JP2007276169A - 熱成形装置のバルブ動作確認装置、熱成形装置およびそのバルブ動作確認方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアを流通させる開閉用通気経路B1と、該開閉用通気経路を開閉可能な電磁弁(バルブ)85と、大気圧とは異なるエアの差圧を前記開閉用通気経路に加える差圧供給機構25を有して前記電磁弁85を開いて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加えてシート(被成形材)S1を熱成形する成形機構20と、を備える熱成形装置100に、前記差圧供給機構25にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加え、前記電磁弁85を開いたときに前記開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出し、検出した結果に基づいて前記電磁弁85が開閉するか否かの少なくとも一方を通知するバルブ動作判定手段90を設けた。
【選択図】図23
Description
加熱板を用いた従来の熱成形装置では、加熱板に複数の通気孔が形成され、これらの通気孔にエアを流通させながら樹脂シートを差圧成形している。
また、本発明の熱成形装置は、上記開閉用通気経路と、上記バルブと、上記成形機構と、上記バルブ動作判定手段とを備えることを特徴とする。
さらに、本発明は、熱成形装置のバルブ動作確認方法であって、前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加え、前記バルブを開く制御を行ったときに前記開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出し、検出した結果に基づいて前記バルブが開閉するか否かの少なくとも一方を通知することを特徴とする。
上記バルブには、通電されると開となる一方で通電されていないときにはばねの力により閉となる電磁弁、通電されると閉となる一方で通電されていないときにはばねの力により開となる電磁弁、シリンダバルブ、等を用いることができる。
上記差圧供給機構が加えるエアの差圧は、大気圧よりも大きい圧空でも、真空圧のように大気圧よりも小さい空気圧でもよい。上記差圧供給機構は、圧空を供給する機構、真空圧を供給する機構、圧空と真空圧とを切り替えながら供給する機構、複数段階の空気圧を切り替えながら供給する機構、等が考えられる。
上記バルブが開閉するか否かの通知は、画面表示、印字出力、音声出力、等が考えられる。
上記開閉用通気経路にエアが流れるか否かの検出は、前記差圧供給機構と前記バルブとの間の前記開閉用通気経路内における空気圧の状態を検出する圧力検出手段による空気圧の状態の検出、開閉用通気経路内におけるエアの流量の状態を検出する流量検出手段によるエア流量の状態の検出、等が考えられる。空気圧の状態の検出には、開閉用通気経路内における空気圧と設定空気圧との大小の検出、空気圧自体の検出、等が考えられる。エア流量の状態の検出には、開閉用通気経路内におけるエア流量と設定流量との大小の検出、エア流量自体の検出、等が考えられる。
請求項2に係る発明では、同じ差圧供給機構からエアの差圧を加えられる各開閉用通気経路を対応する各バルブで開閉する熱成形装置において、熱成形用のバルブの開閉動作を容易に確認することができ、バルブが開閉しない状態で被成形材の熱成形を開始するような不都合を回避することができて、確実にバルブを開いて被成形材を熱成形することが可能になる。
請求項6に係る発明では、開閉用通気経路を開閉可能なバルブについて、バルブの固着をある程度解消することができ、バルブの交換をある程度不要にさせることが可能になる。
(1)熱成形装置およびそのバルブ動作確認装置、方法の説明:
(2)熱成形装置およびそのバルブ動作確認装置、方法の動作および作用:
(3)変形例:
図1は熱成形装置100の外観図、図2は熱成形装置の正面図、図3は成形用の型40が所定の離間位置L13にあるときの熱成形装置の右側面図、図4は型40が所定の近接位置L14にあるときの熱成形装置の右側面図、図5は成形機構20の要部を示す平面図、図6は固定部材51の下から成形機構20の要部を示す平面図、図7は型の下から型等を示す底面図、図8は型を組み立てる様子を示す分解斜視図、図9は型の下から熱成形装置の要部を示す平面図、図10は熱板60を支持する構造とエア結線を示す斜視図、図11は図10のA1の位置を断面視した垂直断面図、図12は熱板の上面図、図13と図14は台座65を示す図、図15は間座70,72,74の上面図、図16は間座とヒータ79を固定した台座の底面図、図17は下テーブル75をエア結線とともに示す上面図、図18は熱成形装置に設けられたコンピュータシステム95のブロック図、図19は熱板の表面に対応させた画面SC1を示す図、図20と図21はシステム95の処理を示す図、図22は成形機構の動作を示す図、図23は本熱成形装置の動作を示す図、図24はバルブ動作判定結果の表示例を示す図である。
なお、図2において、左から右へ向かう方向が所定の搬送方向D1であり、左側がシートS1の上流側、右側がシートS1の下流側である。図7、図9では、搬送されるシートS1の位置を破線で示している。図12では、通気孔61の区分SE1,2と非区分SE3とを二点鎖線で示している。図14では、内部通気経路67,69を破線で示している。図15では、台座65と下テーブル75の位置を二点鎖線で示している。図17では、間座70,72,74の位置を二点鎖線で示すとともに、テーブル内部通気経路77を破線で示している。
開閉用通気経路B1は、通気孔61に接続され、エアを流通させる。本実施形態では、前記開閉用通気経路と個別バルブ85との組み合わせが区分SE1,SE2と同数設けられ、該各開閉用通気経路は各区分SE1,SE2の通気孔61にそれぞれ接続されている。
電磁弁とされたバルブ85は、各開閉用通気経路B1を開閉可能とされている。本バルブ85は該各開閉用通気経路と同数設けられ、各バルブ85は該各開閉用通気経路をそれぞれ開閉することが可能とされている。本バルブ85は、通電されると開となる一方で通電されていないときにはばねの力により閉となる非通電時閉のばね付き電磁弁とされている。
成形機構20は、大気圧とは異なるエアの差圧を開閉用通気経路B1に加える差圧供給機構25を有し、バルブ85を開いて該開閉用通気経路にエアの差圧を加えてシート(被成形材)S1を熱成形する。本差圧供給機構は、前記開閉用通気経路に真空圧または圧空を加える機構とされ、複数とされた前記開閉用通気経路に同じエアの差圧を加える。
バルブ動作判定手段90は、差圧供給機構25にて開閉用通気経路B1にエアの差圧を加え、バルブ85を開く制御を行ったときに前記開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出し、検出した結果に基づいてバルブ85が開閉するか否かの少なくとも一方を通知する。本バルブ動作判定手段は、圧力スイッチ(圧力検出手段)91と非区分用バルブ92とを備えている。
本発明では、上述した理由等によりバルブが開閉動作しなくなっても、バルブが開閉するか否かの少なくとも一方が通知されるので、熱成形装置の利用者は、開閉用通気経路の開閉用のバルブが開閉動作をするか否かを容易に知ることができる。これにより、利用者は、バルブが開閉動作をしないときに開閉動作をするバルブに交換する等の対応をとることができる。従って、熱成形に用いられるバルブ85が確実に開いてシートS1が熱成形される。
成形機構20は、各バルブ85のうち前記入力された範囲R1の中にある通気孔61に接続された通気経路80を開閉するバルブ85のみ開いて前記範囲R1中の通気孔61にエアを流通させながら熱板60を用いてシートS1を熱成形する。本実施形態の成形機構20は、成形位置L1にあるシートS1の下面(一面)S1b側となる所定の熱板側成形位置L3に配置される熱板60と、成形位置L1にあるシートS1の上面(他面)S1a側となる所定の型側成形位置L2に配置されて熱板60に対向する所定の成形面41aが形成された型40とを用い、熱板60と型40とを近接させて成形位置L1のシートS1を加熱しながら成形面41aの形状に合わせて熱成形する。
台座65は、表面65aで熱板の裏面60bに接し、各区分SE1,SE2の通気孔61にそれぞれ繋がった各溝66(開閉用通気経路の一部)が表面65a側に形成され、該各溝66から内部を貫通してそれぞれ各通気経路80に接続された各内部通気経路67(開閉用通気経路の一部)が形成されている。下テーブル75は、台座65の裏面65bに対向して配置されている。間座70,72,74は、下テーブル75と台座65との間で互いに間を置きながら下テーブル75と台座65とを架け渡している。ヒータ79は、複数の間部材70,72,74の間で下テーブル75から離れて台座の裏面65bに接して該台座65を介して熱板60を加熱する。シート搬送機構10は、所定の成形位置L1を通る所定の搬送方向D1へシートS1を搬送する。非開閉用通気経路82は、熱板の表面60a上における所定のx位置Lx1,Lx1からx方向内側の範囲Rx1、かつ、所定のy位置Ly1,Ly1からy方向内側の範囲Ry1に存在する非区分SE3の通気孔61に接続されている。型引出機構98は、型40を型側成形位置L2からシートS1の搬送方向D1とは異なる所定の引出方向D2へ引き出し可能にさせる。熱板引出機構99は、熱板60を熱板側成形位置L3からシートS1の搬送方向D1とは異なる所定の熱板引出方向D3へ引き出し可能にさせる。
シートの搬送方向D1は、水平方向としているが、水平方向からずれた方向でも、鉛直方向でもよい。型や熱板の引出方向D2,D3は、搬送方向D1と平行でない水平方向かつ搬送方向D1と直交する方向としているが、直交する方向とは異なる方向とすることも可能である。
成形後、熱板60と型40とが離間すると、既に成形位置L1から搬送方向D1へ搬出された成形後のシートS2の両側縁部がクランプ位置L11のクランプ部材14aでクランプされ、クランプ搬送機構14が前記クランプ位置から所定の解放位置L12まで水平移動してシートS2をさらに搬送方向D1へ所定量搬送する。すると、既にクランプされていた成形後のシートS2が例えば成形品取出機構へ送られる。該成形品取出機構では、例えば、所定の長さでカットされて、必要に応じて順次下がっていく昇降テーブル上で積み重ねられ、成形品あるいは成形品スタックが取出機構により取出台上へ送り出される。
以上により、シートS1から成形品を形成することができる。
上テーブル(型用テーブル)45は、例えば金属製とされ、熱板60に対向する下面45aで型40を保持する。
図2、図3、等に示すように、熱板60は、型40に対向する上面60aが成形位置L1のシートS1の下面S1bに接触するように配置され、成形位置L1に搬入されたシートS1を加熱して軟化させる。熱板60は、例えば金属製とされ、矩形板形状に形成されている。熱板の各通気孔61は、通気経路80が閉じていないときに、差圧供給機構25から真空圧を作用させられたり(空気を吸引されたり)、真空圧の供給(減圧)から解放されたり、圧空を供給されたり、圧空の供給を解除されたりする。
なお、差圧成形を円滑に行うため、雌型41の成形面41aにも複数の通気孔41bが形成されている。
間座72は、台座の裏面65bにある凹部用貫通穴69に繋がって表面72aから裏面72bに貫通した第二の凹部用貫通穴73が形成されている。間座74は、熱板60を載置した台座65の支持を補助している。
各通気経路80(開閉用通気経路の一部)は、一端がエア流通口75c1,75d1に接続され、他端が共通経路81に接続されている。エア流通口や共通経路に接続する際には、継手を介して接続してもよいし、継手を介さずに接続してもよい。各通気経路80は、下テーブルのx方向の縁部75c,dにある各テーブル内部通気経路77に繋げられて熱板60からx方向外側に向かって設けられ、第一の間座の各第三の貫通穴71、台座の各内部通気経路67、台座の各溝66を介して、熱板の各区分SE1,SE2の全通気孔61に接続されている。すなわち、各開閉用通気経路B1は、複数の通気孔61から区分される各区分SE1,SE2の通気孔61にそれぞれ接続され、熱板の表面60a上における所定のx位置からx方向外側の範囲Rx2または所定のy位置からy方向外側の範囲Ry2に存在する通気孔61のいずれかに接続されている。
共通経路81は、一端が成形用バルブ26に接続されるとともに、上記通気経路80,82の他端側に接続されている。共通経路81の途中には、共通経路の分岐箇所81aとバルブ26との間で圧力スイッチ91が接続されている。なお、成形用バルブ26は、ばね付き電磁弁とされ、通気経路25aや真空圧空供給源25bとともに差圧供給機構25を構成し、開かれた状態で真空圧空供給源25bから真空圧が作用させられたり圧空を供給されたりし、閉じられると真空圧や圧空の供給が解除される。
圧力スイッチ(圧力検出手段)91は、差圧供給機構25と個別バルブ85との間の通気経路80内における空気圧と所定の設定空気圧Pt(単位:MPa)との大小(空気圧の状態)を検出し、対応する検出信号を生成する。差圧供給機構から圧空を供給する場合、大気圧をPat(単位:MPa)、圧空の圧力をPp(単位:MPa。Pp>Pat)とすると、設定圧Pt(Pat<Pt<Pp)から高い空気圧になると内蔵するばねの付勢力に逆らってスイッチをオンにし、同設定圧Ptから低い空気圧になるとスイッチをオフにする圧力スイッチを用いることができる。差圧供給機構からエアの負圧(真空圧)を供給する場合、負圧をPn(単位:MPa。Pn<Pat)とすると、設定圧Pt(Pn<Pt<Pat)から低い空気圧になると内蔵するばねの付勢力に逆らってスイッチをオンにし、同設定圧Ptから高い空気圧になるとスイッチをオフにする圧力スイッチを用いることができる。
コンピュータ96の内部では、バス96zに、CPU96a、半導体メモリ96b,c、I/O回路(入出力回路)96d、タイマ回路96k、等が接続されるとともに、ハードディスクドライブを介してハードディスク(磁気記録媒体)96e、I/F(インターフェイス)を介してディスプレイ96f、I/Fを介して音声出力器96g、I/Fを介してマウス(ポインティングデバイス)96h、I/Fを介してキーボード96i、I/Fを介してプリンタ96j、等も接続されている。CPU96aは、ROM96bやハードディスク96eに記録された制御プログラムに基づいてメモリ96c,eをワークエリアとして利用しながら各部を制御する。
システム95は、図20と図21に示す処理を行い、図19に示すように熱板の表面60aに対応させた画面SC1を表示し、該画面の中から成形に用いる範囲R1x,R1yの操作入力を受け付ける。ここで、S104〜S130の処理を行うシステム95がバルブ動作判定手段90の一部を構成し、S140〜S144の処理を行うシステム95が成形機構20の一部を構成し、S132の処理を行うシステム95が成形範囲入力手段を構成する。
なお、型の通気孔41bに真空圧を作用させる(空気を吸引する)減圧機構を該通気孔41bに接続し、タイミングt8〜t9で通気孔41bに真空圧を作用させてもよい。すると、シートに対して真空圧空成形を行うことができる。このとき、差圧供給機構25から通気孔61へ圧空を供給しないと、シートに対して真空成形を行うことができる。
以上で1サイクルが終了し、以下、タイミングt1〜t11を繰り返すことにより、シートから熱板を用いた差圧成形を連続して行うことができる。
図20に示す処理を行う前提として、全てのバルブ85,26は、通電されず、閉じた状態にされているものとする。また、真空圧空供給源25bから圧空が供給されているが、閉じたバルブ26により差圧供給機構25から開閉用通気経路へは圧空が供給されていないものとする。
システム95の電源をオンにする等して図20に示す処理を開始すると、まず、セレクトスイッチ97aの状態に応じて処理を分岐させる(ステップS102。以下、「ステップ」の記載を省略)。セレクトスイッチが「型替モード」に切り替えられている場合、本実施形態では全個別バルブ85を開閉させる(S104〜S106)。むろん、S104〜S106の処理を省略しても、本発明の基本的な効果が得られる。ここで、バルブを開閉させることには、バルブを一旦開いて閉じること、バルブを一旦閉じて開くこと、等が考えられる。本実施形態では、S104で全バルブ85に通電して全バルブ85を一旦開き、所定のT1秒後、S106で全バルブ85への通電を停止して全バルブ85を閉じる。時間T1は、確実にバルブの開閉を切り替えることができる時間以上であればよく、例えば、0.2〜10秒、0.5〜5秒程度とすることができる。むろん、バルブ92,26も同時に開閉させてもよい。
以上により、セレクトスイッチがシートを熱成形しない設定に切り替えられると全バルブ85が開閉するので、バルブ85の固着を防ぐことができる。
その後、複数の個別バルブ85の中からエアの流れを検出する判定対象のバルブを順次設定する(S110)。例えば、N個(Nは2以上の整数)の個別バルブがあるとき、各バルブを1〜Nの整数に対応させるとともに、1〜Nの整数を表す変数をRAMに用意して、この変数を1からNまで順番に1つずつ変更する処理により、判定対象のバルブを設定する。次に、全個別バルブ85を閉じた状態で、成形用バルブ26に通電することにより該バルブを開く制御を行う(S112)。すると、図23に示すように、タイミングt21から差圧供給機構のバルブ26と個別バルブ85との間の通気経路80,81内の空気圧が大気圧から上昇し、圧力スイッチ91の設定圧Ptより高くなって、該スイッチがオンとなる(タイミングt22)。さらに、成形用バルブ26を開いてからT2秒後、S114で成形用バルブ26への通電を停止することにより該バルブを閉じる制御を行う(タイミングt23)。このとき、バルブ26,85間の通気経路80,81(通気経路B2)内の空気圧は、既にほぼ圧空の圧力Ppとなっており、該圧力が維持される。なお、時間T2は、通気経路B2内の空気圧を確実に設定圧Ptより高くすることができる時間以上であればよく、例えば、0.2〜5秒、0.5〜2秒程度とすることができる。
以上により、全個別バルブを閉じた状態で差圧供給機構にて通気経路B2にエアの差圧を加え、判定対象の個別バルブを開く制御を行って所定時間T3経過後に圧力スイッチにて通気経路80,81内の空気圧と設定圧Ptとの大小(空気圧の状態)を検出する。すなわち、開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出していることになる。
そして、検出した空気圧の状態が設定圧Ptより低いか否かを判断する(S120)。この判断処理は、読み出した圧力スイッチ91の状態がオフであるか否かを判別することにより行うことができる。圧力スイッチ91がオフであると判別した場合、検出した空気圧の状態が設定圧Ptより低くて開閉用通気経路にエアが流れており、判定対象の個別バルブが開閉動作していることになるので、判定対象のバルブが動作する意味の情報をRAMに記憶し(S122)、S126に進む。例えば、各個別バルブI(Iは1〜Nの整数)に対応させた配列変数F(I)を用意し、動作する意味の”1”をF(I)に代入する。一方、圧力スイッチ91がオンであると判別した場合、検出した空気圧の状態が設定圧Ptより高くて開閉用通気経路にエアが流れておらず、判定対象の個別バルブが開閉動作していないことになるので、判定対象のバルブが動作しない意味の情報をRAMに記憶し(S124)、S126に進む。例えば、非動作の意味の”0”をF(I)に代入する。
以上により、個別バルブIに組み合わされた開閉用通気経路内の空気圧が設定空気圧Ptより大きくて該開閉用通気経路内の空気圧の状態が個別バルブIを開く制御を行う前の空気圧の状態から変化せず、エアが流れないと検出されたときに個別バルブIが開閉しない旨が通知される。
S164では、全てのバルブ85を設定したか否かを判断し、未設定のバルブが残っていればS152〜S164を繰り返し、全てのバルブを設定した場合にはバルブ切替処理を終了して、S102に戻る。
以上により、成形範囲R1内の通気孔に接続された開閉用通気経路を開閉する電磁弁85が開き、成形範囲R1内の通気孔に接続されていない開閉用通気経路を開閉する電磁弁85が閉じたままとなる。
以上により、セレクトスイッチがシートを熱成形する設定に切り替えられると、入力範囲R1の中にある通気孔61に接続された開閉用通気経路を開閉する個別バルブ85のみ開いて通気孔61にエアが流通し、熱板60によりシートが連続して熱成形される。
上記シートの一面側に配置される熱板は、該シートの一面に接触しても、接触せず該シートの一面に対面配置されてもよい。なお、シートを加熱する際には、接触加熱する以外にも、輻射加熱や、接触加熱と輻射加熱の併用によりシートを加熱してもよい。上記シートの他面側に配置される型は、該シートの他面に接触しても、接触せず該シートの他面に対面配置されてもよい。
上記熱板と上記型とを近接および離間させる際には、型のみ移動させる以外にも、熱板のみ移動させても、熱板と型の両方を移動させてもよい。また、熱板と型との近接および離間の際、シートの位置を変えないのみならず、シートを移動させてもよい。
型用テーブルを熱板に対して近接および離間させる機構は、上記リンク機構以外にも、各種クランク機構、エアシリンダや油圧シリンダのようなシリンダを用いた機構、等でもよい。
上記被成形材は、極薄の樹脂フィルム、極薄の可塑性フィルム、厚みのある樹脂素材、厚みのある可塑性素材、等でもよい。
熱板に形成される通気孔は、表面から縁部へ貫通した通気孔、等でもよい。
上記台座と上記間座と上記下テーブルとを設けず、熱板の各区分SE1,SE2の通気孔61に直接各通気経路80(開閉用通気経路)を接続してもよい。
上記加熱機構は、ヒータ以外にも、熱風を供給する機構、ガス等の燃料を燃焼させる機構、等としてもよい。
圧力スイッチの代わりに圧力センサ等を用いて通気経路B2内の空気圧空気圧をアナログ量またはデジタル量で検出し、S120で該空気圧が所定の圧力Ptから高いか低いかを判断して処理を分岐してもよい。
S130でバルブ動作判定結果を通知する際には、バルブが開閉しないことのみを通知してもよいし、バルブが開閉することのみを通知してもよい。例えば、個別バルブIのうちI=1とI=9のバルブが開閉動作しないと判定したとき、「No.1,No.9のバルブが動作しません」といった画面表示でバルブが開閉動作しないことを通知してもよいし、「No.2,No.3,…のバルブが動作します」といった画面表示でバルブが開閉動作することを通知してもよい。
S102〜S114の処理を行って全個別バルブ85と非区分用バルブ92とを閉じて圧空を供給して成形用バルブ26を閉じる制御を行うと、成形用バルブ26を閉じる制御を行ってからT4秒後、S232で通気経路B2内の空気圧の状態を圧力スイッチ(圧力検出手段)91にて検出する。なお、時間T4は、通気経路B2でエアの漏れがある場合に当該エアの漏れにより空気圧が設定圧Ptより低くなる時間以上であればよく、例えば、0.5〜10秒、1〜5秒程度とすることができる。次に、検出した空気圧の状態が設定圧Ptより低いか否かを判断する(S234)。この判断処理は、読み出した圧力スイッチ91の状態がオフであるか否かを判別することにより行うことができる。差圧供給機構25と圧力スイッチ91とが機能し、バルブや通気経路からエアの漏れが生じていない場合、通気経路B2内で圧空が保持されるので、検出される空気圧の状態は設定圧Ptより高くなる。この場合、上述したS116〜S132の処理を行い、個別バルブが開閉するか否かを通知する。一方、エアの漏れが生じていたり、差圧供給機構25が機能していなかったり、圧力スイッチ91が機能していなかったりすると、検出される空気圧の状態が設定圧Ptより低くなることがあり得る。この場合、S236に進んでエアが漏れている旨を画面表示等で通知し、S102に戻る。
20…成形機構、21…基台、
25…差圧供給機構、25a…通気経路、26…成形用バルブ、
40…型、
60…加熱板(熱板)、60a…型に対向する表面、60b…裏面、
61…第一の通気孔(貫通穴)、
65…台座(台部材)、65a…表面、65b…裏面、
66,66a,66b…溝(開閉用通気経路の一部)、
67…第二の貫通穴(内部通気経路、開閉用通気経路の一部)、
68…溝(凹部)、
69…凹部用貫通穴(凹部用内部通気経路)、
70…第一の間座(第一の間部材)、71…第三の貫通穴(開閉用通気経路の一部)、
72…第二の間座(第二の間部材)、74…第三の間座(第三の間部材)、
75…下テーブル(熱板用テーブル)、75a…表面、75b…裏面、
77…テーブル内部通気経路(開閉用通気経路の一部)、
79…ヒータ(加熱機構)、
80…通気経路(開閉用通気経路の一部)、81…共通経路、
82…非開閉用通気経路、
85…電磁弁(バルブ)、
90…バルブ動作判定手段、
91…圧力スイッチ(圧力検出手段)、92…非区分用バルブ、
95…コンピュータシステム(バルブ動作判定手段の一部、成形範囲入力手段、成形機構の一部)、
96…コンピュータ、97…制御盤、
100…熱成形装置、
B1…開閉用通気経路、B2…バルブ26,85間の通気経路、
S1…シート(被成形材)、S2…成形後のシート、
Claims (9)
- エアを流通させる開閉用通気経路と、該開閉用通気経路を開閉可能なバルブと、大気圧とは異なるエアの差圧を前記開閉用通気経路に加える差圧供給機構を有して前記バルブを開いて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加えて被成形材を熱成形する成形機構と、を備える熱成形装置のバルブ動作確認装置であって、
前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加え、前記バルブを開く制御を行ったときに前記開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出し、検出した結果に基づいて前記バルブが開閉するか否かの少なくとも一方を通知するバルブ動作判定手段を備えることを特徴とする熱成形装置のバルブ動作確認装置。 - 前記開閉用通気経路と前記バルブとの組み合わせが複数設けられるとともに、前記差圧供給機構が前記複数の開閉用通気経路に同じエアの差圧を加える機構とされ、
前記バルブ動作判定手段は、前記複数のバルブの中からエアの流れを検出する対象のバルブを順次設定し、該対象のバルブについて前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加えて開く制御を行ったときに該対象のバルブと組み合わされた開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出し、エアが流れないと検出したときに前記対象のバルブが開閉しない旨を通知することを特徴とする請求項1に記載の熱成形装置のバルブ動作確認装置。 - 前記バルブ動作判定手段は、前記差圧供給機構と前記バルブとの間の前記開閉用通気経路内における空気圧の状態を検出する圧力検出手段を備え、前記バルブを閉じた状態で前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加え、前記バルブを開く制御を行って前記圧力検出手段にて前記開閉用通気経路内における空気圧の状態を検出し、検出した空気圧の状態が前記バルブを開く制御を行う前の空気圧の状態から変化していないときに前記バルブが開閉しない旨を通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱成形装置のバルブ動作確認装置。
- 前記バルブ動作判定手段は、前記開閉用通気経路内におけるエアの流量の状態を検出する流量検出手段を備え、前記バルブを閉じた状態で前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加え、前記バルブを開く制御を行って前記流量検出手段にて前記開閉用通気経路内におけるエアの流量の状態を検出し、検出した流量の状態が前記バルブを開く制御を行う前のエアの流量の状態から変化していないときに前記バルブが開閉しない旨を通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱成形装置のバルブ動作確認装置。
- 前記開閉用通気経路と前記バルブとの組み合わせが複数設けられるとともに、前記差圧供給機構が前記複数の開閉用通気経路に同じエアの差圧を加える機構とされ、
前記バルブ動作判定手段は、前記バルブの全てを閉じた状態で前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加えたときに該開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出し、エアが流れると検出したときにその旨を通知することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱成形装置のバルブ動作確認装置。 - 前記バルブ動作判定手段は、前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加え、前記バルブを開く制御を行ったときに前記開閉用通気経路にエアが流れると検出したとき、前記バルブを開閉動作させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱成形装置のバルブ動作確認装置。
- エアを流通させる開閉用通気経路と、
該開閉用通気経路を開閉可能なバルブと、
大気圧とは異なるエアの差圧を前記開閉用通気経路に加える差圧供給機構を有して前記バルブを開いて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加えて被成形材を熱成形する成形機構と、
前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加え、前記バルブを開く制御を行ったときに前記開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出し、検出した結果に基づいて前記バルブが開閉するか否かの少なくとも一方を通知するバルブ動作判定手段とを備えることを特徴とする熱成形装置。 - 所定の成形位置を通る所定の搬送方向へ成形可能なシートを搬送するシート搬送機構と、
表面から裏面へ貫通した複数の通気孔を有し、前記成形位置にあるシートの一面側に配置される熱板と、
該熱板を加熱するヒータと、
前記複数の通気孔から区分される各区分の通気孔にそれぞれ前記熱板の裏面で接続された各開閉用通気経路と、
該各開閉用通気経路をそれぞれ開閉可能であるとともに通電されると開となる一方で通電されていないときにはばねの力により閉となる各電磁弁と、
前記熱板の表面に対応させた画面を表示して該画面の中から成形に用いる範囲の入力を受け付ける成形範囲入力手段と、
前記成形位置にあるシートの前記一面側とは反対の他面側に配置されて前記熱板に対向する成形面が形成された型と、大気圧とは異なるエアの差圧を前記開閉用通気経路に加える差圧供給機構とを有し、前記シート搬送機構により前記シートが搬送されるときには前記熱板と前記型とを所定の離間位置まで離間させ、前記熱板と前記型とを所定の近接位置まで近接させて前記シートを加熱しながら前記成形面の形状に合わせて熱成形する際、前記シートが前記成形位置まで搬送されて前記熱板と前記型とを前記近接位置まで近接させるときには前記各電磁弁のうち前記入力された範囲の中にある通気孔に接続された開閉用通気経路を開閉する電磁弁のみ通電して開いて前記差圧供給機構にて前記範囲中の通気孔に真空圧を作用させて前記シートを前記熱板の表面に密接させ、前記熱板と前記型とが前記近接位置まで近接したときに前記通気孔に作用させた真空圧を解除して前記シートを前記型の成形面に密接させることにより熱成形する成形機構と、
前記差圧供給機構と前記バルブとの間の前記開閉用通気経路内における空気圧と設定空気圧との大小を検出して対応する検出信号を生成する圧力スイッチを有し、前記複数のバルブの中からエアの流れを検出する対象の電磁弁を順次設定し、該対象の電磁弁について前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路に圧空を加えて開く制御を行って所定時間経過後に前記圧力スイッチにて前記開閉用通気経路内の空気圧と前記設定空気圧との大小を検出し、前記開閉用通気経路内の空気圧が前記設定空気圧より大きいときに前記対象の電磁弁が開閉しない旨を画面に表示するバルブ動作判定手段を備えることを特徴とする熱成形装置。 - エアを流通させる開閉用通気経路と、該開閉用通気経路を開閉可能なバルブと、大気圧とは異なるエアの差圧を前記開閉用通気経路に加える差圧供給機構を有して前記バルブを開いて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加えて被成形材を熱成形する成形機構と、を備える熱成形装置のバルブ動作確認方法であって、
前記差圧供給機構にて前記開閉用通気経路にエアの差圧を加え、前記バルブを開く制御を行ったときに前記開閉用通気経路にエアが流れるか否かを検出し、検出した結果に基づいて前記バルブが開閉するか否かの少なくとも一方を通知することを特徴とする熱成形装置のバルブ動作確認方法。
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