JP2007269772A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用化合物、組成物および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用化合物、組成物および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】溶剤に対する溶解性に優れ、容易に薄膜を形成することができ、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として好適な化合物、該化合物を含有する組成物、および、発光特性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として特定のトリフェニルアミン化合物、三重項発光性金属錯体化合物および溶剤を含有する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物を用いて形成された発光層を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として有用なトリフェニルアミン化合物、該化合物を含む組成物および該組成物を用いて形成される有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下単に「有機EL素子」ともいう)は、直流電圧によって駆動することが可能であること、自己発光素子であるために視野角が広くて視認性が高いこと、および応答速度が速いことなどの優れた特性を有する。そのため、次世代の表示素子として期待されており、研究が活発に行われている。
このような有機EL素子としては、陽極と陰極との間に有機材料よりなる発光層が形成された単層構造のものや、陽極と発光層との間に正孔輸送層を有するもの、陰極と発光層との間に電子輸送層を有するものなどの多層構造のものが知られている。これらの有機EL素子は、いずれも、陰極から注入された電子と、陽極から注入された正孔とが、発光層において再結合することによって発光するものである。
有機EL素子においては、その発光層が高い発光効率を有することが要求されている。そして最近は、高い発光効率を実現するために、有機EL素子の発光に、励起状態である三重項状態の分子などのエネルギーを利用することが試みられている。
このような構成を有する有機EL素子によれば、従来から有機EL素子の外部量子効率の限界値と考えられていた5%を超え、8%の外部量子効率が得られることが報告されている(たとえば、非特許文献1および非特許文献2参照。)。
しかしながら、この有機EL素子は、低分子量の材料で構成され、また、蒸着法などの乾式法によって形成されている。そのため、この乾式法によっては面積の大きい層を形成するには限界があり、たとえば、大画面のディスプレイ装置などに適用することが難しいという問題がある。
この問題を解決するために、三重項状態の分子などのエネルギーを利用した高分子材料よりなる有機EL素子として、例えばイリジウム錯体化合物とポリビニルカルバゾールとからなる組成物よりなる発光層を湿式法により形成するものが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、この有機EL素子は、使用寿命が短いという欠点がある。
「アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)」,1999年,第75巻,p.4 「ケミカルマテリアル」,2004年,第16巻,p.1285
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであって、溶剤に対する溶解性に優れ、容易に薄膜を形成することができ、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として好適な化合物を提供することを目的とする。
また、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物、および該組成物を用い
て形成された、発光特性および使用寿命に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行った。その結果、特定のトリフェニルアミン化合物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明のトリフェニルアミン化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2007269772
式中、R1およびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のア
ルキル基または炭素数6〜20のアリール基である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物は、上記トリフェニルアミン化合物と、三重項発光性金属錯体化合物と、溶剤とを含有することを特徴とする。
前記三重項発光性金属錯体化合物は、イリジウムと窒素原子含有芳香族化合物との錯体化合物であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物を用いて形成された発光層を有することを特徴とする。
本発明のトリフェニルアミン化合物は、溶剤に対する溶解性に優れ、容易に薄膜を形成することができるとともに、良好なキャリア輸送性を有することから、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として好適である。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物は、上記トリフェニルアミン化合物および三重項発光性金属錯体化合物を含有することから、優れた発光特性および使用寿命を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を形成することができる。
さらに、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物を発光層の材料として用いていることから、三重項発光による発光特性および使用寿命に優れている。
本発明のトリフェニルアミン化合物、該化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物および該組成物を用いて形成される有機エレクトロルミネッセンス素子について以下に詳細に説明する。
<トリフェニルアミン化合物>
上記式(1)で表される化合物(以下、「トリフェニルアミン化合物(1)」ともいう)は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として好適である。
上記式(1)において、R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6
〜20のアリール基である。なかでも水素原子およびメチル基が好ましい。
トリフェニルアミン化合物(1)の好ましい例としては、下記式(1−1)〜(1−7)で表される化合物などが挙げられる(以下、たとえば、式(1−1)で表される化合物を単に、「トリフェニルアミン化合物(1−1)」という)。
Figure 2007269772
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上記トリフェニルアミン化合物(1)は、下記反応式に示すような方法により製造することができる。
Figure 2007269772
上記トリフェニルアミン化合物(1)は、蒸着法などの乾式法によって膜を形成することもできるが、溶剤に対する溶解性に優れるため、薄膜を形成するための塗布液を容易に調製し、該塗布液によって容易に薄膜を形成することができる。
また、上記トリフェニルアミン化合物(1)は、良好なキャリア輸送性を有するものであることから、たとえば燐光発光性を有する発光性材料と組み合わせることにより、有機EL素子の発光層を構成する材料として好適に用いることができる。
<有機EL素子用組成物>
本発明の有機EL素子用組成物は、上記トリフェニルアミン化合物(1)よりなる成分(以下「トリフェニルアミン成分」ともいう)と、三重項発光性金属錯体化合物よりなる成分(以下「錯体成分」ともいう)と、溶剤とを含有する。
錯体成分を構成する三重項発光性金属錯体化合物の例としては、イリジウム錯体化合物、白金錯体化合物、パラジウム錯体化合物、ルビジウム錯体化合物、オスミウム錯体化合物およびレニウム錯体化合物などが挙げられる。これらの中では、イリジウム錯体化合物が好ましい。
錯体成分を構成するイリジウム錯体化合物としては、イリジウムと、フェニルピリジン、フェニルピリミジン、ビピリジル、1−フェニルピラゾール、2−フェニルキノリン、2−フェニルベンゾチアゾール、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−フェニル−2−(4−ピリジル)−1,3,4−オキサジアゾールまたはこれらの誘導体などの窒素原子含有芳香族化合物との錯体化合物が挙げられる。
このようなイリジウム錯体化合物の例としては、下記一般式(2)〜(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007269772
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上記式(2)〜(7)において、R16、R17およびR18は、それぞれ1〜20のアルキル基、フッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。xは0〜4の整数であり、yは0〜4の整数である。
上記置換R16、R17およびR18におけるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基およびオクチル基などが挙げられる。また、アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
上記の中では、特に一般式(2)で表されるイリジウム錯体化合物(以下「イリジウム錯体化合物(2)」ともいう)を用いることが好ましい。
本発明の有機EL素子用組成物における錯体成分の含有量は、トリフェニルアミン成分100質量部に対して、0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。錯体成分の含有量が過小である場合には、十分な発光を得ることが困難となる場合がある。一方、錯体成分の含有量が過大である場合には、発光効率の減少である濃度消光と呼ばれる現象が生じることがある。
本発明の有機EL素子用組成物には、必要に応じて、たとえば電荷輸送性化合物などの添加物を加えることができる。前記電荷輸送性化合物としては、下記式(ア−1)〜(ア−10)で表される電荷輸送性を有する化合物、下記式(イ−1)〜(イ−20)で表される電子輸送性を有する化合物および下記式(ウ−1)〜(ウ−34)で表される正孔輸送性を有する化合物などが挙げられる。
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上記式(イ−16)において、Yは、下記式(a)〜(c)で表される基のいずれかを示す。
Figure 2007269772
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上記式(ウ−12)において、qは1以上の整数を示す。
Figure 2007269772
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本発明の有機EL素子用組成物における電荷輸送性化合物の添加量は、トリフェニルアミン成分100質量部に対して、0〜500質量部、好ましくは0〜100質量部、さらに好ましくは0〜50質量部である。
本発明の有機EL素子用組成物は、通常、上記トリフェニルアミン化合物(1)よりなるトリフェニルアミン成分と錯体成分とを、有機溶剤に溶解させることによって組成物溶液として調製される。そして、この組成物溶液を、発光層を形成すべき基体の表面に塗布し、得られた塗膜に対して有機溶剤による除去処理を行うことにより、有機EL素子における発光層を形成することができる。組成物溶液を塗布する手段の例としては、スピンコート法、ディッピング法、ロールコート法、インクジェット法および印刷法などが挙げら
れる。
ここで、上記組成物溶液を調製するための有機溶剤としては、トリフェニルアミン成分および錯体成分を溶解しうるものであれば特に限定されない。具体的には、アニソール、トルエン、キシレンおよびメシチレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;クロロホルム、クロロベンゼン、テトラクロロエタンおよびo−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよび1−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤;シクロヘキサノン、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネートおよびメチルアミルケトンなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記有機溶剤としては、適当な蒸発速度を有する有機溶剤、具体的には沸点が70〜200℃程度の有機溶剤は、均一な厚みを有する薄膜を形成できることから好ましい。
上記有機溶剤の使用割合は、トリフェニルアミン成分および錯体成分の種類によって異なるが、通常、組成物溶液中のトリフェニルアミン成分および錯体成分の合計の濃度が0.5〜10質量%となる割合であることが好ましい。
上記のような有機EL素子用組成物によれば、十分に高輝度で発光する発光層を有する有機EL素子を得ることができ、しかも、該発光層をインクジェット法などの湿式法により容易に形成することができる。
<有機EL素子>
図1は、本発明の有機EL素子の構成の一例を示す説明用断面図である。
図1において、有機EL素子は、透明基板1上に、正孔を供給する電極である陽極2がたとえば透明導電膜により設けられ、この陽極2上に正孔注入輸送層3が設けられ、この正孔注入輸送層3上に発光層4が設けられ、この発光層4上にホールブロック層8が設けられ、このホールブロック層8上に電子注入層5が設けられ、この電子注入層5上に電子を供給する電極である陰極6が設けられている。そして、陽極2および陰極6は、直流電源7に電気的に接続される。
このような有機EL素子において、透明基板1としては、ガラス基板、透明性樹脂基板または石英ガラス基板などを用いることができる。
陽極2を構成する材料としては、好ましくは、仕事関数の大きい材料、たとえば仕事関数が4eV以上の透明性材料が用いられる。ここで、仕事関数とは、固体から真空中に電子を取り出すのに要する最小限の仕事の大きさをいう。陽極2としては、ITO(Indium Tin Oxide)膜、酸化スズ(SnO2)膜、酸化銅(CuO)膜
および酸化亜鉛(ZnO)膜などを用いることができる。
正孔注入輸送層3は、正孔を効率よく発光層4に供給するために設けられたものであって、陽極2から正孔(ホール)を受け取って、発光層4に輸送する機能を有する。この正孔注入輸送層3を構成する材料としては、たとえば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネートなどの電荷注入輸送材料を好適に用いることができる。また、正孔注入輸送層3の厚みは、たとえば10〜200nmである。
発光層4は、電子と正孔とを結合させ、その結合エネルギーを光として放射する機能を有する。本発明の有機EL素子において、この発光層4は、上記有機EL素子用組成物を用いて形成される。発光層4の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、5〜20
0nmの範囲で選択される。
ホールブロック層8は、正孔注入輸送層3を介して発光層4に供給された正孔が電子注入層5に侵入することを抑制し、発光層4における正孔と電子との再結合を促進させ、発光効率を向上させる機能を有する。また、ホールブロック層8の厚みは、たとえば10〜30nmである。
上記ホールブロック層8を構成する材料としては、たとえば、下記式(I)で表される2, 9−ジメチル−4, 7−ジフェニル−1, 10−フェナントロリン(バソクプロイン:BCP)および下記式(II)で表される1, 3, 5−トリ(フェニル−2−ベンゾイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)などを好適に用いることができる。
Figure 2007269772
Figure 2007269772
電子注入層5は、陰極6から受け取った電子をホールブロック層8を介して発光層4まで輸送する機能を有する。この電子注入層5を構成する材料としては、バソフェナントロリン系材料とセシウムとの共蒸着系(BCP,Cs)、アルカリ金属およびその化合物(たとえば、フッ化リチウムおよび酸化リチウム)ならびにアルカリ土類金属およびその化合物(たとえば、フッ化マグネシウムおよびフッ化ストロンチウム)などを用いることができる。この電子注入層5の厚みは、たとえば0.1〜100nmである。
陰極6を構成する材料としては、仕事関数の小さい材料、たとえば仕事関数が4eV以下の材料が用いられる。陰極6の具体例としては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムおよびインジウムなどからなる金属膜、またはこれらの金属の合金膜などを用いることができる。陰極6の厚みは、材料の種類によって異なるが、通常、10〜1000nm、好ましくは50〜200nmである。
本発明の有機EL素子は、たとえば以下のようにして製造される。
まず、透明基板1上に陽極2を形成する。陽極2を形成する方法としては、真空蒸着法またはスパッタ法などを利用することができる。また、ガラス基板などの透明基板の表面に、ITO膜などの透明導電膜が形成されている市販の材料を用いることもできる。
上記のようにして形成された陽極2上に、正孔注入輸送層3を形成する。正孔注入輸送層3を形成する方法としては、たとえば、電荷注入輸送材料を適当な溶剤に溶解することによって正孔注入輸送層形成液を調製し、この正孔注入輸送層形成液を、陽極2の表面に塗布し、得られた塗布膜に対して溶剤の除去処理を行うことによって、正孔注入輸送層3を形成する手法を用いることができる。
次いで、本発明の有機EL素子用組成物を発光層形成液として用い、この発光層形成液を正孔注入輸送層3上に塗布し、得られた塗布膜を熱処理することにより、発光層4を形成する。発光層形成液を塗布する方法としては、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、インクジェット法および印刷法などを利用することができる。
上記のようにして形成された発光層4上にホールブロック層8を形成し、該ホールブロック層8上に電子注入層5を形成し、さらに、該電子注入層5上に陰極6を形成することにより、図1に示す構成を有する有機EL素子が得られる。なお、ホールブロック層8、電子注入層5および陰極6を形成する方法としては、真空蒸着法などの乾式法を利用することができる。
上記有機EL素子において、直流電源7により陽極2と陰極6との間に直流電圧が印加されると、発光層4が発光し、この光は正孔注入輸送層3、陽極2および透明基板1を介して外部に放射される。
上記のような構成の有機EL素子によれば、発光層4が本発明の有機EL素子用組成物によって形成されているため、高い発光輝度および発光効率が得られる。また、ホールブロック層8が配設されていることにより、陽極2からの正孔と、陰極6からの電子との結合が高い効率をもって実現され、その結果、高い発光輝度および発光効率が得られる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
〔合成例1〕フェニルイミダゾール化合物(i−1)の合成
Figure 2007269772
50ml丸底フラスコに、4−ブロモベンゾイルクロリド4.389gおよびN−フェニル−o−フェニレンジアミン3.684gをはかり取り、窒素雰囲気下でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)30mlに溶解させた後、室温にて15時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を500mlの水中に投入し、得られた沈殿物のろ過を行い、さらに水で十分に洗浄した。得られた化合物の精製を、N,N−ジメチルホルムアミド/メタノールを用いた再結晶により行い、4−ブロモ−N−[2−(フェニルアミノ)フェニル]ベンズアミド4.410gを得た。
引き続き、4−ブロモ−N−[2−(フェニルアミノ)フェニル]ベンズアミド2.200gおよびポリリン酸30gを50ml丸底フラスコにはかり取り、窒素雰囲気下、160℃にて12時間撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を500mlの水中に投入し、得られた沈殿物のろ過を行い、さらに水で十分に洗浄した。得られた化合物の精製を、メタノールを用いた再結晶により行い、黄色の2−(4−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール1.670gを得た。
続いて、50ml三口フラスコに2−(4−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール2.100gをはかり取り、アルゴン雰囲気下でテトラヒドロフラン25mlに溶解させた。フラスコを−78℃のクールバスに設置した後、反応溶液にn−ブチルリチウム4.50mlを2時間かけて滴下した。反応溶液を−78℃において、1時間撹拌した後、−50℃に反応温度を上昇させ、さらに1時間撹拌した。再び、−78℃とした後、反応溶液にボロン酸トリメチル2mlを1時間かけて滴下した。このまま反応溶液を一晩撹拌した後、室温までゆっくりと上げた。反応終了後、反応溶液を酸性の水(水:塩酸=100ml:20ml)に投入し、室温にて5時間撹拌した。次いで、ジエチルエーテルを加え、抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。次いで、得られた固体をヘキサンで煮沸洗浄することにより、黄色の4−(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニルボロン酸(フェニルイミダゾール化合物(i−1))1.510gを得た。
[実施例1]トリフェニルアミン化合物(1−1)の合成
Figure 2007269772
次に、50ml丸底フラスコに、合成例1で得られたフェニルイミダゾール化合物(i−1)0.700g、トリス−(4−ブロモフェニル)アミン0.318g、2mol/l炭酸カリウム水溶液3.3mlおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.022gをはかり取り、アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン25mlに溶解させた後、加熱還流を48時間行った。反応終了後、反応溶液にジクロロメタンを加え、抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた化合物の精製を、ジクロロメタン/ジエチルエーテル(v/v、10/1)を溶離液に用いたカラムクロマトグラフィーにより行い、目的物であるトリフェニルアミン化合物(1−1)0.310gを得た。
得られたトリフェニルアミン化合物(1−1)の1H−NMRおよび13C−NMRによ
るスペクトル測定を行い、N−フェニルイミダゾール基を有するトリフェニルアミンを基本骨格とする化合物であることを確認した。得られたトリフェニルアミン化合物(1−1)の1H−NMRスペクトルを図2に、13C−NMRスペクトルを図3に示す。
〔合成例2〕トリフェニルアミン化合物(i−4)の合成
Figure 2007269772
100ml丸底フラスコに、4−ブロモ−3−メチル安息香酸10.000gをはかり
取った後、塩化チオニル70mlおよびピリジンを2滴加え、12時間加熱還流した。反応終了後、過剰の塩化チオニルを減圧留去することにより、白色の4−ブロモ−3メチルベンゾイルクロリド9.400gを得た。
50ml丸底フラスコに、4−ブロモ−3−メチルベンゾイルクロリド6.433gおよびN−フェニル−o−フェニレンジアミン5.078gをはかり取り、窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド40mlに溶解させた後、室温にて15時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を500mlの水中に投入し、得られた沈殿物のろ過を行い、さらに水で十分に洗浄した。得られた化合物の精製を、N,N−ジメチルホルムアミド/メタノールを用いた再結晶により行い、4−ブロモ−3−メチル−N−[2−(フェニルアミノ)フェニル]ベンズアミド(BPBA)7.880gを得た。
次いで、4−ブロモ−3−メチル−N−[2−(フェニルアミノ)フェニル]ベンズアミド(BPBA)5.000gおよびポリリン酸(PPA)70gを50ml丸底フラスコにはかり取り、窒素雰囲気下、160℃で12時間撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を800mlの水中に投入し、得られた沈殿物のろ過を行い、さらに水で十分に洗浄した。得られた化合物の精製を、メタノールを用いた再結晶により行い、黄色の2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール3.900gを得た。
続いて、200ml三口フラスコに2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール5.158gをはかり取り、アルゴン雰囲気下でテトラヒドロフラン100mlに溶解させた。フラスコを−78℃のクールバスに設置した後、反応溶液にn−ブチルリチウム4.73mlを2時間かけて滴下した。反応溶液を−78℃において、1時間撹拌した後、−50℃に反応温度を上昇させ、さらに1時間撹拌した。再び反応溶液を−78℃まで下げ、ボロン酸トリメチル4.73mlを2時間かけて滴下した。このまま反応溶液を一晩撹拌した後、室温までゆっくりと上げた。反応終了後、反応溶液を酸性の水中(水:塩酸=200ml:40ml)に投入し、室温にて5時間撹拌した。次いで、ジエチルエーテルを加え、抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。次いで、得られた固体をヘキサンで煮沸洗浄することにより、黄色の2−メチル−4−(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニルボロン酸(フェニルイミダゾール化合物(i−4))3.860gを得た。
[実施例2]トリフェニルアミン化合物(1−4)の合成
Figure 2007269772
50ml丸底フラスコに、合成例2で得られたフェニルイミダゾール化合物(i−4)1.970g、トリス−(4−ブロモフェニル)アミン0.723g、2mol/l炭酸カリウム水溶液7.5mlおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.052gをはかり取り、アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン35mlに溶解させた後、加熱還流を48時間行った。反応終了後、反応溶液にジクロロメタンを加え、抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた化合物の精製を、ジクロロメタン/ジエチルエーテル(v/v、10/1)を溶離液に用いたカラムクロマトグラフィーにより行い、目的物であるトリフェニルアミン化合物(1−4)0.820gを得た。
得られたトリフェニルアミン化合物(1−4)の1H−NMRおよび13C−NMRによ
るスペクトル測定を行い、N−フェニルイミダゾール基を有するトリフェニルアミンを基本骨格とする化合物であることを確認した。得られたトリフェニルアミン化合物(1−4)の1H−NMRスペクトルを図4に、13C−NMRスペクトルを図5に示す。
〔合成例3〕フェニルイミダゾール化合物(i−2)の合成
Figure 2007269772
50ml丸底フラスコに、3−ブロモベンゾイルクロリド5.4865gおよびN−フェニル−o−フェニレンジアミン4.606gをはかり取り、窒素雰囲気下でN,N-ジ
メチルホルムアミド40mlに溶解させた後、室温にて15時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を600mlの水中に投入し、得られた沈殿物のろ過を行い、さらに水で十分に洗浄した。得られた化合物の精製を、テトラヒドロフラン/メタノールを用いた再結晶により行い、3−ブロモ−N−[2−(フェニルアミノ)フェニル]ベンズアミド(BPBA)5.510gを得た。
引き続き、3−ブロモ−N−[2−(フェニルアミノ)フェニル]ベンズアミド(BPBA)3.6724gおよびポリリン酸45gを50ml丸底フラスコにはかり取り、窒素雰囲気下、160℃にて12時間撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を500mlの水中に投入し、得られた沈殿物のろ過を行い、さらに水で十分に洗浄した。得られた化合物の精製を、メタノールを用いた再結晶により行い、黄色の2−(3−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール2.62gを得た。
続いて、50ml三口フラスコに2−(3−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール1.046g、ビス(ピナコラート)ジボロン0.8380g、酢酸カリウム0.8833gおよび1,1−ビス((ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)ジクロライド0.073gをはかり取り、アルゴン雰囲気下でジメチルスルホキシド18mlに溶解させ、80℃で6時間撹拌した。次に、反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた化合物の精製を酢酸エチル/ヘキサン(v/v、1/3)を溶離液に用いたカラムクロマトグラフィーにより行い、目的物である、3−(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロン−2−イル)ベンゼン(フェニルイミダゾール化合物(i−2)の白色粉末1.07gを得た。
[実施例3]トリフェニルアミン化合物(1−2)の合成
Figure 2007269772
50ml丸底フラスコに、合成例2で得られたフェニルイミダゾール化合物(i−2)1.020g、トリス−(4−ブロモフェニル)アミン0.3753g、2mol/l炭酸カリウム水溶液3.85mlおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0356gをはかり取り、アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、加熱還流を48時間行った。反応終了後、反応溶液にジクロロメタンを加え、抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた化合物の精製を、ジクロロメタン/ジエチルエーテル(v/v、10/1)を溶離液に用いたカラムクロマトグラフィーにより行い、目的物であるトリフェニルアミン化合物(1−2)0.40gを得た。
得られたトリフェニルアミン化合物(1−2)の1H−NMRおよび13C−NMRによ
るスペクトル測定を行い、N−フェニルイミダゾール基を有するトリフェニルアミンを基本骨格とする化合物であることを確認した。得られたトリフェニルアミン化合物(1−2)のH−NMRスペクトルを図6に、13C−NMRスペクトルを図7に示す。
〔合成例4〕トリフェニルアミン原料化合物(ii−5)の合成
Figure 2007269772
ディーンスターク管および窒素導入管を備えた50mL丸底フラスコに、3−ヨードトルエン15.2620g、3−トルイジン2.6788g、ビピリジル0.1952g、水酸化カリウム16.8333g、臭化銅0.179gおよびデカン20mLを加え、還流を行った。反応液を塩化メチレンで抽出後、ヘキサン/酢酸エチル(v/v、10/1)を溶離液に用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、目的物であるトリ−m−トリルアミン4.45gを得た。
次に、50mLのフラスコ中、−5℃で、窒素下、トリ−m−トリルアミン1.100gを20mLの塩化メチレンに溶解させた。次に、臭素1.838gを30分かけて滴下し、そのまま30分間撹拌を行った。溶媒を除去後、50mLのメタノールを加え、1時間還流させた。得られた化合物を、メタノール/テトラヒドロフランで再結晶を行い、トリス(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミン(トリフェニルアミン原料(ii−5))0.70gを得た。
[実施例4]トリフェニルアミン化合物(1−5)の合成
Figure 2007269772
50mLフラスコに、合成例1で得られたフェニルイミダゾール化合物(i−1)1.900g、合成例4で得られたトリフェニルアミン原料(ii−5)0.8984g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.079g、2M炭酸カリウム8.55mLおよび35mLテトラヒドロフラン35mLを加え、アルゴン中で48時間還流させた。反応終了後、反応溶液にジクロロメタンを加え、抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた化合物の精製を、ジクロロメタン/ジエチルエーテル(v/v、10/1)を溶離液に用いたカラムクロマトグラフィーにより行い、目的物であるトリフェニルアミン化合物(1−5)0.99gを得た。得られたトリフェニルアミン化合物(1−5)の1H−NMRおよび13C−NMRによるスペクト
ル測定を行い、N−フェニルイミダゾール基を有するトリフェニルアミンを基本骨格とする化合物であることを確認した。得られたトリフェニルアミン化合物(1−5)の1H−
NMRスペクトルを図8に、13C−NMRスペクトルを図9に示す。
[実施例5]トリフェニルアミン化合物(1−6)の合成
Figure 2007269772
100ml丸底フラスコに、合成例3で得られたフェニルイミダゾール化合物(i−2)3.9629g、合成例4で得られたトリフェニルアミン原料(ii−5)1.5414g、2mol/l炭酸カリウム水溶液14.7mlおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.1359gをはかり取り、アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン60mlに溶解させた後、加熱還流を48時間行った。反応終了後、反応溶液にジクロロメタンを加え、抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた化合物の精製を、ジクロロメタン/テトラヒドロフラン(v/v、20/1)を溶離液に用いたカラムクロマトグラフィーにより行い、目的物であるトリフェニルアミン化合物(1−6)1.57gを得た。
[実施例6]トリフェニルアミン化合物(1−7)の合成
Figure 2007269772
100ml丸底フラスコに、合成例2で得られたフェニルイミダゾール化合物(i−4)2.4778g、合成例4で得られたトリフェニルアミン原料(ii−5)1.1630g、2mol/l炭酸カリウム水溶液11.1mlおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.1026gをはかり取り、アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン50mlに溶解させた後、加熱還流を48時間行った。反応終了後、反応溶液にジクロロメタンを加え、抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた化合物の精製を、ジクロロメタン/テトラヒドロフラン(v/v、30/1)を溶離液に用いたカラムクロマトグラフィーにより行い、目的物であるトリフェニルアミン化合物(1−7)1.23gを得た。
<比較合成例>
容量100mLの三口フラスコに、9−ビニルカルバゾール15g、アゾビスイソブチロニトリル0.0125gおよび蒸留したN,N−ジメチルホルムアミド30gを加え、窒素で15分間バブリングを行った後、温度を80℃に上昇させて、4時間重合した。その後、反応溶液をメタノール400mL中に滴下し、得られた沈殿をろ別し、メタノールで洗浄し、減圧乾燥することにより、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(以下「重合体(a)」という。)を得た。重合体(a)のMwは30,000であった。
[実施例7]
(a)有機EL素子用組成物の調製
実施例1で得られたトリフェニルアミン化合物(1−1)1.0gと、上記一般式(2)においてxが0、yが0であるイリジウム錯体37.4mgとをクロロベンゼンに溶解し、トリフェニルアミン成分および錯体成分の合計の濃度が3質量%の有機EL素子用組成物溶液(以下「組成物溶液(1)」ともいう)を調製した。
(b)有機EL素子の作製
ガラス製透明基板上にITO膜が形成されてできたITO基板を、中性洗剤、超純水、イソプロピルアルコール、超純水およびアセトンを洗浄液として用いてこの順に洗浄し、超音波洗浄した後、さらに紫外線−オゾン(UV/O3)洗浄した。
洗浄後のITO基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)溶液をスピンコート法によって塗布し、得られた厚さ65nmの塗布膜を、窒素雰囲気下において250℃で30分間乾燥処理することに
より正孔注入輸送層を形成した。
得られた正孔注入輸送層の表面に、発光層形成液として上記組成物溶液(1)をスピンコート法によって塗布し、得られた厚さ70nmの塗布膜を、窒素雰囲気下において150℃で10分間乾燥することにより発光層を形成した。
次いで、ITO基板上に正孔注入輸送層および発光層がこの順に積層されてなる積層体を真空装置内に固定した後、該真空装置内を1×10-3Pa以下にまで減圧し、1,3,5−トリ(フェニル−2−ベンゾイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)を30nmの厚みで蒸着することにより、TPBI膜よりなるホールブロック層を形成した。
得られたホールブロック層上に、フッ化リチウムを0.5nmの厚みで蒸着することによってフッ化リチウム膜よりなる電子注入層を形成した。得られた電子注入層上に、カルシウムを30nmの厚みで蒸着し、次いでアルミニウムを100nmの厚みで蒸着することにより、カルシウム・アルミニウム膜よりなる陰極を形成した。その後、ガラス材料によって封止することにより、有機EL素子(以下「有機EL素子(1)」ともいう)を製造した。
(3)有機EL素子の特性評価
得られた有機EL素子(1)について、ITO膜を陽極とし、カルシウム・アルミニウム膜を陰極として発光層を発光させたところ、該有機EL素子(1)から、特定のイリジウム錯体に由来する波長515nm付近の発光が得られた。また、有機EL素子(1)の発光層を発光させ、その最高発光輝度および発光効率を測定した。結果を表1に示す。
また、有機EL素子(1)を100Cdで点灯させ、そのときの電流を一定に流し続け、輝度が50Cdとなるまでの時間(以下単に「半減期間」という。)を測定した。次に、トリフェニルアミン化合物(1−1)の代わりに上記比較合成例で得られた重合体(a)を用いたこと以外は前記有機EL素子(1)と同様にして、比較用の有機EL素子(a)を作製し、この有機EL素子(a)の半減期間を測定した。前記有機EL素子(a)の半減期間を100としたときの有機EL素子(1)の相対半減期間を「使用寿命」とした。結果を表1に示す。
[実施例8〜11]
実施例7において、トリフェニルアミン化合物(1−1)の代わりに、表1のトリフェニルアミン化合物を用いたこと以外は、実施例7と同様の方法で組成物を調製し、得られた組成物を用いて有機EL素子を作製し評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007269772
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示す説明用断面図である。 実施例1で得られたトリフェニルアミン化合物(1−1)の1H−NMRスペクトルである。 実施例1で得られたトリフェニルアミン化合物(1−1)の13C−NMRスペクトルである。 実施例2で得られたトリフェニルアミン化合物(1−4)の1H−NMRスペクトルである。 実施例2で得られたトリフェニルアミン化合物(1−4)の13C−NMRスペクトルである。 実施例3で得られたトリフェニルアミン化合物(1−2)の1H−NMRスペクトルである。 実施例3で得られたトリフェニルアミン化合物(1−2)の13C−NMRスペクトルである。 実施例4で得られたトリフェニルアミン化合物(1−5)の1H−NMRスペクトルである。 実施例4で得られたトリフェニルアミン化合物(1−5)の13C−NMRスペクトルである。
符号の説明
1 透明基板
2 陽極
3 正孔注入輸送層
4 発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 直流電源
8 ホールブロック層

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とするトリフェニルアミン化合物。
    Figure 2007269772
    (式中、R1およびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20の
    アルキル基または炭素数6〜20のアリール基である。)
  2. 前記トリフェニルアミン化合物と、三重項発光性金属錯体化合物と、溶剤とを含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物。
  3. 前記三重項発光性金属錯体化合物が、イリジウムと窒素原子含有芳香族化合物との錯体化合物であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物。
  4. 請求項2または3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物を用いて形成された発光層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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