JP2007275771A - 棒状ワークの水切り方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カムシャフトなどのような外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した洗浄液や切削液などの水分を確実に除去することができる棒状ワークの水切り装置を提供する。
【解決手段】 外周面に凹部Waと凸部Wbを連ねるカムシャフトWに付着した水分を除去するための水切り装置であって、カムシャフトWの長さと同等かそれ以上の吐出幅Bのエア吐出口6を有し、このエア吐出口6が上方からカムシャフトWの中心軸Wcに対向するように配置された第1エアブローノズル1と、この第1エアブローノズル1から吐出されるエア2の方向と略直交する方向からカムシャフトWの下部に向けてエア3を吐出する第2エアブローノズル4と、この第2エアブローノズル4をカムシャフトWに沿って往復動させる移動手段を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】 外周面に凹部Waと凸部Wbを連ねるカムシャフトWに付着した水分を除去するための水切り装置であって、カムシャフトWの長さと同等かそれ以上の吐出幅Bのエア吐出口6を有し、このエア吐出口6が上方からカムシャフトWの中心軸Wcに対向するように配置された第1エアブローノズル1と、この第1エアブローノズル1から吐出されるエア2の方向と略直交する方向からカムシャフトWの下部に向けてエア3を吐出する第2エアブローノズル4と、この第2エアブローノズル4をカムシャフトWに沿って往復動させる移動手段を備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、カムシャフトなどのような外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した熱処理後の洗浄液や切削加工後の切削液を除去する棒状ワークの水切り方法及びその装置に関する。
従来、カムシャフトなどのように、外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した熱処理後の洗浄液や切削加工後の切削液を除去する方法としては、棒状ワークの全長に、且つ全周にわたってエアが吹き付けられるように、多数のエアブローノズルを棒状ワークの中心軸に向かって配置し、エアブローを行う方法が知られている。
また、棒状ワークの水切り装置としては、一対の支持機構で歯車付き棒状ワークをその軸線を中心として回動自在に支持すると共に、棒状ワークに一体形成された歯車の接線方向に沿ってエアブローノズルを配置し、歯車の歯面に高圧エアを吹き付けて棒状ワークを回転させながら水切りを行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
更に、棒状ワークの水切り用エアノズルとしては、棒状ワーク表面の移動方向に直交させて横設すると共に、エア供給源に連通した筒型ケーシングと、この筒型ケーシングの底部に配置し、棒状ワーク表面の移動方向に対して右向き傾斜面と左向き傾斜面とが交互に連続してなる波状板と、この波状板を長手方向に2分割する仕切板と、この仕切板で分割した一方の波状板の各右向き傾斜面に備えた右向き吹出口と、該仕切板で分割した他方の波状板の各左向き傾斜面に備えた左向き吹出口とからなる水切り用エアノズルが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、棒状ワークの水切り装置としては、一対の支持機構で歯車付き棒状ワークをその軸線を中心として回動自在に支持すると共に、棒状ワークに一体形成された歯車の接線方向に沿ってエアブローノズルを配置し、歯車の歯面に高圧エアを吹き付けて棒状ワークを回転させながら水切りを行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
更に、棒状ワークの水切り用エアノズルとしては、棒状ワーク表面の移動方向に直交させて横設すると共に、エア供給源に連通した筒型ケーシングと、この筒型ケーシングの底部に配置し、棒状ワーク表面の移動方向に対して右向き傾斜面と左向き傾斜面とが交互に連続してなる波状板と、この波状板を長手方向に2分割する仕切板と、この仕切板で分割した一方の波状板の各右向き傾斜面に備えた右向き吹出口と、該仕切板で分割した他方の波状板の各左向き傾斜面に備えた左向き吹出口とからなる水切り用エアノズルが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、多数のエアブローノズルを棒状ワークの中心軸に向かって配置してエアブローを行う方法においては、多数のエアブローノズルを棒状ワークの中心軸に向けて正確に配置する必要があり、例えばエアブローノズルの位置がずれると、エアの乱れが発生し、水切りが充分行われない部位が存在することがある。また、多数のエアブローノズルを用いるため、吐出圧や設置位置などの管理が煩雑で、しかもノズル間のエアが直接当たらない部位の水切りが充分行われないなど、特にカムシャフトのように外周面に凹部と凸部を連ねたワークでは、凹部と凸部の境部で水分が取りきれずに残るという問題があった。
また、特許文献1に記載された水切り装置においては、歯車を形成している部位のみしかエアを吹き付けていないため、水分が歯車に沿って移動しながら徐々に除去されることから時間が掛かるという問題があった。
更に、特許文献2に記載された水切り用エアノズルを用いた水切り装置においては、ローラや丸棒のような外周面に凹部と凸部がないワークでは効果があるものの、カムシャフトのような外周面に凹部と凸部を連ねたワークではエアが乱れ水切りが円滑に行われないという問題があった。
また、特許文献1に記載された水切り装置においては、歯車を形成している部位のみしかエアを吹き付けていないため、水分が歯車に沿って移動しながら徐々に除去されることから時間が掛かるという問題があった。
更に、特許文献2に記載された水切り用エアノズルを用いた水切り装置においては、ローラや丸棒のような外周面に凹部と凸部がないワークでは効果があるものの、カムシャフトのような外周面に凹部と凸部を連ねたワークではエアが乱れ水切りが円滑に行われないという問題があった。
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カムシャフトなどのような外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した洗浄液や切削液などの水分を確実に除去することができる棒状ワークの水切り方法及びその装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した水分を除去するための水切り方法であって、棒状ワークの中心軸に向かって上方から棒状ワーク全体にエアを吹き付けて、水分を棒状ワークの下部に寄せ集め、次いで寄せ集めた水分を下方からエアを吹き付けて除去するものである。
請求項2に係る発明は、外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した水分を除去するための水切り装置であって、棒状ワークの長さと同等かそれ以上の吐出幅のエア吐出口を有し、このエア吐出口が上方から棒状ワークの中心軸に対向するように配置された第1エアブローノズルと、この第1エアブローノズルから吐出されるエアの方向と略直交する方向から棒状ワークの下部に向けてエアを吐出する第2エアブローノズルと、この第2エアブローノズルを棒状ワークに沿って往復動させる移動手段を備えたものである。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の棒状ワークの水切り装置において、前記第2エアブローノズルのエア吐出口の形状を、円形、矩形又は楕円形のいずれかの形状にした。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3記載の棒状ワークの水切り装置において、前記第2エアブローノズルのエア吐出口が、棒状ワークの下方で、且つ棒状ワークの外径内の範囲に位置するようにした。
請求項1に係る発明によれば、外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークの中心軸に向かって上方から棒状ワーク全体にエアを吹き付けることにより、重力の作用も相俟って水分を棒状ワークの下部に水滴として寄せ集めることができ、次いで水滴となった寄せ集めた水分を下方からエアを吹き付けることにより、確実に除去することができる。
請求項2に係る発明によれば、棒状ワークの長さと同等かそれ以上の吐出幅のエア吐出口を有し、このエア吐出口が上方から棒状ワークの中心軸に対向するように配置された第1エアブローノズルにより、むらのないエア吹き付けを行うことができ、重力の作用も相俟って水分を棒状ワークの下部に水滴として寄せ集めることができる。また、第1エアブローノズルから吐出されるエアの方向と略直交する方向から第2エアブローノズルが吐出するエアにより、棒状ワークの下部に水滴として寄せ集めた水分を除去することができる。更に、第2エアブローノズルが移動手段により、棒状ワークに沿って往復動するため、外周面に凹部と凸部があっても、水滴として寄せ集めた水分を確実に除去することができる。
請求項3に係る発明によれば、第2エアブローノズルのエア吐出口の形状を、円形、矩形又は楕円形のいずれかの形状にすることにより、吐出されるエアの先端形状をナイフのように尖鋭にして棒状ワークの下部に垂下した水滴を円滑に除去することができる。
請求項4に係る発明によれば、第2エアブローノズルのエア吐出口が、棒状ワークの下方で、且つ棒状ワークの外径内の範囲に位置するようにしたので、第1エアブローノズルにより吐出されるエアの影響を大きく受けることなく、エアを吐出して棒状ワークの下部に垂下した水滴を確実に除去することができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る棒状ワークの水切り装置の概要図、図2は図1の矢印A方向から見た概要図、図3は第1エアブローノズルの正面図、図4は第2エアブローノズルの正面図である。
本発明に係る棒状ワークの水切り装置は、図1及び図2に示すように、外周面に凹部Waと凸部Wbを連ねるカムシャフトWの上方からカムシャフトWの中心軸Wcに対向するように配置された第1エアブローノズル1と、この第1エアブローノズル1から吐出されるエア2の方向と略直交する方向からカムシャフトWの下部に向けてエア3を吐出する第2エアブローノズル4と、この第2エアブローノズル4をカムシャフトWの長手方向に沿って往復動させる移動手段(不図示)を備えている。5は第1エアブローノズル1に所定圧のエアを供給するエア充填室である。なお、エア充填室5に所定圧のエア2を供給したり、第2エアブローノズル4に所定圧のエア3を供給したりするエア源(不図示)として、ブロワ(送風機)を用いることができる。また、エア配管は省略している。
第1エアブローノズル1は、図3に示すように、カムシャフトWの長さLと同等かそれ以上の吐出幅Bのエア吐出口6を有している。エア吐出口6はスリット状に形成され、カムシャフトWの全長に同時にエア2を吹き付けることができる。カムシャフトWの上部に吹き付けられたエア2は、図2に示すように、カムシャフトWの外周面に沿って下方へ流れる。
第2エアブローノズル4は、図4(a)に示すような円形のエア吐出口7、図4(b)に示すような矩形のエア吐出口8、楕円形のエア吐出口(不図示)のいずれかを有する。いずれのエア吐出口7,8も、第1エアブローノズル1のエア吐出口6に比べて小さく、吐出されるエア3の先端形状をナイフのように尖鋭にすることにより、第1エアブローノズル1から吐出したエア2により寄せ集められてカムシャフトWの下部に垂下した水滴9を円滑に除去することができる。
また、第2エアブローノズル4のエア吐出口7,8は、図2に示すように、カムシャフトWの下方に位置し、且つカムシャフトWの外径D内の範囲に位置するように設置されている。このように、第2エアブローノズル4を配置することにより、第1エアブローノズル1から吐出されるエア2の影響を直接受けることなく、第2エアブローノズル4はカムシャフトWの下部に垂下した水滴9を円滑に除去するためのエア3を吐出することができる。
以上のように構成された本発明に係る棒状ワークの水切り装置の動作及び棒状ワークの水切り方法について説明する。
両端を把持されたカムシャフトWがコンベヤ(不図示)により搬送され、図1に示すように、カムシャフトWが第1エアブローノズル1の下方に位置決めされる。すると、第1エアブローノズル1のエア吐出口6からエア2が吐出され、カムシャフトWの全長にわたってエア2が吹き付けられる。
両端を把持されたカムシャフトWがコンベヤ(不図示)により搬送され、図1に示すように、カムシャフトWが第1エアブローノズル1の下方に位置決めされる。すると、第1エアブローノズル1のエア吐出口6からエア2が吐出され、カムシャフトWの全長にわたってエア2が吹き付けられる。
すると、カムシャフトWの全長にわたって吹き付けられたエア2の一部が、図2に示すように、カムシャフトWの外周面に沿って下方へと流れる。エア2の流れによってカムシャフトWの外周面に付着していた洗浄液や切削液などの水分が、重力の作用と相俟って寄せ集められ、カムシャフトWの下部に垂下した水滴9となる。
次いで、第2エアブローノズル4がエア吐出口7又はエア吐出口8から尖鋭なエア3を吐出させながら、カムシャフトWの長手方向(中心軸方向)に沿って往復動することによって、カムシャフトWの下部に垂下している水滴9を残らず切断するように吹き飛ばして除去する。この時、第1エアブローノズル1からエア2が吐出されているものの、そのエア2の水滴9近傍におけるエア圧力は減衰して小さくなっているので、第1エアブローノズル1から吐出されるエア2が、第2エアブローノズル4から吐出されるエア3のエア圧力に大きな影響を与えることはない。
却って、第1エアブローノズル1から吐出されるエア2と第2エアブローノズル4から吐出されるエア3が協働して水滴9を確実に除去することになる。
更に、第2エアブローノズル4のエア吐出口7又はエア吐出口8は、図2に示すように、カムシャフトWの下方に位置し、且つカムシャフトWの外径D内の範囲に位置するように設置されているので、第1エアブローノズル1から吐出されるエア2の影響を直接受けることなく、エア3を吐出することができる。
更に、第2エアブローノズル4のエア吐出口7又はエア吐出口8は、図2に示すように、カムシャフトWの下方に位置し、且つカムシャフトWの外径D内の範囲に位置するように設置されているので、第1エアブローノズル1から吐出されるエア2の影響を直接受けることなく、エア3を吐出することができる。
また、第1エアブローノズル1からエア2を吐出するタイミング及び第2エアブローノズル4からエア3を吐出するタイミングは、任意に設定することができる。例えば、先ず第1エアブローノズル1からエア2の吐出を開始してから所定時間後に、第1エアブローノズル1からのエア2をそのまま吐出しつづけると共に、第2エアブローノズル4からのエア3の吐出を開始してもよい。また、最初から第1エアブローノズル1からエア2を吐出すると同時に、第2エアブローノズル4からもエア3を吐出してもよい。
本発明によれば、カムシャフトのような外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した洗浄液や切削液などの水分を確実に除去することができるので、水切り作業における質の向上が図れると共に、後工程において必要とされていた人手によるエアブロー作業の廃止を可能にし、工数低減に寄与する。
1…第1エアブローノズル、2,3…エア、4…第2エアブローノズル、6,7,8…エア吐出口、B…吐出幅、D…カムシャフトの外径、W…カムシャフト(棒状ワーク)、Wa…凹部、Wb…凸部、Wc…カムシャフトの中心軸。
Claims (4)
- 外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した水分を除去するための水切り方法であって、棒状ワークの中心軸に向かって上方から棒状ワーク全体にエアを吹き付けて、水分を棒状ワークの下部に寄せ集め、次いで寄せ集めた水分を下方からエアを吹き付けて除去することを特徴とする棒状ワークの水切り方法。
- 外周面に凹部と凸部を連ねる棒状ワークに付着した水分を除去するための水切り装置であって、棒状ワークの長さと同等かそれ以上の吐出幅のエア吐出口を有し、このエア吐出口が上方から棒状ワークの中心軸に対向するように配置された第1エアブローノズルと、この第1エアブローノズルから吐出されるエアの方向と略直交する方向から棒状ワークの下部に向けてエアを吐出する第2エアブローノズルと、この第2エアブローノズルを棒状ワークに沿って往復動させる移動手段を備えたことを特徴とする棒状ワークの水切り装置。
- 前記第2エアブローノズルのエア吐出口の形状が、円形、矩形又は楕円形のいずれかの形状である請求項2記載の棒状ワークの水切り装置。
- 前記第2エアブローノズルのエア吐出口が、棒状ワークの下方で、且つ棒状ワークの外径内の範囲に位置する請求項2又は3記載の棒状ワークの水切り装置。
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2006
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