JP2007270261A - 蒸着装置、蒸着方法、有機el装置の製造方法、及び蒸着用セル - Google Patents
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Abstract
【課題】有機材料の蒸着において蒸着材料の分解を防止し、かつ、蒸着速度を安定化させるための技術を提供する。
【解決手段】有機材料の蒸着処理において蒸着材料をより均一に加熱する。そのための蒸着装置は、蒸着材料を加熱及び蒸発させる蒸着用るつぼと、当該蒸着用るつぼの周囲に設けられた第1のヒータと、当該蒸着用るつぼの底部から当該蒸着用るつぼの開口部に向けて設けられた第2のヒータとを備えている。このように有機材料を中央部および周辺部の両方より加熱する構造とする。
【選択図】図2
【解決手段】有機材料の蒸着処理において蒸着材料をより均一に加熱する。そのための蒸着装置は、蒸着材料を加熱及び蒸発させる蒸着用るつぼと、当該蒸着用るつぼの周囲に設けられた第1のヒータと、当該蒸着用るつぼの底部から当該蒸着用るつぼの開口部に向けて設けられた第2のヒータとを備えている。このように有機材料を中央部および周辺部の両方より加熱する構造とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、蒸着技術に関する。
有機EL素子等の各種素子の製造技術として、基板上に所望の材料を蒸着させる手法が広く採用されている。このような蒸着を行う際には、蒸着用セルのるつぼ(蒸着用るつぼ)に蒸着させたい所望の材料(蒸着材料)を入れておいて加熱することで、蒸着材料を蒸発させる。
なお、蒸着材料としてより高温な場所へと移動するガリウムヒ素等といった特殊な材料を用いた場合には、蒸着材料が蒸着用るつぼの壁面に沿って這い出ることにより、ヒータが短絡し使用不可能となるといった問題があった。そこで、このような問題を解決するために、蒸着用るつぼに底部から開口部に向かって突起を設け、その先端部だけを加熱する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、図10は一般的な蒸着用セル110の断面図であるが、蒸着用セル110は、蒸着用るつぼ112と、蒸着用るつぼ112の周囲にコイルが巻き付けられて形成された加熱用のヒータ(加熱用ヒータ)113と、放熱を防ぐリフレクタ114とを備えて構成されている。このような蒸着用セル110では、蒸着用るつぼ112内の底部に蒸着材料109が充填された状態で、加熱用ヒータ113によって蒸着用るつぼ112が加熱されることで、蒸着材料109が蒸発し放出される。
しかしながら、上記一般的な蒸着用セル110では、蒸着用るつぼ112内で蒸着材料が均一に加熱され難く、対象物に対する蒸着の速度(レート)が安定し難いといった問題があった。また、蒸着材料109のうちの蒸着用るつぼ112の壁面から離隔した部分は加熱され難いため、この部分を蒸発させるために加熱用ヒータ113の発熱量を上昇させると、蒸着材料が有機材料の場合には、有機材料の分解が懸念される。
このような問題は、上記特許文献1に記載された技術や蒸着処理一般に生じる問題である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、蒸着処理において蒸着材料をより均一に加熱するための技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、蒸着装置であって、蒸着材料を加熱及び蒸発させる蒸着用るつぼと、前記蒸着用るつぼの周囲に設けられた第1のヒータと、前記蒸着用るつぼの底部から当該蒸着用るつぼの開口部に向けて設けられた第2のヒータとを備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の蒸着装置であって、前記第2のヒータが、前記底部から前記開口部付近にかけて設けられたことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の蒸着装置であって、前記蒸着用るつぼが、前記第2のヒータを被覆する部分を有することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載の蒸着装置であって、前記第1のヒータにおいて発熱材料が配置される第1の間隔と、前記第2のヒータにおいて発熱材料が配置される第2の間隔とが略同一であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、蒸着装置における蒸着方法であって、(a)周囲に第1のヒータが設けられ且つ底部から開口部に向けて第2のヒータが設けられた蒸着用るつぼの底部付近に対して、前記第2のヒータの高さを超えないように、蒸着材料を充填するステップと、(b)前記(a)ステップにおいて前記底部付近に対して充填された蒸着材料を、前記第1及び第2のヒータによって加熱及び蒸発させるステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、(i)請求項5に記載の蒸着方法を用いて、基板上に予め形成された第1の電極上に1以上の有機層を形成するステップと、(ii)前記1以上の有機層上に第2の電極を形成するステップとを備えることを特徴とする有機EL装置の製造方法である。
また、請求項7の発明は、(I)請求項1から請求項4のいずれかに記載の蒸着装置を用いて、基板上に予め形成された第1の電極上に1以上の有機層を形成するステップと、(II)前記1以上の有機層上に第2の電極を形成するステップとを備えたことを特徴とする有機EL装置の製造方法である。
また、請求項8の発明は、蒸着用セルであって、蒸着材料を加熱及び蒸発させる蒸着用るつぼと、前記蒸着用るつぼの周囲に設けられた第1のヒータと、前記蒸着用るつぼの底部から当該蒸着用るつぼの開口部に向けて設けられた第2のヒータとを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、蒸着用るつぼの周囲だけでなく底部から当該蒸着用るつぼの開口部に向けてヒータを設けることで、蒸着処理において蒸着材料をより均一に加熱することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、蒸着用るつぼの底部から開口部付近にかけてヒータを設けることで、蒸着用るつぼの開口部付近における蒸着材料の析出に起因した開口部の狭窄を抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、蒸着用るつぼの底部から開口部に向けて設けられたヒータが蒸着用るつぼによって被覆されているため、蒸着用るつぼの底部から開口部に向けて設けられたヒータの劣化を抑制することができる。また、例えば、ヒータが汚れ難くなるため、ヒータのメンテナンスを簡略化することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、蒸着用るつぼの周囲に設けられたヒータにおいて発熱材料が配置される間隔と、蒸着用るつぼの底部から開口部に向けて設けられたヒータにおいて発熱材料が配置される間隔とが略同一であるため、蒸着処理において蒸着材料をより確実かつ均一に加熱することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、周囲に第1のヒータが設けられ且つ底部から開口部に向けて第2のヒータが設けられた蒸着用るつぼの底部に対し、第2のヒータの高さを超えないように蒸着材料を充填して、蒸着材料を第1及び第2のヒータによって加熱及び蒸発させるような構成を採用することで、蒸着処理において蒸着材料をより均一に加熱することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、周囲に第1のヒータが設けられ且つ底部から開口部に向けて第2のヒータが設けられた蒸着用るつぼの底部に対し、第2のヒータの高さを超えないように蒸着材料を充填して、蒸着材料を第1及び第2のヒータによって加熱及び蒸発させることで、第1の電極上に1以上の有機層を形成し、更に、当該1以上の有機層上に第2の電極を形成するような構成を採用することで、蒸着材料をより均一に加熱することができるため、有機層の膜厚が精度良く調整された有機EL装置を製造することができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<蒸着装置の概略構成>
図1は、本発明の実施形態に係る蒸着装置1の概略構成を示す模式図である。なお、図1及び図1以降の図では、各構成が配置される方向を明確化するためにXYZの直交する3軸を適宜付している。
図1は、本発明の実施形態に係る蒸着装置1の概略構成を示す模式図である。なお、図1及び図1以降の図では、各構成が配置される方向を明確化するためにXYZの直交する3軸を適宜付している。
図1で示すように、蒸着装置1は、チャンバ2と、蒸着用セル10とを備えており、有機EL装置を構成する有機層を基板5上に蒸着するための装置である。
チャンバ2は、基板5を収納できるように構成されており、チャンバ2内において、基板5はマグネットプレート3とメタルマスク7との間で挟持されて固定される。チャンバ2は、基板5に対する蒸着処理が行われる際に、内部が減圧状態(例えば、真空状態)に保持される。
マグネットプレート3は、電磁石等を備えて構成され、磁力の発生と解除とを適宜切り替えることができる。メタルマスクは7は、有機EL装置の各有機EL素子に対応する多数の開口が設けられたものである。蒸着装置1では、チャンバ2内の中央部の比較的上方において、マグネットプレート3がフェライト系ステンレス鋼等によって構成されるメタルマスク7を磁力によって吸引することで、基板5がマグネットプレート3とメタルマスク7との間で挟持される。
蒸着用セル10は、基板5に対して蒸着させるための材料(蒸着材料)を加熱することで蒸発させるものである。蒸着用セル10から蒸発した蒸着材料は、基板5に向けて放出され(図1中矢印)、メタルマスク7に設けられた多数の開口を介して基板5上に適宜蒸着される。なお、基板5のうち、蒸着材料が蒸着される対象の領域を以下「蒸着対象領域」とも称する。
以下、蒸着用セル10の構成について説明する。
<蒸着用セルの構成>
図2及び図3は、本発明の実施形態に係る蒸着用セル10の構成を例示する図である。図2は、蒸着用セル10を正面方向(側方)から見た断面図であり、図3は、蒸着用セル10を上方から見た平面模式図である。なお、図2は、図3の線X−Yに沿って切断した断面図である。
図2及び図3は、本発明の実施形態に係る蒸着用セル10の構成を例示する図である。図2は、蒸着用セル10を正面方向(側方)から見た断面図であり、図3は、蒸着用セル10を上方から見た平面模式図である。なお、図2は、図3の線X−Yに沿って切断した断面図である。
蒸着用セル10は、蒸着用るつぼ12と、加熱用ヒータ13と、リフレクタ14とを備えている。
蒸着用るつぼ12は、耐熱性のある材料(例えばアルミナ)によって構成され、蒸着材料を加熱及び蒸発させる深皿である。
図2及び図3に示すように、この蒸着用るつぼ12は、略円形状のXY断面を有し、内側に略円柱状の穴部12Cvを有し、当該穴部12Cvの上端(図2中で+Z方向の端部)には開口部12hが設けられている。また、蒸着用るつぼ12は、穴部12Cvの底部12bの略中央部から開口部12hに向けて突起した突起部12dを有している。つまり、穴部12Cvの底部12b近傍では、略ドーナツ状の凹み部が形成されている。
蒸着用るつぼ12で蒸発させる蒸着材料としては、例えば、有機EL装置において発光する有機層を構成する発光有機材料(ALq3、ルブレン、NPB、CuPc等)が挙げられる。これらの発光有機材料を蒸発させるためには、約400〜500℃まで蒸着用るつぼ12を加熱する必要があるため、ここで言う耐熱性のある材料とは、少なくとも約400〜500℃までの加熱に耐えられる材料である。
加熱用ヒータ13は、蒸着用るつぼ12の周囲に設けられたヒータ(周囲ヒータ)13aと、突起部12dの内側に設けられたヒータ(中央ヒータ)13bとを備えている。
周囲ヒータ13aは、蒸着用るつぼ12の周囲(主に側方の外周)に配置され、例えば、蒸着用るつぼ12の側面の周囲に巻き付けられた加熱用のコイルに適宜電流を流すことで、蒸着用るつぼ12を加熱するヒータである。
中央ヒータ13bは、例えば、突起部12d内に配置された棒状部材13pの周囲に巻き付けられた加熱用のコイル(加熱用コイル)に電流を流すことで、蒸着用るつぼ12を加熱するヒータである。つまり、中央ヒータ13bが、蒸着用るつぼ12の底部12bから開口部12hに向けて設けられている。そして、中央ヒータ13bは、蒸着用るつぼ12を構成する一部分である突起部12dによって被覆されている。
また、ここでは、穴部12Cvの底部12b付近に充填された蒸着材料を、周囲ヒータ13aと中央ヒータ13bとによってほぼ均一に加熱するように、加熱用コイルの巻き方を同様なものとしている。つまり、周囲ヒータ13a及び中央ヒータ13bが、蒸着処理を行う際に、蒸着材料のうちの周囲ヒータ13a及び中央ヒータ13bの近傍に位置する部分をそれぞれ略同一の温度まで加熱するような構造を有している。
図2では、発熱材料である加熱用コイルの断面が、小さな円で示されている。そして、周囲ヒータ13aにおいて加熱用コイルが螺旋状に配置される間隔(巻き付けられるピッチ)と、中央ヒータ13bにおいて加熱用コイルが螺旋状に配置される間隔(巻き付けられるピッチ)とが略同一となっている。
リフレクタ14は、加熱用ヒータ13から発せられる熱を逃がさないように効率良く蒸着用るつぼ12側に伝達するためのものである。
<有機EL装置の製造における蒸着処理工程>
次に、有機EL装置の製造工程において、上述の蒸着装置1を用いて蒸着材料を蒸着することで有機層を成膜する蒸着処理工程について簡単に説明する。
次に、有機EL装置の製造工程において、上述の蒸着装置1を用いて蒸着材料を蒸着することで有機層を成膜する蒸着処理工程について簡単に説明する。
図4及び図5は、図2及び図3で示した蒸着用るつぼ12の底部12bに蒸着材料を充填する様子を示す図である。
(1)まず、図4及び図5に示すように、蒸着用るつぼ12の底部12b付近に対して、蒸着材料9を充填する。このとき蒸着材料9は、中央ヒータ13bの高さを超えない程度の高さまで充填される。
(2)次に、チャンバ2の内部を真空状態とする。
(3)その次に、真空状態とされたチャンバ2の内部に、第1電極が被覆された1枚の基板5を搬入する。
(4)そして、蒸着用るつぼ12の底部12b付近に対して充填された蒸着材料9を、周囲ヒータ13a及び中央ヒータ13bの双方によって均一に加熱することで、蒸着材料9を蒸発させる。このとき、基板5上に予め形成された第1の電極上に蒸着材料である有機物が蒸着され、有機層が形成される。
(5)更に、加熱用ヒータ13による加熱を停止して、1つの基板5に対する蒸着処理を終了する。
(6)最後に、チャンバ2の外部に1枚の基板5を搬出する。
ここでは、(2)〜(6)の工程が時間順次に繰り返されることで、チャンバ2の真空状態を維持したまま、複数の基板5に対して時間順次に有機層を成膜することができる。なお、ここで成膜される有機層は、少なくとも発光する発光有機層を含む1以上の有機層によって形成される。
有機膜が形成された基板5については、成膜された有機層上に第2電極層を被着させることにより、複数の有機EL素子を基板上に形成するとともに、必要に応じて保護膜や封止基板等を有機EL素子上に配置することにより、有機EL装置が完成する。
以上のように、本発明の実施形態に係る蒸着装置1では、蒸着用るつぼ12の周囲だけでなく蒸着用るつぼ12の底部12bから当該蒸着用るつぼ12の開口部12hに向けて中央ヒータ13bを設けている。
このような構成を採用すると、図10(先行技術)では、蒸着用るつぼ112の底部に充填された蒸着材料109においてヒータからかなり離隔した部分が発生していたのに対して、図4に示すように、加熱用ヒータ13と、蒸着材料9のうちで加熱用ヒータ13から最も離隔した部分との距離を短縮することができる。したがって、蒸着用セル10において蒸着材料をより均一に加熱することができる。また、ヒータからかなり離隔した蒸着材料も蒸発させようとして、加熱し過ぎて蒸着材料が分解してしまうといった不具合も回避することができる。
また、図10で示した先行技術では、蒸着用セル110の真上において蒸着される蒸着材料の膜厚が他の位置よりも厚くなる傾向があるため、例えば、蒸着用セル110の斜め上方に配置される位置に対してしか均一な膜厚で蒸着材料を蒸着することができなかった。これに対して、本発明の実施形態に係る蒸着装置1では、図5に示すように、突起部12dの存在により、蒸着用るつぼ12の底部12bにおいて蒸着材料9が輪状に充填されるため、蒸着材料9が蒸発する位置(蒸着源)が分散したのと同じ状態を得ることができる。つまり、複数の蒸着源を配置したのと等価な状態を得ることができる。その結果、蒸着用セル10の上方のより広い範囲において均一な膜厚で蒸着材料を対象物に対して蒸着することができる。したがって、大型の有機EL装置の作成も可能となる。
更に、加熱用ヒータ13による熱源が多くなっているため、蒸着用るつぼ12の底部12bを少々拡大しても、蒸着材料を均一に加熱することができる。よって、ほぼ同じ加熱に係る出力に対して、蒸着用るつぼ12の開口部12hの大口径化を図ることができ、結果として、更に、広範囲の対象物に対して均一な膜厚で蒸着材料を蒸着することができる。
また、本発明の実施形態に係る蒸着装置1では、蒸着用るつぼ12の底部12bから開口部12hに向けて設けられた中央ヒータ13bが蒸着用るつぼ12の突起部12dによって被覆されている。このため、中央ヒータ13bが直接剥き出された状態で配置されている場合よりも劣化し難くなる。更に、中央ヒータ13bが汚れ難くなるため、中央ヒータ13bのメンテナンス等に要する手間を簡略化することができる。
また、周囲ヒータ13aにおいて発熱材料である加熱用コイルが螺旋状に巻き付けられる間隔(巻き付けピッチ)と、中央ヒータ13bにおいて発熱材料である加熱用コイルが螺旋状に巻き付けられる間隔(巻き付けピッチ)とが略同一となっている。このため、蒸着用セル10において蒸着材料9をより確実かつ均一に加熱することができる。
また、蒸着処理工程において、蒸着用るつぼ12の底部12bに対し、中央ヒータ13bの高さを超えないように蒸着材料9を充填して、当該蒸着材料9を周囲ヒータ13aと中央ヒータ13bとによって加熱及び蒸発させる。このような構成を採用することで、蒸着処理において蒸着材料9をより均一に加熱することができる。
また、上記蒸着処理工程を利用することで、有機層の膜厚が精度良く調整された有機EL装置を製造することができる。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上述した実施形態では、中央ヒータ13bが蒸着用るつぼ12の突起部12dによって被覆されていたが、これに限られず、例えば、中央ヒータ13bが蒸着用るつぼ12に被覆されていなくても良い。
図6は、中央ヒータ13bが蒸着用るつぼ12Aに被覆されていない蒸着用セル10Aを例示する図である。なお、図6では、図2と同様な部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、蒸着用るつぼ12Aは、図10で示した従来の蒸着用るつぼ112と同様な形状を有する単純な深皿となっている。そして、蒸着用るつぼ112の底部12bから開口部12hに向けて中央ヒータ13bが立設されている。なお、図6では、アルミナ等の耐熱性を有する材料15が中央ヒータ13bの劣化を防ぐ為に塗布されている構成を示しているが、蒸着用るつぼ12Aの内部で、中央ヒータ13bが直接剥き出しのまま立設されても良い。
但し、中央ヒータ13bの劣化の抑制並びにメンテナンスの容易化といった観点から言えば、上記実施形態のように、中央ヒータ13bが蒸着用るつぼ12によって被覆されている方が好ましい。
◎また、上記実施形態では、蒸着用るつぼ12内において、中央ヒータ13bが穴部12Cvの深さの半分程度の高さしか有していなかったが、これに限られず、例えば、中央ヒータ13bが、底部12bから開口部12h付近にかけて設けられるようにしても良い。なお、中央ヒータ13bが開口部12hよりも高い位置まで設けられても構わない。
図7は、中央ヒータ13bが、底部12bから開口部12h付近にかけて設けられた蒸着用セル10Bを例示する図である。なお、図7では、図2と同様な部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、蒸着用るつぼ12Bは、蒸着用るつぼ12Bの底部12bから開口部12h付近にかけて中央ヒータ13bが設けられている。そして、ここでは、突起部12Bdも、中央ヒータ13bとともに、底部12bから開口部12h付近にかけて設けられている。
一般に、図10で示したような従来の蒸着用るつぼ112では、蒸着用るつぼ112の開口部付近で蒸発した蒸着材料が冷却されて、開口部付近の内壁に析出し、開口部の狭窄や閉塞を招く為、結果的に、均一な蒸着を阻害したり、蒸着速度の低下を招来する。しかしながら、図7で示したような構成を採用すると、蒸着用るつぼ12Bの開口部12h付近が、中央ヒータ13bによって加熱されるため、開口部12h付近に蒸着材料が析出し難くなる。したがって、開口部12h付近における蒸着材料の析出に起因した開口部の狭窄や閉塞を抑制することができる。
◎また、上記実施形態では、中央ヒータ13bを蒸着用るつぼ12で被覆するために、蒸着用るつぼ12に突起部12dを設けたが、これに限られない。例えば、図8及び図9に示すように、蒸着用るつぼ12Cが、中央ヒータ13bの周囲を取り囲む部分12Cdを有するが、中央ヒータ13bの直上には、蒸着用るつぼ12Cが存在していないような構成としても良い。つまり、図9に示すように、蒸着用るつぼ12Cを上方から見たときに、蒸着用るつぼ12Cがドーナツ状の形状を有するようにしても良い。なお、図8は、図9の線XX−YYに沿って切断した断面図である。
1 蒸着装置
5 基板
9,109 蒸着材料
10,10A,10B,10C,110 蒸着用セル
12b 底部
12d,12Bd,122 突起部
12h 開口部
13,113 加熱用ヒータ
13a 周囲ヒータ
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13,113 加熱用ヒータ
13a 周囲ヒータ
13b 中央ヒータ
Claims (8)
- 蒸着装置であって、
蒸着材料を加熱及び蒸発させる蒸着用るつぼと、
前記蒸着用るつぼの周囲に設けられた第1のヒータと、
前記蒸着用るつぼの底部から当該蒸着用るつぼの開口部に向けて設けられた第2のヒータと、
を備えることを特徴とする蒸着装置。 - 請求項1に記載の蒸着装置であって、
前記第2のヒータが、前記底部から前記開口部付近にかけて設けられたことを特徴とする蒸着装置。 - 請求項1または請求項2に記載の蒸着装置であって、
前記蒸着用るつぼが、前記第2のヒータを被覆する部分を有することを特徴とする蒸着装置。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載の蒸着装置であって、、
前記第1のヒータにおいて発熱材料が配置される第1の間隔と、前記第2のヒータにおいて発熱材料が配置される第2の間隔とが略同一であることを特徴とする蒸着装置。 - 蒸着装置における蒸着方法であって、
(a)周囲に第1のヒータが設けられ且つ底部から開口部に向けて第2のヒータが設けられた蒸着用るつぼの底部付近に対して、前記第2のヒータの高さを超えないように、蒸着材料を充填するステップと、
(b)前記(a)ステップにおいて前記底部付近に対して充填された蒸着材料を、前記第1及び第2のヒータによって加熱及び蒸発させるステップと、
を備えることを特徴とする蒸着方法。 - (i)請求項5に記載の蒸着方法を用いて、基板上に予め形成された第1の電極上に1以上の有機層を形成するステップと、
(ii)前記1以上の有機層上に第2の電極を形成するステップと、
を備えることを特徴とする有機EL装置の製造方法。 - (I)請求項1から請求項4のいずれかに記載の蒸着装置を用いて、基板上に予め形成された第1の電極上に1以上の有機層を形成するステップと、
(II)前記1以上の有機層上に第2の電極を形成するステップと、
を備えたことを特徴とする有機EL装置の製造方法。 - 蒸着用セルであって、
蒸着材料を加熱及び蒸発させる蒸着用るつぼと、
前記蒸着用るつぼの周囲に設けられた第1のヒータと、
前記蒸着用るつぼの底部から当該蒸着用るつぼの開口部に向けて設けられた第2のヒータと、
を備えることを特徴とする蒸着用セル。
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2006
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