構25による吸気弁19の閉じ時期が遅角されるために実圧縮比が低下し、また、圧縮上死点(TDC)手前で圧縮混合気に点火されるが、この点火時期が進角されるため、熱効率の悪化が防止されると共に、ノッキングの発生が抑制される。
また、ガソリンのみを噴射する運転状態からガソリン及び水素ガスを噴射する運転状態に変更されたときの制御について、図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。図3に示すように、ステップS21にて、ECU45は、エンジン運転状態に基づいて水素ガス添加領域にあるかどうかを判定する。この場合、例えば、エンジン運転状態に応じた水素ガス添加領域を表すマップを設定し、このマップを用いて判定すればよい。
そして、このステップS21で、現在のエンジン運転状態が水素ガス添加領域にあると判定されたら、ステップS22にて、水素添加フラグF2=1と設定し、ステップS21で、現在のエンジン運転状態が水素ガス添加領域にないと判定されたら、ステップS23にて、水素添加フラグF2=0と設定する。ステップS24では、水素添加フラグF2が0から1に切換えられたかどうかを判定する。ここで、水素添加フラグF2が0から1に切換えられていないと判定されれば、何もしないでこのルーチンを抜ける。
一方、ステップS24で、水素添加停止フラグF2が0から1に切換えられたと判定されたら、まず、ステップS25にて、吸気可変動弁機構(VVT)25により吸気弁19の閉じ時期を所定時期まで遅角し、実圧縮比を低下させる。次に、ステップS26にて、水素ガス添加制御を実行、つまり、水素インジェクタ36による水素ガス噴射を開始する。ステップS27では、水素インジェクタ36による水素ガス噴射の開始から所定期間(所定サイクル数、または、所定時間)が経過したかどうかを判定する。ここで、水素インジェクタ36による水素ガス噴射の開始から所定期間が経過したら、ステップS28にて、点火プラグ44による点火時期を水素ガスの添加量に合わせて設定(遅角側に補正)する。従って、水素ガスの添加開始指令があると、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅角して実圧縮比を低下させることで、燃焼室16への水素ガスの輸送遅れが発生しても、ノッキングの発生が抑制されると共に、点火時期を遅角することで熱効率の悪化が防止される。
その後、ステップS29にて、吸気可変動弁機構25による吸気弁19の閉じ時期の遅角を解除し、この吸気弁19の閉じ時期を元に戻して実圧縮比をエンジン運転状態に応じたものとする。
このように実施例1の内燃機関の制御装置にあっては、吸気ポート17にガソリン(炭化水素燃料)を噴射するガソリンインジェクタ35を設けると共に、吸気ポート17に水素ガスを噴射する水素インジェクタ36を設け、エンジン11の動弁機構を運転状態に応じて吸気弁19を最適な開閉タイミングに制御可能な吸気可変動弁機構(VVT)25とし、水素インジェクタ36による水素噴射が停止されるとき、ECU45が点火時期をガソリンに合わせて変更(進角)すると共に、VVT25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせて実圧縮比を予め設定された所定期間だけ低下させるようにする。
従って、燃焼室16への水素ガスの供給停止指令があったときには、ガソリンに合わせて点火時期を進角することで、熱効率の悪下を防止することができ、また、このとき、VVT25により実圧縮比を低下させて所定期間だけ低実圧縮比状態で運転することで、残留水素によるノッキングの発生を抑制することができる。
また、水素インジェクタ36による水素噴射が開始されるとき、ECU45が水素の噴射開始から所定期間が経過した後に点火時期を水素ガスの添加量に合わせて変更(遅角)すると共に、この所定期間の間だけVVT25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせて実圧縮比を低下させるようにする。従って、燃焼室16への水素ガスの供給開始指令があったときには、所定期間が経過した後に水素ガスの添加量に合わせて点火時期を遅角することで、熱効率の悪下を防止することができ、また、所定期間の間だけ、実圧縮比を低下させて所定期間だけ低実圧縮比状態で運転することで、水素の輸送遅れによるノッキングの発生を抑制することができる。
図6は、本発明の実施例2に係る内燃機関の制御装置をハイブリッド車両に適用した概略構成図、図7は、実施例2の内燃機関の制御装置における水素添加停止時の制御を表すフローチャート、図8は、実施例2の内燃機関の制御装置における水素添加開始時の制御を表すフローチャートである。なお、本実施例の内燃機関の制御装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の内燃機関の制御装置を適用したハイブリッド車両において、図6に示すように、車両には、動力源として、上述した実施例1と同様のエンジン11と電気モータ(モータジェネレータ)51が搭載されており、また、エンジン11の出力を受けて発電を行う発電機(モータジェネレータ)52も搭載されている。これらのエンジン11と電気モータ51と発電機52は、動力分割機構53によって接続されている。この動力分割機構53は、エンジン11の出力を発電機52と駆動輪54とに振り分けると共に、電気モータ51からの出力を駆動輪54に伝達したり、減速機55及び駆動軸56を介して駆動輪54に伝達される駆動力に関する変速機として機能する。
電気モータ51は交流同期電動機であり、交流電力によって駆動する。インバータ57は、バッテリ58に蓄えられた電力を直流から交流に変換して電気モータ51に供給すると共に、発電機52によって発電される電力を交流から直流に変換してバッテリ58に蓄えるためのものである。発電機52も、基本的には上述した電気モータ51とほぼ同様の構成を有しており、交流同期電動機としての構成を有している。この場合、電気モータ51が主として駆動力を出力するのに対し、発電機52は主としてエンジン11の出力を受けて発電するものである。
また、電気モータ51は主として駆動力を発生させるが、駆動輪54の回転を利用して発電(回生発電)することもでき、発電機として機能することも可能である。このとき、駆動輪54には回生ブレーキが作用するので、これをフットブレーキやエンジンブレーキと併用することにより、車両を制動させることができる。一方、発電機52は主としてエンジン11の出力を受けて発電をするが、インバータ57を介してバッテリ58の電力を受けて駆動する電動機としても機能することができる。
エンジン11のクランクシャフト59には、上述したクランク角センサ47が設けられており、このクランク角センサ47はエンジンECU45に接続され、検出結果を出力している。また、電気モータ51及び発電機52の各駆動軸60,61には、それぞれの回転位置及び回転数を検出する回転数センサ62,63が設けられている。各回転数センサ62,63はそれぞれモータECU64に接続され、検出結果を出力している。
上述した動力分割機構53は、プラネタリギヤユニットにより構成されている。即ち、この動力分割機構53は、図示しないが、サンギヤと、このサンギヤの周囲に配置されたプラネタリギヤと、このプラネタリギヤのさらに外周に配置されたリングギヤと、プラネタリギヤを保持するギヤキャリアとから構成されている。そして、エンジン11のクランクシャフト59が中心軸を介してギヤキャリアに結合されており、エンジン11の出力は動力分割機構53、つまり、プラネタリギヤユニットのギヤキャリアに入力される。また、電気モータ51は内部にステータとロータを有しており、このロータがリングギヤに結合され、ロータ及びリングギヤは減速機55に結合されている。この減速機55は、電気モータ51から動力分割機構53のリングギヤに入力された出力を駆動軸56に伝達するものであり、電気モータ51は駆動軸56と常時接続された状態となっている。
また、発電機52は電気モータ51と同様に、内部にステータとロータを有しており、このロータがサンギヤに結合されている。つまり、エンジン11の出力は、動力分割機構53、つまり、プラネタリギヤユニットで分割され、サンギヤを介して発電機52のロータに入力される。また、エンジン11の出力は、動力分割機構53で分割され、リングギヤなどを介して駆動軸56にも伝達可能となっている。
そして、発電機52の発電量を制御してサンギヤの回転を制御することにより、動力分割機構53全体を無断変速機として用いることができる。即ち、エンジン11または電気モータ51の出力は、動力分割機構53によって変速された後に駆動軸56に出力される。また、発電機52の発電量(モータとして機能する場合は電力消費量)を制御してエンジン11の回転数を制御することもできる。なお、電気モータ51、発電機52の回転数を制御する場合は、回転センサ62,63の出力を参照してモータECU64がインバータ57を制御することにより行われることとなり、これによりエンジン11の回転数も制御可能である。
上述した各種制御は、複数の電子制御ユニット(ECU)によって制御される。ハイブリッド車両として特徴的なエンジン11による駆動と電気モータ51及び発電機52による駆動とは、メインECU65によって総合的に制御される。即ち、メインECU65によりエンジン11の出力と電気モータ51及び発電機52による出力の配分が決定され、エンジン11、電気モータ51及び発電機52を制御すべく、各制御指令がエンジンECU45及びモータECU64に出力される。
また、エンジンECU45及びモータECU64は、エンジン11、電気モータ51及び発電機52の情報をメインECU65にも出力している。このメインECU65には、バッテリ58を制御するバッテリECU66やブレーキを制御するブレーキECU67にも接続されている。このバッテリECU66はバッテリ58の充電状態を監視し、充電量が不足した場合には、メインECU65に対して充電要求指令を出力する。充電要求を受けたメインECU65はバッテリ58に充電をするように発電機52を発電させる制御を行う。ブレーキECU67は車両の制動を司っており、メインECU65と共に電気モータ51による回生ブレーキを制御する。
本実施例のハイブリッド車両は、上述したように構成されているので、ハイブリッド車両を運行している間に車両全体で要求される必要出力をエンジン11と電気モータ51(発電機52)とに配分することにより、エンジン11の運転状態を所望の運転状態に制御しつつ、車両全体で要求される出力をも満たすことが可能となっている。
このように構成されたハイブリッド車両にて、本実施例では、エンジン11がガソリンと水素ガスを使用しているため、エンジンECU45は、エンジン運転状態に基づいて、ガソリン噴射量及び水素ガス噴射量を設定し、水素ガス噴射量が増加するのに伴って点火時期を遅角させるように制御している。
この場合、図1に示すように、水素インジェクタ36による水素ガスの噴射が停止されるとき、点火プラグ44による点火時期をガソリンに合わせて進角すると共に、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで実圧縮比を予め設定された所定期間だけ低下させるようにしている。即ち、点火時期を進角すると共に実圧縮比を低下させることで、吸気ポート17などに残留した水素ガスが燃焼室16に流入しても、ノッキングの発生が抑制される。また、水素インジェクタ36による水素ガスの噴射が開始されるとき、この水素ガスの噴射開始から予め設定された所定期間が経過した後に、点火プラグ44による点火時期を水素ガスの添加量に合わせて遅角すると共に、この所定期間の間だけ吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで実圧縮比を低下させるようにしている。即ち、点火時期を遅角した後に実圧縮比を低下させることで、燃焼室16への水素ガスの輸送遅れが発生しても、ノッキングの発生が抑制される。
ところが、水素インジェクタ36による水素ガスの噴射が停止または開始されるとき、点火プラグ44による点火時期をガソリンまたは水素ガスの添加量に合わせて変更すると共に、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせると、燃焼室16内に一度吸入された空気(混合気)がピストン14の上昇により吸気ポート17に戻されてしまい、燃焼に使用される空気(燃料)量が減少し、エンジン駆動トルクが低下してしまう。また、ハイブリッド車両では、高負荷運転時にこの点が大きな課題となる。
そこで、本実施例では、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで、実圧縮比が低下した所定期間だけ、エンジン11による駆動トルクの低下分を電気モータ51によりアシストするようにしている。一般に、運転者のアクセル開度に基づいてハイブリッド車両全体での要求出力が設定され、この要求出力をエンジン11と電気モータ51とで分配するが、エンジン11にて、水素インジェクタ36による水素ガスの噴射が停止または開始される指令が出力されたときは、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで減少したエンジン駆動トルクを考慮して、要求出力に対するエンジン出力とモータ出力を設定する。
以下、本実施例のハイブリッド車両において、ガソリン及び水素ガスを噴射する運転状態からガソリンのみを噴射する運転状態に変更されたときの制御について、図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。図7に示すように、ステップS51にて、エンジンECU45は、エンジン運転状態に基づいて水素ガス添加停止領域にあるかどうかを判定する。このステップS51で、現在のエンジン運転状態が水素ガス添加停止領域にあると判定されたら、ステップS52にて、水素添加停止フラグF1=1と設定し、ステップS51で、現在のエンジン運転状態が水素ガス添加停止領域にないと判定されたら、ステップS53にて、水素添加停止フラグF1=0と設定する。
ステップS54では、水素添加停止フラグF1が0から1に切換えられたかどうかを判定する。ここで、水素添加停止フラグF1が0から1に切換えられていなければ、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、ステップS54で、水素添加停止フラグF1が0から1に切換えられていると判定されたら、まず、ステップS55にて、吸気可変動弁機構(VVT)25により吸気弁19の閉じ時期を所定時期まで遅角し、実圧縮比を低下させる。次に、ステップS56にて、点火プラグ44による点火時期をガソリンに合わせて進角側に補正する。そして、ステップS57では、水素ガス添加停止制御を実行、つまり、水素インジェクタ36による水素ガス噴射を停止する。続いて、ステップS58にて、ハイブリッド車両の電気モータ51によるトルクアシスト制御を実行する。即ち、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで減少したエンジン駆動トルクを算出し、基準モータ出力にこのエンジン駆動トルクの低下分を加算してモータ出力を設定する。
従って、水素ガスの添加停止指令があると、点火時期を進角することで、熱効率の悪化が防止されると共に、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅角して実圧縮比を低下させることで、吸気ポート17などに残留した水素ガスが燃焼室16に流入しても、ノッキングの発生が抑制される。また、吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで減少したエンジン駆動トルクを電気モータ51がアシストするため、特に、ハイブリッド車両が高負荷走行状態にあるとき、走行性能の低下が防止される。
ステップS59では、水素ガス添加停止制御が所定期間経過したかどうか、つまり、水素インジェクタ36による水素ガス噴射の停止から所定期間(所定サイクル数、または、所定時間)が経過したかどうかを判定する。ここで、水素インジェクタ36による水素ガス噴射の停止から所定期間が経過したら、ステップS60にて、吸気可変動弁機構25による吸気弁19の閉じ時期の遅角を解除し、この吸気弁19の閉じ時期を元に戻して実圧縮比をエンジン運転状態に応じたものとする。
また、ガソリンのみを噴射する運転状態からガソリン及び水素ガスを噴射する運転状態に変更されたときの制御について、図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。図8に示すように、ステップS71にて、エンジンECU45は、エンジン運転状態に基づいて水素ガス添加領域にあるかどうかを判定する。そして、このステップS71で、現在のエンジン運転状態が水素ガス添加領域にあると判定されたら、ステップS72にて、水素添加フラグF2=1と設定し、ステップS71で、現在のエンジン運転状態が水素ガス添加領域にないと判定されたら、ステップS73にて、水素添加フラグF2=0と設定する。
ステップS74では、水素添加フラグF2が0から1に切換えられたかどうかを判定する。ここで、水素添加フラグF2が0から1に切換えられていないと判定されれば、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、ステップS74で、水素添加停止フラグF2が0から1に切換えられたと判定されたら、ステップS75にて、吸気可変動弁機構(VVT)25により吸気弁19の閉じ時期を所定時期まで遅角し、実圧縮比を低下させる。そして、ステップS76にて、水素ガス添加制御を実行、つまり、水素インジェクタ36による水素ガス噴射を開始する。続いて、ステップS77では、ハイブリッド車両の電気モータ51によるトルクアシスト制御を実行する。即ち、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで減少したエンジン駆動トルクを算出し、基準モータ出力にこのエンジン駆動トルクの低下分を加算してモータ出力を設定する。
ステップS78では、水素インジェクタ36による水素ガス噴射の開始から所定期間(所定サイクル数、または、所定時間)が経過したかどうかを判定する。ここで、水素インジェクタ36による水素ガス噴射の開始から所定期間が経過したら、ステップS79にて、点火プラグ44による点火時期を水素ガスの添加量に合わせて遅角側に補正する。従って、水素ガスの添加開始指令があると、吸気可変動弁機構25により吸気弁19の閉じ時期を遅角して実圧縮比を低下させることで、燃焼室16への水素ガスの輸送遅れが発生しても、ノッキングの発生が抑制されると共に、水素ガスの噴射開始から所定期間が経過した後に点火時期を遅角することで、熱効率の悪化が防止される。また、吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで減少したエンジン駆動トルクを電気モータ51がアシストするため、特に、ハイブリッド車両が高負荷走行状態にあるとき、走行性能の低下が防止される。
その後、ステップS80にて、吸気可変動弁機構25による吸気弁19の閉じ時期の遅角を解除し、この吸気弁19の閉じ時期を元に戻して実圧縮比をエンジン運転状態に応じたものとする。
このように実施例2の内燃機関の制御装置にあっては、エンジン11と電気モータ51と発電機52を搭載したハイブリッド車両のエンジン11にて、吸気ポート17にガソリンを噴射するガソリンインジェクタ35と、吸気ポート17に水素ガスを噴射する水素インジェクタ36とを設け、水素インジェクタ36による水素噴射が停止、または開始されるとき、エンジンECU45は、点火時期をガソリンまたは水素ガス添加量に合わせて所定期間が経過した後に変更(進角または遅角)すると共に、VVT25により吸気弁19の閉じ時期を遅らせて実圧縮比を予め設定された所定期間だけ低下させ、且つ、吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで低下したエンジン駆動トルクの低下分を電気モータ51によりアシストするようにしている。
従って、燃焼室16への水素ガスの供給停止指令または開始指令があったときには、ガソリンまたは水素ガス添加量に合わせて点火時期を変更することで、熱効率の悪下を防止することができ、また、このとき、VVT25により実圧縮比を低下させて所定期間だけ低実圧縮比状態で運転することで、ノッキングの発生を抑制することができ、更に、吸気弁19の閉じ時期を遅らせることで減少したエンジン駆動トルクを電気モータ51がアシストするため、ハイブリッド車両の走行性能の低下を防止してドライバビリティを向上することができる。
なお、上述した各実施例では、炭化水素燃料としてガソリンを適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施例にて、圧縮比変更手段を吸気可変動弁機構25としたが、燃焼室16の体積を変更できるような機構としても良い。更に、各実施例では、ガソリンインジェクタ35及び水素インジェクタ36が吸気ポート17へガソリン及び水素ガスを噴射するものとしたが、燃焼室16に直接噴射するものとしても良い。
以上のように、本発明に係る内燃機関の制御装置及びハイブリッド車両は、水素ガスの輸送遅れの起因するノッキングを防止するものであり、いずれの内燃機関及びハイブリッド車両にも有用である。
本発明の実施例1に係る内燃機関の制御装置を表す概略構成図である。 実施例1の内燃機関の制御装置における水素添加停止時の制御を表すフローチャートである。 実施例1の内燃機関の制御装置における水素添加開始時の制御を表すフローチャートである。 実施例1の内燃機関の制御装置による燃料噴射制御を表すタイムチャートである。 実施例1の内燃機関の制御装置による水素添加停止時における燃料噴射制御を表すタイムチャートである。 本発明の実施例2に係る内燃機関の制御装置をハイブリッド車両に適用した概略構成図である。 実施例2の内燃機関の制御装置における水素添加停止時の制御を表すフローチャートである。 実施例2の内燃機関の制御装置における水素添加開始時の制御を表すフローチャートである。
符号の説明
11 エンジン(内燃機関)
16 燃焼室
17 吸気ポート
18 排気ポート
19 吸気弁
20 排気弁
25 吸気可変動弁機構(圧縮比変更手段)
27 吸気管
35 ガソリンインジェクタ(炭化水素供給手段)
36 水素インジェクタ(水素ガス供給手段)
44 点火プラグ
45 ECU エンジンECU(点火時期変更手段)
51 電気モータ
52 発電機
53 動力分割機構
64 モータECU
65 メインECU

Claims (3)

  1. 燃焼室に炭化水素燃料を供給する炭化水素燃料供給手段と、前記燃焼室に水素ガスを供給する水素ガス供給手段と、点火時期を変更する点火時期変更手段と、実圧縮比を変更する圧縮比変更手段とを具え、前記水素ガス供給手段による前記燃焼室への水素ガスの供給が停止されるときに、前記点火時期変更手段により点火時期を炭化水素燃料に合わせて変更すると共に、前記圧縮比変更手段により実圧縮比を予め設定された所定期間だけ低下させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 燃焼室に炭化水素燃料を供給する炭化水素燃料供給手段と、前記燃焼室に水素ガスを供給する水素ガス供給手段と、点火時期を変更する点火時期変更手段と、実圧縮比を変更する圧縮比変更手段とを具え、前記水素ガス供給手段による前記燃焼室への水素ガスの供給が開始されるときに、この水素ガスの供給から予め設定された所定期間が経過した後に前記点火時期変更手段により点火時期を水素ガスに合わせて変更すると共に、前記所定期間の間前記圧縮比変更手段により実圧縮比を低下させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置が適用された該内燃機関と電気モータのトルクを車輪に伝達することで走行可能とするハイブリッド車両において、前記圧縮比変更手段により実圧縮比が予め設定された所定期間だけ低下したとき、前記内燃機関による駆動トルクの低下分を前記電気モータによりアシストすることを特徴とするハイブリッド車両。
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