JP2007275700A - バイオ式生ゴミ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】嫌気性領域の発生を防止し、悪臭の少ない生成物を効率良く生成し、その生成物を良質の飼料や肥料として利用することができるバイオ式生ゴミ処理装置を提供する。
【解決手段】分解槽1内の生ゴミに酵素等を加え、撹拌羽根6により撹拌して、生ゴミを分解するバイオ式生ゴミ処理装置において、隣接する撹拌羽根6の面が回転支軸2に対し反対の向きに傾斜するように撹拌羽根6を設ける。前記傾斜の角度は35度から50度であることが好ましく、隣接する撹拌羽根6を軌跡の一部が重なるように、回転方向に対し90度ずつずらして配置したことが好ましい。回転支軸2の中心から撹拌羽根6の先端の長さcを分解槽1の内壁底部の曲率半径dとほぼ等しくして、撹拌羽根6の先端が分解槽1内壁に接触するようにし、撹拌羽根6の少なくとも先端を弾性のある材質の払拭板15で構成したことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、生ゴミを撹拌して微生物や酵素により分解処理するバイオ式生ゴミ処理装置に関するものである。
事業系生ゴミの大半は、焼却処理後最終処分場に埋め立てられる。しかしながら、生ゴミには、水分や塩分を多く含むことから、焼却時にダイオキシンが発生しやすく、また、最終処分場が不足するという問題が深刻化している。そこで、増え続ける事業系生ゴミ対策として、2001年5月より、食品メーカ・食料品小売業者・外食産業・ホテル等に対し、事業系生ゴミを飼料・肥料・油脂にリサイクルを義務付ける「食品リサイクル法」が施行されることとなった。例えば、豆腐製造後に生成されるおからは、約2時間で腐敗し始めてしまう。そこで、おから等の生ゴミの水分を300度〜400度の熱で除去し、乾燥・減容させ、腐敗を抑える乾燥式の生ゴミ処理装置が提案されている。しかしながら、この乾燥式の生ゴミ処理装置は水分除去のために設けられた電気ヒータ等で、多くのエネルギーを消費するという問題があった。そこで、微生物や酵素によって生ゴミを分解することによりエネルギーの消費量を抑えた、バイオ式生ゴミ処理装置が提案されている。
このバイオ式生ゴミ処理装置は、生ゴミを好気性微生物と分解酵素を混入した水溶液により、高温で好気性に発酵・乾燥処理するものである。生ゴミをバイオ式生ゴミ処理装置に投入すると、生ゴミが約60℃に保たれた発酵槽内で撹拌羽根により撹拌されながら好気性発酵が行われる。この発酵及び酵素の働きにより、生ゴミの有機分は水と二酸化炭素に分解され、低分子化するに従って乾燥し減容させることが可能となり、生成物は腐敗することがなく、飼料や肥料に使用することが可能となる。
しかしながら、好気性微生物を利用することから、酸素が十分に供給されないと、好気性微生物の活動が低下し、代わって嫌気性微生物の活動が活発となって悪臭を発するという問題がある。特許文献1に示すような生ゴミ処理装置では、生ゴミが発酵槽内にこびり付いて、嫌気性の領域が生ずることが避けられなかった。また、嫌気性の領域では腐敗が進んで悪臭が発生し、生成物も悪臭を発することとなって利用する際の障害となるという問題があった。
そこで、上記問題を解決するために、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に示されるような生ゴミ処理装置が提案されているが、撹拌羽根が回転支軸に対して平行の向きに取り付けられているので処理中の生ゴミの撹拌が不十分であった。
また、特許文献4に示される生ゴミ処理装置は、分解槽内に弾性材の空気配管を垂下させて、分解槽内に空気を供給する構造のものであるが、撹拌羽根と空気配管が擦れて、最悪の場合には破損してしまうという問題があった。
そこで、上記問題を解決することができる生ゴミ処理装置の開発が要望されていた。
実開平04−45589号公報 特開平07−204615号公報 特開2001−321745号公報 特開2004−17026号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、嫌気性領域の発生を防止し、悪臭の少ない生成物を効率良く生成し、その生成物を良質の飼料や肥料として利用することができるバイオ式生ゴミ処理装置を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、断面が略U字形状の分解槽内に回転支軸を回転自在に横架し、複数の撹拌羽根支持材を前記回転支軸に垂直に設け、撹拌羽根を前記撹拌羽根支持材の先端に設け、前記分解槽内の生ゴミに微生物及び酵素の少なくとも一方を加えて、前記撹拌羽根により撹拌して、生ゴミを分解するバイオ式生ゴミ処理装置において、隣接する撹拌羽根の面が回転支軸に対し反対の向きに傾斜するように撹拌羽根を設けたことを特徴とするものである。
なお、撹拌羽根支持材の少なくとも先端の断面形状を円形状とし、撹拌羽根が撹拌羽根支持材の先端を握持する構造とし、撹拌羽根の面と回転支軸の傾斜角を回転自在でかつ、撹拌羽根の回転支軸からの位置を調節自在な構造にしたことが好ましく、また、前記傾斜角は35度から50度であることが好ましい。
また、隣接する撹拌羽根を軌跡の一部が重なるように、回転方向に対し90度ずつずらして配置したことが好ましい。
回転支軸の中心から撹拌羽根の先端の長さを分解槽の内壁底部の曲率半径とほぼ等しくして、撹拌羽根の先端が分解槽内壁に接触するようにし、撹拌羽根の少なくとも先端を弾性のある材質の払拭板で構成したことが好ましい。
なお、拭板の分解槽接触部の形状は、一定の曲率半径の円弧とし、かつ前記分解槽接触部の端部から払拭板基部までのそれぞれの長さを異なる長さとして、撹拌羽根の面を回転支軸に対して傾斜するように撹拌羽根を取り付けたときに、払拭板の分解槽接触部が分解槽の内面と吻合するように払拭板を形成したことが好ましい。
また、分解槽内に仕切板を立設して、分解槽を2以上に区分けし、前記仕切板には処理中の生ゴミが、区分けされた分解槽間を移動する移動孔を設け、分解槽の外部に設けられた空気供給管により空気を供給する、空気供給口を分解槽の内側に設け、分解槽の外面には断熱材及び加温手段の少なくとも一方が設けられていることが好ましい。
隣接する撹拌羽根の面が回転支軸に対し反対の向きに傾斜するように撹拌羽根を設けたので、効率良く、均一に処理中の生ゴミを撹拌することが可能となり、処理中の生ゴミが嫌気性となることを防止し、好気状態を保つことができるので腐敗することを防止できる。
撹拌羽根の面と回転支軸の傾斜角を35度から50度とし、隣接する撹拌羽根の軌跡の一部が重なるように撹拌羽根を配置すると、更に効率良く処理中の生ゴミを撹拌することが可能となる。
撹拌羽根支持材の少なくとも先端の断面形状を円形状とし、撹拌羽根が撹拌羽根支持材の先端を握持する構造とすると、撹拌羽根の面と回転支軸の傾斜角を回転自在に調整することが可能となり、また撹拌羽根の回転支軸からの位置を自在に調節することが可能となり、撹拌羽根が摩耗、破損した場合に、撹拌羽根のみを交換することが可能となる。
撹拌羽根を角材の回転支軸に握持するように取り付け、隣接する撹拌羽根を回転方向に対し90度ずつずらして配置した構造とすると、撹拌羽根をキー溝が設けられた丸棒の回転支軸に取り付けた構造に比べて、回転支軸にキー溝を形成する必要がないので、加工コストを低減することが可能となり、また、簡単にかつ確実に撹拌羽根を位置決めすることが可能となる。また、撹拌羽根で撹拌した処理中の生ゴミが隣接する撹拌羽根の方向に移動した直後に隣接する撹拌羽根が処理中の生ゴミを撹拌するので、処理中の生ゴミが効率よく均一に撹拌される。
回転支軸の中心から撹拌羽根の先端の長さを分解槽の内壁底部の曲率半径とほぼ等しくして、撹拌羽根の先端が分解槽内壁に接触するようにすると、処理中の生ゴミが分解槽壁面にこびりつくことがなく、処理中の生ゴミが嫌気性となることにより、腐敗することを防止でき、また分解処理槽の外面に加熱手段を設けた場合の加熱の効率も向上する。
撹拌羽根の少なくとも先端を弾性のある材質の払拭板で構成すると、払拭板の弾性により、撹拌羽根と分解槽の内面との隙間ができないようにすることができ、処理中の生ゴミの分解槽内面へのこびりつきを防止しつつ、撹拌羽根と分解槽内部の摩耗を防止することが可能となる。
払拭板の分解槽接触部の形状は、一定の曲率半径の円弧とし、かつ前記分解槽接触部の端部から払拭板基部までのそれぞれの長さを異なる長さとし、撹拌羽根の面が回転支軸に対して傾斜するように撹拌羽根を取り付けたときに、払拭板の分解槽接触部が分解槽の内面と吻合するように払拭板を形成すると、払拭板と分解槽の内面との隙間ができないようにすることができ、処理中の生ゴミの分解槽内面へのこびりつきを防止することが可能となり、撹拌羽根を回転させるのに負荷がかからず、回転支軸の回転が停止したり、撹拌羽根が破損したりするのを防止することができる。
分解槽内に仕切板を立設して、分解槽を2以上に区分けし、前記仕切板には処理中の生ゴミが、区分けされた分解槽間を移動する移動孔を設けると、処理中の生ゴミが一度に排出口側に移動することを防止し、処理が完了していない生ゴミが排出されることを防止することが可能となる。
空気を供給する空気供給口を分解槽の内側に設けると、撹拌羽根の先端が分解槽内壁底部に接触するような構造であっても、処理槽の底部付近から空気を供給することが可能となり、生ゴミに添加した好気性微生物に空気を十分に供給することが可能となり、好気性微生物を活発に活動させて効率よく生ゴミを分解処理させることが可能となる。また、嫌気性領域が生ずることがないので、悪臭が発生せず、悪臭を発しない生成物を生成することが可能となる。また、分解槽の外部に設けられた空気供給管により、空気供給口フレキシブルな空気配管を分解槽内に垂下させた構造に比べて、空気供給管が撹拌羽根により摩耗・破損することがないので、空気供給管を交換する必要がない。
分解槽の外面には断熱材及び加温手段の少なくとも一方が設けると、生ゴミの分解処理の効率を向上させることが可能となり、また、水分除去の効率が向上するので、早期に生ゴミを処理することが可能となる。また、加温手段により、病原性微生物もしくは嫌気性微生物の発生を抑制することが可能となり、生成物の悪臭を防止することが可能となる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。図1は本発明の実施の形態を示すバイオ式生ゴミ処理装置の正面断面図であり、図2は上面断面図であり、図3は側面断面図である。1は底部が円筒形の上半分を切り取った略U字形状の分解槽であり、例えば300リットルの生ゴミを処理するものでは、円筒部分の直径は1200mmであり、分解槽1の横幅は1500mmである。この分解槽1には仕切板1aが立設されており、この仕切板1aにより、分解槽1を投入側分解槽25と排出側分解槽26に区分けしている。なお、この仕切板1aは2以上であっても差し支えない。この仕切板1aの下部には、略長方形状もしくは略円形状の移動孔1bが設けられている。
2はこの分解槽1の内部に、回転自在に横架された回転支軸であり、この回転支軸2の中心と分解槽1の円筒形の中心は一致させてある。この回転支軸2の支持される両端部分3は、円管もしくは丸棒であるが、分解槽1の内部部分は角材4で構成されている。この回転支軸2には撹拌羽根支持材5が回転支軸2に対し垂直となるように設けられ、この撹拌羽根支持材5の先端には撹拌羽根6が取り付けられている。
回転支軸2の一端は、ジョイント49を介して減速機50に取り付けられ、この減速機50に隣接して配置されたモータ51により、回転支軸2を回転させて、撹拌羽根6を回転させる。
図4に撹拌羽根部の正面詳細図を示し、図5に撹拌羽根部の側面詳細図を示し、撹拌羽根支持材5の回転支軸2への取付構造を説明する。この撹拌羽根支持材5の基端部には、回転支軸2を構成する角材4の一辺とほほ同じ長さaの板状の取付部材8を、内側の間隔bを角材4の一辺よりやや長い長さとなるように設け、この2枚の取付部材7の間に回転支軸2を入れ、押さえ部材10で挟み込んで、ボルト11を締めて、撹拌羽根支持材5を回転支軸2に取り付ける。隣接する撹拌羽根6の軌跡の一部が重なるように、また隣接する撹拌羽根支持材5を回転方向に対し90度ずつずらして、撹拌羽根支持材5を回転支軸2に取り付けてある。
次に、撹拌羽根6の撹拌羽根支持材5への取付構造を説明する。撹拌羽根支持材5の先端12は断面形状が円の棒材もしくは円管で構成されている。一方、撹拌羽根6の取付部分13は、内径が撹拌羽根支持材の先端部12の外径よりやや大きい円管で構成されており、貫通するようにネジ孔13aが切られている。撹拌羽根支持材の先端部12このネジ孔13aにボルト14を締めこむことにより、撹拌羽根6が撹拌羽根支持材5に取り付けられ、撹拌羽根6が撹拌羽根支持材5の先端を握持する構造となる。このような構造としたので、撹拌羽根6を撹拌羽根支持材5に対して回転自在に調整することが可能となり、また撹拌羽根支持材5の長手方向の位置を任意に設定することができる。隣接する撹拌羽根6の面が回転支軸2に対し反対の向きに傾斜するように、撹拌羽根6を撹拌羽根支持材5に取り付ける。なお、撹拌羽根6の面と回転支軸2の傾斜角を35度から50度として、生ゴミ処理装置を稼働することができるが、前記傾斜角は45度であることが好ましい。
撹拌羽根6の先端部分に、弾性のある材質の払拭板15を、押さえ板16により挟んで取り付けている。この払拭板15の材質は耐熱性、耐油性、耐磨耗性に優れたNBR(ニトリルゴム)等の合成ゴム、合成樹脂エラストマー等とすることが好ましい。さらに、押さえ板16はボルト17により払拭板15を撹拌羽根6に固定し、払拭板15が摩耗、破損した場合には容易に交換できるようにしてある。
前述したように、撹拌羽根6を撹拌羽根支持材5の長手方向の位置を調整することにより、回転支軸2の中心から払拭板15の先端までの長さcを、分解槽1内壁底部の曲率半径dとほぼ等しくして、払拭板15が分解槽1の内壁底部と接触しながら撹拌羽根6が処理中の生ゴミを撹拌するようにしてある。
また、分解槽1の内側面や仕切板1aに隣接する撹拌羽根6は、払拭盤15が分解槽1の内側面や仕切板1aの側面と接触しながら処理中の生ゴミを撹拌する。
前述したように、撹拌羽根6の面と回転支軸2の傾斜角が例えば45度となるように、撹拌羽根6が撹拌羽根支持材5に取り付けられているが、処理中の生ゴミの分解槽内面へのこびりつきを防止するためには、払拭板15と分解槽1内面との間に隙間が生じてはならないので、払拭板15の分解槽1と接触する部分が、分解槽1の内面と吻合するように、払拭板15を形成してある。図6に示すように、払拭板15の分解槽接触部20は一定の曲率半径eの円弧とし、かつ分解槽接触部の両端21、22から払拭板の基部23までのそれぞれの長さf、gを異なる長さとしてある。
次に、図7にバイオ式生ゴミ処理装置の説明図を示し、このバイオ式生ゴミ処理装置の作用を説明する。生ゴミ及び微生物や酵素等を、投入口52(図9、図10に図示)から投入側分解槽25に投入し、モータ51を駆動して、撹拌羽根6で生ゴミ等を撹拌する。なお、投入側分解槽25は、排出口24から最も遠い分解槽1である。また、本発明に使用する微生物は自然界の土壌に存在する好気性糸状菌や好熱性放線菌、光合成細菌等の菌類であり、本発明に使用する酵素は、生ゴミの中の糖質、繊維質、蛋白質、動植物性脂質を分解する酵素であり、例えばセルラーゼ、アミラーゼ、ペプチナーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ等である。
前述したように、隣接する撹拌羽根6の面が回転支軸2に対し反対の向きに例えば45度傾斜するように撹拌羽根6が撹拌羽根支持材5に取り付けられているので、撹拌羽根70で生ゴミを撹拌すると、隣接する撹拌羽根71方向に処理中の生ゴミが移動し、また隣接する撹拌羽根6の軌跡が一部重なるように、隣接する撹拌羽根6が回転方向に対して90度ずつずらして配置されているので、撹拌羽根70で撹拌した処理中の生ゴミが、撹拌羽根71側に移動した直後(回転支軸2が90度回転後)に撹拌羽根71が処理中の生ゴミを撹拌して、処理中の生ゴミが効率よく均一に撹拌され、処理中の生ゴミが嫌気性となることを防止し、分解槽1内を好気状態に保つことができ、処理中の生ゴミが嫌気性菌により腐敗することを防止することができる。
前述したように、撹拌羽根6に設けられている払拭板15は、分解槽1の底面、内側面、仕切板1aの側面を接触しながら処理中の生ゴミを撹拌するので、処理中の生ゴミが分解槽1の底面、内側面、仕切板1aの側面にこびりついて、処理中の生ゴミが嫌気性となることを防止することができる。
撹拌羽根71で撹拌された処理中の生ゴミの一部は、撹拌羽根71の傾斜を乗り越えて、撹拌羽根72側に移動する。同様に撹拌羽根73で撹拌された処理中の生ゴミの一部は、仕切板1aに設けられた移動孔1bから、排出側分解槽26に移動する。排出側分解槽26に移動した処理中の生ゴミは、同様に排出口24側に導かれ、分解処理が完了した生成物は排出口24から排出される。処理槽1中に仕切板1aを設けたので、処理中の生ゴミが一度に排出口24側に移動することを防止し、処理が完了していない生ゴミが排出口24から排出されることを防止している。なお、排出口24は生ゴミ投入時から開いていてもよいが、生ゴミ投入時には排出口24は閉じられているが、タイマーで時間が経過すると(例えば生ゴミ投入時から24時間経過後)自動的に開く構造であってもよい。
分解槽1での生ゴミの分解を促進するために、分解槽1の底部付近には空気供給口30が設けられている。この空気供給口30は分解槽1の外部に設けられたポンプ(図示せず)から、分解槽1の外部に設けられた空気供給管32により空気が供給される。このように、空気配管32を分解槽1の外部に設けることとして、空気供給口30が分解槽1の内壁から突出していない構造としたので、撹拌羽根6の先端が分解槽1の内壁に接触しながら撹拌することとしても、空気供給口30や空気配管32が撹拌時の障害となることがない。なお、空気供給口30は図8のものでは、投入側分解槽25及び排出側分解槽26に1個ずつ、計2個設けられているが、この空気供給口30の個数は2個に限定されず、1個であっても2個以上であっても差し支えない。また、処理中の生ゴミが空気供給口30に詰まることを防止するために、分解槽1最底部に設けるのではなく、例えば最底部30度振った角度の位置に設けることが好ましい。
分解槽1の外面には、処理中の生ゴミの分解を促進するために、加熱手段を設け、この加熱手段を断熱材41で被覆している。この加熱手段は、例えば図9に示すように電熱線42を分解槽1の円筒部の外面に回転支軸2と平行に張設したものである。生ゴミと好気性微生物等を投入すると、自動的に加温手段に電源が投入され、分解槽1内がある一定の温度(例えば60℃)になると、自動的に加温手段の電源が遮断され、分解槽1内の温度が低下すると再び、加温手段に電源を投入して分解槽1内の温度を調節する。また、例えば生ゴミの水分量等の条件に応じて分解槽1内の温度設定を変化させることができる温度コントローラ(図示せず)が設けられていることが好ましい。前述したように、撹拌羽根6の先端と分解槽1の内面が接触しながら、処理中の生ゴミが分解槽1の内面にこびり付いて、加熱手段による分解槽1内への伝熱が阻害されることがない。
この生ゴミ処理装置の上部には、図10に示すように、排気ファン45、吸気口46、排気孔47が設けられている。この排気ファン45により、排気口47から分解槽1内の水蒸気を排気して、処理中の生ゴミを脱水・乾燥させる。なお、排気ファン45には排気管(図示せず)が接続し、この排気管を脱臭装置(図示せず)に接続させて、排気を脱臭することが好ましい。
以上に説明したように、本発明によれば、生ゴミを処理中に嫌気性領域の発生を防止して、悪臭の少ない生成物を、効率良く生成することができるバイオ式生ゴミ処理装置を提供することが可能となった。なお、豆腐製造後に生成されるおから(含水率80%)を本発明のバイオ式生ゴミ処理装置で処理すると、酵素の働きによりおからに含まれる有機分は水と二酸化炭素に分解され、生成物の含水率は約5%〜3.5%となり、酵素を使用しなかった場合と比べて含水率を少なくすることが可能となるので、腐敗することなく長期保存することが可能となる。また、嫌気性領域の発生を防止しながら、分解処理するので、悪臭のない生成物を産出することが可能となり、飼料に利用することができる。
なお、このバイオ式生ゴミ処理装置は、豆腐製造後に生成されるおからの処理に限定されず、野菜類・果物・穀物・麺類・貝類・肉・魚・牛や豚の骨・魚の骨・卵の殻・タマネギの皮・芝・汚泥・ゴルフ場の砂・茶殻・コーヒー粕・奈良漬けの粕を分解処理することができ、その他一般家庭で排出される生ゴミや事業系の生ゴミの分解処理をすることができるのは言うまでもない。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うバイオ式生ゴミ処理装置もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の実施形態を示す生ゴミ処理装置の正面断面図である。 本発明の実施形態を示す生ゴミ処理装置の上面断面図である。 本発明の実施形態を示す生ゴミ処理装置の側面断面図である。 撹拌羽根部の正面詳細図である。 撹拌羽根部の側面詳細図である。 払拭板の詳細図である。 バイオ式生ゴミ処理装置の説明図である。 分解槽の詳細図である。 本発明の実施の形態を示す生ゴミ処理装置の全体図である。 本発明の実施の形態を示す生ゴミ処理装置の全体上面図である。
符号の説明
1 分解槽
1a 仕切板
1b 移動孔
2 回転支軸
3 両端部分
4 角材
5 撹拌羽根支持材
6 撹拌羽根
8 取付部材
10 押さえ部材
11 ボルト
12 撹拌羽根支持材の先端部
13 撹拌羽根の取付部分
13a ネジ孔
14 ボルト
15 払拭板
16 押さえ板
17 ボルト
20 分解槽接触部
21 分解槽接触部の端部
22 分解槽接触部の端部
23 払拭板の基部
24 排出口
25 投入側分解槽
26 排出側分解槽
30 空気供給口
32 空気供給管
41 断熱材
42 伝熱線
45 排気ファン
46 吸気口
47 排気口
49 ジョイント
50 減速機
51 モータ
52 投入口
70 撹拌羽根
71 撹拌羽根
72 撹拌羽根
73 撹拌羽根
a 取付部材の長さ
b 取付部材間の長さ
c 回転支軸の中心から払拭板の先端までの長さ
d 分解槽内壁底部の曲率半径
e 払拭板の分解槽接触部の曲率半径
f 分解槽接触部の端部から払拭板の基部までの長さ
g 分解槽接触部の端部から払拭板の基部までの長さ

Claims (11)

  1. 断面が略U字形状の分解槽内に回転支軸を回転自在に横架し、複数の撹拌羽根支持材を前記回転支軸に垂直に設け、撹拌羽根を前記撹拌羽根支持材の先端に設け、前記分解槽内の生ゴミに微生物及び酵素の少なくとも一方を加えて、前記撹拌羽根により撹拌して、生ゴミを分解するバイオ式生ゴミ処理装置において、隣接する撹拌羽根の面が回転支軸に対し反対の向きに傾斜するように撹拌羽根を設けたことを特徴とするバイオ式生ゴミ処理装置。
  2. 撹拌羽根支持材の少なくとも先端の断面形状を円形状とし、撹拌羽根が撹拌羽根支持材の先端を握持する構造とし、撹拌羽根の回転支軸に対する傾斜角度を回転自在でかつ、撹拌羽根の回転支軸からの位置を調節自在な構造にしたことを特徴とする請求項1に記載のバイオ式生ゴミ装置。
  3. 撹拌羽根の面と回転支軸の傾斜角は35度から50度であることを特徴とする請求項1もしくは2のいずれかに記載のバイオ式生ゴミ装置。
  4. 隣接する撹拌羽根の軌跡の一部が重なるように、撹拌羽根を配置した構造を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバイオ式生ゴミ装置。
  5. 隣接する撹拌羽根を回転方向に対し90度ずつずらして配置した構造を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のバイオ式生ゴミ処理装置。
  6. 回転支軸の中心から撹拌羽根の先端の長さを分解槽の内壁底部の曲率半径とほぼ等しくして、撹拌羽根の先端が分解槽内壁に接触するようにし、撹拌羽根の少なくとも先端を弾性のある材質の払拭板で構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のバイオ式生ゴミ処理装置。
  7. 撹拌羽根の面が回転支軸に対して傾斜するように撹拌羽根を取り付けたときに、払拭板の分解槽接触部が分解槽の内面と吻合するように払拭板を形成したことを特徴とする請求項6に記載のバイオ式ゴミ処理装置。
  8. 払拭板の分解槽接触部の形状は、一定の曲率半径の円弧とし、かつ前記分解槽接触部の端部から払拭板基部までのそれぞれの長さを異なる長さとしたことを特徴とする請求項7に記載のバイオ式ゴミ処理装置。
  9. 分解槽内に仕切板を立設して、分解槽を2以上に区分けし、前記仕切板には処理中の生ゴミが、区分けされた分解槽間を移動する移動孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のバイオ式生ゴミ装置。
  10. 分解槽の外部に設けられた空気供給管により空気を供給する、空気供給口を分解槽の内側に設けたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のバイオ式生ゴミ装置。
  11. 分解槽の外面には断熱材及び加温手段の少なくとも一方が設けられている特徴とする
    請求項1乃至10のいずれかに記載のバイオ式生ゴミ装置。
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