JP2007272146A - スペクトル再現型多原色表示方法 - Google Patents

スペクトル再現型多原色表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】3原色表現から多原色表現への変換で用いる多原色表示装置用表示データの生成方法を提案する。
【解決手段】撮像あるいは何らかの描画方法で得た画像のそれぞれの画素について映像データを入力し、その映像データと照明光データあるいは仮想照明光データとから近似的分光スペクトルを求め、多原色表示装置で用いられる原色を用いて再現される暫定分光スペクトルをこの近似的分光スペクトルを目標にして、この近似的分光スペクトルと暫定分光スペクトルを近づけることで、暫定分光スペクトルを構成する多原色のそれぞれの強度を求めるか、あるいは、近づけた暫定分光スペクトルを、予め用意した近似的分光スペクトルから多原色のそれぞれの強度へ変換する変換式または変換手続きにしたがって求めて、求めた多原色のそれぞれの強度に従って多原色表示装置で表示する。
【選択図】図1

Description

本発明では、従来の映像システムで扱われている例えば3原色用の映像から、多原色表示のできる表示デバイスを用いてスペクトルを再現する表示を行なうスペクトル再現型多原色表示装置に用いる多原色の表示データの生成方法に関している。
映像データを伝送して被写体の形状や色を正確に再現することが求められている。被写体の形状は比較的容易に再現することが出来るが、被写体の色については再現が難しく、個々の表示デバイスの特性を考慮して表示データを修正することが求められる。また、被写体の色を正確に再現するために、従来の赤青緑の3バンド入力、3原色表示の入出力に代わって、より多バンドの入力装置や多原色表示デバイスを備えた入出力システムが開発されている。
多数の原色で被写体の色を再現する多原色表示装置の表示信号値を算出する技術は、多原色分解技術と称される。例えば特許文献1や特許文献2で示されている技術は、三刺激値XYZを入力とし、その三刺激値を多原色表示デバイスで出力するための信号を算出する技術である。これを「三刺激値入力による三刺激値のみに基づく多原色分解技術」と呼ぶことにする。一方、特許文献3、特許文献4で示されている技術は、三刺激値XYZを同じにするだけでなく、多原色により再現する画素のスペクトルを、当該画素位置において再現しようとしている被写体のスペクトルに近似させることにより、目の感度(等色関数)の個人差に起因する色の違いを低減し、誰が見ても良好な色再現を行う技術である。これを「スペクトル入力によるスペクトル近似に基づく多原色分解技術」と呼びことにする。これらの技術では、入力信号と出力信号が非線形の関係となり、リアルタイムで色変換を実現するためには、ルックアップテーブルや専用の演算回路が必要となる。
なお、以下の説明では、3バンド映像信号は測色空間における測色値に1対1に対応するものであり、3刺激値は分光的測定にもとづいて決められるよく知られた3刺激値である。
スペクトル入力によるスペクトル近似に基づく多原色分解技術は、目の感度(等色関数)の個人差を考慮している点で、三刺激値入力による三刺激値のみに基づく多原色分解技術より優れている。しかし、入力される映像信号から推定する分光スペクトルを用いてターゲットとする三刺激値を算出するため、分光スペクトルの推定精度が再現される映像の色再現精度に大きく影響する。よって、任意の被写体に対して高精度な色再現を実現するためには、入力の映像として例えば6バンドなどの多バンド映像信号を入力する必要がある。また、リアルタイム色変換を行うためには、専用の演算回路、もしく非現実的な大容量のルックアップテーブルが必要である。
一方、三刺激値のみに基づく多原色分解技術は、入力から伝送を経て表示するトータルのシステムを実現する場合、三刺激値(あるいは三刺激値へ変換可能な信号)を伝送すれば良く、また三刺激値から多原色信号への変換は3次元入力のルックアップテーブルにより実装することが可能であり、実現し易さや入力する映像のデータ量が既存の映像システムと同等であるという点で優れている。両技術はそれぞれ優れた点を持っているが、目の感度の個人差を考慮した正確な色再現を可能とする、3バンド映像信号から多原色表示信号へ変換する多原色分解技術は存在しなかった。
図5に従来の多原色表示装置で用いられるスペクトル再現型のアルゴリズムの例を示す。まず、撮像装置やコンピュータグラフィクス(CG)画像で映像信号が入力されると、各画素について、スペクトル推定が行なわれる。ここで推定した近似分光スペクトルをもとに測色値が算出される。ついで、この測色値に多原色分解を適用し多原色表示を行なうものである。
特開2000−253263号公報 特開2004−140645号公報 特開2003−141518号公報 特開2004−86245号公報
放送を受信した映像データ(例えば3原色)を、多原色(例えば6原色)表示デバイス用のデータに従来の変換方法で変換した多原色(例えば6原色)映像データを従来の多原色(例えば6原色)表示デバイスで表示すると、色彩の再現性が充分でなく、改善の余地があった。
本発明は、現行のテレビ放送波を受信して多原色表示装置で表示した場合に、従来以上の色再現性を備えたスペクトル再現型多原色表示装置で、あるいは、3原色表現から多原色表現への変換で用いる多原色表示装置用表示データの生成方法を提案する。
映像データの原色数より多くの原色数を用いてその映像データを表示する場合に、従来よりも高い色再現性を備えた多原色表示装置を実現できる。また、視覚系の個人差による色再現誤差は、特に照明スペクトルや被写体の反射率が特殊な形をしているときに顕著に現れるが、本発明により低減できる。
視覚系の個人差による色再現誤差は、表示する映像と再現しようとしている被写体の分光スペクトルの形状が大きく異なることによって発生する。そこで、入力の3バンド映像信号としては、スペクトル推定精度を考慮して、例えば、被写体の分光反射率や分光スペクトルの基底関数の係数画像とすることが考えられる。しかし、人間の視覚系の特性を考えると、表示する映像の3刺激値は再現しようとしている被写体の三刺激値を精度よく表示する必要があるため、スペクトル推定精度よりも三刺激値の精度を優先することが重要である。
また、視覚系の個人差による色再現誤差は、特に照明スペクトルや被写体の反射率が特殊な形をしているときに顕著に現れるため、照明スペクトルの情報や被写体の反射率の統計情報等を用いれば、表示する映像の分光スペクトルを再現しようとする被写体の分光スペクトルにある程度近づけることができ、視覚系の個人差による色再現誤差を低減できる。
そこで、本発明では、撮像によりあるいは何らかの描画方法で得た画像の1画素ごとを次のように処理する。まず、例えば3原色の映像データの場合には、それぞれの画素について3バンド映像データと、照明光データあるいは仮想照明光データとから、近似的分光スペクトルを求める。また、多原色表示デバイスで表示できる測色値である入力信号について測色値を伝送された映像データに一致させる。次に、この近似的分光スペクトルを目標にして、多原色表示デバイスで用いられる原色を用いて再現される暫定分光スペクトルと、この近似的分光スペクトルの距離が予め決められた距離関数のもとで最小値となる原色の強度の組み合わせを見出すか、あるいは、近似的分光スペクトルから多原色のそれぞれの強度へ変換する予め用意した変換式または変換手続きにしたがって上記の距離が最小値となる暫定分光スペクトルを求め、その時の暫定分光スペクトルを構成する多原色のそれぞれの強度に従って多原色表示デバイスで表示する。この操作をそれぞれの画素について行う。
しかし、近似的分光スペクトルあるいは多原色のそれぞれの強度のデータについて、他の画素でのデータで代替できるときには、それを用いる。
近似的分光スペクトルに暫定分光スペクトルを近づけるには、
1)上記の様に、近似的分光スペクトル波形と暫定分光スペクトル波形とを近づける、
2)近似的分光スペクトルの微分(あるいは差分)波形と暫定分光スペクトルの微分(あるいは差分)波形とを近づける、あるいは、
3)近似的分光スペクトル波形あるいは暫定分光スペクトル波形にパラメータを乗じた波形を新たに近似的分光スペクトル波形あるいは暫定分光スペクトル波形と見なして、パラメータを含めて、近似的分光スペクトル波形と暫定分光スペクトル波形とを近づける、あるいは、近似的分光スペクトルの微分(あるいは差分)波形と暫定分光スペクトルの微分(あるいは差分)波形とを近づける、
などの方法をとることができる。
また、上記の近似的分光スペクトルは、入力されるデータの違いによって、以下のように求めることができる。
a.照明スペクトルが入力される場合
この場合には、等色関数と照明スペクトルを使って3バンド映像信号から近似的分光スペクトルを算出する。
b.照明スペクトルと被写体の分光反射率に関する統計情報、又は分光スペクトルに関する統計情報が入力される場合
この場合には、等色関数と入力の照明スペクトル及び被写体の分光反射率又は分光スペクトルに関する統計情報を用いて3バンド映像信号から近似的分光スペクトルを算出する。
c.3バンド映像信号から分光スペクトルに変換する行列が入力される場合
この場合には、入力される行列と3バンド映像信号の三刺激値から近似的分光スペクトルを算出する。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の想定するスペクトル再現型多原色表示装置の例である。撮影装置1を用いて、撮影照明2からの光で被写体を撮影する。ここで撮影装置1は、例えば6原色での撮影装置である。撮影装置1の映像信号は、撮影装置1の画素ごとに、変換装置3で3刺激値に変換され、測色値10となる。図1の変換では、ルックアップテーブル(Look Up Table: LUT)を用いた変換を示している。この測色値10は、伝送路4で変換装置5に伝送され、6原色映像データに変換される。この変換装置5としては、図1の例ではLUTを用いている。この6原色映像データは、変換装置6を用いて、表示デバイス8である6原色ディスプレイ用の映像信号12に変換する。ここで、撮影装置1は、例えば3原色の撮影装置であってもよく、この場合は変換装置3では、3次元データから3次元データへの変換となる。また、撮像装置1の代わりにコンピュータグラフィクス装置を接続して用いることもできる。また、表示デバイス8は例えば4原色ディスプレイでもよく、この場合は、変換装置5では3次元データから4次元データへの変換を行う。
上記の実施例で、入力の近似分光スペクトルを求めるための情報によって、近似分光スペクトルを以下のとおり決定する。
a.照明スペクトルが入力される場合。
この場合には、等色関数と照明スペクトルを使って3バンド映像信号から近似分光スペクトルを算出する。算出方法としては、例えば、被写体の分光反射率が滑らかであるという仮定を用いたウィナー(Wiener)推定を用いる。又は、照明スペクトルを近似分光スペクトルとする。
Wiener推定を用いる近似スペクトルの算出方法は以下とおり。
被写体の統計情報(自己相関行列)をR、観察照明スペクトルをL(対角成分が照明スペクトルを表す対角行列)とする。3バンド映像の三刺激値x=(x1、x2、x3t(添え字tは、転置を表す)から被写体の反射率を推定する行列Gは、
Figure 2007272146
と表せる。ここでF=(CL)は、システム行列である。また、被写体の統計情報Rは、たとえば、
Figure 2007272146
を用いることができる(例えばρ=0.999)。
これにより、近似分光スペクトルfは、
Figure 2007272146
と推定できる。
b.照明スペクトルと被写体の分光反射率に関する統計情報、又は分光スペクトルに関する統計情報が入力される場合。
この場合には、等色関数と入力の照明スペクトル及び被写体の分光反射率又は分光スペクトルに関する統計情報を用いて3バンド映像信号から近似分光スペクトルを算出する。算出方法としては、例えば、入力の統計情報を用いたWiener推定法を利用する。
等色関数と入力の照明スペクトルL及び被写体の分光反射率に関する統計情報Rを用いて数1、数2により3バンド映像信号x=(x1、x2、x3tから近似分光スペクトルfを算出する。あるいは、分光スペクトルに関する統計情報が入力される場合は、以下の式により近似するスペクトルを算出する。
Figure 2007272146
c.3バンド映像信号から分光スペクトルに変換する行列が入力される場合。
この場合には、入力される行列Gと3バンド映像信号の三刺激値x=(x1、x2、x3tから数4により近似するスペクトルfを算出する。
図1のスペクトル再現型多原色表示装置で擬似スペクトル近似を用いたリアルタイム映像システムにおいて被写体の統計情報が送られる場合には、以下の操作を行う。
送信側では、
(1)撮影信号から三刺激値(観察環境の照明の下での)と一対一に対応した3バンド映像信号に変換して送信する。
(2)被写体の分光反射率に関する相関行列を送信する。
また受信側では、図2にアルゴリズムを示す様に、
(3)送信側から送られてきた3バンド映像信号と被写体の分光反射率に関する相関行列を入力する。
(4)照明センサから送られてきた照明スペクトル(観察環境の照明)を入力する
(5)等色関数と相関行列、照明スペクトル(観察環境の照明)をもとにWiener推定手法により、分光スペクトル推定行列を算出する。
(6)推定行列を用いて3バンド映像信号から近似分光スペクトルを算出する。
(7)3バンド映像信号の三刺激値を再現する多原色表示信号値の中で、再現される映像の分光スペクトルと近似分光スペクトルの二乗誤差を最小とする多原色表示信号を求める。これを3バンド映像信号の全ての組合せで実行し、3次元ルックアップテーブルデータに設定する。
逆に、図1のスペクトル再現型多原色表示装置で擬似スペクトル近似を用いたリアルタイム映像システムにおいて被写体の統計情報が送られない場合には、以下の操作を行う。
送信側では、
(1)撮影信号から三刺激値(観察環境の照明の下での)と一対一に対応した3バンド映像信号に変換して送信する。
また、受信側では、図3にアルゴリズムを示す様に、
(2)送信側から送られてきた3バンド映像信号を入力する。
(3)照明センサから送られてきた照明スペクトル(観察環境の照明)を入力する。
(4)3バンド映像信号の三刺激値を正確に再現する多原色表示信号値の中で、再現される映像の分光スペクトルと近似分光スペクトル(照明スペクトル)の一回微分値の二乗誤差を最小とする多原色表示信号を求める。これを3バンド映像信号の全ての組合せで実行し、3次元ルックアップテーブルデータに設定する。
図1のスペクトル再現型多原色表示装置で擬似スペクトル近似を用いたリアルタイム映像システムにおいて分光スペクトル推定行列が送られる場合には、以下の操作を行う。
送信側では、
(1)撮影信号から三刺激値(観察環境の照明の下での)と一対一に対応した3バンド映像信号に変換して送信する。
(2)分光スペクトル推定行列を送信する。
また受信側では、図4にアルゴリズムを示す様に、
(3)送信側から送られてきた3バンド映像信号と分光スペクトル推定行列を入力する。
(4)分光スペクトル推定行列を用いて3バンド映像信号から近似分光スペクトルを算出する。
(5)3バンド映像信号の三刺激値を再現する多原色表示信号値の中で、再現される映像の分光スペクトルと近似分光スペクトルの二乗誤差を最小とする多原色表示信号を求める。これを3バンド映像信号の全ての組合せで実行し、3次元ルックアップテーブルデータに設定する。
以下では、多原色表示信号の算出方法について説明する。
多原色表示デバイスの原色スペクトル
P=(P1、P2、・・・、PN)、Pi=(pi1、pi2、・・・、piMt、i=1、2、・・・、N、
多原色表示信号値d=(d1、d2、・・・、dNt、等色関数Cとする。ここで、Nは多原色表示デバイスの原色数を表し、Mはスペクトルの次元数を表す。多原色表示信号値dは、原色数Nが3より大きい場合、下の数5を満たす解が複数存在する。その複数の解の中で多原色表示デバイスに表示される映像の分光スペクトルが近似分光スペクトルfの形状に一番近い多原色表示信号値dを選択する。
Figure 2007272146
近似分光スペクトルと表示する映像の分光スペクトルとの距離関数としては、例えば以下の3通り考えられる。
a.映像の分光スペクトルである積Pdと近似するスペクトルfとのスペクトル空間上での距離関数;
Figure 2007272146
b.映像の分光スペクトルである積Pdと近似するスペクトルfとのスペクトル空間上の一回微分距離関数;
Figure 2007272146
ここではg=(g1、g2、・・・、gM)に対して、記号∇gが(g1−g2、g2−g3、・・・、gM-1−gM)を表す。
c.近似分光スペクトルfに最適化パラメータとして係数λを掛けたλfと、映像の分光スペクトル積Pdとのスペクトル空間上の距離関数;
Figure 2007272146
多原色表示信号値dを、数5、数6を満たし、かつ近似分光スペクトルfに対して、上記3種類の距離関数、数6、7、8のいずれかにおいて二乗誤差が最小となるように決定する。従来技術のスペクトル近似法では、近似分光スペクトルfの三刺激値とターゲットする三刺激値x=(x1、x2、x3tが等しいため、数6の距離関数のみで問題なかった。しかし、本発明では、近似分光スペクトルfの三刺激値とターゲットする三刺激値x=(x1、x2、x3tが大きくことなる場合があり、その場合には、数6を距離関数とした場合、良好な近似結果が得られない。そこで、近似分光スペクトルfの三刺激値とターゲットする三刺激値x=(x1、x2、x3tが大きく異なる場合には、数7あるいは数8を使用する。
距離関数が数6の場合、従来技術であるスペクトル近似法、例えば特許文献4(特開2004−86245号公報)で示されている「スペクトル入力によるスペクトル近似に基づく多原色分解技術」により表示信号の算出ができる。
距離関数が数7の場合、f*=∇f、P*=∇Pと記述すると、||f*−P*d||を最小する表示信号値の算出問題になり、従来のスペクトル近似法と同様のアルゴリズム(例えば特許文献4)で解が求まる。
また、距離関数が数8の場合、fA=0、PA=(f、P)、PB=(0、P)、dA=(λ、dttで記述すると、XYZ測色値x=(x1、x2、x3tを表示するための信号値dAは、
Figure 2007272146
を満たし、かつ||fA−PAA||を最小にする表示信号値dを求める問題となり、従来のスペクトル近似法と同様のアルゴリズム(例えば、特許文献4)で解が求まる。
また、上記の3バンド映像信号から多原色映像信号へ変換する3次元ルックアップテーブルをあらかじめ用意してそれを用いることでリアルタイム色変換も可能となる。
以下では、擬似スペクトル近似アルゴリズムについて説明する。
上記と同様に、測色値映像の3信号値をXYZ測色値x=(x1、x2、x3tとする。また、三信号を用いたスペクトル推定行列をO、観察環境の照明をEとする。三信号値xから分光放射スペクトルfを以下の式より推定する。
Figure 2007272146
さらに、N原色表示デバイスの原色スペクトルP、信号値d、等色関数Cとする。XYZ測色値xと表示色信号値との関連を以下式で示す。
Figure 2007272146
本アルゴリズムはXYZ測色値xに対して、数10、11を満たし、かつ
Figure 2007272146
を最小にする表示信号dを求める方法である。
原色スペクトル行列Pを二つ行列P1とP2に分ける。ここでP1は(N−3)×M行列、P2は3×M行列である。数11は以下の式に書き換えられる。
Figure 2007272146
また、3次元ベクトル
Figure 2007272146
が以下の式よりN−3次元ベクトルである
Figure 2007272146
で次のように表せる。
Figure 2007272146
数16を数13に代入すると以下の式が得られる。
Figure 2007272146
ここで、
Figure 2007272146
である。
また、
Figure 2007272146
に分解し、数17を以下の式に変換する。
Figure 2007272146
ここで、
Figure 2007272146
で定義すると、数16は、
Figure 2007272146
となる。またdは、
Figure 2007272146
で表せる。
これから先は、以下の手順で上記のDが最小になる信号値dを解くものである。
ステップ1:d`=x`が下式を満足すれば、数23より得られたdは最適な解である。満足しなければ、次のステップに進む。
Figure 2007272146
ステップ2:
2×N個の面
Figure 2007272146
の上に、
Figure 2007272146
から得られたd`に対して、数24が成立すれば、数23より得られた信号値dは最適な解である。数24が成立しなければ、次のステップに進む
ステップ3:両平面
Figure 2007272146
が交わる線上の
Figure 2007272146
が次式、
Figure 2007272146
を満足すれば、数23より得られた信号値dは最適な解である。
ここで
Figure 2007272146
ステップ4:
面αi、αj、αk、の交点は次式で得られるが、
Figure 2007272146
その交点の中に数12を最小にするdを見出すことができる。
2.擬似照明スペクトル近似アルゴリズム
擬似照明スペクトルの場合は、測色値x=(x1、x2、x3t、照明e、ディスプレイ信号値d=(d1、d2、・・・、dNt、原色スペクトルP=(P1、P2、・・・、PN)、等色関数Cに対して、
Figure 2007272146
を満たし、かつ、
Figure 2007272146
を最小になる表示信号dを求める。ここでは、
Figure 2007272146
とする。また、
Figure 2007272146
とするとき、数33は、次式になる。
Figure 2007272146
Figure 2007272146
と数32から得られた
Figure 2007272146
を数33に代入すると、次式が得られる。
Figure 2007272146
ここで、
Figure 2007272146
また、次のように分解する。
Figure 2007272146
さらに数39を以下のように変換する。
Figure 2007272146
ここで、
Figure 2007272146
と定義すると、数42は、
Figure 2007272146
になる。このとき、dは、
Figure 2007272146
で表せる。
最適な表示信号値dを求める手順は、上記ステップ1〜3の場合と同様である。
従来3バンド映像システムと比較して入力する映像信号のバンド数を増やすことなく、目の感度の個人差を考慮した正確な色再現が実現できる。また、専用の色変換回路を必要としないため、リアルタイム色変換の実現も容易になる。
本発明を、現行のテレビ放送映像に適用することが可能である。3原色の受像機に本発明を適用することによって、発色特性の異なる受像機を用いる場合でも、再現性のよい表示を行なうことが出来る。当然のことながらN(>3)原色の受像機に本発明を適用することによって、再現性のよい表示を行なうことが出来る。
また、このようにテレビ放送に用いる場合には、さらに以下の様な信号処理を行なう事が望ましい。
放送側では、
(1)撮影信号から3信号値に変換する。3信号値映像を受信側に送信する、
(2)また、3信号値からスペクトル推定用基底を受信側に送信する、
(3)さらに、レンダリング照明を受信側に送信する、などの操作を行なう。
上記の(2)、(3)については、常時送信する必要はなく、表示される場面が変わる際に更新されていればよく、前もって送信しておき、受信側ではそれを記憶しておいて必要なとき時に読み出して使用してもよい。
受信側では、
(4)レンダリング照明、スペクトル推定用基底の取得、
(5)多原色表示デバイスの特性データの取得(原色スペクトル、トーンカーブ、原色バイアス)、
(6)3信号値から多原色表示装置の信号値に変換用3Dテーブルデータの計算、
(7)また、LUTを用いる場合には、3→Nへの変換テーブルにデータの設定、を、行なう。
本発明のスペクトル再現型多原色表示方法を適用するスペクトル再現型多原色表示装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の処理の第1のアルゴリズムを示す図である。 本発明の処理の第2のアルゴリズムを示す図である。 本発明の処理の第3のアルゴリズムを示す図である。 従来の装置の処理のアルゴリズムを示す図である。
符号の説明
1 撮影装置
2 撮影照明
3 変換装置
4 伝送路
5 変換装置
7 観察照明
8 表示デバイス
10 測色値
11 変換メモリ
12 映像信号
13 メモリに格納するデータ構造
20 多原色表示装置

Claims (7)

  1. 撮像によりあるいは何らかの描画方法で得た画像を入力する手段と、入力した画像から測色値で表された映像データに変換する変換手段と、上記の映像データを伝送する伝送手段と、伝送された映像データから3原色を超える表示色を用いる表示信号を生成する表示信号生成手段と、前記の表示信号を表示する表示手段と、を備える多原色表示装置用の表示方法であって、
    撮像によりあるいは何らかの描画方法で得た画像のそれぞれの画素について映像データを入力するステップと、
    前記の映像データと照明光データあるいは仮想照明光データとから近似的分光スペクトルを求めるステップと、
    多原色表示装置で表示できる測色値である入力信号について、測色値を伝送された映像データに一致させるステップと、
    多原色表示装置で用いられる原色を用いて再現される暫定分光スペクトルを、この近似的分光スペクトルを目標にして、この近似的分光スペクトルと暫定分光スペクトル間の距離が最小値となる原色の強度の組み合わせを見出すステップ、あるいは、近似的分光スペクトルから多原色のそれぞれの強度へ変換する予め用意した変換式または変換手続きにしたがって上記の距離が最小値となる暫定分光スペクトルを求めるステップと、
    上記で求めた多原色のそれぞれの強度に従った多原色表示装置用の信号を生成し表示するステップと、
    を、含むことを特徴とするスペクトル再現型多原色表示方法。
  2. 上記の近似的分光スペクトルデータ、あるいは、上記の多原色のそれぞれの強度のデータについて、他の画素でのデータで代替できるときには、前記データを用いることを特徴とする請求項1に記載のスペクトル再現型多原色表示方法。
  3. 上記の近似的分光スペクトルと上記の暫定分光スペクトル間の距離は、1を含めた定数あるいはパラメータを乗じた上記の近似的分光スペクトル波形と1を含めた定数あるいはパラメータを乗じた上記の暫定分光スペクトル波形との差の奇数モーメントの絶対値、あるいは前記の差の偶数モーメントの可視光の波長スペクトル領域での積分値あるいは積和値を測度とすることを特徴とする請求項1に記載のスペクトル再現型多原色表示方法。
  4. 上記の近似的分光スペクトルと上記の暫定分光スペクトル間の距離は、1を含めた定数あるいはパラメータを乗じた上記の近似的分光スペクトルの微分(あるいは差分)波形と1を含めた定数あるいはパラメータを乗じた上記の暫定分光スペクトルの微分(あるいは差分)波形との差の奇数次の累乗の絶対値、あるいは前記の差の偶数次の累乗の可視光の波長スペクトル領域での積分値(あるいは積和値)を距離とすることを特徴とする請求項1に記載のスペクトル再現型多原色表示方法。
  5. 上記の照明光データとして照明スペクトルを入力し、
    等色関数と照明スペクトルとを用いて、映像データから近似的分光スペクトルを算出することを特徴とする請求項1、2、3あるいは4に記載のスペクトル再現型多原色表示方法。
  6. 上記の照明光データとして、照明スペクトルと被写体の分光反射率に関する統計情報、又は分光スペクトルに関する統計情報を入力し、
    等色関数と入力の照明スペクトル及び被写体の分光反射率又は分光スペクトルに関する統計情報とを用いて、映像データから近似的分光スペクトルを算出することを特徴とする請求項1、2、3あるいは4に記載のスペクトル再現型多原色表示方法。
  7. 上記の照明光データとして、映像データから分光スペクトルに変換する行列を入力し、
    入力された行列と映像データの三刺激値とから近似的分光スペクトルを算出することを特徴とする請求項1、2、3あるいは4に記載のスペクトル再現型多原色表示方法。
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