JP2007273062A - 光ピックアップ装置及びそれを備えた光情報記録再生装置 - Google Patents

光ピックアップ装置及びそれを備えた光情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型化を実現しつつも対物レンズの設計において作動距離を確保した、DVDとCD及び次世代DVD等のように、互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置及びそれを備えた光情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置36の集光レンズ2は、非球面を少なくとも1面有するレンズであり、集光レンズ2と反射ミラー3aと収差補正素子4とは一体的に構成されており、集光レンズ2によって集光されて光ディスクで反射したレーザー光の戻り光が、集光レンズ2を通過した後、直接、反射ミラー3aに入射するように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光記録媒体上に光スポットを集光させて、光学的に情報信号を記録/再生する光ピックアップ装置及びそれを備えた光情報記録再生装置に関し、詳細には、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも、薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置に関するものである。
次世代DVDとして規格化されたBlu−rayディスクは、波長405nmの青紫レーザーとNA0.85の高NA対物レンズを使用し、DVDと同じ直径の光記録媒体(以下、光ディスクと記載する)に23〜27GBのデータを記録/再生する。また、対物レンズの高NA化に伴い、光ディスクの傾きによるコマ収差等の性能劣化が大きくなることを避けるため、光ディスクには0.1mmの薄いカバー(基板)層が採用されている。従って、保護層表面の傷が記録/再生特性に与える影響が大きくなる。そのため、対物レンズの設計において作動距離(以下、WDと記載する。)を確保することは、対物レンズが光ディスクとの干渉により保護層表面を傷つけることを防ぐために非常に重要となる。
WDを確保すべく、様々な技術が開発されつつある。その一つに特許文献1に開示された技術がある。図10は、特許文献1に開示された光ピックアップ装置100の構成を示す図である。光ピックアップ装置100は、図10に示すように、光源としての青紫色半導体レーザー111と、偏光ビームスプリッター112と、1/4波長板116、コリメータ113と、対物レンズ130と、フォーカシング/トラッキング用の2軸アクチュエータ119と、シリンドリカルレンズ117と、凹レンズ114と、光検出器115とを備えている。上記対物レンズ130は、青紫レーザー111側に配置されたプラスチック製の収差補正素子140と、光ディスク60側に配置されたガラス製の集光レンズ150とを接合部材180によって一体化されて構成されてなるものであり、収差補正素子140と集光レンズ150とを組み合わせてNA0.85に構成されている。そして、光ディスク60に対してフォーカシング動作やトラッキング動作を行う場合は、収差補正素子140と集光レンズ150とは一体で駆動される。
ところで、Blu−rayディスク以外のディスク系として、DVDやCDが知られているが、現在すでに普及しているDVDは、波長650nmの赤色レーザーとNA0.6〜0.65の対物レンズを使用し、光ディスクのカバー層の厚さは0.6mmに構成されている。また、同様に普及しているCDは、波長780nmの近赤外レーザーとNA0.45〜0.47の対物レンズを使用し、光ディスクのカバー層の厚さは1.2mmに構成されている。
そのため、一般的に、Blu−rayディスク用に最適設計された対物レンズを有する光ピックアップ装置を用いてDVDやCDの記録及び/または再生をしようとすると、波長や光ディスクの厚さの違いにより球面収差が発生するため、記録及び/または再生が困難となる。
このような問題を解決すべく、Blu−rayディスク、DVD、CDの互換対応が可能な光ピックアップ装置を実現するための様々な提案がなされている。ここで、図10に示した、Blu−rayディスク用に最適設計された対物レンズ130を有する光ピックアップ装置100に、上記したような互換性をもたせることを考えてみる。その場合、例えば、収差補正素子140について、Blu−rayディスク、DVDの互換対応が可能な光ピックアップ装置を実現するためには、赤色レーザーの光に対してのみ収差補正機能を有し、青紫レーザーの光に対しては平行平板と同様の振る舞いをするような構造(特性)を有するものを使用することが考えられる。これにより、Blu−rayディスク用に最適設計された対物レンズを有する光ピックアップ装置でDVDの記録/再生する(互換)ことが可能となる。
また、Blu−rayディスク、DVD、CDの互換対応が可能な光ピックアップ装置を実現するためには、DVD用赤色レーザー及び、CD用赤外レーザーの光に対して収差補正機能を有し、青紫レーザーの光に対しては平行平板と同様の振る舞いをするような構造(特性)を有するものを使用することが考えられる。これにより、Blu−rayディスク用に最適設計された対物レンズを有する光ピックアップ装置でDVDやCDの記録/再生する(互換)ことが可能となる。
特開2005−38481号公報(2005年2月10日公開)
しかしながら、特許文献1に開示された光ピックアップ装置の場合、次のような問題がある。それは、図10の光ピックアップ装置は、光路方向を偏向する例えば反射ミラーのような構成が含まれていないため、光ピックアップ装置を薄型化することができないという問題である。
ここで、図11を用いて、反射ミラーを配することによって薄型化を図った構成を説明する。図11は、反射ミラーを備えた光ピックアップ装置200の構成を示した図である。図11に示すように、光ピックアップ装置200においては、対物レンズ251より光源211側に反射ミラー230等を設置し光源からの光を折り曲げて対物レンズ251に向かう構成としている。このように構成することによって、反射ミラー230に対して光源211側の光学系240を光ピックアップ装置200の投影面積方向(図11に示すX−Y平面と平行な方向)に配置し、反射ミラー230を光軸に対し45°に構成すると反射ミラー230から対物レンズ251へ向かう光は光ピックアップ装置200の投影面積方向に対し垂直(図11に示すZ方向)に立ち上がる構成にすることができ、光ピックアップ装置200自体の薄型化が図れるとともに、それを備える光情報記録再生装置(図示せず)の薄型化も実現することができる。
なお、仮に、図10の光ピックアップ装置に反射ミラーを備えようとしても、収差補正素子140と集光レンズ150とが一体的に構成されているため、対物レンズ130は反射ミラーよりも光ディスク側に配設することになる。従って、対物レンズに収差補正素子140や位相輪帯素子141が含まれる分、反射ミラーから光ディスクまでの距離(厚さ)が長く(厚く)なり、薄型化を十分に達成することができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄型化を実現しつつも対物レンズの設計において作動距離を確保した、DVDとCD及び次世代DVD等のように、互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置及びそれを備えた光情報記録再生装置を提供するものである。
本発明に係る光ピックアップ装置は、上述した課題を解決するために、光源から出射されたレーザー光を記録媒体に集光するとともに、当該記録媒体で反射した当該レーザー光の戻り光が透過する集光レンズと、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するための偏向部材と、上記レーザー光の球面収差を補正するための光学素子と、上記戻り光を受光するための光検出器とを備えた光ピックアップ装置であって、上記集光レンズは、少なくとも非球面を1面有するレンズであり、上記集光レンズと偏向部材と光学素子とは一体的に構成されており、かつ、上記集光レンズに上記戻り光が入射して通過した後、直接、当該戻り光が上記偏向部材に入射するように構成されていることを特徴としている。具体的には、本発明に係る光ピックアップ装置は、上記集光レンズと偏向部材と光学素子とは、一体的に構成されて対物レンズを形成している。
上記の構成とすることにより、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも、薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
上述した従来の構成の光ピックアップ装置の場合、本発明に構成される偏向部材のように、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向する構成が含まれていないため、光ピックアップ装置の薄型化を実現するには制限があった。また、たとえ従来の構成の光ピックアップ装置に、本発明の偏向部材を装備させようとしても、従来は、収差補正素子(本発明に構成される光学素子に相当)と集光レンズ(本発明に構成される集光レンズに相当)とが一体的に構成されているため、上記偏向部材は、これらの構成部材よりも光源側に配設することになり、偏向部材から光ディスクまでの距離(厚さ)が長く(厚く)なり、薄型化を十分に達成することが困難である。これに対して本発明に係る光ピックアップ装置の構成によれば、上記集光レンズと偏向部材と光学素子とは一体的に構成されており、上記光情報記録媒体に反射したレーザー光の戻り光は、まず、上記集光レンズに入射し、当該集光レンズを通過した後、直接、上記偏向部材に入射するように構成されている。
これにより、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつ、従来の構成と比較して、上記偏向部材から光ディスクまでの距離を短くすることができる。そのため、光ピックアップ装置の薄型化を実現することができる。
また、本発明に構成される光学素子に、例えば、特定の波長に対しては平行平板(回折格子あるのにないと感じる)として振る舞い、他の波長に対しては(対物レンズが最適ではないにも関わらず)強烈な収差補償機能を呈するものを用いれば、Blu−rayディスク、DVDの互換対応が可能となる。また、Blu−rayディスク、DVD、CDの互換対応が可能となる。
以上のことから、上記の構成によれば、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも、薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、上記集光レンズと偏向部材と光学素子とが、保持部材に搭載されていることが好ましい。
保持部材に搭載されていることによって、集光レンズがフォーカシング動作で光ディスクの記録面に対し垂直な方向に移動制御される際においても、偏光部材及び光学素子が保持部材ごと光ディスクの記録面に対し垂直な方向に動作できるので、DVD、CDの収差補償機能を実現しながらフォーカシング動作が可能となり、信号を劣化しないDVD、CDの互換対応が可能となる。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、上記戻り光が、上記偏向部材に入射して通過した後で、上記光学素子を通過するように構成されていることが好ましい。
この構成とにより、偏向部材と光源間の距離を光学素子の厚さ分小さく構成できる。光ピックアップ装置の小型化を実現する。
また、上記の構成において、上記光学素子が上記偏向部材の表面に固定されていてもよい。
上記の構成とすることにより、偏向部材と光学素子とが離間されて配設されている光ピックアップ装置と比較して、偏向部材と光学素子との間の隙間がなくなるため、光ピックアップ装置の小型化を実現することができる。
また、光学素子の取り付けが精度良く実施でき、かつ取り付けが容易になる。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、上記光学素子が、球面収差を補正するとともに、当該レーザー光が入射してきた方向に反射させる反射型光学素子であり、さらに、上記反射型光学素子は、入射したレーザー光の偏光を異なる方向に回転するように構成されており、上記偏向部材は、或る特定の偏光方向を有する光を透過するとともに、当該特定の偏光方向とは異なる偏光方向を有する光の光路方向を偏向する構成となっており、上記光源から出射したレーザー光は、上記偏向部材を透過して上記反射型光学素子に入射した後、再度、当該偏向部材に入射し、光路方向を偏向されて上記集光レンズに入射するように構成されていることが好ましい。
上記の構成とすることにより、設計の自由度が向上する。
また、上記の構成において、上記反射型光学素子における上記レーザー光の入射面には、入射したレーザー光の偏光方向を当該方向とは異なる方向に偏光するための1/4λ波長板が設けられていることが好ましい。
上記の構成とすることにより、反射ミラーは偏光方向によって異なる機能を有する。集光レンズに入射する光量を有効利用できる。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、上記集光レンズと偏向部材と光学素子とを一体的に駆動して、上記集光レンズのフォーカス方向もしくは上記光情報記録媒体のラジアル方向に位置制御するための駆動手段を備えていることが好ましい。
保持部材に搭載されていることによって、集光レンズがフォーカシング動作で光ディスクの記録面に対し垂直な方向に移動制御される際においても、偏光部材及び光学素子が保持部材ごと光ディスクの記録面に対し垂直な方向に動作できるので、DVD、CDの収差補償機能を実現しながらフォーカシング動作が可能となり、信号を劣化しないDVD、CDの互換対応が可能となる。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、上記光学素子が、或る特定の波長に対しては平行平板として機能し、当該特定の波長を除く少なくとも1つの波長については収差を補正する構成となっていることが好ましい。具体的には、上記特定の波長の光とは、波長405nmの光であり、上記特定の波長を除く少なくとも1つの波長の光とは、波長650nmおよび/または780nmの光であることが好ましい。
上記の構成とすることにより、Blu−rayディスク、DVD、CDの互換対応が可能となる。
また、本発明に係る別の光ピックアップ装置(以下、第2の光ピックアップ装置と記載する)は、上述した課題を解決するために、光源から出射されたレーザー光を記録媒体に集光するとともに、当該記録媒体で反射した当該レーザー光の戻り光が透過する集光レンズと、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するための偏向部材と、上記戻り光を受光するための光検出器とを備えた光ピックアップ装置であって、上記集光レンズは、少なくとも非球面を1面有するレンズであり、上記偏向部材は、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するように構成された偏向面と、上記レーザー光の球面収差を補正するための収差補正面とを有しており、上記集光レンズと偏向部材とは一体的に構成されており、かつ、上記集光レンズに上記戻り光が入射して通過した後、直接、当該戻り光が上記偏向面に入射するように構成されていることを特徴としている。具体的には、上記集光レンズ及び偏向部材は、一体的に構成されて対物レンズを形成していることが好ましい。
上記の構成とすることにより、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも、薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
すなわち、本発明に係る光ピックアップ装置は、集光レンズとして、非球面を少なくとも1面有するレンズを用いている。これにより、対物レンズの設計において作動距離を十分確保することができる。すなわち、2群構成の対物レンズの場合では、入射した光の光束を2つのレンズのそれぞれで屈折させて光ディスクの情報記録面上に集光させるため、光ディスクに対向する光学面を通過する際のマージナル光線の光軸からの高さが小さくなり、対物レンズから光ディスクまでの距離(つまり作動距離)が短くなるので、対物レンズと光ディスクが干渉しやすくなるという問題がある。しかしながら、本発明に係る光ピックアップ装置は、屈曲単レンズを用いているため、上記した問題が生じることなく、作動距離を十分確保することができる。
また、上述した従来の構成の光ピックアップ装置の場合、本発明に構成される偏向部材のように、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向する構成が含まれていないため、光ピックアップ装置の薄型化を実現するには制限があった。また、たとえ従来の構成の光ピックアップ装置に、本発明の偏向部材を装備させようとしても、従来は、収差補正素子(本発明に構成される光学素子に相当)と集光レンズ(本発明に構成される集光レンズに相当)とが一体的に構成されているため、上記偏向部材は、これらの構成部材よりも光源側に配設することになり、偏向部材から光ディスクまでの距離(厚さ)が長く(厚く)なり、薄型化を十分に達成することが困難である。これに対して本発明に係る光ピックアップ装置の構成によれば、上記集光レンズと偏向部材とは一体的に構成されており、上記偏向部材は、上記レーザー光およびその戻り光の光路方向を偏向するように構成された偏向面と、上記レーザー光の球面収差を補正するための収差補正面とを有しており、上記光情報記録媒体に反射したレーザー光の戻り光は、まず、上記集光レンズに入射し、当該集光レンズを通過した後、直接、上記偏向面に入射するように構成されている。
これにより、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつ、従来の構成と比較して、上記偏向部材(具体的には、偏向部材の偏向面)から光ディスクまでの距離を短くすることができる。そのため、光ピックアップ装置の薄型化を実現することができる。
さらに、上記の構成によれば、上記出射光および上記戻り光の光路方向を偏向するように構成された偏向面を有する上記偏向部材に収差補正面を有している。具体的には、当該収差補正面は、偏向部材における、光源から出射したレーザー光が入射する入射面に形成され、例えば、エッチング等で形成することができる。このように、偏向部材に直接収差補正面を形成することによって、偏向部材とは別体で収差補正素子を設けた構成と比較して、収差補正素子(収差補正面)の配置に関する精度をより一層向上させることができる。
また、上記のように、偏向部材に収差補正面を形成していることによって、収差補正素子を専用の光学基板上に形成して別途設ける必要がない。よって、光学基板を設ける必要がなくなり、光ピックアップ装置の小型化を実現することができる。
また、本発明の偏向部材に構成される収差補正面として、例えば、特定の波長に対しては平行平板(回折格子あるのにないと感じる)として振る舞い、他の波長に対しては(対物レンズが最適ではないにも関わらず)強烈な収差補償機能を呈するものを用いれば、Blu−rayディスク、DVDの互換対応が可能となる。また、Blu−rayディスク、DVD、CDの互換対応が可能となる。
以上のことから、上記の構成によれば、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも、薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
また、本発明に係る第2の光ピックアップ装置は、上記集光レンズと偏向部材とが、保持部材に搭載されていることが好ましい。
保持部材に搭載されていることによって、集光レンズがフォーカシング動作で光ディスクの記録面に対し垂直な方向に移動制御される際においても、偏光部材及び光学素子が保持部材ごと光ディスクの記録面に対し垂直な方向に動作できるので、DVD、CDの収差補償機能を実現しながらフォーカシング動作が可能となり、信号を劣化しないDVD、CDの互換対応が可能となる。
また、本発明に係る第2の光ピックアップ装置は、上記戻り光が、上記偏向面に入射して通過した後で、上記収差補正面を透過するように構成されていることが好ましい。
上記の構成とすることにより、収差補償素子を偏向部材より光源側に配置できるので、薄型化を促進することができる。
また、本発明に係る第2の光ピックアップ装置は、上記集光レンズと偏向部材とを一体的に駆動して、上記集光レンズのフォーカス方向もしくは上記光情報記録媒体のラジアル方向に位置制御するための駆動手段を備えていることが好ましい。
保持部材に搭載されていることによって、集光レンズがフォーカシング動作で光ディスクの記録面に対し垂直な方向に移動制御される際においても、偏光部材及び光学素子が保持部材ごと光ディスクの記録面に対し垂直な方向に動作できるので、DVD、CDの収差補償機能を実現しながらフォーカシング動作が可能となり、信号を劣化しないDVD、CDの互換対応が可能となる。
また、本発明に係る第2の光ピックアップ装置は、上記収差補正面が、或る特定の波長の光に対しては平行平板として機能し、当該特定の波長を除く少なくとも1つの波長の光については収差を補正する構成となっていることが好ましい。具体的には、上記特定の波長の光とは、波長405nmの光であり、上記特定の波長を除く少なくとも1つの波長の光とは、波長650nmおよび780nmの何れか一方の光であることが好ましい。
上記の構成とすることにより、Blu−rayディスク、DVD、CDの互換対応が可能となる。
また、本発明に係る光情報記録再生装置は、上記した光ピックアップ装置または第2の光ピックアップ装置を備えていることを特徴としている。
上記の構成とすることにより、上記光ピックアップ装置及び第2の光ピックアップ装置において、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも、薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置を提供することができることから、当該光ピックアップ装置を備えた本発明に係る光情報記録再生装置についても、従来と比較して、より一層薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光情報記録再生装置を提供することができる。
本発明に係る光ピックアップ装置は、以上のように、光源から出射されたレーザー光を記録媒体に集光するとともに、当該記録媒体で反射した当該レーザー光の戻り光が透過する集光レンズと、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するための偏向部材と、上記レーザー光の球面収差を補正するための光学素子と、上記戻り光を受光するための光検出器とを備えた光ピックアップ装置であって、上記集光レンズは、少なくとも非球面を1面有するレンズであり、上記集光レンズと偏向部材と光学素子とは一体的に構成されており、かつ、上記集光レンズに上記戻り光が入射して通過した後、直接、当該戻り光が上記偏向部材に入射するように構成されていることを特徴としている。また、本発明に係る別の光ピックアップ装置は、以上のように、光源から出射されたレーザー光を記録媒体に集光するとともに、当該記録媒体で反射した当該レーザー光の戻り光が透過する集光レンズと、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するための偏向部材と、上記戻り光を受光するための光検出器とを備えた光ピックアップ装置であって、上記集光レンズは、非球面を少なくとも1面有するレンズであり、上記偏向部材は、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するように構成された偏向面と、上記レーザー光の球面収差を補正するための収差補正面とを有しており、上記集光レンズと偏向部材とは一体的に構成されており、かつ、上記集光レンズに上記戻り光が入射して通過した後、直接、当該戻り光が上記偏向面に入射するように構成されていることを特徴としている。
以上の構成とすれば、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも、薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
そして、本発明に係る光情報記録再生装置は、以上のように、上記した光ピックアップ装置を備えていることを特徴としている。
これにより、従来と比較して、より一層薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光情報記録再生装置を提供することができる。
〔実施の形態1〕
本発明に係る光ピックアップ装置、及びそれを備えた光ディスク再生装置についての一実施形態を説明する。
なお、以下の説明では、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲が、以下の実施形態および図面に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態である光ディスク再生装置の構成を示したブロック図である。図1に示す光ディスク再生装置(光ディスク記録再生装置)30は、光ディスク(記録媒体)を再生、または再生・記録する装置として用いることができる。そのため、本実施形態における光ディスク再生装置30は、図1に示すように、ターンテーブル31と、スピンドルモーター32と、ドライブ回路33と、サーボ回路34と、コントローラー(駆動手段)35と、光ピックアップ装置36aとを備えている。
上記ターンテーブル31は、図1に示すように、光ディスク60を載置することができるように構成されており、上記スピンドルモーター32に接続されている。
上記スピンドルモーター32は、ターンテーブル31と接続しており、回転することによって、ターンテーブル31上の光ディスク60を回転させるように構成されている。
そして、スピンドルモーター32や光ピックアップ装置1に接続されて、これらの動作の制御を行うための構成として、上記ドライブ回路33とサーボ回路34とコントローラー35とが設けられている。
上記ドライブ回路33は、図1に示すように、スピンドルモーター32に接続しており、スピンドルモーター32を回転駆動するように構成されている。上記サーボ回路34は、ドライブ回路33を介してスピンドルモーター32を制御し、スピンドルモーター32の回転を制御するように構成されている。さらに、サーボ回路34は、光ピックアップ装置36aの出力するサーボ信号にしたがって、レーザー光を光ディスク60に収束させたり、コントローラー35の制御によって、ドライブ回路33を介してスピンドルモーター32を制御し、光ピックアップ装置36aを光ディスク60の内周方向または外周方向へ移動させる。コントローラー35については、詳細は後述する。
上記光ピックアップ装置36aは、図1に示すように、スピンドルモーター32によってターンテーブル31とともに回転する光ディスク60に対してレーザー光を照射するとともに、光ディスク60で反射した当該レーザー光の戻り光に基づいて、光ディスク60に記録された情報を再生するための再生データを生成する機能を有している。
次に、図2を用いて上記光ピックアップ装置36aの構成について詳述する。
図2は、上記光ピックアップ装置36aの構成を示した平面図である。なお、図2に示した光ピックアップ装置36aは、点線Lより紙面右側が、座標軸Aでその座標軸が定義されており、点線Lより紙面左側が、座標軸Bでその座標軸が定義されることとする。
本発明に係る光ピックアップ装置36aは、図2に示すように、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源(光源)1と、集光レンズ2と、反射ミラー(偏向部材)3aと、収差補正素子(光学素子)4と、Blu−rayディスク用光検出器(光検出器)12とを少なくとも備えている。
上記Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1は、Blu−rayディスク6に対してレーザー光を照射するものである。Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1は、波長405nmのレーザー光を出射するように構成されている。
上記集光レンズ2は、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1から出射したレーザー光を光ディスク6に集光するために最適化された構成となっている。集光レンズ2は、非球面を少なくとも1面有するレンズから構成されている。また、集光レンズ2の光軸は、座標軸AのZ方向に平行となっている。
上記反射ミラー3aは、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1から出射したレーザー光およびその戻り光の光路方向を変える(偏向する)ために設けられている。具体的には、反射ミラー3aは、座標軸AのX方向を反射ミラー3a自身の面内に有し、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1からの光軸(座標軸A、BのY方向)に対して45°傾斜して設置される。なお、本実施形態では、ミラーを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、光の光路方向を偏向することができる構成であれば特に制限はない。従って、後述する実施形態4のように偏光ビームスプリッター面を備えた構成や回折格子で構成される偏向部材であってもよい。
上記収差補正素子4は、Blu−rayディスク6の基板(透明の保護層、透明基板)の厚さ誤差に起因する球面収差を補正するために設けられている。
収差補正素子4は、その光軸(法線)が図2に示す座標軸AのY方向に平行となるように、且つ集光レンズ2の光軸と直交するように配設されている。
ところで、本実施形態における光ディスク再生装置30に設けられた光ピックアップ装置36aは、Blu−rayディスク6と、DVD6’との互換を可能とする光ピックアップ装置である。そのため、光ピックアップ装置36aには、図2に示すように、Blu−rayディスク6用のBlu−rayディスク用半導体レーザー光源1に加えて、DVDに対応した波長650nmのレーザー光を出射するDVD用半導体レーザー光源(光源)28も備えている。
そこで、上記収差補正素子4は、Blu−rayディスク用の405nmのレーザー光に対しては波面を変換せず透過し、DVD用の波長650nmのレーザー光に対しては波面を変換して収差補正を行う構成となっている。詳細は後述する。
また、本実施形態における光ピックアップ装置36aには、上記した集光レンズ2と反射ミラー3aと収差補正素子4とが、保持部材5によって保持されて一体となっており、集光レンズ2と反射ミラー3aと収差補正素子4と保持部材5とで対物レンズ8aを構成している。
具体的には、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1から出射したレーザー光は、発散角変換レンズ13と、ダイクロイック光学素子7とをこの順で透過して1/4波長板15で円偏光になった後、まず、対物レンズ8aの収差補正素子4を通過する。収差補正素子4を通過したレーザー光は、次に、反射ミラー3aによって光路を折り曲げられた後、集光レンズ2に入射し、光ディスク6上に集光される。また、光ディスク6からの当該レーザー光の戻り光は、集光レンズ2を透過した後、反射ミラー3に入射して光路を折り曲げられ、次に、収差補正素子4を通過して、上述の光学部品を逆にたどり、光集積ユニット16に設置された偏光ビームスプリッター11で反射され、Blu−rayディスク用光検出器12に受光される。
このように、本実施形態における対物レンズ8aでは、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1から出射したレーザー光が、収差補正素子4、反射ミラー3a、集光レンズ2の順で通過するように配設されており、反射ミラー3aによって光路方向が偏向されたレーザー光が直接集光レンズ2に入射し、上記集光レンズ2によって集光されて光ディスク6で反射したレーザー光の戻り光が、直接、反射ミラー3aに入射するように構成されている。
なお、本実施形態では、保持部材5を用いて、集光レンズ2と反射ミラー3と収差補正素子4とが一体化された構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、集光レンズ2と反射ミラー3と収差補正素子4とが一体となって上記コントローラー35によって駆動できる構成であれば、特に制限はない。従って、例えば、反射ミラー3の構造の一部に集光レンズ2及び収差補正素子4が固定されることによって一体化しているような構成であってもよい。このように構成すれば、部品点数を低減させることができる。
以下に、光ピックアップ装置36aのより詳細な構成とともに、光ピックアップ装置36aで行われる処理動作を説明する。
図2の16は、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1と、信号検出用のBlu−rayディスク用光検出器12と、光ディスク6からの戻り光をBlu−rayディスク用光検出器12に導くビームスプリッター11とを少なくとも備えている光集積ユニットである。
図2の13は、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1から出射したレーザー光の発散角を変換する発散角変換レンズであり、汎用的にはBlu−rayディスク用半導体レーザー光源1からのレーザー光を平行光にするコリメートレンズが用いられることが多い。発散角変換レンズ13は、レンズ駆動ユニット14に搭載され、図2に示す座標軸BのY方向に駆動され、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1から出射したレーザー光の発散角を平行光や平行光よりわずかに収束した収斂光、平行光よりわずかに発散した発散光に変換する。
レンズ駆動ユニット14は、上記発散角変換レンズ13を座標軸BのY方向に駆動することによってBlu−rayディスク用半導体レーザー光源1から出射したレーザー光の発散角を平行光や平行光よりわずかに収束した収斂光、平行光よりわずかに発散した発散光に変換することで、光ディスク6の厚み誤差により発生する球面収差を補正するために利用される。
図2の7は、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1からのレーザー光(波長405nm)を透過し、DVD用半導体レーザー光源28からのレーザー光(波長650nm)を反射し、上記透過後と上記反射後の光線の光軸を一致させるように構成されたダイクロイック光学素子である。ダイクロイック光学素子7を透過したBlu−rayディスク用半導体レーザー光源1から出射したレーザー光は、1/4λ波長板15で円偏光になり、対物レンズ8a内の収差補正素子4を透過する。
そして、図2の28が、上記したように、DVD用半導体レーザー光源であり、DVD用レーザーチップ20を搭載している。DVD用半導体レーザー光源28を出射したレーザー光(以下、このレーザー光をDVD用レーザー光、もしくは赤色レーザー光と記載する)は、光路上に設けられたトラッキング用サブビーム生成のための回折格子21に入射する。
赤色レーザー光用偏光回折格子21は、DVD用レーザー光からトラッキングに用いる3ビームを生成するためのものである。
なお、赤色レーザー光用偏光回折格子21はサブビームのプシュプル信号の発生を抑制した位相シフト型偏光回折格子であっても構わない。
上記赤色レーザー光用偏光回折格子21では、DVD用レーザー光が入射すると、0次回折光とともに、サブビーム(±1次回折光)を生成する。そして、0次回折光なるメインビーム、及び2つのサブビームとなったDVD用レーザー光は、偏光ビームスプリッター23で反射され、DVD用発散角変換レンズ24(多くの場合コリメートレンズを利用する)で平行光に変換された後、上記ダイクロイック光学素子7に向かう。
ダイクロイック光学素子7では、DVD用レーザー光は反射され、さらに、1/4λ波長板15で略円偏光になった後、対物レンズ8aに向かう。対物レンズ8a内では、まず収差補正素子4を透過する。
ここで、収差補正素子4に設けられた輪帯状段差によって発生する光路差は約0.6λとなる。そのため、光路差が波長の整数倍にならない。すなわち、収差補正素子4は、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1aからの波長405nmのレーザー光に対して波長の整数倍の光路差が発生するように形成されており、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1からのレーザー光に対しては、平行平板と同様の振る舞いをする一方、DVD用レーザー光である650nmの光に対して波面収差を生じさせる構成となっている。波長650nmのレーザー光で発生する収差形状は、輪帯の半径を変えることにより制御することができる。
このように輪帯状段差の半径をそれぞれ最適化すれば、集光レンズ2単体で発生する球面収差と収差補正素子4で生ずる波面収差を組み合わせた場合には、収差補正素子4の全領域の波面がBlu−rayディスクの場合と同様に波長の整数倍に位置するようになる。これによってBlu−rayディスク用に最適化された集光レンズ2でDVDを記録再生する際に発生する球面収差を補正することが可能となる。これにより、互換特性に優れた光ピックアップ装置が実現できる。
そして、光ディスク6からの戻り光は、上述したように、対物レンズ8aの集光レンズ2、反射ミラー3a、収差補正素子4をこの順で通過する。対物レンズ8aを通過した戻り光は、図2に示した1/4λ波長板15で偏光が回転することにより、往路の直線偏光に対して略90°回転した直線偏光となる。上記戻り光はさらにダイクロイック光学素子7で反射し、発散角変換レンズ24を透過し、偏光ビームスプリッター23を透過し、非点収差生成用のシリンドリカルレンズ25を透過し、DVD用光検出器26で信号検出される。
本実施形態における収差補正素子4について、図3(a)を用いてさらに説明する。図3(a)は、図2に示した、保持部材5によって保持されて一体となった集光レンズ2と反射ミラー3aと収差補正素子4の構成を詳細に示した拡大部分平面図である。収差補正素子4は、上記405nmの光に対する第1の有効領域と650nmの光に対する第2の有効領域とを有しており、上記第1の有効領域の半径はD1、上記第2の有効領域の半径はD2で示され、ここではD1=3mm、D2=2.2mmである。半径D2で示される第2の有効領域内には、段差dなる、断面が階段状で、光軸方向からみた形状が輪帯状なる段差部4bが形成されている。半径D1で示される第1の有効領域内には上記段差部4bとその外周に平面部4aが形成されている。
なお、当該特性を与える段差形状は、上記のように平行平板から突出した凸型の段差であってもよく、逆に、当該特性を与えれば、図3(b)に示すように窪みを形成した凹型の段差であっても構わない。これらは、製造技術等を考慮し適宜選択される。
このように、本発明に係る光ディスク再生装置30は、上述した構成を有する光ピックアップ装置36aを備えていることにより、Blu−rayディスクとDVDとの互換特性に優れた光ディスクの記録再生を実現することができる。すなわち、本発明に係る光ディスク再生装置30を用いれば、Blu−rayディスクの再生(及び記録)用に最適化された構成部材を用いていても、DVDの再生(及び記録)を行うことができる。
次に、本実施形態における光ピックアップ装置36aの対物レンズ8aの作動距離について、図4(a)・(b)を用いて説明する。
なお、対物レンズ8aの作動距離を説明するにあたって、特許文献1において開示された集光レンズ及び収差補正素子から構成される対物レンズを備え、さらに対物レンズの光源側に反射ミラーを備えたものを比較構成として用いて説明する。すなわち、図4(a)は、本実施形態における対物レンズ8aを示し、図4(b)は、集光レンズ及び収差補正素子から構成される対物レンズを備えた、比較対物レンズの構成を示している。なお、図4(a)・(b)においては、両者の作動距離を精度よく比較するために、対物レンズ、光ディスク、反射ミラー、及び収差補正素子の厚さや幅等の寸法は共通化している。
図4(a)・(b)共、斜線で示した41は、光ピックアップ装置のハウジングを示し、点線で示した42は、上記ハウジング41の部品設置面位置42を示している。図4(a)・(b)で光ピックアップ高さの差を比較するために、便宜上、部品設置面位置42は、図に示す座標軸AのZ方向において同じ高さで記載している。また、図4(a)・(b)中の121は、光ディスク60の情報記録層を示しており、122は、光ディスク60の光透過層を示している。
図4(a)では、上述したように収差補正素子4は、その光軸が座標軸AのY軸と平行になるように配置され、これに隣接して反射ミラー3aが配設され、さらに、反射ミラー3aの図面上部に集光レンズ2が配置され、少なくともこれら3点の構成部材は、保持部材5で一体に保持されている。Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1aからのレーザー光は、図4(a)の矢印の方向から対物レンズ8aに入射して、光ディスク60の情報記録面61に集光される。ここで、対物レンズ8aは、収差補正素子4と反射ミラー3aと集光レンズ2とを一体にしてコントローラー35(図1)で駆動される。少なくとも対物レンズ8aは、フォーカシング動作を実行するために、ハウジング41の部品設置面位置42から隙間距離Dほど離した距離に標準的に配置される。また、対物レンズ8aの上面部分を示す位置44から作動距離(WD)を離した距離に光ディスク60の下部が有るように標準的に配置される。フォーカシング動作の際は、座標軸AのZ軸方向(双方向)に対物レンズ8aが一体で動作するよう制御される。トラッキング動作の際は、座標軸AのX軸方向(双方向)に動作するよう制御される。
一方、図4(b)に示す従来技術の対物レンズを用いた光ピックアップ装置では、集光レンズ150及び収差補正素子140が接合部材180によって一体的に保持されて対物レンズ130を構成している。ここで、少なくとも対物レンズ130は、フォーカシング動作を実行するために、対物レンズ130はその底部が反射ミラー3aの角部34の位置から隙間距離Dほど離した距離に標準的に配置される。また、対物レンズ130の上面部分を示す位置44からは作動距離(WD)ほど離れた距離に光ディスクの下部が有るように標準的に配置される。反射ミラー3aは、ハウジング41の部品設置面位置42に固定して設置される。フォーカシング動作の際は、座標軸AのZ軸方向(双方向)に対物レンズ180が一体で動作するよう制御される。トラッキング動作の際は、座標軸AのX軸方向(双方向)に対物レンズ180が一体で動作するよう制御される。
図4(a)・(b)から、本実施形態の構成による光ピックアップ装置36の厚さと、比較構成の光ピックアップ装置の厚さを比較すると、比較構成の対物レンズ130を備えた光ピックアップ装置の方が、少なくとも収差補正素子4もしくは140の厚さ分(図中の△Z)だけ厚く構成されることがわかる。
すなわち、本発明のように、収差補正素子4と反射ミラー3aと集光レンズ2とが、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1aから光ディスク60までのレーザー光の光軸上に、当該光源側から収差補正素子4、反射ミラー3a、集光レンズ2の順に配置されるように一体化されていることにより、収差補正素子及び集光レンズのみが一体化した構成と比較して、作動距離を十分確保しつつ、薄型化を図ることができる。
以上のように、本発明によれば、集光レンズ2は、非球面を少なくとも1面有するレンズであり、上記集光レンズ2と反射ミラー3aと収差補正素子4’とは一体的に構成されており、反射ミラー3aと収差補正素子4’とは、集光レンズ2よりも光源側に設けられており、反射ミラー3aによって光路方向が偏向されたレーザー光が、直接、集光レンズ2に入射し、集光レンズ2によって集光されて光ディスクで反射したレーザー光の戻り光が、集光レンズ2を通過した後、直接、反射ミラー3aに入射するように構成されていることを特徴としていることから、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも薄型化を実現した、DVDとBlu−rayディスクのように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
また、集光レンズ及び収差補正素子のみを一体化した従来の光ピックアップ装置の場合では、反射ミラーが含まれていないため、光ピックアップ装置の薄型化を実現するには制限があった。また、たとえ従来の構成に反射ミラーを装備させようとしても、反射ミラーは、集光レンズと収差補正素子とが一体化した構成部材よりも光源側に配設することになり、反射ミラーから光ディスクまでの距離があまり短くならないので、薄型化を十分達成することは困難であった。これに対して本発明の構成によれば、上記のように、光源側から、収差補正素子4’、反射ミラー3a、集光レンズ2がこの順で一体的に構成されていることから、従来の構成と比較して、反射ミラー3aから光ディスク60までの距離を短くすることができる。よって、光ピックアップ装置36を十分薄型化することができる。
さらに、本実施形態における収差補正素子4は、波長405nmの光に対しては平行平板(回折格子が形成されてはいるが波長405nmの光に対しては収差補正が起こらない構成)として振る舞い、波長650nm(DVD用レーザー光の波長)の光に対しては(集光レンズがDVDに対して最適ではないにも関わらず)強烈な収差補正機能を呈するものを用いているため、Blu−rayディスクとDVDとの互換対応が可能となる。
なお、本実施形態では、図2及び図3(a)に示したように、反射ミラー3aと収差補正素子4とが離間されて配設されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図5に示すような構成であってもよい。図5は、本発明の光ピックアップ装置における、別の対物レンズの構成を示した平面図である。
図5に示す対物レンズ8a’では、反射ミラー3a’がキュービック状のプリズムで構成されており、収差補正素子4’’が当該反射ミラー3a’の光源側の表面に貼り付けて設置されている。このような構成にすることにより、対物レンズ8a’内での収差補正素子4’’の取り付けが精度良く実施でき、かつ取り付けが容易になる。また、収差補正素子と反射ミラーとの間の隙間がなくなるため、光ピックアップ装置の、図中座標軸AのY軸方向の寸法が短縮され、光ピックアップ装置の小型化を実現することができる。なお、この構成は、他の実施形態においても適用できる。
〔実施の形態2〕
本発明に係る光ピックアップ装置の他の実施の形態について、図6に基づき説明する。
上記した実施形態1では、Blu−rayディスクとDVDとの互換が可能な光ピックアップ装置について説明した。これに対して、本実施形態は、Blu−rayディスクとDVDとともに、CDとの互換も可能な光ピックアップ装置について説明する。
すなわち、本実施形態の光ピックアップ装置36bでは、DVD用半導体レーザー光源1bが、DVD用の波長650nmのレーザー光を出射するDVD用レーザーチップ51と、CD用の波長780nmのレーザー光を出射するCD用レーザチップ52とを搭載した2波長半導体レーザー光源となっている。
上記レーザーチップ51及びレーザーチップ52は、110ミクロンの間隔で設置される。そのため、両者の主光線の光軸間隔は110ミクロン離れている。通常、トラックピッチの狭いDVD用のレーザー光の光軸を光学素子の中心に配置し、トラックピッチの広いCD用のレーザー光の光軸を光学素子の中心から110ミクロンずらして配置される。
そして、本実施形態における光ピックアップ装置36bでは、DVD用のトラッキング用サブビーム生成用の赤色レーザー光用偏光回折格子21と、CD用のトラッキング用サブビーム生成用の赤外レーザー光用偏光回折格子22とを備えている。
上記赤色レーザー光用偏光回折格子21は、DVD用レーザー光からトラッキングに用いる3ビームを生成するためのものであり、後述するCD用レーザー光である赤外レーザー光に対しては回折光を生成しない構成となっている。
また、上記赤外レーザー光用偏光回折格子22は、CD用レーザー光からトラッキングに用いる3ビームを生成するためのものであり、DVD用レーザー光である赤色レーザー光に対しては回折光を生成しない構成となっている。
なお、赤色レーザー光用偏光回折格子21と、赤外レーザー光用偏光回折格子22との両方、またはどちらか一方はサブビームのプシュプル信号の発生を抑制した位相シフト型偏光回折格子であっても構わない。
また、赤色レーザー光用偏光回折格子21と赤外レーザー光用偏光回折格子22とは、図6に示すように回折格子群20として一体形成することができる。
回折格子群20では、DVD用レーザー光が入射すると、0次回折光とともに、サブビーム(±1次回折光)を生成する。そして、0次回折光なるメインビーム、及び2つのサブビームとなったDVDまたはCD用レーザー光は、偏光ビームスプリッター23に入射する。
上記偏光ビームスプリッター23や上記ダイクロイック光学素子7の偏光膜特性は405nmを高効率で透過し、650nm、780nmをそれぞれ高効率で反射するよう適宜設計されている。そのため、偏光ビームスプリッター23に入射したメインビーム、及び2つのサブビームとなったDVDまたはCD用レーザー光は、偏光ビームスプリッター23で反射され、DVD/CD用発散角変換レンズ24で平行光に変換された後、上記ダイクロイック光学素子7に向かう。
ダイクロイック光学素子7では、DVDまたはCD用レーザー光は反射され、さらに、1/4λ波長板15で略円偏光になった後、対物レンズ8bに向かう。対物レンズ8b内では、まず収差補正素子4’を透過する。
本実施形態は、Blu−rayディスク用の波長405nmのレーザー光、DVD用の波長650nmのレーザー光、CD用の波長780nmのレーザー光の3波長のレーザー光を用いるため、収差補正素子4’の構成は、実施形態1と類似しているが異なる段差が形成する必要がある。すなわち、Blu−rayディスク用の波長405nmのレーザー光に対しては平行平板のように挙動させるために、段差は有効系の前面に略1λもしくは略2λの光路差を与える構成になっている。この場合、DVD用の波長650nmのレーザー光に対しては略0.6λ、もしくは略1.2λの光路差を与える、CD用の波長780nmのレーザー光に対しては略0.5もしくは1.0λの光路差を与える段差構成になっている。段差の形成領域は、有効系の全域に対して形成しており、波長405nmに対しては略全域を有効系とし、波長650nm、780nmとなるにつれ有効系が小さくなる構成である。
このように輪帯状段差の半径、段差、通過する各波長の有効系をそれぞれ最適化すれば、Blu−rayディスク用に最適化された集光レンズ2でDVD、CDを記録再生する際に発生する球面収差を補正することが可能となる。これにより、互換特性にすぐれた光ピックアップ装置が実現できる。
収差補正素子4’によって波面収差が生じたDVD用レーザー光は、反射ミラー3aで集光レンズ2の方向に光路を変えて、集光レンズ2によって光ディスク60(DVD)上に集光される。
光ディスク60(DVD)で反射した戻り光は、集光レンズ2、反射ミラー3a、収差補正素子4’をこの順で透過し、対物レンズ8bから出射する。そして、対物レンズ8bから出射した戻り光は、1/4λ波長板15を透過し、ダイクロイック光学素子7で反射し、DVD/CD用発散角変換レンズ24を透過し、偏光ビームスプリッター23で反射し、回折格子群20を透過した後、DVD用光検出器12bに入射する。
DVD用光検出器12bには、DVDの再生を行う構成を備えるとともに、CDの再生を行うようにも構成されている。そのため、DVD用光検出器12bでは、CD用の戻り光が受光可能なように、CDの光軸を補正する必要がある。そこで、本実施形態では光軸補正用光学部材27を備えている。
なお、本実施形態における光軸補正用光学部材27は、(偏光)回折格子・(偏光)ホログラムを有しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通の光検出器において光軸の異なるレーザー光を正確に受光できるように補正することができる構成であればよい。
このように、本発明に係る光ディスク再生装置30は、上述した構成を有する光ピックアップ装置36bを備えていることにより、Blu−rayディスクとDVDとCDとの互換特性に優れた光ディスクの記録再生を実現することができる。すなわち、本発明に係る光ディスク再生装置30を用いれば、Blu−rayディスクの再生(及び記録)用に最適化された構成部材を用いていても、DVDの再生(及び記録)を行うことができ、また、CDの再生(及び記録)を行うこともできる。
〔実施の形態3〕
本発明にかかる他の実施の形態について、図7に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施の形態では、上記実施の形態2との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施の形態2で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態の光ピックアップ装置の対物レンズ8cの構成を示した平面図である。上記実施の形態1にて説明した光ピックアップ装置の対物レンズは、図3(a)に示したように反射ミラー3aと収差補正素子4とは各々独立した構成部材として配設されている。これに対して、本実施形態の光ピックアップ装置の対物レンズは、図7に示すように、反射ミラー素子(偏向部材)3bの一表面に、収差補正面4’’が形成されている。
上記収差補正面4’’は、反射ミラー素子3bにおける光源側の面、すなわち、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1a(もしくはDVD用半導体レーザー光源1b)から出射したレーザー光が反射ミラー素子3bに入射する際の入射面に形成されており、例えば、エッチング等で形成することができる。
すなわち、本実施形態における光ピックアップ装置では、図2に示したBlu−rayディスク用半導体レーザー光源1a(もしくはDVD用半導体レーザー光源1b)から出射したレーザー光が、対物レンズ8cに入射する際、まず、反射ミラー素子3bの収差補正面4’’に入射する。次に、収差補正面4’’を通過したレーザー光は、反射ミラー素子3bのミラー面(偏向面)3b’に入射して、その光路方向を偏向し、次に、集光レンズ2に入射するように構成されていれている。そして、光ディスク60で反射した当該レーザー光の戻り光は、集光レンズ2を透過した後、直接、反射ミラー素子3bのミラー面3b’に入射して、その光路方向を偏向し、収差補正面4’’を通過して対物レンズ8cから出射するように構成されている。
このように、本実施形態における光ピックアップ装置によれば、反射ミラー素子3bにおけるレーザー光入射面に収差補正機能を行う領域を直接形成することによって、上記実施形態2のように反射ミラーとは別体で収差補正素子を設けた構成と比較して、収差補正素子(収差補正面)の配置に関する精度をより一層向上させることができる。
また、上記実施形態2の収差補正素子4’のように、専用の光学基板上に形成する構成ではないため、光学基板を設ける必要がなくなり、光ピックアップ装置の、図中座標軸AのY軸方向の寸法のさらなる短縮が図れ、光ピックアップ装置の小型化を実現することができる。
なお、本実施形態において説明した構成は、実施形態1においても適用できる。
〔実施の形態4〕
本発明にかかる他の実施の形態について、図8に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施の形態では、上記実施の形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
図8は、本実施形態における光ピックアップ装置の対物レンズ8dの構成について示した平面図である。なお、図8では、対物レンズ8dの作動距離についても説明するため、上記実施形態2の図4(a)に示した構成と同じく、ハウジング41等の構成も併せて示している。
本実施形態における対物レンズ8dは、図8に示すように、集光レンズ2と、反射ミラー3cと、反射型収差補正素子9とを備えており、これらが保持手段5に保持されて一体的に構成されている。
上記反射ミラー3cは、或る特定の偏光方向を有する光を透過するとともに、当該特定の偏光方向とは異なる偏光方向を有する光の光路方向を偏向する偏光ビームスプリッター面3c’を有した構成となっている。具体的には、上記偏光ビームスプリッター面3c’は、図2に示したBlu−rayディスク用半導体レーザー光源1a(もしくはDVD用半導体レーザー光源1b)から出射したレーザー光に対しては、そのまま透過させるように偏光透過軸が設けられている。そのため、光源を出射したレーザー光は、反射ミラー3cの偏光ビームスプリッター面3c’を透過して上記反射型収差補正素子9に入射する。
上記反射型収差補正素子9は、光源を出射したレーザー光の球面収差を補正するとともに、反射型収差補正素子9に入射したレーザー光の偏光方向を当該方向とは異なる方向に偏光して、当該レーザー光が入射してきた方向に反射させる機能を有している。具体的には、反射型収差補正素子9は、1/4λ波長板9aと収差補正部9bとを備えている。
図2に示したBlu−rayディスク用半導体レーザー光源1a(もしくはDVD用半導体レーザー光源1b)から出射したレーザー光は、反射ミラー3cを透過した後、まず、反射ミラー3cの1/4λ波長板9aに入射して偏光方向を偏光され、次に、収差補正部9bに入射する。
上記収差補正部9bは、反射型収差補償素子または反射型輪帯位相補償素子の構成を備えており、1/4λ波長板9aを通過したレーザー光の球面収差を補正する。上記収差補正部9bは、球面収差を補正したレーザー光を、レーザー光が入射してきた方向に反射させる構成となっている。すなわち、図8に示すように、1/4λ波長板9aを通過して収差補正部9bに入射したレーザー光は、球面収差を補正されて、再度、1/4λ波長板9aに入射する。再度1/4λ波長板9aに入射したレーザー光は、再度、偏光方向を偏光される。これにより得られるレーザー光の偏光方向は、最初に1/4λ波長板9aに入射する前のレーザー光の偏光方向に対して垂直な方向となっている。
収差補正部9b、1/4λ波長板9aをこの順で通過したレーザー光(以下、収差補正後レーザー光と記載する)は、反射ミラー3cの偏光ビームスプリッター面3c’に入射する。ここで、偏光ビームスプリッター面3c’は、Blu−rayディスク用半導体レーザー光源1a(もしくはDVD用半導体レーザー光源1b)から出射したレーザー光はそのまま透過させるように偏光透過軸が設けられているとともに、当該偏光透過軸から外れる偏光方向を有するレーザー光は反射させる構成となっている。すなわち、光源から出射したレーザー光の偏光方向に対して垂直な偏光方向を有している収差補正後レーザー光は、偏光ビームスプリッター面3c’に入射すると、当該偏光ビームスプリッター面3c’にて反射される。すなわち、偏光ビームスプリッター面3c’は、反射した収差補正後レーザー光が集光レンズ2に向かうように配設されている。
偏光ビームスプリッター面3c’にて反射した収差補正後レーザー光は、集光レンズ2を通過して光ディスク60の情報記録層121上に集光され、その戻り光は、再び集光レンズ2を通過した後、偏光ビームスプリッター面3c’に入射すると、図8の座標軸AのY軸に平行で、且つ光源を出射したレーザー光の対物レンズ8d入射面から出射する方向に偏向する。対物レンズ8dから出射した戻り光は、上述したように、Blu−rayディスク用光検出器12a(もしくはDVD用光検出器12b)で信号検出される。
本実施形態の構成のように、収差補正素子(反射型収差補正素子9)を、反射ミラー3cよりも集光レンズ2側に配設することによって、反射ミラーより光源側の部品配置・寸法等に制約がある場合に、反射ミラーより光源側の空間に余裕が生じ、自由度を向上させることができる。
なお、本発明に係る光ディスク再生装置30は、図1に示したように、コントローラー35が対物レンズ8cの一体駆動を行うように構成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図9に示すように、反射型収差補正素子9を挟んで、反射ミラー3cの向かい側に、アクチュエーター用磁気回路19(ヨーク及び永久磁石等)を配設し、対物レンズ8dをアクチュエーター用磁気回路(駆動手段)19によって一体駆動させる構成であってもよい。このように、反射型収差補正素子9を、反射ミラー3cとアクチュエーター用磁気回路19との間に配設することによって、光ピックアップ装置および/または光ディスク再生装置の小型化・省スペース化が可能となる。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、本発明に係る光ピックアップ装置は以下の構成を特徴としていると換言することができる。
すなわち、本発明に係る光ピックアップ装置は、光記録媒体に光を集光する集光レンズと、光源からの光を集光レンズの方向に偏向する偏向部材と、光記録媒体に照射される光の球面収差を補正する収差補正素子と、光記録媒体からの反射光を受光する光検出器を少なくとも有する光ピックアップ装置において、上記収差補正素子と偏向部材と集光レンズは一体的に構成されることを特徴としている。
また、この構成に加えて、本発明に係る光ピックアップ装置は、上記収差補正素子、偏向部材、集光レンズは、光源から光記録媒体に向けてこの順に配置されることが好ましい。
さらには、上記の構成に加えて、上記収差補正素子、偏向部材、集光レンズは、保持部材に搭載され全体として一体的に保持される光ピックアップ装置であることが好ましい。
そして、上記収差補正素子は偏向部材の表面に形成されていてもよい。
また、上記収差補正素子、偏向部材、集光レンズは、電磁的駆動手段により集光レンズのフォーカス方向もしくは、光記録媒体のラジアル方向に位置制御されることが好ましい。
そして、上記収差補正素子は、第1の波長に対しては平行平板の振る舞いをし、第1の波長を除く少なくとも1つの波長について収差補正機能を有していることが好ましい。
そして、このような構成を備えた光ピックアップ装置を搭載した光情報記録再生装置も、本発明に係る光情報記録再生装置の特徴であると換言することができる。
本発明の光ピックアップ装置は、集光レンズと偏向部材と光学素子とが一体的に構成されており、上記光情報記録媒体に反射したレーザー光の戻り光は、まず、上記集光レンズに入射し、当該集光レンズを通過した後、直接、上記偏向部材に入射するように構成されていることから、対物レンズの設計において作動距離を確保しつつも、薄型化を実現した、DVDとCD及び次世代DVD等のように互いに異なる種類の光ディスクを再生することも可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
したがって、このような光ピックアップ装置は、光ディスク再生装置、光ディスク記録再生装置に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。 図1に示した光ディスク再生装置に設けられた、本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示した平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置に設けられた対物レンズの構成を示した平面図である。 (a)は、図2及び図3に示した対物レンズの作動距離を説明するための平面図であり、(b)は、比較構成の対物レンズの作動距離を説明するための平面図である。 図2及び図3に示した光ピックアップ装置に設けられた対物レンズの他の構成を示した平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップ装置に設けられた対物レンズの構成を示した平面図である。 本発明の他の実施形態に係る光ピックアップ装置の対物レンズの構成を示した平面図である。 本発明の他の実施形態に係る光ピックアップ装置の対物レンズ及びその周辺部分の構成を示した平面図である。 本発明の他の実施形態に係る光ピックアップ装置に設けられた対物レンズ及びその周辺部分の構成を示した部分平面図である。 従来の光ピックアップ装置の構成を示した平面図である。 従来の光ピックアップ装置の構成を示した平面図である。
符号の説明
1、1a Blu−rayディスク用半導体レーザー光源(光源)
1b DVD及びCD用半導体レーザー光源(光源)
2 集光レンズ
3a、3a’ 反射ミラー(偏向部材)
3b’ ミラー面(偏向面)
3c 反射ミラー
3c’ 偏光ビームスプリッター面
4、4’ 収差補正素子
4’’ 収差補正面
5 保持部材
7 ダイクロイック光学素子
8a、8a’、8b、8c、8d 対物レンズ
9 反射型収差補正素子
9a 1/4λ波長板
9b 収差補正部
12a Blu−rayディスク用光検出器(光検出器)
12b DVD用光検出器(光検出器)
13 発散角変換レンズ
14 レンズ駆動ユニット
15 1/4λ波長板
16 光集積ユニット
19 アクチュエーター用磁気回路(駆動手段)
20 回折格子群
21 赤色レーザー光用偏光回折格子
22 赤外レーザー光用偏光回折格子
24 発散角変換レンズ
27 光軸補正用光学部材
28 DVD用半導体レーザー光源
30 光ディスク再生装置(光ディスク記録再生装置)
31 ターンテーブル
32 スピンドルモーター
33 ドライブ回路
34 サーボ回路
35 コントローラー(駆動手段)
36a、36b 光ピックアップ装置
41 ハウジング
60 光ディスク(記録媒体)
121 光ディスクの情報記録層
122 光ディスクの光透過層

Claims (18)

  1. 光源から出射されたレーザー光を記録媒体に集光するとともに、当該記録媒体で反射した当該レーザー光の戻り光が透過する集光レンズと、
    上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するための偏向部材と、
    上記レーザー光の球面収差を補正するための光学素子と、
    上記戻り光を受光するための光検出器とを備えた光ピックアップ装置であって、
    上記集光レンズは、少なくとも非球面を1面有するレンズであり、
    上記集光レンズと偏向部材と光学素子とは一体的に構成されており、かつ、上記集光レンズに上記戻り光が入射して通過した後、直接、当該戻り光が上記偏向部材に入射するように構成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 上記集光レンズと偏向部材と光学素子とによって、対物レンズが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 上記集光レンズと偏向部材と光学素子とは、保持部材に搭載されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 〔実施形態1に対応〕
    上記戻り光が、上記偏向部材に入射して通過した後で、上記光学素子を通過するように構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
  5. 上記光学素子は、球面収差を補正するとともに、当該レーザー光が入射してきた方向に反射させる反射型光学素子であり、
    さらに、上記反射型光学素子は、入射したレーザー光の偏光を方向に回転するように構成されており、
    上記偏向部材は、或る特定の偏光方向を有する光を透過するとともに、当該特定の偏光方向とは異なる偏光方向を有する光の光路方向を偏向する構成となっており、
    上記光源から出射したレーザー光は、上記偏向部材を透過して上記反射型光学素子に入射した後、再度、当該偏向部材に入射し、光路方向を偏向されて上記集光レンズに入射するように構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
  6. 上記光学素子は、上記偏向部材の表面に固定されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 上記集光レンズと偏向部材と光学素子とを一体的に駆動して、上記集光レンズのフォーカス方向もしくは上記光情報記録媒体のラジアル方向に位置制御するための駆動手段を備えていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
  8. 上記反射型光学素子における上記レーザー光の入射面には、入射したレーザー光の偏光方向を当該方向とは異なる方向に偏光するための1/4λ波長板が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  9. 上記光学素子は、或る特定の波長の光に対しては平行平板として機能し、当該特定の波長を除く少なくとも1つの波長の光については収差を補正する構成となっていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
  10. 上記特定の波長の光とは、波長405nmの光であり、上記特定の波長を除く少なくとも1つの波長の光とは、波長650nmおよび780nmの何れか一方の光であることを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。
  11. 光源から出射されたレーザー光を記録媒体に集光するとともに、当該記録媒体で反射した当該レーザー光の戻り光が透過する集光レンズと、
    上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するための偏向部材と、
    上記戻り光を受光するための光検出器とを備えた光ピックアップ装置であって、
    上記集光レンズは、少なくとも非球面を1面有するレンズであり、
    上記偏向部材は、上記レーザー光および戻り光の光路方向を偏向するように構成された偏向面と、上記レーザー光の球面収差を補正するための収差補正面とを有しており、
    上記集光レンズと偏向部材とは一体的に構成されており、かつ、上記集光レンズに上記戻り光が入射して通過した後、直接、当該戻り光が上記偏向面に入射するように構成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  12. 上記集光レンズ及び偏向部材によって、対物レンズが形成されていることを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置。
  13. 上記集光レンズと偏向部材とは、保持部材に搭載されていることを特徴とする請求項11または12に記載のことを特徴とする光ピックアップ装置。
  14. 上記戻り光が、上記偏向面に入射して通過した後で、上記収差補正面を透過するように構成されていることを特徴とする請求項11から13の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
  15. 上記集光レンズと偏向部材とを一体的に駆動して、上記集光レンズのフォーカス方向もしくは上記光情報記録媒体のラジアル方向に位置制御するための駆動手段を備えていることを特徴とする請求項11から14の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
  16. 上記収差補正面は、或る特定の波長の光に対しては平行平板として機能し、当該特定の波長を除く少なくとも1つの波長の光については収差を補正する構成となっていることを特徴とする請求項11から15の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
  17. 上記特定の波長の光とは、波長405nmの光であり、上記特定の波長を除く少なくとも1つの波長の光とは、波長650nmおよび780nmの何れか一方の光であることを特徴とする請求項16に記載の光ピックアップ装置。
  18. 請求項1から17の何れか1項に記載の光ピックアップ装置を備えていることを特徴とする光情報記録再生装置。
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