JP2007269717A - 2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高収率かつ高選択率の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法を提供する。
【解決手段】沸点が150〜400℃である脂肪族炭化水素を媒体に用いて、2−ナフトールカリウムと二酸化炭素を反応させる以下の(1)〜(4)の工程を含む2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法。(1)媒体と2−ナフトールカリウムとの混合液を、200℃以上290℃未満に昇温し、媒体および実質的に無水の2−ナフトールカリウムからなる200℃以上290℃未満の反応液を提供する工程、(2)反応液に、二酸化炭素を導入することにより反応槽内の圧力を3MPa(G)以上となるように加圧する工程、(3)反応液を、305〜340℃の範囲に昇温する工程、(4)反応液を、305〜340℃の範囲に維持する工程
【選択図】なし

Description

本発明は、脂肪族炭化水素を反応媒体に用いた2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法に関する。
2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸は、種々の有機色素や有機高分子材料の原料などに用いることのできる重要な化合物である。
2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法としては、例えば、水素化トリフェニル中で、トリメチルフェノールカリウムなどのカリウム源の存在下あるいは不存在下に、2−ナフトールカリウムと二酸化炭素を温度290℃以上、二酸化炭素圧力30kg/cm(G)以上で反応させる方法が知られている(特許文献1を参照)。
しかし、特許文献1において媒体に用いている水素化トリフェニルは生分解性が低いことから、生物への蓄積が懸念されており、大気への放出や、河川、海洋への流出の防止など、取り扱いに注意を要するものである。
特許文献1には、水素化トリフェニルの他の媒体としては、軽油、灯油などの脂肪族炭化水素が挙げられているが、脂肪族炭化水素を媒体に用いて反応を行う場合には、特許文献1に記載の方法のように290℃以上の温度にて反応を開始すると、反応液の性状が急激に変化し高粘度化しやすく攪拌困難となる問題があった。
また、特許文献1においてカリウム源として用いられるトリメチルフェノールカリウムなどには、反応後に副生するトリメチルフェノールなどを反応液から分離する工程が非常に複雑になるという問題もあった。
しかし、トリメチルフェノールカリウムなどの2−ナフトールカリウム以外のカリウム源を用いない場合には、脂肪族炭化水素を媒体に用いた反応において、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の収率や、生成物中の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の選択率が低くなる傾向がある。
このため、トリメチルフェノールカリウムなどの2−ナフトールカリウム以外のカリウム源を用いることなく、高収率かつ高選択率で2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸を製造可能である、脂肪族炭化水素を媒体に用いた2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法の開発が望まれている。
国際公開第98/17621号パンフレット
本発明の目的は、脂肪族炭化水素を媒体に用い2−ナフトールカリウムと二酸化炭素とを反応させる2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法において、高収率かつ高選択率で2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸を製造する方法を提供することにある。
本発明は、沸点が150〜400℃である脂肪族炭化水素を媒体に用いて、2−ナフトールカリウムと二酸化炭素を反応させる2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法において、以下の(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法を提供する:
(1)媒体および2−ナフトールカリウムからなる混合液を、200℃以上290℃未満に昇温し、媒体および実質的に無水の2−ナフトールカリウムからなる200℃以上290℃未満の反応液を提供する工程、
(2)200℃以上290℃未満に維持されている工程(1)で提供された反応液に、二酸化炭素を導入することにより反応槽内の圧力を3MPa(G)以上となるように加圧する工程、
(3)反応液を、305〜340℃の範囲に昇温する工程、
(4)反応液を、305〜340℃の範囲に維持する工程。
本発明の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法は、沸点が150〜400℃である脂肪族炭化水素を媒体に用いて、2−ナフトールカリウムと二酸化炭素を反応させる方法であり、以下に順に説明する(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする。
本発明の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法の工程(1)は、媒体および2−ナフトールカリウムからなる混合液を、200℃以上290℃未満に昇温し、媒体および実質的に無水の2−ナフトールカリウムからなる200℃以上290℃未満の反応液を提供する工程である。
工程(1)の出発混合液に用いる「媒体」とは、沸点が150〜400℃である脂肪族炭化水素である。
沸点が400℃より高い媒体においては、反応後の媒体を蒸留により精製して再利用しにくいことや、粘度が高く反応時に均一に攪拌しにくいなどの問題がある。また、沸点が150℃より低い媒体においては、混合液の昇温による脱水操作時に媒体が留出しやすいことや、2−ナフトールカリウムと二酸化炭素との反応時に媒体の蒸気圧が高くなる問題がある。
本発明において用いる脂肪族炭化水素の好適な例としては、灯油、軽油、重油またはこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、反応時の液性や、蒸留により精製し再利用しやすいことなどから軽油を単独で用いるのが好ましい。
本発明において出発混合液に用いる2−ナフトールカリウムは、あらかじめ実質的に無水としたものであっても、その調製反応から持ち込まれる、水分および/または有機溶媒を含むものであってもよい。
2−ナフトールカリウムは公知のいずれの方法によって調製したものであってもよい。例えば、2−ナフトールと水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムアルコキシドなどの塩基性カリウム化合物とを反応させることにより2−ナフトールカリウムを調製することができる。
2−ナフトールカリウムの調製は、水やメタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中で行うことが出来るが、水中で行うのが好ましい。
2−ナフトールカリウムを調製するときの、塩基性カリウム化合物の使用量としてはカリウム換算量で、2−ナフトール/カリウムのモル比率が80/100〜100/80が好ましく、90/100〜100/90であるのが特に好ましく、95/100〜100/95であるのが最も好ましい。
2−ナフトールと塩基性カリウム化合物を反応させる温度は特に限定されないが0〜100℃で行うのが好ましい。また、反応は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気に行うのが好ましい。
2−ナフトールと塩基性カリウム化合物を反応させる圧力は特に限定されず、大気圧下、加圧下、減圧下のいずれの条件でおこなってもよい。加圧条件で行う場合は、前記の不活性ガスにより加圧するのが好ましい。
2−ナフトールと塩基性カリウム化合物の反応時間については所定の量の2−ナフトールカリウムが生成する限り特に制限されない。使用する溶媒の種類や量によっても反応時間は異なるが、典型的には5分から5時間程度で行われる。
上記の方法によると、2−ナフトールカリウムは、水溶液および/または有機溶媒溶液として提供される。かかる水分/有機溶媒を含んでいる2−ナフトールカリウムは、あらかじめ加熱により水分/有機溶媒を除いた後に、本発明に用いる媒体、即ち、沸点が150〜400℃である脂肪族炭化水素と混合するのが好ましい。この際、2−ナフトールカリウムは、実質的に無水となるまで脱水を行ってから媒体と混合しても、少量の水分を含んだままの2−ナフトールカリウムを媒体と混合した後に、昇温と共に脱水して実質的に無水としてもよい。
2−ナフトールカリウム溶液の脱水は、例えば、2−ナフトールと塩基性カリウム化合物を反応させた反応液を、大気圧または減圧下に、反応液が突沸しないように200〜270℃まで徐々に昇温しながら水および/または有機溶媒を留去し、濃縮された2−ナフトールカリウムに二酸化炭素との反応時に媒体として用いる脂肪族炭化水素を加えた後に200℃以上290℃未満に保持することによって達成される。
工程(1)において、2−ナフトールカリウムと媒体からなる混合液は、200℃以上290℃未満に昇温されるが、工程(1)により提供される反応液に含まれる2−ナフトールカリウムは実質的に無水である。
工程(1)における昇温時の圧力は特に限定されず、大気圧下、加圧下、減圧下のいずれの条件で行ってもよい。
ここで、特許請求の範囲および明細書において、2−ナフトールカリウムが「実質的に無水」であるとは、2−ナフトールカリウム中の水分量が0.5重量%以下であることをいう。
工程(1)は、2−ナフトールカリウム中の水分が0.5重量%以下となるまで行うのが好ましく、0.3重量%以下となるまで行うのが特に好ましい。
2−ナフトールカリウムの調製において有機溶媒を用いた場合は、2-ナフトールカリウムを実質的に無水となる状態まで脱水することにより、水と同時に有機溶媒も2−ナフトールカリウムから除かれる。
2−ナフトールカリウム中の水分は、2−ナフトールカリウムの試料を、高温の2−ナフトールカリウムの酸化を防ぐために空気に接触させないように注意しながら軽油や灯油などを満たした容器中にサンプリングし、採取した2−ナフトールカリウムを十分に冷却し固化させ、付着した油分を十分に拭き取った後に、カールフィッシャー法により測定することが出来る。
工程(1)において提供される、媒体および実質的に無水の2−ナフトールカリウムからなる200℃以上290℃未満の反応液は、次の工程(2)に供される。
工程(2)は、200℃以上290℃未満に維持されている工程(1)で提供された反応液に、二酸化炭素を導入することにより反応槽内の圧力を3MPa(G)以上となるように加圧する工程である。
工程(2)では、反応液の温度を200℃以上290℃未満に維持する。反応液の温度が200℃よりも低い場合には、後の昇温工程に長時間を要し好ましくない。また反応液の温度が290℃よりも高い場合には、系内に二酸化炭素を導入した時点で反応液の性状が急激に変化し攪拌困難となるという問題がある。
このように200℃以上290℃未満に維持された反応液に、二酸化炭素を導入することにより、反応系内の二酸化炭素圧力を3MPa(G)以上、特に好ましくは3〜10MPa(G)に、最も好ましくは3〜6MPa(G)に加圧し、2−ナフトールカリウムと二酸化炭素との反応を開始する。
なお、二酸化炭素を反応槽に導入し加圧する時点での、媒体として用いる脂肪族炭化水素の使用量は、2−ナフトールカリウムと二酸化炭素との反応が良好に進行する限り特に制限されないが、好ましくは2−ナフトールカリウムに対して0.5〜10倍重量、より好ましくは1〜5倍重量であるのがよい。
反応液への二酸化炭素の導入は、反応液が200℃以上290℃未満の範囲の所定の温度に達した後であればいつ行ってもよいが、2−ナフトールカリウムの熱劣化を考慮し、所定の温度に到達してから10時間以内に行うのが好ましく、5時間以内に行うのがより好ましく、1時間以内に行うのがもっとも好ましい。
反応系内への二酸化炭素の導入により加圧が終了した後、反応液を、工程(3)、即ち、応液を、305〜340℃の範囲に昇温する工程に供する。
反応液を305〜340℃に昇温する方法は特に制限されず、単一の槽を用いて昇温してもよく、別途設けられた、内温を305〜340℃に調整された反応槽に反応液を移送することにより行ってもよい。
反応液を、200℃以上290℃未満の任意の温度から305〜340℃に昇温する工程は、原料の2−ナフトールカリウムや反応生成物の昇温中の副反応を考慮し、5時間以内に行うのが好ましく、3時間以内に行うのが特に好ましく、2時間以内に行うのが最も好ましい。
工程(3)における昇温中の二酸化炭素圧力としては、工程(2)における二酸化炭素圧力の範囲と同様である。昇温中の二酸化炭素圧力は3MPa(G)以上となるように保たれていればよく、この条件範囲で圧力が変動してもかまわない。
反応液を305〜340℃に昇温した後は、工程(4)、即ち、反応液を305〜340℃の温度範囲に維持する。
即ち、反応液が305〜340℃の任意の温度に昇温された後には、305〜340℃に反応液の温度を保持しながら引き続き2−ナフトールカリウムと二酸化炭素の反応が行われる。この反応工程において、反応温度は305〜340℃に保たれていればよく一定の温度に保持されなくても構わない。
305〜340℃の温度範囲で反応を行うことにより、トリメチルフェノールカリウムなどの2−ナフトール以外のカリウム源を用いることなく、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸のカリウム塩の収率を高めるとともに、生成物中の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸のカリウム塩の比率を高めることが可能となる。
該反応工程は、原料の2−ナフトールカリウムを基準として、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の収率が、20%以上となるまで行うのが好ましく、25モル%以上となるまで行うのがより好ましい。
また、この時、反応液中の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸のカリウム塩の、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸のカリウム塩、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のカリウム塩、および2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸のカリウム塩の合計量に対する比率が60モル%以上となるまで行うのが好ましく、70モル%以上となるまで行うのがより好ましい。
305〜340℃における反応工程は、系内の圧力や反応温度によっても異なるが、典型的には5分〜3時間で行うのが好ましく、5分〜2時間で行うのがより好ましい。
工程(4)における反応中の二酸化炭素圧力としては、工程(2)および(3)における二酸化炭素圧力の範囲と同様である。反応中の二酸化炭素圧力は、3MPa(G)以上となるように保たれていればよく、この条件範囲で圧力が変動してもかまわない。
反応工程が終了した後、反応液の冷却は、反応槽内部が加圧された状態、二酸化炭素を排気し系内圧力を低下させた状態、もしくは二酸化炭素の排気により系内圧力を低下させながら、のいずれの態様で行ってもよい。冷却により反応液を100〜200℃とする。
反応液を冷却した後には、反応液中の反応に用いた媒体を除く成分を均一に溶解させるのに十分な量の水を加えることにより反応液を溶解させる。
反応液を加水により溶解させた後には、十分に静置した後に、上層の媒体層と、下層の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸のカリウム塩を含む水層とに分液される。分液時には液界面を明瞭にするために、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼンなどの疎水性有機溶媒を加えても良い。
分液された媒体層は、所望により水洗や蒸留などにより精製された後に反応媒体として再び使用可能である。
このようにして得られた水層から、酸析、水洗、および溶剤抽出など従来から知られている方法を適当に組み合わせることによって2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸を回収することができる。
実施例および比較例において以下の略号を用いる。
BON3,6:2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸
BON3:2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸
BON6:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸
実施例1
等モルの2−ナフトールカリウムと水酸化カリウムを用いて調製した濃度60重量%の2−ナフトールカリウム水溶液454.4g(2−ナフトールカリウム1.5モルを含む)を容量1Lの温度計、圧力計、排気管および攪拌装置を備えたオートクレーブに仕込み、窒素気流下に徐々に260℃まで昇温し系内の水分を留出させた。同温度で一時間保持した後に、軽油547.7gを徐々に加えた。軽油を添加した後に、同温度にて3時間保持し脱水を終了した。2−ナフトールカリウムを少量採取し水分の含有量をカールフィッシャー法により測定したところ0.05重量%であり、2−ナフトールカリウムは実質的に無水の状態となっていた。
脱水時に留出した少量の軽油と同重量の軽油を、オートクレーブ内に加えた後、オートクレーブを密閉し、反応液を270℃に昇温し、オートクレーブ内を二酸化炭素により5.4MPa(G)に加圧し反応を開始した。
オートクレーブに二酸化炭素を導入した時点から、100分かけて310℃まで昇温し、次いで同温度にて140分かけて反応を行った。
反応終了後、反応液を160〜170℃まで冷却した時点で、オートクレーブから徐々に二酸化炭素を排気し、オートクレーブ内の圧力を大気圧に戻した。
次いで、反応液に水690gを加えて反応液を均一に溶解させた後に、軽油層と水層に分液し、各層を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析し、BON3,6、BON3、およびBON6の2−ナフトールカリウムを基準とする収率を求めた。HPLC分析条件を表1に、収率の測定結果を表2に記す。
表1:HPLC測定条件
Figure 2007269717
実施例2
オートクレーブに二酸化炭素を導入した時点から、120分かけて310℃まで昇温し、次いで同温度にて60分かけて反応を行った他は実施例1と同様の操作を行った。
HPLCによる2−ナフトールカリウムを基準とするBON3,6、BON3、およびBON6の収率の測定結果を表2に記載する。
実施例3
オートクレーブに二酸化炭素を導入した時点から、115分かけて310℃まで昇温し、次いで同温度にて30分かけて反応を行った他は実施例1と同様の操作を行った。
HPLCによる2−ナフトールカリウムを基準とするBON3,6、BON3、およびBON6の収率の測定結果を表2に記載する。
比較例1
オートクレーブに二酸化炭素を導入した時点から、100分かけて300℃まで昇温し、次いで同温度にて140分かけて反応を行った他は実施例1と同様の操作を行った。
HPLCによる2−ナフトールカリウムを基準とするBON3,6、BON3、およびBON6の収率の測定結果を表2に記載する。
比較例2
オートクレーブに二酸化炭素を導入した時点から、100分かけて300℃まで昇温し、次いで同温度にて140分かけて反応を行った他は実施例1と同様の操作を行った。
HPLCによる2−ナフトールカリウムを基準とするBON3,6、BON3、およびBON6の収率の測定結果を表2に記載する。
比較例3
実施例1と同様にして、2−ナフトールカリウムの脱水操作を行った後、反応液を300℃まで昇温し、次いで二酸化炭素によりオートクレーブ内の圧力を5.4MPa(G)に調整した。
オートクレーブに二酸化炭素を導入した直後に、反応熱による昇温とともに、攪拌装置の負荷が急激に上昇し、反応液の増粘により攪拌不可能な状態となった。
表2
A:オートクレーブへの二酸化炭素導入時の温度
B:オートクレーブへの二酸化炭素導入時から最終反応温度までの昇温時間
C:最終反応温度
D:最終反応温度での保持時間
Figure 2007269717
表2より、C:最終反応温度を310℃とした実施例1〜3については、何れも2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の収率を20モル%以上の高収率、かつ60モル%以上の高い反応選択率(BON3,6比率)であった。
一方、C:最終反応温度を300℃とした比較例1および2については、反応選択率が特に低く、また収率も低い傾向にあるものであった。
また、二酸化炭素を300℃と高い温度でオートクレーブに導入した、比較例3においては、反応液の増粘により攪拌困難となり、良好に反応操作を行えないものであった。

Claims (5)

  1. 沸点が150〜400℃である脂肪族炭化水素を媒体に用いて、2−ナフトールカリウムと二酸化炭素を反応させる2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法において、以下の(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法:
    (1)媒体および2−ナフトールカリウムからなる混合液を、200℃以上290℃未満に昇温し、媒体および実質的に無水の2−ナフトールカリウムからなる200℃以上290℃未満の反応液を提供する工程、
    (2)200℃以上290℃未満に維持されている工程(1)で提供された反応液に、二酸化炭素を導入することにより反応槽内の圧力を3MPa(G)以上となるように加圧する工程、
    (3)反応液を、305〜340℃の範囲に昇温する工程、
    (4)反応液を、305〜340℃の範囲に維持する工程。
  2. 工程(4)を、反応液中の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸のカリウム塩の、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸のカリウム塩、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のカリウム塩、および2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸のカリウム塩の合計量に対する比率が60モル%以上となるまで行う、請求項1に記載の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法。
  3. 脂肪族炭化水素が、灯油、軽油、重油またはこれらの混合物である、請求項1または2に記載の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法。
  4. 脂肪族炭化水素が軽油である、請求項1〜3の何れかに記載の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法。
  5. 工程(2)において二酸化炭素を反応槽に導入する時点での媒体の使用量が、2−ナフトールカリウムに対して、0.5〜10倍重量である請求項1〜4の何れかに記載の2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の製造方法。
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